咲-Saki- 阿知賀編入   作:おこそとのほもよろを

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五十一本場:玄、最後の賭け

 咲が玄に、残りの京タコスを差し出した。

「最初の局から三元牌支配が出るはずですので、これを。」

「ありがとうなのです! では、これを食べて起家を狙うのです。とても美味しいし、咲ちゃんは、イイ旦那さんを持って幸せなのです!」

「えへへ…。」

 ここでは、京太郎は咲の結婚相手として認識されていた。

 ただ、

「(和、ちょっと可哀想かも…。)」

 和の心のうちを知る憧だけは、少々複雑な思いだった。

 

 タコスを食べる玄を見て、

「私も食べちゃお!」

 咲も我慢できずに京タコスを口にした。

 と言っても、咲の分は前半戦前に食べる用、後半戦前に食べる用、中堅戦終了後の御褒美用の三つ作ってもらっていたのだから、一つくらい先に食べてしまっても問題無いだろう。

 

 かつて無いほどに咲の表情が和らいでいた。むしろ、緊張感が失われて腑抜けているようにすら思える。

 こんな咲を見るのは初めてだ。

 正直、憧は、

「(本当に阿知賀のエースとして大丈夫よね?)」

 咲が全力で戦えるのか心配になってきた。

 

 一方、玄は、タコスを食べ終わると、

「では、行って参ります!」

 張り切って控室を出て行った。

 

 

 玄が対局室に入室すると、既に他の選手達は卓に付いていた。

 場決めがされ、起家は玄、南家は春、西家は智紀、北家は光と、前半戦と全く同じ席順になった。

 前半戦に引き続き、玄は、長野の都市伝説に従って起家を引き当てていた。京タコス恐るべしである。

 

 

 東一局、玄の親。

 前半戦からの続きで、ここでは玄の三元牌支配完全形になっていた。しかも、美由紀のお陰でオモチベーションがアップしているのだ(?)。

 

 玄の雰囲気から、光は、今回もいきなり大三元が飛び出すような予感がしていた。

 勿論、前半戦で三局毎に三元牌全てが揃うことを認識していたので、順番からすれば、この東初は言うまでもなく問題の局になる。

 

 配牌を見て、予感が確信に変わった。光の手牌の中にドラがある。やはり、ドラ支配は復活していない。

 そして、三元牌は一枚も無い。

 恐らく、今回も玄は三元牌支配で押してくるだろう。

 

 三巡目。

 光は、

「カン!」

 なんとか玄の親番での三元牌支配を回避しようと、智紀の捨て牌を大明槓した。しかし、毎回複数の槓剤を揃えるのは難しい。

 そう安々と暗槓ができるわけではないし、それ以前に暗刻が無いと話にならない。

 それに、大明槓に走るにしても、自分の持つ暗刻と同じ牌を必ずしも良好なタイミングで他家が捨ててくれるとは限らない。使われていたらアウトだし、暗刻が出来る前に捨てられていても当然アウトだ。

 結局、光の二つ目の槓は、玄の連続暗槓には間に合わなかった。

 中盤に入り、

「カン!」

 とうとう玄が{中}を暗槓した。嶺上牌を引くと、

「もう一つ、カンです!」

 当たり前のように{發}を暗槓した。さらに嶺上牌を引き、

「もう一つ、カンなのです!」

 続けて玄は、{白}を暗槓した。そして、三枚目の嶺上牌を引くと、

「ツモ。大三元。16000オール!」

 今回も玄は、そのまま嶺上開花で和了った。前半戦と同じパターンだ。

 

 覚悟していたとは言え、いきなりの親役満ツモだ。光達にとっては痛い。

 しかも、オモチベーション維持のお陰か(?)、前半戦よりも玄がパワーアップしているように光には感じられた。

 

 東一局一本場。

 ここから二局は、玄の支配力が下がるはずである。

 光は、この二局で稼ぐこととし、

「(仕方がない。4翻スタートだ!)」

 少々ムリを覚悟で高い手を目指した。

「(今まで感じからすると、大三元を和了った次の局は三元牌のうち一種類のみが、そのさらに次の局では三元牌のうちの二種類が全て揃うだけ…。)」

 休憩時間中に、光は、控室で玄の牌譜を見た。対局中に感じていたとおり、三元牌が全て揃うには準備期間が必要なようだ。

 ならば、その準備期間に大きく稼ぐ。できれば玄からの直撃が最も望ましい。

 それで光は、いきなりハネ満~倍満クラスを狙うことにした。

 

 ドラは来るはずだ。

 加えて、この局は玄の大三元に怯える必要は無い。ならば、

「リーチ!」

 ここは積極的に攻めてゆく。光は、聴牌して即リーチをかけた。

 一発ツモは出なかったが、数巡後、

「ツモ! メンタンピンツモ一盃口ドラ4。4100、8100!」

 望みどおり倍満を和了った。

 

 

 東二局、春の親。ドラは{②}。

 さっきの和了りでツキが回ってきたのか、光は配牌に恵まれた。全体的に筒子に偏っている。

 しかも対子が全部で四つ。嬉しいことに{②}と{⑤}が対子で、{⑤}の片方は赤牌であった。ドラ3の手だ。

 

 第一ツモで字牌が重なった。ならば、和了り役5翻以上を考慮し、ここは筒子染めの七対子で攻めて行く。

 光は、萬子、索子を順に捨て、五巡目には望みの手を聴牌した。

 そして、次巡、玄が切った{北}で光は、

「ロン。メンホン七対ドラ3。16000!」

 倍満を直撃した。まさに出場所最高である。

 

 

 東三局、智紀の親。ドラは{⑨}。

 ここからは、玄の大三元を邪魔しながらの闘牌になる。

 光は、ここでも幸運に恵まれたようだ。配牌で{九}と{⑨}が対子、{9}が暗刻になっていた。

 第一ツモで{九}を重ね、次に玄が捨てた{九}を、

「カン!」

 大明槓した。嶺上牌は{⑨}。これでドラが暗刻。しかも三色同刻が確定。最高の引きだ!

 新ドラは{南}。

 そして、次巡、智紀が捨てた{9}を、

「カン!」

 光は大明槓した。これで、玄は三元牌の三槓子が作れなくなった。

 

 その数巡後、玄の手牌は、

 {①③④白白白發發發中中中中}  ツモ{⑤}

 

 仕方なく玄は、

「カン!」

 {中}を暗槓した。嶺家牌は{北}。そして、{①}か{北}かを迷った挙句、打{北}。

 

 しかし、その次巡で、

「ツモ!」

 光に和了られた。

 

 開かれた手牌は、

 {①①⑨⑨⑨西西}  暗槓{裏99裏}  明槓{九九九横九}  ツモ{西}

 

 もし、玄が{北}ではなく{①}を切っていたら直撃だった。

「混老対々三暗刻三色同刻ドラ4。6000、12000!」

 まさかの三倍満。

 これで光が玄を逆転した。

 

 

 東四局、光の親。ドラは{③}。

 玄に20000点以上の差をつけているが、まだ光としては安心できない。前局で和了ったが、結局のところ玄の大三元が、この局に持ち越されただけである。

 しかも、今は光の親だ。ここで大三元をツモ和了りされると親かぶりで痛い。

 要求される和了り役も、ここでは7翻になる。玄の邪魔と自分の和了りの両立が、いよいよ難しくなってきた。

 ならば、ここは自分の親を流してでも邪魔するほうに道を絞る。

 光は、

「カン!」

 手牌の中で暗刻になっていた{8}を大明槓した。そして、嶺上牌から{2}をツモり、幸運にも{2}が暗刻になった。新ドラは{九}。

 あとは、誰かが{2}を捨ててくれるのを待つだけだ。

 手牌は索子の清一色が狙えそうだが、ここは和了りよりも{2}の大明槓を優先したい。勿論、他家が{2}を面子として使っていたら、どうにもならないが…。

 一先ず、ここは索子染めを捨てて打{3}。

 そして数巡後、待望の{2}を光は自身のツモ牌として持ってきた。運は、まだ自分に向いているようだ。

「カン!」

 光が{2}を暗槓した。これで、この局も玄の三元牌支配を潰すことに成功した。

 そして、光は打{5}。すると、

「ポン!」

 これを春が鳴いた。

 晒された牌は、{5横5[5]}と赤牌含みだ。

 さらに春は、玄が捨てた{④}を、

「チー!」

 鳴いて今度は{横④③[⑤]}を副露した。

 そして、その次巡、

「ツモ。」

 春が和了った。

 

 開かれた手牌は、

 {二二八九西西西}  チー{横④③[⑤]}  ポン{5横5[5]}  ツモ{七}

 

「西ドラ4。2000、4000。」

 満貫だ。

 これで光の親は流れたが、要求される和了り役の翻数がリセットされたとも言える。これで光は、ある意味戦いやすくなった。

 

 

 南入した。

 南一局、玄の親。

 ここでも三元牌支配完全形は生きている。この親も流さなくてはならない。

「カン!」

 春が序盤でオタ風の{西}を暗槓した。相手の高い手を潰すのは彼女の得意分野である。光の大明槓を見て、春も玄の大三元を流しに来たのだ。

 そして、春が捨てた{1}を、

「カン!」

 光が大明槓した。そして、打{東}。

 

 春と光の視線が智紀に注がれた。今のところ、二人とも役がない。和了る役目を智紀に任せたのだ。

 もう玄は、この局では和了り放棄しかできない。

 状況を理解した智紀は、

「チー!」

 珍しく鳴き、その数巡後、

「ツモ。タンヤオドラ4。2000、4000。」

 満貫を和了った。二つの槓でドラが増えた局ならではの和了りだろう。

 

 

 南二局、春の親番。

 光の手の中には、{[⑤]}が二枚、{[5]}が一枚あった。ここに{⑤}をツモり、暗刻を一つ完成した。ここで誰かが{⑤}を捨ててくれれば助かるのだが…。

 真ん中の牌なので、中々出てこないだろう。そう光は思っていた。

 しかし、{⑤}は三元牌が増えるごとに手狭になって行く玄から出てきた。

 これをすかさず、

「カン!」

 光は大明槓した。新ドラは{⑤}。モロ乗りだった。

 こうなったら光は攻めるしかない。ドラ7の手だ。ヤオチュウ牌を捨ててタンヤオに走り始めた。

 すると、智紀が光をサポートするかのように打{7}。

「チー!」

 これを光が鳴いた。

 

 春も智紀も、自分がトップを取れるのがベストだが、二人の魔物を相手にトップを取れるとは到底思えない。

 ならば、勝ち星が一点に集中しないことを望む。玄にトップを取られるよりも光にトップを取られる方が数段マシである。

 中堅に咲が控えている阿知賀女子学院には、次鋒での勝ち星を絶対に与えるわけには行かないのだ。

 結局、

「ツモ。タンヤオドラ7。4000、8000!」

 光が和了り、これで2位の玄に40000点以上の差をつけた。

 

 

 南三局、智紀の親番。

 春も光も、なんとか槓して玄の邪魔をしたいところだが、どうやっても大明槓すらできない局も存在する。ここにきて、まさにその状態となった。

 天が玄に味方しているのだろうか?

 光は、敢えてドラを捨てるが、これを玄が鳴く気配も無い。

 今の玄は、ドラ支配を取り戻すことよりも大三元を和了って一発逆転するほうに意識が向いている。

 そして、とうとうその時が来た。

「カン!」

 玄が{中}を暗槓した。まるで対局室内に雷鳴が響き渡るようだ。

 嶺上牌を引くと、

「もう一つ、カンなのです!」

 続いて玄は、{發}を暗槓した。さらに玄は、次の嶺上牌を引くと、

「もう一つ、カンですのだ!」

 最後の三元牌、{白}を暗槓した。これで三連槓。大三元が確定した。

 そして、続く嶺上牌で、

「ツモ! 嶺上開花! 8400、16400です!」

 大三元が炸裂した。

 

 これで後半戦の順位と点数は、

 1位:光 142300

 2位:玄 139900

 3位:春 63900

 4位:智紀 53900

 玄が、光に3400点差まで迫ってきた。

 

 そして、前後半戦のトータルは、

 1位:光 314300

 2位:玄 297100

 3位:春 103300

 4位:智紀 85300

 トップは光だが、まだ、なんとか玄は逆転トップを狙える位置にいる。

 

 

 そして、オーラス、光の親番。ドラは{⑧}。

 光と玄の前後半戦トータルの点差は17200点。玄は、ここでハネ満を光から直取り、またはツモ和了りすれば、トータルで逆転トップとなる。

 

 この状況であれば、光は高い手を必要としない。オーラスを安手で流せば良い。当然、鳴きのクズ手に走るだろう。

 一方の玄は、ここから三元牌支配完全形に向けての準備段階に入る。しかし、このオーラスでの連荘は無いはず。玄は、ここで逆転を決めるしかない。

 

 ただ、運命の悪戯か、この局に限って全員が、ツモと手牌が噛み合わなかったし、鳴いて手を進めることも出来ずにいた。

 グズ手狙いの光でさえ、聴牌したのは十三巡目だった。

 しかも、巡り合わせが悪いのか、光は和了り牌を掴むことができずにいた。

 そのような中、あと一巡を残すところで玄は聴牌した。

 

 この時の玄の手牌は、

 {一二三②③1399中中中中}  ツモ{2}

 

 本来ならば次巡ツモの海底牌は玄に回ってくる。しかし、ここで暗槓すると海底牌は一枚前にズレる。つまり、もし、ここで暗槓したら、嶺上牌が玄の最後のツモ牌となる。

 ここで玄は、

「(賭けに出るしかないのです!)」

 {中}を、

「カンなのです!」

 暗槓した。

 ここで{①}が引ければ、ツモ中チャンタ三色同順嶺上開花のハネ満ツモとなり、前後半戦トータルで逆転する。

 この緊張した局面で、最後に玄がツモってきた牌は………安目の{④}だった。

 これは、もう仕方がない。残念だが和了るしかないだろう。

「ツモ。嶺上開花中。60符3翻は2000、3900なのです!」

 

 この和了りで、後半戦は、

 1位:玄 147800

 2位:光 138400

 3位:春 61900

 4位:智紀 51900

 玄が、光を逆転した。

 

 しかし、前後半戦のトータルは、

 1位:光 310400

 2位:玄 305000

 3位:春 101300

 4位:智紀 83300

 光が5400点差でトップを守る結果となった。これで、白糸台高校が待望の勝ち星を一つ得た。

 

 ちなみに総合得点は、

 1位:白糸台高校 472900

 2位:阿知賀女子学院 454400

 3位:永水女子高校 438100

 4位:龍門渕高校 234600

 白糸台高校、阿知賀女子学院、永水女子高校の三強の構図となった。

 

 

「試合終了―――――――――!」

 アナウンサー福与恒子の声が観戦室にこだました。

 

「「「「ありがとうございました」」」」

 

 対局後の挨拶を済ませると、光は、ホッとした顔で対局室を後にした。やはり、最後の玄の和了りは怖かったのだ。

 

 ちなみに{①}の所在は………、全て光が持っていた。

 {①①①①②③}の形で持っており、全て面子として使われていたのだが、これは偶々運が良かったに過ぎない。

 個人戦でも玄との対決があるかもしれない。それに向けて、どのように対応するか、作戦を考える必要がありそうだ。

 

 一方、玄は、負けて悔い無しと言った表情だった。

 

 この頃、阿知賀女子学院控室では、

「じゃあ、サキ、行くよ!」

「お願いします。」

 憧が咲を連れて対局室に向かうところだった。いつものお約束、迷子対策だ。

 

 また、永水女子高校控室では、

「じゃあ、行ってきます。」

 明星が、一見落ち着いた表情で控室を出て行った。

 

 昨年のインターハイで従姉妹の霞を戦犯にした憎むべき女が相手である。当然、その手で敵討ちするチャンスだ。

 ただ、六女仙を統べる小蒔は、人を憎むことを善しとしない。むしろ、そのような部分が心の中にあること自体、修行が足りないとされる。

 ゆえに、この時の明星は、小蒔に心の内を悟られないようにムリムリ平静を装っていた。




おまけ

咲 -Saki-とユリア100式のクロスオーバーです。
五十本場おまけの続きになります。
本作は、マトモに書くと余裕でR-18になります。そのため、R-18に突入しそうになった時点で染谷まこの時間軸超光速跳躍が発動します。
憧100式の発明者として阿笠博士に特別出演していただきます。灰原哀と江戸川コナンも登場しますが、この二人はストーリー上、特に登場する意味は全くありません。


憧 -Ako- 100式 流れ七本場:憧、最高のアヘ

ここは、咲が暮らすアパート。
先日、憧と淡に手伝ってもらったレポートを教授に褒められて、咲は上機嫌だった。それで、咲は憧と淡の二人を呼んで手料理を振舞っていた。
既に時刻は午後七時を回っていた。
この日、京太郎と俺君は、共にバイトの遅番に入っていた。多分、帰宅するのは午前零時を過ぎるだろう。


咲「でも、本当に助かったよ。この間のレポート。手伝ってくれてありがとう。」

淡「そんなの別にイイって。気にしないで。」

憧「でも、教授の名前、阿笠博士でしょ?」

咲「そうだけど。」

憧「その人に、私と淡のこと、絶対に言わないでね。」

咲「うーん、どうしようかなぁ。」←意地悪な顔

憧「お願い。京太郎の妻の座は咲様にお渡ししますから!」

淡「俺君は、私だけのモノだけど!」←これは咲には聞こえていない

咲「つ…妻だなんて…。」←顔がにやけて来た

憧「(分かりやすい。)」

咲「だけど、どうして言われちゃ困るの?」

憧「私と淡は、阿笠博士によって造り出されたの。」

咲「えっ?」

憧「博士が、自分とHする相手として私達を造り出したんだけど、私達、博士のモノになるのがイヤで、そこから逃げてきたから。」

咲「そうだったんだ。でも、なんで女子高生型?」

淡「そういう趣味なんじゃないの?」

咲「なんか幻滅したよ、あのハゲオヤジ。」←急に口が悪くなった


咲がエアコンのスイッチを操作した。
ただ、巧く操作できなかったようで、何度もスイッチを押しまくった。
が………、急に憧100式と憧105式ver.淡の様子がおかしくなった。


憧・淡「「(なにこれ!?)」」

憧・淡「「(なんだか、無茶苦茶Hしたい!)」」


どうやら、憧100式と憧105式ver.淡は、そのリモコンに反応したようだ。
この股間の疼き。憧100式と憧105式ver.淡には堪えようがなかった。
もはや、自制できるだけの自信が無い。
ただ、誰でも良いからHがしたい。
そんな状態になっていた。
今なら、阿笠博士が相手でも受け入れてしまうかもしれない。


取扱説明書:憧シリーズは、テレビ、ビデオ、エアコン等のリモコンで反応することが稀にあります。

取扱説明書:その場合、1~2回のリモコン操作では然程影響はでませんが、連続でリモコンのスイッチを押しますと急激にHを要求するように変貌する恐れがありますのでご注意ください。

取扱説明書:憧100式と憧105式ver.淡は、百合機能は搭載されておりません。

取扱説明書:万が一、家電のリモコンで反応した場合、男女問わず見境なく性的に襲い掛かる可能性がありますので周囲の方はご注意ください。百合機能が搭載されていなくても女性に襲い掛かることはあります。

取扱説明書:いかなる場合においても、インプリンティング機能がリセットされることはありません。NTR機能またはスワッ〇ング機能を発動させない限り股間に触れたオーナー以外の『男性』は感電します。

取扱説明書:憧100式と憧105式ver.淡が極度の興奮状態にある場合、NTR機能またはスワッ〇ング機能が発動していない状態で股間に触れたオーナー以外の『男性』は感電死する恐れがありますのでご注意ください。

取扱説明書:感電するのは、飽くまでも男性のみです。女性の場合は感電したような絶頂状態に誘います。


憧・淡「「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………。」」

咲「どうかしたの?」

憧「ゴメンなさい、咲さん。もう、私…。」

淡「私も…。」

まこ「今回はワシの出番があったようじゃ!」


まこが、腕まくりしながらそう言った。
すると一瞬にして時間軸が飛び、既に事後となっていた。
素晴らしき染谷まこの超能力。R-18の描写を全てスっ飛ばしてくれる、咲-Saki-登場人物最強の力であった。

小一時間が過ぎた。
既に、憧100式も憧105式ver.淡も、ヤルことが終わってその場にグッタリと横たわっていた。
何故、憧100式も憧105式ver.淡も疲労を感じるのだろうか?
機械仕掛けなのだが、まるで人間のようだ。
オーナーが人間の女性と営んだような感覚が得られるよう、このように造られているようだ。芸が細かい。

一方の咲は、最初は抵抗したが、憧100式と憧105式ver.淡とのプレイにズルズルと引き込まれ、そのまま………。
初めての体験であった。


チャイムの音:ピンポーン!

和「咲さん。入りますよ。」


原村和が、咲のアパートの合鍵でドアを開けて中に入ってきた。
合鍵は、どのようにして入手したのかは不明である。少なくとも、咲から渡されたわけではないらしい。

和は、咲と二体のAI搭載自律型ダッ〇ワイフが裸で横たわる姿を見て愕然とした。
当然のことだが、和には、これら二体のダッ〇ワイフが人間の女性にしか見えなかった。
もっとも、それだけリアルに造られているのだから仕方がないことなのだが…。

しかも、三人とも激しく息を切らしている。明らかに事後だ。


和「(そんなオカルト………ないない! そんなの!)」


認めたくないが、間違いない。
愛する咲が、他の女性に寝取られた。
しかも、三人でのプレイ。
和にとっては、まさかの展開であった。人格が和から初美に変わるほどの衝撃だ。


和「咲さん。不潔ですー!」


和は、そう言い残すと、その場から逃げるように、泣きながら飛び出して行った。

その頃、コナンと灰原は、ヤることを終えて同じ布団で眠りこけていた。
ただ、二人の寝言がうるさかった。


コナン「あれれー。」←寝言

哀「APTX4869の解毒剤を合成するにあたり、代謝抵抗性を上げるため、酸化を受けやすいこのベンゼン環の3位にフッ素原子の導入を…。」←寝言

コナン「おっかしいぞー。」←寝言

哀「カルボン酸残基を生物学的等価の官能基に変換して…。」←寝言

コナン「犯人は毛利小五郎!」←寝言

哀「次の化合物の合成は、鈴木―宮浦カップリングとオレフィンメタセシスが鍵よね。」←寝言

コナン「コナン! 例のモノを!」←寝言

哀「ちなみにAPTX4869の48は四十八手、69は、シックスナインから来ている訳ではなく…。」←寝言

コナン「は~い。これ、毛利のオジサンに言われて探しておいた証拠だよ!」←寝言

哀「どうせなら四十八手もシックスナインもエロカワ君と…。」←寝言

コナン「でも、なんで俺は、毛利のオッちゃんが犯人なのに、毛利のオッちゃん役で推理してるんだ?」←寝言


まあ、どちらか一方がうるさくて、もう一方が寝られないと言うわけではなさそうだ。
共に眠りこけていて、共にうるさい。
似たもの夫婦だ。

一方、阿笠博士は、この日も最新式のAI搭載自律型ダッ〇ワイフ開発のため、寝る間も惜しんで作業していた。


博士「今までは、最初から完成形を目指そうと思っていたからいけないんじゃ。自分で育てるのも必要じゃな…。」

博士「顔は、やっぱり哀君や歩美君よりもカワイイ方が良い。」


どうやら、次のAI搭載自律型ダッ〇ワイフのコンセプトは決まっているようだ。

さて、それから少しして………、憧100式と憧105式ver.淡はと言うと…。
リモコン操作で狂った機能は、一先ず正常に戻っているようだった。


憧「咲さん。変なことしちゃってゴメンなさい。」

淡「リモコンの信号でおかしくなっちゃったみたいなんだけさぁ。」

咲「…。」

憧「それで、二つほど気になったことがあるんだけど、さっき入ってきた女性って誰?」

咲「大学の同期で、ストーカーされてるの。」

憧「じゃあ、なんで合鍵なんか渡してるの?」

咲「渡してなんかいないんだけど…、これまで三回も鍵を付け替えたけど、いつの間にか合鍵を手に入れてて…。」

淡「それってヤバイじゃん!」

憧「でも、私達との事後状態を見て逃げ出したから、もう来ないかも知れないわね。」

淡「だとイイケドね。」

憧「それともう一つ。咲さんって、『人間』とは誰ともシたことないよね?」

咲「うん…、していない…。」

憧「でも、破れてたよね。」

咲「…うん…。」

憧「なにかマズイことでもあったの?」

咲「小学校二年の時、鉄棒にまたがって横に回るのをやって、それで食い込んで…。」

憧「それでか…。ゴメン。私、慌てて指突っ込んじゃって…。」


取扱説明書:憧100式の指は女性がどれだけ使ったかを判別する機能が付いています。その際、中指を根元まで挿入します。


憧「でも、ほら。私、人間じゃなくてモノだから。だから、タ〇ポンを挿入したのと大差ないから…。」

咲「私、タン〇ンって使ったことなくて…。」

憧「本当にゴメン!」

咲「…。」

憧「ゴメンなさい!」

咲「責任とってもらうからね!」

憧「でも、どうやって?」

咲「もっと楽しませてもらうから!」


そう言うと、咲は再びリモコンを弄り始めた。
憧100式と憧105式ver.淡との情事に咲のほうがハマってしまった感じだ。
咲がスイッチを連打したことで、憧100式と憧105式ver.淡は、またもやHしたくてたまらん状態に突入してしまった。


憧・淡「「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………!」」

まこ「またワシの出番か! このままエンドレスで続くんじゃろか?」


再び憧100式と憧105式ver.淡が正常に戻った時には、既に明け方になっていた。



続く
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