星の海へ   作:ステルス兄貴

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二百四十七話 護衛任務 後日談

 

 

ローレライの魔女が襲来し、本局が崩壊して、管理局‥“海”の戦力がボラー連邦への武力制裁失敗以来の戦力ダウンが起こる事態となり、世間‥特に裏世界において“海”の戦力がボロボロである情報はいち早く出回った。

 

この機を逃さず、海賊、反管理局思想のテロリストたちは民間の次元航行船、管理局が保有する輸送艦を襲撃し始めた。

 

彼らの目的は積荷であるが、それと同時に管理局の力を徐々に削いでいこうと言う思惑もあった。

 

これも海賊やテロリストにMS機関の技術が管理局から外部に流出し、尚且つ本局が崩壊した事が大きな原因となっていた。

 

そんな中、クロノが艦長を務めるガイアも例外なく輸送船舶の護衛任務が舞い込んだ。

 

もっとも護衛任務を主に担当しているのは“海”の中でも探索部隊所属の次元航行艦であり、艦隊部署所属の次元航行艦は、何か理由が無い限り護衛任務には参加せずに探索部隊に任せっきりな状態だった。

 

ガイアが輸送船舶の護衛任務を行っている中、ガイアは突如、海賊の襲撃を受けた。

 

襲撃してきた海賊はクロノやフェイトから見ても素人の海賊で襲撃のプロセスも教科書通りの捻りの無い襲撃行為であった。

 

こんな素人海賊の襲撃で出遅れるガイアではなく、彼らは難なく海賊船を撃破した。

 

ただし、クロノは襲撃して来た海賊から情報を得るために海賊船を撃沈せずに攻撃手段と移動手段を奪うだけに留め、襲撃して来た海賊を逮捕する事に成功した。

 

そんな中、別の宙域では複数の管理局の次元航行艦が護衛を務める管理局所有の輸送艦がシーマの手によって襲撃された。

 

 

リリー・マルレーン 艦橋

 

管理局の護衛をいとも簡単に片付け、輸送艦に接舷したシーマの乗艦、リリー・マルレーン。

 

輸送艦の乗員たちもこのままむざむざと積荷を奪われるのをただ黙って見ているだけではなく、乗り込んで来たシーマの手下たちと白兵戦を繰り広げるが、相手は命知らずの荒くれ者の海賊たち‥輸送艦の乗員が叶う相手ではなかった。

 

「キャプテン、輸送艦の制圧、完了しやした」

 

リリー・マルレーンの艦橋では、シーマの手下がシーマに輸送艦の制圧が完了した旨を報告する。

 

「よし、積荷を調べ、金目のモノは全部搔っ攫いな」

 

「へい」

 

襲撃の目的である輸送艦の積み荷を奪うために船倉へと手下たちを向かわせる。

 

『キャプテン、船倉に辿り着いたんですが‥‥』

 

やがて、シーマの下に船倉へ向かった手下から連絡がきた。

 

しかし、その手下は何だか困惑している様子だ。

 

「どうした?船倉がすっからかんだったのかい?」

 

シーマは微笑しながら手下に訊ねる。

 

『い、いえ、それが‥‥』

 

手下は船倉内の映像を映す。

 

「‥‥」

 

船倉にある積荷を見た途端、シーマの表情が険しくなる。

 

「‥‥お前たち、そこから急いで撤収しな」

 

『へ、へい!!全員撤収!!急げ!!』

 

シーマは冷たい声で輸送艦に行った手下たちを急ぎ撤収させた。

 

「野郎どもが戻り次第、あの艦は沈めろ‥‥」

 

そして、シーマは輸送艦の撃沈命令を下した。

 

「へ、へい‥しかし、良いんですかい?輸送艦を沈めちまって‥‥あれを売ったらかなりの金になりそうが‥‥?それに輸送艦自体もそこらの海賊やテロリストも言い値で買い取りますぜ‥‥?」

 

手下は輸送艦自体や積荷を奪わずに、積荷諸共輸送艦を沈める事に勿体なさを覚える。

 

「あたしらはそこらの有象無象のごろつきとは違う‥‥あくまでも狙うのは管理局の奴等のみだ。お前の言う通り、アレを売れば確かにかなりの金が入るが、管理局とは無関係の人間が苦しむ事になる。それはあたしらの流儀に反するんじゃないかい?」

 

「へ、へい。申し訳ございません。シーマ様」

 

シーマから本来の自分たちの目的を改めて言われ、手下は頭を深々と下げる。

 

やがて、手下たちが輸送艦から戻ると、リリー・マルレーンは輸送艦からある程度の距離をとる。

 

「吹っ飛ばしな」

 

「主砲斉射!!」

 

そして、主砲の照準を輸送艦に合わせると容赦なく撃沈した。

 

輸送艦内における出来事は流石に記録出来なかったが、リリー・マルレーンが護衛にあたっていた管理局の艦と輸送艦を撃沈した記録はブラックボックスの記録から読み取れた。

 

クロノはその映像を取り寄せて何度も見返した。

 

そこで、ある事に気づいた。

 

(ん?リリー・マルレーンの艦影が強奪された当初と若干違っている‥‥)

 

自分が知る奪われた直後のリリー・マルレーンと船団を襲撃して来た際のリリー・マルレーンの姿はほんの僅かではあるが、姿が変わっていた。

 

管理局が質量兵器の使用・保持を禁止しているので、管理局が保有している艦、民間の武装艦は、ミサイル、魚雷、砲弾を使用する武器は装備されておらず、艦装備の兵器以外でも“陸”が非魔導師の局員の為の主力武器としてレーザー銃を採用してから、“海”でも非魔導師の局員の主力武器としてレーザー銃は支給されている。

 

ただし、“空”に関しては、“空”に所属する場合、空戦属性は絶対に必要な能力なので、“空”には魔導師しか居ない為、レーザー銃は支給されていない。

 

こうして、質量兵器に関しては徹底的に禁止している管理局であるが、海賊やテロリストに関しては、犯罪集団の為、管理局が定めた法律を律儀に守っている訳もなく、彼らは平気で質量兵器を使用して犯罪を行っている。

 

なので、シーマがリリー・マルレーンに質量兵器を搭載出来るように改造していてもおかしくはなかった。

 

(今後、シーマを相手にするとなると、管理局の次元航行艦の装備に関する法改正も視野に入れる必要があるのではないだろうか?)

 

襲撃して来る相手は平気で質量兵器を使用して来るのに対して、管理局は光学兵器のみ‥‥

 

これでは管理局側が不利ではないかとクロノは今回のシーマによる襲撃でソレを予見した。

 

(もっとも、それを指摘した所ですんなりと受け入れるかが問題だな‥‥)

 

管理局は設立から今日まで質量兵器の使用を許可せず、廃絶を訴えてきた。

 

当然質量兵器廃絶を訴えている管理局が質量兵器を使っては示しがつかないので、基本管理局の主力武器は魔法であったが、管理局員全員が魔導師と言う訳ではない。

 

非魔導師の局員に関しては戦闘がありそうな勤務先にはつけず、もっぱら裏方であった。

 

(しかし、“陸”はその根底を覆した。ならば、“海”もこれまでの根底を覆す決断が必要なのかもしれない)

 

近年、“陸”は非魔導師でも武装できるようにレーザー銃の採用を“空”と“海”に了承させた。

 

古い縛りにいつまでも囚われていては進化していく敵に敵わない。

 

“海”も新たな改革がせまられているのかもしれない。

 

クロノはそう思い、却下される可能性が高いと思いつつ次元航行艦の質量兵器搭載に関する考察を書き記した報告書を作成し始めた。

 

 

クロノがシーマについて調べている中、フェイトはチンクとのやり取りの後、はやてとコンタクトをとっていた。

 

『そっか、そんな事が‥‥』

 

「うん」

 

『クロノ君にしてみれば、やっぱりつらい選択やったな‥‥以前も似たような経験をしとるからな、クロノ君は‥‥』

 

「えっ?どういう事?」

 

『フェイトちゃんはその頃、ミッドには居らず、もう一つの地球に居ったから知らへんけど、ボラー連邦への武力制裁の少し前にSt.ヒルデ魔法学院高等部の生徒たちを乗せた次元航行船がボラーに襲われてな』

 

「あっ、その事件ならリンディ義母さんから聞いて知っているよ。確かその事件が切っ掛けでボラーに対して武力制裁をすることになったって‥‥」

 

『そうや‥そして、そのボラーに襲われた次元航行船の救助に向かったのが、クラウディアやったんや』

 

「クラウディア‥クロノが?」

 

『クロノ君だけやない。スバルやチンク、ノーヴェたちも救助隊員として救助に向かったんや‥‥』

 

「そ、そんな事が‥‥」

 

フェイトはリンディから管理局がボラー連邦に対して武力制裁を行いソレが失敗して大敗北をした結果、“海”は多数の次元航行艦、人員を失った事を知ったが、まさかその武力制裁を決定づけた次元航行船の遭難の救助に向かったのが、クロノたちだったと言う事実をこの時初めて知った。

 

『それだけやないで、フェイトちゃん』

 

「えっ?」

 

『ボラーにやられた次元航行艦がコロニーに衝突した事件も遭ってな。そのコロニーの救助にもクロノたちは向かったんや‥‥』

 

「そ、そんな事が‥‥」

 

『うん。当時はまだMS機関が開発されておらんかったから、従来の魔導炉機関やと現場に到着するまでかなりの時間がかかってな‥被害者のほとんどを救助出来なかったんや‥‥』

 

「‥‥」

 

『クロノ君もスバルたちも悔しい思いをした筈やで‥‥』

 

「はやては、そんな経験はある?」

 

『今の所、クロノ君が経験したような事はないけど、次元航行艦に乗っているからには、いつかは経験するやろうな‥‥』

 

「はやてはその時が来たら、艦長として決断できる?」

 

時間的にも物理的にも間に合わない救助に向かうか?

 

それとも涙を呑んで自分、艦、乗員たちの安全を優先して見捨てるか?

 

『‥‥』

 

フェイトの問いにはやては黙り込む。

 

『そうやな‥さっき、いつかは経験するかもって言ったけど、改めて言われると確かに即答は出来へんな‥‥』

 

艦隊部署とは言え、絶対に護衛任務を務めないとは言い切れない。

 

また、その任務の最中に今回、クロノが経験したような事態が起こらないとは言い切れないし、護衛任務の最中にシーマが襲撃してこないとも言い切れない。

 

管理局の仕事は自分たちが入ったばかりの頃や機動六課稼働時期と異なり、夢や希望だけでなく、厳しい現実を突きつけるようになっていた。

 

「あと、今回の事件で少し気になる事があって‥‥」

 

『ん?気になる事?なんや?』

 

「実は、今回襲撃された民間の次元航行船なんだけど‥‥」

 

フェイトはこれまで襲撃された民間の次元航行船の中でホーリーラインズ社所有の次元航行船が一番多く襲撃されている件について違和感を覚えていた。

 

「ただ単にその会社が保有している次元航行船が多いって言えば確率的に被害が多いのは納得できるかもしれないけど、何か引っかかるんだよね」

 

フェイトはここ最近の海賊による民間の次元航行船の被害報告の一覧とホーリーラインズ社の概要をはやてに見せる。

 

『そうやな、確かにフェイトちゃんの言う通り、此処の会社が保有する次元航行船の被害がめっちゃ多いな‥‥でも、この会社がミッドの中でも沢山次元航行船を保有しているから、襲われる中で一番多いのも不思議じゃないけど‥‥』

 

はやてもフェイトからの指摘と掲示された資料を見て、この会社に対して違和感を覚える。

 

「ねぇ、はやて。念のため、この会社の事を調べてもらえるかな?」

 

違和感を拭えないフェイトはこの会社の調査をはやてに頼んだ。

 

はやては、次元航行艦ジャガーノートの艦長の資格の他に海上警備部捜査官の資格も有しているので、その捜査官の資格を使って、ホーリーラインズ社へ内偵をしてもらう事にした。

 

会社側に怪しまれても管理局が調査しているし、内容も海賊の襲撃による被害調査と言えば、会社側も協力せざるを得ないだろう。

 

それから直ぐに、内偵の結果が出た。

 

それはフェイトもはやても驚愕する結果であった。

 

ホーリーラインズ社はこれまで保有している次元航行船が他の民間会社の中で一番の被害を出してきた。

 

一見すると、ホーリーラインズ社は一番の海賊被害を受けているのだから、損失もかなり出たかと思いきや、ホーリーラインズ社は全くの損害は出ていない。

 

むしろ、プラスになっていた。

 

はやてはその結果をフェイトに伝える。

 

「どういう事なの?はやて。海賊の被害に遭っているのに、損害どころかプラスになっているなんて‥‥」

 

『私もこの結果を見た時はびっくりしたわ‥‥でも、この絡繰りはめっちゃ単純かつ胸糞悪い事実やったで、フェイトちゃん』

 

「ん?胸糞悪い?はやて、それってどういう事?」

 

『実は、ホーリーラインズ社は自社が保有する次元航行船、乗務員、そして積載している貨物‥そのすべてに莫大な保険金をかけていたんや』

 

「莫大な保険金‥‥」

 

『せや。乗員一人の保険金で家一軒は簡単に買えるくらいの保険金や』

 

「で、でも、次元の海では、何が起こるか分からないし、民間の運航会社ならそれくらいの保険は‥‥」

 

次元の海‥宇宙では何が起きるか分からない。

 

海賊の襲撃は勿論の事、宇宙気象、ブラックホール、フェイトやティアナが遭遇したように未知なる世界からの侵略者からの攻撃‥‥

 

次元航行船の運航会社ならば、そうした遭難に備えて保険をかけるのは当然の処置であるが、

 

『保険や次元航行船の保有数でホーリーラインズ社は犯罪を隠していたんや‥‥』

 

「えっ?保険と次元航行船で犯罪を隠す?」

 

『そうや‥‥その会社の運航保安部長が、海賊と結託していたんや‥‥』

 

「海賊と結託!?それって‥‥」

 

『海賊に積荷や航路情報を流していたんや‥‥そして、海賊には積荷と次元航行船を半ばくれてやり、会社側は莫大な保険金を得る‥‥人の命を平気で犠牲にした保険金詐欺や』

 

「あの会社、そんな事を‥‥」

 

『しかも犠牲になった次元航行船の乗員はそのほとんどが契約社員‥‥安い賃金で、働かされて、捨て駒の様に海賊の餌食にされる。しかも海賊に殺された後、その保険金は会社の私腹を得るために利用されて遺族には一切入ってへん。多分、乗員たちは自分たちに莫大な保険をかけられたことさえ、知らなかったんとちゃうかな?』

 

「自分たちの私腹を肥やすために‥‥人の命を‥‥な、なんて奴らなの!?」

 

『フェイトちゃんの怒りはもっともや‥‥私もこの事実を知った時、はらわたが煮えくり返る思いやったで‥‥』

 

「それで、そいつらはどうなったの?」

 

『この事件に関わった運航保安部長を始め会社の関係者は全員逮捕した』

 

「そう‥せめてそれが、犠牲になった人たちの弔いになればいいんだけど‥‥」

 

『せやな。この会社、管理局とも取引があった会社やから、この保険金詐欺に管理局が関わっているかもしれへんから、この後の捜査も慎重にすすめていく予定や』

 

「う、うん。ごめんね、はやて。ちょっとした違和感で調べてもらったら大変な事になっちゃって‥‥」

 

『それは違うで、フェイトちゃん。フェイトちゃんが、違和感を覚えて私に調査を依頼してくれたおかげで、この会社の悪事を暴け、これ以上の犠牲者が出ない様に出来たんや。フェイトちゃんの違和感は大勢の人を救ったんや』

 

はやてはフェイトを励まし引き続きホーリーラインズ社を捜査した。

 

その結果、今回のホーリーラインズ社における保険金詐欺事件に管理局は関わっていない事が判明して、フェイト、そしてこの会社を捜査したはやてもホッと胸をなでおろした。

 

管理局が裏で海賊と関わっていたなんてかなりのマイナスイメージだからだった。

 

「あっ、この会社とつるんでいた海賊の方は逮捕できたの?」

 

会社側の人間はミッドチルダに居たので、容易に確保することが出来た。

 

しかし、問題はホーリーラインズ社からの情報提供を受けて実際に次元の海で輸送船舶を襲撃していた海賊の方だ。

 

『それが、私らが会社に行った時、会社の連中は海賊に関するデータを全部消去していたんや‥‥』

 

「えっ?それじゃあ‥‥」

 

『次元の海に居る数多の海賊の内、どの海賊があの会社とつるんでいたのか分からない状態になってもうた‥‥』

 

「その海賊の中にはもしかしたら、シーマも含まれているのかな?」

 

『うーん、それは否定できへんな』

 

新造艦を強奪するくらいの犯罪者なので、シーマがホーリーラインズ社とつるんで着実に力をつけていてもおかしくはないと判断するフェイトとはやて。

 

しかし、シーマはこの保険金詐欺事件とは一切関係なかったが、その様なシーマの事情を二人は知る由もなく、シーマ自身もまさか自分の知らぬ前にあらぬ嫌疑がかかっているとは知らなかった。

 

ホーリーラインズ社の保険金詐欺事件を解決してから後日、地上本部ビルの一室にて、先日に起きた海賊銃撃事件とクロノが纏めたシーマを含む対海賊・テロリスト対策を盛り込んだ次元航行艦の装備改定案の検討会議が開かれた。

 

「ハラオウン提督の解析から、シーマ・ガラハウが以前、コロニーから奪った艦には改造の痕跡が見られ、ハラオウン提督はそれが質量兵器だと言うのかね?」

 

「はい。あの形状は第九十七管理外世界‥地球の海上艦におけるミサイルランチャーポットと似た形状をしているので、おそらく同じものだと推察されます」

 

クロノは“海”の幹部局員からの問いにリリー・マルレーンが従来の兵器の他に質量兵器が追加装備されている旨を説明する。

 

「しかし、先日の輸送艦襲撃の際、シーマの艦はそのミサイルとか言う質量兵器を使用していなかったのだろう?ならば、それは質量兵器ではなく、別の用途に使うモノだとは言えないのか?」

 

すると、別の幹部局員が追加装備された装備品は質量兵器‥ミサイルランチャーポットではなく、兵器ではない別の装備品ではないかと訊ねる。

 

「確かのその可能性は否定できません。ですが、昨今の海賊・テロリストの艦には質量兵器の搭載が見受けられます。今回、私が資料を纏め、提出したのはこうした質量兵器を搭載した海賊船、不審船に対して光学兵器のみの次元航行艦ではいずれ対処しきれないという懸念から、管理局の次元航行艦にも質量兵器の装備を検討してみてはどうかと言う事です」

 

「何をバカな事を!?」

 

「そうだ!!管理局の艦に野蛮な質量兵器を搭載するなど、言語道断だ!!」

 

クロノが予想したように管理局の次元航行艦に質量兵器を搭載事に対して、幹部局員からは怒声があがる。

 

「ですが、増加する海賊の被害を少しでも減らすには管理局側も新たな装備は必要不可欠であると思いますが?」

 

「何を言っているのかね?たかが海賊相手にそんな事を懸念する必要があるのか?」

 

「その通りだ。海賊が質量兵器を使うのは我々管理局に敵わぬからだ。戦力において管理局が勝っている何よりの証拠だ」

 

「全くだ。そんな取るに足らない野蛮な犯罪者どもを相手にするのに、管理局の崇高なる信念を捨ててまで、海賊と同じ野蛮な質量兵器を使用するというのかね?」

 

“海”の幹部局員たちはどうも楽観視をしている節がある。

 

それは自分たちは現場にいかず、安全な場所から命令を下しているだけだからだ。

 

「ですが、先日のシーマによる襲撃では、一隻のシーマの艦に管理局は複数の艦で立ち向かった筈ですが、返り討ち遭い、輸送艦は沈められました。これでも海賊は取るに足らない存在だと仰るのですか?」

 

「シーマ・ガラハウ‥奴は別格だ。そもそも、奴が使っている艦は、元々は管理局の艦になる予定だったモノだ。それはつまり、管理局の造艦技術が格段に上がっている何よりの証拠だ」

 

「その艦をシーマ・ガラハウの襲撃時に取り返せなかったのはハラオウン提督、君の重大なミスではないか?」

 

「今回のシーマ襲撃の犠牲者は君に殺されたようなモノではないか?」

 

一部の“海”の幹部局員たちはニヤニヤしながらクロノにとんでもない事を言い放つ。

 

「それはあまりにも酷い暴論です。取り消して頂きたい!!」

 

はやてが、声を上げる。

 

「あの時、ハラオウン提督のガイアは強奪された新造艦を含めて一対二の状況でした。そんな不利の状況下でもシーマの手下の艦を一隻討伐する成果をあげています。あの新造艦強奪事件がハラオウン提督のせいだと言うのなら、あの新造艦を当時、まだ健在だった本局ではなく、コロニーで建造した艦政部とコロニーの警備にあたっていた警備部に責任があるのではないでしょうか!?」

 

あの新造艦強奪事件で、根本的な原因は警備がコロニーよりもしっかりしていた本局で建造しなかった艦政部。

 

そして、そのコロニーを警備していた警備部隊の責任の方が重いと指摘する。

 

本局で建造していたら、シーマはあの新造艦を諦めたかもしれない。

 

コロニーで建造していたとしてもコロニー内でシーマたちの身柄を確保できていれば新造艦を奪われることはなかった。

 

新造艦の強奪はクロノが対処するまでにシーマを確保するか新造艦を守る事は出来た筈だ。

 

それらの責任問題をスルーしていきなりクロノに責任があると言うのは無理がある。

 

はやてにそれらの点を指摘されて、クロノを罵倒した“海”の幹部局員たちはバツ悪そうに視線や顔を背けたり、黙ってはやてを睨みつける者も居た。

 

「スー大将。貴方はどう思いますか?」

 

煩い外野を黙らせ、クロノは艦隊部署の統括官であるアンソンに意見を求める。

 

彼は元々クロノと同じく探索部隊所属の幹部局員であり、海賊やテロリストとは何度も死線を潜り抜けて来た猛者である。

 

艦隊部署に移ったとは言え、海賊やテロリストの脅威と強さは知っている。

 

ならばこそ、管理局の艦に質量兵器の搭載についても理解を示してくれるかとクロノは思ったのだ。

 

「‥‥」

 

アンソンは目を閉じて、腕を組み、暫し沈黙する。

 

恐らく彼自身思案しているのだろう。

 

そして、ゆっくりと目を開けると、

 

「‥ハラオウン提督の言う事は分かる。私自身もこれまで何度も海賊やテロリストと戦って来た。しかし、我々管理局が質量兵器の使用の禁止と廃絶を謳っている以上、管理局の艦に質量兵器を搭載する訳にはいかん」

 

「‥‥」

 

アンソンも分かってはいるが、長い期間、管理局が質量兵器アレルギーともいえるやり方を行っていたので、そう簡単に質量兵器の採用案は通らなかった。

 

はやてに新造艦強奪事件についての指摘を受け、黙った“海”の幹部局員たちは再びニヤニヤしながらクロノを見ていた。

 

結局、クロノの案は却下された。

 

「くそっ!!」

 

地上本部ビルの一角になる自動販売機が並んでいる通路の柱にクロノは拳を一発叩きつける。

 

「クロノ君、ちょっと冷静に‥な?」

 

はやては自販機から飲み物を買いクロノに手渡す。

 

「まったく、あのスー大将までもが‥‥どうして分からないんだ?」

 

クロノは、はやてから飲み物を受け取ると、近くのソファにどっかりと腰を下ろす。

 

そして、自分の上官である“海”の幹部局員たちに対して毒づく。

 

「MS機関を有しているとは言え、相手もMS機関を持っているんだぞ‥‥」

 

「せやな‥‥」

 

はやても自分の飲み物を手にクロノ隣に座る。

 

「MS機関を造り、新造艦を建造しても考え方が古いままでは、意味がない‥‥」

 

「リンディさんもあの会議では何も言っていなかったから、多分リンディさんも‥‥」

 

「ああ。管理局の艦に質量兵器を搭載する事に反対なんだろうな‥‥でも、あのもう一つの地球の艦のように光学兵器と質量兵器の両方を装備しなければ、管理局はこの先、大丈夫なのか?管理局が相手をするのは海賊やテロリストだけでじゃない‥‥ボラーの様な星間国家を相手にするかもしれないのに‥‥」

 

クロノははやてから受け取った缶の飲み物の蓋を開けてグイッと飲み始める。

 

海賊やテロリストの襲撃が多発していたから忘れていたが、管理局がボラー連邦、彗星帝国と接触したように管理局がこの先、ボラー連邦や彗星帝国の様な星間国家と接触しないとも言い切れないし、それらの星間国家が保有する宇宙艦船が管理局の様に光学兵器のみとも言い切れない。

 

(そう言えば、フェイトちゃんが前に将来的に宇宙で運用出来る戦闘機の導入をしたいって言っていたけど、今回の会議の様子を見ると、管理局が許可を出すとは思えへんな‥‥)

 

はやても買った飲み物の蓋を開けて飲み始める。

 

そして、以前フェイトが将来、管理局でももう一つの地球の軍が運用していた宇宙空間でも運用できる戦闘機を採用したがっていた事を思い出す。

 

しかし、先ほどの会議の様子から当然、宇宙空間でも運用可能な戦闘機の採用何て夢のまた夢の様な気がしてならないはやてだった。

 

「そう言えば、クロノ君はエイミィさんやお子さんたちと連絡は取っていますか?」

 

「あ、ああ。エイミィも本局が崩壊した時は物凄く驚いていたよ。でも、それ以上に本局が崩壊したせいで、転送ポートも使用不可能となり、直接会えるのがいつになるのか分からなくなって辛そうだったよ」

 

「‥‥」

 

本局には次元航行艦の建造ドック、無限書庫、“海”の局員用の居住区、飲食店など、一つの街並みの施設が揃っていた。

 

そして、そんな施設の中で、次元航行船を使わずに他の管理世界や特定の世界へ行ける設備‥転送ポートが本局に設置されていた。

 

地上本部ビルにも転送ポートが設置されているが、その転送ポートは本局へと向かう為の転送ポートであって、他の管理世界や特定の世界へはいけない。

 

本局が崩壊した現在、地上本部ビルに設置されている転送ポートも使用不可の状態となっている。

 

現在、旧機動六課隊舎跡地に建設中の本局新庁舎ビルには勿論、転送ポートは設置予定であるが、その新庁舎ビルの完成はまだ先なので、他の管理世界へ行くには次元航行船でしか行けない。

 

しかし、クロノの家族は第97管理外世界、地球に住んで居るので、本局が崩壊した今、クロノは家族とはモニター越しでした会えなくなっている状態だ。

 

第97管理外世界はまだまだ宇宙開拓が発展途上なので、次元航行艦で頻繁に行くことは出来ない。

 

もっともかつて海鳴市で起きたジュエルシードや闇の書のような魔法・ロストロギア関連の事件が起きれば話は別だが‥‥

 

「僕もそうだが、なのはも向こうの両親や友人と会えなくて寂しがっているんじゃないか?」

 

「ああ、確かに‥アリサちゃんやすずかちゃんもなのはちゃんや私、フェイトちゃんと会えるのが結構先になりそうで、寂しがっていたわ‥‥せめて地上本部ビルに転送ポートを設置してくれればええんやけど‥‥」

 

「今、旧機動六課隊舎跡地に本局の新庁舎ビルを作っているから、“海”としては転送ポートと言うアドバンテージを無くしたくないのだろう」

 

地上本部ビルに転送ポートを作ったら、“陸”あたりが、『本局の新庁舎ビルにわざわざ作る必要はない』 『その分の建設予算を減らして他に回せ』 とでも言ってくる事を“海”は恐れて新庁舎ビルが出来上がるまで、時間がかかり、尚且つ危険性がある次元航行船での渡航を推進しているのだ。

 

「全く、変にプライドが高いせいで大勢の人たちに迷惑をかけて、危険に晒している自覚があの人らにはあるんやろうか?」

 

はやてには生まれ故郷の地球には家族は居ない。

 

かつて自分を利用して闇の書を封印しようとしたグレアムは家族・身内とは言えず、知り合いのおじさん程度で、海鳴で起きた闇の書事件後は彼ともコンタクトは取っていない。

 

なので、はやてには特に地球には未練はないが、それでもアリサ、すずかと言う二人の親友が居るので、彼女たちとも疎遠になるのはやはり寂しい。

 

なのはに至っては、はやて同様、アリサ、すずかと言う親友が居るのはもとより、両親に兄、姉が地球に居る。

 

管理局に務めてからなかなか戻れる時間が取れていないのだが、このままフェードアウトするなんてなのはの選択肢にはない。

 

だが、転送ポートが無く、次元航行船の定期運行もない地球へ向かうには本局の新庁舎ビルの完成を待つしかない。

 

なのはは今、仕事にヴィヴィオの教育に最近では結婚を視野に入れてのユーノとのお付き合いがあり、家族と会えない寂しさを補える程の充実している日々がある。

 

もしかしたら、結婚式に家族を呼べないかもしれないが、それでも事後報告で結婚報告くらいは出来る。

 

そう思うと、なのはにとって本局の新庁舎ビルの完成はきっと待ち遠しいイベントに違いない。

 

ただ、この時、はやてもクロノも目の前の仕事の多忙さですっかり忘れていた。

 

数年前のカリムの予言の後半部分を‥‥

 

彼らがその予言を思い出すのはもうすぐの事だった。

 

 

結局、管理局‥“海”は、クロノからの提案を却下し、これまで通りの姿勢を貫いた。

 

 

此処で場面はミッドチルダからもう一つの地球へと移る。

 

 

バジウド星系を完全に平定した地球連邦はようやく平穏を取り戻し、宇宙開拓へと本腰を入れ始めた。

 

軍はバジウド星系、ケンタウロス座アルファ星付近の哨戒行動を主な任務としていた。

 

バジウド星系のボラー連邦派の残党が絶対に居ないと言う確証もないので、輸送航路の安全確保は軍の任務である。

 

ガルマン・ガミラスと同盟を組んでいるとは言え、銀河系の反対側では未だにボラー連邦は健在であり、彗星帝国や暗黒星団帝国の様に別の星系からの侵略者の存在がないとは言い切れない。

 

その為、軍も新たな軍艦建造を開始していた。

 

日本では、ドレットノート級宇宙戦艦にかわり、新たに長門級戦艦。

 

巡洋艦では、以前ギンガが副長を、ティアナが戦術長を務めた八雲型の巡洋艦の量産が始まり、駆逐艦に関してもこれまでのヤマトの長距離航海を考慮してこれまで防衛軍が建造した01式駆逐艦では、長距離航海は不向きと言う事で、設計が大幅に改定され、船体の大きさは全長が200メートルと大型化され、水雷式装備ではなく防空式装備となっていた。

 

ケンタウロス座アルファ星に駐屯していたヤマト、まほろばは、先ごろ完成したヱクセリヲン、ヒューベリオンと交代するように地球へと戻り、代わりにヱクセリヲンとヒューベリオンがアルファ星に駐留した。

 

地球に戻った古代は、雪の実家に預けていた娘の深雪を迎えに行った。

 

「お義父さん、お義母さん、深雪がお世話になりました」

 

「いいのよ。孫と一緒に過ごせて楽しかったわ」

 

「進君、雪の奴は地球に戻って来て居ないのかね?」

 

「は、はい。雪は今、ケンタウロス座のアルファ星に居ますので‥‥」

 

「そうか‥‥」

 

雪が地球に居ないと知り、がっかりとした様子の雪の父親。

 

「また、いつでもいらっしゃい」

 

「はい」

 

「バイバイ、お爺ちゃん、お婆ちゃん」

 

「バイバイ、深雪ちゃん」

 

「またな~」

 

雪の実家を出た後、古代は娘を連れてショッピングモールのレストランに来た。

 

地球を出る前、古代は深雪とレストランでパフェを食べる約束をしていた。

 

深雪は注文したパフェが届くと目を輝かせながらスプーンを手に取ると、パフェを食べ始めた。

 

そんな娘の姿を見て古代は、

 

(やっぱり、両親が軍人‥軍艦乗りだと親子との時間が取りにくいな‥‥)

 

(やはり雪には、軍を辞めるなとは言わないが、内勤をしてもらった方が深雪の為にも良いのではないだろうか?)

 

深雪の姿を見た後、チラッと他の利用客‥‥親子連れの姿を見ると、自分と雪が軍艦勤務の為、深雪には親子全員の時間がなかなか取れない事に古代は悩む。

 

それから古代は時間が許す限り、深雪と共に時間を過ごした。

 

そんな中、古代が自宅で深雪と過ごしていると、

 

 

ピンポーン!!

 

 

家のインターホンが鳴る。

 

「ん?誰だ?」

 

古代が応対に出ると、モニターには司令部勤務の制服を身に纏った軍人の姿が映し出される。

 

「はい。どなたですか?」

 

『宇宙戦艦ヤマト艦長の古代さんですね?』

 

「そうだが?」

 

『至急防衛軍司令部に出頭するよう、藤堂長官より伝言を預かっており、小官が送迎の任を仰せつかり、来た次第です』

 

(いきなりの召喚命令?一体何だ?)

 

(しかし、今は深雪が居るしな‥‥)

 

(また雪の実家で預かってもらうか?)

 

「すみません。今、家に娘が居るのですが‥‥」

 

『でしたら、司令部の庁舎にある託児所に預けてはどうでしょうか?』

 

「えっ?託児所?」

 

古代は司令部の庁舎ビル内に託児所が設けられている事を知らなかった。

 

(流石に今日、明日で出航命令が出る訳じゃないだろうし‥‥)

 

「分かりました。着替えるので少々お待ちください」

 

『分かりました』

 

ほんの一、二時間くらい預かってもらっても問題ないと思い、古代は私服から軍服に着替え深雪と共に軍の公用車に乗り、司令部へと向かった。

 

 

時をほぼ同じく海鳴市の中にある月村邸でもギンガが、誉との時間を過ごしていた。

 

古代同様、ギンガも軍艦勤務なので、普段から地球に居る訳でもなく、娘である誉の面倒はノエル、忍、ユリーシャに任せてしまう形となっている。

 

ギンガ自身もミッドチルダに居た頃は養父であるゲンヤ、養母であるクイントが共に管理局員なので、日中はほぼ留守であり、事件が起きれば家に何日も戻らない事が多かった。

 

クイントが殉職して以降はゲンヤはギンガとスバルを養うために必死で働いたので、家に戻る頻度は益々減った。

 

寂しい思いをしつつもギンガはゲンヤが自分たちの為に仕事頑張っているのだと子供ながらも理解はしていたのだが、それでもやはり家に大人が居ない寂しさ、妹のスバルに寂しい思いをさせまいとする姉としてのプライドと言うか使命感があり、気丈に振舞っていた。

 

幼少期にそんな思いをしたギンガがまさか自分の娘にも同じような思いを抱かせる形となってしまい、ギンガも葛藤する時がある。

 

しかし、ギンガと誉の大きな違いは家には常に大人が居る事、

 

年が同じ妹が居る事、

 

宇宙で起きる事件は地球‥ひいては誉や月村家の皆の運命を左右するかもしれない大事に繋がる事、

 

軍に入り、家族を持った事で、ギンガはゲンヤとクイントの気持ちがより一層理解できるようになった。

 

「ごめんね、誉。お母さん長い間、家を留守にして‥‥」

 

ギンガは誉の頭を撫でながら長期間家を留守にしている事を謝る。

 

「だいじょうぶ‥‥しのぶさん、ノエルさん、まやママにゆりはがいるから」

 

誉は母親のギンガが言うのも何だが、利発な娘だと思っている。

 

ギンガは誉共にとおやつタイムを過ごしている中、口元をナプキンで拭いたりしてまじまじと誉の容姿を見ると髪の毛の色は父親である良馬譲りの黒であるが、成長していく内に誉の容姿は自分に似ていると思う。

 

他にクイントや自分、妹のスバル同様よく食べる事だ。

 

同じ三歳児の友莉葉と比べると食べる量が全然異なる。

 

(一応、ノエルさんも居るし、食べ過ぎにはならないよね?)

 

自分やスバルはいくら食べてもお腹を壊す事はなかったが、誉はまだ小さいので、食べ過ぎで腹痛を起こさないか母親として心配になる。

 

月村家にはメイドのノエルがいるので、娘の体調管理等は完璧にこなしてくれている筈なのだが、母親としてはやはり心配になる。

 

ギンガが娘との一時を過ごしていると、

 

ピンポーン!!

 

月村家のインターホンが鳴る。

 

ノエルが応対に出ると、

 

「はい‥ええ、居りますけど‥‥はい‥‥分かりました。少々お待ちください」

 

訪問者とニ、三、会話をした後、ギンガの下にやって来る。

 

「ギンガさん。軍の方が至急司令部に来てもらいたいと‥‥」

 

「えっ?」

 

急な軍からの呼び出し‥‥

 

もう少し娘との時間を過ごしたかったが、軍からの急な呼び出しに応じない訳にはいかない。

 

「ごめんね、誉。お母さん、ちょっと出かけなきゃいないの‥‥」

 

ギンガは誉にすまなそうに言う。

 

「う、うん‥‥」

 

誉も理解はしているのだろうが、やはり久しぶりに帰って来た母親がまた出かけてしまうのは寂しい様だ。

 

「直ぐに帰って来るから、いい子で待っていてね」

 

ギンガは後ろ髪を引かれる思いを抱きつつ軍服に着替えると急ぎ迎えに来た軍の公用車に乗り、司令部へと向かった。

 




地球軍が新たに建造した長門級戦艦は完結編に登場した防衛軍の宇宙戦艦をイメージしてください。

巡洋艦、駆逐艦も同様に完結編にした防衛軍の宇宙艦船の姿です。

次回はいよいよ完結編のストーリーへ突入したいと思います。

同僚を失い傷心のユーノ、そんな彼の身を案じたなのはの今後の進展について

  • 付き合っちゃえ
  • お友達のままで
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