星の海へ   作:ステルス兄貴

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百六十一話 元流刑惑星バース

 

 

バーナード星第一惑星にてボローズらボラー・バジウド連合軍の基地を撃破したヤマトとまほろば。

 

この戦闘の勝利はアルファ星がボラー連邦からの脅威が去った事を意味していた。

 

しかし、第一惑星で撃破したボラー連邦の艦隊は正確にはボラー連邦から半ば逃亡した者たちであったことをヤマト、まほろばの乗員たちは知る由も無かった。

 

アルファ星の安全を確保したヤマトとまほろばは本来の任務である第二の地球探査の任に移った。

 

その間も地球では太陽の核融合の異常増進は続いていた。

 

当初は電波障害くらいの障害だったが、それは世界規模の異常気象へとなり、滅亡の兆候は顕著に起こっていた。

 

 

オーストラリア 某海水浴場

 

北半球はまさに秋から冬になろうとしている頃、南半球の季節は春となっていたが、気温は春の気温を通り越してまさに真夏並みの気温となっており、海水浴場には多くの人々が暑さから逃れ、涼しさを求めて季節外れの海水浴に来ていた。

 

「ふぅ~暑い‥‥」

 

「まだ春なのに‥‥」

 

「全くこの暑さと言い、最近の太陽の大きさはどういうことだ?」

 

「なんだか日に日に大きくなっている様な気がするわ」

 

この頃になると膨張した太陽の大きさは肉眼でも約二倍の大きさに見えていた。

 

人々が海水浴をしながら季節外れの暑さや日に日に大きくなっている太陽に疑問を抱いていると、

 

ズズズズズズ‥‥

 

「ん?」

 

「えっ?」

 

「う‥‥」

 

ゴゴゴゴゴゴゴ‥‥

 

ゴゴゴゴゴゴゴ‥‥

 

「じ、地震だ!?」

 

大地が大きく揺れた。

 

しかし、地震は直ぐにおさまった。

 

「おさまったみたいね」

 

「異常な暑さの次は地震か?一体どうなっているんだ?」

 

オーストラリアは日本と異なり地震が少ない国であるが、地殻プレートの移動による地震活動を観測することもある。

 

人々は突然の地震に驚きはしたが、直ぐにおさまった事から次第に落ち着きを取り戻していく。

 

だが、災害はまだ続いていた。

 

ザザザ‥‥

 

「おい見ろ、海の水が引いていくぞ」

 

「えっ?」

 

ザザザザザザ‥‥

 

地震が来る前までは下腹部まで浸っていた海水が物凄い勢いで引いていき、気づいた時には海の水は膝下まで引いていた。

 

すると水平線の彼方から水の轟音がしてきた。

 

ザザ‥‥

 

「な、なんだ?」

 

「どうしたんだ!?」

 

ゴォォォォォォ‥‥

 

人々が固唾を飲んで水平線を見ていると、

 

グォォォォ‥‥

 

「つ、津波だ!?」

 

ドドドドドドドドド‥‥

 

海水浴場に大津波が押し寄せて来た。

 

「逃げろ!!」

 

「待って!!」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁー!!」

 

大津波は海水浴場に居た人々と沿岸都市、港湾施設、停泊していた船舶を次々と飲み込んだ。

 

オーストラリアを襲った大津波の他に北極、南極の氷河が溶け海面は上昇し、各国の沿岸都市に洪水を齎した。

 

 

日本 メガロポリス東京

 

「もう夜の筈なのに西の彼方が夕方の様に明るい」

 

「白夜ほどではないが、どうしてあんなに明るいんだ?日本じゃあ白夜なんて現象は起きないのに‥‥」

 

「それにもうすぐ冬なのにどうしてこんなに暑いんだ?この前は雪が降ったのに‥‥」

 

北半球では夕日が沈んでも夕焼けのように明るく秋が終わろうとしているにもかかわらず未だに真夏の様な暑さが続いている。

 

この異常な事態となっているにもかかわらず地球連邦政府は大規模なパニックや暴動を恐れまもなく訪れる地球の終焉をいまだに連邦市民には伝えていなかった。

 

 

地球連邦大統領府 大統領執務室

 

大統領の執務室にはこの部屋の主でもある地球連邦政府大統領と藤堂の姿があった。

 

「藤堂長官、私は太陽エネルギーの制御作業が失敗に終わった今、取るべき最後の手段は新惑星探査計画の拡大以外に無いと思う」

 

大統領は等々太陽の制御を諦め、地球人類の存続の為、地球を捨て宇宙にあるかもしれない第二の地球となる星を見つけ、そこへ地球人類を移住させる事に決めた。

 

「同感です」

 

ジュラがガルマン・ガミラスでも地球の太陽制御の協力要請があった旨を藤堂も大統領も聞いていたが、ガルマン・ガミラスの太陽制御が必ずしも成功すると言う保証はない。

 

第一、 デスラーからの正式な協力要請がまだ来ていない。

 

ガルマン・ガミラスからの協力要請が来るのを待って万が一、太陽制御に失敗すればそれだけ時間を無駄にすることなる。

 

すでに大統領がこの決断を下すまで地球は時間を無駄にしているので、これ以上の時間を無駄にする訳にはいかないのだ。

 

「今回の新惑星探査計画の拡大には宇宙開拓省を中心に宇宙移民本部を設けることにした。御苦労だが、君にはそこの本部長職を兼務してもらいたい」

 

「‥‥大任ですな」

 

「そうだ。この計画は防衛軍との連携が密接かつ円滑に行わなければならない。君以外に適任者はいないのだ」

 

「承知しました。至急、新惑星の探査計画を練り直します」

 

「頼む。一日も早く第二の地球となる新惑星を見つけ、市民を安心させてくれ」

 

そう言って大統領は藤堂に辞令書を手渡す

 

「承知しました」

 

藤堂が辞令書を受け取った時、

 

「だ、大統領閣下!!」

 

大統領の秘書官が慌てた様子で執務室に入って来た。

 

「どうした?そんなに慌てて」

 

「そ、それが‥‥」

 

秘書官は先ほどオーストラリアで大津波が発生し、沿岸部の都市や施設、そして人命に大きな被害を齎した事を報告した。

 

「な、なんだと‥‥!?」

 

秘書官からの報告を受け大統領は顔色を青くした。

 

「そ、それで被害は?」

 

大統領は声を震わせるながら被害状況を訊ねる。

 

「沿岸部の都市及び港湾施設に壊滅的被害が出て、被災者の正確な人数はまだ判明しておりませんが、現時点で少なくとも死傷者・行方不明者は十万人ほどだと‥‥なお、この人数はこれから先、まだ増える見込みであるとの事です‥‥」

 

「な、なんてことだ‥‥」

 

大統領は頭を抱える。

 

「‥‥」

 

藤堂はその様子を神妙な面持ちで見ていた。

 

(やはり私の判断は奇しくも正しかったと言う事か‥‥)

 

藤堂としては出来る事ならば、取り越し苦労で終わって欲しかった判断が正しかった事に複雑な心境だった。

 

大統領府、太陽エネルギー省の楽観的な判断が貴重な時間のロスを生み出したのだが、今となってはそれを責めても後の祭りだ。

 

(頼みの綱はヤマト、まほろばか‥‥)

 

大統領府を出て駐車場に入ると、防衛軍の公用車の車内には孫の晶子が藤堂を待っていた。

 

今回の大統領府の訪問は極秘裏にと言う事で藤堂はハイヤーの運転手ではなく、晶子に運転手を頼んだのだ。

 

そして藤堂が公用車に乗ると晶子は車を走らせる。

 

「それで、どうでした?」

 

「うむ‥‥」

 

藤堂は当初、孫とは言え晶子に地球連邦政府がまだ発表していない地球の終焉の事実を話すか躊躇ったが、どのみち地球連邦政府は発表する事になるだろうと判断し、大統領との会見内容を簡単にまとめて話した。

 

「たとえ新しい星が見つかっても何十億の人々と生き物たちを運ぶことが出来るの?お爺様」

 

晶子は藤堂に今回の新惑星の探査計画について質問をする。

 

「もはや出来る、出来ないの問題ではない。やらなければならないのだよ、晶子。地球人類の為にもな‥‥」

 

「‥‥そうね。ヤマトもそのために宇宙へ旅立って行ったんですものね」

 

「そういう事だ」

 

「お爺様、私にも何かお手伝いできることはないかしら?」

 

「お前に?」

 

「ええ、お爺様は防衛軍の長官職の他に今回、宇宙移民本部の本部長も務めるんですもの何もしないままヤマトの帰りを待つなんて出来ないわ」

 

「そうか?」

 

「はい‥‥あっ、私をお爺様の秘書にしてくださらない?一生懸命頑張りますから」

 

「‥‥良かろう。ヤマトとも連絡を取ることもあるしな。ん?そう言えば、相原君はヤマトの通信長だったな」

 

「えっ?わ、私はそんなつもりじゃあ‥‥」

 

晶子は思わず顔を赤らめる。

 

彼女としてみれば、多忙となる祖父の為、少しでも役立ちたいと言う思いからで、相原がヤマトの通信長だった事をすっかり忘れていた。

 

「だが、晶子。仕事は忙しく厳しいぞ。そのつもりでな」

 

「はい」

 

藤堂としても身内である晶子が自分の仕事をサポートしてくれた方が何かと心に余裕が出来てやりやすかった。

 

やがて公用車のフロントガラスに宇宙開拓省の庁舎が見えて来た。

 

藤堂と晶子は宇宙開拓省庁舎に着くと庁舎内にある大会議室へと入った。

 

大会議室のメインモニターには、太陽系を中心に半径一万五千光年内外の探査範囲が映し出された映像が表示されている。

 

やがて今回の新惑星の探査計画に参加する宇宙開拓省、防衛軍の職員たちが大会議室へと入って来た。

 

関係者が集まったところで第一回目の会議が始まった。

 

「では、これより会議を始めます。まず今回の新惑星の探査計画において、建造される移民船の航続距離から考えて半径一万五千光年の範囲を探査することになります。さらにその範囲を五つのブロックに分け、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカ、ロシアの五州がそれぞれのブロックの探査を担当します。現在、アジア担当の銀河系中心部方向のAブロックには宇宙戦艦ヤマト、まほろばが探査を続行しており、今後発進する探査船団には不測の事態に備え護衛戦艦を同行させます」

 

ガミラス、彗星帝国、暗黒星団帝国、時空管理局と宇宙には地球以外の知的生命体の文明がある事が既に確認されており、宇宙にはこの他にも優れた文明を持つ知的生命体が存在している可能性は十分あり、それらの知的生命体が探査船を襲ってこないとは言い切れないので、護衛をつける事が決められた。

 

「そして探査し、地球人類の移住が可能な惑星の条件が以下の通りとなります」

 

続いて第二の地球となる星の条件がモニターに表示された。

 

 

一つ 地球と同様な大気を有する事

 

二つ 人類・生物の生活に欠かせない水、食物、鉱物等が豊富に存在している事

 

三つ 地球滅亡前に地球人類及び生物が可及的速やかに移住できる範囲内にある事 (一万五千光年以内)

 

四つ 気候、自然環境及び重力が地球人類、生物に適する事

 

五つ 母星である恒星が地球の太陽と同じG型かこれに近いK型である事

 

六つ 新惑星に知的生命体が存在しない事

 

 

「これらの条件が一つでも欠けていては、地球人類は移住する事が出来ません」

 

「これらの条件が全て揃う惑星など地球が滅亡する前までに都合よく見つかるのか?」

 

説明が終わると、職員の一人がこの六つの条件が全て揃う惑星なんて都合よく見つかるのかと不安視する。

 

「捜索範囲が決められているとは言え、広大な宇宙なのだから地球と同型の星ぐらい一つや二つぐらいすぐに見つかるだろう」

 

一方で別の職員は楽観的している。

 

「いや、楽観的は出来んぞ。それにしても探査範囲が一万五千光年か‥‥広大な宇宙の中で探査範囲が限定されると言うのは長所でもあり短所でもあるな‥‥」

 

「どういう事です?それは?」

 

「先ほども言ったが、広大な宇宙で探索範囲が決まっている事は探査に無駄な時間を使わない部分は長所ではあるが、もし一万五千光年以上の距離に第二の地球となる惑星が見つかっても移住できないと言う事だ」

 

「なるほど」

 

「移住の為の宇宙船の航続距離がネックだ」

 

「急ごしらえの大型宇宙船故の問題だな」

 

「防衛軍で最近になって建造された輸送艦ではダメなのか?」

 

「航続距離の問題は解決するが、乗せることが出来る人員が‥‥現在防衛軍が保有しているドレッドノート級輸送艦ではとても全ての地球人類、地球に現存する動植物を移住させるのは無理です」

 

宇宙開拓省の職員が防衛軍の職員に輸送艦について訊ねる。

 

防衛軍はガミラス戦役後に建造・使用された輸送艦の他にドレッドノート級の船体を改装した輸送艦を就役させていた。

 

 

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このドレッドノート級を改装した輸送艦ならば航続距離の問題は解決するが、収容人数が現在、移住の為に急ピッチで建造されている移住船の方が収容人数は上であった。

 

 

【挿絵表示】

 

 

勿論、移住の際にはこのドレッドノート級輸送艦も使用される予定ではあるが、地球滅亡まで地球人類と動植物を新惑星へ移住させるのに現有のドレッドノート級輸送艦では数が足りない。

 

ガヤガヤと話し合っている官僚たちを見て藤堂は席を立ちあがる。

 

「諸君、我々の使命は今回の新惑星の探査計画を完璧に達成する事にある。人類滅亡の危機はもはや目前に迫っている。今や一日の猶予もならない。探査期間は約半年だ。この半年という期間を『まだ半年』ではなく、『もう半年』と捉え直ちに実行に着手してもらいたい」

 

藤堂の言葉に大会議室は緊張に包まれ先ほどまでガヤガヤと騒がしかった室内はシーンと静まり返った。

 

こうして藤堂の命令一下、新惑星探査計画は直ちに実行に移された。

 

地球の各地のドックでは惑星探査の為、宇宙開拓省所属の探査船が整備され、探査船護衛の為の戦艦は所定の宇宙港へ回航されていった。

 

 

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イギリスはプリンス・オブ・ウェールズ

 

 

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ドイツはビスマルク

 

 

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アメリカはアリゾナ

 

 

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ロシアはノーウィック

 

 

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これらの戦艦が今回の惑星探査における探査船の護衛の任に就くことになった。

 

 

地球でようやく第二の地球となる惑星探査が開始された頃、ヤマトが地球を発進して二ヶ月の月日が経過していた。

 

日本以外の国は大統領府と太陽エネルギー省の間違った判断の結果、二ヶ月の遅れを出していた。

 

ヤマト、まほろばが航行しているのは地球から観測されていない宇宙の白地図とも言うべき未知の宙域だったので、宇宙海図を作成し、地球との連絡用の為、リレー衛星を設置しながら第二の地球となる星を探査しながら航行していた。

 

現在、二隻は地球から四千二百光年の位置まで来ており、この間バーナード星第一惑星を含めて十三の恒星系を探査したがどの星も地球人に適さない星ばかりであった。

 

そんな中、藤堂から通信が入る。

 

「艦長、地球から入電です」

 

「地球から?パネルに回してくれ」

 

「了解」

 

ヤマト、まほろばの第一艦橋にあるパネルには藤堂の姿が映し出される。

 

「ヤマト、まほろばの諸君」

 

「「藤堂長官」」

 

古代、良馬はパネルに映った藤堂に敬礼する。

 

「しばらくだな。バーナード星の戦闘で犠牲者をだしたそうだが、その後の状況はどうだ?」

 

「バーナード星での戦闘相手はアルファ星を攻撃してきたボラー連邦であり、アルファ星を守る為、やむを得ないモノでした」

 

バーナード星での戦闘経緯は良馬が藤堂に伝える。

 

「そうか‥‥犠牲者の冥福を心から祈る」

 

良馬からの説明を聞き、アルファ星に住む地球人の為と言う事で藤堂自身も戦闘に関しては納得した様子だ。

 

とは言え、その戦闘で幾人かの宇宙戦士の犠牲を出してしまったことに関しては防衛軍の長官としてはやはり辛く悲しい事実である。

 

「長官。現在、ヤマトとまほろばはバーナード星の戦闘後は特に戦闘もなく予定通りの航海を順調に行っております」

 

続いてヤマトとまほろばの現状を古代が藤堂に報告する。

 

「うむ。地球でもこの度、正式に宇宙移民本部が発足され私が本部長を兼務する事になった。ヤマト、まほろばもこの組織に所属する事になる」

 

「では、連邦政府は太陽の核融合異常増進と太陽系の消滅を認めたのですね?」

 

「ああ。私としては取り越し苦労であってもらいたかったのだがね」

 

「移民本部が発足されたと言う事は日本以外の国でも惑星探査を行うと言う事ですか?」

 

「ああ。今後、アメリカ、アフリカ、ヨーロッパ、ロシアの探査船と護衛戦艦が新惑星探査の為、続々と発進する。君たちも引き続き頑張ってくれ給え」

 

「「承知しました」」

 

「地球人類の未来は君たちの双肩にかかっている。頼むぞ」

 

「「はっ!!」」

 

藤堂はヤマト、まほろばの働きに期待して、通信を終えた。

 

藤堂からの通信で地球でもようやく第二の地球となる惑星探査の動きを見せた事をヤマト、まほろばの乗員たち。

 

 

まほろば 第一艦橋

 

「やれやれ、やっと連邦政府も正式に動き出したか‥‥」

 

藤堂の通信後、地球側のあまりにも遅い対応に良馬はやや呆れる。

 

「しかし、連邦政府が公に動き出したと言う事はやはり地球は‥‥」

 

「うん。近々滅亡する事が決まった‥‥ってことか‥‥」

 

『‥‥』

 

藤堂同様、取り越し苦労で終われば良かったと思ったのだが、連邦政府が本格的に新惑星探査計画を発動したと言う事は地球が滅亡することが確定したと言う事だ。

 

「まぁ、悲観的になっても仕方がない。ヤマトとまほろば以外にも惑星探査をする国が増えたと言う事は第二の地球となる惑星が見つかる可能性が高くなったと言う事だ」

 

「そ、そうですね」

 

「他の探査船団に負ける訳にはいかないな」

 

「おう、第二の地球は俺たちが見つけるぞ!!」

 

一同は決意の眼で頷き合った。

 

「まもなく次の探査惑星‥‥バジウド星系第四惑星です」

 

「距離は?」

 

「あと二十万宇宙キロです」

 

「周囲に警戒しつつ速度、コースそのまま‥バジウド星系第四惑星へ」

 

「了解」

 

ヤマト、まほろばの二隻がバジウド星系第四惑星へ近づいている中、

 

「艦長、ちょっといいだろうか?」

 

ディアーチェが艦内通信を送って来た。

 

「ん?どうした?」

 

「実は先日からO・M・C・Sの調子が悪くてな」

 

「O・M・C・Sが?」

 

「うむ。しかも生鮮食品が二日分ほどしか備蓄が無い」

 

「えっ?マジで!?」

 

「マジだ」

 

「どうしてそんな事に‥‥」

 

「どうやらバーナード星での戦闘でO・M・C・Sと冷凍調整装置の一部が壊れていたみたいだ。これまでは補助動力で動いていたみたいで発見できなかったのだが、その補助動力もガタがきたみたいだ」

 

「うわぁ~最悪だ‥‥」

 

「ああ、最悪だ。流石に食い物がないと乗員たちの健康維持が出来んぞ、艦長‥‥」

 

まほろばのO・M・C・Sと食糧貯蔵機能が不具合を起こした事実に一番要撃を受けたのはギンガであった。

 

「か、艦長。O・M・C・Sが不具合って‥‥それに生鮮食品があと二日分しかないって‥‥しょ、食事はどうなるんですか?」

 

今後のまほろばの食事事情をギンガは震える声で良馬に訊ねる。

 

(あっ、ギンガは沢山食べるからな‥‥)

 

ギンガ本人としては、食糧問題は死活問題なのだ。

 

「この後でバジウド星系の第四惑星を探査するからその時にヤマトから修理部品を分けてもらい補修と補給しよう。あと第四惑星で原料を得ることが出来れば、そこでも調達しよう。兎も角、古代艦長にその旨を伝えてくれ」

 

「はい!!」

 

ヤマトから部品を分けてもらいO・M・C・Sと食糧貯蔵庫を直せば食糧難にならないと知るとギンガが嬉々としてヤマトに通信を送った。

 

(第四惑星で補修と補給できないとえらいことになるな‥‥)

 

ヤマトに通信を送っているギンガを尻目に食糧問題が解決しなければ厄介な事になると思う良馬であった。

 

 

ヤマト 第一艦橋

 

「艦長、まほろばから通信です」

 

「まほろばから?‥内容は?」

 

「どうやら、バーナード星の戦闘でまほろばのO・M・C・Sと食糧貯蔵庫の機能が損傷したらしく、次の探査惑星である第四惑星に到着したら修理部品を分けてもらいたいようです」

 

「食料問題は長い航海では重大な問題だからな‥‥相原、まほろばに返信。『了解した』と送れ」

 

「はい」

 

相原はO・M・C・Sと食糧貯蔵庫を修理する部品を提供する事を了承した旨をまほろばに送った。

 

その後も特に問題なく宇宙空間を航行するヤマト、まほろばの行く手に探査惑星であるバジウド星系第四惑星が見えて来た。

 

「艦長、次の探査惑星バジウド星系第四惑星まであと一万宇宙キロです」

 

太田が古代に報告する。

 

「よし、コスモハウンド乗員は発進準備にかかれ」

 

探査をするため、古代はコスモハウンドの発進準備を進めていると、

 

「艦長、右舷後方より接近する艦影が多数あります!!」

 

雪がヤマト、まほろばに接近してくる艦影があることを報告する。

 

「接近中の艦影、戦闘態勢を取っています!!」

 

続いて接近中の艦影の動きを監視していた太田が報告する。

 

「なにっ!?コスモハウンド発進中止!!」

 

接近してくる艦隊がどこの星間国家に所属しているか不明で万が一、好戦的な星間国家の艦隊であったら一方的に攻撃を受ける恐れもある。

 

事実、接近中の艦隊は戦闘態勢を取っている。

 

もし、その攻撃でコスモハウンドが撃墜されれば今後の惑星探査に大きな支障をきたすので、古代はコスモハウンドの発進準備を止めた。

 

「相原、接近して来る艦隊に通信を送れ」

 

「了解!!」

 

相原は様々な周波数で接近してくる艦隊へ通信を送る。

 

「こちら地球防衛軍所属、宇宙戦艦ヤマト!こちら地球‥‥受信反応出ました!」

 

すると、相手側がヤマトの通信を受信した反応があった。

 

「よし、音声交信設定にしてくれ」

 

「了解‥‥どうぞ」

 

「我々は四千二百光年の彼方、太陽系第三惑星、地球から発進した宇宙戦艦ヤマトの乗員である。侵略の意図は全くない。直ちに戦闘態勢を解かれたし!!」

 

古代が接近中の艦隊に戦闘の意志が無い事を告げると艦隊の内、一隻の艦がヤマトとまほろばに近づいて来た。

 

すると、ヤマト、まほろばの第一艦橋にあるパネルにその間の乗員が映りだした。

 

「私はガルマン・ガミラス東部方面軍所属、ゲパルスである」

 

「ガルマン・ガミラス‥‥それはデスラー総統が樹立した星間国家ですね?」

 

「左様。まさか貴殿らが総統閣下のご息女であらせれるジュラ殿下が向かわれた星の艦とは知らず、申し訳ない」

 

「いえ、貴殿の立場ならば当然です」

 

接近してきた艦隊はガルマン・ガミラスの艦隊であり、ヤマト、まほろばが地球の戦艦だと知ると、戦闘態勢を解除した。

 

「それで貴殿らは何用でこのバジウド星系へ?」

 

ゲパルスはヤマト、まほろばの来訪目的を訪ねてきた。

 

「我々はある事情から地球人類が住める惑星を探しており、このバジウド星系第四惑星も探査をする予定でした」

 

「そうか‥‥しかし、この第四惑星バースは既にガルマン・ガミラスの自治領となっている星だ」

 

「分かりました。流石に人類が住んでいる星を侵略する意図は我々にはありません。ですが、許されるならばお願いが二つあります」

 

「何かな?」

 

「一つは艦整備点検、もう一つは植物の採集です」

 

「‥‥よろしい。では三日間の寄港を許可しよう」

 

ヤマト、まほろばの寄港許可を出すとゲパルスの姿はパネルから消えた。

 

ゲパルスもジュラが地球へ赴いている事とその内容がガルマン・ガミラスと地球との同盟締結を目指している事から此処で地球所属の戦艦を無下に扱うとジュラの身に何かあると思いバース星へヤマト、まほろばの寄港を許可した。

 

「バース星‥‥既に人類が住んでいたのか‥‥」

 

「気温はバーナード星第一惑星と同じく一年を通して低いが大気、鉱物蘇生、植物の分布状態から言って居住は可能な星だったのだが、既に人類が住んでいるのであるならば、此処も地球人類の移住は無理だな」

 

「ああ‥‥」

 

バース星には既に知的生命体が存在していた事から地球人類の移住は不可能となった。

 

しかもガルマン・ガミラスの艦隊が駐留している事から自治領とは言え、事実上このバース星はガルマン・ガミラスの植民惑星と言える星だ。

 

その星を無理矢理奪えばガルマン・ガミラスとの間で同盟ではなく戦争になってしまうので、ヤマト、まほろばとしては諦めるしかなかった。

 

残念な心境ながらも補修と補給があるのでヤマト、まほろばはゲパルスの艦の先導の下、バース星へと降下していく。

 

バース星の日中の最高気温は摂氏マイナス五度で、地球の氷河期さながらの星であった。

 

そしてバース星の地表はバーナード星第一惑星と同じく雪と氷に閉ざされた星であったが、人類が存在しているので、針葉樹の様な木々が生えている森と町のような人工の建造物が多数存在していた。

 

ヤマト、まほろばは街外れにある艦船ドックへと着陸した。

 

古代と良馬が艦を降りるとドックではゲパルスと数名のガルマン・ガミラスの兵士が二人を待っていた。

 

「ようこそ、バース星へ」

 

「寄港の許可を出して頂きありがとうございます」

 

「ガルマン・ガミラス側の御厚意に感謝します」

 

「ドロッペ総督もぜひ皆さんとお会いしたいと申しております。後ほど、総督府にて皆様との会食の機会を設けますので、是非ご出席願いたい」

 

「分かりました。喜んでご招待をお受けします」

 

「総督へよろしくお伝えください」

 

バース星の新たな総督となったドロッペ総督との会食の約束を取り付けた後、ヤマトからまほろばへ修理部品が納入され、O・M・C・Sと食糧貯蔵庫の修理が行われる。

 

その他にヤマトの生活班、まほろばの生活班は植物の採集を行う為、雪上車に乗りバース星の地上を移動していく。

 

すると行く手に針葉樹林の森が見えてきた。

 

「あそこの森なら十分な量の植物を採集できそうだ」

 

やがて、針葉樹の森に到着すると雪上車から降り、生活班員たちは採集メカで葉や枝、草を採集していく。

 

両艦の生活班員たちが植物の採集を行っていると、

 

 

ズズズズズ‥‥

 

ガガガガガガ‥‥

 

ドドドドドドドド‥‥

 

森の奥から轟音が聴こえた。

 

「ん?何の音だ?」

 

土門が気になって行ってみると、森の中に開けた場所があり、そこでは重機が建物を壊している光景が目に入った。

 

「工事の音だったのか‥‥」

 

轟音の正体が解体工事の音だったことに土門が唖然としていると、

 

「こんなところで何をしている」

 

工事現場の警備員が土門を見つけ声をかけてきた。

 

「大きな音が聴こえてきたので何かな?と思って‥‥」

 

「ここは解体作業現場で関係者以外は立ち入り禁止だ」

 

「わ、分かった。でも、一体何の建物を解体しているんです?」

 

土門としては解体工事の作業をしている事から警備員が言っている事は最もだと思い引き下がるが、その前に一体何の建物を解体しているか気になり警備員に思いきって訊ねてみた。

 

「あの建物か?あれはボラー連邦の連中が建てた強制収容所の建物だ」

 

「きょ、強制収容所!?」

 

警備員からの返答に思わず目を大きく見開き声が裏返る土門。

 

「そうだ。ボラーの連中は、保護国とか言いながらこの星を流刑地にしていたのさ。それを我々ガルマン・ガミラスがボラーからこの星を解放し、ドロッペ総督が負の遺産の象徴である強制収容所の解体を命じたのだ」

 

(解放って言うけど、それって侵略者がボラーからガルマン・ガミラスに変わっただけじゃないか?)

 

警備員の言葉に対して心の中で突っ込む土門。

 

「さあ、もういいだろう?ほら帰った、帰った」

 

「は、はい」

 

聞けることも聞けたので、皆のいる場所へ戻る土門。

 

「強制収容所の建物を解体していると言う事はもう囚人は居ないと言う事だよな‥‥?」

 

土門は流石に囚人諸共建物を解体する訳はないと思いつつ森を歩く。

 

「あら?土門君、どこに行っていたの?」

 

「あっ、生活班長‥実は‥‥」

 

土門は先ほど森の奥で見た光景を雪に話す。

 

「強制収容所‥‥」

 

「はい。この星はボラーが支配していた時は流刑の星だったみたいです」

 

「でも、その建物を壊していたと言う事はもう流刑地じゃないって事かしら?」

 

「恐らく‥‥ただ、この辺りは工事現場らしいので、別の場所を探しましょう」

 

「そうね」

 

生活班員たちは採集場所を変えて植物の採集を続けた。

 

やがて植物の採集作業を終えた生活班員たちはそれぞれの艦へと戻る。

 

まほろばの生活班員たちが戻った頃にはO・M・C・Sと食糧貯蔵庫の修理が終わっており、生活班員たちは採集してきた植物を変造機に入れて分解、地球型の植物に成分を変換し直す。

 

ヤマトの厨房でも同様の作業が行われていた。

 

土門がその過程を見守っていると揚羽がやってきた。

 

そこで、土門は揚羽に森の奥で見た出来事を彼に話す。

 

「へぇ~強制収容所か‥‥歴史の教科書に載っていたけど、現代でもそんな施設が存在するなんて驚いたな」

 

「ここは地球じゃない。バース星だ。宇宙には我々よりも精神文化が遅れている星もあると言う事だ」

 

「アルファ星をいきなり攻撃してくる事や強制収容所と言い、ボラーの連中は野蛮な種族と言えるな」

 

「確かに‥‥」

 

「でも、もうその強制収容所とやらは無いんだろう?」

 

「ああ、俺が行った時には建物を壊していたからな」

 

「じゃあ、そこに収容されていた人たちは一体何処に行ったんだろう?」

 

「俺も気にはなったが、今となっちゃあ確かめようがないだろう?」

 

「それもそうだな」

 

土門も揚羽も強制収容所に収容されていた人たちの行方が気になったが、建物は解体されていたし、今更囚人たちの行方を知ったところでどうしようもなかった。

 

 

まほろば 第一艦橋

 

「艦長、O・M・C・Sと食糧貯蔵庫の修理が終わったぞ。今は生活班員たちが採集してきた植物での成造作業を行っておる」

 

良馬の下にディアーチェから厨房施設の現状報告が入る。

 

「とりあえず、食糧問題は解決したってところかな?」

 

「うむ、そうだな。これで大食らいの通信長も一安心するだろう」

 

「ハハ、そうだね」

 

ギンガにとっては死活問題だった食糧問題はこれで解決した。

 

そして、ゲパルスから夕方に総督府で開かれる会食会の誘いを受けていたので、良馬は艦内放送のマイクを手にして、

 

「本日の夕刻、バース星総督府主催の会食会が行われる。艦内警備員を除き、任務に支障が無い者は参加を許可する」

 

良馬の放送を聞き、各部署ではドッと歓声が広がる。

 

「やったー!!」

 

「久しぶりに上陸できるぞ!!」

 

「会食会ってことは当然、酒も出るな!?」

 

「それじゃあ、久しぶりに一杯飲めるぞ!!」

 

「でも、この星に酒なんてあるのか?」

 

「あるに決まっているだろう!?ロシアじゃあ、ウォッカで暖をとっているんだ。ロシアよりも寒いこの星なら酒が無けりゃあ暮らせねぇよ」

 

「それもそうか!!」

 

やがて、会食会開始時刻少し前にヤマト、まほろばではそれぞれの艦の連絡艇数隻に乗員たちが分乗し、空からバース星の総督府へと向かう。

 

バース星の街並みはレンガや石造りの建物が多く、まるで帝政ロシア時代の街並みを思わせる。

 

そんな街で異彩を誇る宮殿のような建物‥‥

 

バース星の総督府はボラー形式の建造物だったので、周囲の街の建造物と比べると一際浮いて見えた。

 

ガルマン・ガミラスはバース星からボラー連邦そして宇宙艦隊を壊滅させた後、この総督府を接収したが、建物をガルマン・ガミラス風の建物に改築することなく使用していた。

 

それは建物を解体し、新たな総督府を建造する時間も資材も無駄にしたくなかった為とボラーの技術調査も含まれていたからだ。

 

連絡艇は総督府前のエアポートに着陸した。

 

連絡艇から降りたヤマト、まほろばの乗員たちは案内され、総督府大広間に入っていくと、メインテーブルには豪華な料理や飲み物が沢山用意されていた。

 

やがて、大広間に総督であるリベル・ドロッペがやって来る。

 

「地球の皆さん、ようこそバース星へ‥私はガルマン・ガミラス東部管区惑星バースの総督、リベル・ドロッペです」

 

総督と言う割には何か頼りない貴族と言う印象を受けるドロッペがヤマト、まほろばの乗員たちに歓迎の祝辞を述べる。

 

「ドロッペ総督、一つお訊ねしてもよろしいでしょうか?」

 

すると、古代がドロッペに質問をする。

 

「なんでしょう?」

 

「この星は昔、ボラー連邦の属国だったとお聞きしたのですが、この星の周辺でもボラー連邦との戦闘が今も続いているのでしょうか?」

 

古代は雪からバース星がボラー連邦の流刑地であったことを聞いたので、この星の周辺でもボラー連邦の勢力が存在するのかを訊ねたのだ。

 

「このバース星は約十年前までは独立国家でありましたが、絶えず周辺の星間国家から侵略の危機に見舞われ、独立を守る事が困難となりボラー連邦が保護国と言う名の植民惑星とし、この地に強制収容所を建設し流刑地として使用していました。その後、ボラー連邦はこのバジウド星系の周辺国家も勢力下に治めていきましたが、我がガルマン・ガミラス帝国がボラーの勢力を一掃し、解放した後に自治領としました」

 

ドロッペはバース星を含むバジウド星系の歴史を語る。

 

「ボラー連邦の本星の位置は判明しているのですか?」

 

「ボラー連邦の本星はバース星から離れる事、三万光年の彼方に位置し、我々ガルマン・ガミラスと銀河系を二分する一大星間国家です」

 

大広間にあるモニターには銀河系の画像と共にボラー連邦、ガルマン・ガミラスの勢力図が表示される。

 

ボラー連邦、ガルマン・ガミラス‥‥双方の巨大な勢力に一同は唖然として見上げる。

 

(ボラー連邦、ガルマン・ガミラス‥‥銀河系を二分する勢力‥‥)

 

(それはつまり、銀河系の中心部でこんなにも大規模な星間戦争が行われていると言う事か‥‥)

 

(こんな星間戦争が行われている中で第二の地球となる惑星が見つかるのか?)

 

勢力図を見ながら自分たち地球の小ささを嫌でも自覚させられる一方で、第二の地球となる惑星を見つけると言う使命が増々不安になる古代と良馬。

 

やがて、会食会が始まると賑やかな歓談となる。

 

佐渡はテーブルの上の酒を飲み干しては注ぎ、飲み干しては注ぎを繰り返す。

 

「先生、オ行儀ガ宜シクナイデスヨ。悪酔イスルト地球人ノ恥ニナリマス」

 

そんな佐渡をアナライザーが窘める。

 

「酒は酔う為に飲むんじゃ!!遠慮はいらん!!お前さんも飲め!!」

 

そう言って佐渡はアナライザーに酒をかける。

 

すると、

 

「イイ酒デスネ。先生」

 

「そうじゃろう、そうじゃろう。宇宙にはまだまだ我々の知らない美味い酒があるようじゃ!!」

 

「先生、モウ一杯下サイ」

 

「おういいぞ!!ドンドン飲め!!」

 

窘めた筈が更に酒を要求するアナライザー。

 

まさに木乃伊取りが木乃伊になる光景であった。

 

佐渡とアナライザーは酒をグビグビと飲んでいたが、

 

「赤道祭でも見たが、まほろばの通信長、相変わらず女性ながらたくさん食べるな‥‥」

 

「まぁ、ヤマトの航海長補佐さんも沢山食べているけどね」

 

「でも、まほろばの通信長程じゃあないでしょう」

 

ギンガと太田は異星の料理に舌鼓を打ち、テーブルの上には空の皿が何枚も積み重ねた。

 

こうして会食会は何事もなく賑やかに終わった。

 

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