星の海へ   作:ステルス兄貴

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フェイトがディアーチェと初めて邂逅した時のリアクションから、この世界のなのはの歴史では、GOD編は起きていない設定となっています。

そして、今回は太陽系赤道祭‥フェイトは自分にそっくりな、まほろばの砲雷長と出会います。


四十五話 太陽系赤道祭

 

 

赤道祭‥‥。

 

それは、かつて地球の大海原を行き交う船が赤道を越える際、航海の安全を祈って行われるイベントだった。

 

内容は各国様々であったが、派手なバカ騒ぎは万国共通の出来事だった。

 

 

「太陽系赤道祭?」

 

「ええ、地球の洋上船は昔、赤道を越える際に航海の無事を祈っていたそうです。あのヤマトもイスカンダルでの航海の際、行ったそうですよ」

 

リニスがこれから行われる太陽系赤道祭の事をフェイトとティアナに説明した。

 

事前に良馬に許可を得ており、フェイトたちが参加する意思があれば、参加しても良いと赤道祭参加の許可をもらっていたので、リニスはこうしてフェイトたちを太陽系赤道祭へ誘いに来たのだ。

 

太陽系赤道祭の事を聞いてティアナは、

 

(恩人である星が危機なのに、お祭りって‥‥大丈夫なのかしら?)

 

イスカンダルの危機にも関わらず、呑気に祭りを開こうとしている防衛軍側の行動に疑問‥‥と言うか、呆れを感じている。

 

しかし、自分たちは救助者であるので、その事をティアナは口にしなかったが、

 

「でも、恩人の星が大変なのに、呑気にお祭りなんてやっていて良いの?」

 

と、少々天然な所があるフェイトはティアナの思っていた疑問を口にした。

 

(フェイトさん、自分たちが救助された者だって言う自覚は無いんですか!?)

 

フェイトの恐れを知らない行動にドキッとするティアナ。

 

「確かにフェイトの言う通りかもしれないけど、ヤマト も まほろば も本来は新人訓練の為の航海だったの‥それに、厳しい訓練と木星圏、土星圏での実戦を経験し、この先も恐らく戦いは続くと思うわ。だからこそ、太陽系から出る前にガス抜きをしようって事になったのよ。イスカンダルまでの航海の為に鋭気を養えって意味も含まれてね」

 

「へぇ‥‥」

 

リニスの説明を聞き、感心しているフェイト。

 

そう言えば、自分たちも新人研修の為に今回の航海に参加していたのだが、こう言ったイベントは予定には計画されていなかった。

 

(ちゃんと、クルーに関しての気遣いもしているんだ‥‥)

 

「それで、艦長から許可は得ているんだけど、フェイトたちも参加してみない?赤道祭に?」

 

「えっ!?」

 

「私たちも!?」

 

リニスの誘いに戸惑うフェイトとティアナ。

 

こういう場合、スバルならば即答で、

 

「行きます!!」

 

と、言っていただろう。

 

かつてのパートナーのそんな姿が容易に想像できるティアナであった。

 

二人の戸惑っている様子を見て、リニスは、

 

「こういう異文化を見聞するのも、後々いい経験にもなるわよ」

 

と、言われて二人は太陽系赤道祭に参加する事となった。

 

「それにヘリオポーズじゃ、もう一つやる事があるのよ」

 

「他にも?」

 

「ええ、テリオスの通信機器とブラックボックスから作った通信機を設置する予定なのよ。それで、何とか管理局とコンタクトをとれれば良いんだけど‥‥」

 

「それは感謝するけど、でも、何でヘリオポーズなの?」

 

「太陽系内だとまだ彗星帝国の残党が居て危険だし、ヘリオポーズを越えると、地球側からの通信状況が悪くなるのよ。太陽系外縁部のヘリオポーズなら彗星帝国の残党は来ない筈だから」

 

「なるほど‥‥」

 

こうして、ヘリオポーズでは太陽系赤道祭の他にも管理局とのコンタクトも含まれた。

 

しかし、管理局を待つのは太陽系赤道祭が行われている時間内だ。

 

それを過ぎたら、ヤマト、まほろば はイスカンダル救援任務の為にこの宙域を後にする。

 

出来れば、管理局と早々にコンタクトがとれ、太陽系赤道祭中に管理局が迎えに来てくれれば、一番良いのだが‥‥。

 

しかし、迎えに来たら来たで、管理局側は此方に訊きたい事が山程あるかも知れないが、此方にはそれに付き合う義務も義理もない。

 

もし、万が一、向こうが此方の指示に従わなければ武力行為も辞さないと脅して来たら、防衛軍側も自衛のために行動せねばならない。

 

そうなれば、折角救助したフェイトたちを今度は本当に宇宙の藻屑にしてしまう可能性もあるので、それだけは勘弁してもらいたい。

 

願わくば、話の分かる人物が乗った管理局の艦船が来て欲しいものだとリニスはそう思った。

 

記憶媒体にはまず、フェイト、ティアナの二人が無事な事を記録する。

 

次にフェイトがテリオスに何が起こったのかを説明して、通信機にその記憶媒体がセットされた。

 

後はヘリオポーズの手近な小惑星にこの通信機を設置して起動するだけである。

 

管理局とのコンタクト準備が進められて行く中、太陽系赤道祭の準備も進められて行った。

 

太陽系赤道祭のメイン会場となるのは、まほろば の乗員が普段使用している展望食堂だ。

 

まほろば はヤマトよりも一回り大きく、内装もヤマトを凌ぐ充実さを持っていた。

 

その為、会場はヤマトよりも広い まほろば の食堂となったのだ。

 

太陽系赤道祭時には、まほろば と ヤマト は接舷ハッチをドッキングさせ、ヤマト、まほろば との間の行き来は可能となるが、フェイト、ティアナの二人に関しては、その行き来が制限される。

 

まぁ、当然の処置だろうと二人は特に不平や文句を言う事はなかった。

 

赤道祭の最中、雪風・改は周囲の哨戒任務を務めていた。

 

比較的大きな祭りと言う事で、ヤマトでは厨房長の幕ノ内と平田らの厨房スタッフが宴会料理を作り、同じく、まほろばの厨房でも、

 

「トムヤンクンには普通の醤油ではなく、ナンプラーを使え!!そこ!!スープが煮立っておるぞ!!焦がさない様に注意しろ!!」

 

「は、はい!!」

 

「チキン揚がりました!!」

 

「よし、こっちへ持って来い!!最後の仕上げをするぞ!!」

 

と、ディアーチェが檄を飛ばしながら宴会料理を作っていた。

 

 

ヘリオポーズ とある小惑星

 

「よし、此処で大丈夫だろう。起動させるぞ‥‥」

 

一方、管理局とのコンタクトをとる為に通信機を小惑星に設置している方も真田が応援に駆け付け、問題なく通信機は設置され無事に起動した。

 

(後は、この通信を管理局の艦が受信してくれれば良いのだが‥‥)

 

通信機を設置し終えた真田らは太陽系赤道祭の会場である まほろば へと向かった。

 

まほろば の食堂では、普段の八人掛けのテーブルが並んでいるのだが、今回はヤマトの乗員も来るので、食堂の椅子はある程度の数を休憩用として食堂の隅等に置き、その他は撤去されている。

 

まぁ、人数が人数なので、立食形式となっているのだ。

 

食堂のテーブルには白いクロスがかけられ、ヤマト、まほろばの厨房スタッフが腕によりをかけた料理が並んでいる。

 

準備が整い、いよいよ太陽系赤道祭の開催である。

 

グラスを持った良馬が食堂に集ったヤマト、まほろば の乗員を前に開宴の挨拶を行う。

 

古代か真田がやった方が良いのではないのかと思った良馬であったが、会場の艦の艦長と言う理由でこうして開宴の挨拶をする事になった。

 

キィィィンというマイクのハウリングの後、

 

「皆、厳しい訓練、そして木星圏、土星圏での戦闘、お疲れ様でした。この先もまだまだこうした戦闘は続くと思う。しかし、今はゆっくり英気を養ってもらいたい。そして、必ず我々の恩人であるイスカンダルを救おう!!」

 

良馬がグラスを掲げ、

 

「これより太陽系赤道祭を始める!!乾杯!!」

 

『乾杯!!』

 

会場に居る男女が明るく大きな声を上げた。

 

それは、ホントに此処が宇宙戦艦の中なのかという疑問を抱くぐらいとても楽しそうな雰囲気となった。

 

乗員たちはそれぞれ、好みの料理に舌鼓をうったり、仲の良い者同士で話に花を咲かせたり、酒好きなものは早速酒をカッ食らっている。

 

イレギュラーながらも、太陽系赤道祭に参加する事になったフェイトたちは、ソフトドリンクの入ったグラスを片手に祭りを楽しんでいるヤマト、まほろば の乗員たちを眺めている。

 

「皆さん、楽しそうですね‥‥」

 

「そうね‥‥」

 

(スバルだったら、すぐにこの場に溶け込めたのかもしれないわね‥‥)

 

ミッドにいる親友(?)の性格を今は羨むティアナだった。

 

会場の中を進んでいくと、

 

「フェ、フェイトさん‥‥」

 

「ん?どうしたの?ティアナ」

 

「あ、あれ‥‥」

 

ティアナが信じられない物を見たかのように少し震えながら指をさす。

 

フェイトはティアナの指をさす方向に目をやると、

 

「えっ?‥‥何‥‥アレ‥‥?」

 

フェイトとティアナの視線の先‥‥其処には‥‥

 

ヤマトの医務長である佐渡が普段と変わらない様子で酒を飲んでいた。

 

それ自体何の問題もなく人間がお酒を飲んでいる光景に変わりない。

 

問題なのは佐渡の周りで繰り広げられている光景だった。

 

「どうじゃ?お前さんも飲まんか?」

 

と、佐渡はバトライザーに酒を勧めている。

 

「機能障害ヲ起コス可能性ガアリマスノデ遠慮シマス」

 

しかし、バトライザーは佐渡からの酒を断った。

 

「なんじゃ、つまらない奴じゃのう。ホレ、お前さんの先輩であるアナライザーを見てみろ」

 

佐渡の傍ではヤマトの自律分析ロボット“アナライザー”が酒を頭(?)から浴びている。

 

本人?にしてみれば、酒を飲んでいるつもりなのだろう。

 

やがて、

 

「ヒック、ヒック」

 

と言う、言葉を発しながら各部の計器が赤く点滅している。

 

どうらや、酒に酔っている様だ。

 

バトライザーもそうであるが、アナライザーも人間とのコミュニケーションは全く問題ない様子。

 

二体のロボは非常に優秀な自律AIを搭載しているのだろう。

 

「フェイトさん、あれは一体何なんでしょう?」

 

ティアナは顔を引き攣らせながら、酒を浴びているロボット(アナライザー)を震える手で指さす。

 

「私に聞かないでよ、ティアナ。私自身も軽くパニクっているんだから‥‥」

 

酒を頭から浴びているロボット(アナライザー)を見て、必死に冷静を取り戻そうとしているフェイト。

 

「ヒック、ヒック」

 

しゃっくりの様な声を出しながら、各部の計器が赤く点滅しているロボット(アナライザー)

 

それを見て、フェイトとティアナは、

 

「フェイトさん、私の見間違えでなければ、あのロボット‥なんだか酔っぱらっている様に見えるんですが‥‥」

 

「奇遇ね、ティアナ‥‥私もそう見えるわ‥‥」

 

目の前に広がるロボットが酒を浴びて酔っぱらっていると言う非現実的な光景に二人は、暫く釘付けになっていた。

 

もし、この光景をマリエルが見たらきっとあのロボットを解体してその性能を確かめたいと言うだろう。

 

挨拶を終えた良馬が会場内を歩いていると、「えええっ~!?」と言う悲鳴?の様な声が聞こえた。

 

何事かと思ってその場に行ってみると、其処には紺色でガチガチのイギリス式メイド服を着た原田と同じく黒のイギリス式メイド服を着たギンガが居た。

 

「どうしたの?二人ともその恰好は?演芸大会にでも出るの?」

 

祭りだし、何らかの演芸の様なイベントも開催されるだろう。

 

良馬はてっきりその演芸大会に原田とギンガが参加するのかと思っていた。

 

「あっ、いえ、これは‥‥」

 

メイド服姿のギンガが顔を赤く染めて俯く。

 

その姿にドキッとする良馬。

 

「これはヤマトの航海長補佐の太田さんが『赤道祭と言えば仮装に決まってんじゃん』って言うから、通信長とこの格好をしてきたんです!!」

 

と、何故自分とギンガがメイド服で来たのか、理由を話す原田。

 

(いや、ハロウィンじゃないんだからさ‥‥)

 

と、心の中でツッコム良馬。

 

しかし、祭りとは言え、普段の制服姿の乗員の中、メイド服姿ではどう見てもただのお調子者だ。

 

「原田君、ギンガ‥‥それは、多分太田君に担がれたね」

 

と、原田とギンガが太田に騙された事を伝えると、

 

「んもぉおおおおお!!太田さんどこいったのよぉ!!」

 

と、原田は再び声をあげ、辺りを見渡し、自分を騙した太田を探す。

 

しかし、肝心の太田の姿は見えない。

 

恐らく事前に危機を察して姿を眩ませたのだろう。

 

そんなやり取りをしている原田たちより少し離れた場所で、

 

(あ、危なかった‥‥)

 

と、猫耳カチューシャに肉球手袋を着けた玲が大きな鈴の着いた首輪を手に持ち、自分も危うく騙されるところだったとホッと息をついていた。

 

しかし、猫耳カチューシャと肉球手袋を着けている時点でアウトだと思う。

 

「ま、まぁ、とりあえず楽しもうよ。折角のお祭りなんだしさ、それに二人とも良く似合っているよ」

 

「は、はい」

 

「ありがとうございます」

 

ギンガはやっぱり恥ずかしいのか俯いたままであるが、原田の方は褒められて嬉しい様子。

 

其処に、

 

「お?原田君も通信長も良くお似合いじゃないか」

 

と、永倉の声がした。

 

「航海長‥‥その恰好‥‥」

 

ギンガが自分たちの近くに来た永倉の恰好を見て、若干顔を引き攣らせて、声を震わせる。

 

原田の方は「助かった~!!」と言う安堵の表情を浮かべる。

 

「永倉君‥‥君もか‥‥」

 

永倉の姿を見て良馬は少し呆れた感じで言う。

 

良馬たちの傍に来た永倉は、普段の防衛軍の制服ではなく、袴姿に浅葱色のだんだら羽織りを着ている。

 

その姿は、幕末にその剣椀を振るい、京都の治安維持活動をしていた剣客組織、『新選組』の恰好をしていた。

 

「どうです?艦長?似合いますか?」

 

永倉は新選組の恰好をしているにも関わらず、何故かポージングはボディービルダーの様なポーズをとる。

 

「あ、ああ‥‥とても良く似合っているよ‥‥違和感が無いくらいに‥‥」

 

「そうですか。いや~自分もこの衣装は何故か、しっくりくるんですよ~」

 

良馬は少し顔を引き攣らせながら、永倉に似合っていると伝えた。

 

開宴の挨拶をした時には気が付かなかったが、会場には制服ではなく、違ったコスチュームを着た者がちらほら見えた。

 

どうやらそれは新人乗組員の様で、他の先輩方が制服なのに対し、場を間違えたみたいに少し恐縮している様にも見えた。

 

その中には、男なのにメイド服を着せられた星名の姿もあった。

 

(太田君‥やってくれたな‥‥)

 

太田の悪戯に頭を抱えそうになるが祭りが進めばそんな空気はなくなるだろう。

 

フェイトとティアナが会場の隅で料理や飲み物を飲食していると、

 

「なんだ?折角の祭りなのに壁の花か?」

 

と、ディアーチェが二人に声をかけてきた。

 

「ディアーチェさん‥‥」

 

「‥‥その私たちは防衛軍の軍人じゃありませんからどうも手持無沙汰で‥‥」

 

「祭りの時ぐらいそんな事は関係ないと思うのだがな‥‥そうだ、何時ぞや言っていた金髪にそっくりな青ひよこを紹介しよう。ついてまいれ」

 

ギンガとディアーチェが言っていたフェイトそっくりの まほろば の砲雷長を紹介すると言われ、二人はディアーチェの後をついて行った。

 

「うまうま~♪」

 

やがて、一つのテーブルで水色の髪の女性士官が料理を凄い勢いで食べているのが見えた。

 

「おい、青ひよこ」

 

ディアーチェが声をかけると、

 

「ん?あっ、王様!!」

 

ディアーチェの声に反応し、水色の髪の女性士官が振り返ると、

 

「っ!?」

 

「フェイトさんそっくり‥‥」

 

事前に言われていたが、いざ、こうして自分たちの目の前に本人が居ると改めて驚かされる。

 

「およ?」

 

水色の髪の女性士官も自分の姿に似ているフェイトの姿を見て首を傾げる。

 

「ねぇ、王様。この僕にそっくりの人は誰?」

 

と、彼女もフェイトの事が気になる様子。

 

「この前、土星圏で戦闘に巻き込まれた者たちだ」

 

「あぁ~」

 

ディアーチェに言われ納得している様子。

 

「ホレ、自己紹介せい‥‥って、その前に‥‥」

 

ディアーチェは彼女に近づき、

 

「料理を食うのは良いが、口の周りをあまり汚すな!!」

 

と、言いながら、ナプキンで彼女の口の周りを拭いていた。

 

(ディアーチェさんって結構世話好きなのね‥‥)

 

(私がはやてにやられているようで、何だか恥ずかしい~)

 

ディアーチェの行動をみて、ティアナは彼女が世話好きなのだと思い、フェイトは自分そっくりの人物が はやて そっくりな人物に口の周りを拭いてもらっている光景に自分たちの姿を重ね合わせた様で赤面している。

 

「では、改めまして、宇宙戦艦 まほろば の砲雷長を務めております。フェリシア・テスタロッサです。よろしく」

 

水色の髪の女性士官こと、フェリシア・テスタロッサがフェイトとティアナに敬礼しながら自己紹介をする。

 

(テスタロッサ‥‥)

 

(容姿もそうだけど、名前もフェイトさんにそっくりね‥‥)

 

フェイトは昔の自分の苗字が一緒な事に戸惑いを感じティアナは容姿と名前がフェイトに似ている事に驚いていた。

 

「は、はじめまして。フェイト・テスタロッサ・ハラオウンです」

 

「ティアナ・ランスターです」

 

戸惑いと驚きを感じながらも二人はフェリシアに自己紹介した。

 

「それにしても、フェイトはホントに僕とそっくりだね~それに名前も御先祖様とほとんど同じなんて凄い偶然だ」

 

と、フェリシア自身もフェイトの存在に驚いている。

 

「御先祖様?」

 

フェリシアの言った御先祖と言う言葉に首を傾げるフェイト。

 

「うん。僕の家の御先祖様にフェイト・テスタロッサって言う人がいたんだよ」

 

「なっ!?」

 

自分と同じ名前の人がかつてこの世界に存在していた事に驚愕するフェイト。

 

それにフェリシアの容姿からもしかしたら、彼女の言う御先祖様のフェイト・テスタロッサはこの世界の自分で、今、目の前に居るフェリシアは、自分の子孫なのではないかと思った。

 

フェイト同様、ティアナもフェイトと同じ考えを抱き、

 

(フェイトさん‥‥この人、もしかしてこの世界のフェイトさんの‥‥‥)

 

と、念話にてフェイトに確認をとる。

 

(う、うん‥‥多分ティアナが考えている通りだと思うよ‥‥)

 

フェイトはまだ少し動揺しながらもティアナに念話で話す。

 

しかし、まだ完全な確証があるわけではない。

 

確認するには彼女からもう少し詳しい話を聞かなければならないだろう。

 

「あの‥‥」

 

「ん?」

 

「その‥‥フェイトさんについて詳しく聞きたいのですが‥‥」

 

「うーん‥‥僕よりもお母さんか、艦長の身内の忍さんなら詳しく知っていると思うよ。実家か艦長の家なら昔の記録映像とか写真があるかもしれないよ」

 

「そ、そうですか‥‥」

 

フェリシアからそう言われ、少しがっかりしたフェイト。

 

やはり、この世界に存在した同姓同名の人物に興味があったのだ。

 

それにもし、彼女がこの世界の自分の子孫ならば、はやて や なのは の子孫も居るかもしれないと思ったからだ。

 

もし、居るのであれば会ってみたいなと言う思いがフェイトにあった。

 

それはティアナも同じ様子だった。

 

最初は壁の花で手持無沙汰なフェイトとティアナであったが、フェリシアと知り合いそこから彼女とディアーチェの二人と話に花を咲かせ、料理に舌鼓をうっている中、会場の一角で、演芸大会が始まった。

 

新人乗組員たちが折角コスプレをしているのだから、何か芸でも披露できればと思い、始まったのだ。

 

それを見ていたフェリシアが、

 

「フェイト」

 

「はい?」

 

「ちょっと協力して」

 

「はい?」

 

フェリシアは、『私、何かを企んでいます』と言う感じの笑みをフェイトに向け、フェイトは戸惑っている中、フェリシアは、フェイトの返事を聞かずにそのままフェイトの手を握り、彼女と共に会場を後にした。

 

「大丈夫でしょうか?」

 

ティアナは少々不安になり、ディアーチェに訊ねる。

 

「心配するな。問題ないだろう」

 

ディアーチェはティアナの問いに問題ないと答える。

 

それから暫くして、演芸が開かれている舞台で、

 

「困った悩みをズバッと解決!強くて凄くてカッコイイ!そう‥‥それがこの僕、雷刃の襲撃者(レヴィ・ザ・スラッシャー)!!」

 

フェリシアは防衛軍の制服から、ふた○はプ○キュ○のキュ○ホワイト風の衣装を身に纏って舞台に立っていた。

 

「「「「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」

 

 この瞬間、会場から男性乗組員たちの咆哮により、艦が揺れた‥‥様に感じた。

 

「良いぞー!!フェリシアさ――ん!!!」

 

「馬鹿野郎!!彼女は『フェリシアさん』じゃない!!『雷刃の襲撃者(レヴィ・ザ・スラッシャー)』だって言っていただろうが!!」

 

「雷刃の襲撃者(レヴィ・ザ・スラッシャー)!!」

 

「その眩しい太股が最高だぁー!!!」

 

コスプレ姿のフェリシアを見て、歓声を上げる男共。

 

「‥‥」

 

「あの馬鹿ひよこが‥‥」

 

そんなフェリシアの姿を見て、ティアナは唖然とし、ディアーチェは恥ずかしそうに顔を赤く染めて、フェリシアから視線を逸らす。

 

「皆!!ありがとう!!でも、今日はもう一人、僕の相棒が来ていま~す!!」

 

フェリシアの言う相棒と言う言葉にティアナは「まさかっ!!」と言う思いがあった。

そしてそれは、現実のものとなった。

 

「さあ、皆で僕の相棒を呼ぼう!!その名は雷光の死神、フェイト・テスタロッサ・ライトニングだよ!!せーの‥‥」

 

「「「「「「「「「「雷光の死神、フェイト・テスタロッサ・ライトニング―――――――――!!!!!!」」」」」」」」」」

 

もはや遊園地やデパートの屋上等の会場で行われるヒーローショーだ。

 

「うぅ~‥‥お、お待た‥‥せ‥‥」

 

プシューと言う白い煙が晴れ其処に居たのは同じく、ふ○りは○リ○ュアの○ュアブラック風の衣装を身に纏っていたフェイトだった。

 

「フェイトさん‥‥」

 

茹蛸の様に顔を赤く染め、身体をもじもじとくねらせているフェイトの姿は管理局の敏腕美人執務官として凶悪犯と対峙している管理局執務官、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンと同一人物とは思わせない姿だった。

 

そんな上司の情けない姿を見たティアナはもはや彼女の名前以外何も言えなかった。

 

「やっと来たね、フェイト!!さあ、フェイトも名乗り名を上げよう!!」

 

「ええぇぇ!!?な、名乗り名なんて無いよ!?」

 

「大丈夫、大丈夫‥‥ゴニョゴニョ‥‥」

 

フェイトの耳元でフェリシアが囁く。

 

「‥‥って、言えばいいよ。さあ、フェイト!!」

 

「~~~~~っ!!うぅ~‥‥」

 

顔を真っ赤にさせているフェイト。

 

「ほら、フェイト。皆が待っているよ。さぁ、ズバッとサラッと言ってみよう!!」

 

フェリシアの言葉に、目を瞑って羞恥耐えていたフェイトだが意を決した様に

 

「ら、雷神の如くササッと登場!立ち塞がる悪には容赦なく死の鉄槌を下す!!わ、私こそが正義の象徴、雷光の死神!!フェイト・テスタロッサ・ライトニング――――っっっっ!!!!」

 

顔を赤くし、ポージングをしながらもうヤケクソ気味に叫ぶフェイト。

 

「「「「「「「「「「イヤオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」

 

この瞬間、男子たちの更なる咆哮により艦が揺れた。

 

比喩的表現じゃなくマジで揺れた。

 

「キタコレキタコレ!!!時代がうねりを上げてキタヨコレ――――――!!!!!」

 

「ペアルックという事は‥‥禁断の百合々関係か!!?」

 

「ありがとう!!この様な至福の光景にカチ合わせてくれて本当にありがとう!!!!」

 

二人のヒーローショー?で、会場は大来に盛り上がった。

 

と、言うよりもフェイトとティアナは今の所、最低限の乗員にしか顔を見せていないにもかかわらず、誰もフェイトの存在を気にしていない様子だった。

 

「ふぅ~酷い目に遭ったよ‥‥」

 

あれからフェイトは舞台で、フェリシアとデュエットしたり、悪乗りで悪役をやった乗員を倒す殺陣等を披露する羽目になった。

 

キュ○ブラック風の衣装のまま、ティアナとディアーチェの居る場所まで戻った。

 

「お疲れ様です。フェイトさん」

 

「ご苦労だったな」

 

ティアナとディアーチェがフェイトに労いの言葉をかける。

 

舞台から降りても、周りの乗員がチラチラとフェイトの姿を窺う。

 

「いやー!!大成功だったね、フェイト!!」

 

其処へ今回の元凶であるフェリシアも合流した。

 

もちろん服装も舞台で着ていた○ュアホワイト風の衣装のままである。

 

「悪乗りしすぎだぞ!!青ひよこ!!」

 

ディアーチェがフェリシアに注意する。

 

「うーん、本当は王様と一緒にやるつもりだったんだけど、王様よりもフェイトの方が僕とそっくりだったから急遽、フェイトにしたんだけど、やっぱり僕の目に狂いは無かったね」

 

ディアーチェの注意も何のその、先程の舞台の盛り上がりに満足な様子のフェリシア。

 

「あ、あんな恥ずかしい事を我にさせるつもりだったのか!?」

 

もし、この場にフェイトが居なかったらと思うと、ゾッとしたディアーチェであった。

 

それと同時に生贄になったフェイトに感謝した。

 

「やあ、楽しんでいるかな?」

 

と、そこへ良馬が二人の様子を見に来た。

 

「あっ、月村艦長」

 

フェイトは先ほどの舞台を見られたと思い、赤面し俯く。

 

そんなフェイトに代わってティアナが、

 

「あの‥月村さん、その人たちは?」

 

と、良馬の傍に居る一組の男女の事を訊ねる。

 

「ああ、この際丁度いい機会だから紹介しておこうと思ってね」

 

と、男女に自己紹介をするように促す。

 

「私は、宇宙戦艦ヤマトの艦長代理の古代進です」

 

「同じくヤマトの船務科長の森雪です」

 

ヤマトの関係者だと知り、先程まで俯いていたフェイトもバッと顔をあげる。

 

そして、その顔ぶれにフェイトとティアナは少なからず驚いていた。

 

あの戦艦の幹部と言う事から、レジアス中将かナカジマ三佐の様な年配者だと思っていたら、目の前にいるヤマトの艦長代理や船務科長も良馬同様、予想以上に若かった。

 

二人の年齢はどう見ても、どう見てもフェイトと同年代にしか見えない。

 

まほろば の幹部も若いがヤマトの幹部も若い事が分かった。

 

ただ、全体的に言えるのは、それぞれ同年代の管理局員と比べると、こちらの顔ぶれの方が精悍な面構えをしていた事だった。

 

「フェイト・テスタロッサ・ハラオウンです。時空管理局次元航行本部所属執務官をしております」

 

「ティアナ・ランスターです。ハラオウン執務官付きの補佐官を務めております」

 

フェイトとティアナも古代と雪に自己紹介をする。

 

そして、ティアナが古代に質問をした。

 

「あの、素朴過ぎる疑問で申し訳ありませんが、代理って、ヤマトの艦長は空席なのでしょうか?」

 

「ヤマト艦長代理の件ですが、イスカンダルへの初航海の任務中に初代艦長が病に倒れられ、当時戦闘班長をしていた私が艦長から指揮権を委譲されました。艦長はその後亡くなりましたが、以来、兼任を解かれていないからです」

 

古代の回答を受け、ティアナとフェイトは納得した。

 

「あの‥‥」

 

続いてフェイトが古代に質問をした。

 

それは自分がヤマトと思しき艦と初邂逅した時の事だった。

 

「そうか、あの時レーダーの隅に映ったのは君たちの艦だったのか‥‥」

 

古代によれば、テレザート星が自爆する直前、レーダーの隅に艦影が映った記録があると言う。

 

テレザートの爆発から退避したこともあり、すぐ反応は途絶えてしまったが、あの艦影が管理局の艦ならば納得もいくというものだ。

 

フェイトも得心した表情になる。

 

「あと、あの時バキューム鉱石を艦の周りに着けていましたが、その後で直ぐにエネルギー回復したのは、あれはヤマトの独自機能なんですか?」

 

「うーん、それは軍事機密の一つになるから詳しい事は言えないけど、あれは、ヤマトの機能ではなく、装備の一つだよ。その装備品さえあれば、防衛軍のどの艦艇でも、あの時の現象は起こせる」

 

「そうなんですか‥‥」

 

フェイトが長く疑問に思っていたあのバキューム鉱石群での現象はヤマトの独自機能ではなく、装備品と言う事だけ分かった事でも一つの収穫であった。

 

それに折角の祭りなのだから互いに機密にかかわるような事は聞かず、世間話をしたのだが、その中で、フェイトたちは、雪が艦長代理の古代と婚約していると知って驚いた。

 

職場恋愛は構わないが、軍艦という特殊な環境でのそれはどうなのかと思ったが、乗組員や前艦長、果ては軍司令長官も公認の仲なので、誰も問題にしないのだと言う。

 

まぁ、自分の義兄(クロノ)と義姉(エイミィ)も考えてみれば、似た様な環境だったと、思い出したフェイトだった。

 

(古代さんと雪さん、フェイトさんの今の服装を完全にスルーしているわね‥‥やっぱり防衛軍の人って管理局とは一味違うわね‥‥)

 

と、ティアナはフェイトの衣装にも華麗にスルーした古代と雪のスキルを心の中で褒め称えていた。

 

 

時系列をほんの少し戻して、

 

会場がフェリシアとフェイトのヒーローショー(?)で盛り上がって居た頃、別の場所では‥‥

 

「コラ太田!!逃がさないんだからね!!」

 

と、遂に原田に捕まった太田が「助けてくれ~」と喚いているが、酒を飲み、完全に据わった目の原田が「観念しりよぉ~太田~」と首根っこを掴んで、ズルズルと引きずる様にして何処かへ連れて行く。

 

其処に先輩、後輩の礼儀は存在していなかった。

 

引きずられていく太田は、「ぼ、僕はもういいですよ~」と、冷汗を流している。

 

今の原田は完全に肉食獣と化しているので、嫌な予感しかしない。

 

しかし、キッと目を鋭くした原田は「太田、酒注げって言っているだろうがぁ!!」と空のグラスを突き出した。

 

太田は更に逃げようとするも、たまたま近くを通りかかったヤマト、砲術長の南部とぶつかり、体勢を崩してしまった。

 

「な、南部さん助けてぇ~」

 

「な、何で俺まで‥‥」

 

「オォー南部か。ちょうどいいお前も付き合え!!」

 

「えっ?」

 

こうしてたまたま通りかかっただけの南部までもが巻き込まれた。

 

「アタシはこれでも気にしているんだ~‥‥」

 

「「はぁ~‥‥」」

 

原田はどっかりと床に胡坐をかきながら、グラスに酒を注ぎ、太田と南部は正座の姿勢で原田の前に座らされている。

 

「能天気でおバカな子だと思われているんじゃないかって。アタシだって悩み事とか真剣に考えたりする事とかあるのにさぁ~『真琴ちゃんはいつもニコニコしていていいねー』とか言ってくれちゃって‥‥ったくどいつもこいつも分かっていない!!」

 

((絡み酒かよ!?))

 

酔っ払っている原田の様子に対して同時に心の中でツッコム南部と太田。

 

原田の愚痴を聞かされ、何故他艦の乗員の愚痴を聞かされなければならないのかと、テンションが下がる太田と南部。

 

「陰気で暗いナースなんて誰も喜ばないだろう?なぁ、そうだろう?太田!!」

 

「はぁ~‥‥まぁ~‥‥」

 

「くそ、何で俺まで‥‥」

 

「なんだ!?その生返事は!?顔で笑って心で泣いているって知らんのか!?」

 

と、更に原田の愚痴に付き合わされる太田と南部の二人だった。

 

「地球との交信はヘリオポーズを通過しますと出来なくなります。交信を希望する乗員は手続きを済ませ、メイン通信室にて、番号札を受け取って下さい。尚、交信は一人三分から五分以内とさせていただきます」

 

太陽系赤道祭と同時に地球にいる家族との通信も行われ、新人乗組員たちは交代で地球に居る家族や彼女、彼氏と交信を行った。

 

「地球との交信は間もなく終了となります。交信希望者は直ちにメイン通信室までお越しください」

 

ヘリオポーズの終焉まで来たヤマト と まほろば。

 

「まもなく、ヘリオポーズを通過いたします。それをもって太陽系赤道祭は終了となります。繰り返します。まもなくヘリオポーズを通過いたします。それをもって太陽系赤道祭は終了となります」

 

楽しい時間と言うのは直ぐに終わるモノである。

 

宴もたけなわ、まもなく太陽系赤道祭の終了時間が迫っていた。

 

太陽系赤道祭の中、残念ながら管理局とはコンタクトが取れなかった。

 

良馬はその事をフェイトに伝えた。

 

「申し訳ない。何とか赤道祭の最中に管理局とは、コンタクトを取りたかったのだが‥‥これより我々は軍務に戻るが、管理局とコンタクトが取れなかった以上、君たちにもこの先の航海に同行してもらわなければなりません」

 

良馬が管理局とコンタクトをとれなかった事をすまなそうに言う。

 

まさか、この宙域にフェイトたちを放り出して行く訳にもいかない。

 

「いえ、其方も本来は任務の最中の様ですので、構いません。私たちが防衛軍と同じ立場でしたら、きっと同じ行動をしていたでしょうから」

 

「それに航海への同行を求めたのは此方ですから、私たちはきにしていません」

 

と、フェイトとティアナは防衛軍側に何の落ち度もないと言う。

 

「無論、任務が終わったら、もう一度、此処へは立ち寄ります。申し訳ないが、了承してほしい」

 

「はい」

 

「わかりました」

 

フェイトもティアナも管理局員‥‥任務と言う職務の大事さは良く知っている。

 

まして、今回は自分たちの恩人を救援に行く任務であるのだから、むしろ自分たちよりも優先すべき任務だった筈‥‥

 

これ以上自分たちのせいで時間を潰させる訳にはいかず、フェイトは首を縦に振るしかなかったのだ。

 

しかし結構重要な場面にも関わらず、フェイトの着ている衣装は未だにキュ○ブラック風の衣装だったので、その衣装がこの場の空気をぶち壊していた。

 

しかし、良馬はあえてその事については触れなかった。

 

良馬としては、フェイトがその衣装を気に入ったものだとばかり思っていたからだ。

 

そして太陽系赤道祭が終わった後になって‥‥

 

「フェイト、何時までその服を着ているつもりですか?」

 

「へぁっ!?」

 

と、リニスに言われるまで気が付かなかったフェイト。

 

彼女の生涯にまたもや黒歴史が一ページ追加されてしまった。

 

ヘリオポーズを通過し、ヤマトの乗組員たちは自艦へと戻り、ドッキングは解除され、太陽系赤道祭は終わりを迎えた。

 

 

ヤマト、まほろば、雪風・改がヘリオポーズを通過し、オリオンのα星へと向かって行った頃、

 

「‥‥ん?何だ?これは!?」

 

三艦とは一足違いでヘリオポーズ付近を航行していた管理局の次元航行艦が通信ポッドの通信波を受信した。

 

「すぐに本局へ連絡しろ!!」

 

「はい!!」

 

通信ポッドの通信内容は管理局本局へと届けられた。

 

本局でその内容を見たクロノは驚きを隠せなかった。

 

義妹を乗せた艦を襲ってきたのは、以前プレオを破壊した艦隊と同一の星間国家のもので、その艦隊に襲われていた所を助けてくれたのは、地球防衛軍と言う組織であった事、

 

その組織にはテレザートであのプレオを破壊したミサイル艦隊を撃破したヤマトも所属している事、

 

そして、その地球防衛軍が存在する世界は、自分たちの知る地球‥‥第97管理外世界から約200年も経過していると言う事、

 

など、驚愕する事実ばかりであった。

 

拉致された可能性もなくはないが、フェイトたちはそう簡単に拘束されるようなことはないはずだ。

 

何よりも記録映像のフェイトとティアナは拘束された様子もなければ、無理矢理台詞を言わされた様子もない。

 

むしろ問題は、地球防衛軍とどうやってコンタクトを取るかだ。

 

フェイト曰く、現在乗艦している まほろば と同行しているヤマトは別任務の途中だという。

 

ならばその任務を果たすのを優先するのが当然だ。

 

今、考えられる唯一の方法は彼らが帰路に此処を通るのを信じて、何らかの通信端末を残していくか、管理局の艦がここに留まるしかない。

 

前者は通信を受けてからここに来るまでの時間がかかり過ぎる。

 

後者も現実的ではない。

 

何時、テリオスを襲った艦の仲間が此処に来るか分からないし、襲ってきたら自分たちには勝ち目がない。

 

そこでクロノは消去法で前者をとるしかなかった。

 

連絡さえ取れれば、身柄返還交渉もできる。

 

現状ではこれが最善だ。

 

今は、親友の安否を心配している彼女たちに連絡を入れるしかなかった。

 

ミッドチルダ、首都クラナガン郊外にあるなのはとフェイトの家で、早朝、目を覚ました高町なのは は、隣にヴィヴィオが寝ているのを見て軽く息をついた。

 

すやすやと寝息を立てているヴィヴィオだが、寝顔にも悲しみが表れていた。

 

目元は泣き腫らし、頬には涙の跡もついている。

 

あの後、なのはは愛娘に事実を伝えたが、案の定ヴィヴィオは大泣きだった。

 

泣きじゃくるヴィヴィオを抱き締めているうちに、なのは自身も涙を抑えきれずに泣き出してしまった。

 

今日明日は母娘一緒にいてあげなくては、と思っていると、胸元のレイジングハートがチカチカと点滅している。

 

「おはよう、レイジングハート。何かあったの?」

 

「おはようございます、マスター。スバルさんから伝言が入っております。ともかくご覧になることをお勧めします」

 

と、レイジングハートは伝言メッセージを早く見るように急かす。

 

(スバル‥‥あの子も私と同じような心境なんだよね‥‥いや、ギンガとティアナの件を考えると、私よりも傷ついているよね‥‥)

 

そう思いつつ、メッセージを再生してみる。

 

再生された映像のスバルもやはり、ヴィヴィオや自分同様泣いていたのだろう。

 

目元は泣き腫らしていた。

 

「おはようございます、なのはさん。ヴィヴィオの様子はどうでしょうか?早速ですが、クロノ提督からの最新情報です。事が事だけに、クロノ提督から伝えられた内容だけ言いますね‥‥フェイトさんとティアの二人は、近くを通りかかった第三者の艦船に救出された可能性が高くなりました」

 

「っ!?フェイトちゃんたち無事だったんだ!!‥良かった‥‥」

 

二人の無事が確認出来たと言うスバルの言葉を聞き安堵する なのは だったが、次のスバルの言葉を聞き、安堵から一転驚愕へと変わった。

 

「それで、フェイトさんたちを助けた船なんですが、地球防衛軍と言う組織の戦艦らしいんです。色々思うところがおありでしょうが、まずは取り急ぎお伝えしました」

 

「ふぇ!?」

 

(フェイトちゃんたちが救出されたらしいのは確かに希望を抱かせる事なんだけど、救出したのが地球防衛軍!?)

 

「ふえぇぇぇっ――――!?」

 

娘が寝ていることを忘れてしまい、大声を出すなのはだった。

 

そして、同じくミッドの八神家でもスバルからのメッセージを聞き‥‥

 

「なんやてぇー!!」

 

と、はやての大声が八神家に響き渡った。

 




2199にて加藤が原田と結婚したのは、加藤がヤマト乗艦前に原田に手当を受け、その後も何度か彼女に手当をして貰った事と赤道祭で同じコスプレをしていた事がきっかけなのかな?

ただ、航海中に関係を持っていたのは意外でしたね‥‥

それに星巡る方舟の冒頭で美影と沢村が出会い頭にぶつかるシーンから、ヤマトでは乗員の部屋は男女とも分かれていないみたいでしたね‥‥加藤と原田以外にも互いに関係を持った乗員がもっと居そうな気もする‥‥

そして、フェイトちゃんは私生活において、ちょっと抜けている感じがあったので、彼女は赤道祭が終わるまでプ〇キュアの衣装を着ている事を忘れてリニスに指摘されるまで着ていた事に‥‥

フェイトの黒歴史に新たなる一ページ・・・・
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