IS~僕の兄は織斑一夏~   作:ピーナ

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八 「……題名、僕の事ですか?」
作 「そうだよ」
秋 「あはは……」

第四十四話始まります。


第四十四話 おかん力の高さに定評のある男性

レゾナンスから20分位で僕達一行はIS学園に戻って来た。

 

「うおっ、流石は国がお金を出してる名門校、設備が凄いな」

「ホンマやねえ。たしか、乗って来たモノレールもここが作られると同時に開通したってニュースでやってたよね?」

「そういや、そうだな。まだ、こっちに居た時期だし、結構大きなニュースだったしな」

 

八雲さんとはやてさんはそんな事を話しながらIS学園の中を歩いて行く。

 

「大きい~」

「島一つ分なんて凄いね。ウチの学校も大概だけど、IS学園はそれ以上だよ」

 

咲耶ちゃんと美咲ちゃんも口々に感想を言う。ちなみに咲耶ちゃんは八雲さんとはやてさんの間で手をつないで、美咲ちゃんは八雲さんが肩車をしている。

 

「咲耶ちゃんの学校って大きいんですか?」

「まあ、そやね。St.ヒルデ魔法学院は、こっちで言うところのミッション系の学校やね。あっちの宗教団体が母体となってる小中高一貫の名門校、で大体分かる?」

「どんな所かは分かりました。それは……大きそうですね。お金もかかりそうですし」

 

私立学校に小学校の頃から通わせているって事は相応にお金がかかるはずだ。若いけど、何年も働いている二人には大した事は無いんだろうけど、自分より自分の娘にお金を使うのはやっぱり親としての気持ちなのだろう。……少し二人の咲耶ちゃんへの愛情に若干羨ましいとも思った。

 

「まあ、子供のころから働いてるし、大事な娘に金を使うのは当然でしょ」

「知り合いに勧められたし、自分らで見て来て良い所やと思ったし、なにより本人が通いたい言ってるんやから、それを叶えるのが親の仕事や」

「良いお父さんとお母さんだね」

「うん!」

「自慢のパパとママです!」

 

シャルロット、美咲ちゃん、咲耶ちゃんにそう言われて顔を赤くしている八雲さんとはやてさん。面と向かって褒められるのは恥ずかしいよね。僕も得意じゃない。

 

 

 

「凄いね…」

「ホント、凄いって言葉しか出てこないよ…」

 

あの後、冬姉と春姉(用事は予想より早くに終わったから戻って来たらしい)に合流して、八雲さんたちを紹介した後、僕達は食堂の厨房に連れて行かれた。

そこで、八雲さんは調理を始めたんだけど…手際が良いし、めっちゃ速い。これが本職のなせる技なのか?

 

「おいしおいしはもう少しかかるからとりあえず、シュークリームを作っておいたから、どうぞ。僕の師匠直伝だから、自信作だよ。食堂の皆さんもどうぞ」

 

おいしおいし―正式名称はフルーツパフェ・ウィズ・チョコレートバナ~ヌおいしおいし―は材料と工程で大体どんなのか察しはついた。

まずはシュークリームを頂こう。

 

「美味しい!」

 

一番最初にそう言ったのはシャルロット。

 

「ホント、ここまで美味しいシュークリームは初めて食べるわ」

「まったくだ。これならメインも期待できそうだ」

 

姉さん達も絶賛。それに続くように食堂で働く方達も口々に賞賛していく。確かに美味しい。これも後でレシピを貰って作ってみよう。上手くいけばメニューに加えればいいし。

 

「あはは、お口に合ったようで幸いです。それじゃ、僕は作業に戻りますね」

 

そう言って戻っていく八雲さん。

 

「ねえ、咲耶ちゃん、美咲ちゃん」

「何? シャルロットお姉ちゃん?」

「八雲さんの作るお菓子で何が好き?」

「どれも美味しいから難しいよ~」

「美咲の言う通りどれも美味しいです。その中で一番っていうのは……私はモンブランですね」

「はやてさんはなんですか?」

「私? 私はオーソドックスやけど、イチゴのショートケーキやね。一番最初に作ってもらった思い出の味やからね」

「思い出の味っていうのは?」

「八雲君が私に初めてプレゼントしてくれたのが誕生日ケーキとして、イチゴのショートケーキをホールで持って来てくれたのなんよ」

 

なんというか、凄いな。張り切りが。

 

「まあ、本人曰く『あの時は一人相手にホールを持ってくのはどう考えても空回りだった』って言ってるけど、やっぱ、私としては嬉しかったし、今でも良い思い出なんよ」

「ちなみにそれっていつぐらいのお話なんですか?」

「私達が9歳の頃やから、13年前やね」

「いや、9歳でそれって凄くないですか⁉」

「そう? 私も9歳の頃は自分でご飯一から作ってたで?」

「僕もそうだよ、シャルロット」

「いやいや、お手伝いのレベルなら分かるけど、ホールのケーキを自作やご飯を一から作るのは凄いよ!」

 

うーん、それが当たり前になってたから凄い事には思えないんだよなあ。流石にケーキをホールで自作は凄いと思うけど。

 

「まあ、八雲君の場合、めっちゃ要領良いし、器用やからな」

「何、何の話?」

「あ、八雲さん見てなくていいんですか?」

「うん、大丈夫。後は粗熱取って、盛り付けだけだから」

 

作業してた格好のままで話に入ってくる八雲さん。喫茶店のマスターだからなのかもしれないけどエプロン姿が良く似合う。

 

「八雲君が要領が良くて器用って話」

「要領が良いかどうかは分からないけど、器用なのは自覚があるなあ」

「何かを作るのが好きで、凝り性なんもあって、一回やり出すと結構なレベルの物を作るからなあ。正直、下手したら、世の中のお母さんの心へし折るで」

「ははは、言い過ぎだって」

「ウチのご飯の七割はパパが作ってるし」

「喫茶店の軽食系も人気あるもんな。この前一流ホテルのシェフの人がスカウトに来てたし」

「それにパパ、私達の服作ってくれるじゃん」

「毎年一着私達に手編みのセーター作るしなあ」

「あんな本格的なミシン、友達の家で見た事ないよ?」

「『二人のウエディングドレスは僕が縫う』って言ってたん誰やっけ?」

「……なんかよく分かんないけど、ゴメンナサイ」

 

……一つ分かったのは八雲さんが高スペックって事。家事一通りこなして、編み物や裁縫が得意って女子か! 僕も家事はそこそこ自身あるけど、正直、それ以上だろう。

なんか、お父さんとお母さんというより、お母さん二人っていう方がしっくりきそうだな。

 

「そこら辺のお母さんよりお母さんですね、八雲さん」

 

シャルロットも同じ意見の様だ。姉さんや食堂の人達も頷いている。

 

「そんな物かな? あんまり自覚ないけど。……まあ、良いか。さて、仕上げに入るから楽しみにしててね」

 

そう言って戻っていく八雲さん。……エプロンを付けて調理場に違和感無く立っているのを見ると、やっぱりお母さんって感じがする。

この事を後で八雲さんに直接言ったら、「友達にはキャラ的にはおかん。お母さんじゃなくておかんってよく言われるよ」と笑って言っていた。僕の感覚はあながち間違っていなかったみたいだ。

そうそう、おいしおいしは抜群に美味しかった。近いうちに僕自身で作って、皆にプレゼンしてみよう。




ISでちょっと気になった事なんですけど、シールドピアースの杭の太さってどれくらいなのかなって考えています。
原作では69口径とありますが、ミリタリーに疎い僕はどれくらいの太さなのか分かりません。詳しい方は教えてくれると嬉しいです。
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