咲-Saki- 阿知賀編入   作:おこそとのほもよろを

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三十八本場:龍の支配権

 控室に玄が戻ってきた。

 想定していたとは言え、現実にドラ支配を破られると悲しいものである。玄は目に涙をいっぱい溜めていた。

「赤土先生。やっぱり、ヤラれてしまいました…。」

「咲と前チャンピオンの従姉妹だからね。やってくると思ったよ。でも、玄は、これを想定して予め特訓してきたはずだよ。」

「でも…。」

「自信を持ちなって。今こそ、特訓の成果を見せてやるんだ。」

「は…はい。」

 そうは言っても精神的ショックは隠せない。

 

 こう言う時は、美味しいものでも食べて気分転換するが一番だ。そう考えて、憧が玄に例の京太郎印のタコス………略して京タコスを渡した。

「冷めてきちゃったから、一旦レンジでチンしておいたよ。」

 控室には電子レンジも置いてあるらしい。至れり尽くせりだ。

「これでも食べて元気出しなよ、玄!」

「う…うん…。」

 つたない手つきで玄は包みを開けた。精神的ショックから手の動きもおぼつかなくなっている。

 しかし、タコスを一口食べた瞬間、

「これ、とても美味しいのです!」

 嫌な気持ちが一発で吹き飛んだようだ。恐るべし京タコスの力。

 

「あと京ちゃんがね、玄さんにこれをって。」

 咲が京太郎から預かった封筒を渡した。A4サイズの茶封筒だ。色気もない。少なくともラブレターではないだろう。

 そもそも封筒には、『同志へ』と書かれている。

 玄は、その封筒を開けて中のモノを見た瞬間、急に目付きがイヤらしくなった。

「これは、オモチコレクションなのです!」

 そこには、どこから入手したのか分からないが、霞を筆頭に、小蒔、春、和、竜華、由暉子、変身後の淡、そして、みかんの水着姿を写した画像をプリントアウトした紙が入っていた。

 いや、玄と京太郎からすれば『紙』ではなく『神』かもしれない。

 中でも特に玄の目を惹いたのは、みかんの水着画像だった。他のメンバーよりもオモチは小さいが、細身の割には大きく、しかも形が美しい。

 同封されていた京太郎のメモにも、

『必見! お薦め!』

 と書かれていた。みかんは、京太郎からの評価も高いと言うことだ。

「これは、私も見落としていたのです。このバランスがとても素晴らしいのです!」

 しかし、これを目の当たりにして、

「(もう、京ちゃんの馬鹿ぁ…。あの白糸台の中堅には、絶対に負けないんだから!)」

 咲の、みかんに対する逆恨みスイッチが、またもや入ってしまった。

 

 一方、白糸台高校控室では、

「もうドラ支配は崩れたし、これなら大量得点出来そうだよ!」

 光が、前半戦開始前とは打って変わって明るい表情を見せていた。

 ドラ支配が崩れたのなら、当然ここは全員トバシを狙う。全員トバシは咲だけの専売特許ではない。

「うん。頑張ってね!」

 みかんが光にそう声をかけた瞬間だった。

 急に、みかんの背筋に冷たいものが走った。

 この感覚は、春季大会個人戦準決勝戦で、咲、衣、憩の三人と同卓した時に感じたものに似ている。

 まあ、当然と言えば当然だ。咲の負のオーラによる攻撃が空間を越えて、みかんのところまで飛んできたのだから…。

 ただ、この不意打ちは正直キツイ。少し漏れたかも…。

「ちょっとトイレに行ってくる。」

 みかんは、股を押さえて控室を飛び出していった。彼女は、この瞬間だけは女子高生雀士の中で最も不幸な存在かも知れない。

 

 

 それから数分後、対局室に各校の次鋒が再び姿を現した。

 場決めがされ、起家が玄、南家が理沙、西家が朱里、北家が光に決まった。長野の都市伝説に従い、タコスを食した者が起家になった(ホントかい?)。

 

 東一局、玄の親。

 ドラは玄の支配下から離れている。この局は、

「ツモタンヤオドラ3。2000、4000!」

 北欧の小さな巨人、光がさくっと和了った。しかも、ドラ3の満貫のツモ。

 そして、東二局も、

「ツモタンピンドラ2。2000、4000!」

 東三局も、

「ツモ平和三色ドラ2。3000、6000!」

 共に光にツモ和了りされた。

 

 

 東四局、光の親番。

 ここでは、

「チー!」

 光が朱里の捨てた{④}を鳴いて{横④[⑤]⑥}と副露した後、

「ツモ! ダブ東混一ドラ2。6000オール!」

 親ハネをツモ和了りした。しかも、手牌には、もう一枚の{[⑤]}もある。

 四連続で満貫以上の和了りを見せ、光は、既に46000点もの稼ぎを叩き出していた。

 

 東四局一本場。

 ここでも、

「ツモ中チャンタ三暗刻ドラ3。8100オール!」

 翻数上昇を伴いながら、光が親倍ツモ和了りを決めた。

 

 続く東四局二本場も、

「チー!」

 早々に光が朱里の捨てた{2}を鳴いて{横234}を晒し、中盤に差し掛かる前に、

「ツモ! 清一タンヤオドラ2。8200オール!」

 またもや親倍ツモ和了りだ。

 これで光の持ち点は194900点となった。化物級の稼ぎだ。

 ただ、既に翻数を上昇するためには、刻子手や染め手を中心に狙って行かざるを得ない。無理が生じてくる頃だ。

 

 そして、東四局三本場。ドラは{②}。

 玄の手牌の中には{③④⑤}の面子があった。対する光の手には{②}が一枚あったが、翻数上昇のためには萬子の染め手に進む形を取らざるを得なかった。

 やむなく、不要牌となった{②}を光が捨てると、

「チー!」

 これを玄が鳴いた。

 この時だった。急に場の雰囲気が変わった。なんとなく、前半戦オーラス三本場で玄がドラ切りした時と様子が似ている。

 良く分からないが、卓を取り巻く空気の質が変わった………同卓する理沙は、そんな感覚がしていた。

 

 そこから数巡後、

「ツモ!」

 玄が和了った。

 

 開かれた手牌は

 {五六七⑤233445}  チー{横②③④}  ツモ{[⑤]}

 まさかのドラツモだった。ドラ支配は消えたのではなかったのか?

 

「1300、2300です。」

 これが咲との特訓の成果の一つだった。ドラを鳴くことで………、いや、ドラを自分から迎えに行くことで、失われたはずのドラ支配が戻ったのだ。

 

 

 南入した。

 南一局、玄の親番。ドラは{南}。

 

 玄の配牌は、

 {二四六⑤[⑤]588南南北白發中}

 ここから打{二}。

 

 二巡目、ツモ{8}、打{白}。

 

 三巡目、ツモ{南}、打{中}。

 

 四巡目、ツモ{[⑤]}、打{發}。

 

 五巡目、ツモ{[五]}、打{北}。

 この段階で手牌は、

 {四[五]六⑤[⑤][⑤]5888南南南}

 南三暗刻ドラ6聴牌。

 

 同巡、光が切った{⑤}を、

「カン!」

 玄は大明槓した。新ドラは{8}。嶺上牌は{南}。

「もう一つ、カンです!」

 そのまま玄は、{南}を暗槓した。連槓だ。次の新ドラも{8}。そして、嶺上牌は………まさかの{[5]}だった。

「ツモ。」

 開かれた手牌は、

 {四[五]六5888}  暗槓{裏南南裏}  明槓{横⑤⑤[⑤][⑤]}  ツモ{[5]}  ドラ{南}  新ドラ一つ目{8}  新ドラ二つ目{8}

 

「嶺上開花、南、ドラ14。48000です!」

 これは、光の責任払いになる。これで、光と玄の点差は一気に23000点まで縮まった。

 

 南一局一本場、玄の連荘。ドラは{六}。

 この時の玄の配牌は、

 {二三四六六七[⑤]⑦2468東南}

 ここから打{8}。

 

 二巡目、ツモ{六}、打{2}。

 

 三巡目、ツモ{[⑤]}、打{⑦}。

 

 四巡目、ツモ{六}、打{南}。

 

 五巡目、ツモ{[五]}、打{東}。

 

 そして、六巡目、ツモ{[5]}………、和了りだ!

 

「ツモ! タンヤオドラ8。8100オールです!」

 

 開かれた手牌は、

 {二三四[五]六六六六七[⑤][⑤]46}  ツモ{[5]}

 二連続の超ドラ爆。完全なる玄のドラ支配復活であった。

 

 この親倍ツモ和了りで、玄が145900点、光が136500点となり、後半戦で初めて光以外の者がトップに立った。

 玄の予想外の健闘に、観戦室では、あちこちから驚きの声が上がった。

 

 南一局二本場。ドラは{一}。

 光も当然巻き返しを考える。

「(もう一度ドラ支配を崩す!)」

 配牌には{北}と{發}が対子である。これを何とか槓子まで持って行きたい。光は、自分の持てる支配力を指先に集中した。

 まるで光の要求に応えるかのように、第一ツモで{北}、第二ツモで{發}が光の手に入り込んできた。そして、次巡、玄が捨てた{北}を、

「カン!」

 光は大明槓した。嶺上牌は{發}。当然これも、

「もいっこカン!」

 暗槓した。そして、嶺上牌の{①}を取り込むと不要牌の{八}を捨てた。

 新ドラは{九}と{2}。どちらも赤牌から離れており、玄としては扱い難いと思われる。

 

 この時、玄の手牌は、

 {一一[五]九九[⑤][⑤]22[5]6東南}

 配牌から持っていた数牌は{一一九九226}であり、玄にとって使い難くなるであろう牌として{②}、{⑧}を先に切り、続いて{北}を切ったところでの大明槓だった。

 

 ここから玄は、三巡で、

 {一一一[五]九九九[⑤][⑤]222[5]}

 ドラだけの手になった。

 

 そして、次巡、玄が引いてきた牌は{一}だった。結局、14枚目もドラ。前半戦オーラス三本場の再現だ。

 やむを得ず玄は、

「カン。」

 {一}を暗槓した。新ドラは{三}。嶺上牌も{三}だった。

 こうなったら仕方がない。玄は、聴牌に取って{[5]}を捨てた。

 すると、これを待ってましたとばかりに、

「ロン。ダブ南メンホン赤1。12300!」

 理沙が和了った。理沙は、これで、ようやく後半戦でのヤキトリを回避した。

 

 再び卓を取り巻く空気の質が変わった。ドラ支配が消えたからだ。

 しかし、これと同時に理沙は、何か嫌な予感がした。異様な胸騒ぎがしたのだ。こんな感覚は滅多に無い。

 何かとんでもないことが後々起こる気がしてならなかった。

 

 この時、阿知賀女子学院控室では、咲が、

「とうとう次のステージに進んだようです。ここからが特訓の本当の成果です。」

 と晴絵に告げた。

 卓の周りを覆う新たな空気を、咲は特殊レーダーで察知していたのだ。

 

 

 南二局、理沙の親番。ドラは{②}。

 間違いなく玄のドラ支配は消えている。ドラが理沙の配牌の中にも来ていることで、それは証明される。

 自風の{東}が二枚、配牌にある。ならば、{東}を鳴いて連荘で少しでも稼ぐ。理沙は、そう思っていた。

 第一打牌は{南}。これを、

「ポン!」

 いきなり光が鳴いた。打{北}。

 

 続く玄のツモは{中}。もともと2枚{中}を持っていたので、これで{中}が暗刻になった。ここから打{西}。これも光が、

「ポン!」

 一鳴きした。これで光は自風と場風の両方を揃えたことになる。ドラの{②}を対子で持っているので、これをアタマに固定する。打{①}。

 玄のツモは、またもや{中}。これで{中}が槓子になった。しかし、暗槓はしなかった。そして、不要牌処理として打{①}。これは、ドラの{②}が来ない前提での打ち方だ。

 

 その数巡後、

「ツモ。南西混一ドラ2。3000、6000!」

 光がツモ和了りした。これで玄を逆転して再び光がトップに立った。

 

 

 南三局、朱里の親番。

 まだ朱里だけ後半戦で和了りがない。いくら超魔物の光やドラ爆の玄がいるからと言ってヤキトリは回避したい。

 ここに来て、ようやく軽い手が来た。ドラも1枚ある。しかも、この局はツモが配牌と上手く噛み合う。

 そして、たった三巡目にして朱里は聴牌した。

「リーチ!」

 ドラ支配が消えた今なら裏ドラも期待できる。この早いリーチなら相手も読めないだろう。そう考えて捨て牌を横に曲げた。

 一発目は残念ながら不要な字牌だった。ツモ切り。

 しかし、二発目で高目が来た。

「ツモ!」

 裏ドラをめくると、1枚だが乗っていた。

「リーチツモ三色ドラ2。6000オール!」

 これでヤキトリ回避だ。しかも、理沙を抜いて後半戦3位になった。嬉しい限りだ。

 ただ、観戦室でこの対局を見ていた人達も、阿知賀女学院以外の各校控え室にいる者達も、この時の玄の打ち方に疑問を抱いていた。

 この局、玄は{發}と{中}を四枚ずつ持っていた。ならば、朱里のリーチに対しては、それらを切るのが普通だろう。間違いなく安牌だ。

 しかし、玄は、何故かそれらの牌を切ろうとはしなかった。

 

 南三局一本場。

 理沙は、急に寒気を感じた。南一局二本場の後に感じた嫌な予感が、ここで現実になるような気がしてならなかった。

 場は、極めて静寂だった。誰も鳴かず、牌を切る音だけが対局室内にこだまする。

 ただ、妙なことに、理沙も朱里も光もツモ切りが多かった。手が明らかに進んでいるように見えるのは玄だけだった。

 

 中盤に差し掛かった。

「カン!」

 玄が動いた。暗槓だ。

 晒されたのは{中}の槓子。そして、嶺上牌を引くと、

「もう一つカンです!」

 {發}を暗槓した。次の嶺上牌は{白}。これを引くと、

「もう一つカンします!」

 {白}を暗槓した。

 

 三元牌のことを英語圏ではドラゴンと呼ぶ。

 より具体的には、{白}がホワイトドラゴン、{發}がグリーンドラゴン、{中}がレッドドラゴンと呼ばれている。

 この三匹の強大な龍が全て玄のところに集結したのだ。まるでドラ支配が消えるのと引き換えに…。

 

 前々局では{中}が、前局では{中}と{發}が玄の手牌の中で勢揃いしていた。そして、まるで段階を踏むように、今回は、{白發中}全てが玄の手の中で揃ったのだ。

「ツモ! 嶺上開花大三元。8100、16100です!」

 そのまま、玄は嶺上牌で和了った。

 

 これで、各選手の点数は、

 1位:玄 158600

 2位:光 136400

 3位:理沙 53800

 4位:朱里 51200

 この役満ツモ和了りで、再び玄がトップに躍り出た。

 

 

 オーラス。光の親番。

 玄のドラ支配は、まだ復活していない。光の手にドラがあることが、その証拠だ。

「(まさか、ここで突然成長してくるとは…。もう阿知賀には和了らせちゃダメだ。)」

 光は、心の中でそう呟きながら、自分の持つ支配力をツモに集中した。

 やはり、さっきの大三元のインパクトは大きい。とにかく、これ以上、玄を暴れさせてはならない。

「ポン!」

 とにかく早い和了りを目指し、光は朱里が捨てた{東}を一鳴きした。形振り構っていられない。そして、その数巡後、

「ツモ。3900オール!」

 東ドラ3の和了りだった。

 

 これで各選手の点数は、

 1位:玄 154700

 2位:光 148100

 3位:理沙 49900

 4位:朱里 47300

 まだ玄がトップだ。それに、光は誰一人としてトバせていない。

 しかし、前後半戦トータルでは玄を抜く。それに、中堅戦は、自分のチームのみかんには悪いが咲が勝ち星を取るだろう。それで阿知賀女子学院は勝ち抜けが決まる。

 大将戦は、淡と穏乃のどちらかが取るだろう。

 問題は、副将戦を粕渕高校か新道寺女子高校に取られ、且つ大将戦が穏乃に取られた場合だ。その時は得失点差勝負になる。

 しかし、この場合、得失点差勝負に阿知賀女子学院は絡んでこない。ならば、理沙と朱里に圧倒的な点差をつけているのだから、これ以上無理をすることもないだろう。

 そう考えた上で光は、

「これで和了り止めにします。」

 後半戦の終了を宣言した。

 

 これで、前後半戦の合計は、

 1位:光 334300

 2位:玄 239100

 3位:理沙 138800

 4位:朱里 87800

 光が圧倒的点差で1位となった。これで、白糸台高校は念願の勝ち星を得た。




おまけ
今回は、池田華菜がラジオ番組のパーソナリティ役になった感じでお送りします。時間軸は、原作ではなく咲ーSakiー阿知賀編入 三十八本場に準じます。


華菜「今回は、華菜ちゃんがコーナーを持たせてもらうことになったし! やっぱり、これ、人気があるって証拠だし!」

華菜「と言うわけで、パーソナリティの華菜ちゃんだし!」

華菜が台本を見る

華菜「コーナーのタイトルは、『ウザイケダへのダメ出し』って、なんなんだし!? これ!?」

華菜「ええと、HPの質問欄にリスナーの皆さんから書き込まれた苦情とか抗議文に華菜ちゃんが答えて行くってコーナーって、前に新子憧がやったやつと随分違うし!」

華菜「どうして新子の場合は質問とかコメントで、華菜ちゃんの場合は苦情とか抗議文になってるか、意味分かんないし!」

スタッフ:質問も来てるよ!

華菜「質問も来ているみたいなので、質問から答えるし! じゃあ、最初の質問は、『東風の神』さん高校二年生からだし! 私の一つ年下だし!」

華菜「ええと、『おお、池田! 元気にしてるか!』って、年上には敬語使え敬語!」

華菜「『池田は…』って、『さん』くらい付けろ。もう、全然なってないし!」

華菜「ええと、『池田は、正直ウザイじょ。少しキャラ改変した方がイイと思うじぇ!』って、これ質問じゃないし! いきなり苦情来てるし!」

華菜「華菜ちゃんは図々しくてウザイのが売りだし! だから、キャラは変えないし!」

華菜「次の質問は、『ステルス』さんか。『華菜さんこんばんは』、こんばんはだし! このステルスさんは礼儀正しいし!」

華菜「『池田さんは、風越女子高校の特待生と聞きましたが、戦績は今一つと思います。』って、悪かったし!」

華菜「ええと、『これは、飽くまでも魔物対決ばかりさせられているためですが…』って、たしかにこれは、そのとおりだし! それを言われると、結構、華菜ちゃん辛いし!」

華菜「続きを読むし! 『ちょっと聞き難いのですが、特待生の権利を剥奪されたりしないっすか?』って…。」

華菜「これって、華菜ちゃんも心配してたし! でも、準決勝までは大活躍してるし! 華菜ちゃんが大敗してるのは全国区の魔物って周りも理解してくれてるし!」

華菜「それで首の皮一枚で繋がっていると思うし!」

スタッフ:『〇〇だし!』って言い方やめて、普通に話して!

華菜「ええと、スタッフから注意が来たし! じゃなくて来ました…。ああ、結構言い難いし! 次は、『山大好きさん』から。」

華菜「ええと、『今度、私と咲さんと天江さんで麻雀打ちましょう!』って、それって絶対ヤダし!」

華菜「では、次の苦情かなこれ? これは、『めざせのどっち』さんからです。『このコーナー、面白くありませんわ! 怜と爽のお下品コーナーの方が面白いですわ!』………。」

華菜「悪かったし!」

華菜「では次。『自縛プレイ』さんからです。『姫子がパーソナリティの『ビビクンな夜』のほうが面白か!』って、これも苦情だし!」

華菜「それから次…。『デジタル』さんから。ええと、『咲さんから『倍満なんかくれてやる! 数えなんかくれてやる!』をしてもらえたのですから、咲さんにお礼くらい言ってください』って、あれは清澄の戦略だから礼を言う筋合いは無いし!」

華菜「次は『キャプテン』さんから。『華菜、もう高校3年生だし、そろそろウザキャラ卒業した方がイイと思うわよ』って、これって本当にキャプテンからだし!」

華菜「ちょっと考えとくし!」

華菜「次は『元学生議会長』さんから。『美穂子はもらったわよ』って、これ、清澄の悪待ちだし! 勝手なこと言ってるし!」

華菜「次は、『オモチ大好き子』さんから。」

華菜「ええと、『オモチが無い人ばかりパーソナリティやっても面白くないのです! オモチベーション維持ができないのです!』って、悪かったし!」

華菜「もう、新子の時よりヒドイ苦情コーナーになってるし!」

華菜「次の苦情は…、『嶺上』さんから。」

華菜「多分、これは清澄の大将からだし!」

華菜「ええと、『いっぺん、死んでみる?』って、完全にキャラ変わってるし! それに、これ、苦情を通り越してるし!」

華菜「まだ華菜ちゃん死にたくないし! だから、清澄の大将とは、もう絶対に打ちたくないし!」

華菜「ええと、次は『にんじん嫌い』さんから…。」

華菜「誰だし!? ええと、『池田よ。今、お前のいる部屋の隣で衣と咲と穏乃で待ってる』って、それって、なんなんだし!」

スタッフカンペ:では、隣の部屋に移動してください

華菜「華菜ちゃん、絶対ヤダし!」

スタッフカンペ:副路さんが人質に取られてます

華菜「それって卑怯だし! 行かなかったらキャプテンに『華菜の人でなし!』って言われちゃいそうだし!」


結局、華菜はトビなしルールで翌朝まで魔物達相手に麻雀を打たされることになった。
たった一夜で、目からは完全に生気が失われ、まるでデク人形のようになっていた。


華菜「でも、絶対に麻雀辞めないし!」

それでも打たれ強い華菜だった。
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