シャルロット(以下シャ)「初めまして」
作 「どうも、ご丁寧に。これもまた奇妙な縁かもね」
秋 「そうですね」
シャ「作者さんは何か奇妙な縁ってあるんですか?」
作 「そうだねー、一番奇妙だなって思ったのは、小6と中1の担任が兄弟だった事かな?」
秋 「そんな事が?」
作 「うん、最初は苗字だけかなって思ったんだけど、気になって聞いてみたら兄弟だった」
第十七話始まります
「えーっと…僕達は何故ここに連れてこられて来たんでしょうか?」
「なんとなくは分かるよね、一秋」
「まあ、そうだけど」
昼食の時間、僕とシャルロットは二人でのんびり食事をしようと思って屋上に行こうとしたんだけど、箒ちゃんとセシリアさんに拉致されて食堂に連れてこられた。
連れてこられた席にはそこには鈴ちゃんと簪さんも居た。
それに確実に周りの人は確実に聞き耳を立てている。
ちなみに夏兄は「「食堂には来るな(来ないでください)!」」と箒ちゃんとセシリアさんに言われて、来ていない。昼食は僕の弁当を夏兄に渡した。僕とシャルロットの分は同じ席に座っている4人が出してくれるらしい。
「さて、色々聞いていくぞ。一秋、デュノア」
「あ、篠ノ之さん。僕はシャルロットで良いよ。皆も」
「そうか、なら私達も名前で呼んでくれ。皆も良いよな?」
箒ちゃんの言葉にうなずく三人。
うーん、この様子だと当分はシャルロットに話が集中しそうだし、僕に話が振られる前にご飯を食べておくか。
「ではどんどん行くぞ。二人の出会いはいつなのだ?」
「ちゃんと会ったのは昨日だよ。でも、写真で顔を見たのは2年前だね」
「僕も同じ」
「それだと、どういう経緯で写真を見るのよ?」
「お父さんに写真を見せてもらったんだ。一秋も同じだって言ってた」
「シャルロットさんのお父さんってデュノア社の現社長でEU1のIS技術者としても名高い、ジュール・デュノアさんですわよね? その人とその当時はただの1中学生でしかない一秋さんがどう知り合ったのか気になりますわね…」
僕はデュノアさんがそんなに有名人だったのが初耳だよ。話した限りだと、娘との関係に悩むただのおじさんってイメージだったからね。
「ざっくり言うと、共通の知り合いの紹介だよ」
「へえ、変わった縁もあるんだね。じゃあ次、二人はお互い相手のどこを好きになったの?」
簪さんの質問に僕とシャルロットは黙ってしまう。
「…ねえ、私変な事聞いた?」
「いや、簪は全然変な事言ってないよ。ただ、どこが好きになったとか考えた事は無いし分かんないなって思ってね。それでどう答えようかなって」
「僕も。強いて言うなら全部かな」
これは僕の感覚なのだが、突き詰めて考えると、僕がシャルロットを好きになった理由は無い。いつ、どのタイミングで好きになっていたのか分からない。
ただ、いつの間にか僕の心にはシャルロットが居て、いつの間にか好きになっていた。まったくもって『恋に落ちる』とは上手い表現だと思う。
多分シャルロットも同じ感覚なんだろう。
「僕も一秋の全部が好きだよ! それで、簪の質問をちゃんと答えたいんだけど…本当にどこが好きになったとかは無いんだ。ただ、写真をお父さんに見せてもらって、いつの間にか一秋の事を考える事が増えてて、それを整理したら『僕は一秋の事が好きなんだな』って思ってた。って感じかな」
同じ…とまでは行かないけれど近い感覚ではあったみたいだ。
「なんて言うか…運命?」
「そうかも。僕の運命の人が一秋だった。そんな感じ」
運命の人か…。使い古された言い回しだけど、これ以上に僕達のお互いに対する想いを表した言葉は無い気がする。
「告白は、どっちからなの?」
「一応、僕からかな」
その言葉に四人…というより、周りの女子の視線が突き刺さる。その視線の意味するものは分からないでもない。『女の子の方に告白させるとか…』的な奴だ。
「なんだかんだ言って一秋も一夏と同じ鈍感って訳ね…」
「ちょっと待った、鈴ちゃん。っていうか聞いてる皆にも聞きたいんだけどさ、顔は知ってるとはいえ出会った初日に告白出来るの?」
僕の質問に痛いほどの視線は無くなった。
誰も出来ないんだね…。
「それに、僕が一応って言ったのは僕はあくまで一秋に好きの気持ちを伝えただけだったからなんだ。その後一秋はちゃんと僕の事を好きって言ってくれて、恋人になって欲しいって言ってくれたからね。その時は嬉しかったなー」
シャルロット…フォローのつもりだろうけど、僕は結構恥ずかしいからそれ。
まあ、シャルロットが思い出して嬉しそうな顔をしてるから良いか。
「「「「「「「「惚気、ご馳走様です!」」」」」」」」」
そう、食堂に声が響いた。僕とシャルロット以外のほとんど皆が声を合わせて言ったみたいだった。
気付いたらお昼休みも終わりかけだったので、僕達の話はここで終わった。
ちなみに、この日食堂のコーヒーや緑茶の消費量はIS学園の歴史の中でダントツで1番消費されていたらしい。しかも、ミルクや砂糖はほとんど減っていなかったとか。
さて、騒がしい昼休みと面倒な授業もいつの間にやら終わり、時間は放課後、僕とシャルロットはIS学園の一室に居た。
部屋には僕達以外に、僕の家族である春姉、冬姉、夏兄が居た。…夏兄は別にいなくても良いんじゃないかな? いや、これであの4人との関係も進むかな?
そして何故か…束姉と山田先生も居た。
「どうして、束姉と山田先生が居るんですか?」
「それは私達も気になっていた所よ」
どうやら、姉さん達も知らないらしい。
「えーっと、それはですね私と束さんが今回のシャルロットちゃんの件の協力者だからです」
…初耳なんですけど。
「それは後で聞かせて貰うとしてまずは昨夜の事を聞かせて貰おうか」
そう言うのは冬姉。ここにカツ丼とかあったら、多分取調室になるだろう。それくらいの迫力がある。
「ちーちゃん、説明は私に任せてよ!」
そう言って部屋に備え付けられていたプロジェクターを使い始めた。
説明とプロジェクターって、まさか!
次の瞬間、昨日の夜の映像が流れだした。
予想通りだったけど…
「いつの間にこんなの撮ってたのさ、束姉!」
「昨日の授業中に超小型の隠しカメラを用意しておいたのだ! 大丈夫! 告白の映像も撮れたからもう部屋には無いよ」
良かった…ってそういう問題じゃなくて! …まあ、良いや。もう撮られてしまったのは仕方ないし。
さて、客観的に自分の告白シーンを見るという中々ない羞恥プレイなのだが…、その時は気付かなかったシャルロットの可愛い所を発見できるので、まあ…悪くは無いかな。
ちなみに僕のベストシーンは最後の部屋に出る前のシャルロットからのキスの所。理由は女の子が自分より背の高い相手の男の人にキスするのって良くないですか? それにこれは映像で気付いたんだけど背伸びするタイミングで「…んっ」って息が入ってて、妙に色っぽかったし。
「束姉!」
「束さん!」
「ど、どうしたんだい? かずくんにるーちゃん?」
「「この映像、ブルーレイに焼いてください!」」
って、シャルロットも!? いや、最初は恥ずかしいと思ったんだけど、シャルロットすげー可愛いし、そんなのが映像データとしてあるのなら永久保存するでしょ、彼氏として。
「おっけー、明日にでもあげるよ」
「束ちゃん、私の分もお願いねー」
「ちょっと、春姉!?」
春姉の言葉に思わず驚きの声を上げてしまう。当事者の僕や相手のシャルロットに見られるならともかく、家族に見られるのは辛い。
「さて、話に戻りましょうかね。…と言っても、私は恋愛は個人の物だから秋君とシャルロットちゃんの自由にすればいいと思うわ。おめでとう二人とも」
「私は…正直いきなりすぎて頭が付いて行かないんだが、あの映像を見せられては反対もできんな。二人の道を進め。私からもおめでとうと言わせてもらう」
春姉も冬姉も認めてくれて良かった。
「ありがとう、お姉ちゃん!」
そう言うシャルロット。実はこれ、僕の仕込だった。
姉さん達は可愛い物が好きなのだが、そういう物を普段身に着けたりはしない。
冬姉は完全にカッコイイ女性だし、春姉は綺麗な女性であって、可愛いというタイプではない。
なので、たまに家で晩酌をして酔った時に「可愛い妹も欲しかった」と言っていた。
まあ、酔った時の戯言だし、たまに素面でも冗談で言っていたのだが、今回シャルロットにタイミングを見計らって言ってもらったのだった。
姉さん達は一瞬フリーズした後、シャルロットに抱き着いている。
「か、一秋~」
「はは、想像以上の破壊力だったみたい。ゴメンね、シャルロット。少し二人の相手してあげてよ。…で、夏兄は僕達の関係を見てどう思う?」
「素直に羨ましいかな。俺も彼女欲しいなって思ったよ」
「まるで、弾みたいな言葉だね」
「だな。ただ、俺には一秋やシャルロットみたいに強く想っている人はいないからさ」
「そっか…。まあ、ゆっくり探せば良いんじゃない? 僕達まだ高校生になったばっかなんだしさ」
「そうだな」
「ここは女の園だからより取り見取り黄緑青緑だよ」
「最後の二つはただの色じゃねえか! しかも、より取り見取りって表現はどうなんだよ」
ぴったりだと思うんだけど…。夏兄はIS学園唯一のフリーな男子なんだから、より取り見取りなのは間違いない。
「さて、弟の可愛い彼女を堪能した所で、最後に束ちゃんと真耶ちゃんがなんでここに居るのかを話してもらいましょうか」
そう言ったのは言葉通りシャルロットを堪能した春姉。心なしか肌がつやつやしている。
「簡単に言いますと、束さんと私の父がシャルロットちゃんのお父さんと同士だったんです」
「そうだよ。ジュールのおじさんと真のおじさんの二人はISを発表したころから連絡を取り合ってるからねー」
「ちなみに、私の父、山田真は一秋君とも知り合いらしいです。ですよね?」
「あっ、はい。中学校の頃に釣りに行った時に話しかけられて。子供が一人でしているのが気になって話しかけたらしいですよ。しかし、やっぱり娘さんが山田先生でしたか。僕もなんとなく山田先生と雰囲気似てるなとは思ってたんですよ」
「…本当に、人の縁とは奇妙な物だな」
冬姉がそう言った。それは本当に僕もそう思う。
もし埠頭で山田さんと出会わなければ。もしデュノアさんが僕に相談をしなければ。もし夏兄がISに触らなければ。色々な偶然の末に僕とシャルロットは今こうして恋人という関係になれた。
「そういえば、夏君、秋君、シャルロットちゃんは今日ISの訓練にはいかないの?」
「あっ、行ってきます!」
「俺も行く!」
そう言ってシャルロットと夏兄は出て行った。
「秋君は?」
「僕は今日は行かないつもり。そろそろ、練習メニューを変えようかなって思って少し考えようと思ってる」
そう言って僕は部屋を出た。
しかし、よくよく考えるとそんな事は夜にでもやればいいと気付いた。僕は映像管理室で自分の訓練の映像をダウンロードした後、シャルロット達が居るアリーナに向かった。
「おっ、一秋」
「あれ、夏兄先行ったんじゃないの?」
「トイレ行ってた」
途中で夏兄と合流して僕達はアリーナに向かった。
アリーナは何だか騒がしかった。
なので、僕達はアリーナの観客席から中の様子を見る事にした。
そこには攻撃をしているボーデヴィッヒさんとその攻撃でボロボロのセシリアさんと鈴ちゃん、さらにそれをかばって彼女達以上にボロボロになっている
シャルロットが居た。
それを見た瞬間、僕の中の何かが切れた。
「…夏兄」
「…なんだよ」
「今すぐ『零落白夜』でこのシールドバリアーを破壊して」
それだけ言って僕は黒鷹を展開させる。
「…分かった」
「ありがとう、責任は僕が取るよ」
夏兄が白式と雪片を展開、最大エネルギーで『零落白夜』を発動させ、シールドバリアーを破壊した。
それを確認した後僕は最高速でボーデヴィッヒさんに突っ込んだ。
梓鷲で初弾を放つ。が、避けられる。
「…何をする」
「言わなきゃ分かんない? 大切な人を傷つけられて知らない振りできるほど冷めた人間じゃないんでね」
「ハッ。教官の足手まといにしかならないお前に何が出来る?」
「少なくとも、力に振り回されるだけの子供には負けないよ。それに、お前が姉さんを、織斑千冬を語るな」
「貴様!」
言葉と共に肩の大型レールキャノンを発射体制に持っていくボーデヴィッヒさん。しかし、それが発射される事は無かった。
『模擬戦をするのは構わんがやり過ぎは良くない。決着を着けたければ学年別トーナメントで着けろ』
冬姉の介入によって。
「了解」
「教官が仰るのならば」
これで、僕達は矛を収めた。
コイバナに食いつく女性陣の回でした。
最後は次回以降への布石です。
出来れば、年が明ける前に2巻の所を終わらせたい…。