咲-Saki- 阿知賀編入   作:おこそとのほもよろを

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百三十六本場:春季頂上決戦開始

 個人戦AB卓準決勝戦は、東二局に入った。

 美和は、

「(うーん。でも、このピンク髪の巨乳美少女で楽しんでみたいのよね。やっぱり女子高生雀士切ってのアイドルだし。)」

 前局では和に触手プレーの能力はシャットアウトされたが、まだ諦め切れない。どうしても和で楽しみたいのだ。

 和が触手プレーで乱れたら………想像しただけでも興奮する。

 

 もっとも、咲や光ではターゲットにならない。絶対に振り込んでこないからだ。

 なので、いずれにしても美和は、

『狙えるのは和しかいない!』

 と判断していた。

 

 美和が和に振り込ませるために罠を張る。

 ただ、美和の注意が和にしか向いていない。そこを光は狙うことにした。

 数巡後に光は聴牌したが、敢えてリーチをかけなかった。美和の意識を光の聴牌に向けさせないためだ。

 そして、美和が切ってきた牌で、

「ロン。タンピンドラ4(表2赤2)。12000!」

 光が討ち取った。

「(げっ!)」

 美和は、やはり和に気を取られている場合では無いことを改めて悟った。判っていたことだが、正直レベルが違う。

 

 和以外の二人は全日本女子高生雀士のトップツーである。恐らく、余程のことが無い限り、この準決勝戦で勝ちあがるのは咲と光であろう。

 勿論、美和自身も、この超魔物コンビに最初から負けるつもりで対局を挑むつもりは無いが、個人戦一回戦で光と、団体決勝戦で咲と対戦し、どう足掻いても勝てないことは十分理解している。

 ただ、この二人を無視して和を罠に嵌めようとしても、和から和了る前に自分がヤられてしまう。

 ならば、和で楽しむのは5位決定戦に取っておこう。

 ここでは、美和はダブル宮永を相手に自分がそれだけ対抗できるかチャレンジしてみることにした。

 

 

 東三局、咲の親。

 第一弾の和了りを決めると、光の手は加速する。

 たった六巡目で、

「ツモ。タンヤオ三色ドラ2。3000、6000。」

 光は、さくっとハネ満ツモを決めた。

 

 

 東四局、光の親。ドラは{②}。

「じゃあ、靴下を脱ぎます。」

 咲が本気モードに入った。

 急に、咲から放たれるオーラが膨れ上がった。今までは様子見だったのだ。ここからが本番である。

 

 咲の発する支配力は半端では無い。第一弾の和了りを決めたにも拘らず、光のツモが配牌を噛み合わずに手が進まずにいる。

 当然、それは光だけではなく美和も同じだ。

 ただ、他人の能力の影響を受けにくい和だけが、少しずつだが手を進めていた。

 

 七巡目、

「カン!」

 咲が、{⑦}を暗槓した。

 そして、

「嶺上開花ツモ、メンチンドラ3(表1赤2)。6000、12000。」

 そのまま咲は当然の如く嶺上開花を決めた。

 

 

 南入した。

 南一局、和の親。

 既に和の点数は10800点まで落ち込んでいた。

 この親で、何とか復帰したいところだ。

 前局とは違い、この局は、咲の支配力が弱まっているのか、牌効率の良い和は、六巡目で聴牌した。

 絶好の三面聴。

 ツモれる可能性も決して低くは無いだろう。

 ならば、

「リーチ!」

 和は、積極的に攻めに出た。

 

 美和は、一先ず和の現物の{①}を切った。これなら、咲に大明槓されることもない。

 しかし、これで、

「ロン!」

 咲に和了られた。

「えっ?」

 これには、美和も驚いていた。前局の嶺上開花の印象が強いこともあるが、やはり咲と言えば槓をイメージするのだ。

「平和三色ドラ1。7700です。」

 

 これで各選手の点数と順位は、

 1位:咲 54700

 2位:光 37000

 3位:和 9800

 4位:美和 -1500

 美和のトビで終了となった。

 

「まさか、咲ちゃんがカンを狙ってこないとはね。」

「別に、私だって嶺上開花以外の和了り方するよ。」

「でも、やっぱ強いわ。」

 美和としては、負けて悔い無しと言ったところだ。日本最強の女子高生と団体戦、個人戦でこれだけ打てたのだ。

 墓前で節子に自慢してやろうと思っていた。

 

 ただ、咲と美和の会話を聞いていて、

「(咲ちゃん?)」

 和は、美和が咲に妙に馴れ馴れしいのが気になっていた。

「咲さん。そちらの方と仲が宜しいのですね?」

「団体戦で当たって、それで友達になったんだよ。」

「そうですか。」

「でも、まさか準決勝で光と和ちゃんと美和ちゃんと当たると思ってなかったよ。光が相手だと気が抜けないし、和ちゃんと美和ちゃんにツキを持って行かれると大変だから、早和了りが必要だし。」

 これを聞いて美和は、

「(早和了りでメンチンって?)」

 と思ったが口には出さずにいた。まあ、自分達とは次元が違うと言うことで納得しようと思った。

 ただ、これは咲の名言集の一つとしてメモしておこうとは思った。

 

「でさぁ、五決も決勝もお昼を挟んでからだから、和ちゃんも光も美和ちゃんも、一緒に食事に行かない?」

 久し振りの咲からのお誘いだ。

 当然、和としては積極的にOKだ。

 

 一方、美和は、

「ゴメン。一応、うちの学校のメンバーで集まることになってるから。」

 と言いながら両手を合わせた。

 彼女は、一応、綺亜羅高校の部長でエースだ。

 静香、鳴海、美誇人は理解してくれると思うが、やはり、紅音をはじめとする下級生部員達も多数見学に来ているし、自分の部を放置するわけには行かないだろう。

 これを聞いて、

「(一人脱落ですね。)」

 和は内心ホッとしていた。

 

 ところが光も、

「一応、咲と私は決勝で当たるからね。学校も違うしさ、変に一緒にいないほうがイイんじゃない? 外野に何か疑われても困るし。」

 と言って咲の申し出を断った。

 別に咲が嫌いなわけではない。打倒咲を掲げている以上、決勝戦を前に咲との馴れ合いは避けるべきと判断したのだ。

 ただ、それをダイレクトには言い難いため、理由を、

『外野に疑われたくない』

 にしたのだ。

 光としては、団体戦優勝を納得できるものにしたい。そのためにも、どうしても個人戦で咲に勝ちたいのだ。

 

 こう光に言われると、和も咲と食事と言うわけには行かない。和にとっては、久し振りの食事のチャンスだったのだが………。

「仕方ありませんね。では大会が終わってからでどうですか? 咲さん。」

「分かったよ、和ちゃん。じゃあ、また後で。」

 と言うわけで、一先ず咲は阿知賀女子学院メンバーの溜まり場に行くことにした。

 勿論、咲が独りで行けるかと言うと、少々問題がある。

 なので、それを見越して対局室前には恭子が迎えに来ていた。

 

 昨年の春季大会では、咲のお迎え役は憧が担当していた。

 しかし、和の目が怖いので、この大会中はコーチである恭子に担当替えをお願いしていたのだ。

「ほな、咲。いくで!」

「はい、コーチ! じゃあ、光も和ちゃんも美和ちゃんも、また後で!」

 こう言うと、咲は対局室を急いで後にした。

 …

 …

 …

 

 

 昼の休憩を終え、5位決定戦、9位決定戦、13位決定戦が同時に執り行われた。

 13位決定戦は、永水女子高校の東横桃子、有珠山高校の真屋由暉子、臨海女子高校の片岡優希、南浦数絵の対局。

 普通は、これでも十分好カードなのだが、同時に開催されるに試合の方の人気が高く、この対局を放送するチャンネルに合わせる人は以外に少なかったと言う。

 

 

 団体戦準決勝戦を最高状態に設定した優希は、ツキが下り坂であった。しかし、それでも東場で親ハネ一回に満貫一回を和了って、東四局終了時点ではトップだった。

 

 一日一回しか奥の手が使えない由暉子は思うように手が伸びず、東場で満貫を一回和了ったのみで、他は全く和了れなかった。

 

 桃子は、ステルス発動前であったが、持ち前の実力で、東場で稼ぎ、東四局時点では2位に付けていた。

 

 東四局終了時点で、数絵は8000点を割っていた。

 しかし、南場に入ると数絵は急変した。南一局で優希から満貫直取り、南二局で親ハネツモを見せ、あっという間に首位に立った。

 

 その後、数絵は南二局一本場で親ハネをツモ和了りするが、南二局二本場ではステルスを発動した桃子に和了られて親を流された。

 

 南三局は、桃子が連荘を狙っていたが数絵にハネ満をツモ和了りされ、オーラスも数絵がハネ満をツモ和了りし、最終的に順位は、13位が数絵、14位が桃子、15位が優希、16位が由暉子となった。

 

 

 9位決定戦は、永水女子高校の十曽湧と、綺亜羅高校の鷲尾静香、竜崎鳴海、鬼島美誇人の戦い。まさか、綺亜羅高校三銃士の対決が見られるとは…。

 これはこれで、高視聴率が期待できる一戦だ。

 純粋に麻雀が好きな人達は、この対局にチャンネルを合わせていた。

 

 起家が静香、南家が鳴海、西家が美誇人、北家が湧で対局がスタートした。

 東一局で、静香がいきなり親倍をツモ和了りしたが、続く東一局一本場で鳴海が得意のドラ8攻撃に成功した。

 

 しかし、東二局に入ると、美誇人が湧の打ち筋が団体戦の時と全く変わっていないことから湧を狙い撃ちして、ほぼ原点復帰。

 そして東三局でツキを呼び込んだ美誇人が親ハネツモ和了りで逆転と同時に湧が箱割れして対局は終了した。

 

 この結果、9位が美誇人、10位が静香、11位が鳴海、12位が湧に決まった。

 

 

 5位決定戦は、粕渕高校の石見神楽、永水女子高校の石戸明星、綺亜羅高校の的井美和、白糸台高校の原村和の戦い。

 和と明星の二人の巨乳美女が、美和を相手に、どれだけエロい表情を見せるかが大変な話題となっていた。

 当然、そうなることを多くの人達が勝手に期待する。それで、13位決定戦や9位決定戦よりも圧倒的に5位決定戦の方が高視聴率であった。

 蛇足だが、今回の5位決定戦の放送チャンネルのことを5チャンネルとも呼ぶ人も多かったらしい。

 

 準決勝戦では、美和の触手が和のデジタルバリヤーに跳ね返されたが、神楽の中に降りた節子が天変地異の幻を見せたことがきっかけで和の心に隙ができ、美和の触手が和の身体を捉えることに成功。和の高潮する表情が全国生中継された。

 一方の明星も六女仙失格と思われるほど触手プレイを楽しんでしまった。

 

 その後、節子が高打点の和了りを見せて逆転。そのまま節子が他家の大量絶滅(ここでは箱割れではなく原点割れ)まで持って行き、5位が神楽(節子)、6位が美和、7位が和、8位が明星で5位決定戦を終了した。

 

 

 5位決定戦終了後、節子は、

「チャンピオンって、蔵王権現をバックにつけた阿知賀の大将よりも強いって本当!?」

 と美和に聞いていた。

 全てを超越した存在が人間に負けるとは思えない。それが普通の考えであろう。

 ところが美和は、

「当然ジャン!」

 と胸を張って答えた。

 節子は、美和の答えの真偽を確かめるべく、決勝戦終了まで神楽の身体を借りて美和達と一緒に観戦することにした。

 

 

 決勝戦は団体決勝戦と同じ特設会場で行われた。

 対戦者は、阿知賀女子学院の宮永咲と高鴨穏乃、そして白糸台高校の宮永光と大星淡の計四名である。

 オカありウマなしの25000点持ち30000点返しで、100の位を五捨六入で点数を計算する。その前後半戦の合計点数で順位を決める。

 合計点数が同じだった場合は、同着とする。それこそ、全員優勝も数字の上では有り得ることになる。

 また、半荘における同着トップがあった場合は、起家から数えて、より上家の方を1位とする。

 

 対局室に咲、穏乃、光、淡の4人が姿を現した。

 場決めがされ、起家が穏乃、南家が淡、西家が咲、北家が光に決まった。

 

 東一局、穏乃の親。

 当然、毎度の如く、

「(絶対安全圏!)」

 淡のみ軽い手で、他家は全員六向聴からのスタートとなる。

 出親が穏乃だからと言って、いきなり山支配スイッチが入るわけでもない。

 ここは、淡が、

「ポン!」

 穏乃が捨てた{南}を早々に鳴いた。淡の自風だ。

 そして、絶対安全圏内に、

「ツモ! 1000、2000!」

 南ドラ2を和了った。

 ただ、咲も光も穏乃も、特に表情に変化は無い。まだ、三人にとっては様子見と言ったところなのだろう。

 

 

 東二局、淡の親。

 ここでは、

「(絶対安全圏プラスダブリー!)」

 淡は他家の配牌操作だけではなく、自身の配牌も能力で操作した。他家は全員向聴、自身は配牌聴牌だ。

 しかし、ダブルリーチはかけなかった。まだ勝負どころでは無いし、咲の大明槓には注意が必要だからだ。

 それこそ、淡が暗槓した直後に切った嶺上牌で咲に和了られる可能性があるし、それ以前にリーチをかけたら、引いてきた牌が初牌であっても自分の和了り牌でなければ捨てなければならない。そこから大明槓からの責任払いを仕掛けられる可能性もある。

 淡は、配牌役無し聴牌から、役あり聴牌に手を育てての早和了りを目指す。

 しかし、

「ポン。」

 ここで光が動いた。淡が切った{西}を光が鳴いてきたのだ。

 

 光の表情からして相当気合が入っている。

 まるで狙ったようにと言うか、当然のように欲しい牌を連続でツモってくる。

 一方、淡は、光の鳴きでツモが狂ったのか、全然手牌と噛み合う牌が来なくなった。そのため、絶対安全圏内に和了るどころか、役あり聴牌まで到達できなかった。

 

 そして、絶対安全圏を越えた直後、

「ツモ。西ドラ3。2000、3900!」

 30符4翻の手をツモ和了りした。

 団体戦では優勝できたが、あの勝ち方には納得できない。それで光は、この試合で咲に勝利し、実力で団体優勝できたと言えるようにしたいのだ。

 過去のどの対局よりも、光は意気込みが増していた。

 

 

 東三局、咲の親。ドラは{①}。

 ここで光は、

「ポン!」

 オタ風の{北}を早々に鳴いた。

 狙うは2翻。和了り役は鳴き混一色のみだ。

 光からの捨て牌は、萬子、索子が目立つ。見るからに筒子の染め手。

 しかし、まるで鳴けと言わんばかりに咲がドラの{①}を捨てた。

 当然、

「チー!」

 光は、これを鳴いて手を進めた。

 

 今回も、淡は絶対安全圏内に役あり聴牌に持って行くことが出来なかった。ツモも悪いし鳴ける牌が手で来ない。

 配牌で聴牌させていても、咲と光が相手である以上、ここぞと言うところ以外では下手にリーチをかけたくない。ゆえの『配牌役無し聴牌から役あり聴牌への移行』なのだが、思うように手が変わって行かないのだ。

 

 結果的に前局と同じで、向聴数で光に追い付かれた。しかも、光はキチンと和了り役を用意していた。

 そして、ここでも、

「ツモ。混一ドラ2。2000、3900!」

 先に、光に和了られた。二連続で満貫級の手だ。

 

 これで現在の得点と順位は、

 1位:光 39800

 2位:淡 23100

 3位:穏乃 19000

 4位:咲 18100

 白糸台高校の二人が上位に付けている。

 光と淡の目標は白糸台高校の完全勝利である。それに向けて試合は順調に進んでいると言えよう。




おまけ


牌の表記は、以下の通りになります。
萬子:一二三四五六七八九
筒子:①②③④⑤⑥⑦⑧⑨
索子:123456789
風牌:東南西北
三元牌:白發中
赤牌:(五)(⑤)(5)


春季大会個人戦5位決定戦は石見神楽、石戸明星、的井美和、原村和の戦い。二人の巨乳美女vs触手の戦いだ。
明星と和がエロい表情を見せるのではないかと期待が集まる。当然、13位決定戦、9位決定戦よりも圧倒的にこっちのチャンネルの視聴率が高い。

基本的には、純粋にハイレベルな麻雀対決を見たい人は同時開催の9位決定戦………綺亜羅高校三銃士の直接対決にチャンネルを合わせ、大多数の『エロい方』を期待する人達は5位決定戦のチャンネル(通称5チャンネル)に合わせていた。

起場決めがされ、起家は神楽、南家は明星、西家は美和、北家は和に決まった。


昼の休憩中に、美和は美誇人から神楽に節子の霊が降りてきていることを聞いていた。
ただ、自分との対局でも節子が現れるとは限らない。
もし会えたら嬉しいくらいの気持ちで対局に臨むことにした。余り期待を大きく持ち過ぎると、そうならなかった時に受けるショックは大きいからだ。


東一局、神楽の親。
最初に美和が見せたのは簡単な筋引っ掛け。自風の西を鳴いた後に4を捨て、1と7でのシャボ待ちに受けた。
丁度ここに、ハネ満手を聴牌した和が、
「リーチ!」
勝負して、美和に振り込んだ。
「ロン!」
美和が見せる幻の世界では、彼女の背後から沢山の巨大な触手が伸びてきて和に向けて襲い掛かる。しかも、それらの触手は粘液で全体が覆われている。
しかし、触手が和に到達する直前で、何者かによって、それらの触手が切断された。準決勝戦の時と同じだ。
「3900。」
一先ず、美和は和了れたが、不完全燃焼だった。
「(団体戦では美女ランキング6位の多治比さんと10位の滝見さんで楽しめたし、予選では佐々野さん(美女ランキング1位)や美入姉妹(美女ランキング2位、3位)、柊姉妹(美女ランキング8位、9位)で楽しめけど、やっぱり原村さん(美女ランキング5位)はガードが固いね。じゃあ、ここは一旦、ターゲットを変えるか)」
ここには、美人ランキングベスト10入りがもう一人………明星(美女ランキング4位)がいる。ならば、先に明星で楽しもう。
美和は、そう考えた。


東二局、明星の親。ドラは⑦。
明星の捨て牌は、より中央の牌を先に捨て、端に近い牌が後から出てくることが多い。これは、ヤオチュウ牌支配の特性からチャンタやジュンチャンを意識するためである。
そのため、だいたい切る牌が予想できるし、その上で美和なりに罠を張る。
この局では、
「チー!」
美和は明星が捨てた⑥を鳴いて⑥(⑤)⑦を副露し、その後、⑤と5を順に切って②と2のシャボで待った。
そして、明星が捨てた2で、
「ロン!」
待ってましたとばかりに、美和が明星から直取りした。
美和の背後から、粘液で覆われた沢山の巨大な触手が伸びてきて、明星に向かって一斉に襲い掛かかった。
しかも、和の時とは違って、それら触手の侵攻を妨げるモノは無い。
幻の世界の中で、明星は美和の触手に捕えられ、分泌される消化液で巫女服がもの凄い勢いで消化されていった。
そして、あっと言う間に全裸にされ、その豊満な肉体のあちこちに触手が絡み付いた。

さらに触手は、大量に粘液を出しながら明星の身体のあちこちを刺激する。
しかも、胸と股間は念入りだ。

まこ「ひとまず、ここまでじゃ!」





幻の世界の中で、明星は、余りの快楽に意識が遠のいた。
そして、
「3900!」
美和の点数申告の声で、明星は我を取り戻した。
六女仙でありながら快楽に負けるとは…。
「(不覚………。)」
ただ、明星は、自己嫌悪に陥りながらも、罪悪感とか背徳感の中に隠れる興味深い何かの存在………すなわち精神的な刺激が頭から離れずにいた。

乳首が立ち、秘部が濡れている。
小蒔を守護する者として修行に明け暮れ、淫猥なことと無縁だった明星にとって、こんな感覚は生まれて初めてだった。

さすがの明星も、こんな状態で集中できるはずがなかった。
そのため、霊力は大幅に下がり、当然、場の支配力も無に等しくなっていた。
ヤオチュウ牌支配も発動しなくなる。


東三局、美和の親。
今度の美和のターゲットは神楽。
和や明星に比べて顔面偏差値は劣るが、それでも美和としては十分許容範囲だ。今、神楽の中に節子が入っているのかどうか、そこは考えないことにしよう。

一旦、美和は神楽用に罠を張る。
二単騎だ。
しかし、全ての手牌を透視する神楽が罠に落ちることはありえない。笑顔で堂々と、和了り牌の隣………三を、
「当たる?」
と聞きながら捨ててきた。
しかも、最終的には暗刻落とし。完全に美和の手が見透かされている。
ただ、そのお陰で三の壁が出来て二が出やすい状況になった。

美和は、神楽の透視能力のことを知らなかったが、神楽の牌譜には目を通していた。
インターハイでも際どいところをバンバン切っていたが、絶対に当たり牌を捨てていない。それで、神楽からの直取りが簡単でないことは大凡見当がついていた。
「(やっぱり、この娘はムリだね。じゃあ…。)」
再び美和は、ターゲットを明星に変えた。
そして、
「ロン!」
三の壁を信じて明星が捨てた二で討ち取った。

明星の頭の中では、さっきの幻の続きが繰り広げられていた。
粘液だらけの触手が全身を刺激する。頭の先から足の先まで、特に弱いところを執拗に、しかも念入りに舐め回されているような感覚だ。
気が狂いそうなほどの快感。
「うっ♡…あぁぁ♡…。」
思わず声が漏れる。
さらに触手が何本か束になって、明星の秘部を………。

まこ「ここからはカットじゃ!」

現実世界では、明星の表情は恍惚感に溢れていた。なんともイヤラシイ。
そして、
「5800!」
美和の点数申告の声で、明星は正気を取り戻した。
巫女服は無事だ。別に初美のような半裸状態になっているわけではない。
ただ、またもや乳首が立ち、秘部が濡れている。
明星は、半分自己嫌悪に陥っていた。
しかも全国生中継。多くの人達の前で自慰行為を繰り広げているみたいな感覚だ。思い切り恥ずかしい。
ただ、それをイケナイことと思いながらも、明星は美和の触手プレイに、心のどこかで惹かれていた。

今、明星は、
『もしかしたら六女仙失格かもしれない』
とさえ思っていた。
だからと言って、速攻で改心できるわけが無い。このまま地獄に落ちても良いとまで、心のどこかで思っているからだ。
それだけスバラな快感だったと言えよう。

東三局一本場。
美和は、もう一回、和をターゲットにすることにした。
二度あることは三度あるになるか、三度目の正直になるかは分からない。ただ、美和としては後者になることを期待する。

美和が聴牌した。
一盃口ドラ2の5800点の手。しかも、北単騎。
これなら、さすがの和も振り込んでくるだろう。

神楽のツモ巡が回ってきた。
この時だった。
突然、美和も明星も和も、激しい天変地異の幻を見た。
対局室の風景が、突如、広大な荒地に変化した。そして、地面に亀裂が入って行き、あちこちからマグマが激しく噴出する。
「(これって、もしかして!)」
美和は、その幻を見せる主、神楽のほうに視線を向けた。すると、神楽は、
「美和ちゃん、久し振り。」
と言いながら笑顔を見せていた。
この能力………。
間違いない。
今、対面に座っているのは神楽ではなく、やっぱり節子だ。
美誇人に聞いていたとおりだ。会えて嬉しい。

一方、和は、
「(そんなオカルトありえません!)」
そう心の中で叫びながら、節子が見せた幻影を振り払うよう、頭を激しく振っていた。

節子は西をツモ切り。
続く明星は①を手出しした。前局の快感から頭が切り替え切れておらず、ヤオチュウ牌支配が発動していないようだ。
美和も西をツモ切り。
そして、和は北をツモ切りした。

この時だった。
「ロン!」
美和が和から和了った。
毎度の如く、美和の背後から何本もの巨大な触手が伸びてきて和を襲う。
今までは、デジタルのバリヤーが和を守っていたが、今回、和は節子が見せた幻で動揺していた。それ故であろう。和はデジタルの化身になり切れていなかった。

三度目の正直だ!
ようやく触手は、何物にも邪魔されずに和の両手、両足を捉え、絡みついた。
その粘液で和の制服がドンドン溶かされてゆく。
そして、この幻の世界の中の時間軸で、数分もしないうちに和の制服は全て溶かされ、全裸にされた。

触手が両手を強く引っ張る。
大きな胸が露わになったが、それを隠す術もない。
勿論、上半身だけではなく下半身も同じだ。
両足も左右に強く引っ張られる。当然、股も開くことを強制されている。
ご開帳と言ったところだ。
さすがに恥ずかしい。
しかも、触手の数がドンドン増えて、和の胸や股を執拗に攻める。まるで舐め回されているようだ。
粘液付きで妙に気持ちが良い。
「うぅっ♡!」
思わず、現実世界の和の口から声が漏れた。
顔は紅潮して、妙に表情がイヤラシイ。発情したメス犬のようだ。

ただ、これは直前に節子が天変地異の幻を見せていたからこそ、和の心に隙ができて、美和の世界に引き擦り込めたに過ぎない。
単独では、美和は、この展開に持ち込むことは出来なかったはずだ。
恐らく、美和がやりたいことを察して節子が援護してくれたのだろう。非常にチームメート思いである。

「6100!」
美和の点数申告の声だ。
これを聞いて、和は正気を取り戻した。
「(今のは………。イヤです! そ…そんなオカルト…、ありえません!)」
再び、和が頭を激しく左右に振った。
特に今のは頭の中から振り切りたい。
そして、
「(集中!)」
和は珍しく両手で自分の了頬を強く叩いた。
その数秒後、和の顔からは一切の表情が消え、まるで機械のように変わった。デジタルの化身へと変貌を遂げたのだ。
あの快楽から短時間で頭を切り替えられるとは、すごい精神力である。

そして、東三局二本場は、
「リーチ!」
和は、たった六巡で聴牌し、先制リーチをかけた。
一発ツモにはならなかったが、数巡後に、
「ツモ! 2000、3900の一本場は、2200、4100。」
満貫級の手をツモ和了りし、得点を原点付近まで立て直した。


東四局、和の親番。
現在の点数と順位は、
1位:美和 40600
2位:和 23500
3位:神楽(節子) 22800
4位:明星 13100

ここで神楽(節子)が、
「リーチ!」
六巡目に先制リーチで攻めてきた。節子が攻めの体制に入ったのは、この半荘で初めてのことである。

またもや、和、明星、美和の目には、地上からマグマが吹き荒れる光景が映っていた。
少し離れたところに火山が幾つも見える。それらが一斉に轟音………いや、爆音を上げて大噴火を始めた。
降り注ぐ火山弾。
建物も草木も全てが燃え上がる。赤一色の世界。

そして、次巡、
「ツモ!」
節子が力強く牌を卓に叩き付けた。
「3000、6000!」
しかも、ハネ満ツモ。
これで節子は、34800点。トップの美和に2800点差と、一発逆転が十分可能な範囲まで詰め寄ってきた。
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