ハイスクールD×D忌避されし存在   作:ダーク・シリウス

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京都事件

 

トレセン学園内でDトレーナーが行方不明になった話は瞬く間に広がった。そしてチームシリウスの解散のことも知り、シンボリルドルフたちに事情聴取する同期のウマ娘たち。

 

「すまない。理事長から口止めをされて話すことはできない」

 

「私たちも突然のことで・・・・・」

 

「チームが解散なんてボクたちは納得していないよ!」

 

と、答える彼女たちだったが次に今後のトレセン学園の治安は誰が? という意識をするようになる。警備員がいたからこそなりたった今の平和と秩序、彼がいなくなった今・・・誰があの性欲の獣を鎮圧するのだ? と。

 

そして駒王学園の方では・・・・・。アジ・ダハーカに刻まれた呪印が気付かない内に消えていたことを発覚した若い兵藤家の生徒たちは安堵したその日から数日後。どうやって知ったか警備員が行方不明だと知った彼等は狂喜乱舞、今までの鬱憤を晴らそうと器物破損、久々に女を蹂躙しようと動き出した。それは昼食時に行動を起こした。窓ガラスを割り、他のクラスのドアを蹴り倒して大暴れする。

 

「ひゃっはー! 本当にあの警備員がやってこないな!!」

 

「久しぶりに女を抱いてやる!」

 

すぐ隣のクラスに入り近くのテーブルを蹴り倒し、恐怖で怯えさせようと恫喝する。何人かがそうされて怖がり、身体を震わせるので前のように思い通りな展開となって調子づく兵藤たち。

 

「おぅら!! 天下の兵藤家の俺たちを邪魔する奴は全員ぶっ殺してやるぞー!」

 

「誰も逆らうんじゃねぇ! 俺たちの言う通り奴隷のように従ってりゃ―――うおっ!?」

 

各教室に入りめぼしい女子生徒を捕まえ、無理矢理どこかへ連れて行こうとする彼等に初めて“反抗”が遭った。

 

「もしも警備員さんがいなくなった時に備えて―――なんて際のための特別授業で学んだ技術が実際に使う時が来るなんて」

 

捕まっていた身長が高い女子生徒が逆に腕を掴んできた兵藤家の男子の足を払って体勢を崩させ、自身の体重で床に押し付け彼女の周囲にいた生徒数人がかりで取り押さえた。

 

「もうお前らは兵藤家の人間じゃないってことは全員知っているぞ!」

 

「兵藤家から追放されて、親からも見放された無一文のお前らは単に喧嘩が強いただの不良だ!」

 

「力が強くても、全員の力まで抗えるほどお前らは強くはないだろう!」

 

「わ、私たちだって抵抗するんだ!」

 

「警備員さんがいないからっていつまでも女は弱いと思わないで!!」

 

「いつまでも警備員さんに守られてばかりじゃあこの先、強く生きられないわ!」

 

数人しか襲いに来たので一クラス分で殆どの生徒全員の反攻という数の暴力に抗えず、ガムテープで手足を縛りつけられ―――。

 

「今までの恨み、一人一回だけだぞ」

 

「わかってる。警備員さんとの約束を破らない」

 

「じゃあ、まず俺からだ」

 

縛られた数人の兵藤たちを囲む生徒たちの中から一人前に出てきた。何をするつもりなんだと他の生徒に無理矢理他の生徒に立たされた状態で・・・思いっきり頬をグーパンチで殴られた。縛られた数人の兵藤たちが残らずだ。

 

「な、なにしや―――「次、俺だ」ぶっ!!?」

 

「俺たちを殴って「黙れよ」がっ!!」

 

「この後絶対に後悔「次は俺だ」ぐああ!?」

 

一方的に殴られ蹴られる。サンドバックにされ始める彼等が抵抗も出来ず昼休みが終わる前には全員に一階だけ殴られるか蹴られる行為が終わり、廊下に放り出された。しかも彼等だけでない。各教室に押し入った他の兵藤家の男子たち全員が同じ目に反抗と反攻に遭い、縛られたまま廊下に追い出されたのであった。

 

「まったく、こんな奴らが元本家だとは」

 

「こいつらのせいで分家の俺たちまで同一視されたのかよ」

 

「ふざけやがって・・・・・!! 本家のお前らのせいで天皇家の誇りが穢れ、この学園の中じゃ悪評ばかりなお前らのおかげでこっちは同じ兵藤家の人間として肩身が狭い思いをしているってのに!」

 

「俺たちの目の前で兵藤家の人間あるまじき最低な事を仕出かした上に、集団だったからといって一般生徒に負ける雑魚が兵藤家の名を騙るんじゃねぇよ!」

 

「この雑魚が! この兵藤家の面汚しがっ!」

 

分家の兵藤家の男子たちからにも暴力を振るわれ、さらに全身を痛めつけられる。昼休憩が終わるチャイムが鳴って教室に戻る生徒たちだが、全身を縛られて動けない彼等は放課後になるまでそのまま放置された。ただし、廊下の掃除の際は邪魔だから教室に運ばれて無造作に放り投げられた。それを見ていた楼羅たちは当然の仕打ちだと助けを乞われても一切耳を貸さず、無視し続けた。いや寧ろ・・・・・。

 

「・・・・・うるさいんだよ」

 

低い声音で怒気を放つ悠璃の影の能力で縛られた彼等を全員、影に沈めた。生きているか死んでいるか、悠璃しか知らないが彼女はそれを気にするよりもDトレーナーの安否の方が頭の中でいっぱいになっていた。

 

 

兵藤家―――。

 

「以上が報告です」

 

侍従の靖からの報告を受けたが、東京湾からさらに離れた海域での捜索は芳しくない結果だったことに源氏は沈黙を貫く。そして彼の隣には・・・・・日本神話の女神、天照大神も座して聞いていた。

 

「彼は見つからず、ですか」

 

「・・・・・前回の件のような例外もあるやもしれませんが、今回も同じとは断定できません」

 

「こればかりは本人しか分かり得ないことですが、私は信じます彼の生存を。あなたもでしょう源氏殿」

 

「・・・・・はい」

 

絶望的だが、0.01%の可能性があるなら希望は捨てない。こうしている間に式森家の魔法使いたちも捜索しており、誠が久しぶりに京都から解放されて独自に探し回っている。東京を巻き込まないよう海の方でDが自爆した日から数日間。二人はずっと飲まず食わず、寝る間も惜しんで報告を待ち聞き続けた。定期的に報告をするよう義務付けているが、挙げられる報告は全て二人が望んでいるものと真逆な結果ばかり。今日も変わらない報告を聞いて待つ繰り返す時間を過ごすと思っていたが、源氏に謁見を求める者が現れた。

 

今は誰ともと思いを抱いていたが、来訪者の名を聞いて何故と疑問が湧いた。腰を上げて待たせている大広間に足を運ぶと

 

巫女服で身を包んだ幼い九尾の幼女と黒い羽を持つ異形の妖怪がいた。兵藤家以外の人間や異種族の出入りは厳禁であるが、京都を裏から統治して妖怪を束ねている御大将と親類のみ許されている。

 

「単刀直入に申し上げまする。八坂姫が何者かによって攫われました」

 

「・・・・・なんだと」

 

「攫った理由はまだ判りませぬが、この地から離れていないことだけは確実です。どうか、八坂姫を助けて下され」

 

兵藤家が統治している京都、兵藤家の膝元で知らずに起きた事件。孫を失ったばかりなのにまたしても事件が起きていた。黒い羽を持つ異形が床に頭を付ける姿勢になると狐の幼女も倣って土下座をした。

 

「・・・・・どうかお願いじゃ。母上を・・・・・母上を助けるのに力を貸してくれ・・・・・。いや、貸してください。お願いします」

 

「・・・・・」

 

二人の願いは勿論聞き受ける姿勢だった源氏はすぐに行動に出た。式森家にも協力を要請して九尾の御大将、八坂姫の捜索に乗り出した。そうするなか。源氏は駒王学園にも一報を入れた。内容を聞かされたある部活の顧問の堕天使は協力を承諾し若い悪魔たちを呼び寄せた。

 

「集まったな。これから京都に行くお前たちにやってもらいたいことができた」

 

オカルト研究部の部屋にグレモリー眷属とシトリー眷属、イリナたちが集まり説明口調で語り出すアザゼルの話に耳を傾けた。

 

「今日、兵藤家の当主から連絡が届いた。京都の妖怪を束ねる御大将が何者かに攫われたらしい」

 

「何者かって、一体誰が?」

 

「俺の予想で言わせてもらえば十中八九、『禍の団』だろうな。テロリストどもめ・・・やってくれる」

 

不機嫌そうに顔を顰めるアザゼル。グレモリー眷属とシトリー眷属も気持ちはわかる方で、修学旅行中の木場たちに必ず接触して避けられない戦闘を強いられる予想がつく。

 

「今回の事件に対して兵藤家と式森家も全力と総出で対応するそうだ。京都の御大将と兵藤家はかなり古い付き合いだから、人間と実力主義者でお堅い兵藤家もさすがに他人事として片づけるわけにはいかないからな」

 

「そうだったの。それは知らなかったわ」

 

「ああ。それこそ平安時代かららしいぞ。今の九尾の御大将ではないが、互いに助け合う同盟関係のような協力態勢を当時の当主と御大将が協定したんだ。だから日本神話の神々とこの国の人間以外干渉しようとしない兵藤家が、唯一総出で対応させることができる極めて珍しい存在だ。ま、誠が毛嫌いしている掟だの仕来りを後世の者たちに伝えて徹底的な教えをしているから、京都の妖怪だけは受け入れているんだがな」

 

「それじゃあ、私たち悪魔や堕天使や天使は受け入れていないみたいじゃない」

 

少し不満気なリアスの指摘にアザゼルはあっさりと頷いた。

 

「普通にしていないぞ連中。そもそも俺たちは日本神話じゃなくて他神話系の存在だ。我が物顔で自分達の領土で好き勝手に暴れてくれたり、存在するだけで問題を起こしたり巻き込んだり、仕舞には俺たちのこと厄介者、侵略者、野蛮な蛮族と思われてるしな。あいつら、そーいうことを一切隠さずに真正面から言ってくるぞ。唾を飛ばしながらな」

 

「なによそれ!? 自分たちは人間至上主義者だって言いたいの兵藤家は!」

 

「言いたいというか、事実そうだぞ。昔はそういう傾倒がかなーり強かったが今の当主、源氏殿になってからなりを潜めているが他はそうではないだろう」

 

だから質の悪い若い兵藤家の人間ができて好き勝手し放題をしていたんだ、と付け加えるアザゼル。

 

「そんな人間至上主義でお堅い連中のドンが俺たちにも協力を求めてきたってことは、あの当主に変化が起きているんだろう。なりふり構わずというか・・・・・先の一件で何かを悟ったかだ」

 

『・・・・・』

 

先の一件、ロキとの戦いかそれ以降のことか。リアスだけでなく朱乃も暗い顔を浮かべ悲しみを堪える。

 

「今回の一件が終われば、当主は俺たちと協力態勢をすると言ってくれた。本気で九尾の御大将を助けたいんだろう。お前たちも全力で協力してくれ。俺とロスヴァイセも京都に行くからな」

 

『はい!』

 

「―――それとだ」

 

アザゼルが神妙な顔でリアス達に告げた。

 

「Dを死に追いやった毒矢を放った犯人がわかった。ロキの娘だ」

 

『っ!?』

 

「アルテミスから弓を奪ったところまでは予想できていたが、自分の娘を使ってオーディンを殺させるとは想像もしていなかった。ロキの奴はお前たちを倒せる算段を用いて、仮に自分が倒されようとオーディンを殺せるなら良しと思っていたんだろう。そして使われた毒もわかった」

 

ここ一番、アザゼルの顏が不機嫌で歪んだ。

 

「冥府の神、死神ハーデスが関わっていやがった」

 

「ハーデスって・・・・・オリュンポスの? でもどうしてロキと関りが?」

 

「まだわからない。だが、毒の方は、冥府のコキュートスに封印されている者の血でありドラゴンにとっては死に至らしめる猛毒でもあるそれを使われていたんだ。ハーデスに問い詰めても身に覚えがない、知らないと一点張りなもんでオーディンが珍しく激怒したらしいぞ」

 

ロキの娘とハーデス。この二柱の神がDを殺した原因・・・・・この瞬間、リアスたちは許してはならない神であり敵であると認識した。

 

「とにかくお前たちも京都の事件の解決を全力でしてくれ。頼むぞ」

 

全員、頷くが心は晴れなかった。一番近しく慕っていた者にとってDの死は未だに受け入れ難い現実なのだ。もはや時間が解決するのを待つしかないほどに・・・・・。

 

そして修学旅行当日―――新幹線で京都に向かう駒王学園の生徒たち。

 

一部、京都を観光する裏腹に任務を受けてテロリスト集団との戦いを臨むが、今はまだその時ではないため旅行を楽しむ。

 

 

木場side

 

京都駅から数分歩いたところに大きな高級ホテルが姿を現す。その名も「京都サーゼクスホテル」・・・・・少し離れたところには「京都セラフォルーホテル」が建っている。兵藤家のお膝元で悪魔が裏で経営している。だから兵藤家の人たちから厄介者、侵略者と唾棄されるのも頷ける。僕たちは入り口に立つボーイさんに学生書を見せると、ホールのほうまで丁寧に説明してくれた。きらびやかで豪華絢爛な造りのロビーから少し進んだ先にホールの入り口が見える。入ると、広いホールにすでにかなりの数の駒王学園の生徒が集まっている。

 

「百円均一のショップは京都駅の地下ショッピングセンターにあります。何か足りないものがあったら、そこで済ませるように。お小遣いは計画的に使わないとダメです。学生のうちから豪快なお金の使い方をしてもろくでもない大人になるだけですよ。お金は天下の回り物。あれやこれやと使っていたらすぐになくなります。だからこそ百円で済ませなさい。―――百均は日本の宝です」

 

ホールで先生方の注意事項の話に耳を傾けていたなか、ロスヴァイセさんが百円均一の話を熱く語り出された時は思わず苦笑を浮かべた。ロスヴァイセさん・・・北欧の主神オーディンさまが彼女のことを忘れて置いてけぼりにして北欧に帰られてしまい、酷く泣いて嘆いてお先真っ暗な彼女を部長が将来の仕事先の斡旋をする代わりに、『戦車』として眷属になる条件を持ち掛けられたロスヴァイセさんは何の迷いもなく眷属になってくれた。

 

その後。ホールでの点呼及びホテル内での注意諸々、午後の行動についての説明が終了した。各々荷物を持って、ホール出入り口でホテルの従業員から部屋のキーを受け取る。この後クラスメートの女子たちと観光をする約束だから京都を歩き回るけど、『禍の団』が潜伏していると思うと警戒をせずにはいられないな。兵藤家の人たちもそうだろうし、気を付けなければ。

 

 

兵藤家―――。

 

九尾の御大将、八坂姫の救出とテロリスト対策の本部として集まった式森家の魔法使いたちとつぶさに調査を行っていた。奥ノ間で兵藤家、式森家の重鎮たちと京都の全体地図を広げて会議を繰り広げていると、六人の少年少女たちが入って来た

 

「お父様」

 

「・・・連絡した通りだ。兵藤家の者として八坂姫の救助を全身全霊で全うせよ」

 

「承知しております。進展の方はどのように?」

 

「まだ尻尾も掴めていない。八坂姫を攫った者が巧妙に隠れているからか、式森家の探知網に何一つ引っ掛からない。おそらく魔法使いの仕業であると考えべきだ」

 

「目的もまだ?」

 

楼羅の問いに源氏は語らない。沈黙は肯定と受け取り、地図に近寄りジッと注視する。

 

「京都から離れていますか?」

 

「ない。変わらず気の乱れは安定している」

 

「・・・では、何も知らず八坂姫を攫ったわけではない前提で考えられるとしたら、兵藤家と直接の交渉、もしくは八坂姫自身を利用しこの地に流れる様々な気を使って何か事を起こすかもしれません」

 

「・・・・・続けろ」

 

娘から更なる予測を催促する当主は重鎮たちと耳を傾ける。

 

「もしも兵藤家を滅ぼす為だけなら八坂姫をその場で殺害すれば、京都中の気脈が不安定となり異変が起こるのは誰でも知っている事です。まだその予兆が起きていないならば、別の企みがあるとしか考えれません。ならば、存在自体が強力な気脈で包まれた大規模な術式発生装置である京都のどこかで八坂姫を操り、この都市を生んだ古き陰陽師たちが都市そのものを巨大なひとつの『力』にしようと今では名所と呼ばれるパワースポットが霊力、妖力、魔力に富んでいるそれらを利用しない手はないでしょう」

 

『・・・・・』

 

「―――都市と八坂姫の力で何をするつもりなのか、そこまではわかりません。が、下準備を済ませたら隠れる必要が無くなって現れるかもしれません。何せ、式森家の方々が今でも見つけられていない間でも着々と準備を進めているからです。全ての準備が終われば、後は発動するだけなのですからね」

 

長々と語る楼羅の憶測が終わると源氏たちは地図を凝視し、次々とパワースポットの名所に駒を置いていく。

 

「大体的に行うならば城、か?」

 

「白昼堂々始めるテロリストではないだろう。和真殿、敵と同じ魔法使いとしてあなたの意見もお聞きいしたい」

 

「・・・どれだけの質と数の魔法使いがいるのかわかりませんが、私が敵ならば疑似空間を作り各所のパワースポットの力を利用します。・・・・・だとしたら京都そのものを疑似空間に作り上げているのか? 京都から極めて近く限りなく遠い次元の狭間であれば、そこに京都と切っても切り離せない関係である八坂姫を配置すれば気脈のパワーが流れ込むかもしれない」

 

「次元の狭間で疑似空間・・・・・なるほど、式森家の安置網が引っ掛からないわけだ!」

 

「しかし、次元の狭間とはこちらから入り込められるのか?」

 

「・・・・・これは姉上が適任です。しかし、我々も疑似空間を作ることが可能なので探し出してみましょう」

 

見えてきた解決の希望。三人寄れば文殊の知恵とはよく言ったものだと感心する楼羅を、源氏が任を与えた。

 

「楼羅、今の話を悪魔と堕天使の者の誰でもいい。伝えてくれぬか」

 

「わかりました。決行は何時ごろに?」

 

「向こうから接触して来るならば、この数日以内で全てを終わらせる。お前たちは私たちの代表として彼の者たちと動向をしろ。必ず敵は現れる筈だ」

 

無言で頷く楼羅は沈黙を貫く悠璃たちを連れて奥ノ間から離れたる直前、源氏は思い出した風に訊ねた。

 

「死刑当然のあの者たちはどうしている」

 

「彼が死んでから割りと早く暴動を起こし、一般生徒たちに返り討ちされては悠璃の影の世界に閉じ込めております。絶食状態なので死んでいるのではないでしょうか。いかがしますか?」

 

「・・・・・生きているなら今回の一件が終わるまで手足として働いてもらう」

 

暗に出せと言う源氏に楼羅は悠璃に解放するよう目で訴え、姉の促しに自信の影から死刑宣告を下された若い兵藤家の男子たちを解放する。ガムテープで縛られた状態で解放された彼等は以外にも全員息をしているが、少し頬が痩せこけていた。

 

「まだ息をしていたとはな。それだけは兵藤家の者として称賛に値するが、一週間も絶食したある幼子より当然堪えれるお前たちに任務を言い渡す」

 

彼等を見下ろす源氏の目はベーリング海のごとく冷たく、同じ人間として見ていないどころか、ゴミを見る目をしていた。

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