団体戦決勝卓先鋒後半戦。
東一局、純の親。
憧は、いきなり小蒔から凄まじいオーラを感じた。前半戦で南入した時と同じだ。
あの時と同様、憧は少々吐き気を催した。
小蒔は、萬子一直線で手を進める。
ただ、今回は小蒔の下家に場の流れを読む純がいる。当然、小蒔のツモの流れを崩しにかかる。
「チー!」
純は、{467}とあるところから小蒔が捨てた{5}を鳴き、{7}を捨てた。
特に三色同順を狙っての鳴きではない。飽くまでも流れを変えるためだ。
「(鳴け! 阿知賀!)」
憧には、純がそう言っているように感じた。春季大会の団体戦決勝で、優希の東場での爆発を抑えた時と同じだ。
「ポン!」
共闘で小蒔の足を引っ張るのが最優先。憧は、純の捨て牌を鳴いた。
しかし、それでも小蒔は次巡には何故かツモを立て直してくる。そして、そこから数巡で聴牌した。
しかも、その聴牌形は、
{一一二二三四[五]六七八九九九}
前半戦で和了りを連発した時と全く同じだ。
純は、小蒔の手牌から、この上ないエネルギーを感じ取った。
「(こいつはマズイ!)」
そこで、せめて一太刀と、
「チー!」
小蒔が捨てた牌を鳴いた。
しかし、この時の捨て牌を、純は憧に鳴かせることが出来なかった。そして、次のツモ番で、
「ツモ。」
そのまま小蒔に和了られた。
開かれた手牌は、
{一一二二三四[五]六七八九九九} ツモ{三}
三倍満だ。
「清一ツモ一通一盃口赤1。6000、12000。」
純は、
「失礼!」
そう言いながら次もツモ牌をめくった。マナーとしては宜しくないが、自分の鳴きが正解かどうか、どうしても確認したかったのだ。
そこに眠っていた牌は最悪の{一}。
もし、これで和了られていたら、また九連宝燈だ。自分が鳴いてツモ巡をズラすことで役満だけは回避できたと言える。
自分の予感は正しかったことが分かり、純は一応納得した。
しかし、完全に納得し切れたわけではなかった。この小蒔の三倍満も、出来れば回避したかったからだ。
純は、和が牌を崩した時、直前に和がツモってきたであろう牌を横目でチェックした。
「(やっぱり{二}か…。)」
これを見て、純は自分の未熟さを感じずにはいられなかった。もし自分が憧に鳴かせていれば小蒔の和了りは、{二}ツモによる倍満だったからだ。
もっとも、対面の憧に鳴かせられるのはポンだけなので、憧が対子を持っていなければ、対応のしようがないのだが…。
一方の憧は、別のことを考えていた。
「(さっきの私のツモは{七}だったから、もし私が和から鳴けていれば和了られてなかったのよね。)」
やはり、恭子に言われたとおり、小蒔を抑えるには純と自分だけではなく、和の共闘も必要と言えよう。
そう思いながらも、憧は表情に出さずに山を崩した。
東二局、和の親。
ここでも小蒔は順調に萬子で手を伸ばしてくる。
しかも、ここでも目指す聴牌形は、
{一一二二三四[五]六七八九九九}
今までと全く同じだ。どうやら、今、小蒔に降りている軍神は、この形を自分のテンプレートとしているようだ。
純が、
「チー!」
鳴いて流れを崩し、さらに、
「ポン!」
憧が鳴いて、ツモを引っ掻き回しては見たものの、それでも中盤に入る頃には、小蒔は目指した形を作り上げてしまう。
そして、
「ツモ。4000、8000。」
例の形から{二}をツモり、倍満を和了った。
東三局、憧の親。
ここでも、当然のように小蒔は萬子の染め手を作っている。
それを早和了りで阻止するが如く、序盤から、
「チー!」
憧が鳴き、
「ポンだぜ!」
純が鳴いて小蒔のツモを狂わしながら、二人で手を進めた。
この局は、前の二局と比べて二人の手の進みが早かった。この感覚は、まるで前半戦の南一局三本場のようだ。
小蒔に降臨した神も、同じことを感じていた。このスピードに対抗するには清一色から混一色に切り替えたほうが無難だ。
そして、筒子と索子の処理を終えると、小蒔は萬子だけではなく字牌もツモリ、手牌の中で重ねて行った。
数巡後には、小蒔は門前で混一色手を聴牌し、その勢いで、
「ツモ。メンホンダブ南赤1。3000、6000。」
小蒔はハネ満をツモ和了りした。
この直後、憧と純は、小蒔の雰囲気がガラっと変わったのを感じ取った。咲や衣のような威圧感が消えたのだ。
「あれっ? 済みません。寝てました。」
小蒔は神が降りている間、寝ていたらしい。どうやら、軍神が小蒔の身体を抜け、目を覚ましたようだ。
これで、抗う術のない支配力が消えた。
現段階での後半戦の順位と点数は、
1位:小蒔 152000
2位:憧 84000
3位:和 83000
4位:純 81000
完全に小蒔の一人浮きで、しかも前半戦の得点も加えると150000点以上も稼いだ計算になる。
これから始まる東四局からオーラスまで、とんでもない大きな手を振り込まない限りは小蒔の勝利は確実だろう。
つまり、軍神は、小蒔の勝ち星を確信して天に戻られたのだ。
東四局、小蒔の親。
元に戻った小蒔は、単なる頑張り屋さんである。特に変わった能力を対局の中で見せてくるわけではない。
小蒔は、
「ポン!」
憧に{北}と、さらに、
「ポン!」
{發}を立て続けに鳴かせた。
そして二巡後、三度目はチーでもポンでもなく、
「ロン! 北發ドラ3。8000!」
憧が小蒔から満貫を直取りした。
南一局、純の親。
ここでも憧は、
「ポン!」
小蒔が捨てたチュンチャン牌を鳴き、前局からの勢いに乗ったまま、
「ロン! タンヤオドラ2。3900!」
ここでも小蒔から和了った。
南二局、和の親。
「チーだぜ!」
純が小蒔の捨て牌を鳴いた。神が戻られてから、急に小蒔の打牌が甘くなったのを純は見逃してはいない。
それに、折角小蒔の支配が消えたところ、ツキを他の者に持って行かれても困る。トータルで小蒔を逆転するのはムリでも、他の二人には負けたくない。
純の待ちは、自風の{北}とオタ風の{西}のシャボ。当然、{西}では和了れない。
ただ、幸運にも、その和了れる方の牌を小蒔が切ってきた。同順フリ聴でもない。
ならば、当然、
「ロン! 北ドラ3。7700!」
その牌で純が和了った。
南三局、憧の親。
ここでも、
「チー!」
純が鳴き、
「ポン!」
憧が鳴いて二人でドンドン手を進めて行く。門前で手を進めているのは小蒔と和の二人だけだ。
しかし、ここでとうとう、
「リーチ!」
牌効率の良い和が、鳴いて手狭になった純と憧を狙ってリーチをかけてきた。門前で和が聴牌できたのは、実に前半戦東四局以来である。そこからは、小蒔に降りた軍神の支配力によって和は門前聴牌できなかった。
もっとも、和の麻雀論には、支配力と言う単語は存在しないが…。
憧も純も、一旦現物切りで対応した。さすがに小蒔も、大量リードしたこの局面では、ムリに和了りを目指さずに降りる。
一発ツモは無かった。
他家も、巧くかわして振り込まない。
結局、数巡後
「ツモ。メンタンピンツモドラ1。2000、4000!」
和が自力で和了り牌をツモってきた。
そして、オーラス。小蒔の親。
現段階での後半戦の順位と点数は、
1位:小蒔 130400
2位:憧 91900
3位:和 91000
4位:純 86700
この点差だ。小蒔以外の三人が後半戦でのトップを狙うとしたら、小蒔から三倍満以上を直取りするか、役満をツモるしかない。
しかし、配牌後…。
三人とも後半戦トップを諦めた。
それに、そもそも勝ち星は、前後半戦全体の収支で競う。
前半戦は三人とも小蒔に150000点以上の差をつけられている。これも含めての逆転は、もはや親番の無い憧、和、純には完全に不可能だ。
今は、得失点差勝負に備えて芝棒一本でも多く稼ぐしか道は無い。
ここでも、
「チー!」
純が鳴き、
「ポン!」
憧が鳴いて手を進めて行く。狙うのは和了りのみ。点数の高低は考えない。
一方の和は、門前で手を進めていた。やはり、ここはリーチをかけて攻撃するべき。和は、そう考えていた。
中盤に入り、
「リーチ!」
とうとう和がリーチをかけた。
憧も純も、やむなく現物切りで打ち回した。小蒔も当然降りる。しかし、最後の最後で和にツキが回ったようだ。
「一発ツモです! メンタンピン一発ツモドラ2。3000、6000!」
点数申告する声に力が入った。トップを取るための和了りではないが、被害を最小限に食い止める意味では価値がある。
これで、後半戦の順位と点数は、
1位:小蒔 124400
2位:和 103000
3位:憧 88900
4位:純 83700
そして、前後半戦のトータルでは、
1位:小蒔 336800
2位:和 162500
3位:純 151300
4位:憧 149400
下馬評どおり、先鋒戦は永水女子高校が勝ち星を取った。
他の三校全てをダブルスコアにしての圧倒的な勝利であり、しかも、{一一二二三四[五]六七八九九九}からの和了りを五回も決めている。
まさに神がかりだ。
まあ、実際に神が関与しているのだから、神がかりで当たり前なのだが…。
「「「「ありがとうございました!」」」」
対局後の一礼を終え、先鋒選手達が対局室を後にした。
その一方で、各校控室では次鋒選手達が気合いを入れていた。ただ、その中で一人、光だけは少々不安げな表情をしていた。
別に今更、下馬評に対してプレッシャーなど感じない。
光は、次鋒戦では勝ち星を取って当たり前のように各方面で囁かれているが、そんなことはドイツで麻雀を打っていた頃から経験している。
問題は玄の龍支配だ。
第二の龍支配………三元牌支配は、一回のみで消えた。しかし、まだ不明な点が多い。
準決勝の牌譜から、恐らく三元牌支配は連発してこないと考えて良いだろう。しかし、何回おきに発動できるのかは不明だ。
ただ…、少なくとも、準決勝戦の様子から考えると、恐らくドラ支配と三元牌支配の同時発動は無いだろう。
光は、この決勝戦で、玄が一旦ドラ支配を取り戻すと予想していた。その方が、光の打点が低くなるからだ。
そして、途中で必要が生じた時、恐らく三元牌支配に切り替えてくるだろう。
光が対局室に入室した時、他の次鋒選手は既に卓に付いて場決めの牌をめくっていた。起家は玄、南家は春、西家は智紀だった。
玄は、予め京太郎作のタコスを半分ほど口にしていた。それで長野の都市伝説に従って起家を引き当てていたのだ。
残りの一枚の牌を、光は、
「(こいつら、みんな胸が大きくてスタイルがイイ。クソッ!)」
と心の中でグチグチ言いながらめくり、北家の席に座った。
まるで咲のように、光の全身から暗黒物質が湧き出てくるのを、霊力のある春と能力者である玄は感じ取った。
「(やはり同じ血族なのです!)」
と玄は思ったが、さすがに口には出さなかった。
準決勝、決勝と注目すべき場で、玄は、昨年インターハイでは照と戦った。今年のインターハイでは光と戦う。しかも、チームメートには咲がいる。
よくよく考えると、玄は宮永家と縁がある。
もっとも玄に言わせれば、
「宮永家はオモチに縁が無いのです!」
と心の中で激白しそうだが…。
まあ、少なくとも、三人同時相手で麻雀を楽しまされたくはないので、決して口には出さないだろう…。
東一局、玄の親。
光は、相手の動きを良く観察し、相手の手牌を推察する。しかも、まるで手が透けて見えていると思われるくらい、その精度は高い。
今回は、特に玄の観察に重点を置く。
「(ん?)」
光のところにドラが来た。
予想に反してドラ支配は、されていないらしい。
それと、全員の捨て牌に字牌が少ない。厳密に言うと三元牌が一枚も出ていない。
「(三元牌支配から入るのか?)」
裏をかかれた感じだ。
中盤に差し掛かった時、
「カン!」
玄が{中}を暗槓した。そして、嶺上牌を引くと、
「もう一つ、カンです!」
手の中で予め揃っていた{發}を暗槓した。さらに嶺上牌を引き、
「もう一つ、カンです!」
続けて玄は、{白}を暗槓した。これは、準決勝戦で見せた三元牌支配そのものだ。
そして、三枚目の嶺上牌を引くと、
「ツモ。大三元。16000オール!」
玄は、そのまま嶺上開花で和了った。いきなりの親役満ツモだ。
「(昨日の夜、咲ちゃんと憧ちゃんとコーチに受けた特訓を、絶対に無駄にはしないのです!)」
役満を和了ると、そこで一仕事終えたような達成感が生まれる。
通常、ツキは役満を和了った者のところに行っているだろう。しかし、ちょっとした気の緩みから、ツキが逃げてしまうこともある。
故に玄は、決して心を緩めず、むしろ気を引き締めるよう、自分に言い聞かせていた。
****************************************
******************************
********************
昨日の準決勝次鋒戦が終わった時のことである。
『ドラ支配と三元牌があれば、光とイイ勝負ができるのではないか?』
と玄も周りも期待した。
あの光に、オーラスでの得失点差対策に向けた連荘を諦めさせた程のパワーだ。周りが受けたインパクトは相当のものだっただろう。
しかし、周りが楽観視する中、恭子は、
『ドラ支配を取り戻させたら、玄の性格上、自らの手で三元牌支配に本当に移行出来るのだろうか?』
と思っていた。
三元牌支配は、玄がドラを切ることで発動した。言い換えると、ドラを切らなければ三元牌支配が発動しないのではないだろうか?
そもそも、ドラを切ること自体が、実は玄にとってハードルが高い。母、露子にドラを大事にしなさいと言われたためだ。
よって、玄は、発動スイッチを自発的に入れられない可能性がある。
また、もし三元牌支配に入れたとしても別の問題がある。
準決勝戦での記録から考える限り、三元牌支配は、三元牌全てを玄が独占することが前提になっているのではなかろうか?
色々検証する必要がありそうだ。
憧が咲を対局室まで送り届けて戻ってきた。
恭子は、取り急ぎ、憧とゆい(小走やえ妹)に手伝ってもらうことにした。
「憧、ゆい。」
「「はい?」」
「私と一緒に玄と打ってくれへんか? ちょっと試したいことがある。」
この二人を選んだのは、二人とも頭が良く、恭子と即席で連係プレーができるだろうと踏んだからだ。
それに度胸も良い。
恭子は、これからやろうとすることの主旨と方法を二人に説明した。
憧もゆいも、少々驚いた顔をしていたが、同時に、
「「おもしろそう!」」
とでも言いたげであった。二人とも、恭子のやろうとしていることに興味をそそられたようだ。
おまけ
咲 -Saki-とユリア100式のクロスオーバーです。
四十七本場おまけの続きになります。
本作は、マトモに書くと余裕でR-18になります。そのため、R-18に突入しそうになった時点で染谷まこの時間軸超光速跳躍が発動します。
また、憧100式の発明者として阿笠博士に特別出演していただきます。一応、灰原哀と江戸川コナンもムダに登場します。
憧 -Ako- 100式 流れ四本場:最低な機械の淫活?
哀「エロカワ君。誰にメール入れてるの?」
コナン「もう一人の俺だよ。ちょっと自慢してやろうと思ってな。送信っと。」
新一「コナンの奴からだな、ええと…。」
件名:脱童貞
本文:言い忘れてたけど、
二人に分かれた日に
灰原とヤったぜ!
そっちはどうなった?
まだだって?
小学生に負けてんじゃねえよ!
新一「なんだ、このやろう!」
蘭「どうしたの?」
新一「いや、なんでもない。でさあ、俺達、付き合ってるんだよな?」
蘭「何よ、あらたまって。」
新一「だったら、Hなこととかさ。」
蘭「それは、結婚するまで、お互い綺麗な身体でいるって決めてるでしょ!」
新一「でもよう(勝手に決めるなよ)…。」
蘭「ダ―――メ!」
新一「コナンだって灰原とヤって…。」
蘭「まだ小学一年生でしょ? そんなわけ無いじゃん!」←思い切り笑ってる
新一「(中身は高校生だけどな…。)」
蘭「とにかくダメなものはダメ!」
新一「(あっちの方が良かったかな…。)」
コナンと哀は、毎日仲良く保健体育の実習をしているらしい。
小学校低学年の身体をした奴等の方が遥かに先に進んでいるとは………、新一はコナンに敗北感を覚えていた。
一方、阿笠博士の研究室中央に置かれた回転ベッドの上には、一人の美しい女性が裸で仰向けに寝かされていた。
いや、正しくは、その女性は博士の科学力の全てを結集したニュータイプのカラクリの類いであった。
その名も、憧105式ver.淡。
憧100式の改良型だ。
博士「今度は、性格面も色々学習させたからの。大丈夫なはずじゃ。今度こそ、巧くイってくれ…。」
博士が、憧105式ver.淡の胸を触った。憧100式と同じで、これがオンスイッチらしい。
ただ、あくまでもオンスイッチであってオフスイッチの機能は無い。これも憧100式と同じである。
淡「うーん。あれ? どうして私、裸になってんの? って、あんた誰?」
博士「ワシは、君の発明者。阿笠博士じゃ。」
淡「発明者?」
博士「そう。君は人間では無いんじゃ。ワシの科学力の全てを注ぎ込んで造り出した…。」
淡「(もしかして、アンドロイド?)」
博士「AI搭載の人型性欲処理具、自律型ダッ〇ワイフ、憧105式ver.淡じゃ!」
淡「はぁ? なにそれ?」
博士「機種名は憧105式ver.淡じゃが、普段の名前は憧と呼ぶと100式と間違えるでの。それで、淡と呼ぶことにする。」
淡「悪と戦うアンドロイドじゃないの?」
博士「ダッチ〇イフ!」
淡「手からミサイルがでたり、目から光線が出たりして悪を倒す『正義の味方』とかじゃないの?」
博士「まぎれも無くダッチ〇イフじゃ! まあ、強いて言えば、『性技のみの方』が正しい表現かの。」
淡「そんなの、つまんない!」
博士「これが取扱説明書じゃ。」
淡「なんなのそれ? 私って商品?」
博士「売るつもりは無いわい! ワシも、細かいところは忘れてしまうかもしれんので書きとめたメモみたいなもんじゃい。」
淡「ちょっと待って。もしかして…。」
博士「そうじゃ。ワシの下の世話のために造ったんじゃ。じゃあ、早速。」
淡「ヤダ――――――!」
憧105式ver.淡は、迫り来る博士に金的攻撃を仕掛けた。憧100式と全く同じパターンである。さすが姉妹機。
股を押さえてうずくまる博士を横目に、憧105式ver.淡は取扱説明書を奪い、その場にあった白衣を羽織って博士の家から飛び出した。行動パターンは、基本的に憧100式と同じと言うことである。
今回も、博士はAIの学習に失敗したようだ。
淡「もう、できるだけ遠くに逃げなきゃだね。でも、説明書には姉妹機、憧100式があるって書いてあるけど、憧100式って?」
結局、憧105式ver.淡も、憧100式と同じ街に逃げ込んだ。思考回路は、ほぼ同じと言うことだろうか?
完全にパターンが同じである。
ただ、偏差値だけは憧100式の方が遥かに上である。ここだけは姉の方が圧倒的に優れているようだ。
憧105式ver.淡も、憧100式と同様公園のベンチに座り、取扱説明書を読んでいた。
淡「オーナーね…。インプリンティング機能って書いてあるけど…。最初に使った人専用になるわけか。」
淡「あの博士。悪い人じゃないんだろうとは思うけど、やっぱり、自分が気に入った男性をオーナーにしたいよね。」
淡「じゃあ、何かの訪問販売でもして、イイ人がいたら私を商品としてお勧めするなんてどうかな?」
淡「それ、イイかも! じゃあ、早速…。でも、その前に軍資金がいるか。おなかもすいたし…。麻雀で稼げばイイか。でも、その前に服か。」
淡「ええと、ゴメンナサイ。」
憧105式ver.淡は、近くのコインランドリーにあった服を勝手に借りた。
そして、雀荘に行くと、手技で店長に奉仕して一先ずタダ(勝ったら場代を払う)で打たせてもらった。
ちなみに、憧105式ver.淡の手技は、憧100式よりもスピードが8%アップしている。
淡「ツモ! ダブリー槓裏4。6000オール!」
憧105式ver.淡は、何故か麻雀が強かった。
麻雀が打てるのは、オーナー(高齢者)の痴呆防止のため、脳トレの一環として一緒に麻雀を楽しめるようにとの配慮だ。
また、麻雀が強いのは、腿から特殊な電磁波を発生して自動卓を操作することが出来るためらしい(んなアホな?)。
それと、一応、賭けに負けた時の代償にもなる。ただし、その場合はNTR機能を使う必要があるが…。
憧105式ver.淡は、勝った分で場代を払い、それから適当に服を購入した。
その後、コインランドリーに戻って服を返し、残った金で大量のコン〇ームを購入した。
淡「これって『産む』のは『また今度ねー』でコン〇ームって言うのかな?」
憧105式ver.淡も、名前の由来は知らないようである。
さて、憧105式ver.淡は、コン〇ームの訪問販売をしてみたが、家にいるのは大抵女性か、憧105式ver.淡の好みではない男性ばかりであった。
それで、適当にコン〇ームを売り付けるだけで終わっていたのだが…。
あるアパートを訪問した時であった。
淡「ゴメンください。」
京太郎「はい?」
淡「(なかなかジャン!)」
京太郎「なんでしょう?」
淡「コン〇ームは使いますか?」
京太郎「はぁ?(なんだ、この子?)」
淡「それとも、性欲処理具のほうが宜しいでしょうか?」
京太郎「(なんだか、言ってることが憧っぽいな…。)」
淡「今なら、AI搭載の人型性欲処理具、自律型ダッ〇ワイフ、憧105式ver.淡を無料でお試しいただけます! ただし、返品不可ですが!」
憧105式ver.淡が、突然、服を脱ぎ出した。
淡「胸の大きさがAからGまでサイズ変更が可能です。これは業界初の機能です。お好みの大きさに設定してください。」
取扱説明書:憧105式ver.淡は準備満タン機能により胸サイズの調整が可能です。大きい方がお好きな方は、この準備満タン機能をお使いください。お好みのサイズを言うだけで自動設定します。なお、この機能は憧100式には付いておりません。
すると、憧105式ver.淡の背後から、彼女に誰かが蹴りを入れてきた。
淡「痛いじゃない!」
憧「何すんのよ、私のオーナーに!」
淡「オーナー? もしかして、貴女って憧100式?」
憧「どうしてそれを?」
淡「私は、姉妹機の憧105式ver.淡!」
憧「もしかして、博士に頼まれて私を探しに来たんじゃ…。」
淡「違う違う。逃げてきたの。ここに来たのはタマタマ…。」
憧「でも、京太郎はダメ。もう、私のオーナーだから!」
淡「残念だな。まあ、仕方がないか。それじゃ、落ち着いたら遊びに来るね。」
そう言うと、憧105式ver.淡は、京太郎と憧100式に頭を下げた。
そして、今度は隣の部屋のチャイムを押した。
淡「ゴメンください。」
俺「はい?」
淡「(まぁまぁかな!)」
俺「なんでしょうか?」
淡「コン〇ームは使いますか?」
俺「へっ?(なんだ、この子?)」
淡「それとも、性欲処理具のほうが宜しいでしょうか?」
俺「(言ってることが良く分からんが…。)」
淡「今なら、AI搭載の人型性欲処理具、自律型ダッ〇ワイフ、憧105式ver.淡を無料でお試しいただけます! ただし、返品不可ですが!」
まこ「ここまでじゃ!」
憧105式ver.淡は、そのまま京太郎の隣住人の俺君をオーナーにした。
続く?