秋 「めでたいですねー」
作 「時期もかぶってます」
秋 「他作品の更新ばかりでしたからね」
第四十話始まります
「う~ん、良く寝た」
朝、僕は久しぶりに家のベットで目覚めた。時計を確認すると8時半。意外と寝たなー。
横に目をやると、まだすやすや眠っているシャルロット。
思った以上に旅行疲れが残っているから、今日一日はゆっくりしようかな? という訳で寝ているシャルロットを観察していようと思います!
正直、何時間でも見ていられると思う。しかし、その時間は一件の着信で遮られる。ったく、こんな朝早くに誰だよ。
「もしもし」
『一秋か?』
一週間ぶりに聞く声は僕の兄である夏兄。
「そりゃ、僕の携帯だから、僕が出るでしょうよ」
『いや、一秋が寝ててシャルロットが起きてたら、シャルロットが出るかもしれないだろ?』
「知ってる名前だから、あり得そうだけど、流石にそれは無いんじゃないかな。んで、何の用?」
『俺も今日から何日か家に居るからさ、何か食糧買っていこうと思ってさ』
「そういや、僕らも家に来たの夜中だから食べ物は何もないよ。あるのは日持ちするから大丈夫って置いて行った調味料類位だよ。どうしようか?」
『そうだな……とりあえず、昼の分だけ買ってく。それ以降のはまた買いに行けば良いだろ』
「それだと夏兄二度手間にならない?」
『食材腐らせるよりマシだろ。んじゃ、1時間ぐらいしたら着くと思うから』
この辺、完全に家計を預かっている僕達ならではの会話だよね。
「了解。冷たいお茶でも用意しとくよ」
『頼むぜ。今日も暑くなりそうだし』
「帰ってきて思ったよ。日本の夏は暑いね」
『フランスは暑くなかったのか?』
「そんなには暑くなかったね。日本に比べると段違いに過ごしやすかったよ」
そういや、暑そうなイメージのあるアフリカの方から来ている人が、『日本の暑さは質が違う』みたいな事言ってたけど、初めて外国に行ってなんとなく分かった気がする。
『そうか、機会があったら行ってみたいな。……っと、そろそろ電車が来るな」
「んじゃ、切るね。出来るだけ早く来てよ」
『了解。んじゃあな』
電話が切れて、時計を確認する。ふむ、近所のスーパーは夏兄がこの辺に着くころには開いてるし、大丈夫そうだな。
夏っぽい物食べたいなー。日本の夏っぽい物。
「電話終わった?」
「うん。…って、シャルロット何時の間に起きてたのさ?」
「えーっと、『了解。冷たいお茶でも用意しとくよ』って言った辺りかな。誰か来るの?」
「夏兄が帰ってくるって。昨日春姉に電話かけた時に春姉達も帰ってくるって言ってたし、合わせてなんじゃないかな」
「そっか、少し残念」
「残念?」
「だって、その……」
「その?」
「一秋と二人っきりじゃないのが、ね」
……いちいち、僕の彼女は可愛いわ。
結局僕達は夏兄が帰ってきてツッコまれるまで二人でのんびり過ごした。
「家を桃色に染めんなよ!」とは夏兄の言葉。……そんな気は無いんだけどなー。
夏兄が帰ってきて、買ってきた食材で昼ご飯を僕が作る。
「夏っぽい物食べたいと思ってたけどさー」
「素麺めっちゃ、夏っぽいじゃん」
「そうなんだけどさー、暑いんだよ。作るのが」
なんだろうね、あの相反する感じ。冷たい物を食べたい。しかし、作るのは暑い。
「大体料理って火を使うから、夏だと暑いんだよね。僕も料理するから分かるよ」
「だよなあ、こればっかは仕方ないんだけどさ」
「だから、夏場は惣菜とかで済ませたくなるんだよねー」
「俺達二人の時だと五反田食堂に行ったりとかな」
お金さえあれば暑くなくて、作る手間も無くてで、楽ではあるんだよね。姉さん達の居ない時だけだけどね。姉さん達は僕らの料理が外で食べるより好きらしいし。
「そういやさ、姉さん達はいつ帰ってくるか知ってる?」
「夕飯までには帰るって言ってたけど、詳しくは分かんねえ」
この時間まで帰ってきていないって事はお昼は要らないかな? その辺連絡くれると嬉しいけど、まあ二人とも忙しいのだろう。今年は今までに色々あったし。
「それじゃあ、このあとどうする?」
「僕とシャルロットはとりあえず今日一日はのんびりするつもり。旅行の疲れがあるし」
「俺は弾の所にでも行ってくるかな。暑いから出たくないけどさ」
暑いから外に出たくないのは同感。用事も無いのに出掛けたくないよね。
「夕飯の買い物は夕方で良いか」
「だね。少し涼しくなってからの方が良いよ」
「熱中症は御免だよな」
日本の悪い夏の風物詩だね。水難事故と熱中症。
そんな暗い事を考えているとインターフォンが鳴った。
「誰だろ? 姉さん達なら鍵持ってるからわざわざ鳴らさないだろうし…」
「俺が出るよ。近いし」
そう言って夏兄が立ち上がり玄関に向かう。確かに座っている位置的に夏兄が一番近い。まあ、ちょっとの差でほとんど変わらないけど。
少しして、夏兄が帰って来た。何か後ろにいっぱいいるけど…。
「どうしたの、皆?」
シャルロットが入って来た人たち、夏兄の事が好きな5人に聞く。僕も聞きたい。
「「「「「遊びに来た」」」」」
簡潔な答えが返ってきた。夏兄が知らなかったって事は姉さん達が教えたのかな?
「お茶入れてくるよ」
「あっ、僕も行くよ一秋」
僕とシャルロットが人数分のお茶の用意をする。
そこから、鈴ちゃんが皆が遊べるようにと持って来たボードゲームだったり、家にあったトランプやらウノやら、大人数で遊べるような物を楽しんだ。
やってて思ったんだけど、ボードゲームって案外ドイツ発祥の物が多い。
まあ、いくつかのゲームを楽しんでいると、
「ただいま~。お茶ある~」
「む、靴が多いな。誰か来ているのか?」
姉さんたちが帰ってきた。
「お帰り、千春姉、千冬姉。お茶は冷やしている奴が冷蔵庫にあるぜ」
「それじゃ、まずは一杯。千冬ちゃんは居る?」
「それじゃあ、もらおうか」
二人はコップに注いだ冷えたお茶を、一気に飲み、一息ついてから、
「皆も来てたんだね」
「まあ、ゆっくりしていけ」
遊びに来ていた皆にそう言った。
「ねえ、姉さん」
「「何(何だ)?」」
「姉さんたちってそんなアクセサリー持ってたっけ? 記憶にないんだけど」
僕は姉さんたちの付けていたネックレスが気になったので聞いた。姉さんたちはあまり装飾品を付けないので凄く気になったのだ。
ちなみに春姉のが桜花、冬姉のが雪の結晶のデザインになっている。
「これ? 良い人にもらったのよ」
「えっ⁉」
驚きの声を上げる夏兄。いや、声には出してないけど、僕や他の皆も驚いているけど。
「姉さん、からかうのはどうかと思うぞ?」
「そう? これは、束ちゃんから貰ったのよ」
束姉から? って事はまさか…
「それって、IS?」
「正解! 一番に答えたシャルロットちゃんにはご褒美に今晩泊まる権利をプレゼント!」
やっぱりISかー。って…
「「「「「「「「ええ~っ⁉」」」」」」」」
僕達八人の驚きの声が家の中に響き渡った。…近所迷惑じゃなかったかな?
「お前等、近所の事も考えろ」
「仕方ないわよ。普通に考えたら、ISの生みの親の束ちゃんが直々に作ったISを専用機として持っているんだから」
「それはそうなんだが、ここにはすでに三機あるんだが」
「それをいうなら、ここには合計十機のISがあるわよ? しかも専用機ばかりで」
そう、現在我が家には国家一つを軽々落とせる戦力が揃っている。…冷静に考えると凄いよね。
「まあ、簡単に言うと今年色々あったから、IS学園の戦力強化のためよ」
なるほどね。納得のいく理由だ。
「あ、そうだ。夕飯の買い物まだだけど、姉さんたち食べたい物ある?」
「夏らしいものを頼む」
「私も」
「といっても、素麺は昼食べたしなー。どうする、一秋?」
「そうだね……閃いた! 夏野菜を沢山使ったカレーだ! という訳で、皆も夕飯どう?」
カレーなら量を作りやすいしこういう大勢で食べる時は便利だ。
皆は僕の提案に乗り今晩はちょっとした食事会になった。というより、IS学園とそんな変わらないかんじだよなあ。
あっ、姉さんたちのIS、どんなのか聞くの忘れてた。後、シャルロットのISが新型になってるのも。まあ、機会もあるだろうし、いいか。
次は閑話になる予定です。