インターハイ団体決勝大将前半戦がスタートした。
起家は穏乃。
「(絶対安全圏発動プラス…。)」
北家の淡が、いきなり能力を全開にして穏乃、衣、湧に挑む。
淡以外は軒並み五~六向聴で、淡のみ配牌一向聴。そして、淡は第一ツモを手牌に取り込むと、
「リーチ!」
天下の宝刀(淡の場合はアホの娘なので伝家ではありません)、ダブルリーチをかけてきた。
サイの目は7。最後の角が最も早く来る切れ方だ。鳴きが無ければ、九巡目で最後の角に達する。
しかも、淡以外は全員最悪の配牌。最速でも五向聴から聴牌に五巡………と言うと、一見大したこと無いように感じられるが、余程ツキが無い限りムダツモは必ずあるだろう。
よって、五~六向聴からスタートして毎回九巡以内で聴牌できるほうがおかしい。それができるとすれば、何らかの能力を持っていると考えるべきであろう。
だが、一般論は飽くまでも一般論である。ここには一般論が通じない輩がいる。信じられないことだが、衣も湧も八巡目で既に聴牌していた。
「(やっぱり、こうじゃなくちゃね!)」
二人の聴牌気配を感じ、淡は楽しそうであった。やはり、強い相手と戦いたい。
九巡目、
「カン!」
当然の如く、淡が暗槓した。これが淡のお決まりのパターンだ。
そして、次々巡で、
「ツモ。ダブリーツモ槓裏4。3000、6000。」
淡がハネ満ツモを決めた。
しかし、衣も湧も特段焦った様子は無かった。むしろ、その表情からは余裕が見え隠れしている。
これくらい簡単に逆転できると言いたそうだ。
東二局、衣の親。
サイの目は10。最後の角が非常に深いパターン。
この局も淡は一巡目で聴牌していたが、さすがにダブルリーチは見送った。攻めるには最後の角が深過ぎる。
まだ衣はオーラを全開にはしていない。湧の出方を観察している感じだ。
一方の湧は、中盤に入り、
「ポン!」
淡が捨てた{中}を鳴いた。
{中}の刻子を含むローカル役満と言えば、紅一点({發}が{中}に変わった緑一色)、紅孔雀、宝紅開花がある。
しかし、この鳴きを見て衣は恐れるどころか、逆に不敵な笑みを浮かべた。そして、
「少しは考えた方が良いぞ!」
こう言うと、衣は急にオーラを全開にしてきた。恐ろしいほどの威圧感がある。
鳴きが一切入らなければ、海底牌は親の下家である湧が引くことになる。
ところが、湧が淡から鳴いたことにより、海底牌を引くのが労せず衣に変わった。それで衣が様子見から一転して攻めに転じたのだ。
この後、湧は急に鳴けなくなった。ツモも悪い。一向聴から手が進まなくなった。衣の支配で身動きが取れなくなったのだ。
穏乃は、まだ調子が今一つ。聴牌からは未だ遠い。
淡は聴牌していたが和了り牌が出てこない。
ラスト一巡。
「リーチ!」
自信に満ちた顔で衣がリーチをかけてきた。一発を消そうにも誰も鳴けない。完全なる衣の支配下。
そして、
「ツモ! リーチ一発ツモ海底撈月ジュンチャンドラ2。8000オール!」
親倍ツモが炸裂した。
以前の衣なら、ここで一言、挑発的とも言える強気な台詞を入れただろう。しかし、衣は点棒を受け取ると余計なことを言わずに山を崩した。
ここには穏乃がいる。親倍を和了った程度では気が抜けない。まだまだ余裕を見せられる状況ではないのだ。
東二局一本場、衣の連荘。
ここでも絶対安全圏が効いている。しかも、淡は配牌聴牌。
しかし、ダブルリーチをかけなかった。衣と湧から放たれるオーラに不気味なモノを感じ、様子見に回ったのだ。
「ポン!」
衣が捨てた{2}を湧が鳴いた。
湧の捨て牌には萬子、筒子に加え、{1}と{9}がある。一見、緑一色を狙っているようにも思える。
しかし、湧の特性………、ローカル役満で考えれば紅一点か?
そう衣が思っていた矢先、
「ツモ!」
湧が{[5]}ツモで和了った。
開かれた手牌は、
{4445666888} ポン{横222} ツモ{[5]}
「清一タンヤオ対々三暗刻赤1。6100、12100!」
ルール上は三倍満だが、この和了り手はローカル役満の四跳牌刻であり、{發}無しの緑一色輪でもある。まさにローカルダブル役満だ。
これで湧が衣を抜いてトップになった。
既に穏乃は、これまでの三回に渡る他家の高打点のツモ和了りで、20100点を失っていた。
もしこれが通常の25000点持ちでの対局なら、東三局突入時点で5000点を割っていることになる。
とんでもないツモ和了りの応酬と言える。
東三局、湧の親。
サイの目は、またもや10。最後の角の後のツモ牌が六枚しかない切れ方。
ここでも淡はダブルリーチを控えた。しかし、絶対安全圏は発動している。ここは、なんとか和了って次に繋げたい。
しかし、
「ポン!」
衣が淡の捨てた{白}を鳴くと、急に場が禍々しい空気に覆われた。海底牌に衣がコースインしたためだ。
この局も、東二局と同様に衣の強烈な支配が場に重く圧し掛かる。
そして、
「ツモ! 白対々三暗刻海底撈月。3000、6000!」
ここでも衣の海底撈月が炸裂した。
この和了りで、今度は衣が湧を抜いて1位に返り咲いた。
東四局、淡の親。
卓上にうっすらと靄がかかって見える。穏乃の能力が発動し始めたのだ。
衣も淡も穏乃とは対戦経験がある。そろそろ深山幽谷の化身が動き出すことを当然のこととして予想していた。
一方の湧にとっては初体験である。
今までの穏乃の実績………昨年インターハイ団体戦での活躍や春季大会での逆転劇から何かあるだろうとは思っていたが、このような現象が起こるとは………、完全に想定外であった。
しかも、まだ絶対安全圏が崩れていない最低最悪の配牌の状態で、自分が和了れるローカル役満への道筋が見えてこない。
別に湧は、今更不気味なモノ(Hな意味ではありません)を恐れてはいない。六女仙の先輩には邪神を降ろす者さえいるのだ。むしろ、不気味なモノ(くどいようですが、Hな意味ではありません)には慣れている。
しかし、六女仙以外の人間が、これだけの雰囲気を出すことには驚いていた。
「(なんなのこれ? 宮永が悪魔なら、こいつは死霊かなにか?)」
そう思った直後、
「(違う…。火焔が見える。それに、その姿…。なんで?…。)」
湧は考えを改めた。
まさか、穏乃の背後に、そんなとんでもない者が見えるとは…。
湧は、一瞬、息を飲み込んだが、
「(でも、やるべきことはやる。最初から、そのつもりだったはずでしょ?)」
そう自分に言い聞かせて気合いを入れ直した。
さすがに驚いたが、それでも湧は、何も恐れず自分の特性に沿って手役を作り上げて行く。もともと、そのスタンスを貫こうと決心したはずだ。相手が何であろうと、ここでは麻雀の対決だ。
そして、ようやく見えてきた和了り形に向けて不要牌を切ったその時だった。
「ロン…。タンピンドラ2。7700。」
「えっ?」
湧が穏乃に振り込んだ。
全く聴牌気配が読めなかった。
振り込んだことを認識するのに湧は数秒かかった。湧にとっては自分でも信じられない振り込みだったのだ。
南入した。
南一局、穏乃の親。
卓上にかかる靄がさらに濃くなった。
絶対安全圏は発動していたが、ダブルリーチの能力はキャンセルされた。淡は、この局は一向聴からのスタートとなった。
衣も能力を発動している。他家を一向聴地獄に引きずり落としている。
しかし、これが何時まで続くか分からない。衣は、自分の能力がどの段階で穏乃によってキャンセルされるのかを見定めながら慎重に手を進めてゆく。
この時、湧は、まだ衣の支配が生きていることを感じ取っていた。
それでも自分の能力………ローカル役満に向かって進めて行けば衣の支配を抜けることが出来るはず。その証拠に東二局一本場では和了っている。
しかし、何かによって自分の能力がキャンセルされている。ローカル役満に向けて突き進んでいるはずなのに、何故か最後の一枚が来ない。
そんな状態が続いて湧は焦ってきた。
そして、ようやく聴牌できたと思った次の瞬間だった。
「ツモ。4000オール。」
一歩遅かった。タッチの差で穏乃に和了られた。
これで1000点差とは言え、湧は穏乃に逆転されて3位に転落した。
南一局一本場、穏乃の連荘。
衣は、
「(ここで和了っておかないと、さすがに衣もマズイ。穏乃は幸い起家だ。この親を流せば穏乃に逆転される可能性は低い!)」
そう考えて、ここで能力を全開にした。
今を征することで、トップで前半戦を折り返せると判断したのだ。
「(ただ和了るだけなら巫女を狙えばよい。視界が悪くなって観察力が鈍っているみたいだからな。しかし、それでは穏乃から点を奪えない。)」
幸い衣は南家。一切の鳴きが入らなければ海底牌をツモるのは衣になる。
ならば、ここでやるべきことは他家に鳴かせず、且つ他家に聴牌させない一向聴地獄の能力を最大限に開放することだ。
絶対安全圏が効いているため、穏乃も湧も配牌が悪い。
一方の淡もダブルリーチの能力がキャンセルされて聴牌していない。
そこに衣は一向聴地獄の能力を当ててきた。そのまま最後の一巡まで他家を動かせないように支配する。
そして、衣だけが聴牌。当然、
「リーチ!」
最後のツモ番を残して衣はツモ切りリーチをかけた。
勿論、海底牌で、
「リーチ一発ツモ! 海底撈月ドラ2。3100、6100!」
衣は狙い通りハネ満ツモで穏乃の親を流した。
南二局、衣の親。
さすがに前局でエネルギーを使い過ぎた。折角の親番だが、衣は完全に支配力を失っていた。
しかし、この時点での点数は、
1位:衣 129200
2位:湧 92500
3位:穏乃 90500
4位:淡 84800
衣は穏乃に40000点近い差をつけている。
これなら、仮に穏乃に三連続で満貫を和了られても、自分が振り込みさえしなければ、衣は穏乃に勝てるはずだ。
春季大会の記憶が甦る。
あの時の衣は、まだ能力に頼り過ぎていた。
相手の手の高さや待ち牌を見抜く能力を持っていたため、河を読んだり相手の動きを観察したりする必要が無かった。
ところが、その能力がキャンセルされると、他家の聴牌気配も読めなければ、待ち牌も分からない。
その結果、衣は春季大会決勝の大将前半戦南二局と南二局一本場で、親の穏乃に11600点と18300点を連続で振り込んでしまった。たった二回で30000点近い失点だ。
そこで衣は、春季大会が終わってすぐ、自分の能力が効かないコンピューター麻雀で待ち牌を読む訓練を開始した。全ては、今日のために………。
勿論、穏乃だけではない。淡も湧も強敵だ。
しかし、穏乃の支配がさらに強くなって行く状況ならば、仮に淡や湧に和了られても高い手にはならないはず。
衣は、そう考えていた。
ただ、期待は裏切られるためにあるようだ。
この局、湧は自分の能力を最大限にまで高めていた。トップの衣に連荘をさせてはならないとの判断だった。
とにかく、後先のことなど考えていられない。今を乗り切ることに湧は集中していた。
ローカル役満で、かつ一般的な麻雀の和了り役として認められる形のモノは、刻子手や染め手が多い。
絶対安全圏が完全にゼロになっていない状態で、しかも自分の能力も穏乃の能力によって押し返されている中で、刻子手や染め手に進めるのは結構キツイ。
しかし、順子手で、しかも染め手でない古役の………超ローカル役満が存在する。今は、それに向けて動くのがベストと湧は判断した。
幸い、赤牌を3枚ガメている。これなら満貫以上が作れるはず。
そして作り上げた手で、
「ツモ!」
湧が和了った。
開かれた手は、
{二三四[五]六七[⑤]⑤34[5]67} ツモ{2}
筒子の雀頭で、萬子と索子で同じ数字の順子を二組作った形。これは双竜争珠と呼ばれる古役である。
しかも、雀頭が{⑤}で同色の順子が六連続の牌になるパターン。これは、双竜争珠の中でも役満として扱われる超ローカル役だ。
「タンピンツモ赤3。3000、6000!」
これで湧は104500点で2位。トップの衣と18700点差まで詰め寄った。
しかも、次は湧の親番。まくるチャンスと、再び湧は気合いを入れ直した。
南三局、湧の親番。サイの目は7。ドラは{②}。
絶対安全圏は不完全状態。ダブルリーチもかけられない。
しかし、最後の角の後が最も長い山の切れ方。ここで淡は勝負に出ることにした。
「(コロモの支配はシズノの親を流して以来、復活していない。シズノの支配はキツイけど、今の私なら能力をマックスまで上げれば聴牌できるはず。それに、シズノの支配下でも和了れないわけじゃない!)」
淡は、引いてきた{白}を、
「カン!」
暗槓し、嶺上牌の{西}を取り込んで、
「(ここは手を上げる!)」
雀頭の{三}を捨てた。
次巡、淡は{西}を重ねて、
「リーチ!」
{横三}切りでリーチをかけた。
「ポン!」
一発消しのつもりか、それとも手を進めるためか?
湧が{三}を鳴いた。
この時の湧の手牌は、
{四五六六七八9發發發} ポン{三三横三}
彼女の狙いは、ローカル役満の紀州五十五万石のようだ。
{發}の暗刻を持っており、萬子の混一色形を狙っている。しかも、あと{五}が二枚で萬子の数の合計が五十五での和了り形になる。
しかし、その次の牌で、
「ツモ!」
淡がツモ和了りした。
開かれた手牌は、
{1234[5]789西西} 暗槓{裏白白裏} ツモ{3} ドラ{②} 槓ドラ{九} 裏ドラ{南} 槓裏{中}
「リーツモメンホン白赤1。3000、6000!」
安目ツモだった。
これが高目の{6}ツモなら、一気通関がついて倍満だったのだが………。
残念だ。
しかも、穏乃の支配が強まっているためだろう。予想はしていたが、やはり槓裏は乗らなかった。淡の能力がキャンセルされている。
そうは言っても、ハネ満ツモ和了り。十分高い手だ。穏乃や衣を相手に、これ以上の贅沢は言っていられないだろう。
これで淡は穏乃を抜いて3位に順位を上げた。
オーラス、淡の親。ドラは{八}。
半荘最終局は、穏乃の山支配が最強になる。靄も強烈になり、視界が非常に悪い。
衣も淡も穏乃との対局経験があると言っても、完璧な対策が立てられているわけではない。特にオーラスの穏乃の支配は、何時見ても厳しいものがある。
今更ながらに思う。昨年インターハイ準決勝戦では、オーラスで、よく淡自身、ハネ満をツモ和了りできたものだと…。
この局、湧は前局と同様に萬子の染め手を作っていた。ここで狙うは加賀百万石。しかし、何故か一向聴から先に進めない。萬子がツモれなくなったのだ。
これは衣の支配では無い。穏乃の山支配による影響だ。
中盤、湧は、{①}をツモ切りしたが、これが穏乃の和了り牌だった。
これで前半戦が終わると、中継を見ている人達は誰もが思った。穏乃の手は満貫級の手だったのだ。
しかも、湧が萬子の清一色聴牌直前の状態。普通なら、和了って当然の展開である。
ところが、観衆の予想を裏切り、穏乃は、これをスルーした。普通は、先ずありえない行為だ。
しかし、穏乃は次のツモ番で、
「ツモ。タンピン一盃口ドラ2。3000、6000。」
ハネ満をツモ和了りした。
しかも、引いてきた牌が何であるかを確認せずに手牌を開いた。盲牌もしていない。まるで、そこに和了り牌が眠っているのを事前に知っていたかのようだった。
開かれた手牌は、
{三三②③④[⑤]⑥445[5]66} ツモ{⑦}
高目ツモだった。
穏乃は、敢えて湧から出た安目の和了り牌を見逃し、高目でツモ和了りすることで点数をワンランク上げたのだ。
これで、前半戦の点数は、
1位:衣 117200
2位:穏乃 96500
3位:湧 95500
4位:淡 90800
トップとラスの差が26400点と、まだ全員が前後半戦トータル1位………、つまり団体戦優勝を狙える位置にいる。
当然、大将の四人全員の目からは、まだ希望の光は消えていない。全員が優勝を目指して志気が上がる。
ここで一旦休憩時間に入ること自体が、まるで大将四人の心に水を射すことのようにすら思えた。
おまけ
咲 -Saki-とユリア100式のクロスオーバーです。
五十四本場おまけの続きになります。
本作は、マトモに書くと余裕でR-18になります。そのため、普段はR-18に突入しそうになった時点で積極的に染谷まこが登場し、時間軸超光速跳躍を発動してくれます。R-18の描写を全てスっ飛ばしてくれる素晴らしい特殊能力です。
しかし、今回は、その必要がありませんので、まこは登場しません。まこの活躍を期待されている方には、誠に申し訳ございません。
また、憧100式の発明者として阿笠博士に特別出演していただきます。灰原哀と江戸川コナンもムリヤリ登場します。
なお、憧シリーズと、そのオーナーは以下のようになっております。
憧100式:通称憧
AI搭載の人型性欲処理具、自律型ダッ〇ワイフ、ベーシックタイプ
オーナー:京太郎
憧105式ver.淡:通称淡
AI搭載の人型性欲処理具、自律型ダッ〇ワイフ、改良型
準備満タン機能により胸の大きさをAからGまで設定可能
オーナー:俺君
憧108式ver.姫子:通称姫子
AI搭載の人型性欲処理具、自律型ダッ〇ワイフ、百合機能付き
標準語‐方言切り替え機能付き(自動設定)
オーナー:哩
憧110式ver.マホ:通称マホ
AI搭載の人型性欲処理具、自律型ダッ〇ワイフ、小学生(高学年)型
成長機能付き
オーナー:一太
憧123式ver.絹恵:通称絹恵
AI搭載の人型性欲処理具、自律型ダッ〇ワイフ、男女兼用
巨大な男性器を装備、
標準語‐方言切り替え機能付き(オーナー指定)
オーナー:咲
憧 -Ako- 100式 流れ十一本場 大根でないし
この日の昼、憧100式と憧105式ver.淡は、咲のアパートに来ていた。
咲は、既に大学に行っていた。部屋では、憧100式と憧105式ver.淡、憧123式ver.絹恵が仲良く駄弁っていた。
取扱説明書:憧100式シリーズは、聞いた単語を語呂が近いHな単語と聞き違えることが多々あります。
憧「咲さんって料理上手なんだ!」
絹恵「そうなのよ。正直なところ、私達、憧シリーズよりも上手だと思うわよ。」←標準語‐方言切り替え機能により標準語で話している(咲が標準語に設定)
憧「私達って、一応、料理人の技術をAI学習してるはずなんだけどね。それより上手いってハンパないわ。」
絹恵「お菓子作りも上手でね。」
憧「じゃあ、そのお菓子も絹恵は美味しくいただいてるってこと?」
絹恵「まあ、そうなるけどね。良いオーナーを持ったと思うわ。」
憧・淡「「(ちょっと羨ましい。)」」
絹恵「それで、咲ちゃんは趣味と実益を兼ねてケーキ屋さんでアルバイトしてるのよ。」
淡「そうなんだ! じゃあ、余ったケーキを持って帰ってきたりとか?」
絹恵「うん! バイトの日は、大抵ケーキとかシュークリームとか持って帰ってきてくれてね、二人で食べてるよ!」
淡「マジ羨ましい! じゃあ、バイトが無い日は、咲さんの手作りデザートとか?」
絹恵「ううん。さすがにそこまでは…。バイトの無い日は、大抵デザートはリンゴかな?」
憧・淡「「(淫行?)」」←リンゴに語呂が近いHな単語と聞き違えている
絹恵「丁寧に皮を剥いてくれて。」
憧・淡「「(えっ? 絹恵の性器って皮被ってるの?)」」
取扱説明書:憧123式ver.絹恵は、女体をベースに作られておりますが、性器のみ男性となっております。長さも太さも日本人平均の二倍となっております。
取扱説明書:皮は被っておりません。
絹恵「リンゴジュースも好きだって言ってたかな?」
憧・淡「「(淫行ジュース? それって、Hする時に女性から出てくるヤツ?)」」
憧「ええと、咲さんって同性愛者?」
絹恵「そう言うわけじゃないと思うけど。私のチン〇ン、受け入れてくれてるし。(なんでイキナリそんな話になるのかな?)」
憧・淡「「(じゃあ、男性から出てくるほう?)」」
淡「(それで絹恵が気に入ったわけかな? 人工液だけど量が多いし。)」
取扱説明書:憧123式ver.絹恵には射〇機能が付いております。放出されるのは人工的な液体で、受精機能はありません。
絹恵「そう言えば、リンゴってダイエットにも使われるって聞いたけど。リンゴダイエットって言ってね…。」
憧・淡「「(淫行ダイエット!?)」」
絹恵「まあ、咲ちゃんはダイエットする必要は無いけどね。」
憧「まあ、京太郎もダイエットは必要ないかな。結構鍛えてるし。」
淡「俺君は、最近ちょっと太ったかな。」←料理を作りすぎている
憧「じゃあ、試しにそのダイエット、やってみたら?」
淡「それ、イイかも。で、どうやってやるの?」
絹恵「リンゴダイエット?」
淡「そうそう!(淫行ダイエット!)」
絹恵「以前は、たしか三日間、食事を全部リンゴに置き換えるって言われてたんじゃなかったかな?」
憧・淡「「(三日間、食事の代わりに淫行?)」」
絹恵「元々、デトックス効果を狙ったものらしいんだけど…。」
憧・淡「「(まあ、たしかに余計なモノは溜めずにヌいたほうが良いけど…。)」」
絹恵「でも、最近は、三食全部じゃなくて一日一食をリンゴに置き換えるって方法も良いって言う人もいるみたい。」
憧・淡「「(一食を淫行に置き換える!?)」」
絹恵「一食置き換えるだけで、他の食事はしっかり食べて大丈夫なんだって。あと、間食もリンゴに置き換えた方が良いみたい。」
憧・淡「「(つまり、食欲を性欲に置き換えさせるってことね? 本能を制するには別の本能を当てるってことだね!)」」
絹恵「朝リンゴダイエットとか。」
憧・淡「「(朝から?)」」
絹恵「夜リンゴダイエットとかもあるって。」
淡「(夜は欠かさないけど………って、食事の代わりにはしてないか。食事+Hになってるもんね。それじゃダメってことだよね。)」
憧「数の制限とかは?(何発抜けば良いんだろう?)」
絹恵「特に指定は無いみたい。2~3(個)が多いみたいだけど。」
憧・淡「「(2~3発か!)」」
絹恵「リンゴは、脂肪燃焼や整腸作用が期待できるらしいしね。」
憧・淡「「(まあ、確かに淫行は脂肪燃焼できると思うけど…。)」」
淡「(でも、成長作用もあるんだ! でも、成長って、ナニが伸びるとかかな?)」
淡「どうして成長作用があるの?」
絹恵「(不溶性食物繊維が水分を吸収して)何倍にも膨らむかららしいけどね。」
淡「(膨張係数が上がるってことかな?)」
こんな勘違いトークが展開されていた頃、コナンと哀は学校を休んで淫行ダイエットに励んでいた。
最近、コナンが哀の手料理をついつい食べ過ぎてしまっていたためだ。
丁度区切りが付いたところで、二人は阿笠博士にお願いしたいことがあって、博士の研究室を訪れた。
この時、博士は、次なる憧シリーズの設計に入っていた。
ただ、金が足りなくてパーツの購入は、まだ先になりそうだ。
コナン「博士。実はお願いがあるんだけど。」
博士「なんじゃ?」
コナン「もう一人の俺のことなんだ。」
博士「新一のことか?」
コナン「ああ。折角高校生の身体を取り戻したのに、このままじゃ、Hができずに狂ってしまいそうなんだよ。」
博士「まぁ、分からんでもないのぉ。そう言う年頃じゃし。」
哀「それでね。工藤君に、憧シリーズを一回使わせてあげてはどうかって思ったのよ。」
博士「構わんが、しかし、新一用よりもワシ用を造るのが先じゃぞ!」
コナン「別に新一専用機を造る必要はねえって。博士は使った後に、一回使わせてもらえればイイんだ。」
博士「いきなりNTR機能を使えと言うのかの?」
哀「まあ、専用機があっちゃ、蘭さんに誤解されるでしょうからね。」
博士「まあ、たしかにそうじゃの。で、新一に使わせるにしても、どんなタイプが好みじゃ? 一応、好みの対象になっていた方が良いじゃろうからのぉ。」
コナン「まあ、蘭みたいな感じってことで、髪が長くて胸がそれなりに大きくて、ウエストが細くてスポーティーで…。」
博士「(そんな感じのを前回造ったのぉ。憧123式ver.絹恵そのものじゃ。まあ、あれは失敗作じゃったがの。)」
さて、憧100式達はと言うと…。
まだ勘違いトークが続いていた。
絹恵「はっくしょん!(誰かが噂してるのかな?)」
淡「ねえねえ、咲さんが好きなものとかは?」
絹恵「キス(魚)とか…。(特に天ぷらが)」
憧・淡「「(キス(口付けのほう)か…。まあ、咲さんらしいかな。)」」
絹恵「大根とか。」
憧・淡「「(男根! いきなりキスから飛び過ぎ………って、まあ、これは絹恵のせいな気もするけど…。あんなデカいの経験しちゃぁね!)」」
絹恵「大根は、細くて形がイマイチなのは、ちょっとって言ってたかな。やっぱり、太くて形が良くどっしりした感じのが良いって。」
憧・淡「「(まあ、初めてまともに入れたのが絹恵のだからね。そうなっても仕方がないだろうね。)」」
絹恵「ところで、淡ちゃんのオーナーの趣味とかは?」
淡「先ずパチンコでしょ。」
絹恵「(チ〇コ?)」←憧と同様に『パ』が聞こえていない
淡「それと、この間、二人でおさんぽコースとか行ってきた。」
絹恵「(お〇んぽコースでイってきたなんて…。)」←憧と同様に〇を『さ』以外の文字と勘違いしている
憧「どうもね、アウトドア派っぽいよ。」
絹恵「(じゃあ、青〇?)」
憧「それで、淡も俺君とか他の男性とかと一緒に(お〇んぽ)してきたみたいだから。」
絹恵「(じゃあ、NTR機能を?)」
淡「そんな、根っからのアウトドア派ってわけじゃないみたいだけどね。どっちかって言うとインドアなほうが多いよ。」
憧・絹恵「「(普通、Hはインドアでするものでしょ!)」」
絹恵「(でも、淡って、そう言う使われ方してたんだ…。俺君って乱〇好きってことか。)」
絹恵「(だけど、本人達が楽しいなら、それでOKってことなのかな? 別に淡も嫌がっている様子無いし。むしろ楽しそう。)」
淡「憧のバイトのほうは?」
憧「家庭教師?」
淡「そうそう。」
憧「あれね。逆に生徒から面白いネタを教えてもらった。原子記号の縦の覚え方。」←十八本場のおまけ:爽のネタを参照
エロネタ大好きな高性能ダッ〇ワイフ達には、このネタは大ウケしたようだ。
ちなみに、憧100式は、これを他の生徒に教えようと思っているらしい。
絹恵「そうそう。急に話は飛ぶけどさ。二人に聞こうと思ってたことがあってね。」
憧「ナニナニ?」
絹恵「憧と淡は咲ちゃんから居場所を聞いたから連絡が取れたけど、姫子とマホが何処にいるか知らない?」
憧「二人とも私達と同じアパートにいるよ。」
絹恵「えっ? そうなの?」
憧「凄い偶然でしょ? 姫子のオーナーが俺君の部屋の隣で、そのさらに隣にマホのオーナーが住んでるのよ。」
絹恵「そうだったんだ。」
淡「どうしてあのアパートに密集するのかって思うくらい!」
絹恵「そうだね。」
淡「たしか、姫子のオーナーは女性で、マホのオーナーは京太郎の高校の先輩って聞いたよ。どっちもオーナーの趣味に合ったみたい。」
絹恵「そうなんだ!」
取扱説明書:憧108式ver.姫子は、本シリーズ初の百合機能を搭載しています。インプリンティング機能発動の際、女性の指を使うことにより百合機能は発動します。指の形状記憶と指紋認証によりオーナーを判断しますので、全ての指を順に五秒間ずつ挿入してください。
取扱説明書:憧110式ver.マホは業界初の成長機能付きです。女子高生タイプになるまで三年以上かかります。その間、オーナーが色々と学習させることになりますが、それによりオーナーの望むタイプへと成長させることが可能です。
なんだかんだで、五体の憧シリーズ達は、オーナーと上手くいっている。
自分達の生まれ方は不幸だったかもしれないが、一先ず全員幸せが掴めているなぁ…と憧123式ver.絹恵は思っていた。
ガチャガチャ:鍵を開ける音
絹恵「あれ? こんな時間に咲ちゃん、戻ってきたのかな?」
憧123式ver.絹恵は、出迎えのつもりで玄関へと向かった。
ドアが開くと、そこにはピンクの髪をした胸の大きい女性の姿があった。
絹恵「あなた、誰?」
和「ここは、咲さんの部屋ですよね。」
絹恵「そうですけど。」
和「あなたこそ誰ですか?」
絹恵「私は絹恵。咲ちゃん専用の性欲処理具です!」
和「はっ?」
絹恵「ですから、私は咲ちゃんの性欲の捌け口のためだけに存在しています!」
そう言う絹恵の表情は、とても嬉しそうだった。ムリヤリされているのではない。合意で喜んでヤらせてもらっていると言った感じだ。
ただ、和には、絹恵が人間………同年代の女の子にしか見えない。これが高性能ダッチ〇イフだとは到底思えない。
それだけ、阿笠博士の作品は完成度が高かったと言えよう。
当然、和は絹恵に………若い娘に咲が寝取られたとしか思えなかった。
和の背後に暗黒物質が立ち込めた瞬間であった。
続く?