宇宙海賊シーマ・ガラハウの冷徹な策謀と卓越した操艦技術の前に愛艦『オベロン』を大破されたフェイト・テスタロッサ・ハラオウンは、敗北の屈辱を胸に刻み、極秘裏に建造された次元航行艦『ナディア』を正式な管理局艦にする裏工作を行い、正式に管理局の次元航行艦として登録する事に成功する。
シーマへの反撃の刃として次元の海へと抜錨した。
抜錨後は歴戦のクルーたちと共に血の滲むような過酷な訓練を重ねる日々を送る。
暗礁宙域にてついに補獲したシーマの旗艦『リリー・マルレーン』に対し、フェイトとナディアのクルーたちは研ぎ澄まされた戦術と連携で猛攻を仕掛け、敵の反転機動をも強引にねじ伏せて追い詰める。
しかし、シーマはフェイトの緻密な予測すら逆手に取り、回避先に仕掛けた罠と重力震爆弾による空間破壊で混乱を生み出し、惜しくも逃亡を許してしまうのだった。
限界を超えた機動とダメージを拭うため、ナディアは最寄りの第63管理世界『ルークス』へと寄港する。
しかしそこでフェイトが目にしたのは、表向きの復興とインフラ整備の陰で、治安維持と過激派テロ防止を名目に市民を力で抑圧する時空管理局の姿だった。
ルークス支部のガリウス司令は「次元獣からの保護と大局的な平和のためには強権的な管理も不可欠」と正論を語るが、スラム街を訪れたフェイトは、正義が権力化して歪み、虐げられる人々の悲痛な叫びを直接耳にする。
レジスタンスの少女リーゼルとの出会いを通じて、フェイトは「誰かを泣かせるような正義」への激しい葛藤と疑問を抱くのだった。
さらに、ガリウスが進める過剰な希少鉱石の採掘と、シーマがこの宙域を逃走ルートに選んだ事実から、管理局の腐敗が生み出した裏ルートの資源が巡り巡って宇宙海賊の資金源となっている構造的な闇に気づく。
一方、次元の壁を隔てた地球圏では、惑星ディスティニーとの歴史的平和同盟に基づき、SDF(空間鉄道警備隊)の重武装列車『ビッグワン』とシリウス小隊が到着した。
「力による支配」ではなく「対話と相互理解」による真の平和を目指し、新たな一歩を踏み出していた。
「目的のために誰かの自由を奪う正義なんて信じない」――
武力による偽りの秩序を排し、本当の自由を取り戻すため、そして時空管理局の足元に巣食う腐敗と宇宙海賊との因縁を断ち切るため、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンとナディアのクルーたちは、レジスタンスと共にルークス解放作戦へと立ち上がるのだった。
薄暗い浄水施設の跡地。ホログラムの粗い立体地図が、フェイトとリーゼルたちの顔を青白く照らしている。
「ガリウスが私腹を肥やし、犯罪者に流している希少鉱石『ルミナス・クォーツ』……その大規模な裏取引が、今夜、第4採掘施設跡の隠しドックで行われるわ」
リーゼルが地図の一点を指差した。
「私たちが市街地で陽動をかける。その隙に、あなたが取引の現場を押さえて証拠を奪う……できるわね、管理局のエリートさん」
リーゼルの瞳には、まだ完全な信頼はない。
だが、すがるような希望と、この星の未来を懸けた覚悟が宿っていた。
フェイトは真っ直ぐに見つめ返し、深く頷いた。
「ええ。必ず……管理局の執務官として、そして私自身の誇りにかけて」
(なのは、はやて……ごめんね。私は今から、管理局の支部に牙を剥く。でも……この制服が、誰かの涙と犠牲の上に成り立つものだとしたら、私はそれを許せない)
右手に握る愛機バルディッシュの冷たい感触を確かめ、フェイトは揺るぎない決意を固めた。
夜の帳がルークスを包み込む。
だが、その静寂は長くは続かなかった。
「……第2セクター、及び第5セクターで散発的な爆発! レジスタンス共のテロです!」
ルークス支部の中央管制室で、オペレーターの切迫した声が響き渡った。
ガリウス司令は忌々しげに舌打ちをする。
「薄汚いネズミどもめ‥‥私設警備隊を向かわせろ。正規の局員は警備を固め、中枢へ近づかせるな。……今夜は大事な『客』が来るのだ」
「はっ!」
慌ただしく動き出す管制室を尻目に、ガリウスは自らの端末で秘密裏に通信を開いた。
ノイズ交じりのモニターに映し出されたのは、サウンドオンリーと表示されており、
『‥‥ガリウス司令。約束の日は今日なのだぞ?それなのにテロだなんて‥‥おたくの警備も大したことないのではないか?』
「ご安心を、取引には影響ありません。予定通り、第4採掘施設跡の隠しドックへお越しください。極上の『ルミナス・クォーツ』をご用意しておりますよ」
ガリウスの口角が歪む。
希少鉱石の裏取引‥‥それは、彼にとって巨万の富を生むだけでなく、ルークスでの支配を強固にするための重要な資金源だった。
表向きは『過激派テロの鎮圧』と『治安維持』を掲げながら、裏では海賊と結託し、星の資源を搾取し続ける。
それが、ガリウスの歪んだ正義の形だった。
一方、フェイトは、レジスタンスの陽動に乗じて第4採掘施設跡へと潜入していた。
廃棄された巨大な採掘重機が立ち並び、薄暗い施設内は迷路のように入り組んでいる。
ナディアの艦橋からチンクがナビをしてフェイトを現場へと導いている。
「艦長、前方の広場に複数の熱源反応。……武装した私兵が十数名、そして、大型の輸送艇が停泊しています」
「ガリウスの私設警備隊……それに、あの輸送艇は‥‥」
暗闇に身を潜め、フェイトはバルディッシュを握り直した。
輸送艇には管理局のエンブレムは無い。
偽装された民間の輸送船――いや、あれは海賊の船だ。
「チンク、通信網のジャミングを頼める?」
「お任せを……五分間なら、ここら辺の全ての通信を完全に遮断できます」
「十分よ。行くわ!」
フェイトの体が、金色の閃光となって闇夜を駆け抜けた。
圧倒的なスピードで広場に躍り出ると同時、バルディッシュが雷光を纏って私兵たちを薙ぎ払う。
「なっ!? なんだ!?お前は!?」
「レジスタンスの増援か!?」
「違うわ!」
私兵たちが混乱する中、フェイトは高く跳躍し、空中でバルディッシュをアサルトフォームへと変形させた。
「時空管理局・次元航行艦隊所属、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン! 貴方たちを、局の規定違反および海賊との内通容疑で拘束します!」
金色の雷光が広場を照らし出す。
その圧倒的な魔力と威圧感に、私兵たちは一瞬たじろいだが、すぐに銃口をフェイトへと向けた。
「本部の執務官だと!? ええい、撃て! 構わん、殺せ!」
無数のレーザーが交差する。
だが、フェイトは空中で身を翻し、滑るように銃弾の雨をくぐり抜けると、バルディッシュの一撃で私兵たちの武器を次々と破壊していった。
「くっ、強い……!」
「退け! 輸送艇を死守しろ!」
私兵たちが後退する中、フェイトは輸送艇のタラップへと近づく。
そこには、厳重にロックされた巨大なコンテナが積まれていた。
「……これが、ルミナス・クォーツ」
フェイトはバルディッシュの刃でロックを破壊し、コンテナの扉を開けた。
まばゆいばかりの青い光が、暗闇を照らし出す。
それは、ルークスの大地が育んだ希少な資源であり、この星の未来のためのものだった。
「これを……犯罪組織に売り渡して、私腹を肥やしていたのね……ガリウス司令!」
怒りに震えるフェイトの背後から、冷酷な声が響いた。
「ほう。まさか本部のエリート様が、こんなドブさらいみたいな真似をするとは思わなかったぜ」
振り返ると、そこに立っていたのは、屈強な男たちを引き連れたガリウスだった。
彼は忌々しげにフェイトを睨みつけている。
「ガリウス司令……あなたがルークスで行ってきた悪行は、すべてミッドの司令部に報告させてもらいます」
「報告? ハッ! ここで死ねば、お前もテロリストの犠牲者の一人だ。誰も真実など知る由もない」
ガリウスが指を鳴らすと、周囲の暗闇からさらに多数の私兵たちが姿を現し、フェイトを完全に包囲した。
「それに、お前のような小娘に何が分かる……我々が来なければ、この星の文明レレベルは低いままだったのだぞ!?それを 我々が技術提案をし、治安を維持し、インフラを整備したからこそ、今のルークスがあるのだ!」
「だからといって、人々の自由を奪い、力で支配することが許されるわけじゃない!」
フェイトはバルディッシュを強く握りしめた。
「あなたは『平和のため』と言いながら、実際は自分の権力を守り、私腹を肥やすために人々を犠牲にしているだけじゃない! そんなの、正義でも何でもない。ただの傲慢な暴力よ!」
「綺麗事を並べるな! 大義には犠牲が伴うのだ!」
ガリウスの怒声と共に、私兵たちが一斉にフェイトへと襲い掛かった。
だが、フェイトの決意は揺るがない。
彼女の眼差しには、ルークスの人々の悲痛な叫びと、リーゼルの託した希望が宿っていた。
「……私は、負けない!」
金色の雷光が、暗闇を切り裂き、ルークスの夜空に激しく瞬いた。
一方、その頃。
ルークスの軌道上で待機していた『ナディア』の艦橋では、チンクの下にある報告が齎される。
「副長! ルークス宙域に、所属不明の艦が急接近しています!」
オペレーター兼通信員のミリアリアがルークスに接近する不明艦の反応を捕捉する。
「なんだと!? 識別信号は!?」
「照合中……出ました! 識別信号、シーマ・ガラハウの海賊艦ではありません! これは……多星間密輸カルテル『ブラッド・シンジケート』の武装輸送艦隊です!」
ミリアリアの緊迫した報告に、ブリッジにいたチンクをはじめとするナディアのクルーたちは息を呑んだ。
「シーマじゃ、ないだと!?」
ガリウスの不審な動きと、シーマがこの近くに居た二つの点から、このルークスで密かな物資の補給と裏取引が行われると推測していた。
だが、その読みは外れたのだ。
シーマはもう完全に宙域には居ない。
地上で私兵たちに包囲されているフェイトの耳元のインカムにも、すぐさまチンクからの緊急通信が飛び込んできた。
『艦長! 上空に接近中の艦はシーマの艦ではありません! 別の密輸組織のものです! ガリウスの取引相手は、シーマじゃありません!』
飛び交うレーザーをバルディッシュで弾き落としながら、フェイトは目を丸くした。
(シーマじゃない……!? じゃあ、ガリウスは複数の裏ルートを使って、いくつもの犯罪組織とも結託していたというの……!?)
それは完全に予想外の事態だった。
憎きシーマの足取りを掴む絶好の機会だと思っていたフェイトにとって、手掛かりが直前ですり抜けたことへの焦燥がないわけではなかった。
だが、フェイトの迷いは一瞬で消え去った。
視線の先には、傲慢な笑みを浮かべるガリウスと、今まさに密輸組織へ引き渡されようとしている莫大な量の『ルミナス・クォーツ』がある。
相手がシーマであろうとなかろうと、彼が自身の権力を守り、私腹を肥やすためにルークスの人々を犠牲にしているという事実は何一つ変わらない。
「……相手が誰だろうと、関係ないわ!!」
フェイトの呟きは、確かな熱を帯びていた。
彼女の深紅の瞳に、揺るぎない正義の光が再び宿る。
「ガリウス司令! 貴方の取引相手がシーマ・ガラハウでなかったとしても……この星の資源を不当に売り捌き、人々を虐げてきた罪は絶対に消えません!」
フェイトの凛とした声が、広場に響き渡る。
しかしガリウスは余裕の表情を崩さず、鼻で笑った。
「ハッ、強がりを‥‥これからここへ降りてくるのは泣く子も黙る凶悪なシンジケートの連中だ! 貴様のような小娘一人、重武装の彼らが降下してくれば塵に等しい!」
「一人じゃないわ!」
フェイトが叫んだその瞬間、上空の暗雲を切り裂くように、まばゆい光の帯が降り注いだ。
それは施設外郭に展開しようとしていたシンジケートの先行降下艇を寸分の狂いもなく正確に撃ち抜いた。
次元航行艦『ナディア』からの精密支援射撃だ。
『上空の密輸艦隊は、本艦が抑えます! 艦長たちはそのまま制圧を!』
インカムから響くチンクの頼もしい声に、フェイトは口元に笑みを浮かべた。
「ありがとう、チンク!……一気に決めるわよ、バルディッシュ!」
『Yes, sir.』
空中に身を躍らせたフェイトの全身から、黄金の魔力が爆発的に膨れ上がる。
「プラズマ・スマッシャー!!」
放たれた幾筋もの雷撃が、私兵たちの持つブラスターや武装だけを的確に破壊し、彼らを次々と昏倒させていく。
命を奪うことなく、圧倒的な力で戦意と戦闘能力のみを削ぎ落とす。
それは、管理局の執務官として、そして歴戦の空戦魔導師としてのフェイトの真骨頂だった。
「ひぃっ……ば、馬鹿な! なぜ本部の人間がここまで……!」
先ほどまでの威勢はどこへやら、腰を抜かして後ずさるガリウス。
彼が縋ろうとしていた私兵部隊は、ものの数分で全員が地に伏していた。
さらに上空では、ナディアの牽制を受けた密輸艦隊がたまらずに撤退していく推進光が小さく見えていた。
彼の抱く本部のエリートは安全地帯で常に踏ん反り返っているものばかりと思っていたので、フェイトがまさかここまでの強さを誇っていたのは予想外だった。
フェイトはゆっくりとガリウスに歩み寄り、冷気を纏うバルディッシュの穂先を彼の喉元へぴたりと突きつけた。
「……終わりです、ガリウス元司令。貴方を、特別監査違反および横領、並びに不法勢力への利益供与の罪で拘束します」
冷たく、しかし静かな怒りを込めた宣告。
ガリウスは絶望に顔を歪め、力なくその場に崩れ落ちた。
やがて、ルークスの空に白み始めた夜明けの光が差し込む。
陽動を成功させたリーゼルたちレジスタンスが、息を切らせて第4採掘施設跡へと駆け込んできた。
手錠をかけられ項垂れるガリウスと、無傷で確保されたルミナス・クォーツのコンテナを見て、リーゼルは信じられないといった表情でフェイトを見上げる。
「本当に……やってくれたのね……」
「ええ。約束したでしょう?」
フェイトは優しく微笑み、泥だらけのリーゼルにそっと手を差し伸べた。
「これで、ルークスはあなたたちの手に戻るわ……偽りじゃない、本当の自由と共にね」
リーゼルの目から大粒の涙が溢れ出し、彼女はフェイトの手に自身の小さな手を力強く重ねた。
その温もりに、フェイトの胸の奥にあった「誰かを泣かせるような正義」への葛藤も、少しだけ救われた気がした。
(シーマ・ガラハウ。今回はあなたの影を掴むことはできなかった。でも……)
朝日に照らされるルークスの空を見上げながら、フェイトは愛機を固く握り直す。
(この次元の海で、誰かを泣かせるような理不尽がある限り、私は『ナディア』の皆と共に何度でも立ち向かう。……覚悟していて、シーマ。次は必ず、あなたを止めてみせる!)
ガリウスの拘束後、ルークス支部の管理中枢はナディアの調査班とレジスタンスの手によって迅速に接収された。
暗部を暴くべく、チンクをはじめとする技術班が支部のメインコンピューターへアクセスし、ガリウスの隠蔽データを徹底的に洗い直す作業が開始される。
「……艦長、ガリウスの端末および支部のログを細部まで解析しましたが、シーマ・ガラハウとの直接的な取引記録や密約のデータは存在しませんでした」
端末のホログラム画面を操作しながら、チンクが真剣な面持ちで報告する。
「やっぱり……シーマはこのルークスを単なる逃避行の通過点として利用しただけで、ガリウスと直接接触していたわけではなかったのね」
フェイトは小さく息を吐いた。
シーマの足取りを追う手掛かりが一つ途絶えたことに、胸の奥でわずかな焦燥がくすぶる。
「ですが、艦長。今回押収した『ブラッド・シンジケート』の暗号通信データと裏取引の物流ルートを解析した結果、興味深い情報が浮上しました」
チンクが指先を動かすと、ホログラム空間に新たな星系図が浮かび上がった。
広大な次元宙域の境界線上に、青く輝く孤立した惑星が強調表示される。
「これは……?」
「エルトリアとはまた異なる、独立した自衛権を持つ永世中立世界――『永世中立惑星アステリア』です」
「アステリア……」
フェイトがその名を呟くと、画面にアステリアの入国規制や法体制に関する資料が次々と展開された。
「アステリアはエルトリア同様、どの主要勢力にも属さず、完全な中立を誇る星です……かつて時空管理局がエルトリアに対して行ったような強権的な侵略行為や、星の内部での重大な事件でも起こさない限り、管理局であれ他国の勢力であれ出入りを拒まれることはありません」
チンクの説明に、ナディアの艦橋で聞いていたレイセンも頷きながら言葉を添えた。
「そしてそれは、海賊や犯罪組織にとっても同じというわけか?」
「うむ、アステリア内部で事件を起こさず、星の定めた厳格な『掟』に従う限り、いかなる身分の者であっても不当に追放されることはない。海賊や犯罪組織である彼らにとっても、そこは貴重な補給拠点であり、水面下で情報交換や取引が行われる格好の社交場……いわば次元の海の『オアシス』なのだ」
犯罪者たちが自らその場所を破壊しないよう、暗黙のルールとして星の秩序を守っている――過酷な次元の海に存在する、奇妙で歪な平穏の形だった。
そして、管理局以上に彼らは有人惑星の所在に詳しいのかもしれない。
(ん?……待って。それなら……)
フェイトの脳裏に、過去の苦い記憶が蘇る。
かつて時空管理局が断行したエルトリア遠征作戦。
徹底した準備で挑んだはずの作戦が失敗に終わった大きな要因の一つ――それは、エルトリア側へ管理局の作戦行動や戦力が事前に漏れていたことだった。
(あの時、エルトリアに裏で管理局側の情報を提供していたのが、ほかでもないシーマ・ガラハウだった……シーマがあれほどの情報網を持っていたのは、こういった永世中立惑星の人脈を利用していたから……)
確信がフェイトの胸を打つ。
「チンク、レイセン。シーマの手掛かりは、きっとアステリアにあるわ。彼女のような海賊が活動を続ける以上、中立地帯での情報収集や補給を避けて通れるはずがないもの」
「ですが艦長、アステリアに入国する際、時空管理局の『執務官』として高圧的な態度で踏み込めば、星の中立条約に抵触し、追い返されるか現地社会から激しい反発を受ける恐れがあります」
チンクの懸念に、フェイトは力強く頷いた。
「分かっているわ……ルークスでガリウスたちがやってきたような『管理局の威圧』や『力による恫喝』なんて、最初からするつもりはないの」
フェイトは胸に手を当て、まっすぐな瞳で二人を見つめた。
「私たちは管理局の局員としてではなく、一宇宙の旅人として静かにアステリアへ入国する。星のルールを守り、街に溶け込んでシーマの情報を探すわ。権力で人を従わせるようなやり方は……もう二度としない」
ルークスで目にした虐げられる人々の姿、そして「本当の自由を取り戻す」と誓った記憶が、フェイトの決意を揺るぎないものにしていた。
「了解いたしました、艦長。その方針で潜入の準備を進めます」
「フッ、一人の旅人として、か。ボロボロだった『オベロン』から立ち上がった我々には、おあつらえ向きの立ち回りだな」
レイセンが口元を緩め、頼もしく頷いた。
それから数日…
『ナディア』の補給と最終整備が完了した。
同時に、ガリウスが犯した過剰採掘と裏取引の膨大な証拠データは、ミッドチルダからルークスへと派遣された公正な査察団へと引き継がれ、ガリウスおよび私兵部隊の処罰とルークスの自治権返還に向けた手続きが着々と進められていた。
ナディアが発進の時間が迫る中、ドックで、フェイトはリーゼルと向き合っていた。
「本当に行っちゃうのね、フェイト」
「ええ。私には……まだ追わなきゃいけない相手がいるから‥‥でも、ルークスのことはもう心配いらないわ。本部の査察団が来て、ガリウスたちの悪行はすべて正される。これからは貴女たちが、この世界の未来を作っていくのよ」
リーゼルは込み上げる涙をぐっと堪え、胸を張って頷いた。
「ありがとう……! 貴女が教えてくれた『本当の正義』のこと、絶対に忘れない。この星を、誰も泣かなくていい素敵な場所にしてみせるわ!」
「ええ、信じている……さようなら、リーゼル」
二人は温かく抱き合い、それぞれの未来へと歩み出した。
ナディアのブリッジに凛とした声が響く。
「各部署、出航準備完了。次元跳躍機関、正常稼働中!」
「進路、永世中立惑星『アステリア』!」
艦長席に座るフェイトは、愛機バルディッシュを膝の上に置き、前面のメインモニターを見つめた。
モニターに映し出されるのは、ルークスの青い空から、深遠なる次元の海へと移り変わる景色。
「ナディア、抜錨!……アステリアへ向けて、発進!」
まばゆい光の粒子を撒き散らしながら、次元航行艦ナディアは新緑の尾を引いて次元の壁を突き破った。
(待っていなさい、シーマ・ガラハウ……あなたの足跡を辿り、私は必ずあなたを見つけ出す。そして、これ以上誰かの平和と自由を脅かさせはしない!)
冷徹な海賊との再戦、そして己の信じる正義を証明するための新たな旅路が、永世中立惑星『アステリア』を目指して今、始まりを告げたのだった。
次元の海を、一条の翠緑の光が駆け抜けていく。
シーマ・ガラハウの影を追い、次元航行艦『ナディア』は永世中立惑星アステリアへ向けて順調に航行を続けていた。
艦長席に座るフェイトは、眼前に広がる無数の星々の輝きを見つめながら、静かに闘志を燃やしていた。
(どんなに巧妙に身を隠そうと、必ず見つけ出して捕まえてやる!これ以上、誰も泣かせはしない……!)
その真っ直ぐな想いを乗せ、ナディアは漆黒の宇宙を突き進んで行った。
一方その頃、次元の壁を隔てた地球圏。
惑星ディスティニーとの歴史的な平和同盟が締結されたことに伴い、地球には外交特使の護衛および駐在武官として、SDF(空間鉄道警備隊)の『シリウス小隊』が派遣されていた。
彼らの任務は、地球側の防衛組織との交流、そして互いの戦術や技術を共有するための合同訓練である。
連日の厳しい訓練と会議が続く中、地球側との橋渡し役を務める良馬から、シリウス小隊へささやかな労いの申し出があった。
「たまには息抜きも必要だろう。今度の休日、よければ俺の実家……海鳴市にある月村邸へ遊びに来ないか?」
と、月村邸への招待を打診した。
しかし、駐在武官という立場上、シリウス小隊の隊員全員が基地を空けて招待に応じるわけにはいかない。
そこで、隊長であるバルジは少し考えた後、小隊の中から二人の隊員を指名した。
「有紀、ルイ。お前たちがシリウス小隊の代表として行ってこい。地球の文化や生活に直接触れるのも、立派な任務の一つだ」
「えっ、俺たちがですか!?分かりました」
「お言葉に甘えて、しっかりと学ばせていただきます」
学とルイは敬礼で応え、良馬の招待を受けることになった。
約束の当日。
基地のゲート前には、良馬が運転する車が待っていた。
私服に着替えた学とルイが乗り込むと、車は海鳴市へ向けてなめらかに走り出す。
「今日は来てくれてありがとう。ただ、月村邸へ向かう前に、二人にちょっと見せておきたい場所があってね。寄り道してもいいかな?」
「ええ、もちろん構いませんよ。どこに行くんですか?」
助手席の学が尋ねると、良馬はハンドルを握りながら穏やかに微笑んだ。
「地球の……いや、地球人類の未来を救ってくれた、偉大な先人たちが眠る場所さ」
車が到着したのは、海を見下ろす緑豊かな高台――『英雄の丘』だった。
美しく整備された敷地の中央には、天を指し示すような巨大なモニュメントがそびえ立っている。吹き抜ける海風が心地よく、どこか厳粛な空気が漂っていた。
「ここは……」
息を呑む二人に、良馬は静かに語り始めた。
「かつて地球が滅亡の危機に瀕した時、希望の星イスカンダルを目指して遥かなる宇宙の旅へと出撃した『宇宙戦艦ヤマト』……その初代艦長である沖田十三提督や、その後の戦いで地球を守り抜いた土方竜司令をはじめとする、多くの英雄たちがここに祀られているんだ」
良馬は記念碑を見上げながら、当時の絶望的な状況と、それに屈することなく立ち向かったヤマトの乗組員たちの精神、そして自らの命を賭して地球を救った艦長たちのエピソードを丁寧に語って聞かせた。
圧倒的な戦力差、見知らぬ宇宙での苦難、そして「決して諦めない」という強靭な意志。
その話を聞き終えた学は、感動でわずかに肩を震わせていた。
「すげえ……地球に、そんなすごい艦長たちがいたんですね……」
SDFとして、日々宇宙の平和を守るために命を懸けている学だからこそ、その壮絶な航海と背負っていたものの重さが痛いほど理解できた。
「絶望的な状況でも、決して希望を捨てず、部下を信じ、未来を信じて戦い抜く……。私たちSDFの精神にも通じる、本当に素晴らしい方々ですね」
ルイもまた、深い敬意を込めてモニュメントを見つめていた。彼女の理知的な瞳には、先人たちへの畏敬の念が浮かんでいる。
「ああ。彼らが繋いでくれた命と未来があるからこそ、今の地球があり、こうしてディスティニーの君たちとも手を取り合うことができる。……俺はここに来るたびに、その重みを実感するんだ」
良馬の言葉に、学とルイは深く頷き、静かに英雄たちへ黙祷を捧げた。
(俺も……父さんや兄さん、それにこの地球の英雄たちのように、みんなを守れる立派な男にならなきゃな)
学は胸の内でそう強く誓った。
英雄の丘を後にした車は、やがて海鳴市の閑静な住宅街へと入り、壮麗な門構えの『月村邸』へと到着した。
「さあ、着いたよ。入ってくれ」
(で、デカい‥‥)
(私の実家と同じくらいかも‥‥)
月村邸を見て学はその大きさに圧倒され、ルイも何だか実家に戻ったような感覚だった。
良馬に案内され、広々としたリビングへ通された学とルイ。
そこには、温かな家庭の匂いと、出迎えてくれた家族の姿があった。
「いらっしゃい! 待っていたわ!」
「ようこそ地球へ、そして月村家へ」
エプロン姿で朗らかに笑う元気な女性と、上品で落ち着いた雰囲気を持つ美しい女性。
「あ、あなたたちは……! 以前、月村さんがディスティニーのラーメン屋で見せてくれた写真の……!」
学はハッと目を見張り、その場で思わず声を上げた。
写真越しでしか見たことのなかった美しき二人と、まさか直接対面することになるとは思っていなかったのだ。
「初めまして、良馬さんの妻の、ギンガよ。よろしくね!」
「同じく、妻の摩弥です……いえ、この家の中では『ユリーシャ』と呼んでいただいて構いませんわ」
ユリーシャが優雅に微笑むと、良馬が少し声を潜めて補足した。
「ルイさん、学君にはディスティニーで話したけど、実は彼女は、先ほど英雄の丘で話したイスカンダル王家の娘……ユリーシャ・イスカンダルなんだ。表向きには『摩弥』と名ってもらっているが、ここでは気にしなくていい」
「えっ、あっ、はい‥‥」
学はディスティニーのラーメン屋で、良馬からユリーシャのことを聞いていた。
ルイも学経由で、「良馬の奥さんの一人が地球やディスティニーとは違う星にある王家の娘である」という話は耳にしていた。
しかし、言葉だけで聞かされていた時はどこかお伽話のような、いわゆる『眉唾物』の冗談だと半ば思っていたのだ。
だが、こうしてユリーシャ本人を目の前にすると、その神秘的な佇まいと気品ある振る舞いに、あながち冗談ではないという事実がずしりと胸に落ちてきた。
二人がその圧倒的な存在感に言葉を失っていると、奥の部屋からパタパタと元気な足音が近づいてきた。
「父様! お客さん来たのー?」
「おきゃくさん?いらっしゃいませー」
現れたのは、天使のように愛らしい二人の少女だった。
「ああ、紹介するよ。こっちがギンガとの娘の『誉(ほまれ)』で、こっちがユリーシャとの娘の『友莉葉(ゆりは)』だ」
良馬がしゃがみ込んで二人を優しく抱き寄せると、少女たちは学とルイに向かってぺこりと元気よく頭を下げた。
「こんにちは、お兄さんたち!」
「よろしくねー!」
無邪気な笑顔を向ける誉と友莉葉の愛らしさに、学とルイの緊張は一瞬にして解け、自然と顔がほころんだ。
「お、おう! よろしくな、俺は有紀 学っていうんだ。こっちの真面目そうなのは……」
「ルイ・フォート・ドレイクです。初めまして、誉ちゃん、友莉葉ちゃん」
学がしゃがみ込んで目線を合わせると、ルイも片膝をついて優しく微笑んだ。
SDFの厳しい訓練と任務に明け暮れる日々の中で、こんなにも純粋な子供たちと触れ合う機会は滅多にない。
「マナブお兄ちゃんと、ルイお姉ちゃんね! えへへ、あたしたち、ずっとお客さんが来るのを楽しみにしていたんだよ!」
「おにいさんたち、銀河鉄道で来たんでしょう?」
誉が学の腕に無邪気に抱きつき、友莉葉もルイの服の袖をちょこんと引っ張る。
「あらあら、二人とも。お兄さんたちを困らせちゃ駄目よ」
ギンガがクスクスと笑いながらたしなめると、ユリーシャも穏やかな笑みを浮かべた。
「ふふ、立ち話もなんですし、さあ、どうぞリビングへ。ささやかですが、地球の家庭料理をご用意しましたのよ」
案内された大きなダイニングテーブルには、色とりどりの料理がずらりと並べられていた。
手作りの温かみが伝わる料理の数々に、若く食べ盛りの学は目を輝かせた。
「うわあ……すっげぇ美味そう!」
「お口に合うといいのだけれど。良馬さんから、二人ともたくさん食べるって聞いていたから、ちょっと多めに作っちゃったわ」
ギンガがウィンクをすると、良馬が苦笑いしながら二人に席を勧める。
「さあ、遠慮せずに食べてくれ。今日は任務を忘れて、ゆっくり羽を伸ばしてほしい」
「いただきます!」
「いただきます」
食事の席は、終始和やかな笑い声に包まれた。
学は出された料理を次々と平らげては「美味い! 最高です!」と絶賛し、ギンガを大いに喜ばせた。
普段は冷静なルイも、手作りの味に頬を緩め、料理に込められた細やかな気遣いに感銘を受けていた。
元々似たような文化の星同士なので、食材、調味料には大した違いはなく、学もルイも問題なく食べることが出来た。
「それにしても……」
ふと、学が箸を止め、ユリーシャを見つめた。
「良馬さんから『イスカンダルの皇女』だって聞いた時は、正直、ディスティニーのラーメン屋での冗談かと思っていました。でも、本当にこんな風に地球で家族になっているなんて……なんだか、不思議な気分です」
学の素直な言葉に、ユリーシャは紅茶のカップを静かに置き、慈愛に満ちた瞳で彼を見た。
「うん、私自身も不思議な運命の巡り合わせだと思っている‥‥私のお父様はリョーマと同じ地球人で、ガミラスとの戦いで捕虜になってイスカンダルの近くを漂流している所をお母様に助けられて夫婦になって私とお姉様が生まれたの」
「えっ?お姉様?」
「ユリーシャさんにお姉さんが居たんですか!?」
「ええ、今はイスカンダルに居る。私がまだ赤ん坊の時、お父様が私をこの家に預けたのが切っ掛け‥‥」
ユリーシャは学とルイにイスカンダル出生まれた後、幼少期にイスカンダルから地球の月村邸に預けられ、それが切っ掛けで良馬と結婚するまでに至った経緯を話した。
ふと、それまで静かに聞いていたルイが、もう一人の妻であるギンガへと視線を向けた。
「あの……失礼かもしれませんが、ギンガさんはどうやって月村さんと出会われたんですか?」
ルイの問いかけに、ギンガはユリーシャ同様、良馬との出会いを話し始める。
「私もユリーシャと同じく地球の生まれじゃないのよ」
「えっ?」
「そうなんですか?」
「私の故郷は『ミッドチルダ』っていう、魔法と科学が融合した星よ」
「ミッドチルダ?」
「聞いた事の無い星だ」
聞き慣れない星の名に、学とルイは顔を見合わせた。
「ええ。そこで私は、時空管理局っていう……まあ、簡単に言えば宇宙の警察官みたいな仕事をしていてね。ある時、次元犯罪者を追って宇宙で大規模な捜査をしていたんだけど、不運なことに次元震に巻き込まれて漂流してしまったの」
ギンガは当時の状況を思い出すように、少しだけ眉を下げた。
「通信も途絶。流れ着いたのは、ちょうどガミラス戦役の真っ只中だった地球の火星付近の宙域だったわ。もう駄目かと思ったその時……私を助け出してくれたのが、当時防衛軍の巡洋艦の艦長を務めていた良馬さんだったの」
ギンガが良馬をチラッと見る。
「レーダーに見慣れない漂流物を発見して、急いで回収に向かったんだ。まさか、中から別世界のお巡りさんが居たとは思わなかったよ」
「命を救われた私は、そのまま地球に身を寄せることになったの。恩返しがしたくて、良馬さんと同じ軍人になって、地球の防衛に協力するようになった。そうして同じ部隊で背中を預けて戦ううちに……気がついたら、こうして月村家の妻になっていたってわけ」
「警察官から地球の軍人へ……そして良馬さんの奥さんに。なんだか、ギンガさんの人生もものすごく波瀾万丈ですね」
ルイは深く感心したように息を吐いた。
「ふふ、そうね。でも、不思議な巡り合わせのおかげで、ユリーシャやこの子たちとも家族になれた。今はこの騒がしくて温かい毎日が、私の何よりの宝物よ」
ギンガが誉の頭を優しく撫でると、誉は嬉しそうに「えへへ」と笑った。
和やかな食事の時間が終わり、リビングのソファで食後のくつろいだ時間が流れる。
すると、待ちきれなかったように、誉と友莉葉が学とルイの膝元へと駆け寄ってきた。
「ねえねえ、マナブお兄ちゃんたち! 『銀河鉄道』ってどんなの? お空を走る汽車ぽっぽなの!?」
誉が目をキラキラさせて学の服を引く。
「あのね、パパが言っていたの! いろんな星に行けるすごい電車なんだって!」
友莉葉もルイの膝に手をつき、身を乗り出して尋ねた。
「おっ、銀河鉄道に興味があるのか? 銀河鉄道はすごいぞー! 普通の電車みたいに線路を走るだけじゃなくて、宇宙空間をビュンビュン飛んでいくんだ! 俺たちが乗っている『ビッグワン』は、すっげぇでっかくて、強くて、かっこいいんだぜ!」
学は身振り手振りを交えながら、子供たちにも分かるように誇らしげに語った。
「えーっ! 宇宙を飛ぶ電車!? のってみたい!」
「ビッグワン、かっこいいの? わたしもみたいなぁ……」
興奮する二人の少女に対し、ルイは優しく微笑みながら補足した。
「ただ空を飛ぶだけじゃないよ。宇宙には危険な場所もたくさんあるから、僕たちSDFが銀河鉄道に乗って、みんなが安全に旅行できるように守っているんだ。ビッグワンには、すごい大砲もついているんだよ」
「わぁ……! マナブお兄さんとルイお姉さんは、父様と同じ宇宙の平和をまもるヒーローなんだね!?」
誉が尊敬のまなざしを向けると、学は「まあな!」と少し得意げに胸を張った。
二人のSDF隊員と、それにまとわりついて目を輝かせる娘たちの姿。
少し離れた場所からその光景を眺めていた良馬は、ギンガとユリーシャと顔を見合わせ、静かに微笑んだ。
(地球の空と遠い宇宙の星々……やっぱり、この子たちも俺たちと同じように、無限に広がる宇宙に惹かれる運命なのかな?)
自分は地球を‥‥自分の大切な人を宇宙の侵略者から守るために防衛軍の軍人になった。
妻であるギンガとユリーシャもまた、広大な星の海を越えてこの地球へやってきた。
宇宙の繋がりから生まれた娘たちが、星々の物語に興味を示すのは、必然なのかもしれない。
(いつかこの子たちが成長して、自分の足で空へ向かう日が来たら……俺はその背中を、笑顔で見送ってやれるだろうか?)
父親としてのわずかな寂しさと、大きな期待。
平和な午後の陽射しの中、良馬は娘たちの弾けるような笑い声を聞きながら、遥かなる星空の未来へと静かに思いを馳せるのだった。
同僚を失い傷心のユーノ、そんな彼の身を案じたなのはの今後の進展について
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付き合っちゃえ
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お友達のままで