星の海へ   作:ステルス兄貴

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アンケートの回答ご協力ありがとうございました。

回答の結果、なのは×ユーノの展開とさせていただきます。




二百四十五話 浮遊大陸会戦 裏側 & 進展

 

 

此処で時系列は少し過去に巻き戻る。

 

古代家に相原が訪問予定の日、雪は防衛軍の人事部から突如呼び出しを受けた。

 

雪も軍人である以上、こうした人事部からの呼び出しには応じなければならない。

 

雪が防衛軍庁舎内にある人事部へと向かうと、そこで雪に新たな異動命令が下った。

 

 

『                       辞 令

 

220×年 〇〇月〇〇日付けで、宇宙戦艦ヤマト 船務長の任を解き、宇宙戦艦ヱクセリヲンの艦長を命ずる。   』                                   

 

 

と、雪が受け取った辞令にはそう書かれていた。

 

「わ、私が艦長‥ですか?」

 

ギンガやティアナ同様、辞令書に書かれていた人事異動の内容に雪は驚愕する。

 

「うむ。新造艦の艦長職が貴女の次の部署だ」

 

「新造艦‥‥」

 

聞き慣れない艦名からまさかと思ったが案の定、新造艦であった。

 

「乗員についても直ぐに発表がある。頑張ってくれ」

 

「はっ!!」

 

「艦は現在、横須賀の南部重工のドックにある。一足先に見に行ってみると良い」

 

「はい」

 

雪はそのままメガロポリス東京から横須賀の南部重工のドックへと向かい、自身がこれから艦長を務める宇宙戦艦を見に行った。

 

「こちらです」

 

南部重工の従業員の案内の下、新造艦が停泊しているドックへと向かう。

 

「これが、新造戦艦‥ヱクセリヲン‥‥」

 

ドックに停泊している新造艦の姿を見て雪は思わず息を呑む。

 

「はい。従来のアンドロメダ級を改良・発展させた艦です。春藍もアンドロメダ級の発展・改良を基に建造された艦ですが、建造コストが少々高かったので、それを見直して作られたのがこのヱクセリヲン級です」

 

従業員からの説明を受けて、ヱクセリヲンはアンドロメダ級以上春藍以下の性能なのかと思われそうだ。

 

確かに波動砲も波動エンジンもヱクセリヲンは春藍と比べて一基ずつ少ないが、それでも主砲・副砲の数に置いては春藍よりもヱクセリヲンが勝っている。

 

つまり、ヱクセリヲンは波動砲一基分の火力を主砲・副砲で補う形で建造されている。

 

艦橋の造りもヤマト、アンドロメダを併せ持った様な形状で艦橋後部には煙突ミサイルも装備されている。

 

そして、艦首の両舷には半格納式のロケットアンカーも備わっている。

 

雪にとってのヱクセリヲンはヤマトとアンドロメダが融合した印象を持つ艦であった。

 

「二番艦の方も此処とは別の建造ドックで間もなく就役予定となっております」

 

「姉妹艦があるんですか?」

 

「はい」

 

ヱクセリヲン級は既に二番艦も同時に建造されており、そちらも間もなくの就役との事だ。

 

軍としては地球本土の守りと共に一日も早くバジウド星系のボラー連邦派の星間国家を黙らせたいという思惑が見え隠れしている印象を受ける雪。

 

(ヤマトは多分、アルファ星に向かうのでしょうけど、この艦はどうなのかしら?)

 

(春藍の様に地球本土の防衛にあたるの?)

 

雪としては出来れば、ヤマトと共に‥‥旦那の古代と共に一緒に戦いたいという思いがあった。

 

(でも、それ以前に艦長が唯一の不安材料と言われない様に頑張らないと!!)

 

何処に配備されるかはまだ分からないが、どこに配備されようとも雪には艦と乗員を導く責務が出来たので、古代と肩を並べて戦うにしてもしっかりと艦長たる職務を行わなければならなかった。

 

それから直ぐにヱクセリヲンの幹部士官人事が発表された。

 

艦長=古代雪

 

航海長=自見壮介

 

通信長=市川純

 

オペレーター=柏木紗香

 

機関長=若狭祥司

 

戦術長=立石志摩

 

技師長=桐生美影

 

飛行長=椎名晶

 

後は、乗員が集まり次第テスト航海へと向かう予定だ。

 

ヱクセリヲンがテスト航海に出る前、ヤマト通信長の相原と防衛軍長官、藤堂の孫娘の晶子との結婚が行われた際、雪は旦那の古代と共に夫婦で結婚式に出席した。

 

「相原のプロポーズが成功し、こうして晶子さんと結婚できたのは良かったのだが結構、式の準備期間が短くてゴタゴタした感じになってしまったな」

 

相原と晶子の結婚式会場の様子を見ながら古代が呟く。

 

出席者もヤマトの関係者と晶子の友人や職場の上司くらいで出席者は若干少ない印象を受ける。

 

「やっぱり、ヤマトは近々アルファ星に向かうの?」

 

そんな中、雪は古代に今後のヤマトの予定を訊ねる。

 

「そうなるな‥‥だからこそ、相原も晶子さんもこうして結婚式を急いで挙げた訳なんだが‥‥雪は次のヤマトの出航には‥‥」

 

「ええ、先日異動命令が出てヤマトを降りる事になったわ」

 

「そうか‥‥」

 

雪が人事部からの呼び出しを受けた時点で古代は何となく察していた。

 

とは言え、第一次イスカンダル航海の後、雪はヤマト勤務から中央病院の看護師勤務になっているので、決してヤマトから離れないと言う訳ではない。

 

古代自身も第二次イスカンダル航海後、第十パトロール艇勤務になりヤマトを一時降りた事もある。

 

相原と晶子の結婚後、ヤマトはアルファ星に向けて出航して行った。

 

ヤマトが地球を離れ、アルファ星に向かった頃、雪も自身が艦長を務めるヱクセリヲンのテスト航海及び乗員の熟練訓練のために地球を出航した。

 

ヱクセリヲン就役から少し遅れてから、良馬にも新たな辞令がおりた。

 

その内容はヱクセリヲン級二番艦、ヒューベリオンの艦長職と言う辞令が下った。

 

しかも艦が建造されているのは一番艦のヱクセリヲンと違い地球ではなく、月面のドックであった。

 

「建造場所が月って‥受領するのに月へ行かなければならないのか?」

 

建造場所が書かれている書類を見て思わず愚痴る良馬。

 

「これは、俺を含めヒューベリオンに配置される乗員も大変だな」

 

艦長となる自分も艦の受領のために月へ向かうのだから、ヒューベリオンに乗艦する自分以外のヒューベリオン乗組員も月へ向かう必要があった。

 

その為、ヒューベリオン勤務となる乗員たちにやや同情しつつ月へと向かった。

 

月面ドックでは、ヒューベリオンの他にもう一隻の新造艦があった。

 

しかし、その艦は地球の艦ではない。

 

ガルマン・ガミラスから空母の建造ノウハウを得る代わりにガルマン・ガミラス側にアンドロメダ級のライセンスを技術交換した地球。

 

そのガルマン・ガミラス版アンドロメダとも言えるランダルミーデ級の一番艦ランダルミーデがようやく就役したのだ。

 

バーガーが地球に来たのはこの艦を受領するために来たのだ。

 

(アンドロメダ級をガミラス版にした艦とあってアンドロメダ、ガミラス艦の両方を兼ね備えたフォルムをしているな)

 

ドックに停泊しているランダルミーデをジッと見つめる良馬。

 

一通りランダルミーデを見た良馬は次に自分が新たに艦長を務める艦を見る。

 

(ヱクセリヲン級か‥‥一番艦のヱクセリヲンは既に就役しているらしいからな。こちらも一日も早く俺を含めて乗員の熟練度を高めないとな)

 

既に就役し、太陽系内で乗員の熟練訓練を行っている姉妹艦のヱクセリヲンに負けない様に就役後はこちらも熟練訓練を行い、一日でも早く乗員に新造艦の取り扱いを覚えてもらおうと決意する。

 

「よっ、ツキムラ」

 

「フォムト、先日ぶり~」

 

ガルマン・ガミラスに引き渡す新造艦があるのだから、それを受け取りに来たバーガーが月に居るのは必然的だったので、良馬はバーガーと再会することになる。

 

「しかし、地球の技術はすげぇな」

 

バーガーはドックに並ぶヒューベリオンとランダルミーデのそれぞれの宇宙戦艦を見て感嘆の言葉を呟く。

 

バーガーたちガミラス人にとって、地球は自分たちよりも科学技術が遅れた辺境の星で、あと一年で絶滅と言う所まで追い込んだが、一隻の宇宙戦艦で形成は何もかも逆転された経緯があり、新たにガルマン星に移住し、ガルマン・ガミラス帝国を建国後はこうして肩を並べるまでになった。

 

イスカンダルからの技術提供があったとしても此処まで自分たちの力として使いこなし、更に発展させている力は十分、称賛に値する。

 

「ガルマン・ガミラスの中には未だに地球との同盟に対して不満を言うヤツが居るが、それはあくまでも地球と言う星を表面上のスペックしか見てねぇってことだ」

 

バーガーの話ではダゴンを始めとする地球との戦闘経験のないガルマン出身の者たちの中には未だに地球の技術力を疑う者も居るらしい。

 

そうした者たちには地球とガルマン・ガミラスが対等な同盟を結んでいる事についても不満があるみたいだ。

 

「でも、それは交流を深めて行けば、それが誤解だと分かってもらえるさ。実際にフォムトやジュラさん、デスラー総統は地球の事を友と思ってくれている訳だし」

 

「まあな‥‥だが、その前にこの戦艦を本国へ持って帰れば、地球に対して偏見を持っている奴等の目も覚めると思うぜ」

 

ランダルミーデはガルマン・ガミラス本国へ回航後はまず量産のための技術調査を行い、その後に量産体制にはいるのだろう。

 

「ツキムラの方は隣の戦艦を貰いに来たのか?」

 

「ああ、先日、異動命令が出てね。就役までもう少しかかるみたいだが、今の内に艦の性能や内部を把握しておく必要があるから」

 

「そうか‥‥まぁ、異動も軍人としての性だな」

 

「そうだね‥就役はフォムトの艦の方が先になりそうだね」

 

「ああ、後は乗員が揃って、艦に物資を積んだら出航だ。本国でも早くこの艦を見てみたいらしいからな」

 

ドックの作業員の様子からランダルミーデの方が先に出航する。

 

「そうなるとフォムトとはまた暫く会えなくなるな‥‥」

 

「なに、辛気くせぇこと言っている。生きていりゃあ、また会えるって」

 

「そうだな」

 

「ああ。ギンガや嬢ちゃんたちにもよろしく言っておいてくれ」

 

「ああ」

 

それから直ぐにランダルミーデは出航準備が整うとガルマン・ガミラス本星へと向かって行った。

 

良馬はドックにてランダルミーデの航海の安全を祈りつつ友を見送った。

 

その後、良馬が艦長を務めるヱクセリヲン級二番艦‥ヒューベリオンの出航準備と人事が発表された。

 

艦長=月村良馬

 

航海長=永倉新一

 

機関長=中嶋 麗羅

 

通信長=武部 沙織

 

技師長=綺羅大和

 

戦術長=フェリシア・テスタロッサ

 

医務長=リニス

 

飛行長=加藤四郎

 

オペレーター=星名百合亜

 

と通達を受けた。

 

まほろば時代の顔馴染みも居るがチラホラ今回が初顔合わせの乗員も居た。

 

しかし、全員が新人と言う訳ではないので、訓練に関してもそこまで時間はかからないかもしれない。

 

ヒューベリオンが月を出航した後、火星圏にて熟練訓練を行っているとそこには先に就役したヱクセリヲンも熟練訓練を行っていた。

 

なので、ヱクセリヲンとヒューベリオンは急遽合同で演習を行う事にした。

 

なお、その時にヱクセリヲンの艦長が雪であることを知った良馬は驚いた。

 

そして始まった合同訓練では、木星圏までのワープの直後に対艦戦闘が行われ、

 

「ワープアウト直後に戦闘訓練かよ‥‥」

 

と、不満を零す乗員も居たが、宇宙では何が起こるのか予測がつかない。

 

実際にワープアウト直後、周囲に敵が存在したら直ぐに対処しなければ撃沈される。

 

「航空隊、スクランブル発進!!」

 

ヱクセリヲン、ヒューベリオン共に直ぐに航空隊を展開させて、対空戦闘、対艦戦闘へと移る。

 

特に艦載機は、まだ試作機とは言え、次世代の艦載機を搭載しているので、航空隊員たちもこれまでと違う艦載機の熟練訓練を行う事となった。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「右舷後部被弾!!」

 

「負傷者多数!!」

 

「応急班、メディックは現場に急行せよ!!」

 

「主砲斉射!!撃て!!」

 

訓練とは言え、実戦形式で行われ雪も良馬も互いに相手を撃沈するくらいの本気度で行った。

 

更には接舷して艦内における白兵戦まで行った。

 

「敵兵侵入!!」

 

「隔壁閉鎖!!」

 

「戦闘班及び手空きの者は第一級戦闘装備で迎撃にあたれ!!」

 

攻められる側は隔壁を閉じ、乗員に完全武装を命じて迎撃態勢をとり、

 

「機関部、艦橋を制圧する!!急げ!!」

 

攻める方は艦の足と頭脳の占拠にかかる。

 

その白兵戦訓練では、良馬が先陣を切ってヱクセリヲンの艦内を突っ切る。

 

「ちょっ、何だよ!?あの動き!?」

 

「あの人、人間か!?」

 

夜の一族の動きに迎撃にあたったヱクセリヲンの乗員たちは翻弄されていく。

 

艦橋内の戦闘では雪も奮戦するが、良馬の身体能力にはついていけず、白兵戦訓練ではヒューベリオンチームが勝利した。

 

こうして太陽系内でヱクセリヲンとヒューベリオンは共に乗員の熟練訓練を行っている最中に地球防衛軍司令部から連絡があった。

 

 

ヒューベリオン 艦橋

 

「艦長、地球司令部より通信です」

 

「モニターに投影してくれ」

 

「了解」

 

武部が通信回路を開くと艦橋のメインモニターには藤堂の姿が映し出される。

 

『長官』

 

藤堂に敬礼する良馬。

 

『月村艦長、どうかね?訓練状況は?』

 

藤堂は良馬にそれぞれの熟練訓練の近況を訊ねる。

 

「新造艦と言う事で当初は戸惑う場面もありましたが、今は順調にこなしております。ただ、航空隊に関してはやはり、新型機と言う事でまだ熟練には時間が必要です」

 

『うむ‥雪は今回が初めての艦長であるが、どうかね?』

 

次に藤堂は雪に艦長として初めての航海と訓練について訊ねる。

 

『艦の性能は申し分なく、乗員も優秀です。ですが、艦長としてはまだまだ私は新人なので、緊張の日々です』

 

今回、ヱクセリヲンとヒューベリオンの乗員は第二イスカンダル航海、第二の地球探査時のヤマトと異なり、宇宙戦士訓練学校、士官学校卒の新人ではなく、ある程度の宇宙艦隊勤務の乗員が中心となっている。

 

新人なのは今回の航海から初めて艦の指揮を執る雪なのかもしれない。

 

『そうか‥そんな訓練中の諸君らに伝えておきたい事がある』

 

「なんでしょう?」

 

『実は、ガルマン・ガミラス艦隊とアルファ星に展開している防衛艦隊で連合艦隊を組織し、バジウド星系にある浮遊大陸群宙域にて、大規模な合同作戦を実施する事になった』

 

『ガルマン・ガミラスと?』

 

藤堂の話を聞き、雪は怪訝そうに聞き返す。

 

「それは第二次バジウド星系への遠征と言う事ですか?」

 

『そうだ。これまで地球、そしてガルマン・ガミラス派の星間国家がボラー連邦派との小競り合いを繰り返している内に彼らの戦力は着実に低下していた。追い詰められた彼らも一丸となり、地球、ガルマン・ガミラスへ決戦を仕掛けようとしているとの情報を得て、アルファ星に展開中の防衛艦隊は決戦の地である浮遊大陸群宙域へと向かった』

 

「それで、既に戦闘は開始されているのですか?」

 

『つい先ほど、開始された』

 

藤堂が言うにはガルマン・ガミラス、地球連合艦隊とバジウド星系のボラー連邦派艦隊との戦闘は既に開戦している旨を伝える。

 

『戦況はどうなっていますか?』

 

雪としてはアルファ星に展開中の艦隊が動員されたと言う事で、当然旦那である古代が艦長を務めているヤマトもその戦いに参戦しているのだと判断し、戦況を藤堂に訊ねる。

 

やはり、妻として旦那の古代の事が心配なのだろう。

 

良馬も雪と同じく、妻であるギンガが艦長を務めているまほろばも参戦していると思い、彼女の身を案じる。

 

『ガルマン・ガミラス艦隊が前衛を務め、彼らが主導で戦いを進めているが、いかんせん相手の方が戦力は上だ。それにボラー連邦派は追い詰められている。どんな強硬な手段をとるか分からない。戦況は決して油断できぬ状況だ』

 

ガルマン・ガミラス艦隊の勢いがあっても戦いはそれだけでは勝てない。

 

勿論、相手よりも戦力が有るからと言ってそれが絶対に有利とも言えない。

 

ヤマトは第一次イスカンダル航海にて、単艦でガミラスの妨害を何度も退けてイスカンダルへの航海を成功させている実績があり、地球連合艦隊も彗星帝国の太陽系侵攻艦隊を撃破し、その他にも第二の地球探知任務の時もヤマトとまほろばは、ガルマン・ガミラス北部方面軍の協力があったとは言え、ボラー連邦の第八打撃艦隊、ボラー連邦本国の第一、第二主力艦隊と戦って勝利を収めている。

 

しかし、裏を返せば、第一次イスカンダル航海時のヤマト、彗星帝国戦役時の地球連合艦隊は相手よりも戦力が少ないからこそ、知恵と死に物狂いな勢いで勝利して来た。

 

今、浮遊大陸群宙域に展開しているボラー連邦派の艦隊もガミラス戦役時、彗星帝国戦役時の地球と同じ状況下なのだ。

 

当然、彼らも死に物狂いで迎撃にあたって来るだろう。

 

となると、ヤマト、まほろばが居ても厳しい戦いになる可能性は高い。

 

「長官」

 

『ん?なにかな?』

 

「間に合うか分かりませんが、本艦もバジウド星系への戦闘に参戦したく、ご許可を貰えないでしょうか?」

 

『ヒューベリオンをか?』

 

「はい」

 

『長官、我々ヱクセリヲンもヒューベリオンと共にバジウド星系の戦場へ向かいます』

 

良馬がヒューベリオンを援軍としてバジウド星系浮遊大陸群宙域の戦闘への参戦を申し込むと、雪もヱクセリヲンを向かわせたい旨を藤堂に伝える。

 

『‥‥よかろう。ヱクセリヲンとヒューベリオンは直ちにバジウド星系へと向かい、ガルマン・ガミラス、地球連合艦隊と合流せよ』

 

「『はっ!!』」

 

藤堂は暫し考え込むが、ヱクセリヲンとヒューベリオンの参戦を許可した。

 

「諸君、聞いての通りだ。我々はこれよりバジウド星系浮遊大陸群宙域へと向かう。連続ワープ準備!!」

 

『了解!!』

 

ヱクセリヲンとヒューベリオンは直ちに連続ワープを行い、戦場となっているバジウド星系浮遊大陸群宙域へと向かった。

 

連続ワープを重ね、ヱクセリヲンとヒューベリオンは戦場となっているバジウド星系内の浮遊大陸群宙域に到着すると、浮遊大陸群へと後退するボラー連邦派艦隊の姿が艦橋のモニターに映し出されていた。

 

 

ヒューベリオン 艦橋

 

「敵艦隊が後退し、ガルマン・ガミラス艦隊追撃を開始」

 

ヱクセリヲンとヒューベリオンが戦場に到着すると、ガルマン・ガミラス艦隊がボラー連邦派艦隊の追撃に移っていた。

 

「戦況はこちらが有利‥って事かな?」

 

モニターに映る光景を見てフェリシアが呟く。

 

「確かにこの光景を見れば、ガルマン・ガミラス艦隊が敵を押しているようにも見えるが‥‥」

 

これまでの戦闘で互いに被害を与えていた筈だが、それでも艦船の数はボラー連邦派の方が多い。

 

その上で後退するのは妙な行動だった。

 

ボラー連邦派の動きに違和感を覚える良馬。

 

そして、その違和感は直ぐに現実となる。

 

浮遊大陸の傍にある岩塊が割れると、そこからこれまで確認されてこなかった巨大戦艦が出現した。

 

出現した巨大戦艦はビームの雨で追撃して来たガルマン・ガミラス艦隊を壊滅に追い込んだ。

 

「追撃していたガルマン・ガミラス艦隊壊滅」

 

「残存艦隊は後退」

 

「敵艦隊、反転して追撃してきます」

 

「ついさっきとは真逆の光景になったな‥‥」

 

主力となるガルマン・ガミラス艦隊が壊滅し、戦力はガルマン・ガミラス、地球連合艦隊の方がガクッと下がった。

 

「‥‥通信長、地球へ緊急伝」

 

「えっ?地球に‥ですか?」

 

「ああ、司令部でもこの光景は見ている筈だ。司令部から連合艦隊へ第三防衛ラインまで後退するように伝えてくれ」

 

「りょ、了解」

 

武部は急いで地球の司令部へ通信を入れる。

 

「古代艦長」

 

次いで良馬は雪に通信を入れる。

 

「戦況はボラー連邦派のあの巨大戦艦の出現で、味方が不利だ」

 

『はい。こちらでも確認しました』

 

「そこで、ヱクセリヲンとヒューベリオンの拡散波動砲で一気に敵を蹴散らす」

 

『拡散波動砲で?』

 

「ああ。司令部経由で連合艦隊には後退してもらい、射線上の安全は確保してもらう」

 

『わざわざ司令部経由で?こちらからヤマトに通信を送った方が早いのでは?』

 

「ヤマト、まほろばならば、信じるだろうが、ヱクセリヲンもヒューベリオンもまだ就役したてで、連合艦隊にその存在は知られていない。映像通信を送ってもこの状況下では罠ではないかと思われますます混乱させるだけだ。それならば、多少時間がかかるがしっかりとした命令系統からの命令の方が混乱は少なくて済む」

 

『それはそうかもしれませんが、その司令部からの通信も罠と思われないでしょうか?』

 

「司令部からの命令は『第三防衛ラインまで後退』‥前進ではなく後ろに下がる命令だから、現状罠だと思いはしないだろう」

 

司令部からの命令が『後退を許さず、前進せよ』ならば、罠の可能性を疑うが、後退命令ならば、信じるだろう。

 

司令部からの命令が行き届いたのか、ガルマン・ガミラス艦隊の後退を支援していた防衛艦隊も後退を始めた。

 

「地球艦隊も後退を始めました」

 

「よし、ヱクセリヲンの拡散波動砲後、残敵掃討として本艦も拡散波動砲を撃つ。エネルギー充填、拡散波動砲発射準備」

 

「了解、拡散波動砲発射準備」

 

ヱクセリヲンとヒューベリオンは拡散波動砲の準備を行い、友軍艦艇が第三防衛ラインまで後退するとまずヱクセリヲンが敵艦隊に向けて拡散波動砲を放つ。

 

しかし、敵の数が多かったのか、この一撃で全ての敵艦を葬ることは出来ず、次いでヒューベリオンの拡散波動砲にて、例の巨大戦艦を含めて敵艦隊を壊滅することが出来た。

 

そして、友軍艦艇である旨を伝えるために雪と良馬は、映像通信を送った。

 

『こちら、地球防衛軍所属、戦艦ヱクセリヲン。艦長の古代雪です』

 

「雪っ!?」

 

「雪さん!?」

 

ヤマトを始めとする防衛艦隊のメインモニターにはギンガ同様、女性用の艦長服に身を包んだ雪の姿が映し出された。

 

その姿を見て古代たちヤマトの乗員は驚愕する。

 

「同じく、地球防衛軍所属、戦艦ヒューベリオン。艦長の月村良馬です」

 

「良馬さん!?」

 

次いで良馬が所属、役職、氏名を名乗ると、まほろばの艦橋に居たギンガが驚愕する。

 

「ま、まさか、良馬さんがその艦の艦長だなんて‥‥」

 

『これより、ヱクセリヲン及びヒューベリオンも残敵掃討戦に参戦します』

 

雪がヱクセリヲンとヒューベリオンが参戦する旨を伝え、連合艦隊の戦列へと加わる。

 

巨大戦艦ズーラヴァの出現とビームの雨による攻撃で戦力と士気が大きく低下した連合艦隊であったが、ヱクセリヲンとヒューベリオンの拡散波動砲によって形勢は連合艦隊へと傾いた。

 

連合艦隊はボラー連邦派艦隊の残敵を掃討し、これによって長きにわたり小競り合いを続けて来たバジウド星系のボラー連邦派の勢力は消滅した。

 

 

ガルマン・ガミラス 東部方面軍 機動要塞

 

「そうか、ダゴンは戦死したか‥‥」

 

浮遊大陸群宙域での戦闘報告はダゴンの上官であるガイデル提督の下に齎された。

 

「はい。報告では、敵の新造戦艦の攻撃で‥‥」

 

「して、その敵艦はどうなった?」

 

「地球の新造艦によって沈められたようです」

 

「なに!?地球も新造艦を投入して来たのか!?」

 

「はい」

 

「‥‥」

 

(これまで、地球は我が帝国よりも遅れた星だと思っていたが、まさか新造艦を投入して、敵の新造艦を沈めるとは‥‥)

 

ダゴン同様、ガイデルも元はガルマン星出身者なので、地球に対して自分たちの星よりも科学技術が遅れた辺境の田舎惑星と思っていたが、今回の浮遊大陸群宙域での戦いでその偏見を見直す事となった。

 

その決定打はバーガーが地球圏から回航して来たランダルミーデ級を見てからだった。

 

 

地球及びバジウド星系のガルマン・ガミラス派の星間国家、そしてガルマン・ガミラスがようやくバジウド星系を平定出来た頃、異世界ミッドチルダでは‥‥

 

 

「はい、ユーノ君」

 

「ありがとう。なのは」

 

なのはがユーノにコーヒーカップを手渡す。

 

ミッドチルダの首都クラナガンにあるマンションの一室‥‥

 

そこには管理局が誇るエース・オブ・エースの高町なのは、彼女の養女である高町ヴィヴィオ、そして元無限書庫司書長のユーノ・スクライアの三人の姿があり、朝食を摂っていた。

 

ローレライの魔女により、“海”の総本山であり、次元航行艦隊の根拠地である本局が壊滅した事件では、ユーノも職場であった無限書庫も同じく本局内に設置されていた施設であり、事件当日は偶然にも非番で本局を留守にしていた事で惨事を免れたが、職場と大勢の同僚を失い大きな喪失感がユーノに襲いかかり、彼は経度ながらも鬱病を発症した。

 

そんなユーノの安否を一番気にしていたのは、他ならぬなのはだった。

 

ユーノは、なのはにとって魔法との出会いをくれた人物であり、これまでは友人だと思っていたのだが、本局が崩壊して一時、ユーノの死亡情報を出た時、深い悲しみがなのはを襲った。

 

本当に大切なものは失ってはじめて気付く‥‥なんて、よく言うがユーノの一件はまさにその言葉が当てはまり、ユーノが事件当日に本局を留守にしていた事で生きていた事を知るとなのはは物凄く安堵した。

 

それと同時にユーノを異性として意識し始めた。

 

本局内後、直ぐになのははユーノに一緒に住むことを提案した。

 

本局内に職場が会った事で、ユーノの居住地は本局内にあったのだが、その本局が崩壊してしまったので、ユーノは居住地を無くしていた。

 

しかし、当時なのはとヴィヴィオが住んで居たのは、なのはの職場である教導隊の教官寮であり、教官本人と家族等の身内以外の居住は不可能だったので、なのはは、これを機に教官寮を出てセキュリティがしっかりとしたマンションに引っ越した。

 

民間のマンションならば、家族や身内以外の人物と同棲しても家賃などの支払いや近隣住民の迷惑にならなければ問題ない。

 

同僚も住む場所も仕事もなくしたユーノにとって、なのはの提案はまさに渡りに船であったが、当時のユーノはそれさえも考えられることができないくらいの喪失感を抱いていた。

 

なのはの献身的なフォローのおかげで最近は、ようやくまともに口が利けるようになった。

 

そして、いつまでも落ち込み、なのはの世話になっている訳にはいかず、再就職先を探そうと就職活動に動こうとした時、ランティスから助手にならないかと誘いを受けた。

 

ランティス本人としてもユーノとは同郷の馴染みで、これまで何度も遺跡発掘を共にしているので、気兼ねなく仕事が出来る。

 

ユーノとしても再就職先を見つけなければならなかったので、彼はランティスからの誘いを受けて、ランティスが教授を務めている大学で働くことになった。

 

朝食の後、なのはは教導隊へ、ヴィヴィオは学校へ、そしてユーノは新たな職場である大学へと向かった。

 

 

ミッドチルダ クラナガン 教導隊隊舎

 

「それで最近、ユーノの奴はどうしている?」

 

教導隊の隊舎でヴィータがなのはにユーノの近況を訊ねて来た。

 

「最近は大分明るくなってきたよ。それに新しい職場も決まったみたい」

 

「そっか‥ユーノの奴、働き口が見つかって、ようやく持ち直してくれたか‥‥」

 

はやてやヴィータもユーノの事は聞いており、彼の生存には一先ず、ホッと胸をなでおろしたが、次いでなのはから聞いた彼の喪失状態を聞いて心配していた。

 

もしかしたら、死んだ同僚の後を追って自殺してもおかしくはない精神状態だったからだ。

 

死んだ同僚たちの事を忘れろなんて言わない。

 

しかし、いくら悔やんだところで死者は蘇らない。

 

魔法の世界でも死者を蘇らせる魔法は存在せず、またそう言った命に関する魔法の研究も禁止されている。

 

「うん。ヴィヴィオもユーノ君の事は受け入れてくれたし‥‥」

 

「そう言えば、ユーノとヴィヴィオの声って妙に似ているよな‥‥」

 

「そう?」

 

「ああ‥しかし、お前の話を聞く限り、ユーノの奴は持ち直してきたみたいだが、なのは‥お前さんも最近は随分と明るくなってきたじゃねぇか」

 

「えっ?そう?」

 

「気づいていないのか?」

 

「う、うん‥‥」

 

「まぁ、何にしろ良い兆候だと思うぜ‥フェイトとティアナが遭難してからボラーの件やヴィヴィオの件、本局の件と色々とあったからな」

 

ヴィータは最近になってようやくなのはらしくなってきたと思って来たが、本人は自覚していない様だ。

 

それでも、ヴィータにしてみれば友人が元に戻りつつあるので、良い兆候だと思っていた。

 

それから、休日になると、なのは、ヴィヴィオ、ユーノの三人がショッピングモールや公園で目撃されるようになり、その姿はまさに親子の様に見えた。

 

同僚を失い傷心のユーノ、そんな彼の身を案じたなのはの今後の進展について

  • 付き合っちゃえ
  • お友達のままで
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