百三十九本場:最後の夏、始動!
春季大会では、白糸台高校が宮永照の時代以来、二年ぶりの団体戦優勝を飾った。
本来であれば大将後半戦の最終局で、阿知賀女子学院大将の高鴨穏乃が永水女子高校大将の東横桃子から和了って阿知賀女子学院が優勝しているはずだった。
まさかの珍悲劇であろう。
綺亜羅高校大将の稲輪敬子が穏乃の和了りにつられて牌を倒し、和了りを宣言。
アタマハネで穏乃の和了りは認められず、その瞬間、白糸台高校が優勝し、阿知賀女子学院が準優勝となった。
敬子の手は大逆転手でもなんでもなかったのだ。
本来ならば和了らない手だ。
当然、優勝した白糸台高校のメンバーは、誰一人として自分達が優勝したとは思っていない。事故で勝利が舞い込んできただけだ。
未だに全国では、
『打倒、阿知賀女子学院!』
そして、
『打倒、宮永咲!』
の言葉が掲げられ続けている。
この日のゴールデンタイムに、テレビでは高校での部活動に汗を流す少女に焦点を当てた番組が放送されていた。
タイトルは、
『輝け! 部活少女!!』
かつて清澄高校時代に原村和も出たことがある番組だ。
「今日の輝け部活少女は、こちらにお邪魔してます。」
しかし、映像に映っているのは高校の校舎では無い。高校の向かい側にあるスイミングクラブだ。
カメラ映像がスイミングクラブの中に入ってゆく。
すると、中では一人の少女が泳いでいた。
結構………いや、かなりスピードのある泳ぎだ。
オモチだけ小林立風で、他は五十嵐あぐり風にした憧に似た体つきだ。あと、脚も憧より10センチくらい長い。
その美しい肢体から、まるで人魚が泳いでいるようにも見える。
水泳部員の紹介だろう。誰もがそう思っていた。
その少女がプールから上がった。かなりの美少女である。それこそ、1000人に1人のレベルである。
「今日の輝け部活少女で紹介するのは、こちらの方。綺亜羅高校麻雀部の稲輪敬子さんです!」
このインタビュアーの言葉を聞いて、視聴者の殆どは目が点になっただろう。
プールに来て、結構スピードある泳ぎを見て、何故麻雀?
やはり、敬子はKYなだけでなく不思議ちゃんである。
見た目は間違いなく良い。
麻雀の方も、最近、輪をかけて強くなったとの話だ。部内戦では美和を抜いてトップとなり、現在の綺亜羅高校のエースと呼ばれているらしい。
ただ、対外的には美和の方が恐れられており、一般には美和と敬子の二人で綺亜羅のダブルエースと呼ばれているようだ。
麻雀の実力と容姿から、テレビ局側も綺亜羅高校メンバーの中で敬子にスポットを当てたのは容易に想像がつく。ただ、普段は髪がボサボサの残念な美少女なので、それが分からないように撮影場所としてプールを選んだのだろう。
「稲輪さん。ずいぶん泳ぐのが速いですね。」
「別に、趣味で泳いでいるだけです。」
「麻雀部のほうでは、いよいよ最後の夏の大会ですね!」
「はい。今度は、あんな失態を犯さないように心掛けます。」
「でも、あのアタマハネ事件から、この短期間でよく立ち直ったと思います。」
「落ち込んでいると、毎日、節子に怒られますから。」
「節子さん………ですか?」
「はい、古津節子。昨年、事故で亡くなった麻雀部の同期です。生きていれば、彼女が綺亜羅の絶対的エースでした。」
「そ…そうでしたか…。」
この言葉を聞いて、多くの人達は、敬子のことを、
『なんて友達思いなんだ!』
とか、
『信心深いんだ!』
とか思ったかもしれない。
しかし、現実には、
「(毎晩のように夢に出てきて天変地異を見せるからなぁ………。)」
敬子が落ち込んでいると、節子が敬子に人類が絶滅するレベルの超自然災害の夢を見せてくれるのだ。
当然、見せられる側は酷くうなされる。
それで敬子は、好きな水泳で気を紛らわせて嫌なことを忘れようとしていたのだ。
とは言え、一応、結果オーライであろう。
その節子のスパルタのお陰で敬子は立ち直れたとも言える。
番組の中で敬子がクロールで50メートルを泳いだ。
タイムは………、
「26秒フラットです! ええと、ちゃんとした記録は判りますか?」
これにスタッフの一人が答えた。
「25.01秒ですね。」
女子日本記録が24秒台なのを考えると、ムチャクチャ早いのが分かるだろう。
ちなみに次回紹介される娘は、体育系の某女子高の水泳部の少女の予定だとか………。
その水泳部の少女の立場が無い。
やはりKYは健在な敬子であった。
…
…
…
阿知賀女子学院麻雀部では、部活中にこの録画を見ていた。
「稲輪さん、立ち直れたみたいだね!」
こう言ったのは穏乃。
自分達の敗退を決めた人間を決して責めたりはしていない。むしろ、そうならない試合運びが出来なかった自分に非があるとさえ思っている。
憧も、ゆい(小走やえ妹)も、美由紀(宇野沢栞妹)も、自分達の不甲斐なさを感じていた。
もう少し自分達が頑張れていたなら優勝できていたと思えて止まないからだ。
一方の咲も、
「(京ちゃんに逆転勝ちを見せようなんて思わなければ…。)」
もう相手が誰であろうと稼げるだけ稼ぐことを誓った。
これは、恐らく行けるところまで66600点事件を連発すると言っているのと同義語であろう。
女子高生雀士達にとって最悪な決意だったのは言うまでもない。今年のインターハイも失禁女子で溢れること間違いないだろう。
この春、阿知賀女子学院には、昨年同様に高等部から入学する者が多かった。麻雀部への入部を希望する者達だ。
一昨年までは5人しかいなかった部が、今では100人を超える大所帯になった。
この中から部内戦でインターハイ県予選のレギュラー5人(1位~5位)と補員2名(6位、7位)、さらに個人戦で出場できる部内8位の選手を選出する。
部内成績は、
1位:宮永咲(エース)
2位:高鴨穏乃(第二エース)
3位:新子憧(部長)
4位:宇野沢美由紀(オモチの子)
5位:小走ゆい(副部長)
6位:藤白亜紀(藤白七実妹で1年:能力は、きっと白亜紀に因むものでしょうね?)
7位:車井百子(車井百花妹:ややオモチの子)
8位:水戸里美(1年:上から読んでも下から読んでも『みとさとみ』)
以上の選手がレギュラー、補員、及び個人戦出場枠の選手に決まった。
ちなみに、里美は三姉妹の長女で、一つ下の妹が仁美、二つ下の妹が琴美と言う名前らしい。
それから、9位(次点)は椿野美咲(1年)。元劔谷高校のエース椿野美幸の妹である。今後の活躍に期待される。
県大会からインターハイまで、星取り戦で行われ、詳細なルールも基本的に昨年のインターハイと同じであった。
槓振も認められる。
ただ、一点だけ改定された。それは、留学生選手の取り扱いだった。
昨年は先鋒と大将には配置してはいけないルールになっていたが、今回はレギュラー、補員併せて3人まで留学生を起用して良く、先鋒から大将までのどこに留学生を配置しても良くなった。
これに伴い、臨海女子高校では、世界大会で中国チームの選手として活躍した郝慧宇を星取り戦で最も重要なポジションである中堅に、アメリカチームの選手として活躍したマリー・ダヴァンを先鋒に配置した。
郝を中堅にしたのは、中国チーム(世界3位)のほうがアメリカチーム(世界4位)よりも大会順位が上だったからである。
そして、大将にはネリー・ヴィルサラーゼが配置された。
つまり重要な先鋒、中堅、大将を留学生選手で固めたのだ。
これは麻雀部監督、アレクサンドラ・ヴィントハイムの意思ではなく、学校の運営サイドによる判断であった。
これに伴い、今まで先鋒を務めていた片岡優希は次鋒に、大将だった南浦数絵は副将にポジション変更された。
阿知賀女子学院では、監督の赤土晴絵とコーチの末原恭子が話し合い、以下のオーダーに決めた。
先鋒:憧(部長)
次鋒:咲
中堅:ゆい
副将:美由紀
大将:穏乃
憧もゆいも春季大会とは随分違う。昨年のインターハイの時のようなキチンとした打ち方を取り戻していた。
もう、最初から勝ちを諦めた打ち方はしない。
今度こそ春季大会で逃した優勝をこの手に掴む。
その気迫に満ちていた。
七月になり、県予選が開催された。
奈良県の参加校は32校と少ない。それで、一回戦は1位のみ勝ち抜けで8校に絞るが、二回戦(準決勝戦)は2校抜けとなる。
そして、最後の決勝戦で勝利したチーム、つまり優勝校が県代表となる。
昨年の県代表である阿知賀女子学院は第一シード。
団体一回戦は大会初日の午前中に行われる。
先鋒から大将まで各半荘一回勝負。
阿知賀女子学院は、下馬評どおりの力を見せ付け、先鋒から中堅までの三戦三勝で余裕の1位抜けを決めた。
しかも、咲は誓いどおり他家全員を-66600点にすると同時に大放水させて某ネット掲示板住民達を喜ばせた。
団体二回戦は大会初日の午後に行われる。
ここでも先鋒から大将まで各半荘一回勝負。
阿知賀女子学院は勝ち星五の超余裕で1位抜けを決め、決勝進出を果たした。
咲は、ここでも他家全員を-66600点にすると同時に大放水させて、某ネット掲示板住民達を大興奮させた。
団体決勝戦は、大会二日目の朝から行われる。
決勝戦だけは先鋒から大将まで各半荘二回勝負となる。
ここでも阿知賀女子学院は圧倒的な力を見せつけ、先鋒から中堅までの三戦三勝で優勝を決めた。
ただ、2位以下の順位を決めるために大将戦まで行われたが、副将戦も大将戦も、結局は阿知賀女子学院が勝ち星を取ることとなった。
この試合で、憧は中学時代からのライバル、晩成高校の岡橋初瀬と対戦した。
春季大会個人戦の成績では、初瀬が31位、憧が37位で、初瀬は、本大会では憧に勝利できるものと思って対決に臨んでいた。
しかし、この数ヶ月で昔のハングリーさを取り戻した憧に、初瀬はまるっきり歯が立たなかった。
なお、咲は前半戦後半戦共に他家全員を-66600点にすると同時に大放水させ、日本中を大興奮の渦に巻き込んだ。
まさかの四連続66600事件である。
個人戦は、一週間後に行われた。
団体戦ではダブル役満以上ありだったが、個人戦では役満は全てシングル役満として扱うルールになっていた。
なお、咲と穏乃と言う超魔物以外に3名選出すると言う意味で、全国出場権は上位5名までとされた。
対戦相手はAIによって決められ、極力、同校同士の対決を避け、且つ上位選手同士の潰し合いも避ける対戦表が上手に組まれた。
そのお陰で、阿知賀女子学院の選手は、誰も咲と当たることは無く平和な一日を過ごせたそうだ。
代わりに、晩成高校の選手が軒並み咲と対戦することになった。
咲以外全員が0点にされたところで9本場を迎え、そこで咲に役満直撃(または責任払い)を喰らうと言う最低な展開を余儀なくされた。
これで個人戦出場した晩成高校の8人全員が、順次、咲に-81を付けられ、上位争いからは姿を消すハメになった。
結局、上位5名は以下のとおりとなった。
1位:咲
2位:穏乃
3位:美由紀
4位:憧
5位:ゆい
ちなみに6~8位は、亜紀が6位、百子が7位、里美が8位と、阿知賀女子学院の順位がそのまま県大会個人の順位と同じになった。
同じ頃、西東京では白糸台高校が全国大会出場権を手に入れていた。
白糸台高校のオーダーは、
先鋒:大星淡
次鋒:宮永光
中堅:多治比麻里香(多治比真佑子妹)
副将:佐々野みかん(佐々野いちご妹:美貌では全国一万人の頂点)
大将:原村和(部長)
春季大会と同じオーダーであった。
やはり、このオーダーで優勝できなければ春季大会の優勝を認めることが出来ないのだろう。これは、半分意地である。
また、西東京地区からは全国個人戦出場者を10名選出する。その中に、白糸台高校の団体戦メンバーは、無事全員入ることが出来た。
もっとも、阿知賀女子学院と同じで、
1位:光
2位:淡
3位:和
4位:みかん
5位:麻里香
上位5名を白糸台高校のメンバー全員で占めており、この最後のインターハイに賭ける意気込みが強く感じられた。
東東京地区では臨海女子高校が余裕で優勝を決め、個人戦でも優希と数絵が全国大会出場権を獲得していた(留学生は個人戦には出場できない)。
そして、埼玉県では綺亜羅高校が超余裕で優勝を果たした。
阿知賀女子学院と同様に、1位抜けの一回戦では先鋒から中堅までの三連勝、上位2校抜けの試合では全試合勝ち星五である。その実力は計り知れない。
オーダーは、
先鋒:鬼島美誇人
次鋒:稲輪敬子
中堅:鷲尾静香
副将:的井美和(部長)
大将:竜崎鳴海
春季大会の悪夢を経験したこともあり、敬子を大将から次鋒に変えた………と思われがちだが、実はジャンケンで決めたオーダーであった。
穴の無いチームだからこそ、そんなオーダーの決め方が出来るのであろう。
鹿児島県は永水女子高校が優勝を決めた。
オーダーは、
先鋒:東横桃子
次鋒:狩宿萌(狩宿巴妹)
中堅:石戸明星
副将:滝見春
大将:十曽湧
そして、北大阪地区では千里山女子高校が代表権を獲得していた。
オーダーは、
先鋒:椋真尋(椋千尋再従妹:千尋と同様の麻雀を打つ)
次鋒:麻川雀
中堅:夢乃マホ(愛宕雅恵がスカウト)
副将:二条泉(部長)
大将:浦野瑠子(一番多く持つ牌が裏ドラになる)
真尋とマホの加入により、全国大会で優勝争いに加わるチームへと変貌していた。それこそ、監督の愛宕雅恵が、二年前のトリプルエース時代(怜、竜華、セーラ時代)を凌ぐチームと豪語しているくらいだ。
しかも、恭子が極秘で得た情報によると、恐ろしい秘密兵器を隠し持っているらしい。
南大阪地区では姫松高校が代表権を獲得。
オーダーは、
先鋒:高山千里(何故、千里山に行かない?)
次鋒:美入麗佳(美女ランキングナンバー4)
中堅:佐藤志保(砂糖塩と言われる)
副将:美入人美(部長:美女ランキングナンバー3)
大将:松田姫子(名前が姫松)
島根県では粕渕高校が優勝。
オーダーは、
先鋒:石原麻奈
次鋒:春日井真澄
中堅:石見神楽
副将:坂根理沙
大将:緒方薫(部長)
福岡県では新道寺女子高校が優勝。
オーダーは、
先鋒:友清朱里(部長)
次鋒:加藤ミカ(ムロの同期で煌を追って長野から新道寺に)
中堅:安河内香枝(安河内美子妹)
副将:江崎愛美(江崎仁美妹)
大将:友清藍里(友清朱里従姉妹)
兵庫県では劔谷高校が優勝。
オーダーは、
先鋒:森垣友香
次鋒:竜宮由利
中堅:安福莉子(部長)
副将:玉木環
大将:緑川緑
そして、長野県では風越女子高校が四年ぶりの優勝を果たした。
オーダーは、
先鋒:文堂星夏(部長)
次鋒:園田栄子(ドイツから帰国:ドイツでの単位が認められ3年生に進級)
中堅:上埜美佐(竹井久妹:父親に連れられた)
副将:室橋裕子(清澄高校から引き抜かれた)
大将:児波美奈子(上から読んでも下から読んでも同じ)
宮永照が1年の時から数えて5回目となる宮永時代の夏。
その宮永時代最後のインターハイが、いよいよ始まる!
栄子は留学先の単位が認められて無事に3年生に進級出来ている設定でお願いします。
おまけ
各都道府県でインターハイ予選が開催された。
西東京都大会(団体戦・個人戦共に)では、ドラゴン・ゲートと呼ばれる組織の工作員達が大会会場の中に紛れ込んでいた。
彼女達は、テレビ局のスタッフを装い、インタビューと称して、これから光と対局する選手達を拘束してトイレに行かせないようにしていたのだ。
ドラゴン・ゲートはクロの組織とは別の組織であったが、両方に所属するメンバーもそれなりにいた。
ただ、クロの組織にも同時期に重要なイベントがあった。奈良県大会で、これから咲と対局する選手達を拘束してトイレに行かせないようにすることだ!(こいつら、こればっかりか………)
ドラゴン・ゲートだけに所属する工作員の数は、然程多くない。
それで、西東京大会では、スミレ親衛隊と呼ばれる組織の隊員達がドラゴン・ゲートの工作員達と合流し、光の対戦選手達の拘束を行っていた。
ドラゴン・ゲートの工作員達を工1、工2、工3…、スミレ親衛隊の隊員達を隊1、隊2、隊3…と記載する。
西東京大会団体戦二日目。
この日より第一シードの白糸台高校が参戦する。
これから次鋒戦が開始される。
その直前に、会場に向かう光の対戦相手達に、工作員達と隊員達はインタビューと称してトイレに行く時間を奪う作戦に出た。
工1「これから現女子高生雀士の中で東日本最強と言われる宮永光選手との対局を控えてどう思いますか?」
選手1「胸を借りるつもりで頑張りたいと思います(トイレ行かせて!)。」
隊員1(←TVカメラを持っている)「でも、宮永一族には借りるほどのオモチは無いと思いますけど?」
選手1「いえ…、あの…、オモチは関係ありません。(そんなことどうでもイイからトイレに行かせてよ!)。」
工2「やはり、強豪白糸台高校を倒すため、特訓とかしてきたのでしょうか?」
選手1「いえ、あの、特には…(もう時間がなくなっちゃうじゃない!)。」
隊員2「それから、宮永選手と対戦する場合、如何にしてお漏らししないかも重要かと思いますけど?」
選手1「ですので、先にトイレに寄りたいのですが(分かってるんだったら、早く開放してよ! とにかくトイレ行かせて!)。」
工3「ただ、近くにあったトイレは故障中で使えませんでしたけど(工4と隊員3が破壊したモノで…。)」
選手1「そ…そうなんですか?」
隊員4「ですので、会場から遠い、あちらのトイレしか使えないんです。」
選手1「そう言うことは、早く言ってください!」
工1「でも、もうあと30秒しかありませんので、あっちのトイレに行くだけの余裕は無いかと思います。では、対局頑張ってください。」
選手1「(ああ、もう! トイレに行けなかったじゃない!)」
こうやって、トイレに行かせずに光の相手を対局室に送り込んでいた。
勿論、光の対戦相手は、一試合につき三人いる。この三人を工作員達と隊員達で手分けして拘束していたのだ。
その結果、
光「ロン!」
選手1:「ジョ――!」
光「ツモ!」
選手2:「シャ―――!」
光「ロン!」
選手3:「プシャ―――!」
光の対戦相手達は、豪快に某ネット掲示板住民達の期待に応えていった。毎度のことながら光の対局は、対戦時間よりも掃除の時間の方が長いと言われたそうだ。
奈良県大会では、クロの組織のメンバー達を中心に、串カツ同好会の会員達と友人会の会員達が、咲の対戦相手に対して、ドラゴン・ゲートの工作員やスミレ親衛隊隊員達と同様の事を行っていた。
串活同好会とは、大阪在住のあるお嬢様(真瀬由子)の資金援助で設立された団体で、そのお嬢様が会頭を務める。
副会頭には、会頭の友人で串カツが好きな雀士(愛宕洋榎)が任命されているとか。
一方の友人会は、兵庫県のあるお嬢様(古塚梢:元劔谷高校麻雀部の部長)の資金援助で設立された団体で、彼女が会長を務める。その会長の友人(椿野美幸)の友達(お漏らし仲間)が新たに100人できることを目標に活動しているとの話である。
クロの組織は資金力が今一つなのだが、串カツ同好会と友人会の資金援助を受けて、この奈良県大会では多いなる成果を見せた。
当然、咲は、某ネット掲示板住民達の期待に応えるべく、奈良県大会団体戦初日から、
咲「カン! もいっこカン! もいっこカン! もいっこカン! ツモ! 嶺上開花! 大四喜字一色四暗刻四槓子! 66600オール!」
選手4-6「ジョジョジョ―――!」
66600点事件を連発して行った。
対戦相手達は、巨大湖形成から逃れることはできなかったと言う。
さらに埼玉県では、あるお金持ちの娘(宇津木玉子)が玉子倶楽部と言う団体を設立し、埼玉県大会の最中に暗躍していたとの話であった(会員は玉1、玉2、玉3…と記載)。
ターゲットは、綺亜羅高校の的井美和と対戦する選手達。
今や美和は、女子高生ホイホイと呼ばれていた。幻の中で、対戦相手は巨大な触手に捕えられることから、そう呼ばれていたらしい。
勿論、その幻の世界で、女子高生達は派手な触手プレイを堪能させられる。しかも、一回につき体感時間は約一時間。
多くの女子高生の脳みそがイカレてしまったとの話である。
ただ、幻世界では一時間でも、現実世界では一瞬でしかない。それに、音声をカットされると全然面白くない。
それで、玉子倶楽部のメンバー達は大会スタッフの中に紛れ込んで、美和のターゲットとなった選手の絶頂シーンを隠し撮りして倶楽部達に流そう………としていたのだが、さすがにこれは犯罪なので却下された。
ただ、試合を盛り上げたい。
それで彼女達は、テレビ局スタッフの振りをして会場に紛れ込み、美和と対局する選手達に対局直前インタビューをしながら………
玉1「これから女子高生ホイホイと名高い的井選手との対戦ですが、どのような対策をされてますでしょうか?」
選手2「いえ、特には…。」
玉2「的井選手は春季個人で全国6位に輝いた強豪選手ですが。」
選手2「はい。胸を借りるつもりで頑張ります。」
玉3「特に私達は何もしてあげられませんが、まあ、これ一つどうぞ。」←チョコを渡した
選手2「あ、有難うございます。」
彼女達は、選手達に媚薬入りのチョコレートを食べさせて対局室に行かせた。
…
…
…
団体戦は、木曜日に一回戦、金曜日に二回戦と三回戦、土曜日に準々決勝戦と準決勝戦、日曜日に決勝戦が行われた。
昨年は一回戦のみ一校勝ち抜けで、二回戦からは二校勝ち抜けであった。しかし、今年はルールが変わり、一回戦から準決勝戦まで二校勝ち抜けで行われた。
これは、大会運営側のエロジジイ達が、美和の能力に期待しての措置であった(副将の美和まで必ず回るように)。
また、点数引継ぎ制ではなく100000点持ちの星取り戦で、決勝戦以外は先鋒から大将まで各半荘1回ずつ、決勝戦のみ各半荘2回ずつとなる。
開催地は熊谷。
綺亜羅高校は、春季大会では全国3位に輝いたが、昨年の夏の大会には不参加であった。そのため、シード獲得にはならず、一回戦からの参戦であった。
ちなみに越谷女子高校のシード下に入っていた。
さて、どんな不謹慎な試合が展開されて行ったのだろうか?
続く?