南入した。
南一局、咲の親番。
ここでも、
「カン! もいっこ、カン!」
東二局と同様に二連続で暗槓してきた。一応、これで咲は聴牌。完全に東二局と同じ展開である。
これで憩の能力が発動することが予想される。
それを分かっていて、咲は連槓から和了らず、聴牌で止めているのだから、衣には暴挙としか思えない。何故和了りまで持って行かないのか、疑問である。
一方の光は、咲がプラスマイナスゼロを発動させていると感じていたので、これは点数調整の一環であると理解していた。
この時の咲の手牌は、
{六七①①④④④} 暗槓{裏44裏} 暗槓{裏77裏}
こうなると、嫌でも衣の意識は相対的に憩に多く注がれてしまう。連槓で目立つ咲も然ることながら、それ以上に他家の聴牌で能力が発動する憩を、普通はマークせずにいられない。
春季大会個人戦で、衣は咲が和了った次の局では咲に、光が和了った次の局では光に、自然と意識が集中してしまった。
そのため、全体を均等に能力支配することが出来なかった。それが、結果的に敗因に繋がったと衣は思っていた。
それで衣は、同じミスを犯さないように、あれから彼女なりに精神面を鍛えてきたつもりである。
なので、この対局では前局で和了った相手にばかり気を取られないで打つことが出来ていると自負していた。
しかし、咲の二連続暗槓は、東二局で憩が和了った倍満ツモの記憶を呼び起こす。それで衣は、どうしても憩に注意を向けてしまう。
加えて衣は、聴牌に向けて焦り出していた。
理由は簡単だ。
このまま放っておいたら、憩にサクッと和了られてしまうだろう。その危機感からの焦りだ。
しかし、今回のツモはムダツモ。手牌は動かず。そして、憩がツモる時、衣は無意識に一向聴地獄の能力を憩に絞った。
これが功を奏したのか、憩は聴牌できなかった。
いや、厳密には聴牌できたのだが、聴牌に取る意義がなかった。
この時の憩の手牌は、
{二三六七八⑥⑦⑧56中中中} ツモ{二}
ここから打{三}で聴牌だが、{47}待ちでは和了り牌が無い。既に、両方とも咲が暗槓した牌。よって空聴だ。
これでは、さすがに打{三}での聴牌には取れない。{一}か{四}か{5}か{6}をツモっての聴牌なら良かったのだが………。
これも衣の一向聴地獄の能力によるものだろうか?
已む無く憩はツモ切りした。
そして、次のツモ番である光が山から牌を引いた直後、衣はとてつもなく強大なエネルギーを光の手牌から感じ取った。
「(しまった。今回抑えるべき相手は、こっちだったか!)」
どうやら、今回大量にドラが乗ったのは光のようだ。
一向聴地獄の支配が憩に集中した分、瞬間的に光への干渉が薄れた。これにより、光は、このツモで聴牌した。
「(咲の聴牌は、衣を翻弄するためだったのか?)」
咲が敢えて聴牌して憩の能力を発動した理由………、それは、一向聴地獄による支配を乱すためと、衣は、ようやく理解した。
たしかに、咲と憩を無意識に強くマークして、光に聴牌させる隙を作ってしまった。
しかし、それに何のメリットがあるのかは衣には分からない。
ここで光に大量のドラを乗せて和了らせたところで、10000点を割った光を原点付近に戻すだけだ。
次の咲のツモ牌は{④}だった。
この時、咲には嶺上牌が{[五]}であることが分かっていた。しかし、ここで敢えて暗槓せずに打{①}。何故か咲は、和了りを放棄していた。
もっとも嶺上牌が開かれていない以上、そのことを知るのは、全ての牌が見えている咲のみであったが…。
そして、その同巡、衣と憩は順に聴牌したが、二人とも一歩遅かった。
今度は光が、
「ツモ。タンヤオドラ7。4000、8000!」
先に倍満をツモ和了りした。
南二局、衣の親。
現在の後半戦の点数は、
1位:咲 29000(席順による)
2位:衣 29000(席順による)
3位:光 25000
4位:憩 17000
当然、衣は単独トップを目指して和了りに行こうとした。
ここで和了れば、たとえそれが安手でもトップになれる。咲と同点では席順で負けるため意味が無い。
衣は、全員に一向聴地獄を課した。
憩の能力は、たしかに春季大会よりも進化している。
しかし、この決勝戦で今まで打ってきた感触から察するに、憩は先負に似た能力が発動しない限り、今の衣の一向聴地獄を破ることは無さそうだ。
咲は相変わらず嶺上牌を引くことで一向聴地獄を敗れるが、この半荘は、咲のやることが良く分からない。
和了りに行っているのか、それとも一向聴地獄を乱すためだけに、ただ引っ掻き回しているのか、奥底にある真意が未だ衣には理解できずにいた。まったくもって意味不明である。
ただ、この局は、衣にとってチャンスに変わる可能性がある。
本来なら、ここで海底牌をツモるのは、憩になる。しかし、もし咲が一つ暗槓すれば、海底牌をツモるのは衣に変わる。
それもあって、衣は、憩から鳴いて海底牌に向けてコースインするのを見合わせて様子を見ていた。
中盤に差し掛かった。
「カン!」
咲が暗槓してきた。
これまでと同じだ。咲は手の中に槓子を持っていたが、暗槓せずに二向聴の形を取っていた。
衣の一向聴地獄の下では、咲が確実に聴牌するためには嶺上牌を引く必要がある。ただ、これは、逆に言えば、嶺上牌を使わなくても一向聴までは持って行けることを意味する。
それで咲は、四枚揃いの牌を暗槓せずに一向聴まで手を進めたのだ。そして、嶺上牌をツモると咲は聴牌し、元々持っていた不要牌を切った。
衣は、突然、憩から強大なエネルギーを感じ取った。咲の聴牌で憩の能力が発動したのだ。南一局と同じパターンだ。
「(何故、咲はこんな打ち方をする?)」
やはり、今の咲の打ち方が衣には理解できなかった。
前半戦東一局で、咲は、連槓により一向聴から聴牌を経由して、牌を捨てることなく和了る華麗なる技を披露した。
これは、衣と憩のダブル対策での和了りだ。しかも、この和了りを咲は春季大会でも披露していた。つまり、咲ならそれが狙ってできるはずだ。
それなのに何故、咲は、この半荘では和了りまで持って行かずに、敢えて憩の能力発動条件である先行聴牌の形を作るのか?
衣は、憩対策で聴牌を避けていたため、当然、次のツモでは和了れない。それどころか、このツモで聴牌すら出来なかった。
一方、憩は同巡で聴牌し、次巡で、
「ツモ! 平和ドラ3で2000、4000ですぅー!」
満貫を和了った。
手牌の三枚のドラのうち、一枚は咲の暗槓によって乗った新ドラだ。もし、咲が暗槓しなければ5200の手だ。
やはり、咲のやっていること疑問だらけだ。強いて言えば、衣の親を流すために憩を使ったことが考えられるのだが………。
これで後半戦の点数は、
1位:咲 27000
2位:衣 25000(席順による)
3位:憩 25000(席順による)
4位:光 23000
全員の点差がなくなってきた。
南三局、憩の親。ドラは{2}。
衣の一向聴地獄は未だ健在。憩も光も序盤で一向聴まで持って行けたが、そこから聴牌まで進められずにいた。
明らかに春季大会よりも衣の支配力が強い。
しかも、それが前半戦東一局から後半戦の南三局まで基本的に弱まることは無い。ずっと強力な支配を続けたままだ。
たしかに、咲の打ち方に翻弄されて光への支配が瞬間的に弱まることはあった。
しかし、衣の精神が揺さぶられない限り、強力な支配が場を完全に押さえ込んでいた。
これが最後のインターハイに賭ける三年生の底力なのだろう。
中盤に入った。
この時の光の手牌は、
{一二三六八[⑤]⑤556中中中}
{七}、{⑤}、{4}、{5}、{7}の何れかが来れば聴牌できるのだが、それを自力で掴み取ることができないでいた。
「(まさか、ここまで支配力が強いとはね…。)」
光は、未だ衣の一向聴地獄を跳ね返せずにいた。
しかし、ここで咲が{[5]}を捨ててきた。
ミスだろうか?
普通なら、この局面では絶対に出てこない牌だろう。
すかさず光は、
「ポン!」
これを鳴いた。当然、打{6}で聴牌。
そして、咲が次のツモ番で捨てた{七}で、
「ロン! 中ドラ2。40符3翻で5200。」
光が和了った。
これで後半戦の点数は、
1位:光 28200
2位:衣 25000(席順による)
3位:憩 25000(席順による)
4位:咲 21800
咲からの直取りで光が一気にトップ、咲が最下位と順位が入れ替わった。傍から見て、これは、まさかの振り込みであった。
ただ、光自身は、この和了りに違和感があった。
この局も、光は後半戦東一局と同様に、咲からプラスマイナスゼロの独特なオーラを感じていた。
いや、この局だけではない。この後半戦でずっと感じ続けている。
咲の狙いは何だろうか?
前半戦と同じパターン………、咲が25000点持ち、他家が30000点持ちの仮想ハンデゲームだろうか?
もしそうなら、咲は、間違いなくこのオーラスで満貫を和了るはず。
それで咲は、29800点となり、五捨六入でプラスマイナスゼロを達成する。小学生の頃から見てきた咲の独特の戦術だ。
しかし、和了り方が問題だ。
もし、満貫ツモ和了りなら、仮想ハンデゲームの点数は、
1位:咲 29800
2位:光 29200
3位:衣 28000(席順による)
4位:憩 28000(席順による)
咲がトップとなり、プラスマイナスゼロが達成できなくなる。
だとすれば、咲の狙いは満貫出和了りのはず。
勿論、誰からの出和了りでも良い。それで仮想ハンデゲームの3位でプラスマイナスゼロが無事に達成される。
しかも、それでいて、現実の点数では咲がトップになる。
そんな下準備をしていたとは、さすが咲であると光は思っていた。
しかし、もしここで光が咲の和了りを回避して親満をツモ和了りできれば、後半戦の点数は、
1位:光 34200:+24
2位:衣 23000:-7
3位:憩 23000:-7
4位:咲 19800:-10
そして、前後半戦トータルは、
1位:光 +15
2位:咲 +10
3位:衣 -12
4位:憩 -13
光の念願の個人戦優勝となる。
俄然、光はヤル気が出てきた。
是が非でも和了る。
今まで以上に気合が入ってきた。
しかし、ここで和了れば総合優勝できるのは光だけでは無い。衣や憩にとっても条件は同じだ。
となれば、当然、衣と憩のモチベーションも上がる。
勿論、玄とは違って、決してオモチベーションではない!
運命のオーラスが始まった。
親は光。ドラは{9}。
衣は最大出力で一向聴地獄を他家に課した。いや、最後の局と言うことで、最大出力を超えた支配力を見せていた。
完全に自分自身の力を最後まで振り絞っての戦いだ。
しかし、衣には今まで以上に卓全体にかかる雰囲気に違和感があった。
咲は嶺上牌を使わない限り一向聴地獄を跳ね除けられないはずだし、憩も他家が聴牌しない限り能力は発動せず一向聴地獄を押し返せないはずだ。
ところが、本日最強のパワーで他家に課しているはずの一向聴地獄が、良く分からない力で押さえつけられて機能していない。
そんな感じがしていた。
中盤に入った。
衣は、咲から聴牌気配を感じた。明らかに一向聴地獄の支配は跳ね返されていた。
その強烈なパワーが何なのか、衣には分からなかった。
ただ、衣には能力で咲の和了り牌が分かる。衣は、少なくとも自分が咲に振り込むことだけは無いとの自負があった。
一方の光は、他家の手牌を高い精度で読み取れる。
この時、光は、咲の手牌を、
???{三三四四五五東東北北}
ここまで読み取っていた。
ただし、{五}は一枚赤牌の可能性もある。現段階では、赤牌であるか否かまでは判定できていなかった。
また、左三枚は、配牌時点から一切動いていない牌のため、確定が出来なかった。
とは言え、不明な三枚を予測することは出来る。
もし咲が仮想ハンデゲームでのプラスマイナスゼロを狙っているとしたら、咲の手は混一色一盃口か混一色七対子になるだろう。多分、それくらいしかない。
そこを起点に考えれば、ある程度想像がつく。
???に入るのは、{一一一}か{二二二}、{一二三}、{一一二}、{一二二}などと言ったところだろう。
河には、既に{北}が二枚見えている。{東}はまだ一枚も出ていない。となれば、咲の狙いは萬子か{東}のはず。
この時、光の手牌は、
{七八九①③④[⑤]⑥⑦⑧499}
一向聴だった。
ここに光がツモって来た牌は{東}。さすがに、これは捨てられない。咲の和了り牌である可能性が高いと読んだ牌だ。
やむを得ず、光は打ち回して{4}を捨てた。
そして次巡、ここで光がツモった牌は{9}。{東}か{①}を切れば聴牌だ。どうやら、光に対しても衣の一向聴地獄が機能しなくなっていたようだ。
恐らく、これは咲のプラスマイナスゼロの強制力が働いて一向聴地獄を打ち消したのだろう。光には、それが容易に想像ついた。
聴牌に取れること自体はラッキーだ。
しかし、これは{東}を振り込ませるための罠!
光は、そう感じていた。
{東}が切れないと踏んだ以上、ここで光が切る牌は、{①}しかない。
ならば、光が取る道は、ここで役無し聴牌にとって自力で最後の{東}をツモり、ツモドラ4の満貫を和了る。
それで優勝するしかない。
「(勝負!)」
光が{①}を強打した。
しかし、その直後、
「(違う! これって………、もっとヤバいヤツじゃ………?)」
この上なく嫌な雰囲気を光は感じ取った。それと同時に、
「ロン!」
咲の和了り宣言の声が聞こえた。
「七対赤1。3200。」
開かれた手牌は、
{①一一三三四四五[五]東東北北} ロン{①}
光にとっては、まさかの{①}単騎だった。
これで後半戦の点数は、
1位:咲 25000(席順による):+15
2位:衣 25000(席順による):-5
3位:憩 25000(席順による):-5
4位:光 25000(席順による):-5
まさかの全員原点であった。つまり、仮想ウマなしオカなしの25000点持ち25000点返しのルールで全員をプラスマイナスゼロに仕上げたのだ。
しかし、今回のルールは確定点無しの西入無しで、ウマはないがオカはある。30000点返しだ。
そのため、起家の咲が席順で1位になり、オカが付く。まさに京タコス効果による1位だった。
そして、前後半戦のトータルは、
1位:咲 +35
2位:衣 -10
3位:憩 -11
4位:光 -14
咲が夏春夏の個人戦三連覇を決めた瞬間だった。
「まさか全員が原点に戻るとは、とんでもない奇跡です!」
アナウンサー福与恒子の興奮した声が観戦室にこだました。このような結果は、普通予想できないだろう。
少なくとも狙ってできる代物ではない。普通は…。
しかし、ここには普通じゃない人間がいる。
究極のプラスマイナスゼロ。
咲が狙っていたのは、これだったのだ。
勿論、遊びで狙ったのではない。衣や憩のパワーを上回る支配力を出すために、プラスマイナスゼロの強制力を利用したのだ。
「そして、優勝は日本の守護神。嶺の上の女王。宮永咲選手に決まりました。これで宮永咲選手は団体戦に続き、個人戦も前人未到の三連覇を成し遂げました!」
恒子の興奮した声が、再び観戦室にこだました。
…
…
…
表彰式が行われ、憩の首に銅メダル、衣の首に銀メダル、咲の首に金メダルが順にかけられていった。
しかし、これと同時に、今度は国民麻雀大会での打倒咲を、各選手達が自身の心の中で大きく掲げていた。
少なくとも咲は奈良県のジュニアAチームで出場してくるだろう。
既にライバル達は、次の試合に照準を合わせて動き出していた。
おまけ
咲「インターハイも終わったし。これで、ちょっと一息つけるかな?」
今日、咲は東京から家に戻ってきた。
自分の部屋でベッドに横たわる。
久し振りの一人の空間だ。
ふと、咲がラジオをつけた。すると…、聞いたことのある声………いかにも図々しさ満載の声がラジオから聞こえてきた。
華菜「またまた、華菜ちゃんがコーナーを持たせてもらうことになったし! これで三回目だし! やっぱり、これって華菜ちゃんが人気あるって証拠だし!」
華菜「しかも第二部終了の回に合わせての起用だし! これって絶対に期待されてるに違いないし!」
華菜「一回目と二回目は、最後に地獄に突き落とされたような麻雀を打たされたけど、三度目の正直って言うし!」
スタッフ:二度あることは三度あるとも言うよ
華菜「スタッフが何は変なことを書いたボードを華菜ちゃんに見せているけど、全然気にしないし!」
華菜「と言うわけで、パーソナリティの華菜ちゃんだし!」
華菜が台本を見る
華菜「コーナーのタイトルは、『華菜108しき』って、なんなんだし! 華菜ちゃんは憧100式とは関係ないし! 人間だし! ダッチ〇イフじゃないし!」
スタッフ:108しきじゃなくて、振り仮名をきちんと読んで
華菜「振り仮名って? ええと、『108』は四苦八苦ってルビがついてるし! それと、『しき』は死期ってルビついてるし!」
華菜「普通、漢字にひらがなのルビを付けると思うし! でも、ここではひらがなに漢字のルビが付いてるって、わけ分かんないし!」
スタッフ:四苦八苦から、4×9と8×9になって、それらを足して108だから、除夜の鐘は108回とも言われているらしいよ
華菜「なんか嫌なサブタイトルだし!」
華菜「ええと、HPのコメント欄にリスナーの皆さんから書き込まれた内容に華菜ちゃんが答えるってコーナーだし!」
華菜「では早速読むし! 最初のコメントは、広島県の『ちゃちゃのん』さん、大学一年生からだし! 私の一つ年上だし!」
華菜「では読むし! 『池田さん、こんばんは。』こんばんはだし!」
華菜「ええと、『最近はチャンピオン咲ちゃんが、10万点持ちだろうが2万5千点持ちだろうが関係なく全員を0点にしてしまうため、持ち点ゼロが普通になりましたが…』って、それ絶対普通じゃないし!」
華菜「続き読むし! 『昨年の県予選で持ち点ゼロにされたにもかかわらず、そこで諦めなかった池田さんは凄いと思います』って、照れるし!」
華菜「いきなり苦情とか抗議文でなくて嬉しいし!」
華菜「まだ続きがあるし! ええと、『池田さんはゼロの先駆者ですね』って、悪かったし! 結局、褒めてもらえてないし!」
華菜「ええと、まだまだ続きがあるし! ええと、『ちなみに咲ちゃんとか衣ちゃんはゼロの執行人と言ったところでしょうか』………って、知らないし!」
華菜「では、ええと、次のコメントは、福岡県の『ビビクン』さん、高校三年生からだし! 華菜ちゃんとタメだし!」
華菜「それでは読むし! 『池田さん、こんばんは。』こんばんはだし! 『池田さんはクジ運が悪いって言われませんか? 長野で天江衣選手や宮永咲選手を相手にしていたこと自体、クジ運が悪い証拠と思いますが…』って、そう言われるとそんな気もするし!」
華菜「でも、華菜ちゃんは風越でキャプテンに会えたから、それはそれで良かったし!」
華菜「だから後悔していないし! じゃあ、次行くし! 今度は質問だし!」
華菜「ええと、鹿児島県の『明けの明星』さん、高校一年生からだし!」
華菜「それでは読むし! 『インターハイで、胸で牌を倒したら阿知賀の魔物に目をつけられてしまいました。従姉妹も同じことをやって、昨年同じ魔物に目をつけられました。どうしたら良いでしょう?』って、それ、どうにもなんないし!」
華菜「そんなことするから10万点持ちで0点にされたり、800点にされた状態で生かさず殺さずで五局も続けて打たされるハメになるんだし!(←五十二~五十四本場)」
華菜「多分、従姉妹がやったのを根に持たれてるのは間違いないし! でも、宮永の彼氏のことを褒めれば許してくれるかもしれないし!」
スタッフ:毎回そうだけど、『〇〇だし!』って言い方やめて、普通に読んで!
華菜「ええと、スタッフから注意が来たし! じゃなくて来ました…。ああ、でも華菜ちゃんにはムリだし! この言い方が板に付いてるし!」
華菜「では、次の苦情かな、これ? これは、『自縛プレイ』さんからだし! 前回と前々回に苦情を書いてた人だし!」
華菜「ええと、『憧108式ver.姫子を買いました! 毎晩が楽しみです!』って、華菜ちゃんにはどうでも良いことだし!」
華菜「次は、『オモチ大好き子』さんから。」
華菜「この人も、前回前々回と苦情を書いてた人だし!」
華菜「では、一応読むし! ええと、『オモチ教団クロの組織は、オモチベーションの維持に努めております。信者募集中なのです!』って、華菜ちゃんのコーナーを通じて変な団体の勧誘をするのはお断りだし!」
華菜「ええと、次は西東京の『準備満タン』さんからだし! ええと、『前回ほどおもしろくない!』………。悪かったし!」
咲「本当に面白くないね…。コメントの半分は私への口撃みたいに感じるし…。それ以前に池田さんの声がウザいし…。」
咲がラジオを切って、今度はスマホのテレビ視聴アプリを立ち上げた。
すると、見慣れた二人の漫才が画面に映った。
怜「第二部終了やて!」
爽「じゃあ、次から第三部だね!」
怜「でも、今後も続くとなると、結局のところ、うちらに求められるのは、お下品コーナーやろか? でも、もうネタ切れやしな。」
爽「余りにもネタが無さ過ぎてさ。色々考えてはいるんだけど思いつかなくて、クソーって思ってるよ。」
怜「早速言ってるやんか。」
爽「何を?」
怜「自覚が無いんやな。」
爽「でも、私達も、下品を卒業して、もっとクソ上品に生きないといけないな。」
怜「そんな上品、あってたまるか!」
爽「誓子を見習って、もっとクソ清楚な生き方を…。」
怜「どこが清楚や!」
爽「私には、誓子は清楚なイメージだけど?」
怜「そうじゃなくて、清楚にクソが付くこと自体、清楚さが欠けてるってことや!」
爽「あっなーるほど。ちなみにア〇ルほどじゃないからね。」
怜「それは、『ほど』やなくて『掘る』が正しいんとちゃうか?」
咲「なんか、以前よりパワーがなくなってるね、この二人…。もう、本当にネタ切れって感じがする。」
咲がチャンネルを変えた。
すると、見慣れた別の番組が映し出された。憧100式と憧105式ver.淡が俺君のアパートで駄弁っているシーンだ。
番組の中で、テレビがついている。
どうやら、二人は時代劇を見ながら適当なことを駄弁っているようだ。
憧 -Ako- 100式 流れ十三.五本場 煩悩だらけの憧と淡、そして連中は究極のクダらないエロに…
憧「そうそう。急に話は変わるけど、淡が言ってた各都道府県のお土産コーナーみたいなのに京太郎と行ってきたんだ。」
淡「結構色々なものがあったでしょ?」
憧「うん。沖縄県のお菓子で『子宝ちんこすこう』ってのがあって。」
淡「あのチ〇コ型の?」
憧「そうそう。そのネーミングには、ちょっと驚いた。」
淡「私も驚いた!」
憧「あとさ、昨日テレビで麻薬Gメンのこと取り上げててさ。」
淡「(まさぐる自慰メン?)」
憧「そんな仕事があるんだって思ったよ。」
淡「それって、仕事なの?(まさぐる自慰メン?)」
憧「厚生労働省の職員だよ。」
淡「へぇー(性交労働省なんてあるんだ。)」←あってたまるか!
憧「凄い専門知識が要るんだって。」
淡「でも、私達だったらなれるんじゃない? (Hの)専門知識は十分過ぎるほどインプットされてるし。」
憧「いや、私達じゃムリムリ。全然足りない。」
淡「嘘でしょ~?(そんなにとんでもないHなんだ、まさぐる自慰メン、性交労働省。)」
テレビ時代劇の男役者1「光陰、矢の如しと…。」
憧「〇淫?」←〇の中は口です
淡「嫌の如し?」
憧「それって、フェ〇が嫌ってこと?」
淡「信じられないよね。女性で、やらされるのが嫌って人がいるのは知ってるけど、男でされるのを嫌がるって珍しくない?」
憧「私もそう思う。」
時代劇の男役者2「~にて候。」←候:そうろう
憧「早〇?」
淡「〇漏なんだ、この人。」
憧「でも、こんな堅苦しい顔で言う台詞じゃないよね?」
淡「たしかに! それにしても、時代劇の中でも猥談ってあるんだね。」
咲「なんか、ちょっと見る気分じゃないね、これ…。そもそも、この作品って憧ちゃんそっくりなダッチ〇イフと京ちゃんそっくりな男がくっつくやつだし。」
咲「私に似た人も出てくるけど、愛宕さんに似たのとくっついて、結局京ちゃんみたいな人を憧ちゃん似のダッチ〇イフにあげちゃうし。」
咲が、テレビアプリを終了し、今度は某掲示板を覗いてみた。
これを見て咲は驚いた。
思っていた以上に賑わっていたからだ。
【総合得点新記録か】インターハイ個人予選咲様編【ダム決壊者既に二桁】-10
736. 名無し麻雀選手
三倍満は今日初めてじゃないか?
738. 名無し麻雀選手
>>736
×今日初めて
○京初めて
せめて咲様のためにそう言ってあげよう
740. 名無し麻雀選手
以前誰かが言ってたな
確率重視の孕村と確率無視の咲様の中が良いって
741. 名無し麻雀選手
>>740
咲様の『中』が良いのは京ちゃん
孕村とは『仲』が良い
咲様のために、せめてこれくらいは区別してあげたい
742. 名無し麻雀選手
>>739
現場にいる者なんだけど
私は六回戦で64位に入れなくて予選落ちしたんだけどね
昼に咲様が京ちゃんのお手製弁当食べてるの三田
745. 名無し麻雀選手
>>742
愛の手作り弁当か!
それは機嫌が良くなるわけだ
咲「色々書かれてるけど、でも、京咲がネタにされてるってことは、京咲は公認されつつあるってことだよね? だったら嬉しいかも!」
咲が別の掲示板タイトルをチェックして行った。
ただ、タイトルに『京咲』が直接記載されているものは残念ながら無かった。
ふと咲の目に止まったのは、個人戦決勝の板だった。
【咲様】インターハイ個人決勝戦【三連覇】-3
312. 名無し麻雀選手
仕事で生放送では見れなくて
今、録画で見た
前半戦は咲様がジャスト30000点でトップ
後半戦は全員25000点で終了
随分接戦だったな
その分、見応えあったけど
313. 名無し麻雀選手
咲の古くからの知り合いだけど、多分あれは点数調整
まず前半戦だが、自分だけ25000点持ち、他家は30000点持ちの
イメージで打っていたと思う
つまり、咲の中では
1位:ころたん 30200
2位:咲様 30000
3位:ナース 28900
4位:光ちゃん 25900
の超僅差で2位&プラマイゼロ達成のはず
314. 名無し麻雀選手
なに、そのプラマイゼロって?
315. 名無し麻雀選手
去年のインターハイでもやってたじゃん?
二回戦は前後半戦共に25000点持ち30000点返しで考えたらプラマイゼロ
県予選でも最初の方で弱者相手に稼ぐ時に真面目にやらないで四連続プラマイゼロ
強者との対戦になって、やっと真面目にやって1ポイント差で3位滑り込み
別の卓の点数まで予測して調整してるって噂
316. 名無し麻雀選手
>>別の卓の点数まで予測して調整
そんなのできるの?
317. 名無し麻雀選手
>>316
じゃあ、咲様にはできないとでも言うの?
春季大会団体準決勝では、咲様は副将で出場
大将戦での点数の動きを予測していた話は有名
それで池田華菜と中田慧は0点で淡のダブリーを何回もやられた
殆どイジメの状態
318. 名無し麻雀選手
313だが、後半戦は25000点持ち25000点返しのイメージだと思う
つまりウマもオカもなく、席順での順位付けもなしのイメージ
よって全員プラマイゼロ
実際にはオカがあるから席順で順位付けされたけど
319. 名無し麻雀選手
>>318
でも、それをやるには起家になるの必須じゃん?
咲様は狙って起家になったの?
320. 名無し麻雀選手
>>319
そこで京ちゃんの出番じゃん!
321. 名無し麻雀選手
>>319
京ちゃんの愛だよ
322. 名無し麻雀選手
>>319
お前は京ちゃんのことを知らないのか?
323. 名無し麻雀選手
319だが、何故、京ちゃんが出てくる?
324. 名無し麻雀選手
>>319
>>323
京タコスを食すことで起家になれる
咲様の周りでは有名な都市伝説
325. 名無し麻雀選手
つまり、咲様のパーフェクトコントロールの裏に京ちゃんの愛があるってことだな
326. 名無し麻雀選手
私、関係者だけど
決勝卓前半戦の後、咲様のところに京ちゃんからTELあり
その後、京タコスを食べて後半戦に出場した
見ていたから間違いない
327. 名無し麻雀選手
やっぱり京タコスの力か!
328. 名無し麻雀選手
京咲確定か?
329. 名無し麻雀選手
祝 京咲確定!
330. 名無し麻雀選手
祝 京咲確定!
331. 名無し麻雀選手
祝 京咲確定!
…
…
…
咲「この326の書き込みって阿知賀の誰かだよね。憧ちゃんかな?」
咲「でも、京咲確定を祝ってもらえて嬉しいかも!」
咲「あと、313は、多分お姉ちゃんだね。317は、みかんちゃんかな?」
一方、この掲示板を見ていた和は………、
和「そんなクソオカルトありえません。」
和「そもそも京咲だなんて…。ないない! そんなの……っ!!」
この後、京咲を超否定する書き込みを連発するのであった。
第二部 カン!