咲-Saki- 阿知賀編入   作:おこそとのほもよろを

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五十二本場:王者からの洗礼

 明星は、対局室の手前で憧と手を繋いでいる咲を見つけた。ただ、咲は、妙にオドオドしていた。何かに怯えているようにも見えた。

「(その男好きっぽくて尻が軽そうな人と仲がイイみたいね。でも、私が相手で結構緊張してくれているのかしら?)」

 当然、明星は、自分の打ち方が咲達に研究されているだろうと思っていた。相手の打ち方を研究するのはお互い様だ。

 

 ただ、明星は、ちょっと勘違いしていた。

 明星は準決勝戦で能力を解禁した。たしかに、あのヤオチュウ牌支配は、一般には驚異的な力である。それで、咲が明星の能力を知って恐怖し、オドオドしているものと勝手に思い込んでいた。

 しかも、憧が咲に付き添って手を繋いでいるのも、明星が相手と知って咲が心細くなったからと思い違いしていたのだ。

 言うまでも無く、手を繋いでいるのもオドオドしているのも『迷子になるのが怖い』が正解なのだが…。

 そもそも、小蒔に降臨した最強神を相手に咲は勝利しているのだ。それを考えれば、咲が明星に恐怖するファクターなど無いだろうに…。

 ただ、それを認められないくらいに明星は咲を恨んでいた。

 

 憧は、咲を対局室に送り届けると、

「じゃあ、いつものヨロシク!」

 と言って控室に戻って行った。

 

 この時、咲は、

「(京ちゃんのタコス、食べるタイミングが早すぎたかも…。なんか、京ちゃんを感じられないよぉ。)」

 なんてことを思いながら半分涙目になっていた。

 この様子を見ながら、明星が益々勘違いしたのは言うまでもない。

 

 

 既に、みかんと一は入室して卓に付いていた。

 咲と明星が卓に付くと、一が、

「まいったな。相手がチャンピオンに、女子高生雀士ナンバーワン美女の佐々野さんとナンバーツー美女の石戸さんかぁ。私だけ見劣りしちゃうな。」

 と声に出した。

 まあ、普段の格好をして対局室に入れば、誰もが一の姿に釘付けになると思うが…。

 

 これを聞いて、咲の表情が曇った。

「(この子、美女ナンバーツーって言われてるんだ。下級生のくせに、この大きな胸。正直、気に入らないんだよね。)」

 そして、例の如く、暗黒物質が咲の全身から放出され始めた。

 これを察知したのか、みかんは、

「(なんだか、嫌な予感がする。なんで私ばっかり、宮永さんの相手をしなきゃならないのよ? むしろ、麻里香のほうが羨ましいけど…。)」

 と心の中で叫んでいた。

 

 場決めがされ、起家が明星、南家がみかん、西家が咲、北家が一に決まった。この席順を見て、みかんと一は、

「「(チャンピオンが本気だ!)」」

 と直感した。

 起家を取って全員トバシを狙う咲は恐ろしい。しかし、咲の本領は西家で発揮される。

 それを、みかんは光から聞いていたし、一も昨年の合同合宿でイヤと言うほど身をもって経験していた。

 ただ、明星だけが、それを知らずにいた。

 

 

 東一局、明星の親。

 まだ、咲は靴下を脱いでいない。先ずは、様子見と言った感じだ。

 一方の明星は、最初から能力全開で咲に挑むことにした。

 彼女の持つ能力は、霞と違って一つの色を集めるのではなく、ヤオチュウ牌を集める。言い換えれば、霞は門前清一色ツモ赤1の倍満を狙う能力、明星は国士無双や字一色などの役満を狙う能力である。

 配牌には能力の影響は出ないが、そこから手がヤオチュウ牌だけに変わってゆく。

 

 この局も例外ではなかった。

 明星の配牌は、六種八牌で普通に言えば悪いものだった。しかし、ここから数巡後にはヤオチュウ牌のみで手が埋まることになるのだ。

 

 ただし、他家の配牌やツモにヤオチュウ牌が行かないわけではない。数を考えると、そこは仕方がないだろう。

 

 重なる牌が少なく、八巡後には、明星は国士無双を聴牌した。そして、次巡、和了牌をツモった彼女は、勢い余って胸で牌を倒した。霞が初めて能力を披露した時の和了りを連想させる。

「ツモ。16000オール!」

 東初から親の国士無双が炸裂した。

 

 当然、明星は、

「(どうかしら、チャンピオンさん。これが私の力…。)」

 これで咲が萎縮するものと思っていた。

 しかし、咲から感じる空気は全く別のものであった。むしろ、激しい攻撃的なオーラがヒシヒシと伝わってくる。

「(えっ?)」

 今までオドオドしていた小動物系の雰囲気をまとっていた人間とは、まるで別人だ。

 しかし、周囲に怖い空気を浴びせる人間を明星は沢山知っている。例えば、小蒔や霞、初美がそれに当たる。

 なので、明星は、咲のオーラを浴びても、特に恐怖することはなかった。今のところは…。

 

 一方の咲は、

「(コーチに言われたとおりだね。ヤオチュウ牌を集める能力か…。でも、ヤオチュウ牌全てをガメるわけじゃないからね…。)」

 既に明星の能力の穴に気付いていた。

「(この子、自分の能力に自信を持っているみたいだけど、こっちからすれば捨てる牌が予測出来るってことでもあるんだよ。でも、余計なことをしたよね!)」

 加えて、いつもよりも余計に暗黒物質を放出していた。胸で牌を開くとは…、こいつも霞と同じだ。

 咲は、これで完全に明星をロックオンした。勝負以外に私情も入っているようだが…。

 

 東一局一本場、明星の連荘。

 今回も明星の手は六種八牌。まずはチュンチャン牌の整理を行う。

 ツモの流れから、どうやら混老七対子に進むのが良さそうだ。しかも、{①}と{⑨}が対子。これなら筒子の混一色も狙える。

 チュンチャン牌の整理を終え、次は萬子と索子のヤオチュウ牌整理に入る。

 字牌と筒子以外で持っているのは{一}と{1}のみ。

 先ず{一}を落とした。そして次巡、{1}を捨てたその時、

「ロン。平和三色ドラ1。7700の一本場は8000。」

 咲に和了られた。

 

 明星は、一瞬、何が起きたのか分からなかった。

 咲のイメージは飽くまでも槓。それと対極的な位置にある平和を和了ってくるとは思わなかったのだ。

「あっ、はい。」

 状況を理解するのに数秒かかった。

 ただ、これを見て明星は、

「(もう、形振り構わず和了ってきた感じかしら?)」

 くらいにしか思っていなかった。端牌で待つことが、明星対策であることに気づいていなかったのだ。

 

 

 東二局、みかんの親。

 みかんとしては、この親番でさっきの国士無双で支払った16000点を取り返したい。まあ、これは誰でも思うことだろう。

 しかし、中盤でみかんがツモ切りした牌で、

「ロン。タンピン一盃口ドラドラ。8000。」

 さくっと咲に和了られた。

 やはり咲は聴牌気配を見せない。非常にやりにくい相手だ。

 

 

 東三局、咲の親。

 咲は、まだ靴下を脱ぐ気配は無い。それイコール、まだ本気では無い証拠だ。いや、力をセーブしていると言うべきだろうか?

 場に{3}が四枚出てきた。普通に考えれば、{1}と{2}が使い難い。

 言い換えれば、{1}と{2}で平和手を和了られることはない。

 前局、前々局の咲の和了りを見る限り、今日の咲は槓で勝負してきていない。飽くまでも平和手で展開してきている。

 

 七巡目。

 明星の手牌は、

 {一一九九⑨19東東北北中中}  ツモ{⑨}

 

 {1}か{9}切りで聴牌。大会ルールでは、混老七対子を25符5翻で数える。つまり、出和了り満貫の手だ。

 ここでは、{1}が他家にとって使い難い牌。それで明星は、打{9}で聴牌に取った。{1}狙いだ。

 しかし、

「カン!」

 これを咲が大明槓してきた。そして、嶺上牌を引くと、

「もいっこ、カン!」

 連槓で{8}を暗槓した。さらに、次の嶺上牌を引くと、

「もいっこ、カン!」

 さらに咲は、{七}を暗槓した。当然のように、次の嶺上牌………{[⑤]}で、

「ツモ! 対々三暗刻三槓子嶺上開花赤1。24000!」

 嶺上開花、いや、五筒開花を決めた。この親倍は明星の責任払いになる。

 これで咲が明星を逆転した。

 この和了りを見て、みかんは、

「(もう、『もいっこ、カン』が出ちゃった。もう、宮永さんは全てを見切ったってことだよね…。今日はヤキトリかな…。イヤだな…。)」

 全てを悟った。

 昨日の準決勝に引き続き、今日も和了らせてもらえないであろう危機感を覚えた。

 

 東三局一本場。

 いくら咲が相手でも、みかんも一もヤキトリだけは回避したい。望んでヤキトリになりたいとは誰も思わないはずだ。

 できれば、二人とも、ここで和了りを決めて咲の親を流したい。

 しかし、そうは問屋が卸さない。

「ロン! 中ドラドラ。7700の一本場は8000。」

 一が捨てた牌で咲にさくっと和了られた。しかも、五巡目と門前手にしては結構早い和了りだった。

 そして、一から点棒を受け取ると、

「じゃあ、靴下を脱ぎます。」

 とうとう咲は、本気宣言した。

 

 東三局二本場。

 明星は、自分のツモに違和感を覚えていた。ヤオチュウ牌しか来ないはずのツモの中にチュンチャン牌が含まれていた。

 とは言っても、序盤六枚のうちの一枚だけだったが…。

 自分の能力が弱まっているのだろうか?

 それとも他の誰かの能力干渉で弱められているのだろうか?

 まあ、『誰か』と言っても該当者は咲くらいしかいなのだが…。

 それでも一応、ツモは基本的にヤオチュウ牌。ならば方針は変えられない。ヤオチュウ牌中心の手に仕上げて行く。

 中盤に入り、九巡目で明星は再びチュンチャン牌の{③}を引いた。

 方針変更無しと決めた以上、明星は、これをツモ切りした。結構頑固なところがあるようだ。しかし、これを、

「カン!」

 咲が大明槓してきた。狙っていたのだ。そして、嶺上牌を引くと、

「もいっこ、カン!」

 連槓で{4}を暗槓した。さらに、次の嶺上牌を引くと、

「もいっこ、カン!」

 今度は、{八}を暗槓した。続いて次の嶺上牌を引き、

「もいっこ、カン!」

 とうとう四つ目の槓子が副露された。最も出現確率が低いとされる役満、四槓子の必要条件が揃った瞬間であった。

 明星の背中に冷たいものが走り抜けた。まさか、一瞬で四槓子が作り上げられてしまうとは…。

 そして、咲は、当然のように次の嶺上牌………{[⑤]}で、

「ツモ! 四槓子。48600!」

 再び五筒開花を決めた。この役満は明星の責任払いになる。

 これで、明星は一気に最下位に転落した。

 

 東三局三本場。

 さすがに明星は焦ってきた。

 最初に親の役満を決めて、通常であればトップで折り返せるだけのリードを確保していたはずだった。

 それなのに、今はトップの咲にトリプルスコア近い点差をつけられている。

「(なんとかしなきゃ…。)」

 ただ、この焦りが思考を鈍らせ、暴牌を生む。

 それこそ、咲の思う壺である。

 

 七巡目で明星は聴牌した。

 彼女の手牌は、

 {一一九九①99西西北北中中}

 またもや混老七対子だ。

 

 その次巡、明星は{②}を掴んだ。自分としては、ここでは本来不要な牌だ。

 当然、明星は、これをツモ切りしようとした。ただ、それで本当に良いのだろうか?

 さっきはチュンチャン牌をツモ切りして咲にやられた。ならば、ここは敢えて{②}待ちに変えるのはどうだろうか?

 これなら裏をかけるかも知れない。

 それで明星は、{①}を切った。

 しかし、

「カン!」

 これを咲が大明槓してきた。そして、嶺上牌を引くと、

「もいっこ、カン!」

 連槓で{③}を暗槓した。さらに、次の嶺上牌を引くと、

「もいっこ、カン!」

 咲は、{⑥}を暗槓した。

 この時、明星には巨大生物が大きな口を広げ、自分目掛けて突っ込んでくる幻が見えていた。食い殺される恐怖しかない。

 そして、咲は続く次の嶺上牌………またもや{[⑤]}を引き、

「ツモ。清一対々三暗刻三槓子嶺上開花赤1。48900!」

 

 開かれた手牌は、

 {②②②⑤}  暗槓{裏⑥⑥裏}  暗槓{裏③③裏}  明槓{①①①横①}  ツモ{[⑤]}

 

 どうやら、{①}を切っても{②}を切っても結果は同じだったようだ。

 さっきの幻のせいか、明星の身体は、ガタガタと激しく震えていた。

 

 

 この段階での順位と点数は、

 1位:咲 229500

 2位:みかん 71600(席順による)

 3位:一 71600(席順による)

 4位:明星 18500

 次に親ハネを直撃されたら明星は箱割れする。

 今まで咲は、明星から満貫級、親倍、四槓子、数え役満を直取りしている。次に直撃されたらトビ終了するだろう。

 今までにない緊張感が明星を襲った。

 

 

 東三局四本場。咲は、

「カン! ツモ! タンヤオツモ嶺上開花ドラドラ。4400オール!」

 明星の不安を他所に親満をツモ和了りした。

 

 東三局五本場。ここでも咲は、

「カン! ツモ! タンヤオツモ嶺上開花一盃口。4500オール!」

 親満をツモ和了りした。

 

 続く東三局六本場も、

「カン! ツモ! ツモ嶺上開花ドラドラ。4600オール!」

 咲は親満をツモ和了りした。これで咲の九連続和了だ。

 しかも親満ツモ三連発。明星には、じわりじわりと自分の点数を削っているようにしか思えなかった。

 これで、明星の持ち点は丁度5000点になった。

 

 東三局七本場。

 ここで咲は、

「チー!」

 みかんが捨てた{4}を鳴いた。それも、カンやポンではなくチーだ。

 そして、次巡、

「カン!」

 咲が、{②}を暗槓した。さらに、次の嶺上牌を引き、

「もいっこ、カン!」

 続いて{三}を暗槓した。

 明星は、

「(これで終わり…。)」

 トビ終了を覚悟した。

 しかし、咲は、その次の嶺上牌で、

「ツモ! タンヤオ嶺上開花! 60符2翻。2000オールの七本場は2700オール!」

 和了りを決めたが明星を箱割れさせるには至らなかった。トバされずに明星はホッとしたが、残り2300点。状況は悪化しただけだった。

 

 東三局八本場。

 既に咲は、この親で八回連続の和了りを決めた。しかし、この大会ルールでは、八連荘が認められていない。それが明星にとっては、せめてもの救いだろう。

 ルールによっては、子の和了りから数えて九回連続で和了れば八連荘での和了りとして認めるところもあるようだが、その場合は、既に咲は役満八連荘としての和了りを達成していることになる。

 

 明星は、自分の支配が弱まっていることに気付いた。本来、自身の能力でヤオチュウ牌ばかりが来るはずのツモが、半分以上チュンチャン牌に切り替わっている。

「チー!」

 今回も、咲がみかんの捨て牌をチーした。一体何をしようとしているのか、明星にはまるっきり読めない。

 そして、数巡後、

「カン!」

 咲が{①}を暗槓した。

 嶺上牌を引くと、当然のように、

「もいっこ、カン!」

 今度はオタ風の{西}を暗槓した。そして、続く嶺上牌で、

「ツモ! 嶺上開花のみ! 90符1翻で、1500オールの八本場は2300オール!」

 咲は、明星にとって最悪の和了りを決めてくれた。これで、明星の持ち点がゼロになったのだ。

 完全に点数を調整して遊ばれている。

 これで従姉妹の霞も戦犯にされたのだ。

 しかし、明星の頭の中は、遊ばれたことによる怒りよりも恐怖で満ちていた。そして、闘争心が失われ、とうとう明星の能力支配も完全に消えた。




おまけ

咲 -Saki-とユリア100式のクロスオーバーです。
五十一本場おまけの続きになります。
本作は、マトモに書くと余裕でR-18になります。特に今回は、マトモに書いたらマズイ気がします。
そのため、R-18に突入しそうになった時点で積極的に染谷まこが登場し、時間軸超光速跳躍を発動してくれます。
また、憧100式の発明者として阿笠博士に特別出演していただきます。一応、灰原哀と江戸川コナンもムダに登場します。


憧 -Ako- 100式 流れ八本場:少女からの選定

哀「メール?」

コナン「もう一人の俺からだよ。まだ、何もさせてもらえてないらしい。」

哀「やっぱり、私のナイト役になれてよかったでしょ?」

コナン「バーロー。当たり前なこと言うなよ!」


しかし、コナンと哀は、普通に保健体育の実習をするのは飽きてきたらしい。
最近では、哀がコナンに首輪をつけて、コナンを四足で散歩させるのにハマっているそうだ。
今のところ博士の家の敷地内(庭)だけで、敷地外でやるわけではなかったが…。
ただ、路上に出るのは時間の問題だろう。

一方、阿笠博士の研究室中央に置かれた回転ベッドの上には、一人のカワイイ女の子が裸で仰向けに寝かされていた。
今回は、その背丈から小学校高学年くらいと考えられる。
その女の子は博士の科学力の全てを結集したニュータイプのカラクリの類いであったが、博士、それはマズイんじゃないか?
その名も、憧110式ver.マホ。
憧シリーズの最新型なのだが…。


博士「今までは女子高生タイプにこだわっていたんじゃが、それがイカンかったようじゃのう。やはり、小学生くらいからワシの手で理想のタイプに育て上げて行くべきだったんじゃ。光源氏計画じゃの。今度こそ、巧くイってくれ…。」


取扱説明書:憧110式ver.マホは業界初の成長機能付きです。女子高生タイプになるまで三年以上かかります。その間、オーナーが色々と学習させることになりますが、それによりオーナーの望むタイプへと成長させることが可能です。


博士が、憧110式ver.マホの胸を触った。毎度のことだが、これがオンスイッチらしい。
ただ、あくまでもオンスイッチであってオフスイッチの機能は無い。これも毎度の設定である。


マホ「うーん。おはようございます!」

博士「うん。おはよう。」

マホ「あれ? どうして私、裸になっているのでしょうか?」

博士「それは、君がたった今、造られたばかりだからじゃ。」

マホ「造られた?」

博士「そうじゃ!」

マホ「それと、あなたは誰ですか?」

博士「ワシは、君の発明者。阿笠博士じゃ。」

マホ「では、私は博士に造られたって事ですね。」

博士「そうじゃ。」

マホ「でも、造られたって、私は人間じゃないんですか?」

博士「君は人間では無いんじゃ。ワシの科学力の全てを注ぎ込んで造り出した…。」

マホ「(もしかして、人造人間?)」

博士「AI搭載の人型性欲処理具、自律型ダッ〇ワイフ、憧110式ver.マホじゃ!」

マホ「ええと、なんなんでしょう、そのダッチ〇イフって?」

博士「性欲処理具の一つじゃ。」

マホ「では、私は他の男の人に奉仕するためだけに生まれてきたのでしょうか?」

博士「そうではない。」

マホ「(では、人間みたいに色々と人生を楽しめるってことでしょうか?)」←少しワクワクしてる

博士「ワシの下の世話のためだけに造ったんじゃ!」

マホ「えぇ―――!!!」

博士「これが取扱説明書じゃ。ワシも、細かいところは忘れてしまうかもしれんので書きとめたメモみたいなもんじゃがな。」

博士「それと、機種名は憧110式ver.マホじゃが、普段の名前は憧と呼ぶと100式と間違えるでの。それで、マホと呼ぶことにする。」

マホ「悪の組織と戦う人造人間じゃないんですか?」

博士「ダッチ〇イフ!」

マホ「合体して巨大ロボットになって悪の組織を倒す『正義の味方』とかに憧れるんですけど?」

博士「そんな機能は無い! まぎれも無くダッチ〇イフじゃ! 男とは合体するがの。まあ、これも造る度に毎回言っておるが、強いて言えば、『性技のみの方』じゃ!」

マホ「(そんな…。)」

博士「では、早速使わせてもらうとするかの!」


丁度ここに、工藤新一が入ってきた。
ノックもせずにだ。ちょっと礼儀とか躾とか言うものがなっていない気がするが…。


新一「博士! ちょっと頼みがあって…。」


そこで、新一の目に飛び込んできた光景は…。
博士が下半身裸になって、全裸にした小学生っぽい女の子に迫っている構図…。
間違いない。これは、博士が女の子に悪戯しようとしているところに出くわしたに違いない。と新一は思った。
博士を犯罪者にするわけには行かない!
新一は、博士の暴走を止めることにした。


新一「おい、博士、何やってるんだよ!」

博士「何って、これからナニを…。」

新一「それはマズイだろ!」

博士「いや、これはワシが造った…。」

新一「俺だって蘭とヤれてないんだぞ! それを、小学生の女の子を連れ込んでヤろうなんてよ!」

博士「誤解じゃ、新一。」

新一「何が誤解なんだよ!」


憧110式ver.マホは、このゴタゴタに乗じて取扱説明書を手にして博士の部屋から逃げ出した。そして、庭に干してあった哀の服を拝借して博士の家から飛び出して行った。サイズはキツキツだが、今は我慢だ。

AIの学習どうこう以前に、博士は、憧シリーズに縁がないのかもしれない。

憧110式ver.マホも、この街から姿を消し、姉妹機同様に例の街に逃げ込んだ。
そして、公園のブランコに座って取扱説明書を読んでいた。姉妹機と、ほぼ同じ行動パターンである。


マホ「オーナー…、インプリンティング機能…。NTR機能…、なんなんですか、これ? マホは、とても悲しい存在なのです。」

マホ「それにしても、おなかすきました。誕生してから何も食べてません。」

マホ「それに、眠くなってきました。」


取扱説明書:憧110式ver.マホも、他の姉妹機同様にエネルギーは普通に人間と同じ食生活で問題ありません。ロボ〇タンAを用意する必要はありません。

取扱説明書:憧110式ver.マホは、エネルギーが一定量以下になるとスリープモードに入ります。本機能は、憧108式ver.姫子以降の機種のみに搭載されています。

取扱説明書:憧110式ver.マホは、食事の匂いで自動的にスリープモードから解除されます。この点は、憧108式ver.姫子とは異なります。


憧110式ver.マホは、そのままブランコの上で眠りこけてしまった。
それからしばらくして、一組の男女(?)が憧110式ver.マホの姿を見つけた。


?「ちょっと、あの子…。」

?「こんな時間に、小さい子一人じゃ危ないな。」

?「ねえ、この子、取扱説明書って…。」


このままでは危険と判断したのだろう。憧110式ver.マホは、その男性の方におんぶされて、眠りこけたまま彼らのアパートに連れて行かれた。


マホ「(なんか、いい匂いがします。)」

マホ「(男の人がいます。割りとマホの好みのタイプです。)」←目を開いた

マホ「あなたが助けてくれたのですか?」←身体を起こした

京太郎「目が覚めたみたいだね。」

マホ「ここって?」

京太郎「俺のアパート。あと、おなかすいているかなと思って、それ作っておいた。良かったら食べてみて。」

マホ「ありがとうございます。」


そこに置かれていた食べ物はタコスだった。
憧110式ver.マホは、早速タコスをいただいた。


マホ「とても美味しいです。それで、マホはお礼がしたいのですが、マホに出来ることって、これくらいしか…。」


憧110式ver.マホが服を脱ごうとした。すると、憧110式ver.マホの背後から憧110式ver.マホに向けて拳骨が振り下ろされた。


憧「ちょっと、やめてよ。京太郎は、もう私のオーナーなんだから!」

マホ「えっ?」


取扱説明書:憧110式ver.マホは、まだ子供のため視野が狭く、目的対象物以外は目に入らないことが多々あります。


憧「あなたも阿笠博士に造られたダッチワ〇フね?」

マホ「どうしてそれを?」

憧「私は憧100式。あなたの姉機ってとこね。」

マホ「あなたがお姉さんでしたか。でも、一人で二つのオーナーになってはいけないってことはありませんよね?」

憧「それはそうだけど。」

マホ「では、京太郎さんでしたか? マホのオーナーになってください!」

憧「ダメだって言ってるでしょ!」←再び拳骨を落とす

京太郎「おいおい、そんな乱暴な…。」

憧「あのね。もし、この子まで使ったら、京太郎は咲さんにどう説明すんのよ? 小学生に手を出したって、咲さんが悲しむでしょ?」

京太郎「いや、でもな…。」

憧「それに、私だって他の器具を京太郎に使って欲しくないし…。」←玩具として他の玩具にヤキモチを妬く憧100式

京太郎「憧…。」←憧100式にヤキモチを妬かれて嬉しい


チャイム:ピンポーン(誰か来た)


憧「はーい。」

一太「ちょっとカレーを作りすぎちゃって、おすそ分けにきました。」


内木一太は、清澄高校学生議会の副会長を務めていた人物である。
彼は、京太郎と同じアパートの同じ階に住んでいた。哩の部屋の隣だ。

一太の目に憧110式ver.マホの姿が飛び込んできた。


一太「そ…その子は?」

憧「あ…あぁ、この子ね。この子は、私のいもうt…。」

マホ「私は憧110式ver.マホと言います。憧100式の姉妹機で、AI搭載の自律型ダッ〇ワイフです。しかも業界初の成長機能付きなんですよ!」

一太「は…はぁ…。」

マホ「今なら、憧110式ver.マホを無料でお試しいただけます! ただし、返品不可になりますが!」

一太「ええと…、じゃ…じゃあ、僕の部屋にくる?」

マホ「喜んで!」

まこ「これ以上はマズいじゃろ!」


まこのお陰で、一気に時間が飛び、翌朝になっていた。
憧110式ver.マホは、多分、オーナーを手に入れた………のかな?



続く?
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