咲-Saki- 阿知賀編入   作:おこそとのほもよろを

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七十八本場:世界大会2 東風の神と南場の鬼神

「神楽ちゃん、はい、これっ。」

 咲が神楽にタコスを手渡した。昨夜のうちに買っておいたものである。

「ありがとう。」

 早速、神楽はタコスを口にした。長野の都市伝説に従い、起家を取るつもりなのだ。

 そして、タコスを食べ終わると、

「では、行って参ります。」

 神楽は落ち着いた表情で控室を出て、対局室へと向かった。

 

 対局室には神楽が一番乗りだった。

 不正が無いように、審判達の見る前で神楽が場決めの牌を引いた。

 引いた牌は、まぎれもなく{東}。起家を引き当てた。

 そして、神楽は席に腰を降ろすと、両手を合わせて気を集中させた。

 神楽の髪が激しく逆立った。

 この時、日本チームの控室では、咲の魔物レーダーが発動していた。

「問題なく行けそうです。」

 この咲の言葉を聞き、慕も恭子も安心した表情を見せていた。

 作戦通りにことが進めば、間違いなく神楽は勝ち星が取れる。慕達には、それだけの自信があった。

 

 髪の逆立ちが収まると、神楽が静かに目を開き、

「思い切り暴れてやるじぇい!」

 なんか、どこかで聞いた口調でしゃべり出した。

 

 この時、臨海女子高校の寮の一室では、片岡優希が眠りこけていた。

 いや、正しくは幽体離脱していたのだ。

 今、神楽は優希の生霊を降ろしていた。

 優希の東場の爆発力に神楽の能力………すなわち、相手の手牌が全て透けて見える力が加わる。相当厄介な打ち手になっていることが容易に想像できる。

 

 ルーマニアチームのエミリア、ロシアチームのエレナ、ジョージアチームのリュドミラも対局室に入室してきた。

 エレナもリュドミラも、エミリア程ではないが顔立ちが十分整っている。

 当然、ネット民達は、

『こいつらと咲様を戦わせたいッス!』

『その考え、スバラです!』

『きっと巨大湖形成だよモー』

 大興奮状態であった。

 

 南家がリュドミラ、西家がエレナ、北家がエミリアに決まった。

 サイが振られ、東一局がスタートした。ドラは{八}。

「この日のために、体調を最高状態に整えてきたんだじぇい!」

 そう。本プロジェクトは、咲達の強化合宿の裏で行われていた説明会&合宿の時から既に始まっていた。

 あの時、召集されたのは高鴨穏乃、片岡優希、南浦数絵、石戸明星、十曽湧、真屋由暉子、渋谷尭深、亦野誠子と言った能力者達であった。

 彼女達は、愛宕雅恵から神楽の生霊口寄せの話を聞かされており、全員一丸となって神楽とともに世界大会での勝利を目指すことを依頼された。

 当然、自分達も世界大会に出てみたい。

 そこで自分の力を試してみたい。

 彼女達は、全員、雅恵の依頼を快く受け入れてくれた。

 なお、一応高校生の世界大会なので、協会側も生霊は女子高校生のみに限定したようだ。

 

 東一局の配牌が済むと、

「リーチだじぇい!」

 神楽(優希)がダブルリーチをかけてきた。

 今の優希の能力は、25000点持ちであれば咲でさえ太刀打ちできない状態にある。それは、コクマで立証済みだ。

 リュドミラ、エレナ、エミリアが順に字牌を切って様子を見たが、それも意味無く、優希は一発目のツモ牌を卓に叩きつけ、

「ツモ!」

 和了りを宣言した。

 

 開かれた手牌は、

 {八八②②③③④④[⑤]⑥⑦4[5]}  ツモ{3}  ドラ{八}

 

「ダブリー一発ツモタンピン一盃口ドラ4(表2赤2)の…。」

 優希が裏ドラをめくると、そこには{①}が眠っていた。つまり、裏ドラは優希の手牌の中に二枚ある{②}だ。

「ドラが併せて6枚で、16000オールだじぇい!」

 いきなり数え役満が飛び出した。

 これは、もう誰にも止められない。

 

 東一局一本場、神楽の連荘。

 配牌直後、

「捨てる牌がない。」

 そう言う神楽から、リュドミラ、エレナ、エミリアの三人は、異様な何かを感じ取っていた。咲や光にも似た恐ろしい何かを秘めている。

 そして、神楽が手牌を開くと同時に、その異様な何かの正体を知ることになった。

「ツモ! 天和! 16100オール!」

 配牌と同時に16000点を持って行かれる最も理不尽な役満、天和であった。

 これが、もし25000点持ちなら、優希以外は前局にたった一回ツモっただけで、ここで全員トビとなる。

 凄まじいパワーだ。

 

 東一局二本場。ドラは{7}。

 神楽(優希)は、

「コクマでは咲ちゃんと巫女さんがいたから二本場で失速し始めたけど、ここには、そんな魔物はいないじょ!」

 と言うと、捨て牌を横に曲げた。

「リーチ!」

 再びダブルリーチだ。

 リュドミラ、エレナ、エミリアは、依然として、とんでもない威圧感を神楽から感じ取っていた。その恐ろしさに、牌を打つ手もおぼつかなくなってきている。

 いきなり数え役満に天和を連発した人間が、再びダブルリーチをかけてきているのである。当然と言えよう。

 今回も三人は、字牌を切って様子を見た。

 しかし、それも虚しく、

「一発ツモだじぇい!」

 またもや神楽が和了りを決めた。しかも、

「ダブリー一発ツモダブ東三暗刻ドラ5!」

 

 開かれた手牌は、

 {五[五]⑤⑤[⑤]234777東東}  ツモ{東}

 裏ドラを見る必要が無い。既に数え役満だ。

 

「16200オール!」

 この和了りで、神楽の点数は既に244900点と、他家に5倍近い点差をつけていた。

 

 東一局三本場。

 エミリアは、僅かだが神楽から放出されるオーラが弱くなったのを感じ取っていた。

「(やるならここね。)」

 そして、

「チー!」

 憧のような鳴き麻雀を披露し、

「ツモ! タンヤオドラ3。2000、3900の三本場は2300、4200!」

 なんとか優希の親を流した。

 

 本来、エミリアは強い選手だ。

 二回戦では咲が、三回戦では光が相手だっただけで、ブロック準決勝戦では玄を相手に勝ち星をあげている。

 超魔物との対局でなければ、なんとか立ち回れるのだ。

 

 

 東二局、ジョージアチームのリュドミラが親。

 ここでも先行したのはエミリアだった。

「リーチ!」

 優希のスピードを上回り、先制リーチをかけてきた。そして、次巡、

「リーチ一発ツモ平和ドラ3。3000、6000!」

 一発でハネ満をツモ和了りした。

 

 

 東三局、ロシアチームのエレナが親。

 ここではネリーの同朋、リュドミラが、

「ポン!」

 早々に自風の{北}を鳴いた。

 その次巡には、

「ポン!」

 再びリュドミラが{白}を鳴き、その三巡後、

「ツモ! 北白混一ドラ2。3000、6000!」

 彼女も負けじとハネ満をツモ和了りした。

 

 

 東四局、エミリアの親番。

 まだ東場とは言え、優希の支配力も相当落ちていた。

 初っ端に飛ばしすぎたのが原因だが、それでも役満三発は大きい。未だに2位のエミリアに160000点以上の差をつけている。

「リーチ!」

 今度は、エレナが仕掛けてきた。

 エミリアは一発回避で現物切り、神楽は相手の手牌が透けて見える以上、振り込むことは無い。リュドミラは、神楽の捨て牌に合わせ打ちした。

 一発ツモは無かったが、数巡後、

「ツモ! リーチツモタンヤオドラ3。3000、6000!」

 エレナがハネ満をツモ和了りしてヤキトリを回避した。

 

 

 南入した。

「じゃあ、バトンタッチだじぇい!」

 神楽がそう言うと、彼女の雰囲気がガラッと変わった。そして、卓上に暖かい一陣の風が吹き付けた。

「では、参りましょう。」

 この声は数絵。

 優希と入れ違いで神楽の身体に降りてきたのは南場の鬼神だった。

 つまり、東場が得意な優希と南場が得意な数絵で互いに補完しあう作戦に出たのだ。これは効率的であるが、相手側からすれば卑怯にしか思えないだろう。

 

 南一局は、神楽(数絵)が、

「リーチ!」

 序盤から先制リーチをかけてきた。

 一先ず、他家三人は安牌を切って一発を回避するが、南場の数絵は和了り牌を自分で掴んでくる。

 次巡、当然のように、

「一発ツモ! リーチ一発ドラ3で、6000オール!」

 ハネ満をツモ和了りした。

 

 南一局一本場。

 現在の点数は、

 1位:神楽(日本) 249700

 2位:エミリア(ルーマニア) 57500

 3位:リュドミラ(ジョージア) 46400

 4位:エレナ(ロシア) 46400(席順により4位)

 神楽の圧倒的リードであった。

 

 この局も、数絵と化した神楽が、

「リーチ!」

 またもや序盤から先制リーチをかけてきた。そして、

「一発ツモ! ドラ3。6100オール。」

 まるで簡単作業のようにハネ満をツモ和了りした。

 

 南一局二本場。

 このまま神楽に和了り続けられたら大変なことになる。

 この局では、珍しくリュドミラが数絵のリーチ前に聴牌できた。これは先制するチャンスだし、せめて2位を狙いたい。

 そこで、

「リーチ!」

 リュドミラが勝負に出た。

 すると次巡、

「リーチ!」

 神楽(数絵)が聴牌して追っかけリーチをかけてきた。

 リュドミラの一発目のツモ牌は、自身の和了り牌ではなかった。しかし、これは神楽には非常に厳しい牌だ。

 だが、リーチをかけていて和了り牌でなければ、それを河に捨てなければならない。

「(勝負!)」

 そう心の中で叫びながらリュドミラが力強くツモ切りした。

 すると、これを待ってましたとばかりに、

「ロン! 一発!」

 この牌で神楽が和了った。

「リーチ一発タンヤオドラ3。18600。」

 またもやハネ満だ。

 これでリュドミラは、持ち点が20700点まで落ち込んだ。100000点持ちだったはずなのだが………。

 

 南一局三本場。

 ここでも、

「リーチ!」

 神楽が三巡目でリーチをかけてきた。前局でリュドミラに先行リーチをかけられたのが刺激になったのか、より集中力が増した感じだ。

 そして、

「一発ツモ! メンタンピン一発ツモドラ3。8300オール!」

 神楽は親倍をツモ和了りした。まさに一方的な狩猟である。

 

 これで、現在の点数は、

 1位:神楽(日本) 312500

 2位:エミリア(ルーマニア) 43100

 3位:エレナ(ロシア) 32000

 4位:リュドミラ(ジョージア) 12400

 本当に、リュドミラが危ない状態になってきた。もし、次にリュドミラが神楽に親満を振り込んだら、その時点でトビ終了である。

 

 南一局四本場。

 珍しく、この局は、

「ポン!」

 神楽(数絵)が鳴いてきた。

 鳴いたのは自風の{東}。これで、和了り役ができた。

 南場での数絵の麻雀はリーチ主体のイメージが強い。しかし、今はリュドミラのトビ終了を狙い、手を進めることを第一優先としていた。

 そのための鳴きだ。

 

 数巡後、エレナが恐る恐る{①}を捨てた。{①④}の筋は、まだ数絵には危険なところ。しかし、これを通し!

 これでリュドミラは、エレナから聴牌気配を感じた。{①}をムリムリ通したところから察するに、結構高い手では無いだろうか?

 エミリア、神楽はツモ切り。

 リュドミラは、一旦、エレナの捨て牌に合わせ打ちする形で、{①}を切って様子を見ることにした。

 しかし、この捨て牌で、

「ロン! 東ドラ3(表1赤2)。11600の四本場は12800。」

「こ……これって……。」

 神楽(数絵)は、エレナの振り込みを敢えて見逃し、山越でリュドミラからの出和了りを狙ったのだ。

 

 これで、点数と順位は、

 1位:神楽(日本) 325300

 2位:エミリア(ルーマニア) 43100

 3位:エレナ(ロシア) 32000

 4位:リュドミラ(ジョージア) -400

 リュドミラのトビで前半戦を終了した。

 

「では、次は頼みます。」

 神楽がそう言うと、数絵の生霊は神楽の身体から抜け出て本体へと戻って行った。

 

 これで、しばらくは優希と数絵の力は使えない。

 実は、生霊を降ろすには、幾つかの制限があった。

 

 一つ目は、生霊となる本人が眠っていること。

 神楽に降りる生霊は、幽体離脱して神楽の中に入ることになる。なので、まあ、本体が眠ることは仕方がないだろう。さすがに本人が起きているわけにも行かない。

 

 二つ目は、生霊となる本人が神楽の身体に降りて何かを成すことを強く願うことだ。

 例えば、以前、淡が神楽に降りてきた時も、穏乃と勝負したいと淡が強く願っていたために降りることが出来た。

 実は、あの時は、前日に神楽から淡のところに連絡が行き、生霊口寄せのことを淡は知らされていたらしい。

 今回も、優希と数絵は世界大会に出て活躍したいと強く願った。だから、神楽に降りることが出来たのだ。

 

 三つ目は、死人の霊と違って残留思念が殆ど残らないこと。

 これは、生霊の場合、まだ現世への未練とかがないため、目的を達成したら満足しきってしまうためのようだ。

 まあ、まだ本体が現世にいるのだから、未練もへったくれもないだろう。

 

 四つ目は、一回降りた生霊は、数日置かないと降ろしてはいけない決まりになっていること。

 これは、生霊となる側がショートスパンで幽体離脱を繰り返すと、それがクセになってしまう場合があるかららしい。

 そのつもりが無くても、眠ったら勝手に幽体離脱してしまうようでは困る。

 

 そして、五つ目は、同時に二人の生霊を降ろせないことだ。飽くまでも神楽の身体を動かす主導権を握るのは一人だけと言うことになるようだ。

 

 以上の理由から、南場が始まった時点で優希の生霊は本体に戻らないと数絵に主導権が渡せないし、南場が終わって後半戦に入るのであれば、やはり数絵の生霊は苦手な東場を避けて神楽の身体から抜け出てしまうことになるらしい。

 よって、優希の生霊も数絵の生霊も、しばらくは使えない状態になる。

 

 ただ、この二人の連携による爆発的な稼ぎをブロック決勝戦に持ってきたのは、次の決勝戦への出場を熱望している人(生霊)がいたからであった。

 それに、ブロックで優勝を果たせなければ最終的な決勝戦には出場できない。

 このような背景もあり、優希と数絵は、ブロック決勝戦の前半戦で特大リードを作るべく、順番に降りてきたのだ。

 

 

 休憩が終わり、後半戦が開始された。

 場決めがされ、今度は起家がエレナ、南家がリュドミラ、西家がエミリア、北家が神楽に決まった。

 

 東一局、エレナの親。

 ここでは、

「ポン!」

 初っ端から神楽が{中}を鳴いてきた。

 その二巡後にも、

「ポン!」

 神楽が{北}を鳴き、そのさらに二巡後、

「ポン!」

 再び神楽が鳴いた。しかも、赤牌入りだ。

 そして、その三巡後、

「ツモ! 北白ドラ2。2000、4000!」

 神楽が和了った。

 三副露してからの和了り。これは亦野誠子の麻雀だ。

 

 

 東二局、リュドミラの親。ドラは{7}。

 ここでも、

「ポン!」

 序盤から神楽が、エレナの捨てた{西}を鳴き、

「チー!」

 さらに次巡、赤牌含みで{横④③[⑤]}と鳴いた。

 そして、

「ポン!」

 今度は対面のリュドミラが捨てた{五}を鳴いて{五横五[五]}と副露した。

 これで三副露が達成された。あとは、和了れるのを待つだけだ。

 そこから四巡後、

「ツモ!」

 神楽が和了り牌をツモって和了りを決めた。

 

 開かれた手牌は、

 {2377}  ポン{五五[五]}  チー{横④③[⑤]}  ポン{西西横西}  ツモ{4}

 

「西ドラ4。2000、4000!」

 ここでも神楽は満貫を和了った。

 

 さっきまでと神楽の麻雀の打ち方が違う。エレナもリュドミラもエミリアも、これには正直、困惑気味だ。

 

 

 東三局、エミリアの親。

 とにかく神楽は、

「ポン!」

 鳴きまくった。ここでは、リュドミラが捨てた{發}を二巡目に鳴いた。

 次巡、

「ポン!」

 今度はエミリアが捨てた{5}を鳴いて{横55[5]}と副露した。

 さらに、その二巡後、

「ポン!」

 今度はエレナが捨てた{北}を鳴いた。

 この局でも、早々に三副露を達成し、その二巡後、

「ツモ! 發対々ドラ1。2000、4000!」

 満貫をツモ和了りした。満貫三連発だ。これは結構大きい稼ぎだ。

 

 ただ、次の親番を目の前にして、

「私はこれで満足したよ。それに、なんだかエミリアが怖いし。じゃあ、私はこれで。後をヨロシク!」

 誠子の生霊は、逃げるように神楽の身体から抜け出ていってしまった。

 この生霊のことを知る面々からは、誠子がちょっと無責任に思われたのは、言うまでもない。




おまけ


憧 -Ako- 100式 流れ二十本場 手品先輩風の栞と遭難希望の咲?


黒の組織が壊滅し、ベルモットはアメリカに戻り、女優としての仕事を再開した。

今日は日曜日。
阿笠博士は、朝から朝美(光彦の姉)と男女のバトルに勤しんでいる。ドーピングさまさまである。
朝美が来るのは月水金日の週四日。しかも、日曜日は朝から晩まで博士の家にい続けて体力が続く限り戦い続ける。

コナンと哀は、哀の部屋にこもり、毎日二人で遊んでいる。勿論、子供の遊びではない。大人の火遊びだ。

博士、コナン、哀の三人の優秀な頭脳がエロに支配された。しかし、まあ、だからと言って人類滅亡の危機に晒されるとか言うわけではない。今のところは…。


哀「周期表の縦の覚え方ってあるでしょ?」

コナン「ああ。そう言うのあるらしいな。」

哀「で、窒素(N)、リン(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)をどう覚えるかだけどね。チ〇ポでア・ソ・ビ!ってのがあるらしいわね。」

コナン「まさに、今のお前だな!」

哀「ええ。そのとおりね。」


このような状態なので、元太も光彦も歩美も、博士の家に遊びに来ても全然相手にしてもらえず、最近では博士のところに寄り付かなくなっていた。

別に、コナンに出会う前の状態に戻っただけなのだが…、やはりコナン達に会ってからのほうが何かと刺激的であった。
特に歩美にとってはコナンの存在は衝撃的であった。
それを、今更無かったことにはできない。
当然、人生のハリがなくなってしまった感じだ(小学一年生のクセに)。


一方、久HT-01だが、博士が発明した大人のオモチャの特許出願、商標登録などを行い、幅広く販売していた。
しかも、その特許は、博士に研究資金を提供する引き換えに、玄の組織に譲渡してもらう約束になっていた。

特許が公開されるのは出願から一年半後になる。
つまり、今商品として売り出しても、一般には、その特許の存在を第三者には知られないことになる。

ただ、それが売れるものと分かれば、しかも、その特許の存在が確認できなければ、当然、他の競合メーカーは類似品を製造販売するだろう。
しかし、久HT-01は、逆にそうなることを狙っているようだった。


久「この特許は公開前審査で進めていて(一般には審査請求は公開後だが、公開前にも審査請求可能)、公開された時点で特許が成立しているようにするわ!」←特許は出願しただけでは成立しません


つまり、特許公開と同時に類似品を売っているメーカーに製造販売の差し止めと特許使用料を請求しようと企んでいた。


久「覚悟しなさい! 競合メーカー!」


さて、どうなることやら…。
その頃………、


姫子「あっ♡! あっ♡! あっ♡!」

まこ「姫子は危ないのでカットじゃ!」


煩悩の数が式番になっているからだろうか?
いつも、こればかりだ。
名前が人を作るとはよく言ったものだ。
この場合、人ではなくダッチ〇イフだが。

仕切り直しだ。
その頃、憧100式は、久し振りに咲と駄弁っていた。
咲が憧のところに遊びに来たのだ。
ただ、京太郎は不在だ。
ハンドボールの助っ人として社会人チームに借り出されたのだ。
決して『カリ出された』ではない。


憧「結局、京太郎とは何も無かったの?」←神戸周辺での合宿の件

咲「今は絹ちゃんがいるし、別にイイかなって。」

憧「でも、必要になったら遠慮なく言ってね。もっとも、私はそばに置き続けてもらうけどね。」

咲「絹ちゃんもだけどね。」

憧「まあね。」

咲「それよりさ、今回、神戸でお姉ちゃんの高校の頃の先輩に会ってね。」


この世界にも、咲の姉として照が存在している。
もし憧126式ver.照が造られていたら、照が二人になってしまうところだった。造られなくて良かったのだろう。


憧「へぇ…。どんな人?」

咲「それが、胸の大きな人で…。」

憧「京太郎の目が釘付けになるのが想像つくわぁ。」

咲「実際そうなったけどね。」

憧「やっぱり…。(淡の準備満タン機能が羨ましいな!)」

咲「麻雀部の人で、お姉ちゃんの一年先輩なんだけど…。奇術部のほうも、かけ持ちしてたらしいのよ。」

憧「へー。(イカサマとか巧いのかな?)」

咲「でね、お姉ちゃんも、クラスの男子と一緒にムリヤリ手品の助手にされたことがあったらしいよ。」

憧「なんて人?」

咲「宇野沢栞さんって言うんだけどね。」

憧「あの麻雀プロの?」

咲「そう。で、奇術部のほうでは『手品先輩』って呼ばれてたらしいけどね。」←ここでは栞と手品先輩は同一人物設定です

憧「そう言われるってことは、手品巧いんだ。」

咲「それがね、今回、手品見せてくれたんだけど失敗ばかりでさぁ。服が破れたり、ロープが身体中にからまって身動きが取れなくなったり…。」

憧「えぇぇ!?」

咲「もう、手品じゃなくてエロ喜劇だったよ。」

憧「ソウナンですか?」

咲「ソウナンです。」


うーん…。
去年のネタだ。
『手品先輩』と『ソウナンですか?』が15分ずつだった。


取扱説明書
1.憧100式シリーズは、万が一のためにサバイバル機能が付いています。ただし、オーナーのためにしか動きません。


咲「そう言えば、万が一だけど…。もし遭難とかしたら、憧ちゃん達が一緒だったら、何か便利機能とかあるの?」

憧「海水でも生水でも、私達の中を通せば飲料水に変えることができるわよ。」

咲「えぇ!? それって便利!」

憧「ただ、飲料水が出るのは股間(前)からだけどね。」

咲「それじゃ、傍から見たら、おし〇こ飲むプレイみたいだね。」←〇は少なくとも『る』ではないと思われます

憧「たしかに第三者からは『飲〇プレイしてる!』としか思えないだろうけどね。遭難してるのに何やってるんだって言われそう。」←いや、大事な飲料水と捉える人もいますので、必ずしもプレイとしか思われないと言うわけでは無いような気がします

咲「でも、それだと絹ちゃんからのが一番飲みやすいかもね。溢さないで済みそう。」

憧「極太ストロー付きってことね!」

咲「そうだね。」

憧「でも、第三者が飲もうとすると大変なことになるからね。男性の場合だけど。」


取扱説明書
2.NTR機能またはスワッ〇ング機能を発動させない限り、憧100式シリーズの股間に触れたオーナー以外の『男性』は感電します。


憧「あと、サバイバル機能を使った時は、後ろの穴から不要物が出る仕組みになってるから、後ろの穴は洗浄してからでないと使えなくなるんだけどね。時と場合によっては、本気で不潔だから。」

咲「じゃあ、絹ちゃんのオーナーが男だった場合は、ちょっと不便だね。」

憧「たしかに!」


取扱説明書
3.サバイバル機能作動中は、後ろの穴の使用はおやめください。例えば、海水を飲料水に変換した場合、後ろの穴の中に塩分等の結晶が析出している場合があります。


咲「絹ちゃんのオーナーが私で良かったよ!」

憧「ただ、食料を出すことはできないのよね。そればかりは、なんとか調達しないと。」

咲「それは仕方ないんじゃない?」

憧「それから人肌で抱き合うくらいしかできないから、極寒世界だとアウトかな。結局、本気のサバイバルは私達が一緒でもムリじゃないかな?」

咲「それ以前に、飛行機に乗れないしね。『ソウナンですか?』みたいに飛行機墜落事故で遭難ってパターンはムリだね。」

憧「機械だから搭乗手続きで引っかかるもんね。完全に荷物扱いだわ。」

咲「それも大きなスーツケースに入れて預け入れだよね?」

憧「そうなるだろうね。」

咲「受付の人は驚くだろうね。X線撮ったら人型の何かが入ってるわけだし。」

憧「でも、手足外せないだけマシかも。」

咲「たしかに! もし外してケースに入れたらバラバラ死体と勘違いされそう。」

憧「まあ、でも船での旅ならできるかも。国内なら。」←荷物ではなく人間に成りすまして乗船するつもり

咲「あとは電車だね。でも電車じゃ、遭難してサバイバルって………山ならアリか!」

憧「でも、遭難は別として、旅行してみたいね。」

咲「じゃあ、今度の休みに何処か行こう!」


ちょっと待て!
重度の方向音痴の咲を連れて山に行くのは、それこそ遭難死に(『遭難しに』ではない)行くようなモノでは無いだろうか?
その自覚が全く無い咲であった。




続く?
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