以前活動報告で書いたISのオリ主物、プロローグだけ出来たので上げようと思います。
「…寒いし、釣れないしで今日は厄日だな」
そう僕は呟いた。
現在、僕は家の近くの埠頭に釣りに来ている。
今日は平日なんだけど、ここら辺の私立高校の入学試験が同日に行われるので、三年生で受けない人は自宅学習という事になっていたが、僕は既に年明け前に推薦で合格を貰っていたので、こうやって趣味である釣りに来ている。
「やあ、一秋君。釣れているかい?」
釣り竿を見ながら、ぼーっとしていた僕に一人の男性が話しかけてきた。
若干緑っぽい黒髪が特徴その男性見た目は三十代後半なのだが、これでも成人した子供(娘さん)を持つナイスミドルなのだ。
名前は山田真さんという。歳は離れているけど、僕の釣り仲間の一人である。
「あっ、山田さんおはようございます。お久しぶりです。今日は全然ですねー」
「家の娘が言っていたんだが、今日はいくつかの私立の高校の入試らしいんだが、一秋君は良いのかい?」
「僕は推薦で合格貰っていますから大丈夫です。まあ、そのせいで最近、来れなかったんですけどね」
「なるほどね。一秋君が来ない間に正宗君と話している時にも話題に上がっていたから、久しぶりに会えて嬉しいよ」
「そうですか…。今日は更識さんは来てないんですか?」
更識正宗さん。僕や山田さんの釣り仲間で、聞いた話では山田さんと更識さんは同じ学校の先輩後輩関係なんだとか。
更識さんにも娘さんがいるらしい。しかも二人。下の子は僕と同い年なんだとか。
しかし、山田さんも更識さんもよく、「娘も可愛いけど、男親としては男の子も欲しかった」と言っている。
それも理由なのか、僕は二人にとても可愛がってもらっている。
「正宗君かい?今日は忙しいみたいだよ」
「そうですか、久しぶりに会いたかったです」
「まあ、一秋君ももうすぐ春休みだろ?その時に三人で時間を合わせて合えば良いさ」
「そうですね。…っと、電話だ。冬姉から?」
山田さんとの話の途中で電話が掛かって来た。
相手は僕の姉である、織斑千冬。世の中的には、『ブリュンヒルデ』『世界最強』で名が通っている、有名人である。
僕にはもう一人、織斑千春という姉が居るのだが、二人とも何の仕事をしているのかを僕は知らない。
たまにしか帰ってこないし歳の割にかなり稼いでいるから、結構忙しい仕事をしているんだとは思うけど。
そのせいなのか、あまり二人から電話が来るという事は無い。特にこんな昼間からというのは全く無かった。まあ、僕も普段なら学校に行っているからだろうけど。
なので、非常に今日の出来事は珍しい。
「もしもし冬姉、どしたの?」
『一秋、今どこに居る?』
「今?いつもの埠頭に釣りに来てるけど…」
『そこを動くなよ!良いな、絶対だぞ!』
かなり強い口調で冬姉に言われたので、
「分かったよ…」
と答えた。
『すぐ、迎えをよこす』
それだけ言って冬姉からの電話が切れた。
「どうしたんだい、一秋君?」
「いや、よく分かんないんですけど…。冬姉、あっ下の姉に呼び出しくらいました。何か、迎えが来るみたいです。まあ、僕自身が完全に状況を理解していないんですけど」
「一体、何なんだろうね」
まあ、帰らないといけないので道具の片付けをする。
片付けをし終わって、近くにあった自販機で缶コーヒーを飲んでのんびりしている。
ちなみにブラックである。ていうか、我が家の人間はほとんどブラックしか飲まない。
「秋君、お待たせー」
僕の事を「秋君」と呼ぶのはこの世で一人しかいない。我が姉、織斑家長女、織斑千春だけである。
「春姉がお迎え?」
「そうだよ。さあさ、乗った乗った」
春姉の乗ってきていた車に乗って、僕は埠頭を離れた。
「で、春姉」
「なあに、秋君?」
「ここ、どこ?」
僕は春姉に連れられて来たのは…周りが海に囲まれているから、島?なのかな。そこにある大きな建物に僕と春姉はやって来た。
「私と千冬ちゃんの職場のIS学園よ」
「春姉達ってIS学園で働いていたんだねー」
「あらあら、あんまり驚いていないみたいね」
「まあ、春姉も冬姉も年齢の割に稼いでるからね。春姉達がISに詳しいのを僕は知ってるし、IS関係の仕事をしているのはなんとなく思ってたからさ」
IS、正式名称はインフィニット・ストラトス。
数年前に篠ノ之束博士が開発した宇宙開発のためのマルチフォーム・スーツ。
最初は見向きもされなかったのだが、後に「白騎士事件」と呼ばれるようになる事件によって、軍事転用され、各国の国防の要となっている。
ただ、ISにはとんでもない欠陥があって、女性しか使えない。なので、世界は女性優先、女尊男卑の構造になっていった。
さて、何故春姉と冬姉がISに詳しいのかというと、束姉(篠ノ之博士は言い慣れていないからいつも通りに戻そうと思う)が冬姉と同い年で友達(束姉は「ちーちゃんと束さんは親友だよ~」冬姉は「…腐れ縁だ」と言っている)で開発の頃から知っているからである。
「そんで、僕はなぜに連れられてきたのさ」
「実はね、夏君がISを動かしたのよ」
春姉の言葉の意味が分からなかった。
夏兄、つまり僕の双子の兄である織斑一夏がISを動かしたのだという。『兄』という事は夏兄は『男』なのだ。
「ISって、女性しか動かせないんじゃ…。そんで僕の知ってる夏兄は男性だから動かないんじゃないの?」
「そのはずなんだけどね」
「って事は僕は夏兄に一番近い男性である僕も乗れるんじゃない?っていう実験って事だね」
「そうだ」
そう言ってやって来たのは冬姉。スーツに身を包んだその姿は弟である僕のひいき目を抜いてもカッコイイ。
ちなみに春姉はスーツを着ておらず(まあ、先生は必ずしもスーツを着ているという訳ではないし)長めのスカートにシャツの上に薄いピンクのカーディガンを着ている。
「冬姉、本当に夏兄が動かしたの?」
「本当だ。…そのせいで、仕事増えたんだ。私も姉さんも、もちろん他の先生も」
「…なんかごめんなさい」
「秋君が謝る事じゃないわよ」
「そうだ、一番問いただすべきは…」
冬姉が言葉を切った時、
「ち~~ちゃ~ん、はるねぇ~、か~ずく~ん」
何処からともなく、僕達を呼ぶ声がする。
声の方向を見ると、水色のワンピースを着てうさぎの耳を装着した女性がかなりのスピードで走って来た。
その女性は冬姉に抱き着こうとするが、冬姉のアイアンクローで迎撃される。
「痛たたたたた、痛い!痛いよちーちゃん!」
「さて、束。事情を説明してもらおうか」
冬姉に束と呼ばれた女性、まあ、お察しの通りISの開発者である束姉だ。
束姉は冬姉のアイアンクローから脱出した。…やっぱ、束姉は非常識な存在だな。
「ふぃ~、頭が割れるかと思ったよ…。久しぶりだねちーちゃん、はるねぇ、かずくん。それで、いっくんの事だったよね。ざんねんだけど、束さんにも分かんないんだ。いっくんをナノ単位まで解剖すればすぐにでも分かるけど、そんな事する気もないし、絶対に誰にもさせないし」
束姉でも分かんない事か…。たとえナノ単位まで解剖しても他の科学者には絶対分かんないな。
「そっか、束ちゃんにも分かんない事か…」
「ごめんね、はるねぇ。力になれなくて…」
「良いのよ、気にしないで。それよりも行きましょう」
春姉の言葉で動き出す僕達4人。
話は変わるけど、冬姉と束姉の関係は親友だけど、春姉と束姉の関係はよく分からない。前に冬姉に聞いた時は「束の人嫌い、というより興味の無い人間以外は話さないというのを千春姉さんが治したんだ。そこから、束は姉さんを慕っている」と言っていた。
僕はその頃の束姉にあった事は無いので、まったくイメージ出来ない。今の束姉はせいぜい人付き合いが苦手といったレベルだし。
「そういや気になったんだけど、どうして夏兄はISに乗れるって分かったの?」
「「「…………」」」
僕の質問に途端に黙る三人。
「えっ、どうしたの?」
「驚かないで聞いてね、秋君。夏君は今日高校受験に行ったわよね」
「うん、僕と同じ私立藍越学園の入試に行ったね」
「実は、IS学園の入試も同じ会場で行われていたのよ」
「何か、私立高校のいくつかが同じ会場でするとかなんとかクラスメイトが言ってた気がするよ。関係なかったから詳しくは聞かなかったけど」
「…IS学園と藍越学園って響き似ているわよね」
「うん、そうだね。…って」
たしかにISと藍越、ローマ字表記にするとAIESUとAIETSU、Tがあるかないかの差なんだけど。
「夏君が道を聞いた警備員の人がIS学園の会場を教えたんだって。なんでも忘れ物を届けに来た家族だと思って。それで、試験会場に置いてあったISに触って発覚、という訳なのよ」
…何で触ったんだろう。まあ、興味本位だろうけど。多分、僕も置かれていたら触る気がする。滅多に見たり触ったりする機会無いし。
「…とりあえず、分かったよ」
話が一段落したところで、僕達は大きな扉の前に着いた。そこが開くと中には何機かのISが置かれていた。
「えっと、ラファール・リヴァイブと打鉄だよね」
「おーかずくん、知ってるんだね」
「名前だけだけどね。やっぱ自由に空を飛べるのは楽しそうだし、いつか宇宙に行ってみたいってのもあるし、乗れないけど興味が無いって訳じゃないんで」
「そっか…最近は兵器の側面しか見られていないから、そう言われると束さんは嬉しいのですよー」
そう言って僕の後ろから抱き着いてくる束姉。っていうか、僕の背中に束さんの大きな胸が、双丘が、女性の象徴が!
「束、その辺で一秋を離してやれ、話も進まんしな」
「ごめんね、ちーちゃん」
そう言って僕を離す束姉。若干惜しい気もするが、それよりもやる事を済ませよう。
「それで、僕はISを触れば良いんだよね」
「その通りだ」
冬姉の言葉を聞いて、僕はISに近付いていく。
もし、本来の目的に使われていたら今頃、この打鉄に使われているコアも宇宙で使われていたのだろうか?
まあ、IFを考えても仕方ないけど。
ただ、出来るなら…
「(この子と一緒に空を宇宙を飛んでみたいな…)」
そう思いながら、僕は打鉄に触れる。
すると、次の瞬間おびただしい量の情報が頭の中に流れ込んでくる。
そして、僕の見える世界は普段よりも少し高く、そして全方向となっていた。
「はあ、これで仕事が増える…」
「まあ、可愛い弟たちの為に頑張りましょう千冬ちゃん」
「にゃはは、束さんも手伝うよ、ちーちゃん」
姉達はそう言っていた。
まあ、なんだかんだで、僕の高校生活は破嵐…もとい波乱万丈の幕開けを迎えたのだった。
「そういや、僕進路どうなるんだろ?…はあ、やっぱり今日は厄日だ」
どうでしたでしょうか?
後にキャラ設定などを上げます。大体、一秋のオリジナルISを出した時点で。
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