IS~僕の兄は織斑一夏~   作:ピーナ

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秋 「になります」
作 「中華料理では何が好き?」
秋 「麻婆豆腐ですね。作者さんは?」
作 「うーん、回鍋肉かな?」

第九話始まります。


第九話 中国といえば…中華料理

整備室から出た僕は訓練アリーナに向かった。

訓練をしている夏兄や箒ちゃん、セシリアさんを夕食、というより布仏さんに言われたパーティーに誘うためだ。三人ともクラスメイトなんだし。

そういう訳で訓練アリーナに向かっている途中、

 

「本校舎一階総合事務受付…って、だからそれがどこにあるのよ!」

 

と叫ぶ声が聞こえた。その声に聞き覚えが有ったので声の聞こえた方向に行った。するとそこには小柄なツインテールの女の子が立っていた。僕にはその子が凄い見覚えが有った。

 

「よっす、鈴ちゃん」

 

僕は普通に話しかけた。

凰鈴音、僕は鈴ちゃんって呼んでる。幼馴染の一人だ。

最近気になるんだけど、幼馴染ってどこまでがそうなんだろう? 箒ちゃんと束姉は確実にそうなんだけど、鈴ちゃん辺りから微妙になって、中学の時の友達である弾や数馬は違うだろう。境界線が気になる。

 

「誰! …って一秋じゃない! 久しぶり! そういや、アンタもISに乗れるんだってね」

「そういや、って事は完全に夏兄の事しか頭に無かったんだね」

「も、もちろん一秋の事も頭にはあったわよ」

「鈴ちゃん、僕に変な隠し事はする必要ないよ。鈴ちゃんが夏兄を好きなの知ってるんだし」

「…そうだったわね」

 

さっき言った通り鈴ちゃんも夏兄に惚れている。確か理由は小五の時転校してきて早々、からかわれていた鈴ちゃんを夏兄がかばったからだったと思う。

それに鈴ちゃんは中二の終わりの時の引っ越す際、「私の料理の腕が一秋レベルになったら私の酢豚を毎日食べてくれる?」というプロポーズまがいの事を言っている。

ただし、夏兄は気付いていない。ドンマイ、鈴ちゃん。後、僕レベルは結構高いと思うから頑張れ、鈴ちゃん。

 

「そういや、何か叫んでたけど道に迷った?」

「そうなの。案内してくれる?」

「良いよ」

 

まあ、あの三人はその内食堂に来るだろうし問題無いだろう。

 

「で、どこだっけ?」

「本校舎一階総合事務受付だって」

「本校舎はあの建物だね」

 

僕はアリーナの後ろの建物を指差した。

そのタイミングでアリーナから夏兄と箒ちゃんが出てきた。セシリアさんは居なかった。今日は一緒じゃないのかな? まあ、セシリアさんは代表候補生だし何かあったんだろう、多分。

二人はいつもの調子で話しながら寮棟の方へ歩いて行った。

 

「…一秋」

 

何故か声色の低い鈴ちゃん。これは…怒ってるね。

 

「何かな、鈴ちゃん」

「さっきの女、誰?」

「誰って…、忘れちゃったの? 箒ちゃんだよ」

「箒って…あの小五の時に転校していった、篠ノ之箒?」

「そう、その箒ちゃん。良かったね、二人とも親友でライバルだったじゃん」

 

箒ちゃんが引っ越したのが小五の終わりで付き合い的には一年位なのだがこの二人は夏兄を狙う恋のライバルとして、そして同じ男の子に惚れた親友としてとても仲が良かった。そのせいか、最初の頃束姉と鈴ちゃんは少し、仲が悪かった。なんでも、箒ちゃんを取られると思ったんだって。

まあ、箒ちゃんが束姉を叱ってからは普通に仲良くなったんだけど。

 

「久しぶりに会えて嬉しいのは嬉しいんだけど…何なの! あの体の成長の仕方! ボッ、キュッ、ボンを体現した感じ! ズルい!」

「いや、それを僕に言われても…」

 

正直、それを僕というより、男に言われても困る事この上ない事である。

まあ、箒ちゃんは姉である束姉も母親である月子さんもそういう体型だったから血筋的な物もあるんだろう。よく分かんないけど。

 

「まあ、良いわ。たとえスタイルで負けていても一夏を惚れさせれば私の勝ちよ!」

「そうだね。そうそう、僕のスタンスは昔通りだからね」

「相変わらずなのね」

「そうだよ。最初は箒ちゃんと鈴ちゃんの二人のどっちにも肩入れしたくないからだったんだよね。でも、最近はこれは僕が動いて気付かせるよりも夏兄がちゃんと気付かないといけないかなと思って深くかかわらないようにしてるんだよね」

「何か、それだけ聞くと一秋の方が兄っぽいんだよね」

「はははっ、それはよく言われる。でも、夏兄が兄で僕が弟だよ。ああ見えてちゃんと兄らしい所…無いなぁ」

 

ここに入ってから迷惑かけられっぱなしな気がする。気のせいじゃないはず。まあ、夏兄は天性の巻き込まれ型のトラブルメーカー気質という稀有な存在なのではというのがちょっと前からの僕の感想である。トラブルには巻き込まれているのにいつもトラブルの中心に居るから、巻き込まれ型のトラブルメーカー。意外と良いんでないの、この表現。

 

「そういや、これは一番最初に聞く事だと思うんだけど…何で鈴ちゃんがここに居るの?」

「本当に今さらね…。編入試験受けてここに編入したの」

「へぇー、確かここの編入試験って凄い難しいんじゃなかったっけ? しかも受けるのにも国家代表候補クラスしか受けられないんじゃ…」

「そうよ! 私、今中国の代表候補生よ」

「出世したねー」

「感想それだけ!?」

「まあ、身内に元国家代表と候補生がいるからさ」

「同じ候補生でも、千春さんと比べられたらね…私なんかまだまだよ。ホント、あの人なら自由国籍でどこかの国の代表になれたと思うけど」

「興味なかったんじゃない? 春姉はそういう人だし」

 

春姉は凄い人なのだが、自分で表舞台に立つことを好まない。というよりそれで得れる名声とかに興味が全く無い。だから、代表候補生だった時も代表になれるほどの実力を持っているのにも拘らず、冬姉の模擬戦の相手をメインにしていたらしい。

春姉の専用機である『白梅』の名前がISの歴史を語る上では外せなくて教科書に載るほど有名なのに、そのパイロットだった春姉の名前がほとんど知られていないのはその性格が理由の一つだと思う。

 

「そうなんだ。私にとって千春さんは優しい近所のお姉さんって感じだったからなー」

「あらあら、嬉しい事を言ってくれるわね、鈴ちゃん」

 

後ろから声が。振り向くと、春姉が立っていた。

 

「春姉、どしたの?」

「編入生のお迎えよ。つまり、鈴ちゃんを迎えに来たの」

「何で、千春さんがここに?」

「それは私がここの先生だからよ。ちなみに千冬ちゃんも居るわよ。それより、秋君。そろそろ食堂行く方が良いんじゃないの?」

「もうそんな時間!? じゃあ、鈴ちゃんまた学校で」

「うん。じゃあね、一秋」

 

そう言って僕は食堂に向かって走り出した。

 

 

開始されていたクラス代表就任パーティーは、主役である僕が居ないものの凄い盛り上がっていた。

 

「すげー盛り上がってるけど、ひょっとして皆アルコール入ってる?」

「「「「「入ってないよ!」」」」」

 

会場に居た全員がそうツッコんだ。皆息ぴったりだねー。

 

「とまあ、冗談はこれくらいにして、皆ありがとうね」

「いいのいいの、私達は数少ない男子を持ち上げて二度おいしいし」

 

誰かがそう言った。なら気にせず楽しみますか。

 

「はいはーい、新聞部でーす。話題の新入生、織斑兄弟の取材に来ましたー」

「はーい、呼びましたー?」

「おっ、そこに居るのがクラス代表になった弟の織斑一秋君だね」

「そうですけど、どちらさんで?」

「おっと、自己紹介がまだだったね。私は黛薫子、新聞部の副部長の二年生さ。よろしくね」

「よろしくお願いします黛先輩」

「よし、じゃあインタビュー始めるよ。まずは…この前のデモンストレーションでいいのかな? あの流鏑馬について。あの後調べたんだけど、普通の流鏑馬ってもっと的までの距離が短いんでしょ?」

「らしいですね。詳しくは知らないんですけど。でも、近所の神社の神事があの規格だったんでもう慣れました」

「近くの神社というのは?」

「言って大丈夫、箒ちゃん?」

 

僕が確認すると、箒ちゃんが首を縦に振った。

 

「えーっと、その近所の神社はこのクラスの箒ちゃんと篠ノ之博士の実家の篠ノ之神社で、その神事っていうのが、篠ノ之流に関わるもので何年か前から僕が受け持っているんですよ」

「へー、具体的にはどれくらい前から?」

「初めてやったのは…たしか小三の時ですね。毎年するようになったのが小六の頃からです」

「そんな前から…他に何か弓を使って出来る?」

「出来ますよ。後一つだけですけど」

「「「「「出来るの!?」」」」」

 

僕の答えに聞いた黛さんを含め、驚きの声を上げた。上げなかったのは夏兄位だった。まあ、夏兄はもう一つの方も見た事があるからだろうけど。

 

「ど、どういうの?」

「落ち着いてください、黛さん。っていうか聞いたのあなたですよね」

「いや、まさか他にもあるとは思わなかったから…」

「なるほど。まあ、そうでしょうね。これは中二の文化祭の時弓道部の出し物でしたんですけど、二年前の大河ドラマって覚えてます?」

「確か、主人公は源義経じゃなかったかな?」

「そうです。で、源平合戦の一つ屋島の戦いの中にある那須与一の扇の的当てをやったんですよ。プールにビニールのボート浮かべて、そこに棒を立ててその棒の先端に扇をくくってそれを60メートル先から撃ち抜くって事をしたんですよ」

「結果は?」

「ここで言うんだから成功しましたよ。まあ、海に浮かべたんじゃなくてプールだから出来たんですけどね」

 

海みたいな波と風で揺れている的に当てるのは流石に自信が無い。それをやった日も奇跡的にほとんど風が吹いてなかったし。

 

「謙遜するところが間違っている気がするわ…。気を取り直して、クラス代表になった感想を一言!」

「そうですね…、成行きでなったんですけど、これも一つの経験と受け止めて、精一杯頑張って行きます」

「なんか、固いねー。もっといいコメント頂戴よー。俺に触るとヤケドするぜ! とかさ」

 

ちょっと古くないですか? 言い回しが。後、そういうのあんまり得意じゃないんですけど…。

 

「うーん、なら、あなたのハートを撃ち抜きますとかどうですか?」

「いいね、採用!」

「はは、気に入っていただけて何よりです」

 

これで、僕への取材が終わり、続いて夏兄そして、専用機持ちのセシリアさんが次々とインタビューを受けた。

セシリアさんのは長くなりそうだったからカットされてたけど…。

そんでもって写真撮影になったけど、今回取材を受けた三人で写真を撮るんだけど…主役が僕なので僕が中心で夏兄とセシリアさんが両サイドという構図になってしまったので、セシリアさんから非難の目線を浴びる羽目になった。仕方ないじゃないですか…。

まあ、なんだかんだでシャッターを切るタイミングでクラス皆が入ってきて、集合写真ぽくなったからその辺はうやむやになったけど。




鈴登場回でした。

次回は…未定です。ふざけたギャグ回みたいのとかなら思いついているんですが、本編の内容が思いついていません。
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