咲-Saki- 阿知賀編入   作:おこそとのほもよろを

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百三十一本場:深い山の世界へ

 春季大会決勝戦、大将後半戦がスタートした。

 泣いても笑っても、これで勝負が決まる。

 

 東一局、和の親。

 穏乃の山支配は、一旦解除された。また、東四局辺りから発動するが、それまでは各自の能力は健在となる。

 とは言え、ここでは穏乃に対する桃子のステルスが再稼働するだけなのだが……。

 

 当然、山支配も無い。

 和と敬子は、相手の能力を受け難いため、桃子ほどの山支配を受けなかったようだが、それでも山支配を完全にキャンセルできたわけでは無い。

 故に前半戦を見る限り、東場よりも南場のほうが、手の進みが遅くなっている。

 なので、言い換えると、この東場では二人とも再び手が早くなる。

 

 和は、オカルトを信じないし、能力麻雀の存在を視野に入れていない。

 しかし、少なくとも穏乃が東場よりも南場の方が強いことは認めているし、前半戦よりも後半戦の方が、より強くなることも理解している。

 ただ、これは後半に進むに連れて集中力が増すからと和は判断していた。

 

 いずれにせよ、穏乃の支配が緩い今が他家にとってはチャンスである。

 和は、最短で手を作り上げ、

「リーチ!」

 聴牌即でリーチをかけた。

 役はリーチタンヤオドラ1のみ。

 それが次巡、

「一発ツモ! 4000オールです!」

 役がさらに2翻追加されて満貫となった。幸先の良いスタートである。

 和が前後半戦トータルでトップになれば、文句なしに白糸台高校の優勝である。当然、和はさらなる和了りを目指す。

 

 東一局一本場、和の連荘。

 ここでも和は、持ち前の牌効率の良さで最短で手を作り上げ、

「リーチ!」

 ここぞとばかりに攻めた。

 完全にツキを自分のモノにしたようだ。

 一発ツモは無かったが、数巡後、

「ツモ!」

 和は自力で和了り牌を掴んできた。

「リーチタンヤオドラ2。4100オール。」

 しかも二連続親満ツモである。

 25000点持ちであれば、全員の点棒を合わせたうちの半分近くを手にしていることになる。普通に考えれば圧倒的なリードだ。

 

 東一局二本場。

 今回も和の手が早かった。

 もう、誰もこのスピードに追いついて行けない状態だ。

 

「リーチ!」

 ここでも早い巡目で和がリーチをかけてきた。

 他家は、振り込みを回避するので精一杯になっている。

 

 一発ツモは無かった。

 別に、和は一発を狙っているわけでは無い。そんな偶然役は、普通は狙って出せるモノでは無いからだ。

 しかし、運の良し悪しは信じている。まさに今、和は、運が自分を味方してくれている状態と言える自信がある。

 そして、それから数巡後、

「ツモ! メンタンピンツモドラ2。6200オール!」

 和は親ハネをツモ和了りした。

 

 これで大将後半戦の現在の点数と順位は、

 1位:和 142900

 2位:桃子 85700(順位は席順による)

 3位:敬子 85700(順位は席順による)

 4位:穏乃 85700(順位は席順による)

 和が余裕の1位である。

 この時点で視聴者の多くは、白糸台高校の優勝を疑わなくなったし、このまま和が突っ走ることを期待し始めていた。

 

 東一局三本場。ドラは{①}。

 ここに来て、桃子は敬子から放たれる空気に変化を感じた。日本中の多くの人達が和の和了りを期待する今、それに逆行するのが敬子なのだ。

 再び敬子は、字牌だらけの捨て牌を経て、

「リーチ!」

 五巡目で先制リーチをかけてきた。

 

 捨て牌は、

 {東西白發中}

 

 本当に読めない捨て牌だ。

 穏乃も和も桃子も、手の中に字牌は無かった。一先ず、端牌を切って対応したが、敬子に直撃されることは無かった。一先ずセーフだ。

 しかし、

「ツモ!」

 敬子は、一発でツモ和了りした。

 

 開かれた手は、

 {三四[五]①②③678南南北北}  ツモ{南}  ドラ{①}  裏ドラ{8}

 待ちは敬子が捨てていない字牌のシャボ。本当に性格が悪い。

 

「リーチ一発ツモドラ3で、3300、6300!」

 しかもハネ満ツモ。これで和の連荘に終止符を打った。

 和のさらなる独走状態を期待する人達からは溜め息が漏れたが、桃子と穏乃にとっては和に和了られるよりはマシだ。

 ある意味、桃子と穏乃は助かったとも言える。

 

 

 東二局、桃子の親。

 今回は和の手が遅そうだ。さっきの敬子の和了りで勢いが消えたのか?

 敬子の捨て牌は、相変わらず字牌のみ。しかも、ご丁寧に{東南西北}と順番に捨てている。

 穏乃からは、まだ特段支配力は感じていない。

 

 そのような中で先行したのは、

「リーチっス!」

 桃子だった。

 後半戦なら、普通はステルスが効いている。

 ところが、

「親リーか………。」

 と敬子が呟いた。つまり、敬子には、桃子の姿が捉えられていると言うことだ。

 やはり、敬子にはステルスが通用していない。

 何故、敬子が他者の能力をキャンセルできるかまでは桃子には分からない。しかし、これは多くの能力者にとっての天敵になる。

 だからこそ、綺亜羅高校の第二エースなのだ。

 

 ただ、もともと桃子は予想していたことである。予想が現実になったショックは、それなりにあるが、別に大ショックなわけでは無い。

 桃子は、気を取り直して次巡のツモ牌を引いた。

 一発ツモにはならず。

 しかし、数巡後に桃子は、

「ツモ! メンピンツモドラ2。4000オールっス!」

 親満をツモ和了りした。

 

 東二局一本場、桃子の連荘。

 ここでは、

「ポン!」

 敬子が捨てた{北}を和が早々に鳴いた。これは和の自風である。

 そして、

「チー!」

 さらに鳴いて手を進め、

「ツモ。北ドラ2。1100、2100です。」

 和が早和了りを決めた。

 独走状態の和としては、今のリードを保ったまま終わらせたい。

 なので、彼女は、あとは安和了りで構わないから他家には和了らせずに場を進めるのが最善と判断したのだ。

 

 

 東三局、敬子の親。

 ここを越えると、いよいよ穏乃の能力が発動し始める。

 桃子は、この局が高い手を和了る最後のチャンスと踏んでいた。

 先行聴牌できたのは桃子だった。ただ、タンヤオドラ1の安手。

 まだ手が伸びる可能性がある。それで、桃子はリーチをかけずにいた。

 しかし、次巡、

「(こっちが来ちゃったっスか。仕方ないっスね。)

 手が伸びる前に和了り牌を掴んでしまった。

 ここでフリテンにして他家に先に和了られても困る。

 それで已む無く、

「ツモタンヤオドラ1。1000、2000っス!」

 桃子は和了った。

 

 

 東四局、穏乃の親。

 桃子の目には、うっすらと卓上に靄がかかってきたのが見えた。これが見えるのは、この場では残念ながら桃子だけである。

 

 トーナメント戦の頂上、決勝戦。

 穏乃の支配力は、準決勝戦の時よりもさらに強力になっている。

 さすがに、和も敬子も今までよりもツモが悪くなっているようだ。

 手が進んでいるのは穏乃だけで、他家は、何故か手の進みが悪い。

 

 場が進むと、さらに靄が濃くなる。

 そして、終盤に入ると、それは濃霧となった。

 残りのツモ牌は十枚程度。ここに来て、

「ツモ。」

 穏乃が和了りを宣言した。

「2000オール。」

 和了り手としてはツモドラ2の安手だが、ここから穏乃の逆襲が始まる。桃子には、そう思えてならなかった。

 

 東四局一本場。

 ここでも卓上に靄がかかる。しかも、前局よりも濃い。

 順調に聴牌まで手を進められたのは穏乃だけ。他の三人は、二向聴まで進めたが、そこで手が止まってしまった。

 

 穏乃の背後に火焔が見えた。

 その直後のことだ。

「ツモ。3900オールの一本場は4000オール。」

 門前で穏乃がツモタンヤオ一盃口ドラ1を和了った。

 しかし、まだ後半戦の得点だけで、穏乃と和の差は25000点にも及ぶ。先鋒から大将までの総合トータルでは70000点差に達する。

 まだまだ穏乃には長い道のりである。

 

 東四局二本場。

 ここで急に、敬子が打ち方を変えてきた。序盤からチュンチャン牌も切ってきたのだ。

 どうやら敬子は、穏乃の山支配下では、まともに打っても手が進まないことに気付いたようだ。それで敢えて打ち方を変えてみたのだ。

 敢えて先に捨てるべき牌を残す。すると、それが対子になる。

 そして、中盤を終える頃までかかったが、敬子は、なんとか七対子を聴牌した。

 

 場は終盤に進み、いよいよ卓を覆う靄は濃霧と化した。

 ところが、この山支配に対抗するかのように、

「リーチ!」

 敬子がリーチをかけてきた。

 一発ツモこそなかったが、海底直前の牌で、

「ツモ!」

 穏乃の能力を突き破るかのように敬子が和了った。

「リーツモ七対、ドラは…赤1だけ。2200、4200。」

 山支配により裏ドラは乗らなかったが、それでも、ここで和了れること自体が凄い。綺亜羅高校大将稲輪敬子。とんでもない伏兵だ。

 

 

 南入した。これが、決勝戦最後の南場である。

 南一局、和の親。

 ここでも山支配を吹き飛ばすかの如く、

「リーチ!」

 敬子が先行して攻めてきた。どうやら敬子は、和よりも数段、他家の能力支配を受け難い体質のようだ。

 しかも、

「ツモ!」

 一発でツモ和了りを決めた。

「メンピン一発ツモドラ2。3000、6000!」

 このハネ満ツモで、和の親はあっという間に流された。

 和の点数は、東一局二本場時点では142900点あった。

 それが、今、121700点まで下がってきた。依然、トップであるが、ドンドン削られている状態にある。

 とは言え、チームの総合得点では断然トップ。

 

 ちなみに、現段階での総合得点は、

 1位:白糸台高校 1216900

 2位:綺亜羅高校 1139800

 3位:阿知賀女子学院 1137300

 4位:永水女子高校 506000

 綺亜羅高校が阿知賀女子学院を僅かに抜いて2位に浮上した。

 しかし、トップの白糸台高校は、その綺亜羅高校に77100点の差をつけている。圧倒的なリードだ。

 

 当然、和は勝ち星を取れなくても、この大差を逆転されなければ良い。あとは、とにかく場を進めて、オーラスで穏乃に稼がせない………連荘させないことだ。

 

 

 南二局、桃子の親。

 卓上にかかる靄が、既に最初から濃霧と化していた。これが、決勝戦南場で見せる穏乃の能力。

 全員の手が重い。

 しかし、その中で穏乃だけは順調に手を進めてゆく。

 そして、中盤に入ってすぐ、

「ツモ。タンピンドラ1。1300、2600。」

 凡庸な手だが穏乃が和了りを決めた。

 

 

 南三局、敬子の親。

 ここでも全員の手が重い。

 他人の能力の殆どをキャンセルできる敬子でさえ、手が進められずにいた。山支配の裏をかけば素直な牌をツモるし、素直に打てば裏をかかれるのだ。

 そして、十二巡目、

「ツモ。1000、2000。」

 穏乃が30符3翻の手を和了った。しかし、まだ原点を越えているのは和と敬子だけ。まだ穏乃は原点復帰すら果たせていない。

 ここで親が回ってくるとは言え、まだまだ穏乃には道のりが長い状態だ。

 

 

 オーラス、穏乃の親。

 ここに来て、ようやく敬子の表情にも変化が現れた。どうやら、穏乃の山支配による靄を感じ取ったようだ。

 全員が、まるで淡の絶対安全圏を受けた時のような最低最悪な配牌。

 それでいてツモが噛み合わない。

 鳴こうにも鳴けない。

 手が進むのは穏乃だけだ。

 

 中盤に入り、他人の空気が読めない敬子の目にも、うっすらと穏乃の背後に火焔が見えた。それ程、今の穏乃の支配は強烈になっていた。

「(なにあれ?)」

 そう思った直後、

「ツモ。タンピンツモドラ1。2600オール。」

 穏乃に和了られた。

 手は凡庸だが着々と得点を重ねている。

 この和了りで、穏乃の得点が原点復帰した。

 しかし、まだ勝ち星が取れるわけでは無い。

 

 大将後半戦の点数と順位は、

 1位:和 116800

 2位:穏乃 104100

 3位:敬子 100200

 4位:桃子 78900

 

 そして、大将前後半戦トータルでは、

 1位:和 221200

 2位:穏乃 215200

 3位:敬子 208100

 4位:桃子 155500

 

 当然、穏乃は、

「一本場!」

 連荘を宣言した。

 

 オーラス一本場。

 桃子の視界は、完全に閉ざされた感じだ。周りは、完全に濃霧に覆われている。

 ここは、穏乃が支配する世界だ。もう、深い山の世界に入っている。

 

 配牌もツモも悪い。

 穏乃の山支配は、一昨年のインターハイの時よりも数段進化している。咲が阿知賀女子学院に転校して切磋琢磨出来たからだろう。

 

 再び、穏乃の背後に火焔が見えた。

 いや、これは、もっと激しい。業火と言うべきもの。

 そして、それが見えた時、

「ツモ。3900オールの一本場は4000オール。」

 穏乃が門前でタンヤオツモドラ2の親満級の手を和了った。

 

 これで大将後半戦の点数と順位は、

 1位:穏乃 116100

 2位:和 112800

 3位:敬子 96200

 4位:桃子 74900

 穏乃が後半戦のトップに立った。

 

 そして、大将前後半戦トータルも、

 1位:穏乃 227200

 2位:和 217200

 3位:敬子 204100

 4位:桃子 151500

 穏乃が逆転した。

 これで和了り止めすれば穏乃の勝ち星が決定する。

 

 しかし、総合得点は、

 1位:白糸台高校 1208000

 2位:阿知賀女子学院 1166300

 3位:綺亜羅高校 1129900

 4位:永水女子高校 495800

 白糸台高校と阿知賀女子学院がともに勝ち星二なら、総合得点で優勝を決める。つまり、ここで和了り止めしたら、それは白糸台高校の優勝を決めることになる。

 

 当然、穏乃は、

「二本場!」

 連荘を宣言した。




おまけ


春季大会個人予選。
大会参加32校から各8名ずつ、合計256名の参戦となる。

注目される選手は、言うまでもなくチャンピオン宮永咲、対抗馬最有力の宮永光、咲のライバルとして名高い大星淡など、インターハイでの個人成績上者が中心である。
ただ、本大会では台風の目となった綺亜羅高校にも注目が集められた。中でも、対戦者が何故かイっていると思われる美和に注目が集まったのは言うまでもない。


強者同士の潰し合いや同校選手同士の潰し合いを裂けるべく、AIが最良の対戦表を作成することになっている。
ただ、インターハイでもあったように、そのAIには誰かの趣味まで学習されている感じがある。
そのためであろう。咲や光、美和の対戦相手は、美少女と名高い選手が多かった。勿論、言うまでもなく美少女達の放水やイク光景が期待される。


美和の一回戦の相手は、以下の三人だった。
佐々野みかん(白糸台高校:女子高生ランキング14位、美女ランキング1位)
美入人美(姫松高校:美女ランキング2位)
柊かがみ(大酉高校:美女ランキング8位)
いきなり美女ランキング上位者のイケナイシーンが期待される一戦である。当然、この対局にチャンネルを合わせるものが多数だったと言う(現実には64卓分のチャンネルがあるとは思えませんが…)。

対戦表を見て美和は、
「(県大会、関東大会では、共に柊姉妹とは当たらなかったからね。今回、楽しみぃ! それに美女ランキング1位と2位も一緒! これ、最高ジャン!)」
と思い切り喜んでいた。

場決めがされ、起家は美和、南家はみかん、西家はかがみ、北家は人美に決まった。
東一局。
ここでは、
「ロン!」
美和がみかんから和了った。
これと同時に、みかんが、美和が見せる幻の世界の中に落ちてゆく。

美和の背後から粘液で濡れた多数の巨大な触手が伸びてきてみかんを襲う。逃げようにも卓から離れるわけには行かない。
みかんは、一瞬にして触手に捕らえられた。
手足に沢山の触手が絡み付いて制服を溶かしてゆく。
そして、あっと言う間に全裸にされた。
一本の触手が胸に巻きつくようにして乳房を覆い隠していたが、大きさと言い形と言い、非常に良くバランスの取れた美しい下乳が見えていた。
なんとも刺激的でスバラな光景だ!
しかも、みかんの胸は、粘液だらけの触手が擦れて激しく刺激されている。
さらに触手は、みかんの股間の方にも伸びて行く。

現実世界では、みかんが、
「うっ♡!」
声を漏らしながら顔を赤らめていた。
その表情が、なんともイヤラシイ。

脳内での触手プレイは、美和の点数申告の声が聞こえるまで延々と続く。それこそ、本人にとっては数十分から一時間以上に及ぶこともある。

「7700!」
美和の声を聞いて、みかんは我に返った。
公衆の面前で、一体何を(ナニを)やっていたのだろう?
恥ずかしく感じるが、その一方で刺激的な背徳感もある。
事前に美和との対局経験者である麻里香から聞いていたが、想像以上にヤバイ。病み付きになりそうだ。

東一局一本場も、美和は罠を張る。
ここで罠に落ちたのは人美だった。
「ロン!」
美和の和了りの声と同時に、人美の脳内で触手プレイが始まった。
あっという間に触手から出される粘液で制服が解かされて全裸になり、しかも、手足は触手に捉えられて動かすことが出来ない。
そんな状態で、執拗に粘液だらけの触手が胸や股間を弄り回す。
脳内の感覚で約一時間、ひたすら攻められ続ける。
「あぁ♡!」
みかんと同様に人美も声を漏らしながら顔を赤らめた。
その表情は、みかんよりも、さらにイヤラシイ。某ネット掲示板の住民達が喜んで食いつきそうな状態だ。

「7700の一本場は8000!」
この点数申告の声を聞いて、人美は正気を取り戻した。

正気になると妙に恥ずかしい。
しかし、もう対局を放棄して退席したいとは思わなかった。どうやら、その触手プレイに心のどこかで惹かれる部分があるようだ。
むしろ自ら振り込んでしまいそうで怖い。

東一局二本場。
今度は、
「ロン!」
美和は、かがみから和了った。
かがみの脳内でも触手プレイが繰り広げられる。かがみは、触手に捕らえられると、あっと言う間に全裸にされ、全身が粘液まみれになっていた。
妙に気持ちが良い。
「はぅ♡!」
現実世界では、思わず漏れるHな声。

「12600!」
この美和の声で、かがみは我に返った。

美和が和了れない局もあるが、大半は、こんな状態で対局は進んでゆく。
結果的に順位は、
1位:美和
2位:みかん
3位:人美
4位:かがみ
となったが、原点以上を持って終了できたのは美和だけであった。





個人戦第二試合。
美和の相手は、以下の三人だった。
美入麗佳(姫松高校:美女ランキング3位)
宇野沢美由紀(阿知賀女子学院:美女ランキング7位)
柊つかさ(大酉高校:美女ランキング9位)

今回、美和は北家だった。
ちなみに起家は美由紀、南家は麗佳、西家はつかさだった。

美和は、
「(さっきの対局は美女ランキング1位、2位、8位。今回が3位、7位、9位か。団体戦では6位の多治比麻里香と10位の滝見春と楽しんだし、あとはベスト10では4位の石戸明星と5位の原村和か。対戦できるかな?)」
と思っていたが………。
そこは安心してよい。
いずれ明星と和との対局の願いは叶う。

「(ただ、宇野沢さんは美誇人のターゲットだもんね。触手プレイに引き擦り込んだら美誇人に怒られちゃうかな? 美誇人も私に遠慮して佐々野さんを御無礼しなかったみたいだし………。)」
綺亜羅高校は、チームメート同士、互いに仲が良かったのもあるが、同時に互いにテリトリーを侵さない協定もあるようだ。


ここでも美和は、
「ロン!」←美和
「はぅ♡!」←麗佳
「8000!」←美和
「…。」←麗佳

「ロン!」←美和
「あぁ♡!」←つかさ
「8000!」←美和
「…。」←つかさ

「ロン!」←美和
「うぅ♡!」←麗佳
「8000!」←美和
「…。」←麗佳

「ロン!」←美和
「あん♡!」←つかさ
「12000!」←美和
「…。」←つかさ

麗佳とつかさの二人で順調かつ十分楽しんだようだ。
ただ、美由紀にだけは能力を使わなかった。

この対局では、
1位:美和
2位:美由紀
3位:麗佳
4位:つかさ
で終了した。


その後の試合でも、
「ロン!」←美和
「ひっ♡!」←憧
「8000!」←美和
「…。」←憧

「ロン!」←美和
「やん♡!」←萌
「8000!」←美和
「…。」←萌

美和は、高度に学習されたAIのお陰で美女ランキング上位者との対局に恵まれた。勿論、それをテレビで見ながら女子高生麻雀大会のファン達も大喜びであった。


また、本大会にはドラゴン・ゲートと呼ばれる組織の工作員達が大会会場の中に多数紛れ込んでいた。
サングラスにマスクと、非常に怪しい格好をしていたのだが………、彼女達は、テレビ局のスタッフを装い、インタビューと称して、これから咲や光と対局する選手達を拘束してトイレに行かせないようにしていたのだ。
ちなみに、ドラゴン・ゲートはクロの組織とは別の組織であったが、両方に所属するメンバーもそれなりにいたようだ。


ドラゴン・ゲートの首領を仮に龍門と記載する。
そして、ドラゴン・ゲートの各工作員を工1、工2、工3…と記載する。

龍門「一回戦の咲様の相手は永水の狩宿萌に姫松の美入麗佳、大酉の柊つかさですわ! さあ、放出させてなんぼ、放出させてなんぼですわ!」

工1「華菜ちゃん、全力を尽くすし!」

工2「身バレしてるですよー。」

工3「では、私はオモチが綺麗な麗佳ちゃんを拘束するのです!」

工4「じゃあ、私も麗佳にしようと思…。」

龍門「では、私は萌にしますですわ!」

工1「華菜ちゃんも萌にするし!」

工2「では、私はつかさちゃんですねー。」

工5「じゃあ、私もつかさちゃんにすると!」

そして、彼女達はトイレの前で張り込み、ターゲットの選手を見つけると、

工3「姫松高校の美入麗佳選手ですね。これから史上最強と言われる宮永咲選手との対局を控えてどう思いますか?」

麗佳「正直、今回は、無事に終了できればと思います(トイレ行かせて!)。」

工4(←TVカメラを持っている)「そう言えば、近畿大会では犠牲者になったとか?」

麗佳「ええと…。はい…。ですので、やはり、その…(空気読んでトイレに行かせてよ!)。」

工作3「この対局に向けて、半年間、特訓とかしてきたのでしょうか?」

麗佳「いえ、あの、特には…(ちょっと、もう時間がなくなっちゃう!)。」

工4「やはり、ベストコンディションで望みたいですよね。」

麗佳「それは、勿論です(だから、そのためにもトイレ行かせて!)。」

と、まあ、そんなことをして時間を潰し、

工3「長々と済みませんでした。もう、あと二十秒で移動時間がなくなってしまいますね。では、対局室のほうへどうぞ。」

麗佳「は、はい(もう、トレイに行く時間なくなっちゃったじゃない!)。」

結局、トイレに行かせずに咲の相手を対局室に送り込んだ。

また、光の対局相手にも、同様に工作員が付いていた。絶対に対局直前にトイレに行かせないように………。


当然、咲は、
一回戦、
「カン! もいっこカン! もいっこカン! もいっこカン! ツモ! 嶺上開花! 四槓子! 16600オール!」←+141(昨日の京太郎とのLINEで腹を立てた憂さ晴らし)
「シャー!」←萌
「ジョー!」←つかさ
「プシャー」←麗佳

二回戦、
「カン! もいっこカン! もいっこカン! ツモ! 嶺上開花! 大三元! 16600オール!」←+141(同上)
「シャー!」←明星
「ジョー!」←かがみ
「プシャー」←人美


そして、光も、
「ロン! 16000!」←光
「ジョジョジョー!」←竹村真奈美(圓城高校)

「ロン! 24000!」←光
「ジョジョジョー!」←小俣真央(不倒高校)

「ロン! 36000!」←光
「プシャー!」←高良みゆき(大酉高校)


ドラゴン・ゲートの工作員達の援護もあって、咲と光は、二人して豪快に某ネット掲示板住民達の期待に応えていった。
なお、本大会は昨年夏のインターハイ個人戦の時よりも、掃除の時間が三割程度延びたとのことであった。


咲、光、美和の三人の活躍のお陰で、本大会でのネット掲示板は、以前にも増して書き込みが多かったそうだ。
多分、こんな最低な大会が、コクマまで続く………のだろうか?
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