腐敗と狂気が蔓延する時空管理局で、不当な左遷を受けたフェイト・テスタロッサ・ハラオウンだが真の正義のために立ち上がる一方で、次元を隔てた地球では、星々を結ぶ新たな平和への歩みが始まっていた。
地球連邦政府は、外宇宙の脅威から命を護るための現実的な「盾」として、極限のステルス性と圧倒的な火力を誇る『宇宙列車・二号』を建造。
月村良馬を先遣隊の指揮官とし、惑星国家ディスティニーとの「恒久平和同盟」締結という重大な使命を帯びて次元の海へと発進した。
愛する家族たちから託された『地球の心』という温かな贈り物を、その冷徹な鋼鉄の装甲の内に抱いて。
順調な航海の最中、二号列車は民間車両からの悲痛な救難信号を傍受する。
現場へ急行した良馬たちが目にしたのは、空間鉄道警備隊(SDF)の象徴『ビッグワン』の姿を騙る偽物の宇宙列車によって蹂躙された凄惨な光景だった。
遅れて救助に駆けつけた本物のシリウス小隊の面々は、襲撃犯だと誤認した乗客たちから殺意にも似た激しい憎悪を向けられ、護るべき人々から拒絶されるという深い絶望に直面してしまう。
だが、彼らの底知れぬ絶望を救ったのは、次元を超えて駆けつけたかつての戦友・良馬たちだった。
良馬は偽ビッグワンの存在と、SDFの信頼を根底から失墜させようとする卑劣な陰謀を明かす。
そして、地球がディスティニーとの正式な同盟を望んでいること、この無骨な黒き要塞が理不尽な悪意から平和のレールを護り抜くための力であることを力強く語った。
地球の驚異的な技術力と、平和への強い執念に勇気づけられた学たちシリウス小隊は、再びその瞳に強い光を取り戻す。
交錯する二つの次元の運命を乗せ、SDFの誇る青き巨竜『ビッグワン』と、地球の黒き走る要塞『二号列車』は、迫り来る未知の陰謀を打ち砕くため、希望の地であるディスティニーへと並走していくのだった――。
漆黒の次元の海を、二つの巨大な光が並走して突き進んでいく。
偽ビッグワンによる理不尽な襲撃から救い出された乗客たちを収容し、本物の『ビッグワン』と地球産の『宇宙列車・二号』は、銀河鉄道の始発駅の惑星ディスティニーへと向かっていた。
静まり返った二号列車の司令車両では、副官席の新見がホログラムスクリーンを複数展開し、すさまじい速度でキーボードを叩いていた。
画面には、先ほど傍受した通信データから再構築された「偽ビッグワン」の映像が、様々な角度から解析・表示されている。
「月村指揮官。偽ビッグワンの光学映像をさらにエンハンスしました。やはり装甲の材質や細部のディティールは本物と異なりますが……厄介な構造をしていますね」
新見の言葉に、司令席の良馬はスクリーンへと視線を向けた。
不鮮明ながらも浮かび上がってきた偽物の姿を注意深く観察していた良馬は、ふと、その先頭車両に備え付けられた巨大なヘッドライトの形状に目を留めた。
(このライトの形状……ビッグワンというより、むしろ俺たちの二号列車に近いな)
良馬は背筋に微かな冷たさを感じた。
もし、この宇宙軍用列車・二号がステルス性を重視した「漆黒」ではなく、本物のビッグワンと同じような「黒と白」のカラーリングであったなら――。
暗い宇宙空間やパニック状態の民間人から見れば、ライトの形状が似ているこの二号列車こそが、襲撃犯の偽ビッグワンだと誤認されていたかもしれない。
「……この列車の色が、真っ黒で助かったな。白黒のツートンカラーだったら、俺たちが乗客から石を投げられていたかもしれない」
良馬が小さく安堵の息を吐きながらこぼすと、運転席で操縦桿を握っていた永倉が、肩越しに振り返った。
「全くです。いくら頑丈な装甲でも、護るべき民間人からの憎しみは弾き返せませんからね」
永倉はそこで言葉を区切り、少しだけ声を潜めて良馬に尋ねた。
「ところで指揮官。ディスティニーに到着した後のことなんですが……銀河鉄道管理局の『特務情報部』はどう出ますかね?」
「特務情報部か‥‥」
「ええ。前回、俺たちがヒューベリオンで次元を漂流してこの宇宙に流れ着いた時、あいつら、うちの戦艦を接収して俺たちの身柄を拘束しようとしてきたじゃないですか。今回もディスティニーに着いた途端、難癖をつけてちょっかいを出してくるんじゃないかと警戒しているんですがね」
永倉の懸念はもっともだった。
巨大な権力を持つ組織には、必ず裏の顔として暗躍する情報機関が存在する。
だが、良馬は静かに首を横に振った。
「その心配はないよ。前回は得体の知れない『漂流者』だったが、今回、我々は地球連邦政府から正式に派遣された『恒久平和同盟に関する外交特使の先遣隊』だ。もし我々の身に何かあれば、それはディスティニー側が地球との同盟を一方的に破棄し、敵対行動をとったと見なされる」
良馬の瞳に、外交官としての冷徹な光が宿る。
「それはつまり、地球に対して『武力制裁』を加える正当な口実を与えることになるんだ」
「なるほど……」
「ディスティニー上層部も馬鹿じゃない。アルフォート星団帝国軍との戦いにおける、ヒューベリオンの戦闘能力を見れば、地球がどれほどの軍事技術を有しているかは理解しているはずだ。アルフォート星団帝国以上の勢力と全面戦争になるような事態を、彼らが望むはずがない」
「じゃあ、今回は大手を振ってディスティニーに入国できるってわけですね」
永倉が安堵の笑みを浮かべたのも束の間、良馬は表情を引き締め直した。
「だが、油断は禁物だ。どんな巨大な組織であっても、決して『一枚岩』ではないからな。地球とディスティニーの同盟に反対する勢力や、現状のパワーバランスが崩れることを恐れる者たちが内部にいる可能性は高い」
良馬は再び、スクリーンに映る偽ビッグワンを一瞥した。
「俺たちの真の任務は、後からやって来る本隊――地球の外交特使団を、そうした内部の反対派や今回のようなテロリストの理不尽な悪意から護り抜くことだ。この極端な重武装もそのためにある」
「了解です。地球の使者の『盾』として、俺も最高の運転を見せますよ」
「うむ、頼んだよ」
永倉が力強く頷き、二号列車はさらに速度を上げて次元の海を進んでいった。
「新見さん。偽ビッグワンの武装については何か分かった事はあるかい?」
良馬は新見に偽ビッグワンの武装について訊ねる。
「現状、判明している武装は戦闘車両が五両と本列車同様、格納式のミサイル車両ですね。おそらくパルスレーザー搭載車両も連結されているとみていいでしょう。それに強力なシールド発生機能も‥‥」
新見は解析出来た偽ビッグワンの映像から搭載されている武装についての見解を述べる。
「他にも波動砲や大口径の陽電子砲も切り札としてもっているかもしれないな‥‥」
宇宙列車二号が解析した映像からは偽ビッグワンの全ての武装については解析は出来なかった。
しかし、この偽ビッグワンを放置する事はとてもできない。
(少々危険だが、敢えて接触して連中の武装をあぶりだす必要もあるか‥‥)
倒すにしても危険はあるが、相手の装備と実力を確認しなければと思う良馬であった。
一方、並走するビッグワンの司令車両でも、緊迫した通信作業が行われていた。
「ルイ、ディスティニーの銀河鉄道管理局本部へ緊急の暗号通信を開け」
司令席のバルジ隊長が、厳格な声で命じる。
「了解しました。暗号化回線、開きます」
オペレーターのルイ・フォート・ドレイクが素早くコンソールを操作し、本部との直通ラインを確保した。
「銀河鉄道管理局本部へ報告。先日起きたペルセウス線での貨物列車襲撃事件、および今回発生した民間車両襲撃事件の犯人は、我がシリウス小隊の『ビッグワン』の姿を精巧に模した偽物を使用するテロリストであると判明した。民間人に多数の死傷者が出ている」
バルジの報告に、学やデイビッドたちも悔しそうに唇を噛む。
「さらに、本部へ重大な報告がある。現在、本車両は所属不明とされていた漆黒の宇宙列車と並走し、ディスティニーへ帰還中である。この列車は、地球とディスティニーとの同盟締結のため、地球連邦政府より派遣された『外交使節団の先遣隊』である」
バルジは一つ深呼吸をし、かつての戦友の名を告げた。
「先遣隊の指揮官は、先のアルフォート星団帝国軍戦役において我々と共に肩を並べて戦った、月村良馬艦長だ」
バルジからの報告を受けて、ディスティニーの銀河鉄道管理局本部・運行司令室は、二重の衝撃によってハチの巣をつついたような騒ぎとなっていた。
「何だと!? 銀河鉄道を襲撃している犯人が、SDFの……それもビッグワンの偽物を使っているだと!?」
運行司令の藤堂平吾郎は、バルジからの報告書を手に、信じられないといった様子で声を荒げた。
「は、はい! さらにシリウス小隊からの報告によれば、地球から外交特使団の先遣隊が到着し、現在ビッグワンと共にこちらへ向かっているとのことです! 指揮官は、あのヒューベリオンの月村良馬氏だと……!」
オペレーターの報告に、藤堂は目を見開いた。
「あの月村艦長が‥‥地球の使者として帰ってきたというのか‥‥これは一大事だ、すぐにレイラ総司令に報告せねば!」
藤堂は急ぎ足で司令室を飛び出し、総司令官室へと向かった。
重厚な扉を開け、藤堂は息を切らしながら執務デスクに向かう女性――空間鉄道警備隊の頂点に立つ、レイラ・ディスティニー・シュラへと敬礼した。
「レイラ総司令! シリウス小隊より緊急入電です! 大変なことが起きました!」
藤堂は偽ビッグワンによる襲撃事件の真相、そして地球からの外交特使団の唐突な訪問について、一気に報告した。
しかし、報告を聞き終えたレイラは、藤堂が予想したような驚きの表情を微塵も見せなかった。
彼女は静かに微笑み、窓の外に広がるディスティニーの星空へと目を向ける。
「地球からの使者……月村艦長たちが到着しましたか?」
その声は穏やかで、まるで旧知の友の到着をあらかじめ知って、ずっと待ちわびていたかのようだった。
「総司令……? もしかして、地球からの訪問をすでにご存知だったのですか?」
藤堂が戸惑いながら尋ねると、レイラはゆっくりと振り返り、その慈愛と威厳に満ちた瞳を藤堂へと向けた。
「ええ。次元を超えた星々の結びつきは、すでに運命の軌道上にありましたから」
しかし、次の瞬間、レイラの表情から微笑みが消え、冷徹なまでの厳しさが宿った。
「ですが、人々の希望の架け橋である銀河鉄道を蹂躙し、空間鉄道警備隊の誇りを泥で汚すような卑劣な行いは、断じて許されるものではありません」
レイラは凛とした声で、藤堂に力強く命じた。
「藤堂司令。直ちに空間鉄道警備隊の総力を挙げ、この『偽ビッグワン』事件の徹底的な解明と、テロリストへの対処にあたってください。我々の誇りにかけて、平和のレールを脅かす悪意を打ち払うのです!」
「はっ! 直ちにSDF全部隊へ手配いたします!」
藤堂の力強い返答が響き、ディスティニーの中枢もまた、迫り来る未知の陰謀と次元の夜明けに向けて、激しく動き出そうとしていた。
銀河の交差点であり、無数の星々を繋ぐ軌道ネットワークの中心――惑星国家ディスティニー。
その巨大なターミナルステーションの専用プラットフォームに、二つの巨大な宇宙列車が静かに滑り込んだ。
空間鉄道警備隊が誇るシリウス小隊のビッグワン。
その隣に並ぶように停車した、極限のステルス装甲を纏う漆黒の宇宙列車・二号。
プラットフォームにはすでに多数の救急医療班が待機しており、列車のハッチが開くと同時に、迅速な救助活動が開始された。
「急げ! 重傷者は第一医療センターへ! 軽傷者はステーション内の処置室へ運べ!」
緊迫した声が飛び交う中、偽ビッグワンの襲撃によって傷ついた乗客たちが、次々とストレッチャーに乗せられて搬送されていく。
学たちシリウス小隊の面々、そして良馬をはじめとする二号列車のクルーたちは、その様子を沈痛な面持ちで見守っていた。
「……まずは一安心、といったところだな」
デイビッドが医療施設へと送られていく負傷者たちを見送りながら小さく息を吐く。
「ええ。ですが、私たちの本当の戦いはこれからです」
ルイが手元の端末で搬送状況を確認しながら、気を引き締めるように言った。
そこへ、足早に駆け寄ってくる人影があった。
運行司令の藤堂平吾郎である。
「バルジ、ご苦労だったな。乗客たちの救助、ご苦労だった」
「藤堂司令。偽ビッグワンに関する情報は、先ほどの通信でお伝えした通りです。奴らは現在もいずこかの宙域に潜伏しているはず……直ちに追撃の許可を」
バルジが敬礼と共に進言するが、藤堂は重々しく首を横に振った。
「気持ちは分かるが、シリウス小隊にはレイラ総司令より一時待機命令が出ている。偽物の解析と捜索は現在、特務情報部と他のSDF部隊が総力を挙げて行っている。お前たちは次の出撃に備え、まずは休息を取り、車体を万全の状態にしておけ」
「……了解いたしました」
バルジは無念さを滲ませながらも、指揮官としての冷静さを保ち、深く頷いた。
学もまた、悔しさに拳を握りしめたが、ふと隣を見る。
そこには、これから重大な外交任務に赴く良馬たちの姿があった。
(月村さん……俺たちも、必ずこの手でSDFの誇りを取り戻してみせます)
学の無言の決意を受け取ったかのように、良馬は彼に向けて小さく、しかし力強く頷き返した。
レイラがこの時、シリウス小隊に待機命令を出したのは、現在偽ビッグワン捜索の為、SDF各小隊が宇宙へ出ている。
そんな中で、本物ビッグワンまでもが偽ビッグワンの捜索に出ていたら捕捉した車両が本物なのか偽物なのかややこしくなる。
せめて偽ビッグワンの所在が確認されるまで待機して無用な混乱を避けると言う狙いがあった。
一方、良馬たち地球の先遣隊メンバーは、藤堂平吾郎の案内の下、銀河鉄道管理局の中枢・迎賓室へと案内されていた。
高い天井と荘厳な装飾が施された室内。
そこには、空間鉄道警備隊の総司令官であるレイラ・ディスティニー・シュラが、彼らを温かく出迎えるために待っていた。
「よく来てくださいました。月村艦長、そして地球からの使者の皆様。再びこのディスティニーでお会いできたこと、心より嬉しく思います」
レイラが慈愛に満ちた微笑みを浮かべ、優雅に頭を下げる。
かつて共に銀河の危機を救った戦友に対する、最大の敬意と歓迎の意がそこにはあった。
良馬は新見や永倉、アルバートと共に真っ直ぐに立ち、地球連邦軍の正式な敬礼を以てそれに応えた。
「温かい歓迎、感謝いたします。レイラ総司令‥‥しかし、偽ビッグワン騒動という銀河鉄道にとって大変な危機的状況の中、我々の訪問が重なってしまい、無用な混乱を招いてしまったこと、心よりお詫び申し上げます」
良馬が申し訳なさそうに切り出すと、藤堂平吾郎が豪快に笑って手を振った。
「何を言うか、月村艦長。謝る必要などどこにもない。むしろ、君たちが駆けつけてくれたおかげで、多くの命が助かったのだ。こんな時だからこそ、君たち地球の来訪は我々にとって『希望の光』なのだよ」
「藤堂司令の言う通りです。あなた方は、我々にとってかけがえのない友。どうか、顔を上げてください」
レイラの言葉に、良馬は少しだけ表情を和らげた。
「ありがとうございます。では、改めまして……今回の我々の訪問目的をお伝えいたします」
良馬は姿勢を正し、新見から一つの重厚なアタッシュケースを受け取った。
「地球連邦政府は、惑星国家ディスティニーとの間に『恒久平和同盟』を正式に締結することを決定いたしました。我々はその先遣隊として、両国間を繋ぐ超空間通信網(ネットワーク)の敷設、そして後続の外交特使団のための地ならしのために参りました。これは、地球連邦大統領からの正式な親書です」
良馬がアタッシュケースを開き、厳重に保管されていた親書をレイラへと手渡す。
レイラはそれを両手で恭しく受け取り、胸の前に抱いた。
「地球とディスティニーが、正式に手を取り合う……こんなに喜ばしいことはありません。この親書、確かに受け取りました。私たちも、全力を挙げてこの平和の歩みを支援いたします」
「重ねて感謝します……そして、もう一つ。こちらを受け取っていただきたい」
良馬が合図を送ると、永倉とアルバートが、居住区画から慎重に運んできた「特製コンテナ」をテーブルの上に置いた。
ロックを解除し、蓋を開けると、中には美しく包装された品々が整然と並べられていた。
「これは……?」
藤堂が目を丸くする。
「私の妻たち……ギンガとユリーシャから、レイラ総司令やディスティニーの皆さんへの個人的な贈り物です。地球の伝統的な茶葉、お菓子、それに工芸品などを見繕ってくれました」
良馬の脳裏に、出発の朝、笑顔でこれらの品を託してくれた二人の顔が浮かぶ。
「彼女たちは言っていました。『どれだけ強固な同盟や条約を結んでも、最後に星と星を繋ぐのは、そこに生きる人々の心だ』と。冷たい鋼鉄の列車でやって来ることになりましたが、我々が本当に届けたかったのは、この温かな『地球の心』です」
その言葉を聞いたレイラは、コンテナの中に収められた品々を愛おしそうに見つめ、やがてその美しい瞳から一筋の涙をこぼした。
「ギンガさん、ユリーシャさん……。ええ、確かに受け取りました。条約という書面だけでなく、こうして心を届けてくださったこと……地球の皆様の深い愛情に、言葉もありません」
レイラは涙を拭い、満面の笑みで良馬たちを見つめ返した。
「月村艦長。未知の陰謀が渦巻き、不安に包まれる今の私たちにとって、これ以上の贈り物はありません。この『地球の心』……大切に、大切にさせていただきます」
鋼鉄の軍用列車が運んできたのは、圧倒的な武力だけではない。
次元を超えて結ばれた、確かな絆と平和への願い。
偽りの脅威が銀河を覆い隠そうとも、その温かな光は、決して消えることはないのだと証明するように、迎賓室は穏やかな希望の空気に包まれていた。
温かな交流の余韻が部屋を包み込む中、良馬はふと目を伏せ、小さく息を吐いた。
そして再び顔を上げた時、その瞳から先ほどまでの穏やかな外交使節としての光は消え去り、百戦錬磨の『軍人』としての鋭い眼光が宿っていた。
「……レイラ総司令、藤堂司令。親書の引き渡しという我々の第一の任務は無事に果たせました。ここからは、共に外宇宙の脅威と戦った一人の軍人として、少し意見を述べさせていただきたい」
良馬の声音の変化に呼応するように、レイラと藤堂もまた、友人を歓迎する顔から『銀河鉄道の治安を預かるトップ』としての厳格な顔つきへと変わる。
「ええ、構いません。月村艦長の忌憚のない意見をお聞かせください」
レイラが真っ直ぐに良馬を見据えて頷いた。
「先ほど我々も遭遇した『偽ビッグワン』による民間車両襲撃事件についてです。本物のビッグワンが到着するまでの短い時間でしたが、我が宇宙列車・二号のセンサーで奴らの武装や機体構造のデータを収集しました。結論から言えば、あれは張りぼてや見掛け倒しなどではなく、極めて性能が高い戦闘能力を持った正真正銘の『武装列車』です」
良馬の言葉に、藤堂が苦渋に満ちた表情で口を開いた。
「バルジ隊長からの報告と照らし合わせても、君の言う通りだ。奴らは強力なシールド発生装置やミサイル群、そして複数両に渡る戦闘車両を連結していた。現在、バルジたちシリウス小隊には待機を命じているが、他の全SDF小隊――スピカ、ベガ、デネブいった各主力部隊をすべてディスティニーから発進させて、偽ビッグワンの捜索と追撃に当たらせている」
SDF全小隊を挙げての捜索。
事態の深刻さが窺える処置だった。
良馬は少しだけ顎に手を当て、思考を巡らせるように二人へ問いかけた。
「そこで、お二人にお聞きしたい。この宇宙において、ビッグワンクラスの装甲列車および戦闘列車というものは、一介のテロリストが『手軽に』建造できるものなのでしょうか?」
「手軽に……だと?」
藤堂が眉をひそめる。
「ええ。我々地球も以前、レイラ総司令から託された宇宙列車の設計図を基に、地球における科学技術の総力を挙げてあの『二号列車』を建造しました。無数の宇宙列車が日常的に宇宙空間を運行しているこの宇宙の技術水準ならば、設計図さえ手に入れば、意外と裏社会の工場などでも作れてしまうものなのか?……そう思っての質問です」
(もしそうなら、テロリストの資金源を絶つか、部品の流通経路を洗えば尻尾が掴めるはずだ……)
良馬は内心でそう推理を立てていたが、レイラから返ってきた答えは明確な『NO』だった。
「それは、あり得ません」
レイラが静かに、しかし断固とした口調で首を横に振った。
「月村艦長の仰る通り、民間用の通常列車であれば、ある程度の設備を持つ工場で資金と資材があれば建造することは可能です。しかし、空間鉄道警備隊が運用する『戦闘用宇宙列車』――ましてやビッグワンと同等の車体となれば、話は全く別です」
藤堂もレイラの言葉を引き継ぐように、力強く頷いた。
「総司令の言うその通りだ。あのような巨大な質量兵器を動かすための超高出力機関、次元流に耐えうる特殊装甲材、それに付随する高度な火器管制システム……どれをとっても、それなりのノウハウと大規模な軍事専用の工場、そして莫大な資金に資材、特殊な建造設備や機器が不可欠なのだ」
藤堂は拳を握りしめ、苛立ちを隠せない様子でテーブルを軽く叩いた。
「バルジからの戦闘データも確認したが、あれほどの代物を、場末の密造工場でこっそり作ることなど絶対に不可能だ。だが……いつ、どこで、誰があの偽ビッグワンを建造したのか、この時点ではまだ特務情報部の網にも一切引っかかっていない」
「なるほど。単なる一介のテロリストの仕業で片付けられる規模ではない‥‥ということですね?」
良馬の脳裏に、かつての戦いの記憶――巨大な権力や組織の裏で糸を引く、底知れぬ悪意の存在が過った。
「ええ」
レイラが沈痛な面持ちで目を伏せる。
「銀河鉄道の根幹を揺るがすほどの資金力と技術力、そしてそれらを完全に隠蔽できるだけの『力』を持った何者かが、この事件の裏には確実に存在しています」
巨大な偽りの列車を生み出した、見えざる敵。
和やかな歓迎ムードから一転、迎賓室には、見えない陰謀の影が重くのしかかっていた。
その頃、偽ビッグワンを捜索に出たSDF各小隊からは未だに偽ビッグワン発見の報告が入らない。
そんな中、運行指令室に特務情報部の制服を着た一人の男が入って来た。
「ん?藤堂司令はどこかな?」
「藤堂司令は現在、総司令と共に迎賓室で来客の対応中です」
オペレーターが藤堂平吾郎の行方を伝える。
「大至急、お会いしたい。偽ビッグワンについての情報が入ったのだ」
「りょ、了解」
オペレーターは急ぎ迎賓室へ内線を入れる。
迎賓室に設置されていた電話があり、藤堂平吾郎が出る。
「私だ‥‥なにっ!?それは本当か!?‥‥うむ、分かった。直ぐに行く」
「どうかなさいましたか?」
「特務情報部が偽ビッグワンについての情報を掴んだそうだ。総司令、私は席を外します」
藤堂平吾郎はレイラに一礼した後、迎賓室を後にして運行指令室へと向かった。
一方、宇宙空間でも動きがあった。
空間軌道に設置されていた監視衛星の一つが偽ビッグワンの姿を捕捉したのだ。
「目標を発見しました!!目標は現在‥‥」
偽ビッグワン発見の知らせはシリウス小隊の待機室にも伝えられた。
バルジは即座に出動命令を出す。
偽ビッグワンの居場所が知れたのだから本物が待機している必要もないとの判断だ。
運行司令部もシリウス小隊の出動を許可した。
ビッグワンは自分たちに濡れ衣を着せた偽物を討伐する為に夕陽が照らすディスティニーを出発した。
その頃、藤堂平吾郎は特務情報部所属のフーバーと共に一人の背広を着た男と会議室で面会をしていた。
「こちらはヘッケラー社のケッセルリンク氏です」
「ヘッケラー社?あの軍需産業の?」
「はじめまして」
ケッセルリンクは藤堂平吾郎に一礼する。
そして、今日此処へ来た理由を話す。
その話を聞き藤堂平吾郎を思わず面をくらう。
「ビッグワンの設計図をヘッケラー社に提供しただと!?」
「上層部が許可を出しました」
フーバーが補足説明をする。
銀河鉄道上層部が軍需産業のヘッケラー社にビッグワンの設計図を渡していたので、決して無許可に持ち出された訳でない。
「何故、ビッグワンの設計図をヘッケラー社に渡した?」
しかし、何故銀河鉄道上層部はビッグワンの設計図をヘッケラー社に渡したのか?
ケッセルリンクはちゃんとその理由を話す。
「SPGの新型車両を造るためです。最強のね‥‥」
「SPGの?‥‥そんな話、聞いていないぞ」
銀河鉄道の運行に携わる自分にその様な話は知らされていなかった。
アルフォート星団帝国軍との戦い後、銀河鉄道、空間鉄道警備隊は再建を余儀なくされた。
それは先の大戦で殉職した空間装甲擲弾連隊‥SPGも例外ではない。
隊長であったフレデリック・ヨハンソン以下、主要隊員が殉職してしまい、専用車両であった666号も破壊されてしまったので、新たな隊員、新たな専用車両の補充は銀河鉄道にとって急務であった。
そのSPGの専用車両の発注を銀河鉄道から受けたのがヘッケラー社であった。
「新型専用車両の仕様はこのようになっております」
ケッセルリンクは端末を起動させて藤堂平吾郎に見せる。
「これはっ!?」
そこには先の襲撃事件の犯人とされた偽ビッグワンの姿が表示されていた。
「馬鹿な……!?これが、先ほどから我々を悩ませている『偽ビッグワン』の正体だというのか!?」
藤堂平吾郎は端末に映し出された漆黒と白の禍々しい装甲列車の設計図から目を離せなかった。
先ほどバルジから送られてきた戦闘データ、そして月村良馬たち宇宙列車・二号が収集した機体の特徴と、目の前の設計図は寸分違わず一致していたのだ。
「ええ。我々ヘッケラー社が持てる技術の粋を集めて建造した、次世代のSPG(空間装甲擲弾連隊)専用の戦闘列車……通称『ブラック・ワン』です」
ケッセルリンクは全く悪びれる様子もなく、涼しい顔で答えた。
「ビッグワンの設計図を基に、より戦闘に特化させた重武装。さらには最新鋭のシールド発生装置や高出力のパルスレーザーまで搭載しています。まさに、次代の銀河鉄道の治安を守る『最強の盾』となるはずの車体でした」
「『はずだった』……だと?」
藤堂平吾郎の声が低くドスを効かせたものに変わる。
「ええ。残念ながら、完成直後に我がヘッケラー社の製造工場に保管されていた所、あのジャック・ブルームの手によってメインシステムをハッキングされ、車体ごと強奪されてしまったのです。銀河鉄道への襲撃は、ジャック・ブルームが車体の性能テスト、あるいはSDFへの当てつけとして行っているものと推測されます」
ケッセルリンクの淡々とした説明に、藤堂平吾郎の怒りは限界に達した。
「強奪されただと!? なぜそれをすぐに報告しなかった!?お前たちが保身のために事実を隠蔽していたせいで、罪のない民間人が何人も死傷し、あまつさえシリウス小隊が謂れのない憎悪を向けられ、濡れ衣を着せられたのだぞ!?」
バンッ! と藤堂平吾郎が分厚い会議室のテーブルを両手で激しく叩く。
しかし、特務情報部のフーバーは冷笑を浮かべたまま、肩をすくめた。
「上層部の判断ですよ、藤堂司令。SPGの次世代車両が、完成直後に宇宙海賊に奪われ、銀河鉄道を襲撃し、民間人を虐殺しているなどと世間に知れ渡れば、銀河鉄道管理局とSDFの信用と威信は地に墜ちる。だからこそ、我々特務情報部が極秘裏に処理する予定だったのです」
「管理局の威信だと……? 人命より、つまらん面子を優先したというのか!?」
(こいつもイワノフと同類か‥‥)
藤堂平吾郎はギリッと奥歯を噛み締めた。
銀河鉄道上層部の腐敗は、次元を超えた地球からの使者――月村良馬が危惧していた「一枚岩ではない内部の闇」そのものであった。
「……現在、シリウス小隊のビッグワンが当該車両の追撃に向かっている。奴の性能は、ビッグワンと互角、いや、武装の面ではそれ以上なのだろう?」
藤堂平吾郎が額に脂汗を滲ませながら問うと、ケッセルリンクは薄く笑った。
「互角?ご冗談を‥ブラック・ワンの戦闘力は、旧型のビッグワンの性能を遥かに凌駕していますよ。まともに正面から撃ち合えば、シリウス小隊に勝ち目はありません」
「なんだと……!!」
藤堂平吾郎は即座に踵を返し、会議室のドアへと向かった。
「藤堂司令、何処へ?」
「運行指令室へ戻る! シリウス小隊にブラック・ワンの全データを送信し、直ちに増援を送らねばならん!」
藤堂平吾郎が血相を変えて会議室を飛び出し、運行指令室に戻ると、彼はレイラに偽ビッグワンの正体を伝える。
『……というわけです。偽ビッグワンの正体は、ヘッケラー社が極秘裏に建造していたSPGの新型車両でした。現在、シリウス小隊が追撃に向かっていますが、敵の戦力はビッグワンを上回っている可能性があります』
藤堂平吾郎からの報告を聞き終えたレイラの表情に、深い悲哀と微かな怒りが入り混じる。
「上層部が、ヘッケラー社に極秘でそのような物を発注していたなんて……しかも、それが宇宙海賊の手に落ちた結果、あのような事が……」
レイラは深く息を吐き、静かに目を閉じた。
その様子を黙って聞いていた良馬は、新見と永倉に鋭い視線を向けた。
「月村指揮官。これは、地球の外交特使団を迎え入れる前の『ディスティニーの内部問題』です。我々が深く介入すれば、内政干渉と取られかねませんが……」
新見が副官としての冷静な見解を述べる。
だが、良馬は決然とした表情で首を横に振った。
「私たちがここへ来た目的は、『恒久平和同盟』の締結のための地ならしだ。銀河鉄道の平和を脅かす悪意を見過ごして、何が同盟か?それに……彼らは、かつて共に次元の波を乗り越えた『戦友』だ」
良馬はレイラに向き直り、一人の軍人として、そして友として深く一礼した。
「レイラ総司令。我が『宇宙列車・二号』の出撃許可を‥‥あの時の様に協力要請を出して下さい!!さすれば、私たちも、シリウス小隊の援護に向かいます!!」
「月村艦長……」
レイラは良馬の真っ直ぐな瞳を見つめ返し、やがて力強く頷いた。
「お願いします。どうか、彼らを‥‥学やバルジ隊長たちを護ってください‥‥」
「了解しました。永倉君、直ちに二号列車の機関を始動しろ! 新見さんは先ほど送信されてきたブラック・ワンの設計データと我々が収集した戦闘データを照合、弱点を洗い出せ!」
「「はっ!!」」
迎賓室を後にする良馬たちの背中は、再び冷徹な『矛と盾』を背負う軍人のものへと戻っていた。
良馬たちが銀河鉄道の暗部たる『ブラック・ワン』との戦いに向けて、再び冷たい次元の海へと出撃しようとしていた頃――。
次元を隔てた地球‥海鳴市の閑静な高台に位置する月村邸は、宇宙の喧騒が嘘のような、穏やかで暖かな午後の陽射しに包まれていた。
手入れの行き届いた広大な日本庭園では、初夏を思わせる爽やかな風が木々の葉を揺らし、心地よい音を立てている。
その縁側に腰を下ろし、静かに抹茶の入った湯呑みを傾けていたのは、月村家当主である月村忍だった。
彼女は優しげな目を細め、庭で元気に駆け回る二人の幼い少女と、それを見守る二人の母親の姿を見つめていた。
「……良馬は今頃、無事にディスティニーへ到着した頃かしらね」
忍の呟きは、青く澄み渡った空へと吸い込まれていく。
「やぁっ! とぉっ!」
庭の中央で、長い黒髪を揺らしながら元気いっぱいに空手のような型を披露しているのは、良馬とギンガの間に生まれた娘の誉だった。
その活発さは、母親であるギンガ譲りだ。
「ふふっ、誉。蹴りの時はもう少し重心を落とした方がいいわよ。お父さんが帰ってきた時に、かっこいいところを見せなくちゃね」
ギンガは、娘の元気な姿に目を細めながら、優しくアドバイスを送る。
かつて最前線で戦い抜いた彼女の瞳には今、母としての温かな光が満ちていた。
「うんっ! あのね、お母さん。お父さんは、今頃宇宙で悪い奴らをやっつけているかな? まっくろな二号列車で、ドカーン! って!」
無邪気に笑う誉の頭を、ギンガは優しく撫でた。
「フフ、お父さんはね、ただ戦うために行ったんじゃないのよ。星と星のみんなが、これからもずっと笑顔でいられるように……お友達になるための『ご挨拶』に行っているの。だから、誉たちのお土産も一緒に持っていってくれたでしょ?」
「そっか! じゃあ、宇宙の人、クッキー食べてくれたかなぁ」
誉の言葉に、少し離れた場所で日傘を差し、優雅に微笑むもう一人の妻――ユリーシャが応えた。
「ええ、きっと喜んでくれているわ。私たちが選んだ地球の紅茶と一緒なら、どんなに冷たい宇宙の風も、きっと温かく感じられるはずよ」
ユリーシャの腕の中には、良馬と彼女の間に生まれた娘、友莉葉が大人しく抱かれていた。
透き通るような金色の髪と、宝石のように美しい瞳を持つ友莉葉は、母親の服の袖を小さな手でぎゅっと握りしめている。
「パパ……早く帰ってくる?」
少し寂しそうに空を見上げる友莉葉のふっくらとした頬をユリーシャは愛おしそうに指先で撫でた。
「大丈夫よ、友莉葉。パパはとっても強くて、そして何より……私たちのことを世界で一番大切に想ってくれているもの。どんなに遠く離れた星にいても、必ずこの温かいお家に帰ってくるわ」
(……リョーマ。あなたが護ろうとしている平和の形は、ここにあるわ。どうか、無理だけはしないで)
ユリーシャは内心で夫の無事を強く祈りながら、友莉葉をそっと抱きしめた。
縁側でその光景を見ていた忍が、フフっと柔らかく笑う。
「まったく、良馬も果報者ね。こんなにも愛らしい娘たちと、立派な奥さんたちに帰りを待ってもらえるのだから……でも、あなたたちが持たせた『地球の心』は、間違いなく向こうの星の方々の心を打つはずよ。軍艦や大砲だけじゃ、本当の同盟なんて結べないもの」
「はい、忍さん‥‥」
ギンガが姿勢を正し、力強く頷く。
「私たちは、あの漆黒の二号列車が……良馬さんが、ただの『恐ろしい兵器』として向こうの人たちに恐れられるのだけは避けたかったんです。あの列車の中に息づいているのは、地球の温かい心と、家族を想う愛なのだと、少しでも伝わってくれれば……」
(良馬さん……あなたにはいつも重い十字架を背負わせてしまっているけれど。でも、あなたなら絶対に、どんな陰謀も理不尽な悪意も打ち砕いて、平和のレールを繋いでくれるって信じていますよ)
ギンガもまた、青空の向こう側にいる夫へと思いを馳せた。
「おーい!友莉葉、一緒にあそぼー!」
「うん……!」
誉に手を引かれ、友莉葉がとてとてと芝生の上を歩き出す。
庭には再び、子供たちの屈託のない笑い声が響き渡った。
この絶対的な平穏。愛する家族たちの笑顔。
これこそが、月村良馬という一人の男が、いかなる巨大な悪意を前にしても決して退かず、極限のステルス装甲と火力を以て護り抜こうとしている『地球の真の宝』であった。
「……さあ、私たちも夕食の支度を始めましょうか?」
忍の言葉に、ギンガとユリーシャは「はい」と華やかな笑顔で応えた。
遥か彼方の次元の海で、血で血を洗う陰謀と激闘が幕を開けようとしていることなど知る由もない。
ただひたすらに、愛する者の帰還と平和な未来を信じる彼女たちの想いは、見えない光となって、漆黒の宇宙を往く『二号列車』へと確かに届いていた――。
同僚を失い傷心のユーノ、そんな彼の身を案じたなのはの今後の進展について
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付き合っちゃえ
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お友達のままで