作者(以下作) 「僕個人としてはジョジョ」
秋 「あー、一部の舞台ですし、七部主人公ジョニィの出身地ですからね」
作 「そうそう」
秋 「イギリスはお好きですか?」
作 「国としては好きだよ。行ってみたい。不味い飯はごめんだけど(笑)」
秋 「僕も同じです(笑)和食は美味しいですからね~」
第三話始まります。
三時間目、前に立つ先生は一、二時間目の山田先生から冬姉に代わっている。山田先生は後ろでノートを広げて僕達と状態だ。熱心だなー
「それではこの時間は実戦で使用する各種装備について説明する。…のだが、その前に再来週に行われるクラス代表戦に出場するクラス代表を決める。クラス代表とはそのまま、クラスの代表者だ。自薦他薦は問わん」
ふーん、そんな行事あるんだ。ISの勉強最優先で学校の事を下調べしていなかったから、知らなかったよ。まあ、普通の学校でいう所のクラス委員って奴ですな。絶対やりたくない。だけど、やーな予感がするんだよね…。
「はい! 織斑君、お兄さんの方を推薦します!」
「私は弟君の方を推薦します!」
やっぱりねー。まあ、皆知り合って数時間、実力とかそんなの全く分からないしね。それなら話題性重視で行こうって訳ですね。分かります。
でも、当事者としては勘弁してほしいわけですよ。でも、冬姉の性格からして降りれないだろうな…。
「お、俺!? ちょっ、ちょっと待った!俺はそんなのやらな―」
「他薦された物に拒否権は無い。黙っていろ」
怖っ。予想通りだったけど、怖っ。あの目で睨まれたら石化するんじゃね?
「待ってください! 納得がいきませんわ! そのような選出は認められません! 大体、男がクラス代表だなんていい恥さらしですわ! わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?」
面倒な人だなー。そんなに言うなら最初に自分で立候補しとけよ。冬姉言ってたじゃん。自薦他薦は問わない、って。
まあ、実力はあってもそれだけって事かな。自己紹介でもこの調子だから、人望がマイナスなんだなきっと。
オルコットさんはまだまだあれこれ言う。まあ、基本的に僕と夏兄を馬鹿にしているんだけど。しかし、極東の猿って何百年前の言い回しだよ。
「大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛で―」
空気読めないイギリス人はいつの間にか僕達の侮辱から、日本の侮辱に変わっていた。気付いているのかな? このクラス、半分は日本人で担任は世界最強の日本人だって事に。
「イギリスだって大してお国自慢ないだろ。世界一不味い料理で何年覇者だよ」
ついに夏兄がカチンときた。
ちなみにイギリスは誇る文化結構あるよ。サッカー、ラグビー、ゴルフの発祥の地だし、文学、音楽
に関しても有名人をたくさん輩出している。中学や高校では習わないけどね。
たしかにイギリス料理はイギリス人が自虐ネタにするくらい不味いらしいけど。事実はどうか知らない。イギリスに知り合いはいないから。中国とフランスには居るんだけどね。
「まあまあ、二人とも落ち着いて」
「あなたっ! 私の祖国を侮辱しますの!」
「先に侮辱したのはそっちだろ!」
こいつら、人の話聞きやがらねえ…。
「決闘ですわ!」
「おお、いいぜ」
「千冬先生、頭が痛いので保健室に逃げていいですか?」
いつの間にか決闘騒ぎになってるし、本当に逃げたい…。
「逃げるな、馬鹿者。お前も当事者だぞ」
「いや、当事者のはずなんですけど、どんどん話が進んでいくんですよ。二人とも勝手に話を進めますし…。帰っていいですか?」
「いい訳無いだろう」
「無駄な戦いはしたくないんですけど…。柳韻先生の教え的に」
「相変わらずだな、お前は。先生から免許皆伝を貰ったのはお前だけだったな」
「あれは、僕は選んだのが柳韻先生含め、誰も使えないのを選んだから、便宜的にくれた物で腕は冬姉や春姉に遠く及ばないよ」
柳韻先生の所で武術を習い出したころ、色々触って、自分の中で最もしっくりくる物をを選ぶとき、僕が選んだのが初代以外使いこなせなかった物だった。困った柳韻先生は僕に奥義書とも言うべきものとその武器を渡し、そして篠ノ之流の教えをしっかり教え込み、形だけ免許皆伝としたのだった。
その後、僕は弓術と、徒手空拳を習った。
「『相手の力量を見極めろ』どう考えてもオルコットさんの方が僕より上です。『勝てない相手とは正面から戦うな』『負ける位なら逃げろ。逃げは恥じゃない』勝てない相手だから僕は戦わない。『怒りに身を任せた戦いに意味はない』完全に頭に来ている二人の決闘騒ぎに意味なんてありません。だから、僕は戦いません」
「理屈はそれだけか?」
「ええ。でも、逃げられないんでしょう?」
「分かってるじゃないか」
「まあ、血の繋がった兄弟ですし。…今のうちに腕の一本でも折って、全治一か月とかじゃだめですか?」
「良い訳無いだろう」
良い方法だと思うんだけどなー。ちなみに奥義書に書かれていた事は戦国時代発祥の武術だけあって結構えげつない事が書かれていた。闇討ち推奨だったし…。
「二人とも、話は纏まったな。では来週の月曜日に決定戦を行う。では、授業を始めるぞ」
さて、一週間後に備えてどうするか考えますか。
時間は進み放課後、僕を面倒に巻き込んだ片割れである夏兄は横でグロッキーだ。ざまあ。自業自得なので同情しない。
そうそう、IS学園は全寮制で僕達も寮に入る。イレギュラーがあって結構忙しかったみたいだけど、何とか僕と夏兄の部屋は確保できたらしい。もちろん同室に決まってる。バラバラにする意味が分からないしね。
本当なら、この後弓道部に行って入部できるかどうか聞いてこようかなと思ったんだけど、そんな余裕無いみたいだし、素直にトレーニングに励みますか。
「箒ちゃん、ちょっとトレーニングに付き合ってくれない?」
「構わないが、あれでするのか?」
「あれ? あれは使わないよ。あれ、模擬戦に使いにくいし。昔通りで行くよ」
「ふむ、小太刀二刀流だな」
「まあ、厳密に言うと左手のは短刀だけどね」
「ちょ、ちょっと待ってくれ! 俺も行く!」
「夏兄は勉強してなよ。剣道から離れて結構経つんだし」
「そうなのか?」
「そうなんだ。何時までも春姉達のすねをかじってられない、って言って中学時代はバイト三昧」
春姉も冬姉も気にするなって言ってたんだから気にしなくても良いのにさ。
「一秋はどうだったのだ?」
「僕?僕もバイトしてたよ。夏兄程じゃないけど。部活して、勉強して、バイトして、遊んで、いやー青春だったね。中学時代だけど」
「相変わらず、器用だな」
「まあ、バイトは新聞配達、部活も緩かったしで、何とかなったって感じだけどね」
「しかし、それなら一夏の方に特訓が必要なのではないか?」
「いや、夏兄は自信あるみたいだし良いんじゃない?」
「「もしかして、一秋怒ってる…?」」
「逆に聞くけど、今日一日で僕が怒らない理由ある?」
「たしかにな…」
箒ちゃんは納得してくれたけど、
「何かあったか?」
馬鹿兄もとい、夏兄は気付いてすらいない。鈍感なのは乙女心だけじゃないの!?
「一夏、本気で気付いていないのか?」
箒ちゃんは呆れている。
「あのさ、二時間目に不注意で参考書捨てたせいで僕が勉強見るはめになったり、三時間目に決闘騒ぎに巻き込んだりしたのは誰だっけ?」
「…ごめんなさいでしたー!」
ごめんなさいでしたって変な日本語になってるよ、夏兄。
「まあ、いいよ。いつもの事だし」
そうやって許す僕も甘いよね。でも、なんだかんだ身内に甘いのは我が家の特徴だよね。冬姉も春姉もそうだし。
「話は終わったみたいだな。なら、剣道場に行くか」
箒ちゃんがそう言って、歩き出した僕達は着いて行く。
なんだかそれが昔を思い出して少し、嬉しくなった。
「…どう?箒ちゃん。夏兄のレベルは」
「鈍っているが、思ったほどではない。勝負勘はボロボロだがな」
「思ったほどじゃないのは多分、体が成長したからじゃないかな?」
小学生高学年から高校生の間には成長期がある。身長も伸び、それによって筋肉量も増える。男女の差も出る。
鈍っている腕という大きなマイナスを成長した身体能力というプラスで補ったのでマイナスが想像より少なくなったという訳だ。
「まあ、でもその前に」
「ああ、そうだな」
「「体力付けないとな」」
「無茶言うな!」
僕→箒ちゃんという連戦をこなした夏兄はへとへとで倒れている。
僕も箒ちゃんも剣道のルール通りしっかり二本取った。
これが、中学時代運動部と帰宅部の差である。
「まあ、倒れてる夏兄は置いておいて、始めようか」
「ああ、そうだな」
「お手柔らかに頼むよ」
「防具は良いのか?」
「僕は剣道が出来ないから」
「ふむ、なら私も無しで行こう」
「…つまり、篠ノ之流で行くんだね」
「ああ」
そりゃいい。正直今必要なのは、より実践に近い訓練だ。
「夏兄、合図よろしく」
「ああ、一本先取だな」
そう、篠ノ之流は何でもすべて一本先取、それはこれが試合でなく死合、「試し合い」ではなく「殺死合い」だから。
「始め!」
夏兄の合図で僕達は構える。箒ちゃんは中段、僕は所謂逆二刀、しかも右手の短刀は逆手で持った状態で構える。
本来、二刀流は利き手に長い方の得物を利き手じゃない方に短い方の得物を持つ。
しかし、僕のは二刀流じゃないのでこれで正しい。
そして、篠ノ之流は先の先を基本とする流派である。
同タイミングで一気に踏み込み、最高速でぶつかる。お互い突きを繰り出すが、避ける。
これも、特徴の一つで、篠ノ之流は鍔迫り合いを悪手としている。理由は真剣の場合刃こぼれの可能性があるから。避けるか、受けるにしても柄の部分で受ける。
ここで、接近戦の絶対的な条件を一つ。それはリーチの長い武器の方が有利だという事。
箒ちゃんはオーソドックスな竹刀、柄の部分を除けばおおよそ90センチ、対する僕は小太刀でおおよそ60センチ、僕も箒ちゃんも身長は平均よりやや高め位なので腕の長さの差を含めてもリーチ的には僕の方が不利である。
「流石箒ちゃん。夏兄との対戦じゃ分かんなかったけど、強くなったね!」
「一秋こそ、一夏との戦いでは分からなかったが強くなっている!」
「おい、二人とも俺をいじめて楽しいのかよ!」
何か夏兄が言っているが無視しよう。
お互い開始時からペースを落とさず斬り合い、避けあっている。箒ちゃんの一撃の間に僕は倍は返すが、リーチ差をうまく使われ避けられる。
少しずつ、危ない攻撃も増えてきた。正直、このままじゃじり貧だ。
僕は後ろに跳んで一回距離を取る。
箒ちゃんは追撃を掛けてこない。体力的にしんどいのだろう。僕も同じだが。お互い肩で息をしているし。
休みなしの攻撃の押収、防具なしなので、一撃もくらえない緊張感、回避するための集中力など様々な要素が絡まり合い、体力の消耗は普通の剣道よりも激しい。
「(落ち着け、冷静に戦力分析。身体能力、僕若干有利。体力、大体同じくらい。技量、互角。こんな所か。得物の差が大きいなやっぱり)」
ここまでコンマ一秒。
「(さて、こう言う時こそ『正があって奇が生き、奇があって正が生きる』だね。まあ、今回は前部分だけだけど)」
硬直した事態にこそ意表を突く一手である。ただし、チャンスは一度きり。箒ちゃんが動いた瞬間。
そのために極限まで集中。それを箒ちゃんの一挙手一投足にそそぐ。
篠ノ之流が先の先を重要視しているのは、戦いを自分のペースで進めるためである。それから見ると悪手だが、今回は策があるので問題ない。僕のペースに巻き込めるはずだ。
箒ちゃんが距離を縮めるため動く。その瞬間僕は右手に持っていた短刀サイズの竹刀を順手に持ち直し、投げる。
「なっ!?」
驚きの声を上げた箒ちゃんは咄嗟に竹刀で防ぐ。咄嗟の事態でも峰で防ぐなんて流石だなー。
でも、さっきので集中力も途切れた。それに、距離も詰めれてる。
次の瞬間、
「僕の勝ちだね」
「ああ、私の負けだ」
僕は竹刀を箒ちゃんの喉元に突き付けていた。
「あー、久しぶりにしたから疲れたよ」
「私もだ。…それより一夏いつまで呆けている」
座り込む僕と箒ちゃん。
「いや、俺の弟と幼馴染が想像以上に強くて」
「そうか?」
「夏兄、こんなんで驚いてたら、春姉と冬姉の戦いなんてどうなるんだよ」
「最近見ていないからな…。想像もできん」
「私も最後に見たのが… 6年前か。一秋は?」
「三か月前。家で」
その時は訓練じゃなく、喧嘩だったけどね。
「どうして俺が知らないんだ?」
「その時夏兄、塾の受験対策に行ってたし」
「ああ、帰って来た時家がとんでもない事になってた日な」
「そうそう」
ちなみに喧嘩の理由は僕がバイト先の新聞屋さんの人にもらったハワイ土産のマカダミアナッツの最後の一個を争ってだった。いくら世界最強クラスの人間でも、女性なのだ。
その時の解決方法は、適当にコンビニで甘い物を買ってきた後、最後の一個を僕が食べた。
二人は怒ったけど、家の惨状に気付いておとなしく反省してくれた。
さて、決闘とやらまで後一週間、どうしたものかな?
気付いたら5000字を超えていた…。
後1,2話挟んでVSセシリア戦に突入です。