南一局二本場、穏乃の連荘。
前局では濃霧に襲われていたが、衣も光も、空一面が急に晴れ渡る感覚を受けた。
これは、雲の上に顔を出した山頂の景色だ。咲の支配力で穏乃の支配力を打ち消したのだろうか?
この局、衣は南家だ。誰にも鳴かせなければ海底牌をツモるのは自分だ。当然、志気が上がった。
光は、衣の支配力がドンドン上昇して行くのを感じた。そして、その後に続く現象………、一向聴地獄。この悪夢が復活した。
対する穏乃と咲の表情は変わらない。
追い込まれれば、それだけ強力な力を発する穏乃は、極限状態になったほうが冷静になるようだ。咲も落ち着いた感じだ。
光は、序盤で一向聴まで手を進めた。しかし、ここから全く手が進まない。鳴けもしない。完全に手が止まった。
そのまま終盤に突入する。
ラスト一巡を残したところで、
「リーチ!」
衣がリーチをかけた。そして、衣は海底牌を掴むと、
「ツモ! リーチ一発ツモ海底撈月平和ドラ1。3100、6100!」
狙い通り海底撈月を決めた。これで、衣の点数は56800点。この半荘がスタートしてからの最高得点に達した。
対する咲は6500点。もう後がない。
しかし、それでも光は、マークすべきは咲と思っていた。
「(咲は、最後まで何をしでかすか分からない。敢えて自分の点数を下げることで他家からのマークを外して、最後に一気に逆転する可能性がある。夏の長野県予選でも、役満直撃でしか逆転できない状況に自らを追い込んで、そこから天江さんに役満を責任払いさせた。世界大会でも、私の責任払いを含むダブル役満でしか逆転できない状況を作って、そこから逆転優勝。それから、去年のインターハイ決勝戦でも…。)」
光は、高校生麻雀世界大会の前…まだミナモ・A・ニーマンを名乗っていた頃に、昨年夏のインターハイ団体戦決勝戦の録画を見ていた。その劇的な咲の逆転劇を…。
記憶が戻ってから改めて思った。周りは奇跡と呼ぶが、あれこそ、咲のシナリオどおりに進んだ麻雀であると…。
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インターハイ決勝戦、先鋒戦は、起家の清澄高校片岡優希がインターハイ史上初の天和を見せた。しかし、そこから当時のチャンピオン、白糸台高校宮永照が、親で連荘し、七本場で萬子の純正九連宝燈を和了って逆転した。
次鋒戦は、各校のクセのある打ち筋に翻弄され、序盤は清澄高校染谷まこの失点が目立った。しかし、阿知賀女子学院松実宥が赤い牌を集める分、まこには他の牌が集まり、結果として彼女は、緑一色を和了った。
中堅戦では白糸台高校渋谷尭深がマークされた。彼女の第一ツモがオーラスの配牌として戻ってくるからだ。大三元程度なら意図的にオーラスの配牌に必要な牌の殆どを持ってくることが出来る。しかし、清澄高校竹井久と阿知賀女子学院新子憧の狡猾ペアが巧く場を流し、尭深のオーラスでの役満を前後半戦ともに潰した。
ここまでの点数は、互いに一進一退。しかし、続く副将戦で試合は大きく荒れた。
東三局、清澄高校原村和の先制リーチに対し、阿知賀女子学院鷺森灼が追っかけリーチをかけた。
次の和のツモは、{②}。和が、これをツモ切りした直後だった。
「ロン! 48000!」
和は、筒子多面聴の最高形、灼の筒子純正九連宝灯に振り込んでしまった。
二回戦で、自分の親の時に役満をツモ和了りされても平静を保っていた和だったが、さすがに親の役満直撃は精神的に耐えられなかった。ここから、和のデジタル打ちは完全に崩壊し、普段の彼女からは信じられないような振り込みを連発した。
全然、相手の捨牌が見えていなかったし、頭も回らなかったのだ。
結局、準決勝Aブロックで白糸台高校亦野誠子が記録した大失点を更に大きく更新する超特大失点を前半戦だけで記録してしまった。
後半戦では、和は落ち着きを取り戻し、効率良く聴牌形にもって行けたが…、一度逃げたツキを取り戻すことは中々できなかった。いくら聴牌しても全然和了れない。
それどころか、逆に他家三人に高い手をツモ和了りされ続けた。ベストを尽くしているはずだった。しかし、和は、ただ、点棒を削られるだけだった。
「(咲さん…。ごめんなさい…。)」
気の強い和だったが、今回ばかりは全国放送を忘れて派手に涙を流した。まあ、流すのは、飽くまでも涙であって聖水ではなかったが…。
大将戦でも、前半戦は、この和の不運を引き継いだのか、咲は殆ど和了れず、三校のツモ和了りにより、さらに削られる結果となった。
ところが、後半戦に入って様子が変わった。咲が徐々に追い上げ始めた。
そして迎えた後半戦東四局。
開始時点の点数は、
東家:阿知賀女子学院 120100
南家:白糸台高校 96800
西家:臨海女子高校 133900
北家:清澄高校 49200
まだ清澄高校のダンラス。しかし、ここで、
「カン! 嶺上開花、中ドラドラ!」
咲が嶺上開花による満貫を和了った。
続く南一局は咲がハネ満を、南二局では咲が倍満を和了った。ともに嶺上開花による和了りだ。まるで照の『連続和了』のような打点上昇であった。
これで南三局開始時の点数は、
東家:清澄高校 85200
南家:阿知賀女子学院 109100
西家:白糸台高校 84800
北家:臨海女子高校 120900
この追い上げで、清澄高校が3位に浮上した。
この咲の『三連続和了』は、長野県予選の決勝戦を髣髴させるものでもあった。清澄高校控室では、押せ押せムードが絶頂に達していた。
しかし、南三局の咲の親番で、白糸台高校大星淡に奇跡の手が舞い込んできた。
「(ここで、この和了りは助かるよ!)」
淡の喜ぶ顔。配牌で聴牌。しかも第一ツモでの和了り。地和だ。
「ツモ!」
ダブルリーチの能力を持つ淡だが、地和は生まれて初めての和了りだった。
そして、オーラス。親は阿知賀女子学院の高鴨穏乃。天江衣が深山幽谷の化身と比喩した深い山の支配者。
オーラス開始時の点数は、
東家:阿知賀女子学院 101100
南家:白糸台高校 116800
西家:臨海女子高校 112900
北家:清澄高校 69200
清澄高校は、役満をツモ和了りしてもロン和了りしても優勝できない状態となった。もはや清澄高校の優勝を考えるものはいなかった。ただ一人を除いては…。
ドラは{八}。穏乃の配牌は、
{一二三八①②④[⑤]⑥⑧69南南}
淡の絶対安全圏は機能していなかった。穏乃の能力で打ち消されたのか?
しかも、場風の{南}が対子で、ドラが二枚。
連荘での逆転も視野に入れれば、決して悪い配牌ではないだろう。ドラが二枚とも使えれば、{南}を鳴いて5800点の手が作れるし、門前出和了りなら南ドラ2の7700点が、門前ツモなら南ツモドラ2の4000点オールが期待できる。
ここから打{9}。
しかし、淡の配牌は、その上を行った。
{一二二[⑤]⑥⑦⑦⑧⑨7北北北}
本来であれば、淡のダブルリーチをかける能力は、場が進むにつれて強まる穏乃の無効果能力によって打ち消されるはずだった。
それが、ここで{6}をツモ。
「(地和のお陰で臨海に約4000点差をつけてのトップ。当然、臨海は逆転目指して勝負に出てくるはず。私には、ここで大きな和了りは要らないけど役無し。だったら…。)」
ここに来て、この状態。自分の能力が穏乃の能力を抑えたと思い、淡は、勝負に出た。
打{一}で、
「リーチ!」
ダブルリーチをかけた。
淡のダブルリーチは辺張待ちや嵌張待ちが多いが、今回は珍しく{5}{8}の両面待ち。誰から和了り牌が出ても良い。ツモでも良い。とにかく和了れば優勝だった。
臨海女子高校ネリー・ヴィルサラーゼの配牌は、
{一三四五⑧1[5]688東東東}
ここも絶対安全圏は機能していなかった。決して悪くは無い配牌。
「(オーラスにも運が上がるようにしておいた。たしかに運は来ている。ここは、和了ってネリー達が逆転優勝する!)」
ツモ牌は{7}、淡の捨て牌にあわせて打{一}。
一方、咲の配牌は、
{一七九②③⑧126白發東西}
バラバラだった。
淡の絶対安全圏が、まるで咲にだけ効力を発揮しているように思えた。
白ツモで、いきなりの打{6}。まるで暴牌とも言える捨て牌だった。
国士無双狙いか? と誰もが思った。
しかし、ここで国士無双を和了っても優勝は出来ない。清澄高校控え室は、さっきまでとは打って変わって通夜のように静まり返った。
二巡目、穏乃は、
{一二三八①②④[⑤]⑥⑧6南南} ツモ{八}(ドラ)
咲にあわせて打{6}。
淡は{中}をツモ切り。
ネリーは、
{三四五⑧1[5]6788東東東} ツモ{[五]}
赤ドラツモで運の上昇をさらに確信して強気の打{⑧}。
続く咲は、{七}を切った。
三巡目、穏乃は、
{一二三八八①②④[⑤]⑥⑧南南} ツモ{南}
これで、{南}ドラ3を聴牌。
この時だった。穏乃は、
「(まだリーチをかけるな!)」
と言う山の声を聞いた気がした。
それで、{⑧}を切ったが、山の声を信じて敢えてリーチをかけなかった。
淡は{九}をツモ切り。
ネリーは、
{三四五[五]1[5]6788東東東} ツモ{五}
これで聴牌。自分の運気を信じて、
「リーチ!」
打{1}で{二五8}待ちのリーチ…勝負に出た。
続く咲は、{2}を切った。
四巡目、穏乃はネリーの和了り牌である{二}を引いた。山の声に助けられたと言える。一旦回して打{②}。
五巡目、穏乃は淡の和了り牌である{8}を引いた。ネリーも{8}で和了りだが、頭ハネルールのため淡のみの和了りになる。{8}を取り込み打{三}。
六巡目、穏乃は{⑤}を引いた。ここで打{一}。
七巡目、穏乃は淡の和了り牌である{5}を引いた。打ち回して打{南}。
八巡目、穏乃は淡の和了り牌である{8}を引いた。さらに打ち回して打{⑥}。
九巡目、穏乃は淡の和了り牌である{5}を引いた。
「(これで七対子ドラ3の聴牌。大星さんの和了り牌は{5}が1枚、ネリーさんの和了り牌は{五}が1枚だけのはず。{①}も{④}も、まだ場に1枚も出ていない。だったら、私も阿知賀の優勝を目指して勝負に出る!)」
「リーチ!」
穏乃が打{④}でリーチをかけた。ハネ満確定の手だ。ロンでもツモでも和了れば優勝だ。
この映像を見ながら、ミナモは、
「三人とも、リーチをかけるべきじゃなかったと思う。」
と口から声を漏らした。それを隣で聞いていたチームメイトが、
「でも、私が大星の立場でも、ダブルリーチならかけたと思うし、他の二人の立場でも優勝を目指してリーチをかけたかもしれない。」
「たしかに、それも選択肢の一つだけどね…。でも、リーチは防御力をゼロにする。そして、三人の防御力が無くなるこの時を、じっと待っていた者がいる。」
「それって、まさか…。」
淡が{中}をツモ切り。すると、咲が動いた。
「ポン!」
咲は、第一ツモの{白}の後、{中、③、發、發、③、白、中}とツモっていた。
そして、打{⑧}で、
{②③③③白白白發發發} ポン{中横中中}
大三元を聴牌した。
次巡、穏乃、淡がツモ切りした後、ネリーが{發}をツモ切りした。
「カン!」
咲が、すかさず大明槓した。
嶺上牌は{白}。
「もいっこ、カン!」
当然のように{白}を暗槓。この連槓で、ネリーの大三元の包が確定した。大明槓からの連槓に対しても包が適用されるルールだったのだ。しかも、めくられた槓ドラ表示牌は{五}と{5}。これで淡とネリーの和了り牌は無くなった。
続く嶺上牌は、咲と穏乃の共通和了り牌である{①}だった。そして、打{②}の和了り放棄。
この時、ミナモの同僚は、咲の思惑に気が付いた。淡から和了って淡とネリーからそれぞれ16000点ずつ払わせようとしているのだろう。
しかし、ならば打{②}はいただけない。フリテン回避が出来ないからだ。
「どうして{②}切り? 出和了り狙いなら、{③}の対子落しで待ち牌を変えるはずでは…。」
ミナモも同じことを考えていた。
「たしかに、私も{③}切りだと思う。でも、もしミヤナガに、普通じゃ見えないものも見える力があったとしたら…。」
続く穏乃はツモ切り。そして、その次にツモった淡の牌は、{③}だった。ダブルリーチをかけた淡は、自身の和了り牌ではないので、当然ツモ切りした。
すると、
「カン!」
咲が大明槓してきた。これで咲の待ちは、{①}単騎になった。そして、嶺上牌をツモると、それを表にして、そのまま自分の前に置いた。嶺上牌は、{①}だったのだ。
「ツモ、嶺上開花。大三元。」
この和了りには、ネリーの包と淡の大明槓責任払いが適用される。
「白糸台高校と臨海女子高校から、16000点ずつお願いします。」
穏乃が3枚目の槓ドラ表示牌をめくった。そこに、4枚目の{①}が隠されていた。
「(宮永さんの2枚目と3枚目の嶺上牌は、どっちも{①}だったはず。ということは、私がリーチをかけた段階で、宮永さんが{①}を切らない限り、宮永さん以外の和了りは無かったと言うことか…。)」
これで、各校点数は、
1位:清澄高校 104200
2位:阿知賀女子学院 100100
3位:白糸台高校 99680
4位:臨海女子高校 95900
清澄高校の奇跡の逆転優勝であった。
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光は、今だから言える。
インターハイ団体決勝戦で、咲は、役満をツモ和了りしても出和了りしても優勝できない状態を敢えて作り、自分を他家のマークから外したと…。
そして、その状態を作るために、その前の局で淡の能力に正の干渉をして地和を和了らせ、しかもオーラスでは、淡の絶対安全圏を自分だけ受けた振りをして、他家に勝負をさせたと…。
これだけではない。咲が第一打で{6}を切ったは、穏乃が{6}を切れるようにするための援護だし、さらに咲は、オーラスで穏乃の能力に干渉して、淡とネリーの和了牌を全て取り込ませたのだと…。
南二局、衣の親。
前局の和了りで、衣は自身の支配力の上昇を実感していた。しかし、この局では穏乃の支配のほうが上回っている気がしていた。
一瞬晴れ渡ったように見えたが、今では、また深い霧に卓上は覆われている。
「(また衣の能力が塞がれているのか?)」
急に衣の心中で不安が募る。再び、他家の手の進み具合も手の高さも、何もわからなくなった。そして、一巡前に咲が切った{西}を衣がツモ切りした、その時だった。
「「ロン!」」
穏乃と光のダブロンだった。
本大会ではインターハイとは違い、二家和(ダブロン)、三家和(トリロン)が認められていた。
「北一盃口ドラ2。8000!」
穏乃の元気な声。そして、もう一人。
「七対ドラ4。12000!」
光の力強い声。
これで各選手の点数は、以下の通りになった。
1位:天江衣 36800
2位:宮永光 32900
3位:高鴨穏乃 23800
4位:宮永咲 6500
光が衣を射程圏内に捕らえた。
南三局、咲の親。ドラは{一}。
ここでは、
「チー!」
咲が捨てた{一}を鳴いて、早々に光が聴牌した。ダブ南チャンタドラ1の満貫聴牌。これを和了れれば逆転トップになれる。
しかし、これを阻止するかの如く、
「ツモ。300、500。」
先に穏乃に和了られた。穏乃としても、光に満貫を和了られては困るのだ。
そして、オーラス。光の親。
衣との点差は3900点。現在、咲は後半戦でマイナス24、前後半戦トータルはプラス4になるはず。ここで、光は1000オールを和了れれば、前後半戦トータルで咲を抜いて優勝できる。当然、攻めに行く。
衣も安手で流せば良い。ここでトップを取れば、プラス20以上を後半戦で取ることができる。衣は前半戦でマイナス15だから、合計で咲を間違いなく抜ける。
穏乃も同じだ。前半戦でマイナス14だから、ここで是が非でもトップを取りたい。衣との点差は11600点。ハネ満を和了れれば優勝だ。
中盤に差し掛かった。
「ポン!」
咲が動いた。穏乃が捨てた{中}を鳴いたのだ。
次巡、衣は、
{一二二三五[五]八八①⑤[⑤]發發} ツモ{三}
七対子聴牌。
「(咲は、まだ一向聴のようだな。穏乃と光も一向聴。なら、これで衣の勝ちだ!)」
衣は、勢い良く{一}を捨てた。しかし、この時だった。
「カン!」
咲の発声…、大明槓だ。
この時の咲の手牌は、
{①①①白白發中} ポン{中横中中} 明槓{横一一一一} 嶺上牌{白}
「もいっこ、カン!」
{中}を加槓、次の嶺上牌も{白}、
「もいっこ、カン!」
{白}を暗槓、次の嶺上牌は最後の{發}
「ツモ。小三元混老対々三槓子嶺上開花。」
開かれた手牌は、
{①①①發} 明槓{中中横中中} 明槓{横一一一一} 暗槓{裏白白裏} ツモ{發}
「6000、12000です。」
ドラは不要と言わんばかりの手だった。しかも、衣が{一}ではなく{①}を切っても結果は同じ。衣が聴牌にとった時点で三倍満の和了りが決まっていた。
これで後半戦の各選手の点数は、以下の通りになった。
1位:天江衣 30500:+20
2位:宮永咲 30000:±0
3位:宮永光 20600:-9
4位:高鴨穏乃 18900:-11
そして、前後半戦の総合得点は、
1位:宮永咲 +28
2位:天江衣 +5
3位:宮永光 -8
4位:高鴨穏乃 -25
まさに、光が休憩中に予感したとおりの結果となった。これで、咲は夏春連覇を達成した。
「「「「ありがとうございました!」」」」
対局後の一礼。穏乃の声が、ひときわ大きく対局室にこだまする。
光は、咲が後半戦で自らの点数を6000点まで落とした理由に、今になって、ようやく気が付いた。
「(オーラス直前に、咲は自分の前後半のトータルをプラス4にすることで、他家全員にトップを取れば優勝できる状況を敢えて作って勝負させたってことか。それで、その罠に天江さんが嵌まり込んだ…。)」
こんな点数調整は光には出来ない。従姉妹との差を、光は、つくづく思い知らされた感じがした。
そのまま表彰式が行われ、光の首に銅メダルが、衣の首に銀メダルが、咲の首に金メダルが順にかけられていった。
穏乃はメダルを取れなかったが、4位入賞の賞状を授与された。純正阿知賀女子学院の生徒では最高位の順位である。
これで、春季大会が終了した。
明日からは、打倒阿知賀女子学院、打倒宮永咲を目標に掲げ、全国各地で早速夏の大会に向けて動き出すことになる。
おまけ
怜「園城寺怜と。」
爽「獅子原爽の。」
怜・爽「「オマケコーナー!」」
爽「この間さぁ、大人の健康カルピスってのを見たんだ。甘さ控えめ脂肪分ゼロで、容量も少な目の紙パック。」
怜「大人の健康な。健康って書いてへんかったら、大人のカルピスになって、なんかヤラしくなるなぁ。」
爽「私もそう思った。」
怜「マジックで塗りつぶす奴、出て来るんやないか?」
爽「そんな気がしなくもないね。」
怜「あとな、思ったんやけど、ガチンコ勝負って言葉あるやろ?」
爽「あれね。お宝ガチンコ勝負とかって、お宝がチ○コ勝負に聞こえるよね。」
怜「長さとか太さとかを競うんやろか?」
爽「たしかに! そうかもね。」
怜「それにしても、春季大会が終了してもうたから、これで最終話やろか?」
爽「一応、終わりじゃないみたい。でも、いずれにしても、一区切りついた第三十話(三十本場)のオマケコーナーを任せてもらえるのは光栄だけどね。やっぱりお下品コーナーを期待されてるのかな?」
怜「でも、もうお下品ネタは無いで。うち、本当は上品な女やし。」←嘘
爽「私も、実は育ちの良いお嬢様なんで。」←同上
怜「でも、春季大会終了ってことは、うちらは既に卒業してるってことやな。」
爽「時系列的にはそうなるね。怜は、卒業後はどうするの?」
怜「会社を設立するねん。」
爽「へー。どんな会社?」
怜「架空会社や!」
爽「それはマズイでしょ!」
怜「冗談やて。でも、何十年後のヤングガンガン収載になるか分からへんけど、漫画の中では、プロ雀士になるか、竜華達と大学行って麻雀やるって展開になるんやろな。」
爽「そうだね。でも、私は、どうなるんだろ?」
怜「性感マッサージ師とかどや? パウチカムイを使えば簡単やろ?」
爽「それはグッドアイデアかもね! 絶対カリスマになれるし!」
怜「って、やるんかい!」
爽「冗談だってば。で、今回は、いずれにしても中締めと言うことで、締めるとか終わるとかにちなんだネタにすれば良いのかな?」
怜「まあ、それもありやな。でも、終わりが確定したわけやないから、『締める』をつこうて何か考えよか?」
爽「じゃあ、『締める』に拘らずにひらがなで『しめる』にしよう。そのほうが、幅が広くなるからね。それで、咲-Saki-の登場人物について、何を『しめる』奴かを考えてみよう。まあ、互いに二つずつくらい言ったら次のネタに行くくらいでイイかな。」
怜「そうやな。一つのネタであんまり引っ張れそうもないし。じゃあ、玄ちゃん。ドラを占める。」
爽「占めるかぁ…。じゃあ、私は、そうだな…。原作でも書かれていないところで照や咲の相手で漏らしかけた奴はいるだろ…ってことでパンツが湿る。」
怜「パンツってなんや? 原作にはパンツなんてもんは存在せんのとちゃうか? 18巻カラーページの鶴田姫子を見れば分かるやろ!」
爽「そっかぁー。じゃあ、風越のコーチが池田の首を絞める!」
怜「ありそうやな。ほな、阿知賀子供麻雀クラブを閉める。この場合、終わりにしたと言う意味やな。」
爽「なるほど…。って、全然ネタが下品じゃないけど。」
怜「そやから、うちは全然下品な女やないしって言うとるやんか。」
爽「信じられない展開だな…。あと、パンツが湿るがボツ喰らったから、あと私の方で一つか…。咲が淡を麻雀でシメる。」
怜「今後、ありそうな展開やな。」
爽「じゃあ、二つずつネタだしたんで、次に行くね。次は三十話と言うことで、三十で連想するものについて。まず私から。一日三十品目!」
怜「それ、原作関係ないやん!」
爽「でも、慕さんとか拘りそうだよね。」
怜「まあ、そうやな。じゃあ、うちは…、アラサーや! 原作では、その年代のプロが意外と幅利かせてるっぽいし。」
爽「一応、それを初っ端から言うのは避けたんだけどね。」
健夜達の怖い視線。
怜「別にアラフォーやないからええやろ!」
健夜から幾何学的模様のオーラが出てきた。
爽「赤土さんみたいに、あとで麻雀を楽しまされないように気をつけてね。じゃあ、私はシノハユで出てくる本藤悠彗さん。誕生日が9月30日。」
怜「なんか、爽が無難なのに走っとるな…。あと一つか。ほな、洋榎がセーラに借金しとる額や。30円やったからな。ほな、次は…。」
謎の声1「オモチの無い二人が、そんな無難なトークをしていても、クソ面白くも何ともないのです! クソ食らえなのです!」
謎の声2「そうだし! クソつまんないし!」
謎の声3「たしかに、せっかくの30話でこれでは、クソスバラくありませんねぇ。」
謎の声4「そうだじぇい! 正直、クソヤロウだじぇい!」
謎の声5「そうです。クソ下品じゃない二人なんて、そんなクソオカルトありえません。」
謎の声6「クソ暖かくなーい…。」
謎の声7「クソ面白くな…。」
謎の声8「クソですよー…。」
謎の声9「クソ……ダル………。」
謎の声10「クソデー……。」
謎の声11「クソなんだからモー……。」
謎の声12「ワーハハ。引っ込めクソ……。」
謎の声13「お二人はお下品でなんぼ、お下品でなんぼですわ! こんなの、クソでしかありませんわ!……。」
謎の声14「クソ…………。」
謎の声15「クソ………。」
謎の声16「クソ……。」
………
……
…
謎のホワイトボード:クソバカヤロウと書かれている
怜・爽「「(ブチッ!)」」←何かが切れた音
怜・爽「「どうもー!」」
爽「獅子原爽と。」
怜「園城寺怜の。」
怜・爽「「お下品コーナーです!」」
爽「それにしても、クソ食らえとか、クソつまんないとか、クソですよーとか、クソバカヤロウとか、クソって表現は最強だね!」
怜「なにか失敗して、『ちくしょう!』って時も『クソッ!』で済むしな。いろんな意味で使えるな。」
爽「でも、クソって、何でクソって言うんだろうね?」
怜「そんなん知らんわ。」
爽「ウ〇コの場合は、ウンがイキむ声を表して、コが塊を意味するらしい。」
怜「じゃあ、もしイキむ声が『ウーン!』じゃなくて『ミホ!』とか『モモ!』だったら大変なるな?」
爽「たしかに!」
「「バコ!」」:突然、二人が見えない何かに頭を殴られた。
謎の見えない何か「クソ酷いネタッス。クソ頭きたッス!」
怜・爽「「クソいてぇー…。」」
結局、クソな感じの中締めでした。
読者「クソひでぇ。」