星の海へ   作:ステルス兄貴

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原作のヤマトⅢ8話にて山上一家は宇宙服なしで第一惑星で生活し、鹿のような生物を狩猟している場面があったので、バーナード星第一惑星には空気があり現住生物が存在する惑星である事が確認されているので、風土病の感染を知らせる役割を山上トモ子の夫から第一惑星に生息する現住生物に変更しました。


百六十話 バーナード星の決闘 ボラー・バジウド連合の終焉

 

 

バーナード星は、へびつかい座の方向にある肉眼では見えない暗い恒星で、1916年にアメリカの天文学者エドワード・エマーソン・バーナードが1894年と1916年と年代の異なる二枚の写真乾板を比較していて発見した星だ。

 

特徴として、バーナード星は全天で一番大きな固有運動を持つ星として知られている。

 

視等級9.53等のM型主系列星である。

 

実直径は約224,000 kmとその大きさは太陽の約5分の1程度。

 

質量は16%程度、密度は40倍、光度は2,500分の1の典型的な赤色矮星で、表面温度は約3,200 Kと太陽よりも低いため地球が太陽から受け取るものと同等のエネルギーを得ることができない。

 

バーナード星本星は地球人類が居住できる環境ではないが、バーナード星系を構成している第一惑星でようやく地球に近い気温となっている。

 

ケンタウロス座第四惑星のアルファ星を出航し、ボラー連邦の基地がある可能性が高いバーナード星へと向かったヤマトとまほろば。

 

ワープアウトをした二隻の宇宙戦艦の前には赤黒く弱弱しく光を放つバーナード星が見えて来た。

 

 

まほろば 第一艦橋

 

「バーナード星まであと二十万宇宙キロ」

 

「周辺に敵影は?」

 

「見当たりません」

 

「ふむ‥‥しかし、敵は我々がバーナード星系へ進出している事は既に把握しているだろう‥‥戦闘配置のままバーナード星へ接近する」

 

「了解」

 

「ヤマトは確か第一惑星の探査も兼ねていたな‥‥」

 

「となると、やはり地表へ降りるのでしょうか?」

 

「‥‥副長、第一惑星の地表をパネルに表示できるか?」

 

「少々お待ちください‥‥出ました。どうぞ」

 

新見が第一艦橋のメインモニターに第一惑星の地表の映像を映す。

 

そこには北極か南極のような氷で閉ざされた荒涼たる世界だった。

 

「草木が全くない星じゃな」

 

井上が第一惑星の感想を述べる。

 

「氷と水晶みたいな岩石だ‥‥一応、空気の成分は地球に似ているので、植物は自生しているみたいです」

 

「でも、映像を見る限り寒そうですよ」

 

「気温だけならば、アラスカやシベリアと思えば人類は移住できなくはないだろうが‥‥」

 

「それなら、まだアルファ星の方がマシですね」

 

「星周辺に敵の姿が無いとすると、地表に居ると思うのだが‥‥副長、地表に人工物や過剰な量のエネルギー反応はあるか?」

 

「‥‥表示されている映像の周囲にはそれらしい反応はありません」

 

「星全体に敵がいる訳じゃないからな‥‥しかし、必ずこの星のどこかにボラー連邦の艦隊と基地はある‥‥」

 

「艦長。ヤマトの古代艦長から通信です」

 

「繋いでくれ」

 

「はい‥‥どうぞ」

 

ヤマトから通信が入り、メインモニターの映像が第一惑星の地表からヤマトの第一艦橋へと変わる。

 

「月村艦長、我々はこれよりコスモハウンドで第一惑星の地上に降りて探査を開始したいと思います」

 

「分かりました。ただこの星のどこかに敵が潜んでいることは明白です。くれぐれも用心をしてください」

 

「了解」

 

「あっ、コスモタイガー隊を護衛と哨戒に出してみてはどうでしょう?まほろば の方からも出しますが?」

 

良馬は古代にコスモタイガーによる哨戒とコスモハウンドの護衛を提案した。

 

「なるほど、分かりました。こちらもコスモタイガーを哨戒に出します」

 

良馬の提案に古代も賛同し、ヤマト、まほろばからコスモタイガーが周辺の哨戒と地表探査をするコスモハウンドの護衛の為に発進する事になった。

 

ただし、全てのコスモタイガーを出す訳ではなく、半分は哨戒とコスモハウンドの護衛、半分は艦内で待機とした。

 

万が一、敵基地、敵艦隊、敵艦載機との戦闘が起こった際、哨戒任務でエネルギーを消費している状態だと返り討ちに遭う恐れがあるので、エネルギーが十分のコスモタイガーを残しておく必要があった。

 

 

ヤマト 第一艦橋

 

「これより、第一惑星の地表を探査する。生活班、探査係、戦闘班を若干名、機関部は徳川太助以下二名を同行させる」

 

古代は艦内放送でコスモハウンドの乗員を発表する。

 

「ありがとうございます」

 

すると、太助の声が第一艦橋でしたので、振り向くと機関長席の隣に太助が居た。

 

「なんだ?お前もう来ていたのか?」

 

あまりにも早い太助の行動に相原は驚く。

 

「機関長との連絡です。上陸したくてうずうずしていたんですよ」

 

太助はアルファ星の半舷上陸が出来なかったので、未開の惑星とは言え第一惑星に上陸できる事を楽しみにしている様子だったが、

 

「徳川。あいにくだが、お前はコスモハウンドに居残りだ。初飛行だし、エンジンテストも兼ねているからな」

 

北アルプスドックに居た時、コスモハウンドの試験飛行は一度だけ‥‥しかも短時間の飛行のみだったが、今回は試験飛行の時よりも長時間の使用と飛行が予測されたので、太助はコスモハウンドの整備係も兼務することになったので、第一惑星での上陸はお預けになってしまった。

 

「そ、そんなぁ~」

 

折角上陸できると思ったのに、それが出来ないと言われ太助はショックを受けていた。

 

そして地表探査に向かったコスモハウンドは敵の攻撃を警戒していたが、何も起こらず、コスモハウンドは第一惑星の地表に無事に着陸した。

 

「コスモタイガー隊は周囲の哨戒をしてくれ」

 

『了解』

 

古代はコスモハウンドの護衛をしていたコスモタイガーに周囲の哨戒を命じた。

 

コスモハウンドは垂直離着陸が可能であるが、コスモタイガーは着陸・離陸するのにある程度の滑走路が必要であり、コスモハウンドが降りた第一惑星の地表には滑走路になりえそうな障害物が無い土地がなかった。

 

それにこの星にはボラー連邦の基地があるのは判明しているので、古代は地表での探査を安全に行うためにこうして護衛のコスモタイガーに周辺の哨戒を命じたのだ。

 

 

「コスモハウンド、第一惑星の地表に着陸した模様です」

 

まほろばの第一艦橋にあるメインモニターには第一惑星の地表に着陸したコスモハウンドの様子が映っている。

 

「周囲に敵が居なくて何よりだ」

 

無事に着陸したコスモハウンドの姿を見てホッとする良馬。

 

「艦長、哨戒に出たコスモタイガー隊から通信が入っています」

 

「繋いでくれ」

 

「はい」

 

「こちらコスモタイガー隊、加藤。第一惑星北部に基地らしき人工物は確認できません。見えるのは水晶岩石の山ばかりです」

 

そこに哨戒に出したコスモタイガー隊から通信が入った。

 

第一惑星は地球とほぼ同じ大きさであり、捜索範囲はあまりにも広すぎる。

 

(兄さんもフェーベで敵の空母艦隊を探す時もこんな感じだったのだろうな‥‥)

 

加藤は兄である加藤三郎が彗星帝国との戦いの中で行われた土星圏フェーベ沖での敵機動艦隊を捜索する時の事を思った。

 

「こちら山本、東部も同じく敵基地、艦隊らしきものはみつかりません」

 

哨戒に出したコスモタイガー隊からは敵の姿が見つからないと言う報告が上がる。

 

「了解。ただ、敵は必ずこの星のどこかに居る筈だ。帰還分のエネルギーギリギリまで哨戒を続けてくれ」

 

『了解』

 

良馬引き続き、コスモタイガー隊には周辺の哨戒任務を続行させた。

 

その頃、コスモハウンドから第一惑星の地表に降り立った古代たちは周囲を見渡す。

 

すると、キラリ‥‥と、バーナード星からの薄い光が丘陵の水晶岩石を貫通し、七色の光のアラベスクとなって幻想的な光を出す。

 

「虹だ」

 

「きれい‥‥」

 

地表に降りた者たちはしばしその光景に見とれていた。

 

やがて、虹が消えると自分たちの仕事に取り掛かる。

 

「生活班、探査係は早速地表の探査を開始してくれ!!戦闘班は周辺の警戒だ!!」

 

『了解!!』

 

第一惑星の地表探査が行われている中、良馬の予測通り、ヤマト、まほろば の動きは監視衛星によって既にボローズたちに捕捉されていた。

 

ボローズたちが築き上げた基地はヤマト、まほろばが来た方向とは丁度真逆の方向‥‥第一惑星の裏側にあった。

 

基地とは言え、急ピッチで築き上げたモノなので、司令部は地下ドックに係留されているゾルヴァ号に置かれており、ヤマト、まほろばを既に捕捉しており、攻撃態勢を整えつつあった。

 

 

バーナード星系 第一惑星 地下 ボラー・バジウド連合艦隊 旗艦 ゾルヴァ号 艦橋

 

「総督、只今監視衛星Kー023が第一惑星に接近してくる例の戦艦の艦影を捕捉しました!!」

 

「あの星を攻撃すれば必ず出てくると思ったが、案の定まんまと引っかかったな‥‥レバルス、説明をしてくれたまえ」

 

「はっ!!この基地に設置されている砲台はガルマン・ガミラスで採用されている反射衛星砲と似ていますが、レーザー砲を反射する衛星を使用するのではなく、反射板搭載機を上空に待機させ、攻撃目標を上下左右から包囲し、地上の中継ステーションから発射されたレーザー砲を反射する仕組みとなっております」

 

「うむ」

 

レバルスはボローズを始めとしてボラー・バジウド連合の幹部たちにこの惑星の地上に設置した反射砲の説明を行う。

 

「反射板搭載機は、攻撃目標が移動してもその動きに着いていき、撃破するまで包囲は解きません。敵は我々の存在がこの星にある事を突き止めてはいますが、この基地にはまだ気づいてはいません」

 

「よろしい、直ちに攻撃態勢を整えろ」

 

「はっ!!反射板搭載機発進準備!!反射レーザー砲発射準備!!」

 

「反射レーザー砲発射準備!!」

 

「反射板搭載機発進準備!!」

 

「第一号機は南東へ!!第二号機は南南東へ!!」

 

「了解、第一号機発進!!」

 

「第二号機発進!!」

 

洞窟を刳り貫いて作られた地下飛行場からは機体の下部に反射板を取り付けた反射板搭載機が次々と発進して行った。

 

そして、その反射板搭載機の護衛の為に増槽を着けた護衛機も発信していく。

 

この護衛機は随伴していた空母に搭載されていた機体で、空母から全ての艦載機を下ろして今回の反射板搭載機の護衛にあてたのだ。

 

とは言え、元々随伴していた空母も少なく、搭載されていた機体も搭載規定数に満たない数であった。

 

ボローズたちの魔の手がヤマト、まほろばへ向けられようとしている中、第一惑星の地表で調査をしている古代たちは、

 

「艦長、見て下さい!!」

 

探査を担当している乗員の一人が何かを見つけて声をあげる。

 

「どうした?‥‥ん?」

 

乗員が見つけたのは、この星に住んでいると思われる現住生物の死骸だった。

 

「この星に生息している現住生物みたいだな。死因は事故‥‥って事は無いな」

 

開拓が全くされていない星なので、車両なんて通っていないのだから、車両接触による事故とは言えず、

 

「他の生物に襲われた形跡はありません。ただ体中に薄気味悪い紫色の斑点があります‥‥」

 

現住生物の身体を見た所、他の生物に襲われた形跡はなかった。

 

ただ身体の彼方此方にどす黒い紫色の斑点がある。

 

「この生物独特の模様なのか‥‥?」

 

此処は地球ではないので、この星に住む生物独特の斑点なのかと思われたが、

 

「あっ、艦長。この生物と同種らしき生物が居ます!!」

 

「ん?」

 

古代たちの居るところから、約10メートル先に死んでいる現住生物と同じ種類らしき動物の群れが見えた。

 

「‥‥」

 

古代が双眼鏡で確認してみると顔の作りや毛皮の色、体長の大きさからみて死んでいる現住生物と同種であると確認できたのだが、生きている現住生物の身体には紫色の斑点なんてなかった。

 

「相原」

 

「はい」

 

「ヤマトに連絡をして佐渡先生たち衛生科の隊員を呼んでくれ」

 

「は、はい」

 

古代は通信要員として連れて来た相原に佐渡たちを呼んだ。

 

「それとこの生物の死骸には近づかない方がいいかもしれない」

 

「えっ?」

 

「それってどういう‥‥」

 

「この生物の死因は病気かもしれないからだ」

 

「まぁ、この気味が悪い斑点ですからね」

 

古代たちは佐渡たちが来るまで現住生物の死骸から離れた。

 

やがて、救命艇に乗った佐渡たちが到着した。

 

「どうしたんじゃ?古代。誰か怪我でもしたのか?」

 

佐渡は自分が呼ばれたのだがから、探査隊の誰かが怪我をしたのだと思ったからだ。

 

「いえ、この生物の死骸についてなんですが‥‥」

 

「ん?なんじゃ?この斑点は?この星に住む現住生物独特の模様なのか?」

 

「自分も最初はそう思ったんですが、ついさっき、この生物と同種の生物を見ました。しかし生きている生物にはこんな紫色の斑点なんてありませんでしたからこの生物の死因は病気によるものだと判断し確認の為、佐渡先生を呼びました」

 

「なるほど」

 

佐渡は通常の医師免許の他に獣医師の資格も有していたので、現住生物の死因を調査してもらおうと思い古代は佐渡を呼んだのだ。

 

佐渡たちは防護服を身に纏い、死んでいる現住生物の解剖を始める。

 

その光景を離れたところで見ている古代たち。

 

やがて解剖が終わり、古代は佐渡に訊ねる。

 

「佐渡先生、何かわかりましたか?」

 

「ふむ、骨格や臓器のつくりを見たところ、この生物は地球に生息している鹿に近い生物じゃ」

 

古代は解剖をした佐渡に死骸となっている生物について質問する。

 

佐渡によると、死骸となっている現住生物は鹿に近い生き物らしい。

 

「それで体中に浮き出ているこの紫色の斑点は一体何なんですか?」

 

「詳しいことはヤマトに戻らんと何とも言えないが、この生物の死因はお前さんの予想通り病気じゃ」

 

「やはり病気ですか‥‥」

 

古代も紫色の斑点を見る限り、この現住生物の死因は病気かと思っていたが、専門家ではないので佐渡に死因の解明を頼んだのだが、現住生物の死因は古代の予想通り病気だった。

 

佐渡は血液や臓器の一部を摘出し、密封ボックスへと入れる。

 

「ウィルスによっては動物だけでなく、人間にも感染する恐れがあるからのう。取り扱いは慎重にするんじゃ」

 

「は、はい」

 

防護服姿の衛生科所属の隊員にサンプルを輸送する際の注意事項を言う佐渡。

 

鳥インフルエンザや狂犬病など、動物がかかる病気も人間にも感染する事はある。

 

人間も哺乳類サル目ヒト科の動物なのだから‥‥

 

「佐渡先生、もしこの生物の死因となる病気が人間にも感染するとなると‥‥」

 

「治療法や薬の開発が必要じゃが、もし治療方法やワクチンの製造方法が確立ができないとなると、この星に人が住むのは危険じゃ」

 

「‥‥」

 

佐渡の結論を聞き、古代たちは思わず絶句する。

 

かつてメキシコ南部に栄えたアステカ文明、南アメリカのペルーで栄えたインカ帝国。

 

どちらもスペインからの侵略で滅んだ文明であるが、滅亡の原因はスペイン人との戦闘だけではなく、欧州から持ち込まれたサルモネラ菌や黒死病、天然痘ウィルスも滅亡の一因となっている。

 

日本でも江戸時代の文政5(1822)年にコレラが流行し、大勢の人たちが感染し死亡した事例がある。

 

病気の原因、そして治療方法も分からなく、薬も無い当時の人たちからしてみればそれらの病気やウィルスはまさに未知のウィルスであり死の病だったに違いない。

 

未知の惑星に入植したらそう言った病原菌の脅威もある事が今回の一件で判明した。

 

(もし、佐渡先生が言うようにこの病気が人間にも感染し、治療も出来ず、薬も作る事が出来ない病気なら、此処は人類の移住地としては無理だな)

 

古代はそう思いつつ、

 

「探査はこれまでだ。撤収する」

 

と、探査の終了を告げた。

 

あまり長居すると自分たちがこの星独特の風土病にかかる恐れがあるからだ。

 

探査をした乗員たちはコスモハウンドへと戻り、佐渡たちは救命艇に乗る。

 

「こちら古代。バーナード星第一惑星の探査終了。これよりヤマトに帰還する」

 

古代はヤマトに帰還報告を入れる。

 

「了解」

 

ヤマトからの返信を受け、コスモハウンドと救命艇はヤマトを目指す。

 

そんな中、ヤマトを見上げていた古代は第一惑星の空にいくつもの尾を引く光がヤマト、まほろばへと向かって行くのを目撃する。

 

「ビーム砲だ!!」

 

古代が叫んだ時にはビーム砲がヤマト、まほろばに命中していた。

 

「ヤマト、まほろば、応答せよ!!」

 

古代はビーム砲を受けたヤマト、まほろばに通信を送る。

 

「いきなりの攻撃でしたが、障壁と装甲で何とか防ぎました!!ですが、かなりの威力があり、集中砲火を受けると危険です!!」

 

ギンガが古代にまほろばの現状を伝え、

 

「不意打ちを喰らった!!だが、どこから撃ってきたのか分からない!!」

 

ヤマトからは島の声が返ってきた。

 

「よし、救命艇を収容してくれ。俺はコスモハウンドで敵基地を捜索する」

 

「「了解」」

 

まほろば、ヤマトとの交信を終えた時、エンジンルームから徳川がコックピットへと顔を出す。

 

「艦長、エンジンの調子は快調です!!」

 

「よし、行くぞ!!」

 

救命艇はヤマトを目指し、コスモハウンドは第一惑星の上空を敵の基地を求めて飛行する。

 

次々と襲い掛かるビーム砲を反転・回避してヤマトは救命艇を何とか収容する。

 

「艦長、救命艇は無事に収容しました」

 

救命艇が無事にヤマトに収容された報告を聞いて古代はホッとする。

 

その後、古代は先ほどヤマト、まほろばが受けた攻撃の映像を解析する。

 

解析結果によってはビームを撃ってきた砲台の場所を特定できるかもしれないからだ。

 

そして、地上から放たれたビーム砲が空中で屈折してヤマト、まほろばへと命中している。

 

ビーム砲の不自然な屈折を見た古代は以前、似たような兵器を見たことがあった。

 

「月村艦長、島、このビーム砲はもしかしたらガミラスの反射衛星砲じゃないか?」

 

「ああ、俺もそう思った」

 

「反射衛星砲?‥‥それってかつてガミラスの冥王星基地にあったとされるビーム砲台の事だよね?」

 

島は古代と共に第一次イスカンダル航海に参加していたので、かつて冥王星ガミラス基地に設置されていた反射衛星砲の事を知っていたが、良馬はヤマトからの報告書でしかその存在を知らなかった。

 

「はい。反射衛星砲はガミラスの‥‥デスラーの武器です」

 

「しかし、ガミラスは今、ガルマン・ガミラスとなって地球との同盟を結ぼうとしている筈じゃないのか?」

 

島は、反射衛星砲は確かにガミラスの武器であったが、そのガミラスはガルマン・ガミラスと名を変え、地球との同盟を締結しようとしている。

 

そのガルマン・ガミラスがヤマト、まほろばを‥‥地球の艦を攻撃してくるなんて同盟どころか戦争を誘発している行動なので解せない。

 

「これはもしかしたら、ガルマン・ガミラスのモノではなく、ボラー連邦がガルマン星から得た技術かもしれない」

 

解せない状況下で良馬はある仮説をたてた。

 

「それは、どういう事です?」

 

「ボラー連邦はかつてガルマン星を支配していた‥‥そして、そのガルマン星人はガミラス星人と同一の民族‥‥ガミラス星人が反射衛星砲を作る技術を持っているのならば、当然同一民族のガルマン星人も反射衛星砲を作れると言う事さ‥‥恐らくガルマン星を支配していた時にボラー連邦は反射衛星砲の技術を得たと言う事だ」

 

「なるほど‥確かに以前デスラーと同盟を結んでいた彗星帝国もガミラスからの技術供与で瞬間物質転送機の技術を得ていましたからね」

 

良馬の仮説を聞いて納得する古代。

 

「反射衛星砲ならば、ビーム砲を反射する反射衛星がある筈‥‥衛星は我々が破壊するので、ヤマトとまほろばは敵基地を発見次第現場に急行してくれ」

 

「了解」

 

「任せたよ、古代艦長」

 

「雷電、ビーム砲の方向から見て反射衛星砲と敵基地の予測位置は此処から丁度この星の裏側だ!!急いでくれ!!」

 

「了解!!」

 

古代はコスモハウンドの操縦桿を握っていた雷電に針路を命じる。

 

そして、最初にビームが屈折した箇所へ行くが、

 

「反射衛星が無い‥‥だと」

 

ビームが屈折した現場には反射衛星が存在していなかった。

 

この時はまさか反射機能を持つのが静止衛星ではなく、移動が可能な航空機であるとは予想しておらず、ヤマト、まほろばが回避運動をしている為、それに連動して反射板搭載機も移動していたので、古代は反射板搭載機を発見できなかった。

 

「どういうことだ?反射衛星砲なら反射衛星がある筈‥‥」

 

「艦長、どうしますか?」

 

「こうなれば本体を叩くしかない。雷電、星の裏側に向かってくれ」

 

「了解」

 

コスモハウンドは全速で敵基地の予測地点へと向かう。

 

その間もヤマト、まほろばにはビーム砲の雨が容赦なく襲い掛かって来る。

 

ビーム砲の攻撃を受けて、グラグラと船体は大きく揺れる。

 

 

まほろば 第一艦橋

 

「第三砲塔被弾!!」

 

「第二艦橋付近に命中!!」

 

「右八十度、左百三十度に転進!!」

 

「了解、右八十度、左百三十度に転進!!」

 

被害報告が入る中、良馬は少しでも被害を抑えるために船体を小刻みに動かす指示を出す。

 

操縦桿を握る永倉もそれは理解しているようで精一杯回避行動に専念する。

 

「反射衛星の探知は!?」

 

「見つかりません!!ただ、本艦とヤマトの周囲に多数の飛行物体の反応があります!!」

 

「コスモハウンドからも敵基地、衛星発見の報告はまだ入りません!!」

 

「くっ‥‥航海長、引き続き回避行動に専念!!」

 

「了解!!」

 

(このビーム砲の数と連射から見て砲台はおそらく一基ではなく複数あるな‥‥)

 

衛星を見つけ撃破するまではこのビーム砲の攻撃は続く。

 

そんな中、ビーム砲の数から良馬は砲台の数が複数あると予測した。

 

(しかし、周りにあるのは衛星ではなく敵機の反応?)

 

(偵察機か?いや、偵察機にしては妙に数が多いな‥‥)

 

(しかし、此方を攻撃してくる気配はない‥‥同士討ちを警戒しているのか?)

 

暗黒星団帝国との戦いの時も暗黒星団帝国は高性能な艦載機を使用して、暗黒ガス、アステロイドがある悪環境な宙域の中で味方に正確な情報を送り、α砲搭載艦の砲撃を行ってきた。

 

ヤマト、まほろばの周囲に展開している艦載機もその類の偵察機かと思われたが偵察機にしては数が多いのだが、ヤマト、まほろばに対して雷撃や艦爆を仕掛けてくる気配が無い。

 

(いずれにせよ、敵に情報を与え続ける訳にはいかない)

 

敵機の数とその行動に違和感を覚えつつも放置しておくわけにはいかない。

 

「コスモタイガー隊発進準備!!それと哨戒に出したコスモタイガー隊でエネルギーに余力がある機体は哨戒行動を一時中止し、敵機の撃墜に向かわせてくれ」

 

「了解」

 

良馬は待機しているコスモタイガーを出撃させ、ギンガは哨戒にあたっているコスモタイガー隊に敵機の位置を報告して、コレの撃墜に向かわせた。

 

「右舷艦尾損傷!!」

 

「応急班を向かわせろ!!これ以上、傷口を広げる訳にはいかない」

 

「了解!!応急班!!右舷艦尾へ急行せよ!!」

 

被弾箇所の応急修理に向かった技術班の隊員たちは被弾の衝撃でよろけたり、尻餅をついたり、転びながらも修理箇所へと向かって行く。

 

「急げ!!右舷艦尾だ!!」

 

「は、はい~!!」

 

応急班が損傷箇所に向かっている中でも外ではビーム砲の攻撃は止まずに、

 

「左舷船体中央部、被弾!!」

 

「第三艦橋被弾!!」

 

被害は広がっていく。

 

「右三十度コースターン!!そのまま直進して回避!!機関長、エネルギー増幅!!」

 

「右三十度コースターン!!宜候!!」

 

「了解。機関室、エネルギー増幅!!」

 

「了解、エネルギー増幅!!」

 

機関室では機関科の乗員たちが揺れる中で奮闘していた。

 

「リニス先生、また怪我人です!!」

 

「医務室は一杯です!!とりあえず医務室近くの通路に下ろして、トリアージを行ってください!!」

 

「りょ、了解」

 

医務室でも怪我人で溢れておりトリアージを行い治療の順番を決める事態となっていた。

 

しかし、逃げ回るだけではいつかはビーム砲の餌食となってしまう事は明らかであった。

 

まほろばでビーム砲の被弾で船体が揺れる中で各部署の乗員たちが奮闘している中、ヤマトも同じくビーム砲の攻撃を受けて船体が傷つき、揺れている中で各部署の乗員たちは奮闘していた。

 

そんな中、

 

「平田先輩、どこへ!?」

 

平田が持ち場である厨房から通路へ出て行くのを見て土門が声をかける。

 

「食料貯蔵エリアだ。隔壁の調子がおかしい。様子を見てくる」

 

「俺も行きます!!」

 

土門も慌てて平田の後を追った。

 

 

バーナード星系 第一惑星 地下 ボラー・バジウド連合艦隊 旗艦 ゾルヴァ号 艦橋

 

ヤマト、まほろばが苦戦をしている様子はゾルヴァ号の艦橋にあるモニターで表示されており、ボローズは当初、余裕がある様子で見ていたが、

 

「ええい、まだ堕とせんのか!?」

 

回避運動をしながらしぶとく生き残っているヤマトとまほろばの姿に段々と苛立ちを募らせていていた。

 

そんな中、コスモタイガー隊はヤマト、まほろばの周囲に展開している敵機の撃墜へと向かっていた。

 

「総督、反射板搭載機に敵の艦載機が接近しています!!」

 

「なにっ!?くっ、バレたのか‥‥」

 

ボローズは反射レーザー砲のアキレス腱とも言える反射板搭載機の存在がバレたのかと焦る。

 

「護衛機を迎撃に向かわせろ!!」

 

「はっ!!」

 

ボローズは反射板搭載機を護衛している戦闘機に迎撃を命じる。

 

 

接近したコスモタイガー隊はヤマト、まほろばの周囲に展開している敵機に接近をしていくと、一際大きな航空機が居るのを見つける。

 

「こちらコスモタイガー隊、揚羽!!敵機を目視にて確認した!!内一機は大型の機体で、下部にミラーのようなモノを着けています!!そして周りには護衛機らしき戦闘機も多数おり、此方に向かってきます!!これより戦闘に入ります!!」

 

「ミラーのようなモノを装備した機体‥‥そうか、連中は反射板を衛星ではなく航空機に搭載させていたのか!?」

 

揚羽からの報告を受け、真田は反射衛星砲にもかかわらず反射衛星が見つからない訳を理解した。

 

「揚羽、その機体の下部にミラーを装備した航空機はこのビーム砲を反射する重要な航空機だ!!護衛の機よりもそのミラーを装備した航空機を優先に撃ち落せ!!」

 

「りょ、了解!!」

 

真田は揚羽たちコスモタイガー隊に護衛機よりも反射板搭載機を優先に落とせと命じた。

 

揚羽が反射板搭載機を発見し、この事態を打開できる突破口を作った時、ヤマトの艦内では‥‥

 

「くっ、やっぱり隔壁を閉めるシステムが破損している。エネルギーブースを閉鎖しないと貯蔵庫の食料品がダメになっちまう!!」

 

「で、でも先輩。食糧供給はO・M・C・Sがありますよ」

 

「O・M・C・Sだって万能じゃない。万が一、O・M・C・Sが壊れた時、食糧の備蓄がなかったらどうする?」

 

「そ、それはそうですが‥‥」

 

「俺が手動でロックしてくる。土門は此処で待っていろ」

 

「あ、危ないですよ!?」

 

「心配するな、鉄砲を撃つだけが戦いじゃないだろう?」

 

そう言って平田はバッテリー室へと入っていく‥‥

 

上空ではコスモタイガー隊と反射板搭載機、その護衛機との戦闘に入ったが、ビーム砲は相変わらずヤマト、まほろばへと降り注いでいる。

 

「隔壁ロック完了。これで大丈夫だ!!今から降りるぞ!!」

 

バッテリー室の隔壁を手動で下ろした平田は土門に戻ると伝える。  

 

平田の声を聞いてホッとする土門。

 

その直後、一発のビーム砲がヤマトの右舷に命中する。

 

しかもその命中した箇所は先ほど平田が入ったバッテリー室の近くだった。

 

「先輩!!平田先輩!!返事をしてください!!」

 

土門はバッテリー室に居る平田に大声をあげて声をかける。

 

「‥‥」

 

しかし、平田から返答が返って来る事も彼が生きて土門の前に姿を見せる事もなかった。

 

「平田先輩‥‥」

 

先輩の戦死の事実に土門はガクッとその場に膝をついた。

 

 

平田が戦死しても戦いは続いており、揚羽は護衛機よりも反射板搭載機を優先に攻撃をしていたが、護衛機は護衛機で反射板搭載機を護衛する任務があり、コスモタイガーを反射板搭載機に近づけまいと必死だ。

 

「くそっ、逃がすか!!」

 

揚羽は反射板搭載機を追っているとその後方から護衛機が迫って来る。

 

「揚羽!?くそっ、A班俺に続け!!」

 

山本が揚羽のピンチに気付き、救援に回る。

 

護衛機の後ろを取った山本隊は護衛機を次々と撃ち落していき、揚羽も追っていた反射板搭載機を撃ち落した。

 

「揚羽、大丈夫か!?」

 

「はい!!隊長、ありがとうございます!!」

 

「揚羽、単独行動は禁物だ!!以後気をつけろ!!」

 

「はい!!気を付けます!!」

 

ヤマト、まほろばのコスモタイガー隊のドックファイトで反射板搭載機、護衛機は次々と撃ち落されていった。

 

「反射板搭載機、護衛機、共に全機撃墜を確認」

 

「よし、コスモタイガー隊は帰還せよ」

 

反射板搭載機と護衛機の全滅を確認すると良馬はコスモタイガー隊を帰還させた。

 

 

そして、古代たちコスモハウンドは星の裏側に到達すると、地上からビーム砲を撃っている砲台を見つける。

 

「あれか!?」

 

古代はコスモハウンドに搭載されているパルスレーザーでビーム砲台を破壊する。

 

「よし、これで‥‥」

 

ビーム砲を潰した事で脅威は去ったかと思ったが、地上からはビームがまだ発射されていた。

 

「砲台は一基じゃなかったのか!?」

 

古代が冥王星ガミラス基地で破壊した反射衛星砲は一基だけであったが、良馬の予測通り、第一惑星にはビーム砲台が複数あった。

 

「さっき壊したのは中継ステーションか‥‥くそっ」

 

地上から放たれるビーム砲を睨む古代。

 

「ヤマト、まほろばへ、地上にあった砲台は中継ステーションだ。砲台は多数あってコスモハウンドでは対処しきれない」

 

「じゃあ、本体と基地は一体何処に?」

 

「我々が見つけ出す。ヤマトとまほろばを方位三百四十度の方向へ向かわせてくれ」

 

中継ステーションの近くに砲台へエネルギーを送っている本体もしくは基地があると判断した古代はヤマトとまほろばを誘導する。

 

古代から指示を受けたヤマト、まほろばは急ぎ、現場へと向かう。

 

反射板搭載機を全て撃ち落しているので、空かビーム砲が降って来ることもなく、ヤマト、まほろばは攻撃を受けることなく現場に向かう事が出来る。

 

ヤマト、まほろばが向かっている中、コスモハウンドは敵基地の探索を続けていた。

 

「艦長、方位十度の方向にエネルギーが集中しています!!」

 

地上探査をしていた雷電がエネルギーの集中地点を発見する。

 

「エネルギーの供給源か基地があるのかもしれない。行ってみよう」

 

「了解」

 

コスモハウンドが方位十度の方向へ向かってみるとそこにはビーム砲の他に人工の建造物らしき建物が存在していた。

 

「敵の基地だ!!」

 

「この状態では上陸作戦は無理ですね」

 

「ああ‥‥こちら、古代。敵基地発見!!位置は‥‥」

 

白兵戦で基地を陥落させるのは不可能だと判断した古代はヤマト、まほろばに基地の位置を知らせる。

 

 

バーナード星系 第一惑星 地下 ボラー・バジウド連合艦隊 旗艦 ゾルヴァ号 艦橋

 

「何!?反射板搭載機が全機撃ち落されただと!?」

 

反射板搭載機全機撃墜の報告にボローズは思わず声が裏返る。

 

「はい。敵艦はこの星の裏側に居るので、反射板搭載機が無ければビーム砲を当てる方法がありません」

 

「総督、ビーム砲台X-65が破壊されました!!」

 

「原因はなんだ!?」

 

「‥‥敵航空機の攻撃です!!」

 

「ぬぅ~‥‥バルスキー君、君はただちに艦を率いて迎撃態勢をとれ!!」

 

「はっ!!」

 

「中継ステーションは直接射撃に移行!!彼奴等が来るぞ‥‥」

 

ボローズはヤマト、まほろばが間もなく来ると判断し、地下ドックに居る艦船に出撃命令を下し、ビーム砲台には射角を下げて直接射撃の用意をする。

 

「全艦、順次発進!!敵艦を迎え撃て!!」

 

切り札となる反射ビーム砲のアキレス腱である反射板搭載機全機撃墜となり、旗色が悪くなり始めたボラー・バジウド連合軍。

 

それでも彼らは諦めずに迎撃態勢をとる。

 

 

ヤマト、まほろばが敵基地の近くまで来ると、コスモハウンドはヤマトへと帰還する。

 

「敵基地まであと五分!」

 

「損傷個所の補修急げ!!ここで方を付ける!!砲雷撃戦用意!!」

 

(アルファ星の人たちの為にもこの基地は潰さなければ‥‥)

 

良馬はアルファ星に居る大勢の人たちの為にこの戦いで一気に方をつける覚悟で決戦に挑んだ。

 

「ビーム砲発射!!敵艦を撃ち落せ!!」

 

地上に設置した多数のビーム砲がヤマト、まほろばへ砲撃してくる。

 

「ビーム砲を反射せずに直接射撃をしてきたか‥‥」

 

「砲台を破壊しろ!!主砲斉射!!」

 

ヤマト、まほろばも主砲で応戦してビーム砲を潰していく。

 

「後方より、敵艦隊接近」

 

「月村艦長、敵艦隊はヤマトが引き受けます。まほろばは敵基地の殲滅を!!」

 

「分かった。しかし、無理はしないでくれ」

 

ヤマトは反転して敵艦隊を迎え撃つ。

 

そして、ヤマトが敵艦隊の相手をしている中、まほろばは敵基地を攻撃する。

 

「艦長、主砲とミサイルで砲台を叩いても時間がかかります。ここは一気に波動砲でケリをつけましょう」

 

フェリシアが波動砲の使用を具申する。

 

「よし‥‥波動砲発射準備にかかれ」

 

「了解」

 

「通信長、ヤマトに打電、『我、波動砲ヲ使用ス、至急上昇シ退避サレタシ』と」

 

「はい」

 

「航海長、まほろばを上空三宇宙キロまで上昇」

 

「了解」

 

まほろばが攻撃を止め、上昇しある一定の高さで停止すると、

 

「どうやら連中は策に窮したと見える‥‥大型ミサイル発射用意!!」

 

ボローズはまほろばが基地の攻略に手間取っているものだと判断した。

 

そこで、止めをさすべく大型ミサイルの発射を命じる。

 

しかし、まほろばは攻略に手間取っている訳ではなく、それどころか一気に勝負をしかけるつもりであった。

 

「波動砲安全装置解除、圧力上昇」

 

「ターゲットスコープオープン、自動修正照準プラスマイナスゼロ!!」

 

「総員、対ショック・対閃光防御!!」

 

波動砲の発射準備が着々と進んでいる中、

 

「地上より大型ミサイルの発射を確認!!」

 

「かまうな!!ミサイル諸共吹き飛ばす!!波動砲‥‥発射!!」

 

「波動砲発射!!」

 

眩い閃光と共にまほろばから波動砲が発射される。

 

「な、なんだ!?あの輝きは!?」

 

初めて波動砲を目の当たりにしたボローズは狼狽える。

 

その間にもまほろばの波動砲は基地へと迫り、まほろばを撃破する為に撃った大型ミサイルは水飴の様に融解して爆発、次いで基地へと命中する。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁー!!」

 

ボローズは基地、乗艦していたゾルヴァ号共々波動砲の直撃を受けた。

 

ボラー・バジウド連合軍の基地は爆発と共に巨大なクレーターを作り消滅した。

 

ヤマトの方も出撃してきた敵艦隊を殲滅しており、それはボラー・バジウド連合軍の消滅を意味していた。

 

「敵基地消滅‥‥」

 

「ヤマトの方も敵艦隊を殲滅した模様」

 

「‥‥終わったか」

 

第二の地球探査はまだ始まったばかりであるが、第一惑星に存在していたボラー・バジウド連合軍を殲滅した事でアルファ星が攻撃を受けることはもうない。

 

アルファ星の危機が去った事に一息つけた良馬たちであった。

 

 

戦闘後にヤマト、まほろばでは被害調査が行われ、古代はそこで平田の戦死の事実を知った。

 

「『鉄砲を撃つだけが戦いじゃない‥‥』‥アイツがよく口にしていた言葉だ‥‥」

 

「平田先輩‥‥」

 

「土門、平田の分まで頑張れ」

 

「はい」

 

調査が終わると、この戦いで戦死した宇宙戦士たちの宇宙葬が行われ、重度の負傷者はアルファ星から駆け付けた警備艦がアルファ星へと移送することが決まった。

 

なお、その後の検査の結果、第一惑星に住む現住生物が感染した病気は人にも感染することが判明し、未知の病原菌が存在する星と言う事で人類の移住は見送る結果となった。

 

 

「では、よろしくお願いします」

 

「はっ、乗員の方々は無事にアルファ星へ送ります。そして、ヤマト並びにまほろばの航海の安全を祈ります」

 

「ありがとうございます」

 

宇宙葬、そして負傷者たちの退艦が終わると、ヤマト、まほろばは再び星の海へと旅立つ。

 

人類が住める第二の地球となる星を求めて‥‥

 

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