咲-Saki- 阿知賀編入   作:おこそとのほもよろを

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百九十一本場:高校最後の世界大会7  最高視聴率

 大会七日目のブロック準々決勝戦。

 中堅戦は、日本チームからはエースペアの咲と光が参戦。

 対するロシアチームの中堅は、こちらもエースコンビのエレナとイリーナだった。

 対局室に中堅選手達が入室してきた。

 この顔ぶれをテレビで観たまこは、

「これは一方的な試合になりそうじゃのぉ。」

 と呟いた。

 これによって、毎度の如く時間軸が飛んだ。

 

 イリーナは先鋒戦で咲と対局し、既に巨大湖形成を経験していた。それもあって、最初から怯えていたし、手が縮こまっていた。

 エレナも、咲と光を相手に意気消沈している。昨年、暴れ捲くった超魔物二人を目の前にして、さすがにエレナも勝てる気がしなかったのだ。

 当然、試合は日本チームの一方的な展開となり、ここで日本チームが三つ目の勝ち星をあげて日本チームのブロック準決勝戦進出が決まった。

 

 

 大会八日目のブロック準決勝戦。

 日本チームの相手はルーマニアチーム。

 最悪コンビと呼ばれる咲と美和のペアが、超美女軍団と呼ばれるルーマニア選手の恥ずかしい映像を、どのレベルまでプロデュースしてくれるだろうか?

 そんな低俗なことが、第三者視点では勝手に見所とされていた。

 

 誰もが先鋒で最悪コンビが出場して、いきなり目の正月を思い切り楽しませてくれると期待していたのだが………、対局室に姿を現したのは神楽と和。

 どうやら、日本チームの先鋒は咲・美和コンビではないらしい。

 対するルーマニアチームの先鋒は、巨乳美女のラビニア(3年生)と、スーパーモデルのジーナ(3年生)。

 この時、神楽は、

「(去年、宮永さんが泣いたのが分かる気がする………。)」

 と心の中で呟いていた。

 ルーマニアチームの二人は、それこそ敬子やみかんに匹敵するレベルの超美女である。

 そして、自分のパートナーも日本の女子高生雀士美女ランキング6位の美少女。

 これだけ綺麗どころに囲まれたら、自分だけ沈んで見える。

 

 昨年の世界大会で、咲は痩身美女ダニエラ(ルーマニア)、みかんレベルの美女リリア(ジョージア)、大会ナンバーワン美女のナタリア(ロシア)に囲まれて涙目になっていたが、あの時の咲の気持ちがイヤと言うほど理解できる。

 

 この頃、某ネット掲示板では、

『一大事、一大事ですわ! 美和様と咲様が先鋒じゃありませんわ!』

『そんなオカルトありえません!』←誰だこいつ?

『ないないっ! そんなのっ!』

『美和咲を出し惜しみしてるし!』

『相手は巨乳美女にスーパーモデルッス!』

『でも、まだナヴィアとエミリアに当たる可能性があると思』

『そうならなきゃ詐欺だじぇい!』

『最悪コンビvsナヴィア・エミリアペアが実現する未来が見えとるで!』

『もしそうなれば、スバラです!』

『もう待てんと!』

『でも期待し照ッス!』

『みかんジュースが出るでぇ~って、この先鋒戦は出えへんな!』

『次鋒戦に期待するのよー』

 住民達は、咲と美和の登場を待ち切れない様子だった。

 

 

 場決めがされ、起家が神楽、南家が和、西家がジーナ、北家がラビニアに決まった。

 

 東一局。

 神楽は、配牌の後、理牌を終えると、

「ダブルリーチだじぇい!」

 どこかで聞いた口調で第一打牌を横に曲げた。

 この時、神楽の中には最高状態の片岡優希の生霊が降りてきていた。昨年のブロック決勝戦の時と同じである。←じゃあ、上の掲示板で七番目に書き込んだのは誰だ?

 

 ダブルリーチが相手では読みようが無い。

 待ちを読んでもムダである。優希に100%振り込まないと断言できる牌は、優希のリーチ宣言牌だけだ。

 ラビニア、ジーナ、和は自分の手を進めることだけを考えて不要な字牌捨てた。

 しかし、最高状態の優希には、ロン和了りなど必要ない。

「ツモだじぇい!」

 当然のことのように優希は和了り牌を一発で引き当てた。

「ダブリー一発ツモタンピン一盃口ドラ6(表2、赤3、裏1)で16000オール!」

 しかも和了り手は数え役満。

 今回も優希が派手な一発を見せてくれた。

 

 しかし、今の優希が一回だけで終わるはずが無い。

 東一局一本場は、

「捨てる牌が無い………。」

 いつもの台詞を呟くと、

「ツモ! 16100オール!」

 日本の視聴者達の期待に応えるが如く、天和が飛び出した。東風の神、優希ならではのスタートダッシュである。

 

 東一局二本場も、

「リーチ!」

 優希はダブルリーチをかけた。

 そして、

「一発ツモだじぇい!」

 次巡で和了り牌を掴み取った。

 しかも、

「ダブリー一発ツモタンヤオ七対ドラ6(表2、赤2、裏2)で16200オール!」

 今回も数え役満であった。

 

 ただ、さすがに役満三連発ともなると、優希の東風エネルギーもカスカス状態になる。

 優希は、

「ここからは、ノドちゃんに任せるじぇい!」

 と言うと、東一局三本場では、和が欲しいところを鳴かせ捲くった。神楽の能力で他家の手牌が透視できるのだから、和が欲しい牌くらい分かる。

 しかも和は神楽の下家である。席順にも恵まれている。

 

 今、チームトータルでは、日本チーム先鋒がルーマニアチーム先鋒の三倍近い点数を持っている。

 ルーマニアチームの二人、ラビニアとジーナには高い手を目指すしか方法が無い。

 

 一方、牌効率の良い和は、手の進みが圧倒的に早い。

 それに、和の場合は、高い手を目指す必要が全く無い。

 チーム戦なので、優希(神楽)と和の合計点がラビニアとジーナの合計点を上回っていれば良い。それこそ、安手で回せば良いのだ。

 前半戦は、その後、和が全体の半分以上を和了り、日本チームは更にリードを広げた。

 

 

 後半戦に入っても、東場は和の独壇場だった。

 前後半戦のチームトータルなのだから、ラビニアもジーナもムリにでも高い手を狙わざるを得ない。

 一方の和は、安手で回せば良い。

 牌効率の良い選手に、

『クズ手で良いからサクサク回して!』

 と言っている状態だ。とてもじゃないが、前半戦同様に和のスピードにロシアチームの二人は全然付いて行けなかった。

 

 

 南入した。

 これと同時に、一陣の温かい風が卓上に吹き付けた。

「では、始めましょうか。」

 どうやら、神楽の中に居るのは南場の鬼神、南浦数絵のようだ。

 数絵は、たった三巡で聴牌すると、

「リーチ!」

 即リーチをかけた。

 そして、次巡で、

「ツモ!」

 彼女は余裕のツモ和了りを見せた。

 しかも彼女の南場の手は、裏ドラが乗って、大抵は満貫かハネ満になる。今回もハネ満ツモであった。

 

 結局、その後も南場は数絵と和の超スピードが場を征し、先鋒戦は、日本チームが余裕で勝ち星をあげる結果となった。

 

 

 続いて次鋒戦が行われる。

 対局室に姿を現したのは、日本チームからは咲と美和、そして、ルーマニアチームからは、よりによってチームナンバーワン美女でエースのナヴィア(2年生)とチームナンバーツー美女のエミリア(3年生)だった。

 大会ナンバーツー美女とナンバースリー美女のコンビとも言われる。

 まさに、視聴者達が望んだ最高の対局。最悪コンビとスーパー美女コンビのエロエロ対決である。

 

 この四人の映像が映った途端、某ネット掲示板は、

『北ッス!』

『これは期待できるじぇい!』

『最高の対決ですよー!』

『最高視聴率も期待できるのよー』

『みかんジュースが出るでぇ~!』

『パインジュースも出ると思』

『ミックスジュースが出来てナンボ! 出来てナンボですわ!』

『最高の未来が見えるで!』

『ダル………』

 当然、賑わっていた。

 

 

 実は、

『最も視聴率を稼げるオーダーにするように!』

 と、日本チーム監督の慕は日本麻雀協会を経由して外部団体から依頼されていた。

 慕は、神楽の霊能力で相手のオーダーを事前に知ることができる。それで、次鋒にナヴィアとエミリアが出ると知って、最悪コンビを次鋒に配置したのだ。

 

 

 もし、この場にいるのがナヴィアとエミリアと咲の三人だったら、昨年同様、咲は勝手に落ち込んで涙目になっていたかも知れない。

 しかし、今回は美和が一緒にいてくれる。

 仲間(共に日本女子高生美女ランキング1000番台:決して低くは無い)がいてくれると非常に心強い。

 

 一方の美和は、咲の手を握りながら、

「絶対に勝とうね!」

 と嬉しそうな表情で言った。

 もう、超絶美少女のナヴィアとエミリアに、恥ずかしい幻を見せたく堪らないようだ。完全にヤル気マンマンである。

 

 

 場決めがされ、起家は美和、南家はエミリア、西家は咲、北家はナヴィアに決まった。

 そして、早速東一局がスタートした。ドラは{⑤}。

 

 一巡目。

 咲は、敢えて配牌で対子になっていた{東}を切った。普通はありえない打ち方である。

 ところが、

「ポン!」

 これを有り難く鳴いた選手がいた。親の美和だ。咲は、美和に和了らせるためにわざと{東}を落としたのだ。

 

 その数巡後、今度は咲が、よりによってドラの{⑤}を切った。

 すると、

「ポン!」

 これも美和が鳴いた。

 いや、これも正しくは咲が狙って鳴かせたのだ。

 

 しかも、美和が持っていた対子は、共に赤牌。これで、副露されている牌だけで、ダブ東ドラ5のハネ満が確定した。

 さらにここに、赤牌を一枚でも持っていれば倍満になる。

 こうなると、ルーマニアチームの二人は、自分の和了を目指すよりも美和への振込みを回避する方に気を回す。

 

 ただ、ここには卓の牌を全て把握しているバケモノが居る。そのバケモノ………咲は、

「ポン!」

 鳴いて美和の和了り牌が彼女のツモの位置に来るようにサポートした。

 その直後、

「ツモ!」

 美和が和了った。

 ナヴィアとエミリアの意識が、美和がプロデュースする幻の世界へと連れ去られた。

 …

 …

 …

 

 二人とも別空間にいる。互いの姿は見えない。

 そこで、各々が巨大な食虫植物に襲われる幻を見させられる。

 毎度の如く、粘液にまみれた巨大な触手群が美女達を襲う。それらは、四肢に絡みついて動きを封じると、その粘液………消化液で彼女達の衣服を溶かす。

 何故か溶けるのは衣服だけ。肉体は溶かされない。

 そして、一瞬のうちに二人とも全裸にされた。

 粘液まみれの触手が全身を隈なく刺激する。大事なところは、特に念入りに刺激する。

 現実世界では、ナヴィアもエミリアも、

「Ahhhhhhhhh──────!」

「Ohhhhhhhhh──────!」

 赤らめた顔で気持ち良さそうに大声を上げていた。

 

 当然、某ネット掲示板の住民達は、

『一大事、一大事ですわ! 歴史的一大事ですわ!』

『期待に応えてくれたッス!』

『さすがだじぇい!』

『スバラな目の正月です!』

『美味しいみかんジュース、搾りたてですよー!』

『みかんジュースじゃなくて潮汁にしない?』←みかん

『この未来は見えとった! まだまだ続くで!』

『やっぱり逝ったし! みかんジュース!』

『みかんジュースが出るでぇ~!』

『世界的に高視聴率になっていると思』

『サキサマトミワサマ、サイコウデス!』

『チョー嬉しいよー!』

『録画してるのよー』

 大喜びだった。

 

 今回もみかんの主張は無視されたようだが、この板で、こいつらを、いくら説得しようとしてもムダであろう。

 もっとも、みかんジュースネタは、この板だけの用語であって、他の板では、みかんのファンが徹底的に排除してくれているようだが………。

 …

 …

 …

 

 

 ナヴィアとエミリアの体感時間で約一時間が経過した。

 未だ、美和ワールド内で身体中を刺激され捲くっている。

 二人とも、頭の中は真っ白で何も考えられなくなっていた。脳内は、完全に生殖本能が意思を抑え付けていた。

 ようやく、美和の点数申告の声が聞こえてきた。これで、二人の意識は現実世界に戻される。

 しかし、

「ダブ東ドラ6。8000オール!」

 美和の手の中には{[5]}も含まれていた。いきなりの親倍ツモである。

 ルーマニアチームにとっては厳しいスタートとなった。

 

 東一局一本場も、咲が美和をサポートし、

「ツモ!………8100オール!」

 またもや親倍をツモ和了りさせた。

 

 ナヴィアもエミリアも、既に頭が回らない。全然、麻雀に集中できない。

 既にルーマニアチームの二人は、脳内がピンク色に染まっていて、ただ惰性で牌を打っているだけだった。

 相手がそんな状態なら、美和は攻撃一辺倒で行ける。守備に気を回す必要は無い。

 彼女は、そのまま面白いように和了り続けた。

 

 そして、美和の手が重くなると、今度は咲が、

「カン! もいっこカン! もいっこカン! ツモ!」

 連槓から嶺上開花を決めた。

 しかも、もの凄い迫力である。

 

 当然、連槓されている間、咲の下家に座ったナヴィアに向けて、咲のオーラを乗せた副露牌が迫ってくる。

 嶺上開花を咲が決めたと同時に、

「プシャ──────!」

 ナヴィアは黄金色の泉を形成してしまった。

 …

 …

 …

 

 中盤以降は咲が暴れ捲くり、ナヴィアに続いてエミリアも、

「ジョジョ──────!」

 聖水を放出してしまった。

 結局、前半戦は圧倒的な点差を付けて日本チームが大勝利した。

 そして、後半戦も前半戦と同様の試合運びとなり、日本チームが余裕で二つ目の勝ち星をあげることとなった。

 

 

 続く中堅戦。

 日本チームからはダブルエースの咲と光。こっちはこっちで最強コンビである。

 対するルーマニアチームからは、エースのナヴィアと第二エースのエカテリーナ(3年生)が参戦したが、ナヴィアは次鋒戦から立ち直れていない様子。

 エカテリーナも咲と光のオーラをモロに受け、手が縮こまって力が出せない状態だった。

 結局、中堅戦も日本チームが前後半戦共に圧倒的な力を見せ付けて勝利し、三つ目の勝ち星を手に入れて試合は終了した。

 これで日本チームがAブロック決勝戦へと進出した。

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