咲-Saki- 阿知賀編入   作:おこそとのほもよろを

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二百二本場:高校最後の世界大会決勝戦10  神&本体vs分身&妹-4

 世界大会決勝中堅後半戦は、オーラスが開始された。

 親は蒔乃。

 相変わらず蒔乃の配牌は萬子が無い。

 ただ、今までとは違って筒子と字牌が中心で、これなら筒子の混一色に走るのが最良と思われるくらいだった。

 

 フレデリカの手は萬子と筒子と字牌。索子が無かった。

 索子をガメていたのはクララと咲。

 

 クララの配牌は、

 {二四八⑦1122348南北}

 第一ツモは{2}。ここから打{⑦}。

 

 その後、クララはムダツモ無く{53639}と順に引き入れた。

 ここに来て、この超鬼ツモを見せるとは、やはり慕の妹だけのことはある。超魔物と言える。

 そして、たった六巡目で、

 {1122233345689}

 {7}待ちの門前清一色の聴牌まで手を進めた。

 

 

 一方、咲の配牌は、

 {三③⑥⑨2445688東西}

 第一ツモは{3}。ここから打{三}。

 

 そして、こっちも超魔物特有の超鬼ツモを披露した、ここからムダツモ無く{[5]3568}と引き入れた。

 そして、たった六巡で、

 {2344455[5]66888}

 {12456}待ちの門前清一色を聴牌した。

 

 

 七巡目。

 クララは{9}を引いた。

 手牌は、

 {1122233345689}  ツモ{9}

 これなら、和了り牌に{1}が絡む形に変えることができる。

 いや、むしろ{1}での和了りに拘りたい。慕と同じだ。

 その想いから、クララは{8}を強打した。

 

 しかし、これを、

「カン!」

 咲が大明槓した。

 そして、引いてきた嶺上牌………最後の{6}で、

「ツモ!」

 嶺上開花での和了りを決めた。

 

 開かれた手牌は、

 {2344455[5]66}  明槓{8横888}  ツモ{6}

 

「清一タンヤオ嶺上開花赤1。16000です!」

 

 これで中堅後半戦の点数と順位は、

 1位:蒔乃 107100

 2位:咲 105000

 3位:フレデリカ 99000

 4位:クララ 88900

 ここでも咲は、蒔乃を1位とし、自らを2位としたプラスマイナスゼロを達成した。

 

 また、中堅後半戦の日本チームのトータルは212100点、一方のドイツチームのトータルは187900点となった。

 よって、中堅戦前後半戦のチームトータルは、日本チームが423500点、ドイツチームが376500点で日本チームが勝ち星を取り、日本チームが勝ち星二、ドイツチームが勝ち星一となった。

 

 この結果を見て、淡と和は、

「(なんで言ったとおりになるの?)」

「(本当に予告どおりですね!)」

 中堅戦が開始前に咲が言っていた、

『多分、フレデリカは中堅戦で、全体で三回くらいしか和了れないんじゃないかな?』

 この言葉が現実になったことに驚いていた。

 

 

「「「「有難うございました。」」」」

 対局後の一礼を済ますと、

「やっぱり咲さんには敵わないな。」

 さっそくフレデリカが咲に声をかけてきた。

 自分と同じ顔を持つ少女に、やはり興味がある。

 しかも、その少女は常識を大きく逸脱した麻雀を打つ。

 

 今回と同様に、プラスマイナスゼロの強制力は、インターハイ団体戦決勝次鋒戦でも、光、蒔乃、敬子を相手に披露していた。

 フレデリカは、実際にその脅威の力を体験して、あの時もプラスマイナスゼロで咲が挑んだ理由が分かった気がした。

 

 それに、今回は自分が半荘で1位を取るのが目的では無かった。前後半戦のトータルでチームとして確実に勝ち星を取るために選択した方法だったのだ。

 つまり、前後半戦共に蒔乃を1位に順位操作し、かつ自分を2位でプラスマイナスセロにすることを全体に強制した。

 コンビ麻雀ゆえに取れた戦略でもあったと言える。

 

 ただ、これまでの咲の対局を振り返ると、その時その時のルールを上手に使っている。

 責任払いを利用したり、槓振を利用したり、今回のようにコンビ打ち故にプラスマイナスゼロを利用したり………。

 本当に器用な選手だ。

 

 

「スマホ番号教えてもらえません?」

「うん。いいよ!」

 フレデリカは、最大のライバル………自分の本体との交友を強く願い、咲も、それを受け入れた。

 咲が完全プラスマイナスゼロで挑む決断をしたのは、咲自身もフレデリカが最大のライバルと認めてのことだ。

 これからも、二人は麻雀を通じて友情を深めて行くことだろう。

 

 

「中堅選手は退場を願います。」

 咲達は、スタッフから声をかけられ、対局室を後にした。

 

 そして、その数分後、対局室には副将選手達が姿を現した。

 日本チームからは美和と敬子、ドイツチームからはローザとニーナ。

 美和達にとっては、ここで優勝を決めたいところ。自分達の大将選手を信じていないわけではないが、副将戦で勝負を決められる方が理想的だ。

 一方のローザ達にとっては、絶対にここで勝ち星をあげて勝ち星を二対二に持ち込みたい。ここで負けたらチームの負けが決まるからだ。

 

 美和の姿を見て、某ネット掲示板の住民達の間では、

『やっと出てきましたわ! 期待しておりますわ!』

『裸で正座して待ってたッス!』

『世界戦最後のみかんジュースだじぇい!』

『私は咲さんのみかんジュースが欲しいです!』

『最高視聴率間違いないと思』

『スバラなことが起こりそうな予感がします』

『やっと出てきたのよー』

『出番が遅いと!』

『待ちくたびれたよモー』

『上に同じやな! ああ、串カツ食いたい』

『でも、咲様が出ないからミックスジュースにならないんデー』

『この中だと人魚姫のオモチが一番マシなのです』

 美和の活躍に期待する声が多かった。

 

 

 場決めがされ、美和が起家、敬子が南家、ニーナが西家、ローザが北家に決まった。

 早速、サイが振られ、前半戦が開始された。

 

 東一局、美和の親。

 非常にラッキーなことに、美和は配牌一向聴だった。

 このままだと役無しだが、この場には咲やフレデリカ、光、クララと言った超魔物はいない。なので、聴牌したら即リーチで攻めるつもりだ。

 

 どうやら、ツキはありそうだ。美和は二巡目で聴牌した。

 そして、予定通り、

「リーチ!」

 美和は捨て牌を横に曲げた。

 

 敬子は、いつも通りの字牌処理中。もっとも、万が一、敬子が振り込んだところで美和の能力は効かないし、チームとしてのマイナスにはならない。

 ニーナは美和の現物、ローザは敬子の捨て牌に合わせ打ちした。

 

 一発でのツモは無かった。自分に流れが来ていても、必ずしも一発でツモ和了りできるわけではない。

 敬子はマイペースで打つ。

 ニーナとローザは、様子を見て打ち回している感じだった。

 これが先鋒戦だったら、ローザは振込みを恐れずに、もっと攻撃一辺倒の打ち方をしてきただろう。

 しかし、今は絶対に星を落とせない。なので、振込み回避を第一優先としていた。

 

 数巡後、

「ツモ!」

 美和が和了った。

 これと同時に、ローザとニーナの意識が幻の世界に飛ばされた。

 そこで二人は、巨大な触手に四肢の自由を奪われ、粘性のある消化液で服を溶かされた。毎回、美和が見せる光景だ。

 互いの姿は見えない。そこにいるのは一人だけだ。

 

 そして、触手は粘液を出しながらローザとニーナの胸や股間をいじくり回す。

 ただ、現実世界の二人は、

「「………。」」

 何の反応も示していなかった。

 なんだかおかしい。

 

 美和が、

「リーチツモドラ3。4000オール!」

 点数申告した。

 その直後、ローザとニーナの意識が淫猥なる美和ワールドから現実世界に戻ってきた。しかし、二人ともケロっとした顔をしていた。

 こんなことは美和としても初めてだ。

 

 すると、ローザが笑いながら美和に言った。

「あれが噂に聞く世界ね。ただ、悪いけど、二人とも不感症なのね。」

「はぁっ?」

「フレデリカに能力を引き出してもらった時の代償みたいなんだけど。」

「でも、園田さんには効いたけど?」

「それは人によるみたい。不感症になったのは私とニーナだけだから。」

 これは大誤算だ。

 今回は、純粋な麻雀対決になる。←それが普通だ!

 美和ワールドが効かない相手………しかも世界大会決勝戦に出場するレベルの相手に、美和自身、どこまで喰い下がれるか分からない。

 日本チームとしては、厳しい戦いになりそうだ。

 

 一方、この様子をテレビで見ていた某ネット掲示板の住民達は、

『一大事! 一大事ですわ! あの二人、不感症ですわ!』

『そんなの鷺ッス』

『鷺じゃなくて詐欺って書いて欲し』←自分が鷺森だから

『ありえなじぇい!』

『反則じゃなかと!』

『訳わかんないし!』

『そんなオカルトありえません!』

『ないないっ! そんなのっ!』

『みかんジュースが………出えへんでぇ~』

『この未来、なんとなく見えとったけど、さすがに言えへんかったわ』

『だから、もう、みかんジュースを語るのやめようよ』←みかん

『最悪レベルにスバラくないですねぇ』

『あたたかくなーい』

『素敵じゃないです』

『最低だよモー』

『先輩が悲しんでるデー』

『チョー嬉しくないよー』

『だから美和様は先鋒に出しておけば良かったのよー』

『もしかして、もう枯れとるんとちゃうか? ああ、から揚げ喰いたい!』

『ドイツの二人、もう、あがってるん?』←竜華

『和了ったのは、まだ的井美和だけだぞ? ドイツの二人は和了ってない!』←衣

『子供は黙ってな!』←純

『あがってるの意味が分かってないみたいだね?』←国広一

『お子チャマには早過ぎるみたいね!』←智紀

『衣は子供じゃなーい!』

『ダル………』

 夢が破れて大騒ぎだった。

 ある意味、今までで一番書き込みが多かったと言う。

 

 東一局一本場。美和の連荘。

 ローザとニーナに能力が効かなかったショックで運が遠ざかったのか、美和の配牌が急に崩れた。

 いきなり五向聴だ。淡を相手にしている時と大差ない。

 

 一方、ローザは、

「リーチ!」

 たった三巡で手を作り上げると、即リーチで攻めに出た。ここが美和を叩くチャンスと踏んだからだ。

 そして、次巡、

「ツモ! メンタンピン一発ツモ一盃口ドラ5(表2赤2裏1)。6100、12100!」

 パワーヒッターは健在と言わんばかりに、三倍満ツモ和了りを決めた。

 

 点棒の受け渡しから次の配牌が終わるまでに間、敬子がいつものようにハミングしていた。曲目は毎度の如く綺亜羅高校応援歌である。

 ただ、これを聞いてローザの中から闘志が薄れていった。

 人魚の歌声が効いている様だ。

 

 一方、ニーナは目を閉じてなにやら精神を集中しているようだ。彼女には、敬子の歌声が届いていない感じだ。

 

 

 そしてスタートした東二局、敬子の親。ドラは{⑧}。

 敬子は、相変わらず第一打牌で{東}を捨てた。マイペースである。

 一方の美和は、ニーナから淡に似た雰囲気を感じ取っていた。

「(なんか、ヤバイことしそうだよ、この娘。)」

 

 美和は自分の予感が外れることを祈った。

 しかし、こう言った時に限って予感が現実化するものだ。

 ニーナは第一ツモをツモ切りすると、

「リーチ!」

 ダブルリーチをかけてきた。

 

 数巡後、ニーナが、

「私、以前、淡ちゃんちの隣に住んでいてね。淡ちゃんの麻雀に憧れてたんだ。それで私もダブルリーチできたらなって思ってたらできるようになったんだ。」

 と美和に言ってきた。

 これには、美和も、

「(マジですか?)」

 と心の中で叫んでいた。

「まあ、フレデリカのお陰だけどね。でも、ダブルリーチ槓裏4だけで、しかも最後の角を越えるまで和了れないって非効率だなって思ってたのよね。」

「(まあ、一理あるかも。)」

「だーかーらー!」

 まだ最後の角には達していない。

 しかし、ニーナは、

「ツモ!」

 それに関係なく和了った。どうやら、完全に淡のコピーと言うわけではなさそうだ。

 

 しかも、開かれた手牌は、

 {二三四五六③④[⑤]⑧⑧678}  ツモ{四}  ドラ{⑧}  裏ドラ{二}

 

 淡と違って和了り役がダブルリーチだけではなかった。

 ダブルリーチ平和タンヤオツモドラ4(表2赤1裏1)の倍満だ。

 

「4000、8000!」

 前局のローザの和了りと、このニーナの和了りで、日本チームはドイツチームとの間に一気に40000点以上もの差を付けられた。

 

 

 ここでも、点棒の受け渡しから次の配牌が終わるまでの間、前局同様に敬子は綺亜羅高校応援歌をハミングした。

 

 ローザは、この人魚の歌声を聴いて戦意を喪失し続けているようだが、ニーナの耳には届いていないようだ。前回同様、ニーナは精神を集中している感じだ。

 

 

 東三局、ニーナの親。

 美和は、ここでもニーナがダブルリーチをかけてくるかと身構えていたが、それは杞憂に終わった。

 ダブルリーチの連発はしてこなかった。

 意図的なのか、それとも連発不可能なのか?

 すると、ニーナが、

「一応、ダブリーは連発できるけど、淡ちゃんと違って私の場合は、ちょっと制限があるのよねぇ。なので、今回は普通に打つよ!」

 と美和に言ってきた。

 信じて良いのか分からないが、ダブルリーチがホイホイ出てこないようだ。これは、助かったと思って良いだろう。

 

 この局は、敬子の歌声のお陰でローザが攻める気持ちを失っていることに加え、ニーナが力をセーブしているためか、美和にツキが回ってきたようだ。

 美和は配牌で、表ドラ2枚の赤牌2枚を持っていた。

 さらに自風の{西}は配牌で一枚だけだったが、第一ツモで引き当てて対子になった。

 しかも{西}は、敬子が毎度の如く三巡目に捨ててくれる。

 それをすかさず、

「ポン!」

 美和は鳴いた。

 

 そして、ドラ面子を残したまま手を作り上げ、

「ツモ!」

 何とか和了りに辿り着いた。

 

 美和の和了りである。

 当然、ローザとニーナは淫猥なる美和ワールドに飛ばされるが、二人とも全く感じていない様子だった。

 前回からの続きなので、今回は最初から全裸状態。股間を触手で執拗に刺激されているのだが、何だか二人とも、しらけた顔をしている。

 全く感じていない!

 やはり、不感症と言ったのは本当のようだ。

 

「西ドラ4。2000、4000!」

 美和の点数申告の声を聞いてローザとニーナの意識が現実世界に戻ってきたが、やはり二人とも反応が無い。

 

 これを見ていた某ネット掲示板の住民達は、

『…。』

 完全に静まり返っていたと言う。

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