星の海へ   作:ステルス兄貴

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二百八十一話 正しい反逆

 

 

宇宙の大交通網である銀河鉄道‥‥

 

しかし、それは地球とは別宇宙にある交通網だった。

 

銀河系中心部にあるガルマン・ガミラス領、ボラー連邦領を調査していたヒューベリオンは偶然にも重力震の影響でこの銀河鉄道が運行している宇宙へとやって来た。

 

そして、その銀河鉄道の治安維持を担う組織、空間鉄道警備隊と遭遇し、知己を得ると損傷した艦の修理にも協力してくれた。

 

だが、組織と言うのは所属する人間が多ければ多い程、さまざまな考えと正義が入り混じる。

 

銀河鉄道・特務情報部は銀河鉄道における公安・諜報を担う部署であり、自らが抱く正義のためにはどんな手段も辞さない強硬な部分もある。

 

銀河鉄道運行司令の藤堂平吾郎はそんな彼らが別宇宙からの訪問者であるヒューベリオンにちょっかいを出す事に懸念を抱く。

 

そこで、彼は先手を打ち、銀河鉄道のトップである総司令官のレイラ・ディスティニー・シュラに特務情報部へ釘を刺してもらう事にした。

 

一方で、レイラも別宇宙からの訪問者には興味を示し、是非とも会って話がしたいと藤堂平吾郎に頼んだ。

 

それから直ぐにヒューベリオンの艦長である良馬とレイラとの会談の場が設けられた。

 

そこで、レイラは今現在、銀河鉄道が運行している宇宙で密かに何者かが侵攻しようとしている事、そして良馬たちの銀河系がある宇宙の異変は自然現象でない事を語り、ヒューベリオンが元の宇宙へ帰還する事へ協力をする代わりにこの宇宙へ迫りつつある脅威から救って貰いたいと協力体制をとる事となった。

 

良馬とレイラが会談を行っている頃、ディスティニーのセントラルシティ郊外にある公共墓地‥‥

 

そこに空間鉄道警備隊の小隊‥シリウス小隊のメンバーが居た。

 

彼らは直前の任務で殉職した隊員、ブルース・J・スピードを埋葬していた。

 

突然仲間を失った悲しみに包まれる中、ベガ小隊の隊長、村瀬がやって来て、シリウス小隊隊長のバルジに査問委員会がある旨を伝えると同時に彼を迎えに来た。

 

シリウス小隊の隊員たちにとって仲間を失った直後に、隊長が査問委員会に掛けられる事実を当然受け入れられる筈もなかった。

 

しかし、査問に掛けられるバルジ自身は責任から逃れる事を『良し』とせずに、村瀬と共に査問委員会の会場へと向かった。

 

査問委員会では、惑星クーロンでの任務におけるバルジの行動が問題視された。

 

任務に同行した特務情報部所属のイワノフ管理官の命令無視及び違反、更には同氏における暴行と部下である隊員を殉職させた事が問題とされる。

 

バルジはこれらの問題行為について言い訳をせずに全てを認めた。

 

ただ一つ、反論した点があるとすれば、惑星クーロンでの任務では、別次元の宇宙‥‥アルフォート星団からの逃亡者と邂逅した。

 

その逃亡者は、アルフォート星団における武闘派勢力‥アルフォート星団帝国軍の侵略の意図がある情報と空間鉄道警備隊の装備を強化する事が出来るシステム、コスモ・マトリックスの情報を提供した。

 

しかし、バルジがあげた報告書にはアルフォート星団帝国軍、コスモ・マトリックスの部分が意図的に削除されていた事について不満があった。

 

バルジのこの問いに対して査問委員会からの返答は、アルフォート星団帝国軍、コスモ・マトリックスについては特務情報部が今後も調査をする為に秘匿情報として削除したとの事だった。

 

そして、査問委員会が下した処罰は、シリウス小隊の無期限の活動停止と、バルジからシリウス小隊隊長の権限を剥奪すると言うモノだった。

 

アルフォート星団帝国軍、コスモ・マトリックスについて特務情報部が今後も調査を行うと言う採決はあくまでも表面上のポーズであり、正確には不確かな情報と言う事で放置するつもりだった。

 

当然、バルジ本人も査問委員会の様子から特務情報部が真剣にアルフォート星団帝国軍に対しての対処をするなんて思っていなかった。

 

今回の査問委員会の結果、そしてバルジがあげた報告書は当然、総司令官であるレイラの下へと届けられた。

 

「特務情報部は随分と好き勝手に動いてくれたな‥‥」

 

査問委員会の結果を見て藤堂平吾郎は苦々しく呟く。

 

(やはり、先手を打って正解だったな‥‥)

 

そして心の中でレイラにヒューベリオンの保護を具申して正解だったと思う。

 

「先ほど、レイラ総司令官が仰っていた『宇宙の理に干渉しようとしている得体の知れない影』‥どうやらその正体は報告書に記載されているアルフォート星団帝国軍の様ですね」

 

「うむ、しかし、特務情報部がどこまで真剣に調査することやら‥‥」

 

バルジ同様、藤堂平吾郎も特務情報部の言動には疑問を覚える。

 

(なんか、俺たちの世界でも似たような事があったな‥‥)

 

(あれは確か‥‥)

 

良馬はアルフォート星団帝国軍の扱いについてデジャヴを覚える。

 

「‥‥」

 

「月村艦長。どうかしましたか?」

 

無言になった良馬にレイラが声をかける。

 

「いえ、実は私どもの故郷でもかつて似たような事例がありまして‥‥」

 

「似たような事例?」

 

「はい。あれは‥‥」

 

良馬はレイラと藤堂平吾郎にガミラス戦役後、戦争によって荒廃した地球本土の復興を終えてその復興の勢いを殺すことなく、太陽系の各惑星へ開拓意欲を燃やしていた時、アンドロメダ星雲より太陽系に向かって突如飛来して来た巨大な白色彗星の出来事を語る。

 

「あの時も政府、軍の上層部はあくまでも飛来してくるのはただの彗星であり、地球に接近しても波動砲搭載の戦艦部隊を出撃させれば簡単に事態を鎮静化する事が出来ると楽観視していました。しかし、その実態は予想をはるかに上回る結果となり、軍は一時壊滅寸前まで追い込まれました。もし、この宇宙に迫りつつあるアルフォート星団帝国軍‥彼らの技術力が、私どもがこれまで経験して来た外宇宙の侵略者たちと同等の力を持っていたら‥‥」

 

「‥‥」

 

良馬が語ったかつての「彗星帝国」という未曾有の脅威と、それに対する政府及び軍の上層部の致命的な楽観視、その実体験を伴う重い言葉に、総司令室には冷や水を浴びせられたような沈黙が落ち、藤堂平吾郎は良馬の実体験を聞き、顔を強張らせる。

 

「未知の脅威を過小評価し、既存の戦力と常識だけで事足りると高を括る‥‥いつの時代、どこの宇宙でも、権力や組織というものが陥りやすい罠というわけか‥‥」

 

藤堂平吾郎は現状の特務情報部と良馬の世界の軍と政府の姿が被っているように思えた。

 

「もし‥アルフォート星団帝国軍が、かつて月村艦長が直面したような強大な敵であった場合、今の特務情報部の対応は、銀河鉄道‥いえ、この宇宙全体を滅びの道へと誘う致命的な過ちとなります。彼らにも彼らなりの『正義』と『大義』があるのでしょうが、崩壊する運命を黙って見過ごすわけにはいきません」

 

そんな中で、静かな、しかし凛とした声でレイラが沈黙を破った。

 

彼女の瞳には、運命を司る者としての直感と、銀河鉄道の総司令官としての強い決意が宿っていた。

 

「総司令、特務情報部の動きを止めることは可能ですか?」

 

藤堂平吾郎はレイラに特務情報部への対処を訊ねる。

 

このまま手を拱いていては、アルフォート星団帝国軍がこの宇宙へと侵攻し、気づいた時には手遅れになる恐れがある。

 

それならば、特務情報部の活動を一時的でも休止させれば邪魔をされずにアルフォート星団帝国軍への対処が出来る筈だ。

 

しかし、藤堂平吾郎の問いにレイラは首を横に振る。

 

「正面から特務情報部の決定を覆せば、組織内部に無用の摩擦と分裂を招きかねません。今は一刻を争う事態‥内輪揉めをしている猶予はないのです」

 

真正面から特務情報部の言動に異議を唱えれば、内輪揉め‥いや、イワノフを主導に銀河鉄道内部でクーデターが起こりかねない。

 

アルフォート星団帝国軍の脅威が迫りつつある中でクーデターなんて起こされたら、それこそディスティニーも銀河鉄道も終焉を迎えてしまう。

 

レイラは真っ直ぐに藤堂平吾郎を見据え、

 

「藤堂司令。バルジ隊長に対する査問委員会の処分は、特務情報部の顔を立てる形で、『表向きは承認』します」

 

「っ!?しかし、それではシリウス小隊は‥‥」

 

「落ち着いてください。あくまでも『表向き』です。彼らには、非公式に動いてもらう必要があります。そして、そのためには‥‥」

 

レイラは再び良馬へと視線を移す。

 

「月村艦長、あなた方、ヒューベリオンの力をお借りしたいのです」

 

「私どもに出来ることでしたら、何なりと‥‥」

 

良馬が深く頷くと、レイラはわずかに表情を和らげた。

 

「シリウス小隊が持ち帰った『コスモ・マトリックス』の情報。特務情報部が不確かだとして放置するというのなら、ヒューベリオンの技術班とで極秘裏に解析・実用化を進めたいのです」

 

「なるほど」

 

と、良馬は得心がいったように応じた。

 

「我々の宇宙の技術体系と掛け合わせることで、思わぬブレイクスルーが生まれるかもしれません。それに、私たちは銀河鉄道の組織体系に属さない『異邦人』です。特務情報部の監視網の『外』にいるヒューベリオンであれば、機密を保持したまま解析を進めることが可能ですね」

 

藤堂平吾郎の顔に悪戯めいた頼もしい笑みが浮かんだ。

 

「特務の連中も、別宇宙の艦の中まで堂々と嗅ぎ回ることはできまい。それに、謹慎中のバルジやシリウス小隊の面々を、ヒューベリオンの『護衛』あるいは『技術協力要員』という名目で出向させれば、大義名分を保ったまま彼らを自由に動かすことができる」

 

「ええ。アルフォート星団帝国軍という未知の脅威に対抗するには、空間鉄道警備隊の枠を超えた力が必要です」

 

レイラは立ち上がり、良馬に向けて深く頭を下げた。

 

「月村艦長、シリウス小隊の方々と会っていただけますか?」

 

「もちろんです。未知の相手と戦い、理不尽な現実に立ち向かおうとする者たちに、是非ともお会いしたいと思っていました」

 

話を聞く限り、今回アルフォート星団帝国軍とコスモ・マトリックスの情報を持ち帰ったシリウス小隊の行動に良馬は古代たち‥ヤマトの面々と被った。

 

それ故に良馬の目にもまた、かつての戦友たちを思い起こすような熱い光が宿っていた。

 

一方その頃、ディスティニーのSDF本部内にあるシリウス小隊の待機室では、バルジから査問委員会の決定事項‥無期限の活動停止を言い渡されたシリウス小隊のメンバー、有紀学、ルイ・フォート・ドレイク、デイビッド・ヤングたちにはやり場のない怒りと無力感が渦巻いていた。

 

 

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仲間であったブルースの死という深い悲しみと喪失感、そしてその痛みが癒える間もなく下された無期限の活動停止に隊長の解任という理不尽な決定は認められない現実であった。

 

「ちくしょう!!」

 

デイビッドが壁を強く殴りつけた。

 

「ブルースが死んで、無期限の活動停止の上に隊長まで奪われるなんて‥‥俺たちにここで黙って、指をくわえて見てろってのかよ!?」

 

「デイビッドの言う通りだ」

 

学が拳を強く握りしめ、前を見据える。

 

「アルフォート星団とかいう連中が、間違いなくこの宇宙を狙っている。リフルがその危険性を命懸けで俺たちに伝えようとしていたのに‥‥上層部は一体何を考えているんだ!?」

 

「でも、特務情報部が手を回している以上、正規の命令なしにビッグワンを動かせば、今度こそ反逆罪よ」

 

ルイが唇を噛み締めながら呟く。

 

思いだけではどうにもならない巨大な組織における権力と言う名の壁が彼らの前に立ちはだかっていた。

 

「それじゃあ、ルイはこんなバカげた命令を黙って受け入れろって言うのか!?」

 

「そ、それは‥‥」

 

ルイだって当然、今回の命令を黙って受け入れたくはなかった。

 

しかし、反逆者の汚名を着てでもビッグワンだけで事態を改善できる方法もビジョンも浮かばない。

 

その時、彼らの背後から静かな、しかし威厳のある足音が響いた。

 

「反逆罪か‥まぁ、表向きはそういうことになるだろうな‥‥」

 

「「「っ!?」」」

 

驚いて振り返った学たちの目に飛び込んできたのは、普段は銀河鉄道運行指令室で指揮を執っている藤堂平吾郎と自分たちが着ている隊員服と似たデザインの軍服を身に纏った男の姿だった。

 

「と、藤堂司令!? それに、そちらの人は‥‥?」

 

学たちが目を見張る中、良馬は穏やかだが芯のある笑みを浮かべ、シリウス小隊の面々に向き直った。

 

「初めまして、シリウス小隊の皆さん。私は地球連邦政府・地球防衛軍所属、戦艦ヒューベリオンの艦長、月村良馬と申します」

 

良馬は彼らの瞳の奥にある決して消えていない闘志を確かめるように、一人一人の顔を見渡した。

 

「君たちが持ち帰ったコスモ・マトリックス‥そして、迫り来る脅威に対するこれからの『正しい反逆』について、少しお話しさせてもらえませんか?」

 

その言葉に、学たちの目に宿っていた失意の影が払われ、再び強い希望と闘志の火が灯り始めた。

 

「た、正しい反逆?」

 

「それってどういう意味ですか?」

 

学とルイがその言葉の意味を訊ねる。

 

「説明しよう‥現在、銀河鉄道の表層では、君たちの行動を『規定違反』とし、アルフォート星団の脅威を『不確かな存在』として処理しようとしている。だが、総司令はそうは考えていない。総司令は君たちの正義と、持ち帰った情報の価値を誰よりも理解している」

 

「総司令が‥‥」

 

藤堂平吾郎の言葉に学の脳裏に何度か会ったレイラの姿が過る。

 

「特務情報部の目を欺くため、シリウス小隊は形式上、解散・謹慎処分となる。しかし、それはあくまでも表向きであり、裏では月村艦長の艦、ヒューベリオンでコスモ・マトリックスの解析‥技術交換要員兼特別護衛隊として、極秘裏に出向してもらいたい」

 

「それってつまり、俺たちにビッグワンから降りて、そのヒューベリオンって艦に乗って、勝手に戦ってもいいってことですか?」

 

デイビッドが藤堂平吾郎に質問する。

 

「『勝手に』‥ではない。これは銀河鉄道総司令官直命の極秘任務だ」

 

藤堂平吾郎は厳格な声で補足する。

 

「あっ、でも俺、ベガ小隊に出向の予定じゃあ‥‥」

 

「私もスピカ小隊に‥‥」

 

「俺はリゲル小隊だったな‥‥」

 

バルジはシリウス小隊が無期限の活動停止となった事で、残った隊員たちを他の小隊に出向と言う形で既に振り分けていた。

 

「‥‥学、ルイ、お前たちは予定通り、ベガ小隊とスピカ小隊へ出向しておけ。ヒューベリオンへは俺が行く」

 

すると、デイビッドは決心したように学とルイに言う。

 

「えっ?」

 

「どう言事ですか?」

 

デイビッドの言葉に学とルイは彼の提案の真意を訊ねると、

 

「学もルイもSDFでは結構有名人なんだ‥そのお前たちが出向予定の小隊に顔を出さないと、特務情報部の方も何かあったのだと思ってしつこく嗅ぎまわるに違いない」

 

デイビッドはその理由を話す。

 

学はシリウス小隊の前隊長の息子であり、これまで銀河鉄道内で起きた数多くの事件を解決してきた。

 

そしてルイはクラリオス星団共和国大統領の令嬢であり、当然特務情報部はその家族関係も把握しているだろう。

 

そんな二人が出向予定の小隊に顔を出さなければ、裏でコソコソと何かをしていると特務情報部に教えるようなモノだ。

 

「でも、そうするとデイビッドは?」

 

「俺か?俺はシリウス小隊の活動が無期限の休止になったから、溜めるに溜めていた有休を消化する‥‥ってことにしておいて下さい。折角、バルジ隊長がリゲル小隊への出向を頼み込んでくれたのを無駄にしてしまいますが‥‥」

 

「分かった。リゲル小隊の隊長には私から伝えておこう」

 

「ありがとうございます。藤堂司令」

 

学とルイは特務情報部の目を掻い潜る為の囮となり、ヒューベリオンへはデイビッドが赴くことになった。

 

「あっ!!やべぇ!!」

 

今後の方針が決まった時、デイビッドが何かを思い出すかのように声を上げる。

 

「どうしたんですか?」

 

「コスモ・マトリックスのチップ、ビッグワンの指揮車両に置き忘れちてきちまった!!」

 

「「えぇぇぇぇー!!」」

 

デイビッドのこの言葉に学とルイは驚愕する。

 

「どうするんですか!?多分、そのチップは今頃、特務情報部の手に渡っているんじゃあ‥‥」

 

「あのチップが無ければ、コスモ・マトリックスの解析は出来ないんですよ!?」

 

「コピーは取っていないんですか?」

 

「す、すまない。ディスティニーに戻って来た時、ブルースの葬儀やらでバタバタしていて、コピーを作る余裕がなかった。まさかその後で直ぐにイワノフの野郎が査問を開くなんて思ってもいなくて‥‥」

 

特務情報部の手にコスモ・マトリックスのチップが渡ってしまったらそのチップを特務情報部から取り返すのは恐らく至難の業だ。

 

レイラや藤堂平吾郎が命じてものらりくらりと躱すに違いない。

 

最悪の場合はチップ自体が保管されずに廃棄されてしまう可能性が高い。

 

どうしたものかとデイビッド、学、ルイが頭を抱えていると、

 

「それについては既に手は打ってある」

 

「「「えっ?」」」

 

コスモ・マトリックスのチップに関して、藤堂平吾郎が既に特務情報部よりも手を打っていた。

 

「さて、善は急げ‥早速ですが、ヒューベリオンへ来てください」

 

「あ、ああ‥‥」

 

「コスモ・マトリックスのチップに関しては準備が整い次第そちらへと届ける」

 

「分かりました」

 

デイビッドは休暇申請書を急いで書き、藤堂平吾郎へと渡すと、良馬と共に何処かへと向かった。

 

 

此処で視点は銀河鉄道管理局のSDF車両整備場に移る。

 

クーロン宙域にて所属不明艦‥もとい、アルフォート星団帝国軍の戦艦と戦い、強制ワープを行ったビッグワンは車体のあちこちにダメージを受けていた。

 

査問委員会の結果、シリウス小隊が無期限の活動停止となったが、何時それが解除されるのか不明だったことから、整備員たちはビッグワンの整備を行っていた。

 

「そうだ、そこのボルト部分はよく締めておいてくれ」

 

整備主任の暁太郎が整備員たちに指示を出していると、

 

 

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「此処の整備責任者は誰だ!?返事をしろ!!」

 

突如、整備場に怒鳴り声がした。

 

「おいでなすったな‥‥俺だけど?」

 

整備場に現れたのはイワノフであり、暁は彼がこの場に来るのを既に見越しているかのようだった。

 

「特務情報部のイワノフだ!!出てこい!!」

 

「なんでしょう?」

 

暁がビッグワンの車体の下からイワノフの前に出る。

 

「ビッグワンで解析していた小さな部品があった筈だ。外したのは貴様か?」

 

イワノフが整備場に来たのは、ビッグワンで解析していたコスモ・マトリックスのチップを回収しに来たのだ。

 

しかし、実際にビッグワンの指揮車両に行ったが、コスモ・マトリックスのチップは指揮車両の中になかった。

 

ならば、それを持ち去ったのは今、ビッグワンの整備をしている整備員‥責任者である暁だと判断し、こうして尋問しているのだ。

 

「そんなもの、ありましたっけ?」

 

しかし、暁は当初とぼけた振りをする。

 

「よこせ‥‥」

 

「さて、どこにやったか‥‥?」

 

「ふざけるな!!」

 

「あぁ~そう言えば‥‥コレのことですか?」

 

暁が思い出したかのように作業着のポケットから透明な定規状のチップをイワノフに見せる。

 

「あっ‥‥」

 

「これは特務情報部が預かる」

 

するとイワノフは暁からひったくる様にチップを奪う。

 

「ご苦労さんです」

 

貰う物を貰ったらもうこの場に用はないと言わんばかりにイワノフは足早に整備場を後にする。

 

(やれやれ、藤堂司令が仰った通りの展開になったな)

 

暁はイワノフの背中を見つめながら小さくほくそ笑んだ。

 

整備場から本部へと戻ったイワノフは、通路に設置されていた自販機の前に立つと、

 

「こんなもの‥‥」

 

手にした定規状のチップを真っ二つに割り、自販機の横に設置されているゴミ箱の中に捨てると何事もなかったかのように通路を歩きだした。

 

すると、

 

「イワノフ管理官」

 

彼に声をかける者がいた。

 

「なんだ?」

 

「実は‥‥」

 

その人物はイワノフの耳元で何やらぼそぼそと小声で囁く。

 

「なにっ!?それは本当か?」

 

「はい。スピカ小隊の通信を傍受・解析した結果なので、確かな情報かと‥‥」

 

イワノフに声をかけて来たのは彼と同じく特務情報部に所属するイワノフの部下だった。

 

「くそっ、アルフォート星団帝国軍とか言う訳の分からない連中の他にまだ異物が混入していたのか‥‥」

 

此処で特務情報部もようやくヒューベリオンの存在に気づいた様子だった。

 

「しかし、なぜ特務情報部たる我々が、そのような重大な事案を今まで把握していなかったのだ!?」

 

「も、申し訳ございません。スピカ小隊の暗号通信にわずかなノイズとして混線していたデータを解析し、ようやくその存在の尻尾を掴んだ次第でして‥‥」

 

部下の報告に、イワノフの顔が険しく歪む。

 

銀河鉄道の治安と秩序を陰からコントロールしていると自負する特務情報部にとって、自分たちの与り知らぬイレギュラーな存在がこの宇宙を徘徊しているなど、断じて許されることではなかった。

 

イワノフにしてみれば、銀河鉄道の安全を守っているのはSDFではなく自分たち特務情報部なのだと思っていた。

 

「言い訳は無用だ。それで、その所属不明艦の所在は掴んでいるのだろうな?」

 

「いえ、それが正確な所在はまだ‥‥」

 

部下が恐る恐る答える。

 

彼らはヒューベリオンの存在を認知はしたが、肝心のヒューベリオンが何処に居るのかはまだ把握していなかった。

 

「ええい、その所属不明艦はアルフォート星団の尖兵、あるいは密偵である可能性が高いのだぞ!?直ちに特務情報部の全情報網を駆使して所在を突き止めろ!!発見次第、我が特務部隊の権限において艦を拿捕し、乗員は徹底的に尋問しろ!!」

 

「はっ!!直ちに手配いたします!!」

 

(本当は総司令からこの件については『手を出すな』と言われているが、責任はあのパワハラ爺がとってくれるだろう)

 

イワノフの発言からヒューベリオンを発見次第、艦内に突入し乗員の身柄を拘束次第、拷問や自白剤を使用してでも情報を引き出そうとする気概が見えた。

 

ただ、レイラが事前に特務情報部に釘を刺していたのだが、この部下はイワノフを失墜させる目的もあり、それを黙っていた。

 

どうにも彼は部下からの人望は薄い人物であった。

 

「ふん、藤堂め。シリウス小隊の処分を素直に受け入れたと思えば、裏でコソコソと得体の知れない者どもを匿っていたというわけか‥‥だが、我々特務情報部の目を欺けると思うなよ‥‥それに今回の一件でお前を運行司令の座から引きずり下ろす良い口実が出来た訳だ‥‥」

 

一方、部下に嵌められていると知らないイワノフは足早に去っていく部下を見送りながら、冷たい笑みを浮かべた。

 

しかし、イワノフはヒューベリオンがどんな艦影の艦なのか知らず、知っているのはヒューベリオンと言う艦名だけで、現在、アルフォート星団帝国軍がこの宇宙に迫っている事から、確認されたアルフォート星団帝国軍の宇宙戦艦、そして乗員はこれまで接触のあった植物に似た姿の宇宙人であると思い込んでいた。

 

 

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それが大きな間違いであるとは知らずに‥‥

 

その頃、ディスティニーの地下深く、特務情報部の監視網から物理的に遮断された極秘ドック‥‥そこに停泊する戦艦ヒューベリオンの艦内では‥‥

 

「す、すげぇ‥‥これが別宇宙の技術か‥‥」

 

デイビッドは物珍しそうにヒューベリオンの艦内を見回していた。

 

すると、彼の前に若い男性士官が立っていた。

 

「初めまして、ヒューベリオン技師長の綺羅大和です」

 

「銀河鉄道・空間鉄道警備隊シリウス小隊所属のデイビッド・ヤングだ」

 

綺羅とデイビッドは互いに自己紹介をして握手を交す。

 

「今回、コスモ・マトリックスと言う別宇宙の技術解析を行うと言う事で、お手伝いさせてもらいます」

 

「こちらこそ、世話になる」

 

「しかし、戦艦と言えど、あのチップを解析できるのか?」

 

当初、コスモ・マトリックスのチップを入手した際、ビッグワンのコンピューターで解析をしようとしていた。

 

SDF車両の中でもビッグワンのコンピューターは優秀な方だった。

 

しかし、そのビッグワンのコンピューターをもってしてもコスモ・マトリックスのチップは解析できなかった。

 

「それは実際にやってみないと分かりませんが、やらなければなりません」

 

「ああ、そうだな」

 

本部でのコンピューターを使用しての解析は特務情報部の目があるので不可能‥‥

 

ビッグワンでも解析は出来なかった。

 

ならば、別宇宙のこの戦艦のコンピューターでやるしかない。

 

アルフォート星団帝国軍がいつこの宇宙に侵攻してくるのか分からないこの状況下では、時間は一分一秒たりとも無駄には出来なかった。

 

やがて、ヒューベリオンへ持ち込まれた一つの「部品」を巡って安堵の声が漏れていた。

 

「いやぁ~藤堂司令の読み通り、あの嫌味な特務の爺さん自らが早速嗅ぎ回りに来ましたぜ」

 

暁が作業着のポケットからもう一つの透明な定規状のチップを取り出し、デイビッド、良馬、綺羅の前に差し出した。

 

「お、おっちゃん、それって‥‥」

 

デイビッドが目を丸くしてチップを指差す。

 

「あいつに渡したのは、俺が予備のパーツで作った精巧な『ダミー』だ。中身はただの車両整備用の古いログデータだよ。本物はこっちだ。傷一つつけずに持ってきたぜ」

 

「す、すげぇ! さすがおっちゃん!!」

 

デイビッドは歓喜の声を上げ、暁の肩をバンバンと叩いた。

 

「素晴らしい手際です。これで我々も次の一手が打てます」

 

良馬が安堵の表情でチップを受け取ると、連絡用にと渡された通信端末のモニターに藤堂平吾郎の顔が映し出された。

 

『首尾よくいったようだな。イワノフは今頃、ダミーのチップを処分して安心しきっているか、あるいは私が用意した”別の獲物”に血眼になっている頃だろう』

 

「別の獲物‥ですか?」

 

良馬が問い返す。

 

すると、モニターの画面が分割され、ジュリアの姿が映し出される。

 

「レインハート隊長」

 

「スピカ小隊の隊長さん、あんたイワノフに何かしたのかい?」

 

『ええ、スピカ小隊の通信回線を使った、ちょっとした”いたずら”よ』

 

ジュリアは悪戯っぽく微笑んだ。

 

『スピカ小隊の暗号通信に、わざとヒューベリオンのダミー座標や断片的な偽装データを混線させておいたのよ。特務情報部の優秀な通信傍受班なら、きっと見逃さずに食いついてくれると思ってね』

 

「なるほど」

 

ジュリアが行った行為にデイビッドがニヤリと笑う。

 

『イワノフたち特務情報部は当分、宇宙の果てに設定した存在しない幽霊船の幻影を追いかけることになる。その間に、我々はこの事態の核心に迫らねばならん』

 

藤堂平吾郎が表情を引き締め、良馬とデイビッドを見据えた。

 

「承知いたしました」

 

良馬は力強く頷き、手の中のチップを見つめた。

 

「それじゃあ、俺は引き続き、ビッグワンの修理に戻る。コスモ・マトリックスが解析出来たら、ビッグワンのシステムに組み込むんだろう?」

 

「ええ、そのつもりです」

 

「おっちゃん、ビッグワンの事を頼んだぜ」

 

「ああ、任せろ」

 

暁は再びビッグワンの修理のために整備場へと向かった。

 

「さて我々に残された時間は決して多くはありません。我が艦の技術班と共に、直ちにこのコスモ・マトリックスの解析とヒューベリオン、ビッグワンのシステムへの適合テストを開始しましょう」

 

「了解だ、艦長さん!!アルフォート星団帝国軍だろうがなんだろうが、俺たちの宇宙を勝手にさせるもんか。ブルースの無念を晴らすためにも、やってやりましょう!!」

 

特務情報部の暗躍を逆手に取り、銀河鉄道の枠を超えた異色のチームが今、未知の脅威に対抗するための静かな反撃の狼煙を上げたのだった。

 

 

コスモ・マトリックスの解析が密かにヒューベリオンで開始された翌日‥‥

 

学は予定通りベガ小隊へと出向していた。

 

今回のベガ小隊の任務は惑星ハイドにて、故障した列車の牽引任務であった。

 

「オーライ!!オーライ!!ストップ!!」

 

故障した列車とアイアンベルガーとの連結を確認する学。

 

そんな学の様子を見て、

 

「有紀の奴、落ち込んでいる様子がありませんね」

 

ベガ小隊通信レーダーパート担当のモーリッツ・シュナイダーが隣に立つ村瀬に声をかける。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「ああ、そうだな‥‥」

 

村瀬は腕を組みながら眼前でテキパキと牽引作業をこなす学の姿をジッと見つめる。

 

「だが、悔しい訳じゃあないだろうさ。仲間を失い、隊長であるバルジを奪われ、小隊そのものが無期限の活動停止にされたんだ。心の中じゃあ、深い悲しみと腸が煮えくり返るような思いをしているはずだ」

 

「では、なぜあんなに平然としていられるんですか?」

 

シュナイダーが不思議そうに訊ねる。

 

もし、自分が今の学の立場だとしたらきっと自暴自棄になっていただろう。

 

しかし、今の学の様子からシリウス小隊に居た頃と全く変わっていない様に見える。

 

村瀬はふっと息を吐き出し、シュナイダーの疑問に答える。

 

「あいつは、背負っているのさ」

 

「背負っている?」

 

「ああ、泣き言を言って立ち止まれば、仲間の死も、バルジの決断も全てが無駄になっちまう‥それに‥‥」

 

「それに?」

 

「それに、有紀の奴は何か別の『希望』を胸に秘めているような‥そんな顔をしているな」

 

「希望‥ですか‥‥」

 

「ああ」

 

「連結完了!!機関部、各接続ライン正常です!!」

 

「おう!!分かった!!」

 

学は村瀬に報告を入れ、軽く息を吐いて額の汗を拭った。

 

(デイビッド、月村艦長‥そっちは上手くやってくれているだろうか?)

 

学の胸中には、昨日ディスティニーのシリウス小隊の待機室で交わした極秘のやり取りが鮮明に焼き付いていた。

 

自分がベガ小隊で、ルイがスピカ小隊で普段通り‥‥いや、普段以上に真面目に目の前の職務を全うすることこそが、特務情報部の目を欺く最大のカモフラージュになる。

 

イワノフたちに『シリウス小隊の残党は完全に牙を抜かれ、大人しく従っている』と思い込ませなければならないのだ。

 

(ブルース‥‥見ていてくれ‥‥俺たちは絶対に諦めないから!!)

 

学は惑星ハイドの空を見上げて決意を固める。

 

「有紀、ご苦労だった。アイアンベルガーへ搭乗しろ。これよりディスティニーへ向けて出発する!!」

 

「了解しました!!」

 

学は力強く返事をし、アイアンベルガーへと駆け出していった。

 

 

一方その頃、ルイの出向先のスピカ小隊では‥‥

 

 

フレイムスワロー 指揮車両

 

「目標宙域のパトロール、異常ありません。軌道上のデブリの回収作業に移行します」

 

ルイは、特務情報部の監視の目を意識しながら、淡々と‥しかし完璧にスピカ小隊のオペレーションをこなしていた。

 

「ルイ、無理してない? 疲れたら代わるから言ってね」

 

そんなルイにジュリアが背後から優しく声をかける。

 

「ありがとうございます、ジュリア隊長。でも、大丈夫です。今は少しでも体を動かしていたい気分ですから」

 

ルイは微笑み返しながら答える。

 

彼女の笑顔に嘘はなかったが、ジュリアは彼女が心に秘めている「本当の任務」を知っている数少ない理解者だ。

 

ジュリアが仕掛けた偽装通信の甲斐もあって、スピカ小隊への特務情報部の監視は強まっているはずだが、ルイは一切のボロを出さなかった。

 

「そう?でも、いつでも頼ってちょうだいね。私たちはみんな、あなたたちシリウス小隊の味方なんだから」

 

「はい。ありがとうございます。ジュリア隊長」

 

ジュリアのその言葉に、ルイは深く頷いた。

 

そして、イワノフたち特務情報部が血眼になって探している「所属不明艦」――戦艦ヒューベリオンの極秘ドックでは、コスモ・マトリックスの解析作業が続いていた。

 

 

惑星ディスティニー 某所 ヒューベリオン 中央コンピューター室

 

「よし!! 第一層のプロテクト、突破しました!!」

 

技師長の綺羅の弾んだ声が、モニターの前に立つ良馬とデイビッドの耳に届く。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「やったか!?技師長!!」

 

良馬が身を乗り出す。

 

「はい。ビッグワンのシステムでは解析できなかった理由が分かりました。このコスモ・マトリックスは基礎となるプログラム言語の構造が、こちらの宇宙の常識とは全く違う多次元的なアルゴリズムで組まれています。ヒューベリオンの量子コンピューターをフル稼働させて、ようやく翻訳の糸口が掴めました」

 

「すげぇな、あんた!! じゃあ、ビッグワンへの適合もいけそうか!?」

 

デイビッドが興奮気味に拳を握る。

 

「ええ‥ですが、チップ単体のデータだけでは完全ではありません。それにまだプロテクトが残っています。まずは残りのプロテクトを全て解除した後、このシステムをビッグワンの機関、メインシステム、および火器管制システムと完全にリンクさせるには、直接ビッグワンの機関部へと赴いて、システムの最適化の調整を行う必要があります」

 

綺羅の説明では、遠隔操作ではビッグワンのシステムにコスモ・マトリックスのデータをインストールする事は出来ないみたいだ。

 

ビッグワンを強化するには直接ビッグワンのコンピューターにコスモ・マトリックスのシステムをインストールする必要がある。

 

「だが、ビッグワンは今、特務情報部の監視下のSDF車両の整備場にある。どうやってシステムをインストールしに行くかだ‥‥」

 

良馬が顎に手を当てて思案する。

 

特務情報部も用心深く、ビッグワンの修理・整備が終わるとシリウス小隊の隊員たちがビッグワンの奪取に来る可能性を考え、整備場の出入口には武装した警備員が居り、整備に来る整備員たちを厳しくチェックしている。

 

すると、通信モニターに整備主任の暁の顔が映し出された。

 

『へへっ、それなら心配ご無用だぜ、月村艦長』

 

油まみれの顔で、暁はニヤリと笑う。

 

『特務の連中がうろちょろしている昼間は無理だが、夜間シフトの時間帯なら、俺の権限で整備ブロックを一時的に封鎖できる。そのタイミングで、デイビッドと技術班の兄ちゃんたちをビッグワンの中へ引き入れてやるよ』

 

「おっちゃん!!さすがだぜ!!」

 

暁の提案にデイビッドが歓声を上げる。

 

「暁さん、感謝します。技師長、残りのプロテクトを解除次第、ビッグワンへのシステム適合用プログラムを構築しろ。準備が整い次第、夜を待って決行だ」

 

「了解しました、艦長」

 

静かに‥だが確実に、アルフォート星団帝国軍という未曾有の脅威が迫る中、理不尽な現実に立ち向かう者たちの「正しい反逆」の準備は整いつつあった。

 

しかし、そのアルフォート星団帝国軍も確実に、この銀河鉄道の宇宙へ侵攻の魔の手を伸ばそうとしていた‥‥

 

同僚を失い傷心のユーノ、そんな彼の身を案じたなのはの今後の進展について

  • 付き合っちゃえ
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