咲-Saki- 阿知賀編入   作:おこそとのほもよろを

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百九十本場:高校最後の世界大会6  圧勝

 大会七日目のブロック準々決勝戦。

 次鋒前半戦は、東一局一本場。美和の親。ドラは{5}。

 

 静香は、牌牌でオタ風の{西}を対子で持っていた。

 まあ、使い難い牌ではあるが、アタマとして使えるし、最悪の場合には、安牌としても使える。

 もっとも、神楽の透視力があればムリに安牌を確保しておかなくても、全ての牌が誰かの和了り牌にでもならない限り振込むことは無いのだが………。

 ところが、

『{西}を落とすべきだよ!』

 またもや静香には、咲の声が聞こえてきた気がした。

 前局のこともある。

 幻聴かもしれないが、ここは咲の言うとおりに{西}から切り出した。

 

 二巡目。

『小手返しで{西}切りだよ!』

 またもや、咲の声が聞こえてきた。

 ここでも静香は、その声に従った。

 綺亜羅三銃士と呼ばれる静香には、これくらいのことは造作もないことだ。巧く小手返しを使って如何にも{西}をツモ切りしたかのように見せかけた。

 

 数巡後、

「リーチ!」

 美和がリーチをかけてきた。

 

 静香が美和の手を透視すると、その手は、

 {四[五]六③④④[⑤][⑤]⑥55[5]西}

 

 リーチドラ7の{西}単騎。しかも地獄待ちだ。

 そして、一発目でオリガが引いてきた牌は{西}。唯一の美和の和了り牌だ。

 偶然か必然か?

 いずれにせよ、咲は、これを狙っていたのだろう。

 この時、オリガは美和の現物を持っていなかった。そこに引いてきたのは二枚切れの{西}である。当然、

「(大丈夫だよね?)」

 オリガは、{西}を比較的安全な牌と踏んでツモ切りした。

 しかし、これを美和が逃すはずは無い。

 待ってましたとばかりに、

「ロン!」

 美和が和了った。

 

 次の瞬間、オリガの意識は美和ワールドへと飛ばされた。

 巨大な触手がオリガに襲い掛かる。そして、彼女の両腕両脚に絡みついて、あっと言う間に彼女は身体の自由を奪われた。

 触手からは粘性のある消化液が分泌されている。しかも、衣類のみを溶かしてくれると言う優れものだ。

 オリガが全裸にされるまで、脳内時間で一分程度だった。

 そして、粘液だらけの触手がオリガの全身………特に胸や股間を念入りに刺激する。今まで経験したことのない快感が彼女を襲う。

 

 現実世界では、

「Ohhhhhhhhh──────!」

 大きな声を上げながら、オリガが身体中をビクビクさせていた。完全に昇天している感じだ。

 それを隣で見ていたレイラは、

「(まさか、本当にこうなるなんて!)」

 ニワカに信じられないと言いたげな表情をしながら驚いていた。

 

 これまでにレイラは、最悪コンビ(咲&美和)に玉砕された選手達の映像を何回も見てきた。

 勝ち上がれば当たる相手だ。当然、敵の研究に余念は無い。

 勿論、今のオリガと同じような状態になった選手が多数存在することも知っていた。

 しかし、百聞は一見にしかずである。

 直接被害に遭うまでは、

『自分達だけは跳ね除けてみせる!』

 と根拠の無い自信に満ち溢れているものだ。

 実際にヤラれて真実を知るのだ。

 

 

 この展開に某ネット掲示板では、

『ヤッタッス!』

『スバレストです!』

『スッゴクあったかーい』

『オリガだけに、オ○ガに達してるのよー』

『相方のレイラやったら美和様にレイ○されるってか?』←洋榎

『↑うるさいそこ!』

『みかんジュースが出るでぇ~!』

『やっと見えとった未来に到達したようやな』

『姫子より激しか!』

『だから、何でいつも的井美和の相手はこうなるんだ?』←衣

『お子チャマは寝てなさい!』←智紀

『衣は子供じゃない!』

 一瞬で賑わい始めた。

 

 オリガの脳内感覚では、既に一時間が過ぎようとしていた。

 既に頭の中は真っ白であった。もはや、何も考えられない。完全に脳内は快楽のみに支配されていた。

 ここに、

「リーチ一発ドラ7の裏が二枚({④})乗って36300!」

 美和の点数申告の声が聞こえてきた。

 その直後、オリガの意識は現実世界に戻された。一応、世界大会に出場するレベルの選手だと、美和に直撃されても体感時間は一時間で済むようである。

 

 今、オリガは対局室にいる。

 しかも、対局シーンが全世界にテレビ中継されている。

 そんな中に居ながら、全裸で公開触手プレイでもしていたような感覚である。

 しかし、その一方で背徳感が刺激的でもある。

 いずれにせよ、これでオリガは対局に集中できなくなった。

 

 東一局二本場、美和の連荘。

 今回は、特に静香の頭の中に咲の声が語りかけてくることはなかった。

 美和の手を透視して、静香にはその理由が良く分かった。この局は、美和のツキがムチャクチャ良過ぎるのだ。

 たった三巡で聴牌すると、

「リーチ!」

 美和は先制リーチをかけた。

 そして、次巡、

「ツモ!」

 一発で和了り牌を引き当てた。

 

 レイラとオリガの意識が淫猥なる美和ワールドへと連れ去られた。オリガにとっては二回目、レイラは初体験である。

 ちなみに、連れ去る相手を選べるのか、神楽と静香の意識は幻の世界に飛ばされることはなかった。

 

 オリガが見る幻は、さっきの続きである。

 一方のレイラは、沢山の巨大な触手に捕えられるところからスタートする。勿論、消化液で衣類は全て溶かされる。

「Uhhhhhhhhh──────!」

「Ahhhhhhhhh──────!」

 色っぽい声を上げながらレイラとオリガの顔が紅潮していた。

 

 …

 …

 …

 

 二人の体感時間で一時間が過ぎた頃、

「6200オール!」

 美和の点数申告の声が聞こえてきた。

 その直後、レイラとオリガの意識は現実世界に戻された。

 

 まさか、こんな麻雀が存在するとは………。

 実際に経験して、レイラは、最悪コンビの相手が見せた表情は全て本物であることを理解した。

 しかし、頭の中はドピンクである。

 もはや麻雀に集中できる状態ではなかった。

 

 東一局三本場。

 ここで美和が神楽(静香)にサインを送った。

 と言っても、

「ゲロゲロッ!」

 と言葉を発しただけ。配牌が悪くて思わず声が漏れたように聞こえるものだった。

 神楽の能力で透視できる静香には、美和の配牌の悪さは言われなくても分かる。

 ただ、美和がサインを送ってきたと言うことは、この局は静香の和了りに期待していることも意味している。

「(じゃあ、ここは私がやりますか!)」

 静香は、気合いを入れて手を進めた。

 

 この局は、オリガの捨て牌が妙に甘く感じた。

 美和ワールドに連れて行かれた女子高生にありがちなパターンだ。

 頭は真っ白あるいはドピンク状態で、麻雀ができるコンディションでは無い。それでいて美和ワールドに行くことを身体が願っている。

 つまり美和に振り込みたがっているのだ。

 

 中盤に入った。

 持ち前の豪運で、静香は欲しい牌をドンドン引き入れていった。まるで、咲や衣のような超鬼ツモである。

 そして、静香が聴牌した直後にオリガが切ってきた{①}で、

「ロン!(ワタシの{①}!)」

 静香が和了った。

 

 開かれた手牌は、

 {①③③③白白白發發發中中中}

 

 高目の和了り。大三元四暗刻であった。

「64900!」

 これでオリガのトビで前半戦が終了となった。

 

 

 休憩時間に入った。

 レイラとオリガの椅子が大変なことになっている。毎度の如く、休憩と言いながらも実態は清掃時間である。

 清掃後に、両チームの控室には改めてスタッフから連絡が行くことになった。

 

 控室に戻ると、静香は、

「宮永さん!」

 咲に話しかけた。勿論、聞きたいことは一つ。自分の頭の中に語りかけてきた声のことである。

「勝ち星おめでとう。」

「有難う。それで、聞きたいことがあって。実は、対局中に宮永さんの声が聞こえたんだけどさ。」

 すると、和が、

「幻聴で咲さんの声が聞こえてくるなんて、あなたも咲さん狙いですか?」

 と訳の分からないことを言ってきた。

 しかし、静香は和を無視して咲に話し続けた。

「東一局は、いきなり{②}を捨てるように。一本場では{西}を捨てるようにって。しかも二枚目の{西}を捨てる時は小手返しも必要だって。」

「だからオリガは美和ちゃんに{西}を振ってくれたでしょ?」

「まあ、そうだけど。」

「東一局も、{②}を先に切っておけば、多分オリガは振ってくれたと思うよ。」

「そうなんだけど、どうしてそれが分かったの? それに、なんで私のところまで声が聞こえてきたの?」

「牌が分かったのは何となくだよ。」

「えっ?(マジで?)」

「勿論、コンビ打ちだからパートナーが親で高い手を張りそうなら、パートナーに和了らせるための策を取るべきだしね。」

「…。(それはそうだけど、山にある牌は見えないもの………)」

「あと、声が聞こえたのは神楽ちゃんの霊力が絡んでるんじゃないかな?」

「たしかに、それはあるかもしれないわね。でも、宮永さんが歴代最強って呼ばれるのが改めて分かった気がする。じゃあ、また………。」

 そう言うと、静香の生霊は神楽の体内から抜け出て行った。

 もう少し細かいところまで聞きたいところだが、別に、この日の試合が終わってからでも良いだろう。

 

 

 この頃、某ネット掲示板では、

『やっぱりオリガはオ○ガ、レイラはレイ○や!』←洋榎

『この未来は見えてたのよー』

『未来ネタはうちのもんや! この未来は分かってたで!』

『↑うるさい! そことそことそこ!』

『みかんジュースが出るでぇ~!』

『でも、みかんジュースって表現、もうやめない? みかんがカワイソ!』←みかん

『今回はミックスジュースには、ならへんかったな』

『やっぱり美和咲コンビじゃないとダメだじぇい!』

『美和咲って、和と咲の美しいユリフラグに見えます』←和

『最悪コンビな! 美和&咲』

『ってことは、和と咲の美しいユリフラグは最悪ってことね!』←久

『まあまあだったけど、次にルーマニアと当たることに期待するッス!』

『ナヴィアとエミリアな!』

『現エースのナヴィアはロシアのイリーナに次ぐ今大会美女ナンバーツー、エミリアは今大会ナンバースリーの美女!』

『この二人と最悪コンビが当たったらスバラです!』

『それ、素敵です』

『あったかくなりそう!』

『そんなことよりオモチ画像をアップするのです!』

 ルーマニア戦への期待が俄然高まっていた。それから、みかんの書き込みは全員が何気にスルーしていた。

 

 

 大会スタッフから、後半戦が5分後に開始されるとの連絡が入り、美和と神楽は、対局室へと急いだ。

 二人が対局室に入室すると、既に、そこにはレイラとオリガの姿があった。

 場決めがされ、起家はオリガ、南家はレイラ、西家は神楽、北家は美和に決まった。

 

 東一局は、前半戦東三局と同様に、オリガの暴牌が目立った。まるで美和に当たってくれと言わんばかりの捨て牌である。

 そして、そのリクエストに応えるが如く、

「ロン!」

 美和のハネ満手が炸裂した。

 その直後、オリガの顔に笑みが灯った。和了られたことに悔しがるどころか喜んでいるように見えた。

 そして、オリガの意識は淫猥なる美和ワールドへと飛ばされた。

 かつて無い快楽のみの官能の世界。

 その地へ望んで進んで行った感じだ

 もう、オリガは完全に美和ワールドの虜になってしまったようだ。

 …

 …

 …

 

 

 東二局は、

「ロン!」

 美和はレイラからハネ満を直取りした。

 オリガだけではなく、レイラも捨て牌が甘くなっていたのだ。

 これが綺亜羅高校ダブルエースの一人。絶対に対局したくない女子高生雀士ナンバーワンにして女子高生ホイホイと呼ばれる的井美和の脅威の麻雀である。

 この振込みで、レイラの意識はドピンク色に染まった世界へと落ちていった。

 …

 …

 …

 

 

 東三局、神楽の親。

 ここで神楽は、

「ポン!」

 三巡目にレイラがツモ切りした{東}を鳴き、その二巡後に、

「カン!」

 {東}を加槓した。

 新ドラは{東}。モロ乗りである。

 

 そして、さらにその次巡、神楽は、

「カン!」

 {⑤}を暗槓した。

 次の新ドラは{⑤}。これもモロ乗りであった。

 

 今、神楽には綺亜羅三銃士の二人目、竜崎鳴海の生霊が降りていた。

 いつもに比べて鳴海は調子が良い。副露された牌だけでダブ東ドラ10と、既に親の三倍満が確定している。

 しかも、手の中には{[5]}が含まれていた。つまり、ダブ東ドラ11で、親の数え役満になっていた。

 これは、神楽の霊力が加算されたことで鳴海の能力がパワーアップしていたのだろう。

 

 一方のレイラは、本来であれば止まるはずの牌が止まらない。何も考えられずに暴牌を打つ。頭がドピンクなのだから仕方が無いだろう。

 そして、その牌を逃さず、

「ロン! 48000!」

 鳴海が和了った。

 

 その後も、鳴海と美和が一方的に和了り続け、次鋒後半戦も日本チームが圧勝し、二つ目の勝ち星を手に入れた。

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