咲-Saki- 阿知賀編入   作:おこそとのほもよろを

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地獄先生ぬ~べ~?


百五十二本場:鬼の手

 ABブロック副将後半戦がいよいよ開始される。

 四人が対局室に戻ってきた。

 ただ、場には未だに染谷まこの能力の影響が出ている。そのため、この対局は時間軸が短縮されているようだ。

 

 場決めがされ、起家が数絵、南家が泉、西家が美由紀、北家が春に決まった。前半戦の席順から泉と春が入れ替わっただけだ。

 

 

 東一局、数絵の親。

 東場の数絵は、配牌も悪いしツモも悪い。とにかく和了りに向かえる気がしない。

 それでも格下が相手なら何とかなるのだが、やはりインターハイ準決勝戦まで上がってくるチームのメンバーが相手では、失点は免れない。

 ここでも、前半戦の東初同様、

「ポン!」

 美由紀が最初に動き出した。鳴いたのは春が捨てた{中}。

 その後も、美由紀はツモと手牌が良く噛み合った感じだ。ドンドン手が成長して行く雰囲気がモロに伝わってくる。

 そして、数巡後には、

「ツモ! 中混一対々三暗刻赤1。4000、8000!」

 倍満をツモ和了りした。

 最高状態の優希ほどでは無いが、かなりのスタートダッシュである。

 しかし、親かぶりしながらも、数絵は余裕の笑みを浮かべていた。それだけ、南場の支配力に自信があるのだ。自分の『南場での爆発力』に『3年生パワー』が加算されることを感じ取っているようだ。

 

 

 東二局、泉の親。

 この親で、是が非でも泉は稼ぎたい。前半戦での得失点差を考えれば当然である。ゆえに和了りだけを視野に入れ、不要牌は持ち続けずにさっさと切る方針としていた。攻めのスタンスである。

 ただ、これは同時に捨て牌が甘くなる打ち方でもある。

 そのため、

「ポン!」

 美由紀に安易に鳴かせる結果となった。

 

 その後も、

「ポン!」

 泉は美由紀に二つ目の明刻を鳴かせてしまい、その数巡後には、

「ツモ! 4000、8000!」

 美由紀に対々系の倍満手を和了らせてしまった。やはり、前半戦の大失点から、泉は運が相当低下してきているのだろう。

 

 

 東三局、美由紀の親。

 この親を連荘させてはならない。これは、泉だけではなく数絵にとっても同様である。

 東場では、数絵のパワーは高が知れている。そのため、数絵は泉を使って親を流すことにした。泉を支援する方向で自分の手を崩してでも甘い牌を切る。

 これが功を奏したか、

「チー!」

 泉は数絵から鳴きまくり、

「ツモ。タンヤオドラ3。2000、3900!」

 満貫級の手をツモ和了りした。

 

 

 東四局、春の親。ドラは{北}。

 ここでは、春が美由紀に、

「ポン!」

 {北}を鳴かせた。

 字牌のドラは、対子になっていない可能性が高い初っ端に捨てるか、聴牌と同時に已む無く捨てるケースが多いだろう。もしくは最後まで手放さずドラ単騎で待つか、まあ普通はそんなところと思われる。

 ところが春は、最初から手の中に抱えていたが、四巡目で、しかも聴牌でもなんでもない状態………非常に中途半端な巡目で切ってきた。

 傍目には、{北}が美由紀の手の中で対子になるのを敢えて待ってから捨てているようにも見えた。

 泉の厳しい視線が、再び春に突き刺さる。

 

 その後も、

「ポン!」

 春は{五}を美由紀に鳴かせた。

 副露されたのは{[五]五横五}。これで北ドラ4が確定である。

 

 そして、その数巡後、

「ツモ! 北ドラ5(表3赤2)。3000、6000!」

 美由紀がハネ満をツモ和了りした。泉の目からは、これは完全に春が美由紀をサポートした和了りにしか見えない。

 何故、春はこんなことをするのか?

 

 泉としては、絶対に負けられない対局なのに………。

 それに、次局からは数絵のスイッチが入ると言うのに………。

 

 一言文句をつけてやりたい。

 しかし、下手な一言は挑発行為と取られる。泉は、身体を大きく震わせながら、黙って堪えていた。

 

 

 南入した。

 卓上を温かい風が吹き付ける。数絵の覚醒だ。

「では、始めましょうか。」

 そう言いながら、数絵は気の入った表情を見せていた。

 

 南一局、数絵の親。

 ここでは、毎度の如く数絵は配牌から一切のムダツモ無しで、たった四巡で聴牌し、

「リーチ!」

 聴牌即でリーチをかけてきた。

 しかも、

「一発ツモ! 6000オール!」

 リーチ即ツモの親ハネ。前半戦と全く同じパターンである。

 覚醒した数絵は、他の追随を許さない超スピード攻撃を仕掛け、しかもハネ満ツモを余裕で決める。

 

 南一局一本場も、

「ツモ! 6100オール!」

 南一局二本場も、

「ツモ! 6200オール!」

 数絵は連続で親ハネツモを決めた。怒涛の追い上げである。

 

 これで副将後半戦の点数と順位は、

 1位:数絵 137900

 2位:美由紀 121800

 3位:泉 74600

 4位:春 65700

 

 前後半戦トータルでは、

 1位:美由紀 278800

 2位:数絵 277000

 3位:泉 127300

 4位:春 116900

 数絵が美由紀に1800点差まで詰め寄ってきた。次に数絵が和了れば逆転できる。とうとう、そこまで迫ってきたのだ。

 

 そして迎えた南一局三本場。

 ここでも、

「リーチ!」

 数絵のパワーは衰えない。たった三巡目で聴牌して即リーチ。

 しかも、

「一発ツモ! 6300オール!」

 ここでもリーチ即で和了り牌を引き当て、数絵は前後半戦トータルでトップの座に躍り出た。

 後半戦南場に入り、いきなり四連続親ハネツモ和了り。これで数絵は、一気に73800点を叩き出したのだ。さすが、南場の鬼神と呼ばれるだけのことはある。

 

 続く南一局四本場。

 数絵は、勝利を確実なものにするため、さらなる和了りを目指した。

 ここに来て、急に春が左手で打ち始めた。前半戦南一局三本場以来である。ただ、攻撃に集中している数絵は、このことに気付かずにいた。

 数絵は配牌三向聴。

 そして、四巡目に、

「リーチ!」

 今まで同様、数絵はムダツモ無しの聴牌即でリーチをかけた。

 

 この時であった。

「(一日に一回しか使えない力………。左手に宿りし鬼よ。その力を示せ!)」

 春が、心の中でそう唱えると、春の全身から禍々しいオーラが放たれた。そして、春は同巡で聴牌すると、

「私も、最後のインターハイに向けて研鑽してきたし、3年生パワーは貴女だけのものではない。」

 珍しく挑発とも言える言葉を数絵に向けて発すると、

「リーチ!」

 追っかけリーチをかけた。

 この時、数絵の目には、リーチ棒を卓上に出した春の左手が、一瞬、人のものではなく鬼の手のように映った。

 

 次のツモ番は数絵。

 相手が何者であろうと、数絵は、一発で自らの和了り牌を引けるものと思っていた。しかし、ツモって来た牌は不要牌の{東}。

「(嘘っ?)」

 驚愕の表情が数絵の顔に表れた。

 しかし、和了り牌で無い以上、これを切るしかない。それがリーチ者に課せられたルールである。

 已む無く数絵は、これをツモ切りしたが、その時、

「ロン!」

 数絵は自分の上家から和了り宣言の声を聞いた。

「えっ?」

 思わず、数絵が声を上げて春の方を見た。すると、そこに開かれていた手牌は、

 

 {東北北北白白白發發發中中中}

 

 大三元字一色四暗刻。まさかの三倍役満だった。

「97200。」

 しかも、風牌は鬼門を示す{東}と{北}。春の魔界パワーが爆発した最凶手であった。春は、この一撃を今まで取っておいたのだ。

 全ては、確実に咲と最強神の戦いを再設定するため。

 

 大将戦では、恐らく穏乃が勝つだろう。

 しかし、臨海女子高校のネリー・ヴィルサラーゼは強敵である。万が一のことがあってはならない。

 それで春は、ここで数絵を蹴落として美由紀の勝利を確実なものにしたのだ。

 

 これで副将後半戦の点数と順位は、

 1位:春 157600

 2位:美由紀 115500

 3位:泉 68300

 4位:数絵 58600

 数絵の点数が一気に大きく後退した。

 しかし、ここで諦めたら全てが終わりである。数絵は、深呼吸すると再び気合いを入れ直した。

 

 

 南二局、泉の親。

 泉にとってはラストチャンスである。この親で大きく稼ぐしか道が無い。

 しかし、

「リーチ!」

 ここでも数絵が序盤でリーチを仕掛けてきた。

 もの凄い手の早さである。

 目力も鋭い。

 勝利に向けての強烈な気迫が数絵からビンビンに伝わってくる。副将戦を美由紀に取られたら全てが終わるのだ。当然だろう。

 そして、

「ツモ! 3000、6000!」

 ここでも数絵は、リーチ一発でハネ満をツモ和了りした。

 

 

 南三局、美由紀の親。

 ここでも数絵は攻める。

「リーチ!」

 たった二巡で聴牌し、即リーチをかけてきた。この仕上がりの速さは東場の優希とタメを張る。凄まじいスピードだ。

 しかも、

「ツモ! 3000、6000!」

 ここでも数絵は、リーチ即でハネ満をツモ和了りした。誰も手のつけようが無いスピードとパワーである。

 

 

 この段階での副将後半戦の点数と順位は、

 1位:春 151600

 2位:美由紀 106500

 3位:数絵 82600

 4位:泉 59300

 

 戦後半戦トータルでは、

 1位:美由紀 263500

 2位:数絵 221700

 3位:春 202800

 4位:泉 112000

 美由紀が2位の数絵に41800点差を付けてトップだった。やはり、数絵の三倍役満振り込みは大きい。

 数絵が美由紀をトータルで逆転するためには、三倍満を美由紀から直取りするか、ダブル役満以上をツモ和了りするしかない。それ相当の役作りが必要となる。

 数絵としても、いよいよ追い詰められた感じがしてきた。

 

 

 そのような中で迎えたオーラス。春の親番。ドラは{③}。

 数絵は四巡で聴牌したが、役無しドラ1の状態。

 ここでリーチをかければ、南場の数絵であれば一発ツモのアタマが裏ドラで乗ってハネ満になるパターンだが、それでは逆転するには全然足らない。

 ここから最低でも三倍満にすべく、手を育ててゆく。

 

 しかし、

「ポン!」

 同巡で泉が美由紀に自風の{北}を鳴かせた。

 別に泉は、美由紀を支援しているわけではないし、数絵の足を引っ張ったつもりも毛頭無い。単に不要牌が来たのでツモ切りしただけだった。

 ただ、鳴き麻雀を得意とする美由紀の手は、これで加速していった。

 そして、

「ツモ。北ドラ3。2000、3900!」

 最後は美由紀が和了りを決め、副将戦にピリオドを打った。

 

 これで副将後半戦の点数と順位は、

 1位:春 147700

 2位:美由紀 114400

 3位:数絵 80600

 4位:泉 57300

 

 戦後半戦トータルでは、

 1位:美由紀 271400

 2位:数絵 219700

 3位:春 198900

 4位:泉 110000

 春の目論見どおり、美由紀が勝ち星をあげて永水女子高校と阿知賀女子学院が各々勝ち星二で決勝進出が決まった。そのため、大将戦は行われずに、これでABブロック準決勝戦は終了となった。

 二回戦同様、穏乃は対局無しで終了となった。

 

 

 泉と数絵の目から、怒涛の如く涙が溢れ出てきた。最後のインターハイでも決勝進出を果たすことが出来なかった。

 明日は5位決定戦があるが、これは、後輩達のために学校ランキングを一つでも高くしておくことが目的となる。

 つまり、これで実質、自分のためのインターハイ団体戦は終了したのだ。

 

 

「「「「ありがとうございました。」」」」

 

 対局後の一礼を済ませると、泉と数絵が悔し涙を流す中、春は急々と対局室を出て行った。そして、そのまま彼女は控室に戻ることなく、忽然と姿を消した。

 

 永水女子高校控室では、

「やっぱり、魔界パワーを出したわね。」

 明星が、そう言いながら春の荷物を手にしていた。休憩時間に春に言われたとおり、春の荷物をホテルまで運んでおくのだ。

「じゃあ、やっぱり控室には戻ってこないってこと?」

 こう聞いたのは湧。

「多分、魔界の鬼に、今頃イイコイイコしてるんだと思う。」

「あのトリプル役満を出してくれた鬼にってことね。それにしても魔を手懐けるって、いったい?」

「まあ、霞姉さんだって邪神を降ろすし、邪なモノを抑止するのが六女仙の役目でもあるからね。」

「でも、二人とも抑止と言うよりも支配してる感じじゃない?(二人に共通するのはオモチか…。)」

「たしかにね。」

「今日中に帰ってくるかな?(きっと明星も魔を支配するんだろうな、オモチ的に…。)」

「さぁ? まあ、明後日の決勝戦に間に合えばイイケドね…。」

 こんな遣り取りを聞きながら、桃子は、

「(やっぱり、とんでもない高校に在籍していたって、今更ながらに思うっス!)」

 と心の中で呟きながらも、これが日常茶飯事の出来事に感じるようになっていた。やはり、人間は環境に慣れるものであると、桃子はつくづく思っていた。

 …

 …

 …

 

 

 大会六日目はCDブロック準決勝が開催された。白糸台高校、有珠山高校、綺亜羅高校、粕渕高校の試合。

 

 先鋒戦は、大星淡(白糸台高校)、吉田礼子(有珠山高校)、鬼島美誇人(綺亜羅高校)、石見神楽(粕渕高校)の対局。

 前半戦後半戦共に、淡は運悪く神楽の下家となった。

 神楽は前半戦で松実露子の霊を、後半戦で古津節子の霊を降ろし、しかも透視能力もフルに使って戦いに望んだ。そのため、淡は神楽から鳴かせてもらえず、絶対安全圏内で和了りに到達できない局が多く、思ったほど稼げなかった。

 美誇人も神楽をターゲットにして対抗するが、神楽が振り込むわけが無い。

 今回は席順が大きくモノを言ったようだ。先鋒戦は僅差で神楽が淡をかわし、勝ち星を取った。

 

 次鋒戦は、宮永光(白糸台高校)、真屋由暉子(有珠山高校)、稲輪敬子(綺亜羅高校)、坂根理沙(粕渕高校)の対局。

 ここでは白糸台高校の絶対的エース光が圧倒的な力を見せつけ、白糸台高校が待望の勝ち星を得た。ただ、この対局で敬子は、勝ち星を目指さずに光の打ち方を観察しているようだった。

 

 中堅戦は、多治比麻里香(白糸台高校)、矢部伊代(有珠山高校)、鷲尾静香(綺亜羅高校)、春日井真澄(粕渕高校)の対局。

 伊代の治水に似た能力が爆発するも、最終的には静香の豪運には敵わず、ここでは綺亜羅高校が勝ち星を取った。

 

 副将戦は、佐々野みかん(白糸台高校)、頼月英(有珠山高校)、的井美和(綺亜羅高校)、緒方薫(粕渕高校)の対局。

 美女ナンバーワンのみかん、男装麗人の薫、そして留学生の月英を相手に美和が触手プレイで楽しみまくり、綺亜羅高校が二つ目の勝ち星を取って決勝進出を決めた。

 

 大将戦は、原村和(白糸台高校)、和代和代(わしろかずよ:有珠山高校)、竜崎鳴海(綺亜羅高校)、石原麻奈(粕渕高校)の対局。

 鳴海の倍満が数回炸裂したが、やはり牌効率の良い和が和了りの回数を重ね、最終的には僅差で和が大将戦を制した。

 これで白糸台高校と綺亜羅高校が共に勝ち星二で決勝進出を果たした。

 

 

 大会七日目。

 まず早朝から5位決定戦が開催された。千里山女子高校、臨海女子高校、有珠山高校、粕渕高校の試合。先鋒戦から大将戦まで半荘一回ずつの対局である。

 先ず、参加選手全員が卓を囲むように並び、対局前の挨拶が行われ、その後、順次先鋒戦より行われていった。

 

 先鋒戦は、椋真尋(千里山女子高校)、マリー・ダヴァン(臨海女子高校)、吉田礼子(有珠山高校)、石見神楽(粕渕高校)の対局。

 実質、真尋と神楽の一騎打ち状態となった。真尋は親で稼ぐが、節子(神楽に降臨)が見せる幻に恐怖し、途中で支配力が低下。その後、一気に神楽が稼ぎ、勝ち星は粕渕高校が手中に収めた。

 

 次鋒戦は、フレデリカ・リヒター(千里山女子高校)、片岡優希(臨海女子高校)、真屋由暉子(有珠山高校)、坂根理沙(粕渕高校)の対局。

 優希は準決勝戦でパワーを使い果たしたのか今一つの状態。ここでは、咲と同一のDNAを持つフレデリカが大暴れし、余裕で千里山女子高校が勝ち星を取った。

 

 中堅戦は、夢野マホ(千里山女子高校)、郝慧宇(臨海女子高校)、矢部伊代(有珠山高校)、春日井真澄(粕渕高校)の対局。

 マホが能力コピーで序盤に大量リードした。その後、郝と伊代が巻き返しを図るが、マホのリードを覆すことが出来ず、そのまま千里山女子高校が二つ目の勝ち星を取った。

 

 副将戦は、二条泉(千里山女子高校)、南浦数絵(臨海女子高校)、頼月英(有珠山高校)、緒方薫(粕渕高校)の対局。

 序盤は泉と薫がリードするが、南入と共に数絵が豹変し、数絵が一気に大逆転。勝ち星は臨海女子高校が手にした。

 

 大将戦は、浦野瑠子(千里山女子高校)、ネリー・ヴィルサラーゼ(臨海女子高校)、和代和代(有珠山高校)、石原麻奈(粕渕高校)の対局。

 序盤は瑠子が裏ドラ攻撃でリードしたが、運命奏者ネリーが後半に大爆発。三倍満の連続和了りで逆転し、勝ち星は臨海女子高校が手にした。

 

 以上の結果、5位は千里山女子高校(勝ち星二)、6位は臨海女子高校(勝ち星二だが得失点差で6位)、7位は粕渕高校、8位は有珠山高校となった。

 

 

 5位決定戦終了後、すぐに決勝戦が開催された。

 第1シード阿知賀女子学院、第3シード白糸台高校、第4シード永水女子高校、そしてキラーこと綺亜羅高校の試合。

 5位決定戦と同様、先ず参加選手全員が決勝卓を取り囲むように並び、対局前の挨拶がなされた。

 春の姿もある。魔界からは無事帰れたようだ。

 また、この日、阿知賀女子学院メンバーは、ゆいが欠場し、代わりに補員の藤白亜紀が入っていた。

 ゆいは、昨日から女の子の日で、今日は二日目とのこと。特に今回はヒドイらしく、止むを得ず亜紀に代わってもらったようだ。

 

 その後、先鋒選手………阿知賀女子学院の新子憧、白糸台高校の大星淡、永水女子高校の東横桃子、綺亜羅高校の鬼島美誇人の四人だけを残し、他の選手達は控室に戻り、そのまま先鋒戦が開始された。

 

 場決めがされ、起家は憧、南家は桃子、西家は美誇人、北家は淡に決まった。

 そして、卓中央のスタートボタンが押され、サイが振られた。いよいよ、咲達の最後のインターハイの団体決勝戦がスタートする!

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