ハイスクールD×D忌避されし存在   作:ダーク・シリウス

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悪神ロキ

 

 

翌朝、一香は問題なく理事長の秋川やよいと面接を経て警備員として雇われることが叶った。学園の案内中に駒王学園にいる川神鉄心とも会わされ、約束の時間帯になれば式森和真が一香を迎えに来た。

 

「・・・・・明日、後輩、よろしく」

 

「後輩じゃなくて母親なのだけれど?」

 

「・・・・・仕事、公私混合、厳禁」

 

「彼の言う通りです姉上。これ以上の我儘は許しませんよ。他の式森家の者達もそれなら許可すると認めてくださったのですから」

 

「どうして私の人生を周りの連中が決めるのよ! 私の人生は私の物でしょうが!」

 

「当主の座に就くことを許される条件、過半数以上の式森家の人間の許可を得ることを忘れたわけではないでしょうが! 今回もそれと同じく多忙の中を集まっていただいた者達が会議を開いて決まったことなんです。当主の責務を放棄した姉上に決定権もなければ文句を言う筋合いもありません!」

 

それならどうしようもないと、Dは助け舟を出さず和真と本家に戻る一香を見送ったその日の夜。夜間の警備中に携帯が鳴り出した。

 

「・・・・・鳶雄、・・・・・ん、・・・・・そう、・・・・・しょうがない、・・・・・了解」

 

通信を切って携帯を取り出したポケットの中に仕舞う。その後、溜息を吐いた。

 

 

木場side

 

夜空に飛ぶ八本足の巨大なスレイプニルという軍馬の馬車におられる北欧の主神オーディン様の日本観光に付き合いつつ護衛していた。次の場所へ向かう途中にオーディン様の命を狙う北欧の悪の神ロキが現れた。オーディン様が北欧神話体系を抜け出て自分達以外の神話体系に接触するのが酷く耐えがたく、ロキは極東の神々と和平と和議も納得できない故に単独で粛清に来た。

 

理由はわかったが、僕達では神相手に倒すことはかなり難しい。だというのにロキは、巨大な灰色の狼を呼び出した。狼を見てアザゼル総督が絞り出すように言葉を発したのが神喰狼、フェンリル。神を確実に噛み殺す牙を持つ最悪最大の魔物の一匹。ロキだけでなくあの伝説の魔物まで相手にするには、僕達だけでは・・・最悪誰かがオーディン様を守って死ぬかもしれない。それでも戦わなければならない僕達に向かってロキはフェンリルを嗾けた。

 

オオオオオオオオオオォォォォォォオオオオオオオオオンッッ!

 

闇の夜空でフェンリルが透き通るほど見事な遠吠えをしてみせた。その鳴き声は、僕たちの全身を震え上がらせるには十分すぎて、更に聞き惚れてしまうほどの美声だった。

 

ひゅっ。

 

―――速いッ!!!

 

一迅の風。眼前のフェンリルが僕の目を持ってしても視界から消え―――。

 

次の刹那には―――部長を噛み砕かんと空けた口から覗ける神を殺す牙が捉えていた。部長も反撃する暇もなく、回避する暇もなく目を大きく見開いてフェンリルの牙を視界に入れ―――。

 

バグンッ!!

 

一瞬で部長の姿がフェンリルの口の中に消えた光景に僕達の頭の中は真っ白になった。敬愛する主が、騎士として守るべき主が・・・・・フェンリルに喰われたのだという事実を受け入れるのが拒みたくとも変えられない現実に、僕は・・・握る剣の柄を強く、強く握り締めた。

 

「ふははははっ! オーディンの護衛にしては全く弱いな!」

 

哄笑するロキ。僕たちはそんなロキを睨み、アザゼル総督と朱乃さんの父親バラキエルさんは苦渋に満ちた顔を浮かんだ。

 

「さぁ、フェンリル。次はそこの悪魔を喰らうがいい!」

 

ロキはフェンリルに指示を出した。が―――なぜか動かない。それには僕たちだけでなくロキも不思議そうにフェンリルを見た。

 

「どうした我が子よ。悪魔を喰って腹を壊したわけではあるまい」

 

部長の味はそうなるほど不味くはないって不謹慎なのか判断に迷う。しかし、フェンリルが動かない理由は誰もわからないまま一匹の狼を注視していた時、ゆっくりと牙を覗かせ口を開けた瞬間。口から何かに弾かれて出てきた紅髪が―――。

 

「部長!?」

 

「リアス!?」

 

その正体は何と部長だった!? フェンリルの唾液で髪や制服が濡れているが外傷は一切見受けれない。一体どうやって・・・・・?

 

「―――来てくれやがったか!!」

 

アザゼル総督が歓喜の声を上げた。その理由はフェンリルの牙を掴み膂力で口を開いたDさんがいた!

 

『Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!』

 

鎧を纏わず装着している左の赤い籠手の宝玉から何度も聞こえる音と倍加していく力。あの状態から攻撃を・・・・・?

 

「―――ッ。フェンリル、今すぐ赤龍帝を爪で貫け!」

 

彼が何をするつもりか察したのか、ロキがフェンリルを急かした。牙ではなくて爪の理由・・・・・ロキの焦りと倍加していくDさんの力・・・・・。

 

「・・・・・牙」

 

ゴキュッ!!

 

「・・・・・折る」

 

バキャンッ!!

 

口の中から、Dさんが神を噛み砕くフェンリルの牙を抜いたり折ったりして、無力した! 牙を奪われ咆哮をあげるフェンリルも初めて顔の表情を変えて激痛に苦しんだ!

 

「―――ッ! おのれ、我が子の牙を、赤龍帝ッ!」

 

「・・・・・仕事、終わらせる」

 

ロキがDさんの行いに憤怒した。Dさんの方は幾重の魔方陣を展開して純白の極光を飽和攻撃に放った。その攻撃の魔法は・・・・・北欧の術式だった。ロキは防御魔方陣で全身を守るように展開し、Dさんの全攻撃を難なく防いでしまうだろうと思った時。難なくロキの全方位の防御魔方陣を砕くように破いたのだった!

 

「ッ―――!?」

 

瞠目するロキ。さらに極光の魔力を放つDさんの速度は更に高まり、防御魔方陣が破かれた傍から瞬時に張り直すように展開するロキであるが、魔法の射撃速度が更に加速していくつれにだんだんそれが困難になっているのが判った。

 

「フェンリルッ! 赤龍帝を殺せ!」

 

このままでは防御魔方陣が突破されることを危惧し、集中して魔法を放っている無防備な彼をフリーなフェンリルがロキの命令と同時に牙を剥いた。彼は避けることすらしない!

 

「「イッセーっ!」」

 

「・・・・・」

 

部長たちの叫び声。Dさんは右目の眼帯を徐に外して、隠されていた濡れ羽色の瞳を開眼させた。

 

「・・・・・出てきていい、アジ・ダハーカ」

 

次の瞬間。彼の右目から紫の発光現象を時折起こす鱗で覆われた二対四枚の翼と黒い三頭の龍が飛び出してきて、フェンリルを牽制した! なんだ、フェンリルに負けないプレッシャーや禍々しいこのドラゴンはっ!?

 

「・・・・・聞いてはいたが、直で見るのは初めてだな。。邪龍最凶の一角『魔源の禁龍(ディアボリズム・サウザント・ドラゴン)』アジ・ダハーカ」

 

『邪龍!?』

 

僕たちは全員驚いた。まさか、彼の身には赤龍帝ドライグが宿っているんじゃなかったのかと。改めて邪龍アジ・ダハーカを見た。

 

『グックック、神と戦える機会が巡って来たな!』

 

『覚えているよね! 覚えているよね!』

 

『勝負だ悪い神! 悪くて邪悪な龍に勝てるか!』

 

完全にロキと戦い違っていて、それを許すように魔法を止めたDさん。

 

「・・・・・覚えてる、フェンリル、神、交代」

 

バトンタッチするようにアジ・ダハーカの体に触れた途端。アジ・ダハーカが夜空に数多の魔方陣を展開して、中には禁術と思しき危険な魔法までロキに放った! Dさんはフェンリルの前に立ちロキに放った魔法で攻撃する! ロキとフェンリルは防御や回避する事しか精一杯になっている!

 

「邪龍アジ・ダハーカだと、封印されていたのではなかったのか!?」

 

神と言えど、厄介な相手なのは変わりないらしい。千の魔法・魔術を使役する邪龍と魔法、魔術に秀でた世界の神の勝負は魔法使いにとって危険でも見たい光景だろう。

 

「くっ―――フェンリルよっ!」

 

近くに呼び寄せるロキ。アジ・ダハーカの魔法を躱しながら空間が大きく歪みだして、ロキとフェンリルを包んでいった。

 

「・・・・・逃がさない」

 

『神が逃げるか!』

 

『臆病神! 臆病神!』

 

『まだまだ戦い足りないぞ!』

 

一人と一匹が巨大な魔力を集束してから、解き放った!

 

ズォォォォオオオオオオオオオ!!!

 

何て莫大な魔力! 神でも当たれば一溜まりもない一撃は先にこの場から姿を消したロキとフェンリルに当たらず空ぶった。

 

「・・・逃げたか。さすがに伝説のドラゴンと邪龍と戦うことになるとは想定していなかっただろう」

 

「それ以前に、Dのあの魔法は北欧の術式。何時の間に覚えていたのだ」

 

「ほっほっほっ。邪龍と契約しているのか、宿しているのかさておき心強い護衛がやっと合流してくれたわぃ」

 

「その彼は・・・邪龍と共にどこかに行ってしまいましたが」

 

僕たちに一言掛けず行ってしまったDさん。ロキとフェンリルを追いかけに行ったか、あるいは学園に戻ったか・・・どちらにしろまた共闘をする事になりそうだ。

 

 

BAR黒狗

 

 

「・・・・・終わり」

 

「ありがとうD。また神ロキとフェンリルを倒すために協力を求めると思うからよろしく頼むよ」

 

「・・・・・鳶雄、参加、早い、神滅具、伊逹、否」

 

「アザゼル総督が許してくれるならキミと久しぶりに共闘したいね」

 

「・・・・・説得」

 

「キミが言うと言葉よりも物理的な暴力による説得になりそうだよ」

 

「D、お疲れ様のリンゴジュースなのですよ」

 

「・・・・・もう二人、追加」

 

「ふふ、気付かれてたか」

 

「久しいな」

 

「ヴァーリ、クロウ・クルワッハ!」

 

「久しぶりなのですヴァーちゃん、クロウちゃん」

 

「・・・・・ヴァーリ、ロキ、勝負?」

 

「話が早くて助かる。キミにも話を通しておこうと思ってね。明日、アザゼルに会ってロキとフェンリルと戦う承諾をもらうつもりだ。拒絶されてもリアス・グレモリー達を巻き込むつもりだがね」

 

「・・・・・自由、関係ない」

 

「Dはロキとフェンリルと戦わないのか?」

 

「・・・・・クロウ・クルワッハ、余裕」

 

「ああ、彼女が介入すると戦いに入る間もないからか。まぁ、クロウ・クルワッハが今回の件を聞いて一番戦いたがっているのは事実だ。お前達は相変わらず裏方でサポートか?」

 

「きっとそうなのですよ」

 

「まぁ、適材適所だろう」

 

「・・・・・」

 

「あらあら、Dが不貞腐れているのです」

 

「機会があったら一緒に戦おう。約束だD」

 

「・・・・・破る、二人、告白シーン、全国放送」

 

「待とうかD。さすがにそれは全力で俺の刃で斬らなくちゃいけない案件だ」

 

「・・・・・ヴァーリ」

 

「いいだろう、私とDとで戦ってやろうじゃないか幾瀬鳶雄」

 

「二天龍が相手って・・・あ、合体して戦う腹だな!? どっちにしても実質二対一みたいなもんじゃないか!」

 

「トビー、頑張るのです」

 

「その後は私と勝負をしてもらおうか。幾瀬鳶雄、約束を破れ。その方が楽しそうだ」

 

「あなたは純粋に俺かこの二人か戦いだけでしょう!」

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