「大将戦決着───!」
アナウンサー福与恒子の声が日本中にこだました。
先鋒戦から副将戦までの勝ち星は二対二。
先鋒戦のチームトータルは、
日本チーム:552200点
ドイツチーム:247800点
次鋒戦のチームトータルは、
日本チーム:251000点
ドイツチーム:549000点
中堅戦のチームトータルは、
日本チーム:423500点
ドイツチーム:376500点
副将戦のチームトータルは、
日本チーム:373400点
ドイツチーム:426600点
そして、先鋒戦から副将戦までの全合計点は、
日本チーム:1600100点
ドイツチーム:1599900点
たった200点差だが日本チームがリードしていた。
そして、勝敗を決する大将戦。
大将戦前半戦の点数と順位は、
1位:神楽(光) 109900
2位:クララ 98200
3位:エリーザ 96400
4位:穏乃 95500
チームトータルでは、
日本チーム:205400点
ドイツチーム:194600点
そして、大将後半戦の点数と順位は、
1位:神楽(咲) 113700
2位:クララ 103600
3位:エリーザ 101800
4位:穏乃 80900
前半戦と順位は同じ。
ただ、チームトータルでは、
日本チーム:194600点
ドイツチーム:205400点
前半戦と100点棒の位まで、両者で完全に点数が入れ替わった。
そのため、大将前後半戦トータルは、
日本チーム:400000点
ドイツチーム:400000点
これにより、大将戦は引き分けとなり、勝ち星は2.5ずつとなったが、先鋒戦から大将戦までのチームトータルでは、
日本チーム:2000100点
ドイツチーム:1999900点
僅か200点だが日本チームがドイツチームを上回り、日本チームが前人未到の三連覇を成し遂げた。
…
…
…
表彰式が始まった。
3位決定戦は、3対1で中国チームが勝利していた。前回大会と同様に、銅メダルが中国チームメンバーに順次かけられていった。
アメリカチームは、二年連続でギリギリのところでメダルなしの結果に終わった。
銀メダルはドイツチームメンバー、金メダルが日本チームメンバーに順々にかけられていった。
これで咲は、女子高生世界大会で三回目、三つ目の金メダルを勝ち取った。世界で唯一人、咲だけが成し得た快挙である。
優秀選手は光、フレデリカ、クララが選ばれた。準決勝戦までの虐殺振りが評価されたと言って良い。
加えて光の場合は、決勝先鋒後半戦での咲へのダブル役満差し込みにより、超時間短縮で先鋒戦を勝利に導いたことも評価された。
コンビ麻雀では、ただ自分が点棒を溜めることだけに執着していてはダメなのだ。
そして、最優秀選手には咲が選ばれた。
単に相手を大虐殺したから最優秀賞に選ばれたと思う人も多かったようだが、実は、そうではなかった。
コンビ麻雀として重要なこと、つまり如何にパートナーを上手に使うかを良く知っており、それを器用に成し遂げたところが高く評価された。
美和とのペア、淡とのペア、光とのペア、いずれもパートナーを上手に使ってチームの勝利に繋げた。ここが、フレデリカやクララとは違うところだ。
一応、ドイツチームでも互いの個性を上手に使うように考えてはいたが、東場で能力をフルに使う選手と南場で能力をフルに使う選手に作業分担しただけである。
これだけでは、審査員達の心には響かなかったようだ。
また、全世界に夢と希望を与えてくれた美和には、特別賞が送られることになった。こんなエロ麻雀を積極的に披露する人間は滅多に現れない。
例えば、二年前だって獅子原爽はパウチカムイを使っていない。この手の能力は、持っていても隠したがる人間の方が多いのだ。
宮永照の出現から5年。
宮永姉妹………いや、宮永照、咲、光を中心に展開されたと言っても過言ではない『女子高生宮永時代』が終焉の時を迎えた。
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世界大会の最終日、咲、穏乃、恭子の三人は東京に泊まったが、神楽は明日から開催される中国四国大会出場のために広島へ、蒔乃は九州大会のために博多へ、フレデリカは近畿大会出場のために大阪へと移動した。
フレデリカは、自分と容姿が似た咲と話がしたかったようだが、今の咲は、むしろフレデリカを避けたかった。
穏乃が咲と神楽の記憶を受けた時、同様に咲も神楽の記憶を受けていた。
それで、咲も………恐らく穏乃も、フレデリカとクララの正体を知ってしまったのだ。
咲としては、フレデリカが急いで移動してくれて、今日のところは助かった。
フレデリカを前に、どういった態度を取れば良いのか、咲自身も分からなくなってしまったのだ。
一方の穏乃は、それで咲に何かを聞いてこようとはしない。何事も無かったかのようにしてくれていた。
多分、咲もフレデリカに対して、穏乃と同様の接し方をすれば良いのだろう。つまり、何事も無かったと………。
そう言えば、昨年も一昨年も、世界大会終了の後は慌しかった。
もう、咲は引退組である。
今年は、明日大阪に入り、後輩達の試合を見学する。
今の阿知賀女子学院のメンバーなら、一回戦は問題なく勝てるだろう。問題となるのはフレデリカ、マホ、真尋を擁する千里山女子高校だけと思われる。
恭子にトーナメント表を見せてもらった限り、千里山女子高校とはブロックが違うので決勝戦まで当たらない。
なので、咲は、後輩達が無事に春季大会出場権を獲得してくれると思っていたし、特段心配をしていなかった。
咲の期待に応え、後輩達は、無事決勝戦進出を果した。
ルールは昨年と同じで星取り戦。
メンバーは、
先鋒:小走ゆい(2年生:部長、小走やえ妹)
次鋒:車井百子(2年生:車井百花妹、ややオモチの娘)
中堅:藤白亜紀(1年生:藤白七実妹、現エース)
副将:宇野沢美由紀(2年生:副部長、宇野沢栞妹、かなりのオモチの娘)
大将:椿野美咲(1年生:椿野美幸妹、アンチ咲)
オーダー変更可能なルールになっていたが、今回は一回戦から決勝戦まで全てこのオーダーで望んだ。
決勝戦では、強豪千里山女子高校と対決。
千里山女子高校のメンバーは、
先鋒:フレデリカ・リヒター(2年生:咲のクローン、絶対的エース)
次鋒:椋真尋(1年生:第二エース、椋千尋の再従妹)
中堅:夢乃マホ(1年生:魔物候補生、コピーマシーン)
副将:浦野瑠子(2年生:部長、一番多く持つ牌が裏ドラになる)
大将:麻川雀(2年生:副部長、非能力者)
こちらも一回戦から決勝戦まで全てこのオーダーで望んでいた。
先鋒戦、次鋒戦は千里山女子高校の圧勝だった。
このまま千里山女子高校がストレートで優勝するかと思われたが、中堅戦で亜紀の白亜紀パワーが爆発。マホの放水を誘い、亜紀が勝ち星を得た。
その後、副将戦、大将戦では阿知賀女子学院が勝利を収め、阿知賀女子学院が逆転優勝を果たした。
しかし、もし千里山女子高校のオーダーが違っていたら、結果は変わっていただろう。
例えば副将と大将が入れ替わっていただけでも違う。
美由紀の勝利は変わらないと予想されるが、美咲と瑠子が対決したら、瑠子に軍配が上がったかもしれない。
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月日が流れ、阿知賀女子学院では卒業式が執り行われた。
インターハイ団体戦三連覇、個人戦三連覇。
春季大会では団体戦で優勝一回に準優勝一回、個人戦は二連覇。
コクマは三連覇。
世界大会三連覇。
このとんでもない記録を作り上げた女子高生も、全員主役の卒業式では、単なるモブ顔の目立たない少女になる。
逆に目立つのは援交疑惑が持ち上がる美少女、新子憧であった。
インターハイ時点での大会顔面偏差値ランキングでは10位。
宇野沢美由紀の7位には負けたが、少なくとも今年の阿知賀女子学院卒業生の中では一番の美少女とされた。
同日、白糸台高校や綺亜羅高校、永水女子高校でも卒業式が執り行われた。
白糸台高校では、大会顔面偏差値ランキング1位の佐々野みかん、6位の原村和、8位の多治比麻里香、11位の大星淡と、麻雀部員が結構目立っていた。
咲の従姉妹、宮永光は、一応顔面偏差値ランキングで上位の方だが、他の四人が凄過ぎる。白糸台高校で麻雀最強でも、この場だけは脇役のようだ。
白糸台高校麻雀部は、レギュラー五人全員が3年生だったため、秋季大会はメンバー総入れ替えで望むことになった。
その結果、都大会では優勝できず。
一応、3位入賞で春季全国大会の出場権を得ることはできたが、大幅な戦力ダウンは避けられなかった。
綺亜羅高校では、大会顔面偏差値ランキング2位の稲輪敬子が、周囲の注目を独り占めしていた。
さすがに今日は、卒業式である。
麻雀部の仲間達………的井美和、鷲尾静香、竜崎鳴海、鬼島美誇人と言った面々が、敬子に化粧をしてあげ、髪をとかし、少なくとも『残念な美少女』にならないようにと最善を尽くしてくれていたようだ。
きっと、古津節子が生きていたら、彼女も敬子をより一層綺麗に仕上げることに率先して協力してくれたに違いない。
ただ、白糸台高校と同じで、こちらも麻雀部のレギュラー五人全員が卒業である。
後輩チームは、埼玉県大会では優勝したが、関東大会では2位と順位を下げた。
新エースの茂木紅音が圧倒的な麻雀を見せ付けてくれたが、やはり三銃士、人魚姫(本性:クラーケン)、女子高生ホイホイを擁した先代には敵わない。
こちらも戦力ダウンである。
永水女子高校では、六女仙の四人目、滝見春とステルスモモこと東横桃子が卒業。
この日、桃子は咲以上に目立たないキャラを作っていた。
麻雀部は、石戸明星、十曽湧、神代蒔乃のトリプルエースの活躍もあって、九州大会優勝を余裕で果たした。
春季大会の成績が大いに期待されるチームである。
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そして、春季大会。
決勝戦は、奈良県の阿知賀女子学院、北大阪の千里山女子高校、鹿児島県の永水女子高校、そして埼玉県の綺亜羅高校の対戦となった。
白糸台高校は、残念ながら準決勝戦敗退。二年半前のインターハイで団体5位となった千里山女子高校と同じポジションになったと言って良いだろう。
優勝は永水女子高校。
次鋒の明星、中堅の蒔乃、大将の湧で勝ち星三をあげた。
2位は千里山女子高校。
近畿大会の時と同じオーダーで臨んだ。
先鋒のフレデリカが勝ち星をあげたが、次鋒の真尋と中堅のマホは敗退。勝ち星一に留まる結果となった。
阿知賀女子学院は、昨年より一つ順位を下げて3位となった。
こちらも、近畿大会の時と同じオーダーで臨んだが、勝ち星をあげられたのは副将の美由紀のみとなった。
得失点差で3位。これは、先鋒戦でのフレデリカの大虐殺が効いていた。
綺亜羅高校は4位。
昨年の3位から順位を下げ、惜しくもメダルを逃す結果となった。
咲、光と言った超魔物が卒業したものの、次なる魔物達がいる。なので、未だ、女子高生麻雀のファン達は多い。
次から次へと現れる新しい魔物達が、これからの時代を牽引して行く。
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…
そして4月。
咲は、大学に進学し、麻雀部を訪ねた。
この世界には、麻雀推薦なるものがある。
あれだけの記録保持者だ。普通に麻雀推薦で進学するかと思われたが、推薦を蹴り、一般入試で進学したと言う。
それも、推薦を断った大学に一般入学すると言う、傍から見たら実に非効率なことをしていた。
多くの人々からは、
『意味不明!』
と言われたが、麻雀推薦で行ける学部と咲が行きたい学部が一致していなかったため、麻雀推薦を蹴ったと、表向き本人は語っていたようだ。
咲が進学した大学には、二学年上には宮永照、一学年上には天江衣が在籍していた。
照は麻雀推薦。衣は一般入試で入学していた。
ちなみに、龍門渕高校のメンバーは、衣以外は全員が龍門渕大学に進学。衣だけが別の大学へと進学していた。
しかも、衣一人での上京。
さすがに龍門渕透華も心配になり、スーパー執事を衣の付き人として衣の暮らすマンションの隣の部屋にムリヤリ入居させたと言う。
咲の同学年には、宮永光(麻雀推薦)、綺亜羅高校の的井美和(麻雀推薦)と稲輪敬子(指定校推薦)、風越女子高校の園田栄子(一般入試)と言った見知った人達がいた。
また、朝酌女子高校出身の出雲弥呼(いずもみこ)が麻雀部に入部した。咲と同じクラスの女性だ。
彼女は、高校時代には麻雀部には所属していなかったが、昨年の世界大会を見て感動し、何かに導かれるように咲と同じ大学へと進学した。
石見神楽の従姉妹で、神楽を凌ぐ能力者らしい。
この世界では、大学の大会は、高校のインターハイと同様の四校対決の大会と、先の世界大会のようなコンビ打ちの大会の二つがあると言う。
コンビ打ちの大会では、咲と美和の最悪コンビが再び結成される。
いずれにしても、この面子を見れば、他大学にとって凶悪なオーダーが組まれることは間違いない。
新子憧は最高学府に進学。文系である。
同じ学部の二学年上には晩成高校の小走やえが、理工学系学部の一学年上には千里山女子高校の船久保浩子がいた。
また、同じ最高学府の医学部には、綺亜羅高校の鷲尾静香が入学していた。
原村和は、咲と別の大学に進学したが、咲が暮らすワンルームマンションのすぐ近くに部屋を借りたとのことだ。
咲へのストーカー行為が懸念される。
二学年上には清澄高校の元学生議会長の竹井久と風越女子高校麻雀部元キャプテンの福路美穂子が、一学年上には臨海女子校(留学生)の雀明華が、また同学年には綺亜羅高校の竜崎鳴海、鬼島美誇人の姿があった。
さらに、ドイツチームメンバーだった西野カナコと百目鬼千里も、ドイツ留学中の単位が認められて無事に日本の高校を卒業。和と同じ大学に入学していたそうだ。
これはこれで強豪校になること間違いないだろう。
高鴨穏乃は、松実宥、松実玄、鷺森灼と同じ地元の大学に進学した。
この旧阿知賀女子学院メンバー四人の力で関西地区に旋風を巻き起こして行く。
ちなみに晩成高校の岡橋初瀬も、穏乃と同じ大学にいた。憧なら、きっとこの大学に進学すると思って、ここに決めたようだ。
来年、憧を追いかけて最高学府を受け直す気らしい。
また、関西地区と言えば千里山女性高校の園城寺怜、清水谷竜華、江口セーラが同じ女子大に進学していた。
そこには、姫松高校の愛宕洋榎、愛宕絹恵、上重漫、そして大阪最強と言われた三箇牧高校の荒川憩の姿もあった。
ただ、千里山女性高校の二条泉は、その大学には進学しなかった。新たな道を探して大阪を離れたのだ。
これには、自分を見詰め直す意味も含まれていた。
北海道では、真屋由暉子が獅子原爽と同じ地元の大学に進学。
何故かそこには、新道寺女子高校の白水哩と鶴田姫子の姿もあった。爽のパウチカムイを求めて北海道に渡ったと噂されている。
琴似栄の吉田も、この大学だ。
永水女子高校の東横桃子は、鶴賀学園の加治木ゆみと同じ大学に進学した。そこには白糸台高校の元部長、弘世菫もいた。
また、桃子と同学年には臨海女子高校の南浦数絵の姿もあった。
片岡優希と大星淡は、咲や和よりもランク下の大学に進学した。
辻垣内智葉、渋谷尭深、亦野誠子、花田煌と同じ大学だ。優希は、煌を慕って、淡は誠子を慕って、共にこの大学に決めたようだ。
また、そこには池田華菜と、何故か中田慧がいた。
それと………二条泉も、ここに進学していた。
ウザキャラ頂上決戦に出場した四人のうちの三人が揃っている。うるさい麻雀部になりそうだ。
淡と一緒に同大学に進学した佐々野みかんと多治比麻里香の胃に穴が開かないか心配だ。
初夏を向かえ、大学でも大会が開始された。
まずはコンビ打ちの大会。
咲のチームは、一先ず以下のオーダーで申請した。
先鋒:宮永咲・的井美和
次鋒:出雲弥呼・稲輪敬子
中堅:宮永照・宮永咲
副将:宮永光・園田栄子
大将:天江衣・宮永照
コンビ麻雀最強の咲と、女子高生ホイホイと呼ばれた的井美和が、いきなり女子大生雀士達を相手に大変な事を起こしそうな布陣だ。
恐らく美和は、今後、女子大生ホイホイと呼ばれることになるだろう。
また熱い闘いが始まる。
カナコと千里も、栄子と同様にドイツでの単位が認められて無事卒業出来ている設定でお願いします。
高校の部は、これで終了です。今迄お付き合いいただき有難うございます。
大学生編は別作品とせず、咲-Saki-阿知賀編入の第七部として書けるところまで継続できればと思います。