準決勝第一試合大将前半戦。
南三局一本場、穏乃の連荘。ドラは{6}。
さらに靄が深まるこの局。
ここでも、数絵と李奈は、完全に穏乃の能力によって押さえ込まれていた。普通に手が進むのは穏乃と敬子だけだった。
穏乃は、配牌からドラと赤牌に恵まれていた。
{一三五[五]②②⑤[⑤]669西北白}
ここから{西}。
…
…
…
四巡目、穏乃の手は、
{一二三五[五]②②⑤[⑤]6679} ツモ{9}
ここから打{7}。
五巡目、穏乃は{二}をツモり、{三}を切って聴牌した。
一方の敬子は、この時、二向聴。
純粋に穏乃の方が、手の進みが早かった。
そして、六巡目。
穏乃は{一}を自らの手で引き、
「ツモ。七対ドラ4。6100オール。」
親ハネをツモ和了りした。
これで、大将前半戦の現在の順位と点数は、
1位:穏乃 123700
2位:敬子 115300
3位:数絵 102500
4位:李奈 58500
とうとう穏乃が逆転した。
南三局二本場。
やはり、ここでも手が進むのは穏乃と敬子のみ。
数絵と李奈は、もはや嫌気がさすほどに配牌とツモが噛み合わないでいた。まるで呪われているのかとさえ思えるレベルだ。
ある意味、天江衣の一向聴地獄を連想させるが、ここでは、まるっきり手が進まない。一向聴にすらならないのだ。
一年半前の穏乃の支配力は、ここまで強力ではなかった。
やはり、咲が阿知賀女子学院に転校してきて成長したのだ。咲と共に切磋琢磨しているうちに、穏乃の山支配のレベルも数段階上のレベルに達していた。
しかし、その強力な山支配が効かない者がここにいる。
その者は、どのような能力にも支配されず、自分のペースを乱されることも無い。決して周りの空気に同調することが無い。
そして、この局では穏乃よりも先に聴牌し、
「リーチ!」
攻めてきた。
穏乃との対局で、靄が相当深まった南三局二本場。
そもそも、ここで聴牌できる人間は、女子高生雀士では限られてくる。天江衣や大星淡と言ったスター選手のレベルだ。
そして、次巡、
「一発ツモ!」
まさかのツモ和了りを見せた。しかも、
「リーチ一発ツモ裏2。2200、4200。」
穏乃の山支配と言う逆風を突き破り、アタマを裏ドラで乗せてきた。
これには、多くの者達が度肝を抜かれた。
しかも、この局面で敬子が穏乃を逆転し、再びトップに立った。
オーラス、敬子の親。
ここで敬子は、ムリに高い手を狙う必要は無い。軽い手を和了れば良い。それで和了り止めすれば前半戦を首位で折り返せる。
チャンピオン宮永咲を擁する常勝阿知賀女子学院の人気は高い。当然、阿知賀女子学院の決勝進出を願う声が多数派だ。
しかし、綺亜羅高校も急激に人気が上昇しており、しかも阿知賀女子学院が首位を逃す可能性が出てきた。
当然、このまま敬子が大将戦を勝利する瞬間を多くの人達が期待し始めた。ある意味、歴史的瞬間だ。
しかし、とことんKYな娘である。この局面で、
「ツモ。1000、2000。」
穏乃に先行され、そのままツモ和了りされた。
この和了りの直前に、数絵も李奈も穏乃の背後に蔵王権現の姿が見えていた。しかも、何気にその恐ろしい目は、敬子の方に向けられていた。
しかし、幸か不幸か、敬子にだけは、これが見えていなかった。
霊力の有無とかでは無い。KYゆえに何も感じていないからであろう。
これで、大将前半戦の順位と点数は、
1位:穏乃 123500
2位:敬子 121900
3位:数絵 99300
4位:李奈 55300
穏乃がギリギリのところで再逆転し、首位で前半戦を折り返す結果となった。
休憩に入った。
穏乃は、対局室で椅子にもたれかかり、そのままじっとしていた。
一方、他の三人は一旦自分達の控室に戻った。
敬子が控室の扉を空けると、美和が、
「お帰り。阿知賀の最後の和了り、怖くなかった?」
一応、心配して声をかけた。いくらKYな敬子でも、蔵王権現の視線を受けたら恐怖しか感じないだろうと思ったからだ。
肝の据わった静香、鳴海、美誇人の三銃士でも、あの忿怒相には脅威を感じるし、実際に直接目の当たりにしたら、放水までは行かないにしても震え上がることは間違いない。
しかし、敬子は、
「別に。なんで?」
怖がる理由が分からずにいた。キョトンとしていた。
これを見て、他のメンバー達は、
「「「「(KYも、あそこまで行くと武器だね!)」」」」
と思ったらしい。
同じ頃、朝酌女子高校控室では、李奈が、
「怖かったよぉ。」
涙目になっていた。
半年前の練習試合では、大将戦を愛宕雅恵が代わりに打ってくれた。なので、蔵王権現の姿を至近距離で見たのは、李奈としても今回が初めてであった。
後半戦は、始まる直前にトイレに寄ろう。
某掲示板のネタにされたくない。
李奈は、そう思わずには、いられなかった。
一方、臨海女子高校控室は、まるで通夜のように静まり返っていた。
前後半戦トータルで、数絵が1位にならなければ決勝進出は無い。仮に敬子が勝ち星を取って行ったとしても、得失点差勝負になったら臨海女子高校は3位止まりになる。
そのような中、数絵が穏乃と敬子に20000点以上の差をつけられている。
最悪だ。
しかし、だからと言って諦めているわけでは無い。
言葉は無くとも、数絵は密かに闘志を燃やしていた。
それから少しして、数絵、李奈、敬子が対局室に戻ってきた。
場決めがされ、起家が穏乃、南家が敬子、西家が数絵、北家が李奈に決まった。
席自体は誰も動かず、起家が穏乃に変わっただけである。しかし、数絵が同卓した状態での穏乃の起家は、穏乃にとって極めて不利である。
当然、数絵は、そのことに気付いていた。
「(南一局が始まる時に吹く南風で靄が消えるはず。そこで私が和了れば高鴨の連荘は避けられる。そして、靄が復活するまでに私が稼いでいれば、前後半戦トータルでの逆転も夢じゃない!)」
当然、数絵は、より一層気合が入った。
とは言え、逆転するためには、東場での失点を最小限に抑える必要もあるだろう。なので、敬子への振り込みには十分警戒する必要がある。
東一局、穏乃の親。ドラは{⑧}。
穏乃の山支配も数絵の爆発力もリセットされる。
こうなると、敬子の独壇場だ。
李奈が{白}を捨てた。
これを、
「ポン!」
珍しく敬子が鳴いた。
そう言えば、今まで敬子は門前で仕上げていた気がする。鳴いたのは初めてではなかろうか?
相変わらず敬子の捨て牌は読み難い。
と言うかヤオチュウ牌しか切っていない。
最初に{19}を切り、続いて字牌、そして{一⑨}と続く。
そして、十巡目、
「ツモ!」
敬子の和了り宣言だ。
しかも、妙に声に力が入っていた。
開かれた手牌は、
{2255西西西發發發} ポン{白横白白} ツモ{2}
白發混一色対々和三暗刻。
対々和で、しかも筋待ち。
これは意外と読み難い。
「4000、8000!」
倍満ツモ和了り。
敬子の点数申告の声には、さらに力が入っていた。
もし、ここで{西}が{中}なら役満だったが、贅沢は言っていられない。
それに、穏乃は親カブリ。つまり、穏乃は-8000で敬子は+16000だから、その収支は合わせて24000点になる。
前半戦での穏乃と敬子の点差は1600点だった。
よって、今、敬子は穏乃に22400点差をつけている。
大逆転だ。
いくらKYでも人の子だ。
嬉しい時は嬉しい。
ただ、この和了りは数絵にとっては厳しいものになった。敬子との点差が42600点に広がったからだ。
敬子に勝ち星を取られても得失点差で臨海女子高校は阿知賀女子学院に負けて3位になる。つまり、準決勝戦敗退となる。
数絵からすれば、敬子はKYの極みにしか思えないだろう。
東二局敬子の親。ドラは{9}。
ここでも敬子は、
「ポン!」
李奈が捨てた{西}を鳴いた。ただ、オタ風だ。
そうなると、役牌バックか混一色か、大体手が絞られてくる。
その後も敬子は、順調に手が伸びている感じだ。
三連続でツモ牌が手の中に入っている。しかも捨て牌は筒子と萬子。恐らく、索子の混一色だろう。
当然、穏乃も数絵も李奈も索子を捨てなくなる。
しかし、四巡後に、
「ツモ!」
またもや敬子の和了り宣言の声が対局室に響き渡った。
開かれた手牌は、
{1117999東東東} ポン{西横西西} ツモ{8} ドラ{9}
ダブ東混一色チャンタドラ3。
親倍ツモだ。
「8000オール!」
これで敬子は、他家に圧倒的な差をつけた。
もう大将戦での勝ち星は、敬子で決まりと多くの者達が確信した瞬間だった。
東二局一本場、敬子の連荘。ドラは{南}。
二度の倍満ツモ和了りでツキを放出し過ぎたか、この局は敬子の配牌は今一つ、ツモ牌も巧く噛み合わないでいた。
穏乃も数絵も今一つ。
ここで手が進んでいたのは李奈だけであった。
李奈の配牌は、
{一三五七②④⑥4[5]6北白中}
これが六巡で、
{二三四五六七②②⑥⑦4[5]6}
殆どムダツモ無しで聴牌していた。
ここで{7}が引ければ三色同順が付くかもしれない。当然、李奈は手変わりを狙ってリーチをかけなかった。
その二巡後、李奈は{[⑤]}を引いてきた。
三色同順までは付かなかったが、赤牌ツモだ。
「タンピンツモドラ2。2100、4100!」
李奈は嬉しそうな声で和了りを宣言した。
総合得点2位の阿知賀女子学院との点差は800000点以上。どう足掻いても決勝進出は不可能だ。
それどころか、総合得点3位の臨海女子高校にさえ、500000点以上の差がつけられている。もし李奈が大将戦の勝ち星を取れても4位確定は間違いないのだ。
そんな状況で打たされる大将は、精神的に辛い。
もはや、目指すのは古豪朝酌女子高校のレギュラーとして恥ずかしくない打ち方のみ。
そこでの満貫ツモ和了り。
今日は負けても明日に繋がる打ち方が出来ていたように思えていたのだ。
東三局、数絵の親。
ここでも先行したのは李奈だった。
リーチこそかけなかったが、五巡目で聴牌、
そして、
「ピンツモ三色ドラ1。2000、4000!」
ここでも李奈が、渾身の満貫をツモ和了りを決めた。
この和了りで、李奈は原点復帰を果たした。
東四局、李奈の親。ドラは{2}。
卓上に靄がかかり始めた。穏乃の能力が発動し始めた証拠だ。
こうなると、数絵も李奈も動きが取れなくなる。
しかし、穏乃の能力を屁とも思わない人間がいる。敬子だ。
恐らく無効化能力としては最強だろう。
敬子の配牌は、
{二五八①③[⑤]⑦689東西白}
ここから順調に手を伸ばし、八巡目で、
{四五六八八③⑤[⑤]⑥⑦678}
嵌{④}で聴牌。
敬子は、殆どムダツモ無しで、ここまで手を作り上げていた。手なりに打っていただけなのだが、凄い仕上がりの早さである。
しかし、ここではムリにリーチをかけず、五巡かけて手変わりをした。
十三巡目、敬子の手牌は、
{五六七八八⑤[⑤]⑥⑥⑦567}
高目でタンピン三色一盃口赤1のハネ満聴牌。
ここから、
「リーチ!」
敬子は攻めにでた。ツモれる流れと踏んだのだ。
しかし、その次巡、
「ツモ。」
敬子の上家から小さな声が聞こえてきた。穏乃の和了り宣言だ。
開かれた手牌は、
{四五六②③④⑤⑥⑦2223} ツモ{4} ドラ{2}
タンピンツモドラ3のハネ満だ。
「3000、6000。」
敬子には靄が感じられなくても、ここは基本的に穏乃の支配下にある。しかも十四巡目に入っている。山の終盤………穏乃の支配が強力になる位置だ。
捲り合い勝負で山をほぼ完全に支配した穏乃が、敬子に勝利したと言えよう。
南入した。
これと同時に強烈な温風が吹き荒れ、卓上にかかっていた靄を吹き飛ばした。
「では、始めましょうか。」
この南風の主は、言うまでも無い、数絵だ。
彼女は、気の入った顔でそう言うと、卓中央のスタートボタンを押した。
南一局、穏乃の親。
靄が消し飛んだのと同時に、穏乃の支配も一旦消えた。
しかも、ここからは数絵の支配力が一気に上がる。
数絵は、たった三巡で、
「リーチ!」
先制リーチをかけてきた。
しかも、彼女の捨て牌は字牌三枚のみ。これでは、咲のような能力者で無い限り、誰も和了り牌を読むことは出来ないだろう。
李奈、穏乃、敬子の順で、一先ずヤオチュウ牌捨てで様子を見る。とりあえず、一発振込みだけは無かった。
しかし、
「ツモ!」
まるで狙っていたかのように、数絵は一発ツモで和了った。
「リーチ一発ツモドラ3(表1裏2)。3000、6000。」
しかも、アタマが裏ドラになってのハネ満ツモ。南場の数絵らしい和了りが炸裂した。
南二局、敬子の親。
ここでも数絵が、
「リーチ!」
たった四巡でリーチをかけてきた。
これを見て敬子は、
「(私もKYって言われるけど、南場の臨海の大将も結構KYよね!)」
とか思ったりしていた。
それはさて置き、
「ポン!」
一発回避のつもりもあって、敬子が鳴いた。
しかし、その直後のツモで、
「ツモ。リーツモ白ドラ3(裏ドラが白)。3000、6000。」
高目の白をツモって数絵が和了った。
やはり、KYな敬子が動くと、穏乃と李奈に多大な迷惑がかかるようだ。
一方の数絵は、
「(他家にはKYでも、私にはイイ鳴きでしたよ!)」
と内心思っていた。
南三局、数絵の親。
「リーチ!」
ここに来て、数絵がダブルリーチをかけてきた。
彼女の運が上昇している証拠だ。
しかも、リーチ宣言牌は{白}。これでは四風連打で流すことも出来ない。
ダブルリーチでは読みようが無い。分かるのは{白}が安牌と言うだけ。李奈も穏乃も敬子も、何も考えずに不要牌を切った。
次巡、当然のように、
「ツモ!」
数絵が和了った。
「ダブリー一発ツモドラ2。6000オール!」
しかも、毎度の如く一発ツモ&アタマが裏ドラになってのハネ満ツモ。
これで大将後半戦の点数と順位は、
1位:数絵 120900
2位:敬子 114900
3位:李奈 86300
4位:穏乃 77900
大将前後半戦の合計は、
1位:敬子 236800
2位:数絵 220200
3位:穏乃 201400
4位:李奈 141600
数絵が穏乃を追い抜き、首位の敬子に16600点差………親ハネツモ一回で十分捲くれるところまで詰め寄っていた。
おまけ
春季大会団体一回戦が終わった。
その夜のことだ。
咲「あん♡!」
まこ「いきなりこれか! 小ワープじゃ!」
R指定の番人、まこが時間軸をほんの少しだけ飛ばした。
京太郎「うっ!」
咲「(早っ!)」
昨日同様、一瞬で終わったようだ。
咲「(私が貫通してから二日目で、慣れてないから痛くならないようにって、気を使って早く終わってるわけじゃないよね?)」
咲「(昨日もそうだったけど、10秒もかかってないよね?)」
咲「(ここがもし大会のために借りたホテルじゃなくてラブホテルだったら大損だよね?)」
咲「(休憩に二時間も必要ないよね、これ?)」
咲「(もし二時間五千円のところに入ったら、時間的に4500円以上ムダに払うことになりそうだよ!)」
基本的には京太郎と一つになれて嬉しいのだが、何か物足りない感じだ。
そして翌日。
この日は咲達の試合は無い。
ただ、この日の夜も、
京太郎「うっ!」
咲「(やっぱ早いよね、京ちゃん…。三行半ならぬ三擦り半だよ、これじゃ…。)」
咲「(別に三行半を書くつもりは毛頭ないけど…。)」
別に激しい動きを続ける必要はないから、愛する人ともう少し長い時間、一つに繋がっていたい。
なのに、それができない。
京太郎の時間軸だけ、やたらと早いのだ。
それで咲は、ご不満のようだった。
そして大会三日目。
Aブロック二回戦が行われた。
阿知賀女子学院、朝酌女子高校、琴似栄高校、三箇牧高校の戦いである。
一応、ホテルを出るところからは京太郎とは別行動である。
過去に咲の『京ちゃん発言』があるため、阿知賀女子学院が京太郎と雇っていることが世間にバレると面倒になりそうだからだ。
会場に入る時、咲は、京太郎が一人の男子高校生と話をしているのを見かけた。
見覚えがある。
咲のことを、
『京太郎の嫁!』
と言ってくれたイイ人だ!
たしか苗字は高久田。名前は覚えていない。
その時、京太郎は、高久田から何かを渡されていた。
試合が始まった。
先鋒の憧も次鋒のゆいも快勝である。少なくともこれで準決勝戦進出は決まった。
次の咲が勝てば二回戦の1位が確定する。
咲の全身からは、既に恐怖の大王オーラが激しく放たれていた。
夜の不完全燃焼を、ここで発散しようとしていたのだ。
そして、タコス効果で起家を引き当てると、
「この半荘、東二局は来ない!」
とうとう優希の名台詞を言ってしまった。
ただ、咲が言うと冗談に聞こえない。
対戦相手は、朝酌女子高校の森脇華奈、三箇牧高校の大割つぐみ、琴似栄高校の飛田翔子の3人。
華奈は森脇曖奈の従姉妹で非能力者。練習試合もしているし顔見知りだ。
つぐみは咲とは初対戦。大きく箱割れして点棒を貢いでくれそうだ。『つぐみ』が『みつぐ』のアナグラムにしか思えない。
翔子も咲とは初顔合わせ。飛翔の文字が入っていて、本当にトぶために付けられた名前のように思える。
この日も、咲は相手にとって最凶の打ち方を披露した。
前半戦でいきなり、
東一局、「ツモ! 嶺上開花ツモドラ2。4000オール!」
東一局一本場、「4100オール!」
東一局二本場、「4200オール!」
・
・
・
~中略~ 七十七本場を参照してください。
・
・
・
東一局二十三本場、「4300オール!」
東一局二十四本場、「6400オール!」
東一局二十五本場、「6500オール!」
東一局二十六本場、「66600オール!」
通算四回目の666事件を起こした。
当然、他家三人は、
「「「プシャ──────!」」」
耐え切れずに大放出…巨大湖を形成してしまった。しかも、可哀想なことに全国にライブ中継されてしまった。
某ネット掲示板では、
『やりましたですねー』
『最高っス!』
『ス・バ・ラ・で・す!』
『全国中継してなんぼ! 全国中継してなんぼですわ!』
『三人とも暖かそう!』
『でも床の上に流れた分は冷たくなってるじぇい!』
『このまま友達百人できそうだよモー』
『もうすぐ先輩の友達が百人できそうデー』
『オモチがあるともっと嬉しいのです!』
『全国生中継でチョー嬉しいよぉー』
『この未来は想像の範囲やな』
『ダル………』
引き続き自分達の野望(全国生中継)が継続されて喜んでいた。
ここで、一旦清掃のために長めの休憩が取られた。
そして、後半戦でも、
・
・
・
~中略~ 六十五本場を参照してください。
・
・
・
東一局十一本場、「17100オール!」
444400点を起こした。
当然、他家三人は、
「「「プシャ──────!」」」
耐え切れずに大放出…二度目の巨大湖を形成してしまった。
一日二回の大放出は珍しい。
『やったっス! 三人とも一日二回っス!』
『スバレストです! ちなみにスバラの最上級と言う意味です』
『じゃあスバラの比較級はスバラーかな? by 高二最強』
『目立ってなんぼ 目立ってなんぼですわ! 三人とも最高に目立ってますわ!』
『一日二回は珍しいじょ!』
『三人とも殿堂入りじゃけぃ!』
『祝! 殿堂入り!』
当然、ネット住民達はお祭り騒ぎになった。
一方の放送側は、大放出前の映像切り替えの必要性を感じていた。
この日の夜は、
京太郎「今日さ、高久田にダポキセチンを分けてもらってさ。」
咲「なにそれ?」
京太郎「〇漏防止の薬だって。」
咲「えっ?(気にしてたんだ)」
京太郎「ほら、俺、早過ぎるからさ。」
咲「でも、そんな気にしないでよ。(たしかに早過ぎるから不満ではあるけど)」
京太郎「気にはなるよ。それで、もう飲んじゃったし。」
咲「そんな怪しい薬、大丈夫なの?」
京太郎「大丈夫だって。高久田も使ってて別に変な作用が出るわけでもないって言ってたし、効果もあるって。」
咲「そうなんだ。」
京太郎「で、咲…。」
まこ「小ワープじゃ!」
まこが時間軸を動かした。
先ずは五分。
咲「(京ちゃん、今日は三擦り半で終わってない!)」
咲「京ちゃん! あっ♡!」
まこ「まだ終わっとらんか。では、再び小ワープじゃ!」
ここから、まこが連続小ワープに入った。
五分刻みで状況を確認して行くのだ。
そして、一時間後の世界。
咲「ねえ、まだぁ? もう痛いよ。」
京太郎「ゴメン、もうすぐだから。」
咲「…。」
京太郎「うっ!」
まこ「やっと終わったか。それにしても長かったのぉ。」
今回は長くなり過ぎだ。正直、咲は股が痛くて辛い。
しかし、これで咲は機嫌良く準決勝を迎えたそうだ。