ㅤ我が魔王は魔王ムーブをしてくれてるので嬉しいです(ウォズ並感)。いい感じにサイコなんで、永夢レベルまで行って欲しいなぁ。
ㅤ仮面ライダーエグゼイドとしてバグスターウイルスと戦うことを決意した出久だったが、しばらくの間は平和な日々を過ごしていた。
ㅤ変化したことと言えば、家に帰らずCRに泊まり込むようになったくらいである。出久は、病院近くのワンルームマンションで一人暮らしをしており、専ら食事はコンビニ飯なのでどこで食べようが大差無い。
ㅤ問題点といえば、CRの病室で眠る訳にはいかないので寝袋で眠ることになる。そのことで、多少生活レベルが下がることくらいだ。とはいえ、整理されないまま放置されているヒーロ雑誌やグッズがベッドの上にまで侵略しているので、人間らしい生活は保証されてはいない――これは出久が自堕落なのでは無く、多忙ゆえに片付け切れていないだけなのだが。
ㅤ仮野明日那もといポッピーピポパポとの関係も良好だった。彼女はバグスターではあるが、音楽ゲームのキャラクターであった為に人間に好意的だ――だからこそ、CRのナビゲーターキャラとして設定されているのである。
ㅤ女性経験どころか、女の子と手を繋いだこともない出久でも、人間特有の嫌なところがないバグスターのポッピーピポパポとは気安く付き合えた。もちろん、彼女だって皮肉くらいは言うし、出久の奇行に冷ややかな視線を向けたりはする。けれども、いつまでもそれを引き摺ったりはしない。パソコンのウィンドウを閉じて、新しいタブを開くように感情を切り替えることができるからだ。
ㅤある日の昼ごろ。
ㅤCRに急患が搬送されてきたと、ポッピーピポパポから連絡が来た。出久は齧っていたランチパックをお茶で流し込んで、CRへと急いだ。
ㅤ医局のドアを開けると、既に出久以外のメンバーは揃っていた。
「やっと来た。出久、ちょっと遅いよ」
ㅤナース服にコスチュームチェンジしたポッピーピポパポ――明日那がそう言う横で、焦凍がカルテを見ながらコーヒーを飲んでいた。
ㅤ彼と顔を合わせるのは、初めて会った時以来だ。一瞬だけ、目が合う。出久はとりあえず会釈しておいた。
「患者は君島結花ちゃん、14才。自宅で倒れて緊急搬送されてきたんだけど……。とりあえず、病室に行こうか」明日那はそう言った。
ㅤCRの医局と病室は螺旋階段で繋がっている。階段を降りて、3人は病室へと移動した。
ㅤ病室内は物が少ない。ベッドと壁に沿って作られた診察用のデスク、見舞客の為の椅子くらいしか置かれおらず、殺風景だ。ゲーム病の進行を逐次確認することの出来る特殊なベッドには、毛布を掛けられた患者が横になっていた。少女は出久達を見て、体を起こそうとした。
「あっ、一人で起き上がれる? 」駆け寄った明日那が手を貸す。
ㅤ上半身を起こした結花は、崩れた髪型を少し手櫛で整える。そして、不安そうな表情で出久や焦凍、明日那の顔を見回していた。
「絶対大丈夫だからね。きっと病気は良くなるから。学校だって、すぐ行けるようになるよ」
ㅤ出久は、彼女を安心させるべく声を掛けた。憧れのヒーローであるオールマイトをイメージしたつもりだったが、結花の表情は浮かないままだった。
「あの……。わたしの病気って、すぐに治るんですか」出久の目をジッと見つめ、結花は言う。
「うん、オペをすればね」出久は頷く。
「……じゃあ。それ、しなくていいです」
「えっ……! ? どうして?」
ㅤ答えは帰ってこなかった。彼女の体内のバグスターが、活性化し始めたのだ。
「バグスターか」
ㅤ今まで無言だった焦凍が、ドライバーを腰に巻き、ガシャットを構えた。
『タドルクエスト!』
「……変身」
『ガシャット!』
『レッツ・ゲーム!メッチャ・ゲーム!?ムッチャ・ゲーム!?ワッチャ・ネーム!?』
『アイムア・仮面ライダー!』
ㅤ……どれだけ格好良い人が変身しても、二頭身ではなぁ――出久は何となくそんなことを思った。
ㅤ仮面ライダーブレイブ・レベル1がバグスターユニオンに斬りかかろうとするも、それは明日那の声によって止められてしまった。
「スト〜ップッ! このまま戦ったら病院が壊れちゃうでしょ!!! ステージセレクトしてよ!」再びコスチュームチェンジしたポッピーピポパポが叫ぶ。
「あぁ、悪かった」
ㅤ焦凍がキメワザスロットホルダーのボタンを押すと、「ステージセレクト!」の音声と共に周りの景色が一変した。白かった床は石や岩が転がる地面へと変わり、頭上には青い空があった。
「ここは……」
「ゲームエリア。ドライバーには仮想空間を展開する機能があるの。ほら、出久も早く変身!」
「そっ、そうだった!」
『マイティアクションX!』
ㅤ慌てて彼もガシャットを構えた。メモ帳を3冊も消費して考えた変身ポーズだ。
「変身!」
ㅤエグゼイド・レベル1に変身した出久は、バグスターユニオンへと向かっていった。
ㅤしかし、出久は特に出る幕もなかった。焦凍が氷でバグスターを凍らして、動きを止めてしまっていたからだ。動かないデカブツ相手には、攻撃は一方的に通る。
ㅤバグスターも無事分離され、出久も焦凍に加勢しようとした時だった。消滅していくバグスターユニオンの向こうから、新たな人影が現れた。その姿はまるで――
「……黒いエグゼイド?」ポッピーピポパポが呟く。
ㅤエグゼイド・レベル2の2Pカラーとでも言うべき色合いの謎のライダーがそこに居た。手にはゲーム機の形をした武器を持っていて、銃口は出久達に向けられていた。
「誰だ!」
ㅤ返事は無かった。その代わり、謎のライダーは黄色いガシャットを鳴らす。
『シャカリキスポーツ!』
ㅤ同時に現れたビビッドカラーの自転車が変形して、肩に装着される。だが、そのまま襲いかかってくるのではなく、ただ武器で弾幕を作っただけだった。それでも、咄嗟に腕で庇ってしまう。
ㅤ煙が消えた後、そこにはもう謎のライダーもバグスターも居なかった。
◆
「まさか、結花ちゃんがイジメにあってるとは……。そりゃあ、学校なんて行きたくないよね」
ㅤ変身解除後、CRに戻ってきたあとのことだった。
ㅤ出久は、結花にオペを拒否する理由を尋ねていた。ゲーム病は高熱や目眩、強い体の痛みを伴う。今の彼女が辛くない訳がなく、余程のことが無ければ治療を拒否しない筈だ。何か事情があるのではないかと、出久は推察していたのである。最初はいくら聞いても教えてもらえなかったが、粘り強く質問するうちに諦めたのか、彼女は話しはじめた。
「最初は自殺とかしようと思ってた。けど、病気の方がよっぽど楽に死ねるんじゃないかなって」
ㅤ原因はクラスでのいじめであった。彼女は、過去の出久と同様の"無個性"。最初は筆箱などを浮かされて、高い所に置かれるくらい程度の悪ふざけだった。しかし、それらは日が経つにつれてエスカレートしていく。体育の後で制服が腐食させられていたり、授業前に教科書を"透明化"で隠されたり……。そのようなことは日常茶飯事なのだという。
「学校の先生には言った? 言えないなら、お母さんにでも……「言える訳ない」出久の言葉は遮られた。「先生は見て見ぬ振りしてるし。それにお母さんには教えられないよ。ただでさえ、わたしをこんなに産んだことを気にしてるのに。イジメられてるなんて言えない」
ㅤその気持ちは出久にも痛い程分かった。昔の出久も言えなかったのだ。ただでさえ母親は自分を責めているのに、子供が学校で惨めな目にあっている事実など、とてもじゃないが伝えられなかった。
「……」だからこそ、何を言ってやればいいのか分からなかった。
「ねぇ、先生。わたしを助けると思って、このまま見殺しにしてよ。もう、十分生きたと思うんだ。頑張ったんだよ」
ㅤ穏やかな口調だが、それは結花の悲痛な叫びだった。彼女は生きることを諦めてしまっている。言う通りにした方が、結花を救えるのかもしれない。来世に期待して、死んでいく方が――
ㅤしかし、出久は結花を見捨てることは出来なかった。彼はドクターで、ドクターに人の生死を決める権利は無いのだ。
「でも、僕は結花ちゃんに生きていてほしいって思う」
「綺麗ごとなんか言わないで!」体の何処から出ているのだというほどの怒鳴り声が病室に響く。「頑張って生きてたら個性が発現する? する訳無いじゃん! それとも先生がわたしのムコセー治してくれんの!?」
「それは……」
ㅤ後天的に個性が発現することも無い訳ではない。出久がまさにそうだ。だが、それは本当に稀有な例。結花もそうであるとは限らないのだ。
「出てって。わたしは治療なんか要らない。他の先生にもそう言ってよ」
ㅤ出久は、黙って踵を返すほか無かった。
ㅤそして今、そのことをポッピーピポパポ達に伝えていた。
「ピプペポパニックだよ〜!」ポッピーピポパポは頭を抱えて、部屋中をぐるぐる回っている。「ね〜! ショウト、どうしたらいいと思う〜!?」
ㅤ椅子に座っている焦凍を力いっぱい揺らすポッピーピポパポ。肩を揺すられながらも焦凍は無表情のままだ。その表情のまま彼はこう言い放った。
「別にオペを強行すれば良いと思う。体を切る訳じゃねぇし、厳密には本人の許可は必要ない筈だ。最悪訴えられても、このまま放っておけば消滅するんだから緊急処置と言えば勝てる」
「そんな……! せっかく治っても、結花ちゃんはまた死にたいと思うだけなんですよ? そんなの、助けたって言えませんよ」
ㅤ出久は焦凍に詰め寄る。結花の説得について皆で考えるつもりでいた出久には、到底納得できることでは無かった。
「じゃあ、何だ? このまま消滅させるって言うのか? 今言っていることはそういうことだ」
ㅤ何も言い返せなかった。他人の細かい事情に立ち入れない以上、オペをすることぐらいしか出来ないのは分かっている。けれども、それは正しいことではない気が、出久にはしていた。
「お前がやらないって言うなら、俺一人でもやる。ヒーローは慈善事業じゃないんだ。やらなきゃいけないことをただやるしかねぇ」
ㅤ焦凍は席を立ち、CRを去っていった。
「……なんかイズク、変じゃない? そりゃ、患者さんの気持ちは分かってあげなきゃいけないよ。でも、オペをやめるなんてやっぱりやり過ぎだよ」
ㅤ両手を強く握ったまま立ち尽くしている出久に、ポッピーピポパポはそう言った。
「そうですよね……。だけど、他人事に思えないんです。結花ちゃんのこと」
「もしかして、イズクも昔イジメられていたの?」
「はい。しかも、おんなじ理由で」
ㅤ出久は過去の話を話しはじめた。前からポッピーピポパポになら言っても良い、と思っていたのだ。幼馴染のこと。昔の夢のこと……。時系列も内容もぐちゃぐちゃだったが、彼女は何も言わずに聴いてくれた。
「――そっか……」
「助けてあげたい。でも、それはあの時の僕に解決できなかったことで……。だから、今何をしてあげたらいいのか分からない」
「う〜ん。難しくて、ポッピーにも分かんないなぁ……」
ㅤ打開策も見つからず、2人は唸るくらいしかできなかった。そこに、ゲームスコープから着信音が鳴った。焦凍からの連絡で、「バグスターと遭遇した」という内容だった。
「とりあえず、バグスターを倒しちゃおうよ。後のことは、それから考えたらいいと思うな」
「……分かった。行ってくる!」
ㅤ迷いを断ち切った出久は、バグスターと切除すべく現場へとワープして行った。
◆
ㅤ轟焦凍はアランブラバグスターに苦戦していた。
ㅤ恐らく、変身前なら十分圧倒出来た筈だ。しかし、「バグスターはライダーシステムでないと倒せない」というルールの為に、彼は変身を余儀なくされているのだ。
ㅤ変身後も一応個性を使うことはできる。だが、生身の時と同じようには扱えない。開発者の檀黎斗曰く、今のプログラムでは強力な個性を処理し切れないのだという。要するに弱体化だ。周りを凍らせるのにもタイムラグが存在するし、有効範囲も随分狭くなってしまっている。
ㅤ逆に、アランブラバグスターは焦凍が凍らせてくる前にワープして回避することが可能だ。バグスターは、実体はあれどデータ体なので自由に転移することができるからである。
そして。
『シビレール!』焦凍の凍結射程よりも遠くから、魔法を撃つことができた。
「ちっ……」
ㅤ仕方なく、近接戦闘に切り替えた。ガシャコンソードを召喚し、氷の個性で強化して斬りつける。とはいえ、いくらライフを削っても回復魔法で元どおりである。
――炎を使わなければいけないのか……
ㅤ焦凍は自分の左手を見つめる。彼の個性は氷だけでは無く、"半冷半燃"。氷と炎が複合した個性なのだ。けれども、彼は戦闘で炎は使わないという誓いを立てていた。そのことが、彼に迷いを生じさせる。
ㅤけれども、彼はいつまでも迷う必要はなかった。
ㅤ仮面ライダーエグゼイド――緑谷出久がやってきたからだった。
ㅤ変身した状態で走ってきた出久は、勢いを殺すことなくガシャコンブレイカーをアランブラに振り下ろす。流石にアランブラも不意を突かれた形になった。出久は重ねて攻撃を加えようとしたが、2対1はマズイと判断したアランブラが戦線離脱しようとする。
ㅤしかし、出久はそれを許さなかった。
ㅤアランブラのフード部分を掴み、彼はバグスターごとワープした。アランブラが何か喚いているが、気にも留めない。
ㅤ出久がワープした先は焦凍の目の前だ。目を丸くしている焦凍に出久は叫ぶ。
「僕ごと凍らせろっ! とどろきくん!」
ㅤその声と同時に、氷が展開される。足元から少しずつ凍りついてゆく。コンマ何秒とはいかないものの、数秒も経たないうちにアランブラと出久は氷の彫像へと変わった。
『ガシャット!』
ㅤガシャコンソードにタドルクエストガシャットが差し込まれる。ガシャコンソードの刀身が氷を纏う。
『キメワザ!』
『タドルクリティカルフィニッシュ!』
ㅤ氷像に向けて斬撃が放たれる。アランブラは爆発四散し、消滅していった。そして、ゲームクリア音声が鳴り、ゲームは終了した。
ㅤ変身を解除した焦凍は、出久のもとへと向かう。衝撃に巻き込まれた出久は許容量を超えるダメージを受け、強制変身解除されてしまっていた。
「おい、大丈夫か?」
ㅤ焦凍の声に、よろよろと立ち上がる出久。白衣もところどころが焦げ、顔や手にも傷を負っている。
「はい……。一回くらいなら必殺技を食らっても大丈夫と分かってたんで……」
「分かっててやったのかよ……。めちゃくちゃだな」
「自分を犠牲にしてでも戦うのが、ヒーローだと思うんです。……って、CRに戻らなきゃ! お先、失礼します!」
ㅤ焦凍を残して、出久はCRへとワープしていった。
ㅤ出久が病室に入っていくと、結花がこちらを睨みつけていた。その横で、明日那が不安そうに2人の顔を見ている。
「……治しちゃったんだ」
「やっぱり、結花ちゃんには死んで欲しくない。これはドクターとしてじゃなくても、そう思う」
「じゃあ、わたしはこれからもイジメられろって言うの?」
「それなんだけどさ……」
ㅤ出久はベットの上の結花と目線を合わせる為に、少ししゃがんだ。そして、一枚の書類を差し出した。それは出久がCRに戻ってから書いた診断書で、病状などが細かく書かれていた。
「ゲーム病は体にも負担がすごくかかる病気ではある。だけど、バグスターウイルスにはストレスで増殖する性質があるんだ。心の病気が重症化すると死に至ってしまう」
「それが?」結花は興味がなさそうな顔だ。
「つまり、きみを追い込んだクラスメイトとか、先生とかは君を殺しかけたんだ。だから校長先生とか教育委員会、何だったら弁護士とかに相談すれば、殺人未遂とかに持ち込めるかもしれない」
「サっ、サツジンミスイ〜!?」
ㅤ先程まで出久の話についていけていなかった明日那が、その単語に目を剥いた。かなり驚いたのだろう。話し方がポッピーピポパポに戻っている。
「いや、これはちょっと大袈裟過ぎたけど……。でもさ、脅かしてイジメをやめさせるくらいにはなると思うんだ」
ㅤ出久は、結花の方へと向き直った。
「ねぇ、結花ちゃん。たぶん、これからもこんなことが起こらないとは限らないと思う。だけど、世界は個性だけで回っていないんだ」そこで一旦、言葉を切る。「例えば、ヒーローは災害などから人々を救うよね。そのあと、助けられた人が立ち直れるかどうかはその人次第だ。もちろんドクターやナースも手助けはするけどね」
「……正直、先生の言ってること、全部は受け止められない」結花は硬い表情のまま言う。「だけど、もうちょっとだけ生きてみる」そう言って、彼女は少しだけ唇を斜めにした。
ㅤ医局の方に戻ってくると、焦凍が不機嫌そうな顔で座っていた。出久を見ると、すぐさま彼は口を開いた。
「置いていくってどうなんだよ」
「ごっ、ごめんなさい……。僕一つのことですぐ頭がいっぱいになってしまって……。あの、ほんと轟さんには申し訳ないと思うんですけど……」
「名前」
「え……?」
ㅤ返された言葉の意味が分からず、ぽかんとする出久。焦凍は言葉をもう一度繰り返す。
「名前だよ。さっき、轟くんって呼んでただろ」
「あっ、つい……」
「次からはそう呼んでくれ。あと、敬語もやめろ。なんか、ムズムズする」
ㅤどうしてこんな急に態度が軟化したのか、出久にはよく分からなかった。しかし、自分の行動のどこかに、歩み寄ってくれる理由があったのだろうということは分かった。
「……わかった。よろしくね、轟くん」
「あっ、イズク! ポッピーのことも、ちゃんとポッピーって呼んでよ〜! いつも名前呼ばなきゃいけない時ゴマカシてるでしょ!」
「そっ、それは……」
「ポッピー! ほら、呼んでよ!」
ㅤポッピーピポパポに詰め寄られて、目を白黒させる出久。その様子を、焦凍は黙って見つめる。課題は積み重なってはいるけれども、CRは平和だった。
◆
ㅤ時は少し遡る。
ㅤ幻夢コーポレーションの社長室に、1人の男がやってきていた。
「エグゼイドの変身者が変更とはどういうことだ?」
ㅤ男は乱暴に机へ拳を叩きつける。机の上に載せられていた、ゲームキャラのぬいぐるみが床へと落ちる。それを見て、幻夢コーポレーション社長――檀黎斗は不快げに眉を寄せた。しかし、すぐ表情を笑顔に戻す。
「別に君がライダーの資格を失った訳じゃない。エグゼイドに相応しい変身者が見つかっただけで。君は君でぴったりなゲームを用意してあるさ」
ㅤそう言って、黎斗はデスクの引き出しから紺色のガシャットとゲーマドライバーを取り出した。それらは、目の前で黎斗を睨み続ける男に手渡される。
「仮面ライダースナイプ。今日からそれが君の別名だ。……ヒーロー・爆心地」
ㅤ最初は患者はエグゼイド本編に沿わせる予定だったんですけど、エグゼイド本編後って設定にしたので、患者は自分で作らなきゃいけなくなりました。
ㅤ今回の君島結花という名前は、仮面ライダー555の長田結花ちゃんから貰いました。君島って苗字は、ちゃおのよくネタにされてるいじめアニメから。
ㅤ元々、この作品はファイズで考えていて、出久をホースオルフェノクにする案もあったんですよね……。あのまま行くと、かっちゃんが灰化したり、首が折れたりしそうだったのでやめました。轟はウルフオルフェノクだった。
ㅤ……なんか、ベタだよね。それも。