「玄も灼も憧も、今日の咲との対局を覚えておいて欲しいんだ。多分、今後、他校が結託して阿知賀対策にやってくる可能性があるからね。」
晴絵は、予め咲に、玄と灼と憧を徹底的に叩き潰すよう依頼していた。
玄はドラを独占するが、今回のように手牌の全てがドラになることはレアだろう。
しかし、ドラの種類が増えれば玄の手牌はドラで溢れてくる。そして、ドラを含んだ順子がドラ刻子に変わる時、必ず河に出てくる牌がドラそばである。
ならば、ドラを増やせば中盤以降に何が切られるのか、ある程度想定できる。ドラそばか、新ドラのそばか、赤牌のそばだ。
それでも種類は多いが、三人で手分けすれば誰かしら玄から和了れるだろう。
たしかに一人で新ドラを作ることは難しい。咲でなければ、通常はホイホイ槓などできやしない。
しかし、他家三人が結託すれば可能だ。三人とも玄からのみ和了る意思確認さえできれば、刻子を持っている者が敢えて大明槓すれば良い。
一歩間違えば玄に数え役満を和了らせることになるが、玄にドラやドラそばを確実に切らせる方法としては有効だ。
それに、玄がドラを切ることでドラ支配がなくなることを他校に知られたら、当然、玄対策に拍車がかかるだろう。
今の玄からドラ爆能力を差し引いたら三軍以下の技量しかない。ドラ切りによる副作用は絶対にバレてはならないのだ。
よって、阿知賀女子学院としても対策を考える必要がある。玄の改造だ。
灼は、筒子多面聴が特徴である。ただ、今回のように筒子多面聴に移行する際に切る牌を狙われることが考えられる。
過去の灼の牌譜を見返してみると、待ち牌の少ない筒子待ち聴牌から筒子多面聴へと移行するケースが多い。ならば、筒子待ちで灼を討ち取れば良い。
これくらいのことは、千里山女子高校や姫松高校クラスであれば、既に考えていることだろう。
そうならないためにはどうするか?
一向聴から直接筒子多面聴に移行することだろう。そのためには、牌効率だけを考えてはダメと言うことになる。敢えて聴牌にとらずに一向聴のまま完全安牌を残すなどの工夫が必要だろう。
普通は、それくらい考えると思うが…。
ただ、それをやってこなかったのは、過去に晴絵が親の時に見せた効率的な麻雀…受けの広い一向聴から悪形聴牌、そして多面聴へと移行して行く打ち回しが灼の心に印象深く残っているからだろう。
それを意識改革する必要がある。そのためには、その打ち方の弱点を教え、晴絵が牌効率以外にも気を配る麻雀を教えれば良い。
憧もデジタル打ちを基本とするがゆえに牌効率が優先される。そのため、鳴き三色や鳴き一通を作る際、鳴いた時に晒す牌の近くを切ることが多い。例えば{二四五}から{三}を鳴いて{横三二四}を副露し、{五}を捨てると言った打ち方をする。
そのため、憧が作っている役が鳴き三色であれば、最初に晒した牌の色違いで近い数字の牌で待てば憧が振り込んでくれる可能性は高い。役は決め打ちしているくせに牌効率も視野に入れている弊害と言えよう。
彼女の場合も、灼と基本的に同じパターンだ。デジタルゆえの弱点とも言える。そこに敢えて非効率性を組み込んで、振り込み回避にも今以上に気を配らなければならない。
それと、咲の聴牌気配を読み取れるくらいの観察力は必要だろう。
穏乃については、山支配さえ発動していれば言うことはないが、穏乃一人の力では団体戦を勝ち抜けることはできない。
穏乃の麻雀は攻撃よりはむしろ能力を無効化する守りの麻雀。照や衣のような爆発的な稼ぎを期待することができない。点棒を稼ぐのは、むしろ玄や灼の仕事だ。
インターハイでは、マークされていなかったから勝てた。しかし、これからは徹底的にマークされる。
これが全国2位、準優勝校の宿命である。
9月に入り、国民麻雀大会が開催された。
高校二年生と三年生がジュニアAリーグ、高校一年生と中学三年生がジュニアBリーグに区分され、各リーグで各都道府県の代表者5人でチームを組み、団体戦が行われた。
メンバーは、7月末時点での所属で決めるルールになっており、長野県ジュニアBチームは、旧清澄高校メンバーを主軸にチームを組んだ。
先鋒に優希、次鋒にステルスモモこと鶴賀学園の東横桃子、中堅には平滝高校の南浦数絵、副将は和、大将に咲のドリームチームだ。
ただ、この時点では旧清澄高校麻雀部の解体と一年生部員三人の転校については明かされなかった。
長野Bチームは、一回戦を次鋒戦、二回戦を中堅戦、準決勝戦を副将前半戦、決勝戦を副将後半戦で他チームをトバし、大将の咲まで回すことなく圧倒的な力で優勝を決めた。
一方、奈良Bチームには、憧と穏乃と対等に戦えるだけの有望株がいなかった。この二人を主軸として何とか決勝戦まで勝ち残ったが、やはり長野Bチームのほうが、全体的にレベルが高かったと言えよう。
また、穏乃も憧も、二人に対して他校の生徒がどのような対策を練ってくるかを懸念していたが、相手の力量不足か、それとも隠しているのかは分からなかったが、特に対策を講じられた様子は無かった。
ジュニアAでは、奈良チームはかなりの苦戦を強いられた。
インターハイ準優勝校の阿知賀女子学院と晩成高校メンバーで結成され、玄が次鋒、宥が中堅、灼は副将で出場した。
ちなみに先鋒は小走やえだった。
一回戦から準決勝戦まで、次鋒戦では、玄がドラ爆和了りを決める前に、他家が結託して安和了りで場を回した。玄に一度も和了らせない戦法に出たのだ。
ただ、現段階では咲のようにドラを増やして玄の手から自由度を奪う戦略に出るほど度胸ある打ち手はいなかったのは救いだったが…。
灼は、予想通り筒子多面聴に移行するところを狙われた。これは、阿知賀女子学院が完全に研究されている証拠だろう。
結局、奈良Aチームは準決勝で姿を消した。
ジュニアAリーグの決勝戦は、東京チーム、大阪チーム、長野チーム、鹿児島チームの対決となり、東京チームが優勝、長野チームが準優勝、大阪チームが3位だった。
10月に入り、県予選が開催された。
この日、咲は阿知賀女子学院で初めて対局した時のように、ダテメガネをかけてカツラを被っていた。宮永咲が阿知賀女子学院に転校してきていることをギリギリまで隠そうとしているのだ。
出場校は32校。
一回戦は1位のみが二回戦進出となり24校が敗退する。
二回戦は2位までが決勝戦に進出できる。インターハイ予選の時と同じだ。
阿知賀女子学院は第一シード。初日第一試合だった。
なお、今回はシードでも一回戦免除にはならない。あくまでも強豪同士が序盤で潰し合わないように夏の大会成績を基に振り分けただけである。
秋季大会は、インターハイ予選の時とは違い、メンバーを固定せずに毎回順番を入れ替えることが可能になっている。
一回戦は、先鋒に憧、次鋒に玄、中堅に灼、副将に穏乃、大将に咲のオーダーだった。
ただ、オーダーは対局室に選手が来てはじめて知らされるシステムになっていた。よって大将戦まで回らなければ咲の存在を知られることはない。
一回戦レベルでは、まだまだ玄への対策を立てられるほどの対戦相手はなかった。しかも次鋒の選手となれば、エース級からは数段落ちる。
結局、玄のドラ爆の前には歯が立たず、玄対策も立てられぬまま、次鋒戦で決着がついた。高火力で和了る玄が他校をトバして終了したのだ。
この様子を、観戦席で千里山女子高校の船久保浩子が見ていた。
関西大会では、阿知賀女子学院が最大の敵と言ってよいだろう。それで、わざわざ偵察に来ていたのだ。
「(あいかわらずのドラ爆…。コクマ(国民麻雀大会)の時みたいに和了らせずに安手で回すのがベターかな。)」
浩子は、この時点では咲が玄に対してやった戦法までは考えていなかったようだ。
二回戦も一回戦と同じオーダーだった。
ただ、一回戦とは異なり、他家が結託して玄相手に安和了りで回す戦法を取ってきた。一回戦よりは敵のレベルも高くなっている。
そのため、中堅戦に回った。
しかし、中堅の灼は筒子多面聴への移行の際に筒子を捨てるのではなく、完全安牌の字牌を取っておき、それを捨ててリーチをかけた。
付け焼刃かもしれないが、これで他家の筒子待ちを回避した。
そして、副将戦。点数が最も低いチームを穏乃が狙い撃ち、トビ終了させた。
「(ボーリング娘も深い山の主も健在…。しかも、ボーリング娘は筒子多面聴移行時を狙われるのを前提にして打ち方を補正してきている。さすがにコクマの時のようには行かないか…。)」
浩子は、そう思いながらメモを取っていた。
ただ、阿知賀女子学院は三年生の松実宥が引退している。ならば、もう一人選手がいるはずだ。しかし、その選手はいまだに姿を現さない。
普通に考えれば、インターハイに出場していなかった以上、今の四人よりも劣る選手と言うことになるが…、やはり気になる。
そのデータが取れないことに、浩子は少々ヤキモキしていた。
決勝戦は明日行われる。
今日は一旦帰って出直そう。大阪からなら朝早く出発すれば決勝先鋒戦には間に合う。
浩子は、そう思いながら観戦室を出た。
通路に出たところで浩子は、和気あいあいと話をしながら歩いてくる面々に遭遇した。
「今日はホテルに泊まるよ。」
「阿知賀からの連続日帰りじゃきついもんね。」
阿知賀女子学院のメンバーと監督だ。
知っている顔ばかりだが、一人だけ知らない顔の娘がいる。ストレートのロングヘアで赤いメガネをかけた娘だ。
どこかで見た感じはあるが、少なくとも強者には見えない。妙にオドオドしていて弱々しい雰囲気だ。
いずれにしても被捕食側の小動物のようなタイプだろう。
その娘が、何もないところで突然つまづいた。ドジっ子属性もあるようだ。
「いったーい。」
「なにやってんのよ、美沙紀。」
「憧ちゃん、待ってよぅ。」
浩子は、
「(この娘が阿知賀の五人目? 大したことなさそうやね。)」
まさか、この少女が秋季大会で関西地区に旋風を巻き起こす化物だとは、浩子は夢にも思っていなかった。
翌日、奈良県予選決勝戦が行われた。
これから先鋒戦が始まる。
阿知賀女子学院からは、対局室に憧と美沙紀に扮した咲が来ていた。
「とうとうお披露目か。」
「仕方がないよ。今日、東京都大会が始まるらしいし、そこで和ちゃんと優希ちゃんが出場するから旧清澄の解体がバレちゃうからね。」
「でも、周りの反応が楽しみだな。じゃあ、ハルエに言われたように、情けをかけずに徹底的に暴れ回ってよね!」
「分かってるよ、憧ちゃん。」
「あと、タコスね。これを食べると起家になれるって都市伝説があるって本当?」
「長野限定だけどね。それと、対局室まで連れてきてくれてありがとう。」
「まさか、ここまで方向音痴とは思っていなかったけどね。今日は先鋒戦だけで終わらせてよ。必ず。」
「善処します。」
観戦室の巨大モニターに咲の姿が映し出された。
待望の阿知賀女子学院五人目の姿だ。
これを見て浩子は、
「(やっと出てきたか。やっぱり、あの赤メガネの子か…。まあ、関西大会には決勝進出した4校が出られるから、ここは負けても構わないってことかな?)」
と思っていた。
全国準優勝時のメンバーよりも強い者がいるなんてそうそう思えない。
咲がタコスを口にした。
「(優希ちゃん、ちょっとだけ力を貸してね。)」
そして、咲が場決めの牌を引くと、タコスパワーが効いたのか、その牌は狙ったとおり{東}だった。
咲は卓に付くとメガネとカツラを順に外してサイドテーブルの上に置いた。
その姿に、誰もが目を疑った。
何故ここにインターハイチャンピオンが?
観戦室全体がざわつき始めた。そして、アナウンサーの声が、これに追い討ちをかけた。
「阿知賀女子学院先鋒は宮永咲選手です。父親の転勤で、この9月に清澄高校から阿知賀女子学院に転校してきたとのことです。」
これを聞いて浩子は、
「(ゲッ! これってヤバイんじゃ…。急いで監督に連絡しないと…。)」
慌てて監督の愛宕雅恵にメールを入れた。
東一局がスタートした。
ルールは各校100000点持ちの点数引継ぎ制。赤ドラ4枚入りでダブル役満以上あり。ただし、単一役満でのダブル役満は認められない。
大明槓からの嶺上開花はインターハイとは違い責任払いではなくツモ和了りとする。
咲は、早速靴下を脱いで最強スイッチを入れた。
そして、序盤からいきなり、
「カン!」
暗槓し、
「ツモ! 嶺上開花ツモドラ1。60符3翻は3900オールです。」
得意の嶺上開花で和了った。
東一局一本場。
「ツモ! ダブ東ツモ嶺上開花ドラドラ。6100オールです。」
東一局二本場。
「8000オールの二本場は8300です!」
東一局三本場。
「12300オール!」
東一局四本場。
「ツモ! 嶺上開花、字一色。16400オール!」
まるで、前チャンピオン宮永照の連続和了を思わせるような点数上昇であった。しかし、今対局しているのは照ではなく咲である。点数上昇の縛りはない。
と言うことは、この点数上昇には別の意図が隠されていると浩子は考えていた。
東一局五本場。
「ツモ! 2000オールの五本場は2500オールです。」
打点がいきなり下がった。しかし、東一局六本場で、
「カン! ツモ! 70符2翻。2300オールの六本場は2900オールです。」
再び前の局よりも打点が上がった。
ただ、この不自然な翻数。これは何なのか?
「(点数調整?)」
観戦室でモニターを見詰めながら浩子は一瞬そう思った。
しかし、もし点数調整だとすると、これだけの点差を持って、何を目的に点数調整しているのか意味が分からない。
恐らく、単なる偶然だろう。浩子は、そう思うようにした。
この段階で、各校も地点は47700点まで落ち込んでいた。
しかも、咲の和了りはまだ続く。
東一局七本場。
「6700オール!」
八本場。
「8800オール!」
ちなみに八連荘を役満とするルールは本大会では適用されていない。
九本場。
「12900オール!」
やはり打点上昇している。2クール目と言うことか?
続く十本場では、
「ツモ! 嶺上開花、四暗刻! 17000オールです。」
咲は二度目の役満を和了った。
これで、点数上昇の2クール目が終わったはずだ。
既に咲以外の選手の点数は2300点まで削られていた。
次局、咲に1300オールをツモ和了りされたら芝棒も合わせると全員トビで終了することになる。
そして、十一本場。
「カン!」
上家が捨てた{①}を咲が大明槓した。
次巡、
「ポン!」
対面が捨てた{中}を咲が鳴いた。そして、その次巡、
「もいっこ、カン!」
{中}を加槓し、引いてきた嶺上牌で、
「もいっこ、カン!」
{8}を暗槓した。さらに嶺上牌を引き、
「もいっこ、カン!」
{西}を暗槓し、最後の嶺上牌で、
「ツモ! 嶺上開花、四槓子。16000オールの十一本場は17100オールです。」
当たり前のように嶺上開花で和了った。
三度目の役満。
これで、各校の点数は-14800点となり、全校トビで終了となった。
この時の咲の点数は444400点。狙ったかのような4並びの点数となった。これを見て浩子は、六本場での70符2翻での和了りの意味を理解した。
「(狙ってたのは、これだったってことか…。4並び…。まるで、対戦者全員に死を与えるみたいなパフォーマンス…。しかも、これを達成するには最後に役満で和了ることが必須になる。ってことは、役満すら狙って出せるってこと?)」
浩子は、この惨劇に身震いした。この点数調整は、役満だけではなく、それ以外の和了りも全て自分の思うとおりの和了り点に調整できていることを意味している。
「これ、シャレにならない強さや! まさに死神…。急いで戻って監督に報告せんとあかん…。」
彼女は慌てて会場を後にした。
一方、阿知賀女子学院控室では、
「本当にやれるとは…。半分冗談だったのに…。」
この脅威の点数調整能力に、言いだしっぺの晴絵は驚いていた。
決勝戦は前後半戦の半荘2回ずつの対局のため、先鋒戦で咲がどこかをトバして終了すると思っていたが、まさか本当に4並びの点数調整をした上で、前半戦東一局の連荘で終わらせるとは…。
どうせなら、
「この半荘、東二局は来ない!」
このセリフも冒頭で言わせておけば良かったと後悔した。
また、同時に、今日の夕刊で咲がどのような取り上げられ方をするか、晴絵は楽しみであった。
おまけ
時は10月。
船久保浩子は阿知賀女子学院の試合を見に奈良県大会の会場に来ていた。
観戦室から通路に出ると、浩子は、丁度そこに和気あいあいと話をしながら歩いてくる集団に遭遇した。阿知賀女子学院のメンバー達と監督だ。
晴絵「今日はホテルに泊まるよ。」
憧「阿知賀からの連続日帰りじゃきついもんね。」
浩子「(監督の赤土晴絵にドラ娘、ボーリング娘、江口先輩とインハイでイチャイチャしていた娘に深い山の主か。それと…。)」
その中に、浩子が見た事のない選手が一人いた。赤メガネでストレートロングヘアの娘だ。どこかで見た雰囲気だが、強そうな感じはしない。
その娘が何もないところで突然つまづいた。
浩子「(こいつ、ドジっ子か?)」
美沙紀(咲)「いったーい。」
憧「なにやってんのよ、美沙紀。」
美沙紀「憧ちゃん、待ってよぅ。」
憧「ほら、駅のほうに急ぐよ!」
浩子「(この娘が阿知賀の五人目? 大したことなさそうやね。)」
穏乃「駅って言えばさ、今朝きた時に詐欺に注意って放送が流れてたジャン?」
憧「振り込め詐欺のヤツね。」
穏乃「そうそう。それを聞いて思ったんだけど、パンプキン詐欺ってナニ?」
憧「はぁ?」
美沙紀「やっぱりハロウィンシーズンだからじゃない?」
穏乃「そっかぁ。この時期の振り込め詐欺のことを言うのか。」
憧「それって、還付金詐欺の聞き間違いじゃないの?」
穏乃・美沙紀「「ナニソレ?」」
浩子「(こいつら、頭のネジ緩んでるのかぁ!)」
翌日
ついに登場した咲の姿を見て観戦室がざわめいた。
アナウンサー「阿知賀女子学院先鋒は宮永咲選手です。父親の転勤で、この9月に清澄高校から阿知賀女子学院に転校してきたとのことです。」
浩子「(ゲッ! これってヤバイんじゃ…。)」
ふと、浩子は昨日の阿知賀女子学院メンバーの会話を思い出した。
山神「パンプキン詐欺ってナニ?」
死神「ハロウィンシーズンだからじゃない?」
浩子「(もしかして、魔物化するためには、頭のネジを犠牲にしないとならないとかあるんやろか?)」
同時に浩子は、先輩達のことを思い出した。
怜「膝枕ソムリエやで!」
セーラ「スカート嫌や!」
竜華「阿知賀と千里山、どっち応援しよ?」
浩子「やっぱり、あるんやろな…。まあ、それはそれとして、急いで監督に連絡しないと…。これはヤッバイで!)」
浩子は、慌てて監督の愛宕雅恵にメールを入れた。
おまけ2
咲「怜-Toki-の1巻で清水谷さんが『…むに…て…から』と言ってたけど、何て言ってたのかな?」
優希「きっと、ハ『ムに』醤油をつけ『て』食べてた『から』だじぇ!」
穏乃「昨日、『ムニ』エル食べ『て』た『から』じゃないかな?」
泉「ソド『ムに』い『て』た『から』やと思うけど?」
和「きっと、オウ『ムに』入信し『て』た『から』じゃないでしょうか?」
憧「オ『ムニ』バス見『て』た『から』でしょう?」
哩「エ『ムに』目覚め『て』いる『から』やなかと?」
姫子「淫『夢に』うなされ『て』た『から』じゃなかか?」
煌「ショ『ムニ』を見『て』いた『から』ではないでしょうか?」
爽「ジェリーよりもト『ムに』好感を持っ『て』いそうだった『から』だろ?」
竜華・怜「「(全然違うんだけど!)」」