作 「やっぱり、、嫌?」
秋 「当たり前ですよ!」
作 「はっはっは。だが断る! 僕が面白いと思ったものは書かれる運命にあるのだ!」
第三十八話始まります。
フランス滞在五日目、ジュールさんとヴィクトリアさんは急な会議が入ったとかで出かけて、今僕達はお抱えのシェフの作った料理を食べている。
いやでも、シェフの人凄いな。フランス料理だけじゃなくていろんな料理作れるし、どれも美味しいし。
今日のも凄い美味しい。ただ、少し旅行の疲れが出たのか、頭がボーっとする。
僕はそこで記憶を失った。
シャルロットサイド
お父さん達が仕事で出かけているので僕達は二人きりで夕食を食べている。
ふと、正面の一秋を見ると、なんか目がうつろって言うか、ぼーっとしているって言うか…。
そう思いながら食事を終えると、一秋はおもむろに立ち上がって僕を抱きかかえる。所謂お姫様抱っこの体勢だ。
「…って、一秋どうしたのさ!?」
「ん~? 大事な大事なシャルロットをこうやって抱っこするのに理由なんてないよ~?」
「理由が無くても、ご飯を食べた後だから、ダメだよ!」
そう言って、僕は何とか一秋の腕の中から逃れようとするけれど、一秋にがっしり抱かれているので、逃れられない。うう、恥ずかしい…。
「さて、お姫様一人ご案内~」
一秋はそのままリビングを後にした。
なんか陽気だなあ。…もしかして!
「一秋、酔ってる?」
「シャルロットの部屋には寄ってかないよ? このまま僕の部屋に直行さ~♪」
確定だ。一秋は酔っぱらってる。
多分、食事中の飲み物が手違いでアルコールの入ってたものになってたんだろう。
しかし、意外だね。お姉ちゃん達はアルコールに強くてあんまり酔わないって言ってたけど、一秋はかなり弱いらしい。グラス一杯も飲んでないはずだ。
そんな事を考えている内に、一秋の部屋に着いていた。
一秋は僕を抱えながら器用に部屋のドアを開ける。そして、部屋に入ってベットに寝かされる……って
「ちょ、ちょっと一秋!?」
「ん~? どうしたの、シャルロット?」
「な、何するつもり?」
「あっ、それ僕に言わせちゃう? そんなのもちろん、エロい事に決まってんじゃん」
ストレートだなあ…。人って酔うとこんなに変わっちゃうんだな。…いやいや、そうじゃなくて!
「エ、エッチな事はまだ早いよ! それに彼女の実家でするのはどう…」
まだ、僕が喋っている途中だったけど、それは途中で止められる。一秋に口を口で塞がれたから。つまり、キスをされた。しかも、いつもの優しい感じじゃなくて、荒々しい感じで。
「ぷはあ。文句を言うお口は、僕がこうやって塞いじゃうよ?」
いつもとは違う不敵な笑みを浮かべながら僕の上に覆いかぶさり、そういう一秋。
もう、僕の思考回廊はオーバーヒート寸前だよ…。多分、顔も真っ赤になってるだろうな。それが分かるくらい熱いもん。
「何も言わないって事は、良いんだね? それじゃ食後のデザート、いただき…ま…」
最後まで言い終わらないで、一秋はそのまま倒れこむ。僕の耳元で聞こえてくるのは、
「ZZZ…ZZZ…」
一秋の寝息。どうやら、限界を迎えたらしい。
…別に少し残念だなとは思ってないよ? ホントだよ?
僕は何とか一秋の下から抜け出す。
僕はそのまま、横に居る一秋に目をやる。
そう言えば、一秋の寝顔を見るのはこれが初めてな気がする。
大体、僕より早く寝ちゃうけど、それでも、ほとんど変わらないし、朝は一秋の方が早いから見る機会が無かった。
僕が一秋の事が大好きだからという事を抜いても、一秋はカッコイイ。それは、新聞部が一秋と一夏に極秘で女子生徒だけに行った、『織斑兄弟はイケメンか?』というアンケートで女子の九割がYESと答えていた。ちなみに残りの一割は『カッコいいけど、好みじゃない』との事だ。
普段は落ち着いてるし、クラス代表でまとめ役をしているしで、大人びたしっかり者のイメージがあるんだけど、寝ている顔は年相応、いや、もしかしたら少し下位に見えるかもしれない。
なんかこのままずーっと眺めていたいなあ…。そうだ! 今日はこのまま寝ちゃおう。
明日の朝どれだけ慌てるかな?
「ふふ、少し楽しみだな。お休み一秋」
僕は一秋の唇にキスをして、ベットに入った。
丁度、良い体勢だったから、一秋の腕を枕にして体も凄く密着させて。
今日は良い夢見れそうだな。
「一体、僕はどうしたんでしょうか?」
朝起きて最初の一言がそれだった。
まず、目を覚ますと僕の隣…というよりかなり密着した+腕枕の状態で寝ているシャルロットが目に入った。一瞬、夢かなと思ったけど、頭の重みと感じる体温が夢じゃ無いと教えてくれる。
その後、昨日の夜の事を思い出そうとするけれど、夕食の後位からの記憶が無い。
…もしかして、やっちゃった? もし、そうなら…どうしよう。とりあえずは土下座かな?
「んん…、おはよう一秋」
どうしようか考えていたらシャルロットが目を覚ました。
「シャルロットさん、つかぬ事をお伺いしますが、昨日僕は貴女に何かしたのでしょうか?」
「覚えてないの?」
「…まったく。もっと言うと夕食の終わり辺りから記憶が無いです…」
「あんな事したのに…」
シャルロットさん、あんな事って何でしょうか!? 僕本当に取り返しのつかない事してないよね!?
もうね、どうすれば良いんでしょうか? 誰か助けて欲しい。
「ぷっ、あははは」
突然、笑い出すシャルロット。ひとしきり笑った後、
「一秋は何にもしてないよ。多分だけど、シェフのミスでドリンクがお酒になってて酔っちゃってたんだよ。変なテンションで僕をお姫様抱っこでこの部屋まで運んだんだよ」
「…なにやってんのさ、僕」
「ホントだよ。その時、エロい事するって言ってたし」
ホント、僕何言ってるんだよ。昨日の夜の痴態に枕に顔をうずめる。
「でも、嬉しかったな。実は少し不安だったんだ。同じ部屋で暮らしているのに、そういう反応を見せなかったから」
「そっか。僕としては、もうちょっと自分で責任が取れる様になってからじゃないとって思ってたんだ。姉さん達の信頼も裏切っちゃうからね。でも少しはそういうのも出していこうかな?」
そりゃ僕だって、健全な男子高校生だ。そういう欲は当然ある。
でも、それ以上に僕はシャルロットを大切にしたい。一時の欲に身を任せたくない。
これからは、今までと同じくらい大切にしながら、こんな不安をさせないように頑張ろう。
「そういや、シャルロットは何でここで寝てたの?」
別に部屋に戻る事も出来たと思うけど。
「…一緒に居ちゃダメ?」
「全然ダメじゃない。むしろ嬉しいよ」
間髪入れずに僕は答えた。一番大切な人との空間をNOという奴なんかいるもんか。
「夏だから、暑くなかった?」
「大丈夫。…ねえ、一秋」
「ん、何?」
「IS学園に戻ってからも、一緒のベットで寝ていいかな?」
僕の理性の為にNOと言いたいが、僕にとっても嬉しい提案だからそんな事言えない。理性は犠牲になったのだ。
「もちろん、喜んで。なんなら、もう一回、前の体勢に戻る?」
「うーん、魅力的な提案ではあるんだけど、昨日お風呂入ってないから、入りたいし、止めておくよ」
「そっか。じゃあ、お風呂に行ってらっしゃい」
「行ってくるよ」
そう言って、ベットから抜け出し、部屋を後にするシャルロット。
さて、フランス滞在も今日と明日だけ。目一杯楽しみますか!
次回でフランス編が終わります。
後、シャルロットの新専用機『ミラージュ』の設定も設定の所に書きました。興味のある方は是非どうぞ。