作 「そうだね。でももちっと続くよ?」
秋 「今回はあの人達がまた出ます」
作 「こうご期待?」
第四十三話始まります。
「皆、無茶ぶりするよなあ…」
「ホントだね。まあ、良いデートの口実が出来たけど」
夏祭りから少し経ったある日、僕とシャルロットはとある目的の為に街に繰り出していた。その目的とは……まあ、きっかけは昨日の出来事が関係してるんだけど。
IS学園1年1組の教室。
夏休みなのだが、クラスの大半が集まっていた。
そんな中、僕は教壇に立っている。
「メニューはこんなものかな?」
そう、夏休み明けにある学園祭のウチのクラスの出し物である「執事&メイド喫茶~お客様はご主人様です~」(……いつの間にか変なのが後ろについてたけど、全力で気のせいだと思う事にした)のメニュー決めの為に集まっていた。
「ねえ、あっきー」
「何、本音さん?」
一応決定になりそうな段階でいつもニコニコのクラスのマスコット、本音さんが僕に話しかけてきた。
「あっきーお菓子作るの凄い上手いんだから、何かお店の看板メニュー考えてよ~」
「えっ!?」
「それは良い考えだな。一秋のお菓子は美味いし。いっそ、一秋のオリジナルメニューでも出せば盛り上がるのではないか?」
「ちょっ!?」
本音さんとその後の箒ちゃんの言葉で俄然盛り上がるクラス。いや、僕の意見を……
「「「「「「「「「「「よろしくお願いします!!!」」」」」」」」」」
転校して来た当初に鈴ちゃんが言っていた事がよく分かった。数は暴力だよ、兄さん。いや、夏兄に助け求めても仕方ないけど。
「で、でも…」
何とか抵抗を試みるものの、
「一秋、ダメ?」
シャルロットの一言で僕は撃沈。……ていうか、涙目+上目遣い+首かしげの凶悪コンボでのお願いは反則だと思います。そんなの僕が抵抗出来る訳無いじゃん。
「……分かったよ。でも、僕は料理本にレシピが書いてある物しか作った事ないし、オリジナルを今から考える事になるから、出来るとは確約できないけど、それでも良い?」
「「「「「「「「「「良い!」」」」」」」」」」
「じゃあ、夏休みが終わるくらいまでは考えてみるよ」
こういう訳で、僕はオリジナルメニューを考える事になった。
その後、シャルロットとオリジナルメニュー開発の為に明日デートしようという運びになったので、二人で外出届を出しに行った。
まずは毎度おなじみのレゾナンスに向かった。
ここなら、色々スイーツ専門店もそろっているし、食材売り場も大きいので試作品の材料を買う事も出来る。
「まだ、朝早いし、先に食品売り場に行くか」
「そうだね」
「やっぱ、季節ものの方が良いのかな? でも、九月って暑いしなー」
それにどうやら、今年は例年より猛暑らしいので、学園祭の時期でも暑いと思う。涼しい感じの方が良いかな? うーん……。
「冷たい物だと作り置き出来そうだし、良いんじゃない?」
「でも、そういうのはオリジナル考えるの難しそうだしなあ。まあ、思いつかなかったら、『特製○○』で誤魔化すか~」
「やっぱ、難しい?」
「難しいね。いくら作れるって言っても、僕は専門家じゃないし。まあ、やれるだけやってみるよ」
話しながら、見ていると、
「あれ? 一秋君にシャルロットちゃん?」
僕達の名前を呼ぶ声が。気になったので声のした方を見ると、
「八雲さんじゃないですか、お久しぶりです」
夏休みの初日に出会った、八神八雲さんだ。
「あれ? 今日ははやてさんは居ないんですか?」
「いや、居るよ。ちょっと「パパ~」おっ、来たみたいだな」
後ろを見るとはやてさんとはやてさんに抱っこされた女の子と横に一緒にいる女の子がいた。……って、ちょっと待てよ。
「「パパ!?」」
「うおっ!? どうしたんだい、二人とも?」
僕達の声の意味が分かっていないみたいな八雲さん。
「いや、だって、はやてさんの腕の中の子ならともかく、横の子がパパって言うのは年齢的におかしいでしょ!?」
「まあ、事情があるからね~」
すげえよ、事情があるだけで済ませちゃったよこの人。
「でも、二人ともはやてさんにそっくりの可愛い子ですね~。あ、でも上の子の髪の色と、二人の瞳の色は八雲さん似ですね~」
「あはは、よく言われる」
「そやね。っと、久しぶりやねシャルロットちゃんに、一秋君。二人とも、ご挨拶して」
「八神美咲だよ!」
「姉の八神咲耶です。よろしくお願いします」
美咲ちゃんの方はまだ幼いから天真爛漫って感じだけど、咲耶ちゃんの方は年齢に合わない位礼儀正しい。二人の教育なんだろうか?
「シャルロット・デュノアです。シャルロットって呼んでね、咲耶ちゃん、美咲ちゃん」
「僕は織斑一秋。よろしくね、咲耶ちゃん、美咲ちゃん」
「自己紹介は終わったね。そういや、二人とも何か考え事してたみたいだけど?」
「それはですね……」
別に隠す事でも無いので僕は八雲さんに話す事にした。子持ちの二人なら、案外いい案をくれるんじゃないかという期待も合ってだ。それでなくでも、誰かと相談する事で、何かいい方法が思い浮かぶかもしれないし。
「ああー、そういう事ね。それなら、八雲君が力になれるで?」
「どういう事ですか、はやてさん?」
シャルロットの疑問に答えたのは娘さん達だった。
「パパのお菓子美味しいよ?」
「パパはミッドでも人気の喫茶店のマスターで、そこでお菓子も出していますから」
……想像以上に良い結果を生みました。どうやら、ここで八雲さんに出会ったのはマジでついてたみたいだ。
「でも、いきなりオリジナルとなると……」
「まだお店で出してない奴でオリジナルがあるやん。子供の頃からのオリジナルメニューで本職のパティシエさんにも認められた奴が」
「ああ、『おいしおいし』ね。でも、あれ説明しにくいよ? 作り方教えるより実物見る方が早い気もするし」
「翠屋はちょっと遠いし、こっちの我が家も同じやね。どうしよか? とりあえずレシピだけでも渡す?」
「僕も実物見てみたいし、食べてみたい気がします。だから、場所は僕が何とかするんで、ちょっと待っててください」
そう言って僕は一端皆から離れて電話を掛ける。春姉は用事があるって昨日言ってたので、冬姉にだ。
『どうした、一秋』
「えーっと、昨日のメニュー決めの時にオリジナルメニューを考えるって話になったの知ってるよね、冬姉」
『ああ、そうだったな』
「それで、今日デートのついでに考えるために出掛けたんだけど、ちょっと知り合いに会って、その人に相談したら、解決出来たんだけど、流石に実物が見た事無いと不安でさ。で、場所としてIS学園かウチを使っちゃダメかな?」
『IS学園の許可を出しておこう』
アレ? 無理だと思ってた方の許可が出た。正直、IS学園を言ったのはウチより近いって理由だけだったんだけど。
「ていうか、そんなにあっさり許可出していいの?」
『私が許す。その代わり、私の分も用意してくれ』
なるほど、それが目的なのね。
「了解。じゃあ、材料を買ってから戻るよ」
『うむ、楽しみにしている』
電話を終えて僕は八雲さん達の所に戻った。……なんか、いつの間にかシャルロットが咲耶ちゃんと美咲ちゃんと凄い仲良くなってるんですけど。まあ、良いか。
……僕らに子供が出来たらこんな感じなのかね~。って、そうじゃなくて。
「八雲さん、場所確保できました」
「案外、あっさりだね。それで、どこかな?」
「僕達の母校、IS学園です」
「「えっ!?」」
僕の言葉を聞いて驚く二人。驚かせれたのはこれが初めてだな。