IS~僕の兄は織斑一夏~   作:ピーナ

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作 「前の話に有った伏線? の回収です」
秋 「これっていつくらいの話になるんですか?」
作 「フランス編最終日と同じ日」

閑話始まります。


閑話 最高×最強

「出来た! 早速、ちーちゃんとはるねえに連絡だ!」

 

ここはIS学園にある篠ノ之束専用ラボ。主である篠ノ之束はここで、とあるものを夏休みに入る前から開発していた。

 

『何の用だ、束?』

「ちょっと、はるねえと一緒に私のラボに来て欲しいんだ。理由は来てくれたら分かるから」

『ちょっと待て。……分かった五分くらいでそっちに姉さんと行く。暑いから冷たいお茶でも用意しといてくれ』

「りょうかーい。んじゃ、待ってるねー」

 

二人の通信が終わる。

静かになったラボで束は一人呟く。

 

「ふっふっふっ、二人の驚く顔が見られるぜー」

 

 

 

数分後、ラボのドアがノックされる。

 

『束、言われた通り来たぞ』

 

声の主は千冬だ。

 

「鍵開いてるから入ってー」

 

その言葉を聞きドアが開かれる。

 

「それで何の用…束、用はそこに置いてあるものか」

「なるほどねー」

「そうだよ。私が作った第四世代機『白雪』と『白桜』。これをちーちゃんとはるねえに任せるよ」

「理由を聞かせてくれる?」

 

いつも通りの穏やかな口調で束に問いかける千春。

 

「理由は二つ。一つは技術向上、データ収集の為。でも、これは建前。本音は…ここを護るため。私の夢が、箒ちゃん達が、未来がつまったこの場所を護るためだよ。その為に私は『世界最強』の二人に『世界最高』のISを渡す」

「…分かった。受け取ろう」

「そうね。正直、今年に入って起きた色々な事で私達もふがいなさを感じていた所だから、護る力を束ちゃんが用意してくれたのならありがたく預かるわ」

「お願いするよ」

「「ああ(ええ)、任せておけ(おいて)」」

「じゃあ、機体説明からするよ」

 

そういって、手元のキーボードを操作し、機体情報を空間投影ディスプレイに表示する。

 

「まずはちーちゃんの機体『白雪』(しらゆき)から。といっても、機体コンセプトは『暮桜』や『白式』と同じ、一撃必殺の高機動格闘型。コアが『暮桜』の物と同じコアだから、多分『零落白夜』も使えるはず」

「難しい事はいらないな。今まで通りで良い」

「シンプルイズベストだね。次ははるねえの機体『白桜』(はくおう)だね。機体コンセプトは第四世代を象徴する『即時万能対応機』。色々な使い方の出来る武装、機体に仕上げてある。これも『白梅』と同じコアだからはるねえに相性抜群のはず。もちろんワンオフ・アビリティの『歳寒松柏』(さいかんしょうはく)も使えるはず」

「懐かしいわね。ダメージを食らえば食らうほど威力を増していく、逆転のアビリティ」

「ああ、一撃で決めきれず、何度あれに負けたか」

 

数年前の現役時代の頃の思い出話に花を咲かせる二人。

 

「ホント、懐かしいねー。んじゃ、次は武器に行くよ。『白雪』はいつも通り『雪片』オンリー。もちろんオリジナルだよ」

「というか、残っていたんだな」

「もちろん! 『暮桜』は無くなったけど、武器とコアは私が持ってたんだ」

 

実は束、自分の作ったIS関係の物は廃棄せず取っておいている物が多い。

 

「次は『白桜』。武器は三つ。まずは全距離対応銃『柳雨』(りゅうう)。スナイパーライフル並の狙撃からショットガン並の面射撃まで何でもこれ一つでこなせるよ」

「一秋の『梓鷲』みたいだな」

「コンセプトは近いね。でも、流石に格闘戦までは考えてないよ? そりゃ、殴ったり位は出来るけど、これは、あくまで銃だから。んで、次は近接武器の『凰桐』(おうとう)。私の中のはるねえの近接武器のイメージは薙刀だったから、薙刀型にしてみたよ。後。次の装備の問題で刀型のも入れてあるよ。特に変わった所のない普通の物にしてある。」

「近接武器に変な要素はいらないわ」

「最後は盾型統合兵装『朧尾花』(おぼろおばな)。これがこの機体の目玉と言っても良いかも」

「盾がか?」

「違うよ『盾型兵装』だから、ちゃんとした武器なんだよ。これはね物理・エネルギーシールド両方使えてそこに、ワイアーアンカー、仕込みのビーム刃、エネルギーマシンガンが内蔵されてるよ」

「なるほどね。武器もどのような所でも対応出来る様にしてあるのね」

「そうだよ。そもそもね、第四世代の『即時万能対応機』っていうのは私的には意味が無いと思うんだよ」

「どういう事?」

「『即時万能対応機』っていうのは、近距離、遠距離、高機動戦、広域攻撃、それ以外色々な状況にすべて対応出来るISってことでしょ? でも、いくらISがそれを出来たって、操縦者によって得意不得意が存在するからそれらすべての性能を活かせる事は難しいんだよ。結局は自分の得意なやつ以外はあんまり使わなくなるよ」

「たしかに。私が射撃武器を用意されたとしても扱いきれるとは思えん」

「でしょ? これは第三世代の特殊兵装にも言えるんだけど、ただでさえ、高いIS適性を持つ人って少ない中ですべてに対応できる人材って世界中探しても両手で足りるよ、多分。現状で扱いきれるのははるねえくらいだね。次点でこの学校だとかずくんとるーちゃんかな。たっちゃんも出来そうだけど、性格的に今のISが向いてる気がするよ」

 

かなり長く喋ったので、ペットボトルの水を口に含む束。

 

「それで、今から『初期化』と『最適化』をするのか?」

「イエス! ついでに武器とワンオフアビリティが正常に動くかも確かめたいから…二、三時間はかかるけど良い?」

「大丈夫よ、今日は元々休みだし」

「そうだな。溜まっていた仕事も午前中に終わらせたしな」

「アリーナは理事長さんに頼んでかなり厳重にセキュリティかけてもらったから、大丈夫だよ。それじゃ、手早くやりますよー」

 

そう言って束は千春と千冬の背中を押す。それに苦笑いの二人。何年経っても変わらない幼馴染の関係である。

 

この日、世界最強の姉妹は新たな力を手に入れた。教え子たちを守るための世界最高の力を。




二話同時進行と新ISの設定を考えていて時間が掛かりました。

白桜の方には名前ネタを仕込んであります。気付いた方はニヤリとしておいてください。答え合わせがしたい方は、感想ではなくメッセージの方へ。
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