世界大会翌日、咲、玄、恭子の三人はソウルを出発し、大阪に入った。
この日から二日間に渡り、大阪で近畿大会が行われる。
一回戦はムリでも二回戦には間に合うと思っていたのだが………。
「ここ、ドコ?」
案の定、咲が迷子になった。
本当に悪い意味で期待を裏切らない。
それもあって、三人がホテルに着いた時には、既に夕刻となっていた。
当然、大会初日の対局は全て終了していた。
とは言え、穏乃と憧は勿論のこと、小走ゆい(小走やえ妹)、宇野沢美由紀(宇野沢栞妹)、車井百子(車井百花妹)の一年生三人組が安定した力を見せ、阿知賀女子学院は余裕で決勝進出を決めていた。
近畿大会は、大阪府から10校、京都府、兵庫県から各5校、滋賀県、奈良県、和歌山県から各4校の計32校が各府県の代表校として出場する。
ルールは、星取り戦にすべきか点数引継ぎ制にすべきか色々議論が成されたが、結果的に今回は昨年同様、100000点持ちの点数引継ぎ制で行われることになっていた。
大明槓からの嶺上開花による責任払いはあり。ここは、昨年の近畿大会とはルールが変わっていた。
また、二家和(ダブロン)、三家和(トリロン)あり、ダブル役満以上ありだった。
なお、世界大会で適用された槓振は、本大会では適用されない。
ルールの詳細は、各地区によって異なるようで、例えば関東地区大会では二家和、三家和ありだが、東京都大会ではアタマハネを採用していたそうだ。
阿知賀女子学院メンバーからすれば、県大会では星取り戦で槓振ありだったのだから、正直なところコロコロルールを変えられる感じがしてならない。
頭の切り替えが面倒だ。
とは言え、この辺は運営サイドの判断なのだから、まあ仕方が無い。
ただ、本当のところは、咲が大会初日に間に合わないのを見越して、アンチ阿知賀の大会役員が阿知賀女子学院を敗退させるべく、このような措置をとったとのことだ。
咲が間に合わなければ、高校での団体戦経験のない一年生が三人もいるチームになる。頼れるエースが不在となれば、プレッシャーからその三人の一人が崩れる可能性はある。そうなれば、点数引き継ぎ制である以上、その一人の大敗が原因で阿知賀女子学院自体が敗退する可能性も出てくる。
大明槓からの嶺上開花に対する責任払いを有りにしたのはアンチ阿知賀なのを隠すため………。
やはり大人の世界は汚い。
しかし、そのアンチ阿知賀の想定以上に、今の阿知賀女子学院は強かったと言える。
一日目の午前に一回戦が行われた。
一回戦は先鋒戦から大将戦まで各一半荘ずつ行われ、4校のうち1校だけが準決勝戦に進出する。
準決勝戦は一日目の午後に行われ、やはり先鋒戦から大将戦まで各一半荘ずつの点数引継ぎ制で行われるが、4校のうち2校が決勝戦に進出する。
決勝戦は二日目の朝より行われる。
なお、決勝戦のみ先鋒戦から大将戦まで各二半荘ずつとなる。そのため、終わるのは大抵夜になる。
それから、今年の春季大会で阿知賀女子学院が優勝していることから、近畿大会の上位5校が次の春季の全国大会団体戦に出場することになった。本来は4校だが、優勝校の所属する地区は1校増やすルールになっているためだ。
そこで、今回は決勝戦と同時平行で5位決定戦が行われる。こちらも先鋒戦から大将戦まで各二半荘ずつの対局となる。
大会初日の阿知賀女子学院は、一回戦、準決勝戦共に以下のオーダーで参戦した。
先鋒:ゆい
次鋒:美由紀
中堅:憧
副将:百子
大将:穏乃
二試合共、全員プラスで200000点超のブッチギリ、余裕の大勝利であった。
翌日の決勝戦。
オーダーは、
先鋒:咲
次鋒:憧
中堅:美由紀
副将:ゆい
大将:穏乃
となった。
百子は補員に回される。
この日、憧は少々不機嫌だった。
昨日の咲の迷子事件が原因である。
「昨日は私達が頑張ったんだから、今日はサキ一人で片付けてよね!」
「善処します。」
「じゃあ、サキ、行くよ!」
「よろしくお願いします。」
「穏乃もお願い!」
「う………うん!」
毎度の如く、咲は憧と手を繋いで会場へと向かった。昨日の迷子事件もあり、今日は特に念入りに憧の反対側を穏乃がガードする。
完全に信用と言うものが失われている状態だ。
しかし、雀力に対する信頼度は最高峰であろう。
憧は、咲を対局室まで送り届けると、
「私まで回さないでよね!」
と言いながらタコスを差し出した。
それイコール、
『東二局は来ない!』
をやれと言う意味だ。
「はい…。」
咲は、タコスを受け取ると、早速口にした。
「じゃあ、ガンバ!」
「ふぁい…。」←口の中にタコスが入っている
麻雀の序列は間違いなく『咲>憧』だが、人間関係の序列は、今更ではあるが、完全に『憧>咲』のようだ。
決勝進出校は、阿知賀女子学院、千里山女子高校、姫松高校、晩成高校。
奈良vs大阪の戦いとなった。
阿知賀女子学院の先鋒はチャンピオン宮永咲。女子高校生史上最強と言われる点棒の魔術師。点数調整が得意。
他にも嶺の上の女王とか日本の守護神とか言われている。
史上最強の化物であろう。
千里山女子高校の先鋒は二条泉。
自称高二最強。
チャンピオンである咲を目の前にして、それを豪語できる心臓は大したものと言われている(半分嫌味だが…)。
姫松高校先鋒は美入麗佳(みにゅうれいか)。
決勝先鋒戦唯一の一年生。
白糸台高校のスーパー美少女、佐々野みかんに匹敵する美しさだ。漫画で言えば、彼女の周りだけ背景(トーン)が違う。
オモチも若干大きめで形も良い。
ちなみに姉の名前は美入人美(ひとみ)。姫松高校の二年生で、副将でエントリーされている。
よく麗佳が口にする言葉は、
「私、いつも美人に間違えられるんです(美入だけに)。」←本人は悪気はない
なのだが………、今回も場決めの際に、不用意にもそれを言ってしまった。
当然、咲は、
「(なにそれ、嫌味!?)」
麗佳をロックオンした状態で、全身から暗黒物質を激しく発散させ始めた。
当然、ネット界隈では、
「ターゲットは決まったと思!」
「咲ちゃんの下家には姫松を希望するじぇい!」
「あの雰囲気は、放出してなんぼ、放出してなんぼですわ!」
「さすがにこれはデビューするしかないッス!」
「この人が放出しないなんて、ないない! そんなの!」
早速、麗佳の大放出を期待する書き込みで溢れていた。
晩成高校の先鋒は岡橋初瀬。
「(こいつ、また憧と手を繋いで…。それに、あのクソ猿も! 今日こそ絶対に許さないんだから!)」
良かれ悪しかれ、初瀬は妙に気合が入っていた。
場決めがされ、起家はタコス効果で咲、南家は麗佳、西家は初瀬、北家は泉に決まった。
この席順を見て、
「美人ちゃんが咲様の下家で超うれしいよぅ!」
「これは、ドンブリメシ十杯はイケる展開になりそうッス!」
「苗字が美人? 大放水決定ですわ!」
「美人じゃなくて美入だじょ!」
「分かってますわ! ちょっとしたギャグですわ!」
「あの目は、もう咲のスイッチ入ってると思…」
「オモチベーションが上がるのです!」
既に麗佳の大失態を予想する声で賑わっていた。
相変わらずヒマな連中である。
東一局、咲の親。
当然、咲は靴下を脱いで戦う。
最高状態で最速で終わらすのが憧からの要望だ。昨日の迷子事件がある以上、その名誉挽回に務めなければならない。
咲は、五巡目に、
「カン!」
{西}を暗槓すると、
「ツモ! 嶺上開花ツモ赤1。70符3翻は4000オールです。」
楽々と親満をツモ和了りした。
早速、麗佳は咲のオーラを乗せた副露牌の攻撃に合い、
「(なんか、怖いんですけど…。)」
今まで何人もの女子高生雀士達が体験した恐怖と同じものを感じていた。噂では聞いていたが、想像以上だ。
何故か巨大な肉食生物が、大きな口を開けて自分に向かって突進してくるような感覚。生きた心地がしない。
『お前はもう死んでいる』
とでも言われている感じだ。
東一局一本場。
ここでも咲は、
「カン! ツモ! 嶺上開花! 4100オール!」
軽々と嶺上開花を決めた。
もはや、嶺上開花で和了れるのが前提になっている。
少なくとも、麗佳が今まで打ってきた麻雀とは中味………と言うか次元が違う。
それに、今回も晒される槓子に乗って飛んでくる咲のオーラがハンパではない。
その強大なエネルギー波をモロに受けて、麗佳は既に顔が蒼ざめていた。
今の世の中で普通に生活していたら、まず感じることは無いであろう恐怖………。激しい鼓動が、治まるどころか、より一層激しさを増してくる。
東一局二本場。
ここでは、
「ポン!」
咲は、序盤から、いきなり麗佳が捨てた{中}を鳴いた。
そして、中盤に入り、
「カン!」
{中}を加槓すると、
「もいっこ、カン!」
{發}を暗槓した。
さらに嶺上牌をツモると、
「もいっこ、カン!」
{白}を暗槓し、次の嶺上牌をツモると、
「もいっこ、カン!」
{西}を暗槓した。
王牌には四枚目の嶺上牌が残っている。
咲は、これをツモると、
「ツモ!」
当然のように嶺上開花を決めた。
ツモ和了りの宣言で開かれた二枚の牌は、共に{北}。
「大三元字一色四槓子。48200オール!」
この和了りで、ネット界隈は、
「また出ましたわ! 大三元字一色四槓子ですわ!」
「しかも淋シャン開放」
「美人ちゃんの括約筋も開放されそうッス!」
「もう時間の問題だじぇい!」
さらなる賑わいを見せていた。
既に咲は三人から56300点ずつ取っている。
とんでもないスタートダッシュだ。
しかも、この連槓による咲の精神攻撃(?)で、麗佳はすっかり怯えてしまった。もう股間を押さえて震えている。
目には涙が溜まっている。
既に麗佳は、毎度のメニューの秒読み段階に入っていた。
東一局三本場。
ダブルリーチでもかからない限り、一巡目、二巡目で、いきなり他家をケアーして打とうとはしないだろう。
普通は、不要牌の処理をする。
そのつもりで、麗佳は二巡目で{⑨}を切った。
しかし、その{⑨}で、
「ロン!」
咲が和了った。
「えっ?」
想像を超えた出来事に、麗佳は一瞬、何が起きたか理解できないでいた。
しかし、咲が開いた手牌を見て、状況がようやく理解できた。
{一九①19東東南西北白發中} ロン{⑨}
「48900!」
{⑨}待ちの国士無双だった。麗佳は、これに振込んだのだ。
43700点しか持っていないところに48900点の振込み。
これで麗佳のトビで終了となった。
当然、テレビの映像は対局室から放送席に切り替えられた。いつもの対応である。さすが手馴れている。
そして、対局室では、
「チョロチョロチョロ………ジョジョ―――!」
麗佳が派手に大放水していた。
咲のオーラへの恐怖からか、それとも、その恐怖から開放された安堵から来るものなのかは分からないが、先人と同じ道に麗佳も入っていったのだ。
しかも、この美貌。
多分、これで麗佳はレギュラーメンバー入り確定であろう(板で書かれる側の)。
そして、ネット界隈では、
「現場の方、情報をくださいまし!」
「これ、美人ちゃん大放水確定ッスよね?」
「特定はよ、だじぇい!」
「大会会場の者やけど、姫松高校の生徒がジャージ持って対局室に急行しよったで!」
「確定! 美人麗佳ちゃん仲間入り! うれしいよモー!」
「先輩が喜ぶデー!」
「ダル…」
いつものメンバーがメチャクチャ喜んでいた。
咲は、急いで靴下を履き、席を立ち上がると、
「あ…ありがとうございました!」
ペッコリンと頭を下げて、いそいそと対局室を後にした。
そして、対局室入口付近で待っていた憧を見つけると、
「約束、守れました。」
安堵を伴った笑顔で、憧に報告した。
「まあ、これで昨日の件は許してあげるから。」
「うん。」
「でも、迷子で会場に来れないなんてことは、もう絶対にしないでよ!」
「ぜ…善処します。」
どうやら、咲にとっては、本大会レベルで、東一局で相手をトバして終了することの方が、迷子にならないことよりも簡単なようだ。
別の会場では、まだ5位決定戦が行われている。
テレビ中継側は、
「五決があって良かった!」
放送枠に穴が開かずにホッとしていた。
1位から4位までは確定したので、清掃作業を終えると、5位決定戦の結果を待たずに優勝から4位までの表彰式が決勝会場で行われることになった。
優勝した阿知賀女子学院のメンバーの首には金メダル、準優勝校の千里山女子高校(席順による)のメンバーの首には銀メダル、3位の晩成高校のメンバーの首には銅メダルが次々とかけられていった。
優秀選手は三名。阿知賀女子学院の高鴨穏乃と新子憧、千里山女子高校の二条泉に与えられた。
5位決定戦を無視して決めてよいのだろうかとの声もあったが…。
それはさておき、ようやく成果が認められ、泉が大喜びしたのは言うまでも無い。
また、最優秀選手には、宮永咲が選ばれた。
決勝戦しか出場していないが、先鋒前半戦の東一局で全て片付けてしまったのだ。その全てを超越した闘牌に、満場一致で選ばれたようだ。
それから、今回は何故か審査員特別賞と言うものが設けられていた。
受賞したのは姫松高校の美入麗佳。
その美しい容姿と、決勝戦終了直後の派手なパフォーマンス(?)から、エロジジイ達が急遽設けた賞だったらしい。
名誉なのか不名誉なのか、よく分からないが………。
さて、先に行われた都大会では、既に白糸台高校が優勝を、臨海女子高校が準優勝を決め、春季大会の出場を決めていた。
どちらも超強豪。
全国大会常連校である。
また、近畿大会と同じ日程で、九州地区、中国四国地区、東海地区、関東地区(山梨県含む)、信越地区、東北地区、北海道地区の大会も開催されていた。
九州地区からは永水女子高校が、中国四国地区からは朝酌女子高校と粕渕高校が、春季大会出場を決めていた。
出場校メンバー全員の目標は、言うまでもなく、
『打倒、阿知賀女子学院!』
『打倒、宮永咲!』
である。
また、熱い戦いの日がやってくる。
第三部終了です。
怜が何か言ってますが、次回は普通にアップされる予定です。
おまけ
それは、近畿大会が終わった日の夜のことだった。
咲「近畿大会も終わったし。これで、ちょっと一息つけるかな?」
今日、咲は大阪から家に戻ってきた。
自分の部屋でベッドに横たわる。
ふと、咲がラジオをつけた。すると…、聞いたことのある声………いかにも図々しさ満載の声がラジオから聞こえてきた。
インターハイから帰ってきた日を思い出す。
まるでデジャブーだ。
いや、今回のは、もっと酷いかも知れない
池田華菜「またまた、華菜ちゃんがコーナーを持たせてもらうことになったし! やっぱり、咲-Saki-の中で華菜ちゃんが一番人気があるって証拠だし!」
中田慧「今回はお前の単独コーナーじゃないし!」
愛宕洋榎「そうやそうや! 主役はうちや!」
二条泉「違います。主役は高二最強の私です!」
華菜「主役は華菜ちゃんだし!」
慧「慧ちゃんだし!」
洋榎「うちやで!」
泉「私です!」
莉子・史織「「勝手に暴走しないでください!」」
莉子・史織「「いよいよ始まりますウザキャラ王座決定戦!」」
莉子「咲-Saki-史上、最大のウザキャラは誰か? 司会は安福莉子と。」
史織「水村史織でお送りします!」
華菜「なんなんだし! それ?」
慧「だから、慧ちゃんの番組だし! それに慧ちゃんがいれば、別に司会進行なんかいらないし!」
洋榎「主役はうちやろ!」
泉「宮永咲最大のライバルである私です!」
華菜「絶対華菜ちゃんだし!」
慧「慧ちゃんだし!」
華菜「華菜ちゃんだし!」
慧「慧ちゃんだし!」
…
…
…
余りに酷い番組なので、咲がラジオを切った。
咲「ナニ今の? ちょっと番組表調べてみよう。」
咲が新聞の番組欄を見た。すると、
『華菜・慧・洋榎・泉のウザキャラ頂上決戦!』
と書いてあった。
こんなの誰が企画したのだろうか?
その精神を疑う。
咲は、気を取り直して、今度はスマホのテレビ視聴アプリを立ち上げた。
すると、見慣れた二人の漫才が画面に映った。
怜「第三部終了やて!」
爽「じゃあ、次から第四部だね!」
怜「一応、予定はしとるようやけどな、第四部。ただ、ちょっと休憩時間が必要かも知れへんで。」
爽「どうして?」
怜「麻雀のネタを探す旅に出る必要があるからや!」
爽「雀荘巡りでもするのかな?」
怜「その辺は知らんけど…。まあ、第何部になるかは分からへんけど、いつかは咲vsフレデリカをやるんやろうなぁ。」
爽「そうだろうね。」
怜「ただ、その前に、春季大会や次のインターハイ、コクマで咲を苦しめられるヤツがおらへんのや!」
爽「別にイイんじゃない? 敵にはお漏らしさせとけば。」
怜「それもそうやな。ただ、他の人達の闘牌は、それなりに考えなアカンやろ。それでネタ探しや!」
爽「いっそのこと、宇宙麻雀にするとか?」
怜「あれはあれでオモロイと思うけどな。ただ、闘牌考えるんが、もっと大変になるんとちゃうか?」
爽「たしかに!」
怜「なので、まあ、普通の麻雀でネタ探しや。それにしても、話、変わるけど。もう、うちらが高校卒業してから半年以上経つんやな。」
爽「そうだね。それこそ、第四部で春季大会突入になると思うから、そうしたら私達が高校卒業から一年近く経つことになるよ?」
怜「せやな………。」
…
…
…
咲「なんか、無難なトークしかしてないよ。あの二人らしくない。もう、お下品コーナーはムリなのかな?」
やはり、ハヤリ20-7に精力を全て抜かれたのだろう。全然、お下品コーナーに進む気配がない。
咲がチャンネルを変えると、見慣れた別の番組が映し出された。
これは、憧100式。
珍しく京太郎と憧100式の会話だ。
そう言えば、京太郎が憧100式で登場するのは流れ八本場、憧110式ver.マホが造り出された話以来ではなかろうか?
憧 -Ako- 100式 流れ三十本場 禁忌大会
京太郎「あのマホちゃんがねえ。まさか、不特定多数の小学生男子相手に手で奉仕してたとはね。一太さん、ショックだったろうな。」
憧「私も驚いちゃった。」
京太郎「インモラルだよね。」
憧「インモ〇ある? ちょっと、マホちゃんはイ〇モウは無いけど。」
京太郎「そうじゃなくて、モラルが無いってこと。それで、イ・ン・モ・ラ・ル!」
憧「えっ? そう言うこと?」
取扱説明書:憧100式シリーズは、聞いた単語を語呂が近いHな単語と聞き違えることが多々あります。
取扱説明書:ご使用中の憧100式シリーズが、語呂が近いHな単語と聞き違えてばかりでお困りのユーザーは、大変申し訳ありませんが、根気よく正しい単語をAIに学習させてください。
…
…
…
その後、京太郎がテレビを見ていた。
しばらくして、ニュースでオスプレイの墜落事故の映像が流れてきた。
京太郎「オスプレイか。」
憧「オスプレイ?(それって、男の人とのプレイってことだよね?)」
京太郎「ああ。事故起こすの、これで何度目だ?」
憧「事後? 何度目?(そんな映像には見えないけど…)」
京太郎「もったいねえな。」
憧「もったいないって、京太郎は興味あるの? オスプレイ。」
京太郎「まあ、一度乗ってみたいかな。」
憧「ちょっと、京太郎。そんな趣味あるの?(男の人に乗るだなんて!)」
京太郎「えっ?(何、怒ってるんだろう?)」
憧「男性とのプレイなんて!」
京太郎「はっ?」
京太郎は、一瞬意味が分からなかったが、数秒後、
『なるほど、オスプレイ→オス・プレイか』
と理解した。
憧100式との生活も数ヶ月。こういった遣り取りには慣れてきた。
京太郎「オスとのプレイじゃなくて『Osprey』だってば。」
京太郎は、紙に『Osprey』とスペルを書いた。
決して、スペル〇をかいたのではない。
まあ、そんな誤解をする人は、多分、作者くらいしかいないと思うが………。
憧「♂playじゃなくてOspreyなのね。ああ、びっくりした。」
京太郎「こっちが驚いたよ。」
そんなこんなで、憧100式は、また正しい言葉を学習した。
こうやって、京太郎と正しい会話が徐々にできるようになって行く…と思う。
さて、その頃、コナン達は、
コナン「そう言えば博士。」
博士「なんじゃね?」
コナン「黒の組織のナンバーツーのことでさ、『ラムは、亭主の浮気が酷くて…』って、前にベルモットが言ってたよな。」←七十六本場オマケ参照
博士「どうも、宇宙人の女性だったらしい。」
コナン「実はな、博士。アーントアガサって酒、知ってるか?」
博士「飲んだことは無いが、名前くらいは知っとるよ。」
哀「ラムベースのカクテルね。しかも名前がアーントアガサ。つまり、博士の叔母さん。」
コナン「ああ。なので、俺は黒の組織のナンバーツーが、博士の叔母じゃないかって、一時期疑ってたんだ。」
哀「とんだ濡れ衣ね。」
博士「まあ、原作でそんな展開があったら面白いと思うがの。」
こいつらがHなことをしていないなんて………。
珍しい。
天変地異の前触れでは無いだろうか?
さて、翌日。
憧100式は、俺君のアパートで憧105式ver.淡と駄弁っていた。
ちなみに俺君は大学に行っていて留守である。
憧「………それでね、オスプレイって言うからさ、男同士のHかと思っちゃったよ!」
淡「分かる分かる!」
丁度この時、憧100式のスマホからバイブの振動音が聞こえてきた。
どうやら、教え子からLINEが入ったようだ。
憧100式は、家庭教師をしているのだ。
しかも相手は女子高生。
教え子の名前は室橋裕子。周りからは『ムロ』と呼ばれている。
憧「ムロちゃん、志望校決まったみたい。」
淡「家庭教師してる娘?」
憧「そう。」
淡「で、ドコを志望してるの?」
憧「最初は早慶行きたいなんて行ってたけど。」
淡「(包〇イきたい? なんで急にそうなるの?)」
憧「でも、さすがに早慶は入るのちょっと無理みたいだからG-MARCHにするって。」
淡「(〇茎は挿れるのムリみたいだから自慰待ち? 自慰ってオ〇ニーのことだよね?)」
淡「(包〇の場合、綺麗にしていてくれないと挿れるのはパスしたいってことかな?)」
淡「(でも、自慰待ちってなんだろう? 挿れるのはイヤだから、〇茎〇ンポを綺麗に洗ってくるまでオナ〇ーして待ってるってことかな?)」
憧「でも、まあ、G-MARCHでも、実際に行くのは法政かな? なんて書いてある。」
淡「(自慰待ちでもイクのは包〇って? やっぱり包〇チン〇だと刺激に弱くて早いってことかな?)」
結局、意味が通じていない淡でした。
憧100式、一旦完