咲-Saki- 阿知賀編入   作:おこそとのほもよろを

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おまけで怜が、また何か言ってますが、次回も通常運行です。


百三十八本場:こんな点数調整…、ないないっ! そんなのっ!

 個人決勝後半戦は、南入し、あと四局を残すところとなった。

 南一局、淡の親。

 卓上が靄で覆われた。

 いや、既に濃霧と化している。

 

 今までの対局で、ここまで深い霧を南一局(芝棒無し)で発生させたことは無い。それだけ穏乃の能力がパワーアップしているのだ。

 穏乃の支配が場全体を覆い尽くす。

 

 絶対安全圏もダブルリーチもキャンセルされた。

 光のパワーも押さえ込まれている。

 しかし、そんな状態でも、場が進むにつれて、さらに強力になるはずの穏乃の支配を、逆に場の進行と共に押し戻す化物がいた。

 その者………咲は、深い霧など関係ない。

 むしろ、霧で覆われたところのさらに上、森林限界を超えたところに自分のテリトリーを持っている。

 そして、

「カン!」

 比較的簡単な役満よりも出る確率が低いと言われる偶然役で、

「ツモ! 嶺上開花!」

 自由自在に和了りを決める。

「3000、6000!」

 この和了りで、一先ず咲は、20800点まで点数を戻した。

 一方、これで穏乃は点数を7600点まで減らし、最下位となった。

 

 

 南二局、穏乃の親。

 ここで咲は、一旦支配力を下げた。

 そうなると強力な場の支配力を持つ穏乃の独壇場となる。

 当然、光も淡も手が進まない。

 ただ、咲の場合だけは、敢えて手を進めない感じだった。

 

 そのまま序盤から中盤、そして終盤に場が流れ込んで行く。それに連動するかのように卓上にかかる靄は、より一層深いものになって行く。

 視界が妙に悪い。

 過去の対局では、この靄で視界が遮られたことが原因で穏乃に振り込んだ者もいる。

 それを知っているので、当然、光も淡も目を凝らして河を良く見る。穏乃への振り込みを回避するためだ。

 しかし、誰かが振り込まなくても、

「ツモ。」

 今の穏乃は、

「タンピンドラ1。2600オール。」

 自ら和了り牌を引き寄せる。

 

 南二局一本場も、

「ツモ。2700オール。」

 前局と同様の手をツモ和了りした。

 

 そして、南二局二本場では、

「ツモ。3900オールの二本場は4100オール。」

 穏乃は親満級の和了りを決めた。

 三連続和了だ。

 

 これで後半戦の現在の得点と順位は、

 1位:穏乃 35800

 2位:光 31100

 3位:淡 21700

 4位:咲 11400

 南一局終了時点で最下位だった穏乃が一気にトップに躍り出た。天江衣が深山幽谷の化身と比喩しただけのことはある。

 

 ところが、南二局三本場では、咲のオーラが一気に強大になった。当然、淡も光も穏乃も大明槓をケアして初牌に気をつける。

 

 ドラは{③}。

 中盤に入るが、まだ誰もドラを切ってこない。

 

 そして、局は終盤に突入した。

「カン!」

 咲が{南}を暗槓した。

 これは場風であると同時に咲の自風でもある。ダブ南だ。

 他家は、誰もが、これで咲が和了ると思ったが、咲は有効牌を引き入れただけで、和了りには至らなかった。

 ここで咲が捨てた{[⑤]}を、

「チー!」

 光が鳴いた。

 赤牌だし、第一弾の和了りに向けて手を進めたい。

 

 ただ、これでツモがズレた。

 光のツモが淡に行き、淡が掴むはずだった{北}を穏乃が引いた。

 {北}は、既に場に2枚出ている。初牌には程遠い。

 それで穏乃は安心してツモ切りしたのだが、

「ロン!」

 これで咲が和了った。

 

 開かれた手牌は、

 {③④[⑤]東東東北發發發} 暗槓{裏南南裏}  ロン{北}  ドラ{③}  新ドラ{4}

 

「ダブ南發混一三暗刻ドラドラ。16900。」

 倍満だ。

 穏乃にとっては、まさかの振込みである。

 それにしても、こんな高い手を同じ阿知賀女子学院の選手から取るとは………。本当に容赦ない。

 

 これで後半戦の現在の得点と順位は、

 1位:光 31100

 2位:咲 24300

 3位:穏乃 22900

 4位:淡 21700

 咲が2位に浮上した。

 しかも、トップとラスの差が9400点しかない。まだ、誰がトップを取ってもおかしくない状態と言えよう。

 

 

 南三局、咲の親。

 ここで咲は、少しオーラを弱めた。

 とは言え、穏乃の支配に対して十分干渉するだけの力は出し続けている。なので、山支配自体は崩れていた。

 これで淡のツモが若干だが良くなった。

 

 六巡目、咲が切った{白}を、

「ポン!」

 淡が鳴いた。これで聴牌。

 その二巡後、

「ツモ。白ドラ2。1000、2000!」

 久し振りに淡が和了った。東一局一本場以来である。

 しかも宿敵咲の親を蹴れたのだ。この流れで白糸台高校が団体個人共に勝利すべく、淡と光の気合いが増す。

 

 

 これで後半戦の現在の得点と順位は、

 1位:光 30100

 2位:淡 25700

 3位:咲 22300

 4位:穏乃 21900

 トップとラスの差が、さらに縮まった。

 

 前半戦の点数を加味すると、前半戦3位の淡は、ハネ満ツモで総合単独1位、満貫ツモで光と淡の同時優勝となる。

 ならば、淡の狙いは満貫ツモ。

 光と淡で個人1位2位を独占すれば団体戦の優勝に対して誰も文句は言わないが、白糸台高校から二人が個人同時優勝のほうが、もっとカッコイイ気がする。

 一方、前半戦最下位の穏乃の場合は、ハネ満ツモで総合2位、倍満ツモで単独優勝できる。つまり、誰もがトップを取れる可能性があると言える。

 

 

 オーラス。穏乃が出す靄が最高状態に達した。

 過去に例を見ないほどの濃さである。

 

 絶対安全圏もダブルリーチも塞がれたが、淡は、八巡目で、聴牌できた。何故かツモは良かったのだ。

 ドラは{⑦}。

 手牌は、

 {二三四五六七⑦⑦34558}  ツモ{6}

 タンピンドラ2で、ツモ満貫の手。

 

 {8}は、既に光が一枚切っているので、大明槓される心配もない。

 光との同時優勝狙いだ。

 淡は、当然、ここで{8}を落とした。

 

 しかし、

「ロン。」

 この{8}で咲が和了った。

 

 開かれた手は、

 {八八③③④④[⑤]⑤34[5]67}  ロン{8}  ドラ{⑦}

 

「タンピン一盃口ドラドラ。8000。」

「えっ?」

 ドラ含みの平和手。

 槓が多い咲にとっては珍しい手だ。

 さすがに淡も驚いた。このような形で幕切れするとは………。

 観戦室で対局を見ていた人達も、咲に求めるのは『槓』と言う派手な演出と、それに連動する華麗なる嶺上開花である。

 それが最後の最後で封印された。

 それどころか、前半戦では嶺上開花を三回見せてくれたが、後半戦では南一局の一回しか見せてくれていない。

 観衆側も、これでは不完全燃焼だ。

 しかし、得点を見て観衆達は度肝を抜かれた。

 

 

 後半戦の得点と順位は、

 1位:咲 30300:+20

 2位:光 30100:±0

 3位:穏乃 21900:-8

 4位:淡 17700:-12

 恐らく咲は、昨年のインターハイ個人決勝前半戦の時と同様に自分だけ25000点持ち、他家は全員30000点持ちの変則ルールをイメージしてプラスマイナスゼロを達成したのだろう。

 

 そして、前半戦と後半戦の得点の合計は、

 1位:咲 前半:±0 後半:+20 合計:+20

 1位:光 前半:+20 後半:±0 合計:+20

 3位:穏乃 前半:-12 後半:-8 合計:-20

 3位:淡 前半:-8 後半:-12 合計:-20

 咲と光の同時優勝、穏乃と淡の同時3位となった。

 これを見て多くの人達は、

「(見事な点数調整だな…。)」

 と思ったのは言うまでもない。

 驚愕を越えて感動までしていた人が殆どであった。

 

 ただ、宮永咲と言う人間………と言うか化物をよく知っている者達は、そのさらに奥深いところまでを読み取っていた。

 この点数は、一見、阿知賀女子学院と白糸台高校が、仲良く優勝と3位を一人ずつ取ったように調整されたと思うだろう。

 しかし、前半戦と後半戦の素点の合計は、

 1位:咲 60300

 2位:光 60200

 3位:穏乃 39800

 4位:淡 39700

 咲と光では咲が、穏乃と淡では穏乃が、ともに100点ずつ多く取っているのだ。

 つまり、合計点では僅差とは言え、阿知賀女子学院の方が優勝も3位も共に高い点数を取っており、依然、

 阿知賀女子学院 > 白糸台高校

 の図式が成り立っている。

 しかも、このような点数調整まで余裕でやられているのだ。

 当事者の光と淡からすれば、マジメに打ったら、もっと点差が開いて然るべきとしか到底思えない。

 

 何のことは無い。

 咲から白糸台高校への団体優勝祝いで光が同時優勝、淡が同時3位をプレゼントされたに過ぎないのだ。

 もっとも、この100点差は団体戦での総合得点………得失点差勝負での100点差のお返しでもあるが…。

 

 この凄まじくも華麗な点数調整を目の当たりにして、節子(神楽の中)は、

「ねえ、こんなの有り? 人間だけじゃなくて蔵王権現まで点数調整されてるって、マジヤバイんですけど…。」

 と驚いていた。

 その隣で美和も、

「ここまで凄いとは思わなかったんだけど………。」

 と言いながら股間を押さえていた。

 対局室にいなくても、このとんでもない調整を見て身体中が震えて放出一歩手前まで来ていたのだ。

 

 某ネット掲示板でも、

『旧長野万歳ですわ! 点数調整してなんぼ、点数調整してなんぼですわ!』

『でも、1位と3位が共に100点差で阿知賀が上って、遺恨を残したと思』

『見てるほうが放水しそうっス!』

『ここまで来るとスバラを通り越して超スバラです!』

『放水しそうだったよモー』

『本当は放水してるんデー』

『初めて書き込むけど、咲ちゃん凄い! お友達になれて嬉しい!』←美和

『↑どこの馬の骨ですか? 私以外が友達だなんて、そんなオカルトありえません!』

『絶対、光も淡も内心怒ってると思うし、八つ当たりが怖い』←みかん

『咲ちゃん、これはヤリ杉だじぇい!』

『でも見ていて面白かった!』←麻里香

『華菜ちゃんだったら、こんな調整されないし!』

『咲がするまでもなく衣にされていたじゃないか!』

『↑二人とも身バレしとると!』

『この調整は暖かくな~い』

『された側からすれば、こんな調整、ないないっ! そんなのっ! ですよー』

『この未来は見えへんかったなぁ』

『前半戦はプラマイゼロ、後半戦も点数調整が出るでぇー!』

『うるさい、そこ! でも凄いね、これ』

『またモノクル割れた、私の家で』

『マタワレタノ?』

『股は割れてへんやろうなぁ by 高二最強』

『誰が最強や! そんなデータは無い!』←船Q

『こんなの見れてチョー嬉しいよぉ!』

『大星さん以外、オモチがなくて面白くないのです!』

『ダル…』

 結構賑わっていたようだ。

 

 

 対局室で、表彰式が行われた

 表彰式には、5位から16位の選手達も呼ばれていた。彼女達にも入賞の賞状が授与されることになっている。

 先ず、5位から16位の選手まで、下位から順に賞状が授与された。

 ちなみに5位以下の順位は以下のとおりである。

 

 5位:石見神楽(粕渕高校)←故 古津節子(綺亜羅高校)

 6位:的井美和(綺亜羅高校)

 7位:原村和(白糸台高校)

 8位:石戸明星(永水女子高校)

 9位:鬼島美誇人(綺亜羅高校)

 10位:鷲尾静香(綺亜羅高校)

 11位:竜崎鳴海(綺亜羅高校)

 12位:十曽湧(永水女子高校)

 13位:南浦数絵(臨海女子高校)

 14位:東横桃子(永水女子高校)

 15位:片岡優希(臨海女子高校)

 16位:真屋由暉子(有珠山高校)

 

 

 続いて淡と穏乃が表彰された。

 個人戦のメダルは、金銀銅を一つずつしか用意されていなかったため、一先ず3位は穏乃の首に銅メダルがかけられ、淡に3位のトロフィーが手渡された。

 後日、淡にメダルが、穏乃にトロフィーが別途送付される。

 

 最後に優勝者が表彰された。

 金メダルは、咲の首かけられ、トロフィーは光が授与された。こちらも、不足分は後日別途送付される。

 

 ただ、表彰式の間、光と淡は笑顔を見せながらも身体が小刻みに震えていたのは言うまでもない。

 光の優勝も淡の3位も誰かさんの手によって作られた演出に過ぎない。

 まだまだ打倒宮永咲には到達していない。

 これでは、団体戦の優勝だって、自分達としては到底認められない。

 次のインターハイに向けて自然と闘志が湧いてくる。

 

 当然、他校の選手達も、打倒阿知賀女子学院、打倒白糸台高校、打倒宮永咲を掲げて次の大会に向けて動き出す。

 勿論、そこには新一年生達も入ってくることになる。

 …

 …

 …

 

 

 余談だが、この日の夜、敬子は美和から、個人戦で節子の霊が神楽の中に降りてきて対局していたことを電話で知らされて、

「個人戦が故人戦になっちゃったね!」

 と、またアホなことを言っていたらしい。




おまけ


怜「第四部終わりやて!」

爽「そうみたいだね。」

怜「また、少し旅に出てから第五部の作成に入るっちゅうみたいやな。一旦小休止や!」

爽「そうなんだ。」

怜「もうお下品なネタは卒業したんでな。」←大嘘

爽「私もなんだけどね。」←同上

怜「なので、今日は、咲ちゃんと綺亜羅高校の人達の後日談をさくっと紹介するそうやで。マトモに書くと長くなるんで、あっさりとあらすじだけ書く感じになるけどな。」

爽「そうなんだ。」

怜・爽「「と言うわけで、スタート(やで)!」」



春季大会個人戦の翌日、咲は綺亜羅高校に行くことにした。
敬子が麻雀をやめないか心配だったのだ。
女子高生麻雀史に悪名を残すであろう行為をヤってしまったが、狙ったわけでは無い。ついうっかりだ。
恐らく、本人は相当傷ついているはずだ。

今夜のホテルの予約はされていないが、別に照のところに泊めてもらえば良いだろうくらいに考えていた。
ただ、咲一人では迷子になって危ないと、独りで行くことに晴絵も恭子も反対した。今までの実績からすれば当然だろう。
しかし、美由紀が姉の宇野沢栞に会いに行くので、途中まで咲に同行すると言ってくれたので、渋々だが晴絵も恭子もOKしてくれた。

だが………。

咲「ここ、ドコ?」

やはり美由紀とはぐれて迷子になった。
この時、咲はカツラを被って赤い縁のメガネをかけ、弥永美沙紀バージョン(一本場参照)になっていた。
女子高生王者がいるとバレたら人が寄って来て面倒になるからだ。

ただ、人が声をかけてこないイコール、咲は誰にも救助を求められない。
自ら人に声をかけて行くだけの社交性も度胸も無いからだ。
弥永美沙紀バージョンになったことが、逆にマイナスになっていたに違いない。

咲が某駅(綺亜羅高校の最寄り駅)でオドオドしていると、

女子高生「宮永咲さんですよね?」

見たことのある制服を着た女子高生が咲に話しかけてきた。

咲「そうですけど。綺亜羅高校って、どっちでしょう?」

女子高生「私の高校ですか?」

こう言われて………、その女性が、美和が着ていた制服と同じ制服を着ていることに咲は気が付いた。

咲「そ…そうです。そこの麻雀部に用事があって…。」

女子高生「美和達にですか?」

咲「そうです。美和ちゃん達に…。」

女子高生「美和ちゃんか…。仲良くしてもらえているみたいですね、美和。団体戦で、うちの高校の敬子があんなことをしちゃったのに…。」

咲「でも、あれはルール上問題ないですし、それに、私が後半戦でもっと稼げていれば、あんなことにはならなかったと思うので…。」

女子高生「怒ってないの?」

咲「怒ってはいないです。ただ、あれをやっちゃった稲輪さんが心配で、それで様子を見に来たんです。」

女子高生「優しいですね。じゃあ、私が高校まで案内します。」

咲「ありがとうございます!」

咲は、弥永美沙紀バージョンになっていることをすっかり忘れていた。
なので、この女子高生が、
『何故、ここにいるのが咲であることを見破れたのか?』
までは考えていなかった。

咲は、その女子高生と話をしながら綺亜羅高校の校門まで来た。
実際には、咲から話題を振るのではなく、その女性高生が、次から次へと咲に質問してくるので、咲は、それに答えていただけなのだが…。
それで咲は、その女性の名前を聞くのをすっかり忘れていた。
丁度、咲が到着した直後、反対方向から美和達、綺亜羅高校レギュラー五人が、こっちに向かってくるのが見えた。

咲「あっ! 美和ちゃん!」

美和「えっ? ど…どちら様でしょうか?」

咲は、自分が弥永美沙紀バージョンであることを思い出した。
そして、めがねとカツラを外した。

咲「ちょっと変装してて…。」

美和「どうしてここに?」

咲「稲輪さんが心配だったから。」

この時、敬子は美和の後に隠れていた。
第三者のお手つきで阿知賀女子学院は団体優勝を逃したのだ。
当然、敬子は咲に怒りまくられているものと思っていた。

美和「でも、来るなら連絡してくれれば良かったのに。」

咲「LINEで、今日も部活やるって聞いてたから、驚かそうと思って。」

美和「迷わなかった?(超方向音痴って聞いてたし!)」

咲「この人に駅から送ってきてもらって…。」

咲が、ここまで送り届けてきてくれた女性のほうを振り向いた。
しかし、そこには、その女性の姿は無かった。

美和「この人って?」

咲「あれ? さっきまでいたんだけど…。美和ちゃんのことを知ってる人みたいだったから、友達かなって思ったんだけど…。」

美和「でも、まあ無事にこれてよかった。じゃあ、ちょっと部室寄ってく?」

咲「うん。それと稲輪さん。」

敬子「ひゃ…ひゃい!?」

咲「麻雀やめないでね。風越のウザ池田だったら、あれくらい屁とも思わないから。」

(華菜「いや、華菜ちゃんだってあんなことしたら傷つくし!」)

咲「でも、この時間までみんなでドコに行ってたの?」

美和「節子のお参りにね。私も美誇人も静香も鳴海も、神楽ちゃんのお陰で節子に会えたけど、敬子は個人戦の日は自主的自宅謹慎してて会えなかったからね。」

咲「(謹慎って、そんなにショック受けてたんだ。)」

美和「それで、敬子も一緒に、みんなで墓前に報告って思って。」

咲「ええと、節子さんって?」

美和「古津節子。本当なら私達のエースになるはずだった人。一年の冬に事故で亡くなってね。」

咲「そ…そうだったんだ。」

まあ、そんな話をしながら、一先ず、咲は部室に通された。
すると、そこには何故か神楽の姿があった。

咲「あれ? 石見さん、どうして?」

神楽「ちょっと頼まれごとがあってですね…。」

咲「そうなんだ。あっ!」

咲が、部室に一人の女性高生の写真が飾ってあるのを見つけた。
その女性は、さっき、咲を綺亜羅高校まで送り届けてくれた方である。

咲「この人だよ。私をここまで連れてきてくれた人。」

美和達「「「「「ええっ!?」」」」」

咲「でも、どうして、この人の写真が?」

美誇人「彼女が節子。」

咲「ええっ?」

すると、神楽の様子が急に変わった。

神楽(節子)「驚かせてしまったみたいですね。宮永さん。さっきはどうも。」

咲「この感じ…。さっきの人だね。じゃあ、本当に!?」

節子「今日、ここに来るって知って、それで私も宮永さんと打ってみたいって思って。一局打ちませんか?」

咲「い…イイケド。あと二人は?」

節子「一人は敬子ね。」

敬子「ふぇ?」

節子「敬子、麻雀やめる気でしょ?」

敬子「…。」

節子「もし、ここで宮永さんに勝てたら麻雀やめてイイから。でも、負けたら美和達とインターハイでリベンジするのよ!」

敬子「そ…そんなぁ。」

節子「私に代わって全国優勝を果たすの! 今日は、それをお願いしたかったのもあるの。あと一人は…。」

茂木紅音(もてきあかね)「私が入っても良いですか?」←美和達の一級下

節子「他にレギュラー陣で入りたい人がいなければ。」

美和・美誇人・静香・鳴海「「「「どうぞどうぞ。(お漏らししたくないし)」」」」

と言うわけで咲は節子、紅音、敬子と打つことになった。

起家は紅音、南家が節子、西家が咲、北家が敬子になった。
ちなみに節子は、神楽の透視能力を封印して挑む。やはり、本来の自分の力だけで咲と卓を囲んでみたい。

東一局
咲「カン! ツモ! 嶺上開花! 12000!」←節子の責任払い

東二局
咲「カン! もいっこカン! ツモ! 嶺上開花! 12000!」←紅音の責任払い

東三局
咲「カン! もいっこカン! ツモ! 嶺上開花! 12000!」←敬子の責任払い

咲の副露牌は迫ってくる度に、敬子に向けて咲の強大なオーラが飛んでくる。
他人の能力に影響されないはずの敬子でさえも、その恐怖を感じて既にブルブルと震えていた。
もう、何回も巨大肉食獣に食い殺されている感覚だ。敬子の目から涙が溢れてきた。

美和・美誇人・静香・鳴海「「「「(珍しい。)」」」」

そして、咲が一本場を宣言しようとしたその時だった。
突然、地が裂けてマグマが噴出す恐怖映像が、咲、敬子、紅音の頭の中に流れてきた。節子が能力を開放したのだ。

咲「(この人…。)」

すると、今度は巨大小惑星が頭上に落ちてくる映像が節子の脳裏を横切った。咲が節子に向けてオーラを放ったのだ。

節子「(そうでなくっちゃ!)」

そして、

咲「一本場!」

咲が連荘を宣言した。


東三局一本場では、
「カン! もいっこカン! もいっこカン! ツモ! 嶺上開花! 12100オール!」

東三局二本場では、
「カン! ツモ! 嶺上開花! 700オールの二本場は900オール!」←オタ風の西を加槓して嶺上開花のみで和了った(40符1翻:700オール)
これでめでたく全員が0点にされた。

そして、東三局三本場では、
「カン! もいっこカン! もいっこカン! もいっこカン! ツモ! 嶺上開花! 大四喜字一色四暗刻四槓子64300オール!」

「ジョー」←紅音

「ジャー」←節子(本体は神楽)

「プシャー」←敬子:咲の下家のため最も激しい

部室が大変なことになってしまった。
まずは掃除からだ。

敬子と紅音は自前のジャージに、神楽は美和からジャージを借りて急いで着替えた。
それにしても、美和(微量)だけでなく、空気を読めないはずの敬子や、綺亜羅高校最強の節子も放出するとは…。

三銃士よりも強い三人………節子、美和、敬子が玉砕した以上、綺亜羅高校では、誰も咲には敵わないだろう。
この後、咲と対局したいと言う人は綺亜羅高校にはいなかったと言う。



第四部
カン
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