ハリーポッターとエジプトの王   作:もりも

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7つの千年アイテムを揃えし者は封印されし強大な闇の力を手に入る。墓守の一族の古から伝承される伝説であった。

千年パズル始め、他のアイテムが持つ力を考えれば信憑性は確かに高い言い伝えだ。

墓守の一族の生き残りの女、イシズが持つ千年タウクが持つ力は未来視。その未来を見通す力でペップがパズルを手にすることはまだパズルが王の墓に安置されている時からわかっていたことであった。

しかし本来ペップがパズルを手にする時期は今からおおよそ10年後。彼が探検家となり、王の墓を通過することでパズルを手にすることが正しい歴史だったはずなのだ。

イシズはタウクで見たその未来を良しとしなかった。なぜならその未来の先ではパズルを手に入れたペップは殺され、闇の門が開き「奴」が力を手に入れてしまうからだ。

千年タウクを持つイシズはもちろん、千年アイテムを持つ者はタウクが導き出す未来を改変することができる。歴史の分岐点を創り出すことができる者なのだ。

そこでイシズはパズルを強引に持ち出し、現時点でのペップとパズルを引き合わせた。引き出しに忍ばせたのは当然彼女の仕業だ。

パズルを狙うクラウチJrたち、そして「やつ」らに現時点のペップの存在を明るみにさせるのは賭けではあったが、今の彼は実にタイミングのいい年齢でタウクの見せる未来は彼女の思惑通りの筋書きを描いた。

それがペップのホグワーツ入学である。

千年アイテムに選ばれし者は先天的に魔力を内在しており、ペップもマグルとはいえその才は確かにあった。その才が本来開花するのはパズルを手にいれる10年後なのだが、パズルを手にしたことでパズルが未完成でも今の彼も魔力を僅かながらも芽吹く結果となった。となれば、彼をホグワーツに入学させる土台は為したことになる。今後命を狙われるであろう彼を隠すにはあの学校は実に都合の良い場所だ。校長のダンブルドアはイギリス魔法界だけではなく、世界的な魔法使いであり、ホグワーツの防御力は魔法界屈指と認知されている。特に来年度からハリー・ポッターのおかげでより警戒網を強めるであろう。

現時点のイシズの未来視はホグワーツにペップを入学させたことでその少年の生存はとりあえず無事である。しかし前述同様千年アイテムの存在は未来を変えることができる。結局のところ彼女が見る未来とは仮定の話である。それでも彼女は明るい未来のため女の身でありながら愚直に前に進んだのであった。

 

 

 

 

 

 

イシズから粗方の説明をされたペップは「漏れ鍋」というパブを目指しロンドンに向かった。

絶賛困惑中・・・・かと思いきや全然そんなことは欠片もなかったペップ。話の唐突さにキャパはとうに超えていたが、それをはるかに超える壮大さにワックワクのドッキドキしていた。

 

「魔法・・・マァジで!あるのか!!」

 

軽く周りに引かれながらペップはロンドン市内パディントン駅をスキップで横切る。

パディントン駅は有名なハイドパークのすぐ北にあり、ホテルなどあるためカバンを背負った観光客が目立つ。そして立ち並ぶ店はアラブ系の店も多く、特有の混雑さで賑わっていた。

そんな中、違和感もなく溶け込んでいたイシズが待ち合わせの漏れ鍋前でキョロキョロしていたペップに声をかけた。

 

「ジョゼップ、こちらです。」

 

「あ!イシズさん!こんちわー!!」

 

無意味にテンションの高いペップの挨拶に少し微笑むイシズは漏れ鍋の扉を開き中へ入るよう促した。

漏れ鍋の中は外と同様に人が所狭しと混雑していて盛況である。ペップは初めて入るパブに新鮮さを感じたものの、魔法の道具を買いに来たという期待感があったのでただのパブに案内されたことに不満も感じた。

 

「イシズさん・・なんでこんなとこに「あなた方ですね、校長からかねてより話は聞いております。」・・・。」

 

ペップの言葉を遮ったのは、高齢ながらもハキハキとした貴婦人であった。

 

「貴方が副校長のマクゴナガルさんですね。初めましてイシズと申します。この少年がジョゼップ・ゲイム。例の秘宝に選ばれし少年です。」

 

「・・・なるほど、入学前というのに潜在的な魔力を感じさせますわ。」

 

副校長なる貴婦人はその目力の強い瞳でペップを覗き込む。

 

(ポッターが入学する年にまたこのような少年が来るとは今年はどのようになるやら・・)

 

ペップから発する、いやパズルから溢れる魔力にマクゴナガルは控える新学期に憂いを帯びた心境だ。

 

「副校長・・ってなると、あんたも魔法使い!?」

 

「当然です。・・しかしゲイム、貴方は目上に対する言葉遣いが少々なっていませんね。私の寮に入れば少し矯正をいたしましょう。」

 

「うぇ・・(こういうタイプの人か)。」

 

模範的な教育者の副校長に既に苦手意識が芽生えたペップだった。

 

 

マクゴナガルとの話はそこそこに2人はパブの裏へと入り込んだ。ペップが不思議に思っているとイシズは純白の杖を取り出し壁へと一振りした。すると壁が裂けたと思えば何もなかったはずの店の向こう側に別の世界が現れた。

商店街のような店が立ち並び、ロンドンの住人たちとは違う風貌をした通行人たちを見てペップはこの壁の先が魔法の世界なんだと直感した。

 

「まず制服を買いに行きましょうか。採寸だけ先にして仕立てが終わる頃までに他のものを揃えましょう。」

 

イシズの言うことに頷いてペップは彼女の後ろについていく。

全てに目移りしてなかなか歩を進めないペップであったが、イシズは催促することはせず一緒に立ち止まってあげていたあたり彼女はペップに優しかった。その表情はどこか弟を思うような暖かいものだった。

 

道具はフクロウをはじめ一通り買い揃え、残るはいよいよ杖の番になった。

魔法使いといえば杖という印象は皆抱いている通り、ペップも同様だ。剣のように自分だけの武器を手にいれる様でオリバンダーが奥から杖を選んでくるのを今か今かと待ちわびる。

するとその時1人の少女が店へと入ってきた。

ソバージュがかった髪だが端正な顔をしている少女はカッカッと規則正しい足音を鳴らしながら受付の前に立った。

 

「あら?いないのかしら?」

 

「オリバンダーさんなら今俺の杖を探してくれてるよ。」

 

「そうなのね。貴方も新入生?」

 

「そうだよ。学校楽しみだな!」

 

「そうね。・・ただ私はこの世界のことよく知らないから今は不安の方が大きいかしら。」

 

「一緒だよ!俺もこの世界の出身じゃないからさ!」

 

「じゃあ貴方も完全なマグル?よかった。こんな早く他の子が見つかるなんて!少し心細かったの。」

 

「じゃあこの世界で初めての友達になれそうだ。よろしく!俺はジョゼップ。ペップと呼んでくれ。」

 

「私はハーマイオニー・グレンジャー。呼び方は好きにしてもらっていいわ。」

 

「じゃあ・・・レンジャーでいい?探検家みたいでカッコイイ響きだし!」

 

「・・・・それはお断りしとくわ。」

 

早くも友達を獲得したペップ。そうこうしてるうちにオリバンダーが杖を持ってきた。

 

「これが俺の杖か〜!!」

 

「お待ちなさい。気が早いですよ君。それは候補の一つ、手に持って相性を見てみなさい。」

 

オリバンダーにその主人なり得るか試すように促される。

しかしペップは杖を一振りするも、何の反応も起きなかった。あれ?と首をかしげるも何度振っても無反応だったので、相性最悪なのかとオリバンダーは別の杖と交換するがそれも一切反応がない。

 

「おかしいな・・・。相性が悪いとはいえ何かしらの反応はするはずだが。」

 

ガーン、と周りの人間が聞こえるぐらいに肩落とすペップに、イシズがオリバンダーに少しペップの杖の選択に注文をつけた。

 

「古く格式の高い杖はありますか?彼にはそういった系統が合うかもしれません。」

 

彼女の言葉に疑問符を店主は抱いた。この活発でいかにもヤンチャ小僧のような少年に格式高い杖?と感じずに思えなかったからだ。しかし要望を出されれば用意するのが仕事だ。思いつく限りの条件に該当する杖を思い起こす。

店主の脳裏にその条件にピタリと当てはまる物が浮かぶが、イヤイヤと首を振る。その杖は聖28一族のような純潔でも更に高潔な者にしか靡かない一品だ。だが、オリバンダーの一流の直感がこの杖がどこかペップにしっくりくるんじゃないかと感じさせた。

物は試しとその杖をペップに差し出す。そしてペップはオリバンダー同様に直感でこの杖が自分のものだと確信した。

頭上に杖を構えた何かを感じさせるペップの姿に皆が一様に納得したような顔を浮かべる。

 

「その杖はまだホグワーツが創立する前から現存する古き品です。私の記憶の中でもそれを扱っていた者はございませんでした。君は一体・・・何者なのでしょう?」

 

「・・いえ、彼はこれから何者かになるのです。」

 

イシズが意味深な言葉を発する傍で、ペップはブンブンと嬉しそうに杖を振り回した。

 

「ねぇ、何かやってみてよ!」

 

「イイぜ!・・・ならこの前イシズさんが唱えてた奴でもやってみるか!」

 

ハーマイオニーの催促に意気揚々とペップは答えると、以前イシズが公園で唱えた呪文をテーブルの上の物を標的に試してみる。

 

「コンフリンゴ!!」

 

「待ちなさい!そんな呪文を・・・」

 

元気よく唱えた呪文は爆発を起こす強力なものだ。そんなもの店内で唱えるなど魔法を知っている者からしたら正気ではない。オリバンダーは思わず絶叫したが・・・・

 

「あら?」

 

これまた何も反応が起きないのか?と周囲に思わせた瞬間、対象物ではなくペップ自らが・・・・爆発した。

 

「どぅっあっちぃいい!!!!???」

 

着ていた服が焼き飛ぶほどの炎にペップは悶絶する。そもそも魔法経験の無さもあって大した出力が出ていなかったため、辛うじて火傷を負うまでではなかったものの・・・

 

「・・才能はあまり、ないようね。」

 

ハーマイオニーの辛辣なコメントがペップの背中に突き刺さったのであった。

 

買い物を終わり帰路を辿っているペップはイシズについて行きながらショックを受けていた。

 

「・・・才能ないのかな〜?」

 

「あの呪文は入学前の子供ができるものではありません。肩を落とさないでイイですよ。」

 

「じゃあ、才能ある!?」

 

「それはわかりません。」

 

「ええ〜〜・・・。」

 

ワクワクしてた分、落胆もひとしきり。子供の思考通り、自分の思い描いてことと違ったことにブーたれている。

しかしイシズにとってはペップが既存の魔法界の呪文が出来る出来ないはさして重要ではない。ペップに求める力は別にある。

 

「貴方はカードの力を使いこなさなければならないのですから・・・」

 

「え?」

 

 

 

イシズの足取りはダイアゴン横丁から逸れていく。

それにつれて人の身なりは怪しく、徘徊する不審な者が増えていく。昼にも関わらず影が差すこの通りの異様な雰囲気にペップは明らかに動揺を露わにしているが、イシズは迷いなく最奥の店へ手を掛けた。

一見店ではなく廃屋寸前の土埃を被ったアパートメントに見えるが、確かにドアの横には慎ましく「shop」の表札が掛けられている。

 

「何の店?」

 

二人が店の中に入るも商品は一つも陳列されてはおらずただただ薄暗い一室であった。しかも人気もないと来たものだ。いよいよ身の危険を感じ始めたペップはイシズの手を取り帰るよう促すが、誰もいないと思っていたカウンターの向こうから萎んだ様な声が耳に入ってきた。

 

「ヒッヒッヒッヒィ・・・ようやくこの時が来たのネェ〜。」

 

「マダム・マリアーム。彼がかの王の現し身です。今日は彼が使うカードを頂きに参りました。」

 

「言わなくともカードなら用意してあるとも。ヒッヒ!年老いたアタシでは一年掛けてもたった30枚ほどしか作れなかったけどネェ。」

 

「十分ですマダム。未熟な彼ではそう使い切れる数ではありません。」

 

この大きく背中が丸くなった老婆が出してきたのは丁度手に収まるほどのカードの束。このカードが先程イシズが言っていた物だというのはペップも理解したが、不可思議なのはそのカードは裏にこそ模様が描かれているが肝心の表は白紙であった。

 

「こんなの何に使うの?魔法のアイテム?」

 

「千年アイテム同士が戦う上で重要なものです。魔法使いの杖と同じでコレを媒体に魔力を具現化することができるのです。」

 

「?」

 

「7つのアイテムが共通して持つ力は召喚術です。エジプトの何処かに安置された魔物の魂を召喚し戦わせることができるのです。」

 

「そ、そんなことができんのか!??」

 

「それだけではないわい。このカードには魔法も込めることができるんじゃ!例えば規模が大ききく複雑で周到な準備が要する魔法も事前にこのカードに込めておれば、いざという時瞬間的に発動することができる!」

 

「このカードを扱える様になれば、ただの魔法使いに負けることはあり得ません。」

 

「・・・・」

 

元々魔法に関する知識のないペップにそれがどんな効力があって、どれほど凄い事なのか分かるわけもなく、口を半開きにしてただ頷いている。そんな顔を見てイシズはカードを手に取り試しに一度見本を見せる。

 

「出でよ、ゾルガ!」

 

イシズが魔物の名を口すると同時に、彼女が持つ千年タウクとカードが光を帯び出す。

一瞬ビクついたもののペップがその光るカードを覗き込むと、見たことのない魔物の絵が映し出され光がカードから飛び出てきたのだ。

 

「う、うわ・・。」

 

その光はまさにカードに描かれた魔物の姿に変貌した。

頭部から肩まである異様な形状の鎧、そこから覗くのは赤い一つ目。鎧の下にはローブがはためいている。

宙に浮くそれは魔法を見たことがあるペップから見ても異質な存在感だった。

 

「この様に召喚し、僕として戦わせます。」

 

「スッゲェ・・!!こんなことが俺もできる様になるのか!?」

 

「そのためにはまず千年パズルを完成せねばなりません。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガタンゴトンと昔ながらのSL汽車にペップは揺られながらホグワーツに向かっている。もちろん魔法族の知り合いなんていないので車内の一室で1人で寛いでいた。

ここまで来るのに紆余曲折あって、久々にリラックスできる時間を得たペップは窓の木漏れ日にウトウトと気持ち良さげだ。

まずマグル出身者にとって入学まで何が大変かと言うと、魔法界への認識がまるでないことだ。それはそうだろう。魔法界からすればマグルの世界は隣接した世界とされているが、逆は存在自体知らないのだ。首相などを除けばだが。

ペップがいきなり魔法使いになると言い出しても頭がおかしくなったとしか思われないだろう。実際そうだった。ペップ、そしてイシズが共に両親へその話をしに行った時は割と話を聞いてくれる父でさえ疑いの目を向けてきたのだ。

勿論魔法の存在、魔法界のことを目の前で証明して見せたものの、両親はイシズのことを服装もあってかヤバイ宗教宣教者としか見れなかった。ただ、真摯に受け答えするイシズに対し両親も徐々に話を受け止めていくのだったが、ホグワーツが全寮制だと聞き猛反発してきたのが母親だった。やはり一人息子をよく分からない自分の目が届かないところに送り出すのにかなり抵抗があるのだろう。ゴネにゴネた。

結局はペップ自身の説得により母親が折れる形になったが、それはもう5時間を超える話し合いだった。それからはやれ準備はできているのか、やれどういう学風なのか、やれいつ帰ってくるのか、列車に乗るまであーだこーだ口出しされてきたことで若干ノイローゼ気味だ。

 

「でもまぁ、今までのダチに会えなくなったのはちょっと寂しいな・・・。」

 

窓枠に肩肘を置き少しセンチな気分にもなったが、自分の置かれた立場を考えるとあまり悠長にもしてられないとも考えていた。

イシズから聞いているのはパズルの所有者となったことで自分の命が狙われているということ。

公園で会ったあの男のような輩がやってくると思うとゾッとするが、なんとか魔法をマスターしていき返り討ちしてやるという気概が彼のうちに上がってきていた。

そしてイマイチまだ理解が及んでいないカードの存在と、依然としてこねくり回すものの全く先へと進まないでいたので今だに未完成のままのパズルだ。

イシズが言うには力が本当に必要になった時使うことができるらしい。

 

モヤモヤして少し中途半端な心持ちのまま出発した旅路を進むペップ。試練の一年の始まりを迎えたのである。

 




いつになったらパズルは完成するのか。

あとこのキャラクター誰だよ、とか思ったりしてるかな?クロスオーバーだしどちらか原作知らないとかもあるかもだし、キャラ説明とかした方がいいのかな?あとがきで。







独り言だけど、2話時点でお気に入り4は辛い。ツラミ。かなり。
ヒロアカの方はわりかしもっと増えてたんだけどなぁ〜。
4人の方、マジでありがとう!
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