咲-Saki- 阿知賀編入   作:おこそとのほもよろを

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百八十二本場:またまた国民麻雀大会2  久々の時間軸超光速跳躍

 一回戦第六試合は、その後も美和が他家を快楽の世界に導いて、思う存分、触手プレイを堪能させた。

 青森、滋賀、長崎の先鋒は、箱割れこそしなかったが、大量失点を余儀なくされた。

 

 そして迎えた次鋒戦。

 ここでは敬子のパワーが炸裂し、青森チームが箱割れして試合は終了となった。

 圧倒的な力で埼玉チームが二回戦にコマを進めた。

 

 

 その日の午後、二回戦が開催された。

 一番の注目カードは、二回戦第二試合。大阪1、埼玉、高知、鳥取の対局。当然、多くの人達が美和の活躍に期待している。

 咲が照を破って以来、咲よりも注目された選手は美和が初めてである。

 

 その人気に応えるべく、ここでも美和は、

「ツモ!」

「「「いやーん♡!」」」

 他家達を快楽の世界に連れ込み、圧倒的点差で先鋒戦を終了した。

 

 そして、次の登場した敬子も容赦なく他家から点棒を奪い、一回戦の時と同様に次鋒戦で他家をトバして終了した。

 ここで準決勝戦に進出したのは埼玉チームと第四シードの大阪1チーム。

 大阪1チームは、自称高三最強の二条泉が先鋒として出場し、なんとか僅差で高知チームと鳥取チームの点数を上回った。一応、先鋒戦で2位だ。

 たとえ相手が全国レベルの選手でも、非能力者であれば泉は決して負けない。本来、泉は十分強い。

 しかし、美和と泉の間には、誰の目から見ても歴然とした実力の差が見えていた。それだけ全国上位の能力者は圧倒的に強いのだ。

 

 

 次に注目されたのは、二回戦第一試合。奈良、東京2、群馬、山形の対決である。

 先鋒戦で咲と優希が対局する。

 

 この段階では、まだ優希は最高状態になっていなかった。飽くまでも最高状態にするのは、明日の午前の対局………、準決勝戦だ。

 とは言え、優希は今、上り調子にある。

 今までの戦績から考えて、いくら咲でも簡単に勝たせてもらえる相手ではないだろうと、誰もが思っていた。

 

 場決めがされ、起家は優希、南家は山形先鋒選手、西家は咲、北家は群馬先鋒選手に決まった。

 

 東一局、優希の親。

 ここでは、まだ優希はダブルリーチをかけてこない。

 しかし、

「ポン!」

 二巡目で群馬先鋒が捨てた{東}を早々に鳴き、

「ロン!」

 たった三巡目で山形先鋒から和了った。とんでもないスピードである。

 しかも、

「ダブ東ドラ4(表2赤2)。18000だじぇい!」

 いきなり親ハネ。さすが東風の神と呼ばれるだけのことはある。

 

 続く東一局一本場。

「リーチだじぇい!」

 今度は、優希がダブルリーチをかけてきた。

 一先ず他家は全員、字牌切りでその場を凌いだ。

 しかし、東場の優希の勢いは凄まじい。一発で振り込む者がいなくても、

「ツモ! 一発だじぇい!」

 即ツモ和了りを決めてしまう。

 しかも、

「ダブルリーチ一発ツモドラ3。6100オールだじぇい!」

 親ハネツモである。

 たったこれでけで2位に40000点以上の差をつけた。

 

 東一局二本場。

 やはり今日の優希は最高状態ではない。飽くまでも最高状態一歩手前である。

 ここでは、前局、前々局に比べて、ほんの少しだけ勢いが落ちていた。

 

 まるで、それを狙っていたかのように、ここでは咲の支配力が一気に上昇する。その力は、今まで卓全体を支配していた優希のオーラを跳ね飛ばす。

 そして、六巡目、

「ロン!」

 咲が群馬先鋒から和了った。

「えっ?」

 この和了りに群馬先鋒は驚いていた。

 咲にしては珍しく副露牌が全く無かったからだろう。咲の十八番である槓が、一つも無かったのだ。

 それもあって、群馬先鋒は、一瞬、何が起きたのか分からなかったようだ。

 しかも、

「タンピン三色ドラドラ。12600。」

 まさかの平和手。槓と対極的な位置にある和了り役であろう。

「えぇっ?」

 これには、群馬先鋒は目が点になった。

 

 

 東二局、山形先鋒の親。

 咲の第一打牌は{8}。第二打牌は{⑥}。

 なんだか嫌な気配だ。

 染め手か?

 それとも国士無双狙いか?

 しかし、普通はそう簡単に聴牌できないだろうし、正直なところ、咲が何をやっているのかは、まだ分からない。

 

 山形先鋒は、既に24100点を失っている。これが25000点持ちなら、東二局で既に900点しかない異常事態だ。

 当然、この親で失点分を稼ぎたい。

 それで自らの手を進めようとして山形先鋒が切った{⑨}で、

「ロン!」

 咲が和了った。

 

 開かれた手牌は、

 {一九①19東南南西北白發中}  ロン{⑨}

 

 咲が清澄高校麻雀部に入部したばかりの頃に、京太郎から和了れたにも拘らず、優希に遠慮して見逃した手と全く同じ手であった。

「32000!」

 25000点持ちなら、これで山形先鋒は箱割れし、咲が2500点差で優希を抜いて1位となったところである。

 優希にとって、本来であれば完全に屈辱的なシチュエーションだろう。

 

 しかし、優希は二年以上前に咲が見逃した国士無双のことなど覚えていなかったし、あの時は、そもそも見逃していたとは思っていなかった。

 なので、

「さすが咲ちゃんだじぇい!」

 屈辱的とは思っていなかったみたいだ。

 むしろ、

『さすがチャンピオン!』

 と思っていたようだ。

 

 

 東三局、咲の親。

 ここから、咲本来のパワーが爆発する。

 この局では、

「ツモ。嶺上開花タンヤオ三暗刻ドラドラ。6000オール。」

 

 そして、東三局一本場では、

「嶺上開花ツモメンチン。8100オール。」

 高い手を簡単に連発してくれた。

 他家は、圧倒的な実力差を感じずにはいられないだろう。

 

 この段階で、順位と点数は、

 1位:咲 180800

 2位:優希 122200

 3位:群馬 67200

 4位:山形 29800

 既に山形先鋒が30000点を割っていた。

 これが25000点持ちなら、既に二箱被ってのマイナスである。

 

 東三局二本場。

 今、精神的に余裕があるのは、ダントツトップの咲と、このまま山形先鋒が箱割れすれば2位抜けできる優希の二人である。

 普通は、30000点近い点数があれば、そう簡単には箱割れしない。しかし、ここには、それを可能にするバケモノがいる。

 なので、暫定3位の群馬先鋒は、かなり焦っていた。優希との55000点差を何とかしなければ二回戦負けが確定する可能性は極めて高いからだ。

 最下位の山形先鋒に至っては、

『トバさないで!』

 と祈るのみであった。

 

 しかし、そうは問屋が降ろさない。

 山形先鋒が、聴牌して切った{①}を、

「カン!」

 咲は大明槓した。

 そして、

「もいっこカン! もいっこカン! ツモ!」

 毎度の如く、連槓から和了りを決めた。

 

 開かれた手牌は、

 {一一一[⑤]}  暗槓{裏西西裏}  暗槓{裏11裏}  明槓{横①①①①}  ツモ{[⑤]}

 

「対々三暗刻三槓子三色同刻嶺上開花ドラドラ。36600です。」

 これで山形先鋒のトビで終了した。

 この瞬間、テレビ映像は解説側に切り替わった。

 

 ここから、いつものお約束が始まる。

 咲の下家にいたのは群馬先鋒である。この連槓で迫り来る咲のオーラをまともに受けて、

「ジョ───!」

 真っ先に群馬先鋒が巨大湖を形成した。

 

 これに一歩遅れて、

「プシャ───!」

 責任払いを喰らった山形先鋒もヤってしまった。

 

 咲と優希は、

「「おつかれさま(だじぇい!)」」

 逃げるように対局室から出て行った。

 

 しかし、某ネット掲示板では、

『美和様さすが!』

『やっぱり女子高生ホイホイの異名どおりなのです!』

『みかんジュース! スバラです!』

 美和のネタで盛り上がっていた。

 この掲示板の住民は、誰も咲の対局を見ていなかったようだ。

 …

 …

 …

 

 

 二回戦第三試合は、鹿児島、長野、愛知1、富山の試合。

 鹿児島チームの先鋒は石戸明星、長野チームの先鋒は園田栄子、愛知A1チームの先鋒は対木もこ、富山チームの先鋒は寺崎弥生(寺崎遊月妹)だった。

 エース対決である。

 

 起家が明星、南家がもこ、西家が弥生、北家が栄子となったこの対局。

 東一局で、いきなり明星が大七星を和了った。例のヤオチュウ牌支配の能力による役満ツモである。

 しかし、栄子から明星が削れるのは16000点まで、もこが削れるのは15000まで、弥生が削れるのは13000点まで。

 ここからは、栄子がノーテンを目指す限り、他家も全員がノーテンとなる。強制力によって、栄子からノーテン罰符を奪うことさえ許されない状態になったからだ。

 

 三回のノーテン流れの後に迎えた東四局流れ四本場。ここで栄子は、強引に面前で緑一色を狙った。

 栄子の能力は、今、栄子からノーテン罰符が出ない方向にしようと動く。そのため、ムリな手でも本人が聴牌を目指す気持ちがある限り何とか聴牌できるようだ。

 

 そして、13巡目、弥生が切った{發}で、

「ロン!」

 親のダブル役満、緑一色四暗刻を和了った。

 これで弥生が箱割れして終了した。

 

 

 二回戦第四試合は、東京1、島根、兵庫、千葉の試合。

 各先鋒は、宮永光、石見神楽、森垣友香、霜崎琴(霜崎絃妹)。この試合も、各チームのエースによる対決である。

 

 この試合は、超怪物の光と、節子の霊を降ろした神楽が面白いように和了りまくり、先鋒戦で友香がトバされて終了した。

 …

 …

 …

 

 

 翌日の午前、準決勝戦が開催された。

 準決勝戦第一試合は、奈良、東京2、埼玉、大阪1の対決。

 当然、東京2の先鋒、優希は、この日に最高状態が来るようにコントロールしていた。いよいよ、観衆達が待ち望んだ天和が出る頃合だ。

 しかも面子はチャンピオン咲に、今や絶大な人気を誇る美和。

 当然、視聴率は90%を余裕で(?)越えた。

 自称高三最強なのに、まるっきり周りから注目されていない泉が、何となく可哀想に思えてくる。

 

 

 この頃、長野県某所では、

「そう言えば、コクマじゃったのう。」

 染谷まこが、この土日に帰省して自宅の雀荘の手伝いをしていたのだが、これで時間軸の超光速跳躍のスイッチが入った。

 

 

 場決めがされ、起家が優希、南家が美和、西家が咲、北家が泉。

 そして、東一局は、当然の如く、

「リーチだじぇい!」

 優希がダブルリーチをかけてきた。

 美和は、一先ず自分の手を進めて不要な字牌を切った。これはセーフ。

 続く咲は、何気に美和の方を見ながら{白}を切った。これは、美和の手の中で対子になっている牌だ。

 このまま誰も鳴かずに行けば、今までの実績から優希は一発でツモ和了りするだろう。

 それで美和は、

「ポン!」

 この{白}を鳴いた。

 

 この鳴きでツモがずれたためであろう。優希は、リーチ後一回目のツモで和了ることができなかった。

 しかも、その後も咲が美和に鳴かせ、結局、

「ツモ!」

 美和がツモ和了りした。咲が美和を上手に使ったのだ。

 

 毎度の如く、美和プロデュースのショーが始まる。

 しかし、咲は強大なオーラによって美和の幻をシャットアウトしていた。なので、咲は美和の能力の影響を受けない。

 しかし、優希と泉は、そうは行かない。二人とも淫夢の世界………美和ワールドに意識が飛ばされた。

 

 優希が、これを経験するのは初めてであった。

 噂には聞いていたが、まさか、こんな世界だったとは………。

 粘液だらけの多数の触手で身体の自由が奪われ………、全裸にされ………、さらに感じやすいところを触手が執拗に攻めてくる。

 

 優希は、たちまち頭の中が真っ白になった。

 そして体感時間で一時間が過ぎた頃、

「2000、4000!」

 美和の点数申告の声が聞こえてきた。これで、優希と泉は美和ワールドから実世界に意識が戻ってきた。

 

 なんだか、妙に恥ずかしい。

 この会場で全裸にされて触手プレイをしていたような錯覚に陥る。

 身体から椅子の上に何か出ている。

 麻雀で、こんな体験をするのは、さすがに初めてだ。

 まあ、一般常識で考えれば、麻雀の最中に、こんな経験をしている方が異常であろう。

 さすがの優希も、

「(こんなのってないじょ!)」

 今の状況に激しく赤面していた。

 

 ただ、視聴者からすれば、まさかの出来事であった。優希の東場の親が一瞬で流されるとは夢にも思っていなかったのだ。

 幻の天和が出るのを期待していた人も多かったのだが、まさか、そこまで辿り着かずに東一局が終了してしまうとは………。

 水戸黄門の印籠が見られなかった時くらい残念がる人も多かったようだ。

 

 

 東二局、美和の親。

 ここでも、

「ツモ!………4000オール!」

 

 東二局一本場も、

「ツモ!………4100オール!」

 美和がツモ和了りを決めた。

 

 優希は、

「(きっと今頃、例の掲示板で盛り上がってるんだじぇい。)」

 外野の状況を良く理解していた。

 

 そして、東二局二本場。

 頭がすっかり回らなくなった泉は、中盤になってノーケアーで初牌の{①}を捨てた。

 当然の如く、これを咲が、

「カン!」

 大明槓した。

 そして、

「もいっこカン! もいっこカン! ツモ! 対々三暗刻三槓子三色同刻嶺上開花! 16600です!」

 あっという間に倍満ツモを決めた。これは泉の責任払いになる。

 

 

 東三局、咲の親。

 ここでも、

「カン! ツモ! 嶺上開花混一チャンタドラドラ! 18000!」

 

 東三局一本場も、

「カン! ツモ! 嶺上開花! 24300!」

 

 東三局二本場も、

「カン! ツモ! 嶺上開花! 33600!」

 泉の捨て牌から大明槓を仕掛け、嶺上開花で和了った。これらは、全て泉の責任払いとなり、ここで泉のトビで終了となった。

 

 

 対局が終了したが、優希も泉も対局後の挨拶ができない。

 椅子が大変なことになっていて、恥ずかしくて立ち上がれなかったのだ。

 泉は、美和とは昨日の二回戦でも戦ったが、免疫など付きようが無い。ただ頭がおかしくなるだけだ。

 それで集中できなくなって甘い牌を切れば、咲が容赦なく大明槓を仕掛けて高い手を和了ってくる。これは責任払いにされる。

 本当に最悪な対局だった。

 

 見ている側の時は、

『みかんジュースwwwwww』

 などと笑っていたが、実際に被害者になると笑っていられなくなる。まさか、ここまで破壊力があるとは………。

 

 咲と美和は、

「「有難うございました。」」

 対局後の一礼を済ませて、さっさと対局室を出て行った。さすがに、被害者側と一緒にいるのは気まずい。

 

 一方の優希と泉は、チームメイトがスポーツタオルを持ってくるまで、椅子に腰掛けたままだった。

 

 

 同時開催された準決勝第二試合。

 鹿児島チーム、長野チーム、東京1チーム、島根チームの戦い。

 先鋒戦は、明星、栄子、光、神楽の対局。しかも、神楽が降ろしているのは、久し振りに露子の霊だった。

 

 起家が神楽、南家が明星、西家が栄子、北家が光でスタートしてこの試合。

 先ず東一局で神楽が、

「ツモ! 8000オール!」

 親倍をツモ和了りすれば、東一局一本場で、

「ツモ! 6100、12100!」

 明星がヤオチュウ牌支配からの三倍満をツモ和了りするとんでもない幕開けとなった。

 

 しかし、東二局で光が、

「ツモ。2000、4000!」

 満貫を和了ると、場の空気がガラッと変わった。栄子が16100点を削られ、ここからは明星でさえも栄子から点棒を削れなくなったためだ。

 

 さらに東三局で、

「ツモ! 2000、4000!」

 光が満貫をツモ和了りすると、さらに場の空気は禍々しく変わった。栄子が削られた点数が20100点となり、露子も栄子を削れない状況に追い込まれてしまったからだ。

 今、栄子から点数を削れるのは光だけ。

 ここで栄子が敢えてノーテンを目指す限り、栄子から更なる点数を奪い取るだけの力のある選手………光以外は聴牌できない。

 

 露子は、神楽の透視能力を使えるため、振り込むことは無いが、明星は別である。

 その後は、明星が光に振り込み、ドンドン点数を削られていった。

 

 そして最後に栄子から一発、高い手が飛び出し、これで明星がトンで光が1位、栄子が2位で東京1チームと長野チームが決勝進出を果たした。

 

 

 時間軸跳躍により、午前中の準決勝戦はあっという間に終わり、いよいよ午後開催の5位決定戦と決勝戦を残すのみとなった。

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