咲-Saki- 阿知賀編入   作:おこそとのほもよろを

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四十七本場:神vs人間

 この決勝戦では、魔物対決が大将戦のみとなる。

 各種メディアでは、先鋒戦では小蒔が、次鋒では光が、中堅戦では咲が勝ち星をあげるとの予想がなされていた。その際、相手をどれだけ蹂躙するかも興味の対象となっていた。

 他にも、次鋒戦では玄のドラ支配や三元牌支配も話題に上がっていた。玄が光に勝つと思う人は少数派だが、それでも、あの爆発的な和了りは魅力的である。

 

 話題性としては、唯一、副将戦だけが蚊帳の外に置かれた感じだった。

 しかし、選手達にとっては、副将戦の勝敗が優勝に大きく影響するため、とりわけ重要な戦いであるとの認識が強かった。

 当然、副将戦に出場する灼、麻里香、透華、桃子にかかるプレッシャーは、相当なものだった。

 特に麻里香は、準決勝戦での戦犯的大敗を経験しており、精神的には、かなり追い詰められているようだ。いつも淡に見せる笑顔が完全に消えていた。

 

 

 いよいよ決勝戦先鋒前半戦東一局のサイが振られた。

 和は、相変わらずエトペンのぬいぐるみを抱えての対局になる。これはこれで、もう見慣れた光景だ。

 

 

 東一局、親は小蒔。

 昨年の個人決勝戦卓と同様に最初は様子を見ているのか、神降臨バージョン小蒔の鬼のようなツモは、まだ炸裂していなかった。

 

 小蒔が切った{白}を、

「ポン!」

 憧が早々に一鳴きし、比較的早い巡目で、

「ツモ! 白ドラ2。1000、2000!」

 そのまま憧がツモ和了りを決めた。

 憧の麻雀スタイルは鳴きの速攻。今回も、他家…、特に小蒔が和了るよりも前に自分が和了るつもりで攻めて行く。

 

 

 東二局、憧の親。

 ここでも当然、

「チー!」

 憧は、鳴いて手を進めた。

 

 昨年の個人決勝戦同様、小蒔は、この局から萬子一直線で手を進める。

 当然、小蒔の手からは、字牌よりも先に筒子や索子が出てくる。憧は、それを鳴いて早和了りを目指す。

 

 しかし、鳴きを武器とするのは憧だけではない。憧が捨てた{西}を、

「ポンだぜ!」

 純が鳴いた。

 ただ、純の鳴きは、手を進めることよりも流れを変えることに重点が置かれている。

 今回は、既に小蒔に萬子のツモが集中する流れになっているのを予感し、これを崩しにかかったと言ったところだ。

 

 案の定、小蒔の予定していた萬子が和のほうに流れ出した。

 ただ、これは飽くまでも小蒔の手を進めるための萬子ツモ…、すなわち小蒔の手に入ることを想定していた牌だ。連続した数字ではなく、{二、五、八}と筋で和の手に入って来た。勿論、これらが和の手に噛み合うかどうかは別だ。

 結果的に、和にとっては使い難い形で萬子が回されてきた感じだった。

 これにより、手が早く進むのは憧と純の二人に絞られた。

 

 結局、

「ツモだぜ! 2000、4000!」

 純が西ドラ3をツモ和了りした。

 

 

 東三局、和の親。

 ここでも、

「チー!」

 憧が鳴き、

「ポンだぜ!」

 純が鳴き、二人で手を進める形となった。そして、

「ツモ! タンヤオ三色ドラ1。1000、2000!」

 この局は憧が征した。

 

 

 東四局、純の親。

 まだ、小蒔の和了りは無い。憧と純の鳴き合戦に翻弄されて、手が出せないでいる感じだ。ただ、その一方で二人の攻撃パターンを学習しているようにも思える。まるで、AIの機械学習のように…。

 

 一方の和は、エンジンが、ようやくかかってきた。

 前局と同じで、ここでも、

「チー!」

 憧が鳴き、

「ポンだぜ!」

 純が鳴き、二人で手を進める形となっている。流れも純の鳴きによって常に変えられている。

 しかし、和の麻雀には流れと言うものが存在しない。飽くまでも確率論のみで全てが進んで行く。

 そして、とうとう、

「リーチ!」

 和が聴牌し、リーチをかけた。

「チー!」

 純が鳴いて一発を消した。しかし、次巡、

「ツモ。メンタンピンツモ一盃口ドラ2。3000、6000。」

 和がハネ満をツモ和了りした。{258}の三面聴で{2}を引いての和了りだ。

「(クソッ! やっぱりか!)」

 純は、心の中でそう言った。流れよりも確率が全てを征する和は、鳴きによってブレることが無い。

 

 何気に純は、山を崩す時に次の牌を見た。

 そこに眠っていた牌は最悪の{[5]}。もし、これを一発でツモられていたら倍満だったし、これを和に回していたらツキも和に持って行かれただろう。

 一応、鳴いて正解だ。

 

 

 南入した。

 南一局、再び親は小蒔。

 急に小蒔の雰囲気が変わった。今までよりも放出されるオーラが数段強くなった感じがする。本気の衣や咲を相手にしているような威圧感がある。

 憧は、少々吐き気を催した。

 

 第三者の目には、小蒔の手牌が、まるで昨年の個人決勝戦の再現のように見えた。

 今降臨しているのは最強神ではなく、三番目に強い軍神だが、咲や照、怜のような特殊能力を持つ相手がこの場にはいない。そのため、最強神でなくても圧倒的な支配力を見せ付けることができる。

 

 小蒔の手牌は、既に萬子に偏っており、しかも端牌である{一}と{九}が配牌から二枚ずつ揃っていた。そして、その手は順調に聴牌に向けて成長して行った。

 昨年の個人戦では、怜と咲のコンビネーションで、可能な限り小蒔に和了り牌を掴ませないように打ち回した。それと同じことを、ここでは憧と純に要求されるだろう。

 

「(何か嫌な予感がするぜ!)」

 純は、異様な流れを感じ取っていた。何とかそれを崩したい…。

 しかし、それを崩すチャンスすら与えてもらえなかった。憧との共闘以前の問題だ。

 結局、

「ツモ。16000オール。」

 小蒔の九連宝燈が炸裂した。

 

 開かれた手牌は、

 {一一二二三四[五]六七八九九九}  ツモ{一}

 

 {一二三}の三面聴からの和了りだった。

 ド高目は{一}の九連宝燈。今回の小蒔の和了りだ。{二}なら最安目だが、それでも親倍になる。

 これで小蒔は、一気にトップに躍り出た。

 

 南一局一本場。

 ここでも小蒔は萬子に染めていた。

 いきなり筒子や索子のチュンチャン牌から切り出されていたことから、純、憧、和の三人にも、それは容易に想像がつく。

 今回も純は、前局同様の嫌な予感がしてならなかった。

 

「チー!」

 憧が鳴き、

「ポンだぜ!」

 純が鳴き、二人で流れを引っ掻き回した。

 しかし、それでも小蒔は、次巡にはツモの流れを立て直してくる。ツモる牌の位置を後付で変えられる力でもあるように見える。

 東二局で小蒔のツモ牌を和に回した時とは、どうも様子が違う。

 そして、この局も、

「ツモ。メンチン赤1。8100オール。」

 小蒔が和了った。

 

 開かれた手牌は、

 {一一二二三四[五]六七八九九九}  ツモ{二}

 

 前局と全く同じ手牌だった。ただ、今回は九連宝燈ではなく最安目ツモの親倍だった。とは言え、これで他家との差をさらに大きく広げた。

 

 南一局二本場。

 ここでも小蒔の手は、萬子に染まって行った。しかも、今回も端牌である{一}と{九}が配牌時点で既に二枚ずつ揃っていた。

 憧と純で流れを掻き回しているのだが、それでも何とか小蒔はツモを建て直し、手を伸ばしてしまう。

 

 八巡目には、小蒔の手牌は、

 {一一二二三四[五]六七八九九九}

 

 またもや{一二三}待ちの門前清一色を聴牌していた。三回連続で同じ聴牌形である。

 ここでは、

「ツモ。メンチン一通一盃口赤1。12200オール。」

 {三}をツモり、小蒔は親の三倍満を和了った。

 これで、小蒔の点数が200000点を超えた。

 

 南一局三本場。

 小蒔の連荘はまだ続く。

 ここでも、当然のように小蒔は萬子の染め手を作っている。

 

「チー!」

 憧が鳴き、

「ポンだぜ!」

 純が鳴いて、二人で手を進めながら、とにかく小蒔のツモを狂わす。

 とりわけ、この局は二人の手の進みが早い。

 そこで小蒔は、清一色から混一色に方針を切り替えてきた。字牌が使える分、向聴数を減らすだけなら混一色の方が早い。

 そして、

「ツモ。メンホン中赤1。6300オール。」

 小蒔は親ハネをツモ和了りした。

 この親で、小蒔は、ハネ満、倍満、三倍満、役満を和了った。まるでサイクルヒットのようだ。

 

 南一局四本場。

「(春季大会の時は、原村に新子にタコスが相手だったから、結構互いに拮抗していたけど、今回は完全に神代の一強状態だな…。)」

 純は、ふと春季大会の団体戦決勝を思い出していた。

 

 あの時は、憧と純の共闘で、優希の東場の爆発力を最小限に留めることに成功した。

 しかし、今回は、優希の時ほどは抑え切れていない。

 一応、連続役満を和了られていないことから、多少は共闘で小蒔のパワーを抑えているのだろうとは思うが、やはり小蒔と自分達の間には歴然とした差がある。

「(でも、なんとかしないとな。)」

 純は、

「ポンだぜ!」

 憧の捨てた{北}を鳴いた。

 

 上家の和がチーをさせてくれないと純の鳴き手も進みが悪いのだが…、ただ、ここに来て和が甘い牌を捨ててきた。

 どうやら、和も小蒔の親を流すため、共闘に加わってきたようだ。

「チー!」

 純がさらに鳴いて手を進め、その次巡で、

「ツモだぜ! 北ドラ1。500、1000の四本場は900、1400!」

 なんとか安手で小蒔の親を流すことに成功した。

 

 

 南二局、憧の親。

 ここで急に小蒔のオーラが弱まった。まだ神のオーラを感じるので、神が戻られてしまわれたわけではなさそうだが…。

 恐らく、今、小蒔に降りている軍神は、攻める時には駆け引きなどせずに爆発的な力で一方的に押し切るが、そうでない時は様子見に回るようだ。

 今回は、親番が終わって力を温存する方に回ったと言うところだろう。

 

「チー!」

 この半荘では珍しく和が鳴いた。和は、別に鳴かないわけではないが、門前手のほうが多い。ここでは、憧と同じ方針………小蒔に和了られる前に安くても良いから和了る方針に切り替えたようだ。

 それに、小蒔の支配力が上がっていた南一局から南一局四本場まで、和は門前で聴牌することが出来なくなっていた。

 和の頭の中には、流れとか支配力と言うオカルト的な単語は無いが、運の良し悪しは考慮する。つまり、現状は運が低下しており、門前では聴牌まで持って行けないとの判断が、今の和の中では成されていた。

 

 既に小蒔と和の点差は150000点以上。さすがに、これだけの点差をつけられたら前後半戦トータルでも勝てる見込みは無い。

 しかし、ここで勝ち星を上げられなくても、得失点差勝負になった時に総合得点で少しでも有利になれるよう、失点を最小限にし、100点でも多く得点を重ねておくべきだ。

 そして、

「ツモ! 1000、2000。」

 憧のお株を奪うような30符3翻の手を和はツモ和了りした。

 

 

 南三局、和の親。ドラは{①}。

 小蒔のオーラは、まだ弱められたままだった。

 勿論、これは弱まったのではなく、意図的に弱めているものだ。他の三人からすれば、相変わらず、いつ小蒔が牙を剥いてくるか分からない状態である。

 しかし、圧倒的な支配力が消えている今は、小蒔以外の三人からすれば前局同様に和了るチャンスでもある。

 

「ポンだぜ!」

 純は小蒔から出てきた{南}を鳴いた。これは、純にとっては場風であると同時に自風だ。

 続いて小蒔が{中}を捨てた。純は、これも、

「ポンだぜ!」

 待ってましたとばかりに鳴いた。

 この二つの鳴きで純に流れが来たのか、今回はその後のツモが手牌と良く噛み合い、ムダツモ無く手が進んで行った。

 しかも、{58}の両面パーツなら{[5]}が、{①④}の両面パーツならなら{①}が来る。赤牌やドラで手牌が埋ってくれる。

 明らかに、この局の流れは自分に来ているのを純は直感した。

 そして四巡後、

「ツモだぜ! ダブ南中ドラ3。3000、6000!」

 純は、ハネ満をツモ和了りした。

 

 

 オーラス、純の親。ドラは{⑥}。

 前局で純に流れが来ていたが、まだ完全に彼女に定着したわけではなさそうだ。この局の純の配牌は、前局で和了れた割には今一つだった。

 この局では、

「チー!」

 憧がお家芸の鳴き麻雀を見せ付けることになった。

 小蒔が捨てた{⑦}を鳴いて{横⑦[⑤]⑥}のドラ2面子を副露し、さらに次巡、

「ポン!」

 和が捨てた{8}を鳴いた。

 そして、その三巡後、

「ツモ! タンヤオ三色ドラ3。2000、4000!」

 

 力強い発声と共に憧が手牌を開いた。

 {五六七②②[5]6}  ポン{88横8}  チー{横⑦[⑤]⑥}  ツモ{7}

 満貫ツモ和了りだった。安目でも2000、3900の手だ。

 

 これで前半戦が終了した。

 以上の結果、前半戦の順位と点数は、

 1位:小蒔 212400

 2位:純 67600

 3位:憧 60500

 4位:和 59500

 言うまでもなく完全に小蒔の一強状態だった。2位に150000点近い差をつけての快勝である。

 他の三人の点数は拮抗しており、2位の純と4位の和でも8100点の差でしかなかった。

 

 

 ここで休憩時間に入った。

 憧は、一旦控室に戻った。

 相手が神なので端から勝てるとは思っていない。しかし、不服ではあるが罰ゲームは覚悟しておかなければならないだろう。例の『ドリアン刑』だ。

 ただ、ラッキーなことに控室には慕が大好きなつぶつぶドリアンジュースは用意されていなかった。

 代わりに、

「はい、これ。」

 咲からタコスが渡された。まだ暖かい。できたての京タコスだ。

「ありがとう。」

 憧は、これを受け取ったが、すぐに食べようとはしなかった。

 今回の相手は、咲や光と並んで『牌に愛された子』と称される魔物の一人。タコスを食べて長野の都市伝説に従って起家になれたところで、何の手の打ちようも無い。

 だったら、ここで無理に急いで食べずに、後半戦が終わってから自分を慰めるためのアイテムとして使いたい。

 憧は、そのタコスを一旦自分のカバンの中に入れた。

「ええと、何かアドバイスとかは…。」

 憧は、

「(多分、無理だよね。)」

 とは思っていたが、念のため晴絵と恭子に聞いてみた。

「大したアドバイスはできひん。」

 やはり、恭子から想定内の言葉が返ってきた。

「(だよね…。)」

「ただ、神代が今日降ろしている神は、和了る時に一気に連続して和了るけど、和了らない時は手を萬子に染めながらも様子を見ている感じや。和了りに行って和了れなかったと思うのは一回だけ。南一局四本場。」

「井上さんが神代さんの親を流した時ね。」

 

 恭子は、昨年のインターハイ時点では、まさか小蒔が神を降ろしているなどとは想像していなかった。

 スイッチの入った小蒔の強さは認めていたが、その打ち筋には多少のブレがあった。ただし、スイッチが入っていない時は劇弱である。

 

 しかし、それが神の降臨によって強くなり、また、降臨した神によって打ち方が異なるものとの説明を晴絵から受けた時、

「んなアホな?」

 と思うくらい通常では信じ難い突飛な話ではあったが、

「でも、あの石戸達を統べる姫やからな…。」

 一応、恭子としては何かしっくり来るものがあった。

 

 去年のインターハイ二回戦で霞と打っていたし、大阪には怜や洋榎、竜華、憩など、凡人からすれば不条理な打ち方をする者達が複数いた。

 ここにも、咲や穏乃、玄のような不条理な支配をする者達がいる。

 そう言った背景もあり、神の降臨の話を受け入れられたのだろう。

 

「あの龍門渕の和了りは、憧と龍門渕だけではなく、原村も共闘に加わってきたから出来たっちゅうことやろな。ただ、原村が後半戦でも共闘してくれるかは分からんな。」

「そうなのよね。和は自分を貫くタイプだから、それが良いところではあるんだけど、今回みたいな場合はね…。」

「でも、南一局三本場では、憧と龍門渕の手の進みが早かったやろ?」

「たしかに、あの時は井上さんとの共闘が巧くハマったって言うか…。」

「あの時、神代は急遽、清一から混一に軌道修正してたで。二人のスピードに対抗するためやろな。」

「じゃあ、共闘して、且つスピード重視ってこと?」

「多分、神代の支配が続く限りは、龍門渕との共闘で進めるしかないってことやろな。」

「じゃあ、作戦変更は無しってことね?」

「そうやな。」

「それじゃ、さすがに今の神代さん相手じゃ勝てないと思うけど、やれるだけのことはやってくるから!」

 そう言うと、憧は控室を後にした。

 

 今の憧の置かれた状況は、

「勝てない、キツイ、苦しい…。」

 の3Kである。優勝を目指したこの戦いの中、精神的にも辛い。最初から負けに行くのが決まっている。

 しかし、それでも一矢報いるつもりで卓に付く。

 この一年近く、高校生最強の魔物………今の小蒔よりもさらに強い咲を相手に部内で何度も打っている。

 いまさら、魔物が相手でも怯むことは無い。

 

 憧は、気合いを入れ直して対局室に入った。

 恐らく、他の三人は、控室に戻らなかったのだろう。前半戦で座っていた席に付いたままだった。

「お待たせ~。」

 そう言うと、憧は、前半戦で自分が座っていた席に一旦腰を降ろした。

 

 後半戦開始時刻になった。

 場決めがされ、起家が純、南家が和、西家が憧、北家が小蒔になった。

 起家の純の席は変わらないので、純の対面にいた憧の席も前半戦と変わらない。和と小蒔の二人が場所を入れ替えただけだ。

 

「じゃあ、いくぜ!」

 そう言いながら、出親の純がサイを回した。




おまけ

咲 -Saki-とユリア100式のクロスオーバーです。
四十六本場おまけの続きになります。
本作は、マトモに書くと余裕でR-18になります。そのため、R-18に突入しそうになった時点で染谷まこの時間軸超光速跳躍が発動します。
また、憧100式の発明者として阿笠博士に特別出演していただきます。一応、灰原哀と江戸川コナンも意味無く登場します。


憧 -Ako- 100式 流れ三本場:咲vsダッチ〇イフ

哀「エロカワ君。まだヤルの?」

コナン「仕方ねえだろ。そもそも、お前がバイア〇ラなんか仕込むのが悪いんじゃんか!」

哀「それは、昨日の話でしょ! どう考えたって、もう効力切れてるはずじゃない!」

コナン「だって、俺。ずっと灰原と一つでいたいからさ。」

哀「…。」

コナン「蘭はもう一人の俺に任せて、俺達は俺達で楽しもうぜ!」

哀「ホント、Hが好きなんだから。」


コナンと哀は、今日も仲良く保健体育の実習をしているらしい。
哀の身体には『正』の字が幾つも書かれていた。
なんのことはない。コナンが『バーロー』と言った回数を哀が記していたのだ。
使い方が間違っている気がするが…。

一方、阿笠博士は、


博士「一先ず、人型としてマトモに造るには金が足らんな。しばらくは、簡易型(オ〇ホ)を造って凌ぐとするかの。」

博士「では、先ず憧101式簡易タイプを造るとするかの。あと、人型の本体に乗せるAIには、もっときちんとした学習を施さんといかんの。もう少し慎重に…。」


どうやら憧100式の改良型は、少し先送りになりそうだ。
多分、次のAI搭載の人型性欲処理具、自律型ダッ〇ワイフは、順番的に憧105式くらいになるだろう。

それから数日が過ぎた。
結局、憧100式は、京太郎のアパートに居ついていた。勿論、毎晩、京太郎のための性処理活動は欠かさない。そういった仕様なのだから仕方がない。


京太郎「ただいま…。」

憧「お帰りなさい。夕飯作っておいたわよ。」←京太郎のTシャツとジーンズを借りている

京太郎「おお、悪いな。」

憧「一応、独身男性(正確には独身中年~老年)相手に世話をする機能もついているみたいだからね。」

京太郎「便利だな。(ホント、人間だったら良かったのに)」


チャイム:ピンポーン(誰か来た)


憧「はーい。」


ついつい、憧100式が出てしまった。世話機能が付いているのだから仕方がないのだろうが…。
ドアを開けると、そこには小動物っぽい雰囲気の女性が立っていた。
ワナワナと小刻みに震えながら、憧100式のほうを睨んでいる。


咲「あなた、誰?」

憧「私は、新子憧。(ニュータイプ〇ッチワイフってことで、新しい憧で、新子憧←京太郎がつけてくれたフルネーム)」

憧「ええと、どちら様でしょうか?」

咲「京ちゃんに、咲が来たって言ってくれれば分かるから。」

憧「へー。京ちゃんって呼んでるんだ。私も使おうかな?」

咲「それはダメだから。京ちゃんって呼んでイイのは私だけだから。」

憧「そうなんだ…(この子、京太郎のことが好きみたいね)。ちょっと待っててね。」


憧100式が京太郎を呼んできた。


京太郎「ああ、咲か。」

咲「咲か、じゃないわよ。あの女、誰?」

京太郎「憧のことか?」

咲「いったい、あの女は京太郎のなんなの?」

京太郎「ええと、俺の世話をしてくれるってことなんだけど…。」

憧「あのね。咲さんだったわよね。」

咲「はい。」

憧「誤解しないで欲しいんだけど、別に私は京太郎と付き合ってるとか、そう言うのは無いから。」

咲「じゃ…じゃあ…。」

憧「私は、京太郎専用の性処理用具に過ぎないから。」

咲「へっ?」

憧「つまり、私は京太郎専用のダ〇チワイフなの!」

咲「ダッチ〇イフって…。」

憧「本当に性処理してるだけだから。」

咲「京ちゃんの馬鹿ぁ!」


咲は、京太郎に一発横ビンタを入れると、そのまま走って逃げて行った。
憧100式は、ちょっと説明が悪かったかなと思い(十分悪い)、一先ず誤解を解こうと咲の後を追いかけた。

ただ、咲は不運にも途中の曲がり角で、先日、憧を襲おうとした男にぶつかった。
しかも、今回は連れの男が二人いた。


男「おお、姉ちゃん。俺達と遊んでくれるのか?」

咲「あの、ごめんなさい。私、急いでるんで。」

男「ぶつかっといて、それはないんじゃないか? ちょっとくらい遊んでくれてもよ!」


これを目にした憧100式は、
『ヤベーこいつかよ!』
と思ったが、こうなったら仕方がない。なんとか咲を助けなければ。


憧「ちょっと、その子を離しなさいよ!」

男「おお、これはこの間の。お前も、俺達と遊んでくれるのかな?」

憧「遊べるだけのパワーが、貴方達にあるかしら?」


そう言うと、憧はTシャツとジーンズを脱いで裸になった。
もし、この男達が襲ってきたとしても、オーナーである京太郎以外の男は、憧の陰部に身体の何処かが触れた途端に感電する。
先日の段階ではオーナー無しだったため、その機能は発動しないことになっていたが、今は違う。

一方、咲は、憧100式の一糸纏わぬ姿を見て落ち込んでいた。
憧100式は、結構スタイルが良いのだ。
ただし、オモチは大きくない。


憧「どう? 貴方達も裸になったら?」

男「ここでかよ。でも、誘われちゃぁ、折角だから楽しませてもらうぜ。じゃあ遠慮無く、俺から行くぜ!」


男が服を脱いで憧100式に襲いかかった。しかし、憧100式の身体に触れようとしたその時、憧100式の手が超高速で動き、男の身体の………、


まこ「ここはR-15じゃ! 表現には気を付けんといかんじゃろ!」


男の血流増加したある部分に触れた。
その0.5秒後、


男「アベシ…。」


男は、憧100式の手技によって瞬殺された。


取扱説明書:憧100式は、超高速の手技であっという間に絶頂状態にさせることが出来ます。大変刺激が強いので、使い過ぎに注意してください。


連れの男達も服を脱いで憧に襲い掛かった…。
が、しかし…、


連れA「タワバ…。」

連れB「ヒデブ…。」


二人も憧100式の手技の餌食になった。

憧100式は、服を着ると、咲を連れて一先ず近くの公園に行き、水道で手を洗った。


憧「ええとね。咲さんだったよね。」

咲「ええ。」←憧を敵視している

憧「京太郎の恋人になりたいんでしょ?」

咲「いえ、あの、私は…。」

憧「だったら京太郎に告れば?」

咲「余裕ぶってるね。」

憧「えっ?」

咲「だって、京太郎と付き合ってるんでしょ?」

憧「そうなれたらイイけど、私には、そう言った資格がないから。」

咲「意味分かんないだけど…。」

憧「うーん。こんなところで、これやるの恥ずかしいけど…。」


憧100式は、Tシャツを脱いで上半身裸になった。そして、咲の耳を自分の左胸に当てさせた。京太郎に自分の正体を教えた時と同じだ。


咲「なんか、ウィーンって音がしているけど?」

憧「心臓の音、しないでしょ?」

咲「しないけど…。」

憧「私は、人間じゃないのよ。」

咲「へっ?」

憧「この間、ある研究者の手によって造られた…。」

咲「ロボット?」

憧「うーん。製作者曰く、AI搭載の人型性欲処理具、自律型ダッ〇ワイフ、憧100式…。」

咲「はぁ?」

憧「それで、さっきの男達に襲われそうになったところを京太郎に助けてもらったの。で、その日の夜に、京太郎にオーナーになってもらったのよ。」

咲「オーナーって?」

憧「つまり、使ってもらったの。性処理具として…。」

咲「あ゙っ?」

憧「でも、ほら。私、人間じゃないから。例えば、掃除機とかコンニャクとか片栗子とか、京太郎が使ったとするじゃん。それらにヤキモチ妬く?」


憧100式は、掃除機、コンニャク、片栗粉(厳密には片〇粉X)の特別仕様のことを言っているのだが、咲には意味が分からない。
当然、普通に掃除機とコンニャクと片栗粉のことを考えた。これでは、ヤキモチを妬くはずがない。真意が伝わっていないのだから…。


咲「そんなのにヤキモチ妬くって、意味分かんないんだけど。」←全く意味が分かってない

憧「それと同じだったば。私は、京太郎は掃除機とかコンニャクとか片栗粉を使ってたら妬くけどな(性欲処理具として)。」

咲「それって、心が狭くない?」←全く意味が分かってない

憧「そうなのかな…。でもね、私は京太郎の持ち物だけど、単なるモノだからね。京太郎には幸せになって欲しいし、京太郎、まだ童貞だし。」←自分との交わりは童貞喪失にならないとの認識

咲「そうなんだ(それじゃあ、憧さんとは手技だけで、まだあっちはヤってないってことなのかな? 本当は、それでもイヤだけど)」←憧相手でも童貞喪失になるとの認識


まだ誤解が多数あれど、一先ず咲と和解できた(のだろうか?)憧100式だった。



続くか、これ?
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