咲-Saki- 阿知賀編入   作:おこそとのほもよろを

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起家がドイツのローザ、南家がアメリカのエマ、西家が中国の紅花、北家が光です。


八十八本場:世界大会12 全ての牌を透視する者

「アメリカチーム、エマが捨てた{4}をドイツチームのローザが直撃ぃぃぃ!」

「しかし、これは…。」

 日本では、福与恒子と小鍛治健夜コンビが世界大会の様子を実況中継していた。

 

 エマもローザも紅花も、これで先鋒戦が終了したと思っていた。

 しかし、そう認識していたのは、世界中で、その三人だけだった。

「失礼、アタマハネです。ロン。」

 そう言いながら光が手牌を開いた。

 光はローザの上家なのだ。よって、この場合、光の和了りのみ成立する。

 

 光の手牌は、

 {333[5]東東東發發發}  暗槓{裏77裏}  ロン{4}  ドラ{②}  槓ドラ{發}

 

「メンホンダブ東發三暗刻ドラ4。36900。」

 しかも親の三倍満だ。

 まだローザと光の点差は48000点あるが、この和了りは大きい。

 一方のローザとエマは、

「「(えっ!?)」」

 これでミナモに黒星を付けたと確信していただけに、一体何が起きたのかを理解するのに少し時間がかかったようだ。

 

 オーラス四本場。ドラは{⑨}。

 思った以上に、ローザとエマには、前局の衝撃は大きかった。

 頭を切り替えなくてはならないのは分かっている。しかし、

『はい、そうですか』

 と一瞬で切り替えられるほど、ローザもエマも精神的に成熟していない。

 

 気が付けば、もう六巡目になっていた。

 しかも、

「リーチ!」

 光が先制リーチをかけてきた。

 ローザもエマも紅花も、一先ず安牌切りで打ち回すが、

「一発ツモ!」

 結局、光に和了られてしまった。

 

 開かれた手牌は、

 {①②②④④[⑤][⑤]⑥⑥⑧⑧⑨⑨}  ツモ{①}  ドラ{⑨}  裏ドラ{四}

 

「リーチ一発ツモメンチン七対ドラ4。」

 これは、一発ツモが無くても数え役満だ。誰から出和了りしても芝棒分で後半戦分は逆転できる。

 しかし、前後半戦トータルではローザから和了るかツモ和了りするしかない。ローザ以外からの出和了りはトータルで逆転できない状態でトビ終了となる。

 なので、一般論からすれば、これはリーチをかけるべきではないだろう。飽くまで一般人の場合は…。

 

 しかし、能力者は別だ。

 光は、今の場の支配状況から、これを絶対にツモ和了りできる自信があった。それで、周りを降ろすために敢えてリーチをかけたのだ。

 そして、それを光は予想どおり一発でツモってきた。

「16400オール!」

 これでエマの箱割れで終了となった。

 

 後半戦の順位と点数は、

 1位:光(日本) 199200

 2位:ローザ(ドイツ) 185600

 3位:紅花(中国) 27200

 4位:エマ(アメリカ) -12000

 

 そして、前後半戦のトータルは、

 1位:光(日本) 377800

 2位:ローザ(ドイツ) 368400

 3位:紅花(中国) 53700

 4位:エマ(アメリカ) 100

 なんとかギリギリのところで光が勝ち星をあげた。

 

「「「「ありがとうございました。」」」」

 

 対局後の一礼を済まし、先鋒メンバーが対局室を後にした。

 

 

 引き続き、次鋒戦が開始される。

 日本チームの次鋒は松実玄。

 ドラ支配と三元牌支配で一躍注目を集めた少女。ローザ同様、本大会屈指のパワーヒッターの一人とされている。

 

 ドイツチームの次鋒は百目鬼千里。

 日本人留学生。全ての牌が見えているとしか思えない打ち回しをする。彼女が玄のドラ支配と三元牌支配をどれだけ掻い潜るかが注目されている。

 

 中国チームの次鋒は関芽衣。アメリカチームの次鋒はオリビア・ジョンソン。どちらも強豪選手として名を連ねている。

 

 

 対局室に、各チームの次鋒が姿を現した。

 場決めがされ、起家が玄、南家が千里、西家がオリビア、北家が芽衣に決まった。

 

 この時、玄がタコスを口にしていた。会場近くにタコスの店を発見し、大急ぎで恭子が買出しに行ってきたのだ。

 それを食べて、玄は念願の起家となった。もはやタコス効果は長野だけの都市伝説ではなくなっていた。

 しかも、ドラ支配ではなく、既に三元牌支配の状態になっている。いきなり親役満で稼ぐつもりだ。

 

 東一局、玄の親。

 千里は、全員の配牌を見た。牌が全部透けて見える彼女は、配牌直後に必ず全員の手牌を透視する。

 まずドラ支配が無いことと、既に12枚の三元牌のうちの5枚が玄の手牌に含まれていることを知った。

 そして、ツモ牌を順に見て驚いた。

 充当に行くと、全ての三元牌を玄がツモることになっている。

「(なるほどね。)」

 当然、大三元を和了らせるわけには行かない。和了らせてもせいぜい一回のみだ。複数回和了られたら大変なことになる。

 

 千里は、

「チー!」

 鳴いてツモ巡をズらした。

 しかし、その直後、誰も触れていないのに三元牌の場所が玄の新たなツモ位置に、勝手に移動したのだ。

「(なにそれ?)」

 鳴こうが何しようが、三元牌の位置は玄がツモる形にシフトする。後付でツモ牌が変わるのだ。これでは対策の仕様が無い。

 いや、二つだけある。

 一つ目は、咲のように先に二つ槓して三元牌12枚が勢ぞろいするのを防ぐ方法だ。

 しかし、今回は、そのようなツモ巡にはならなそうだ。

「(こいつの能力、反則じゃん!)」

 これは参った。

 千里は今まで、誰かが鳴いた時も、三元牌支配に則ってムリヤリ鳴かされていたものと思っていた。つまり、玄のところに三元牌が行くように鳴くこと自体も支配されているとの考えだ。

 しかし、実際は違った。

 これでは三元牌支配から逃れる術は無い。

 恐らく、日本チームは、これを知って自分に玄を当ててきたのだ。

 仕方が無い。

 千里は、

「ポン!」

 二つ目の対策方法を取った。とにかく鳴きまくっての早和了りだ。

 そして、

「ツモ。タンヤオドラ1。500、1000。」

 なんとか千里は玄の親を流すことに成功した。

 

 

 東二局、千里の親。

「(この親番、嬉しくない!)」

 玄の三元牌支配は、和了れなければ次の局に持ち越されるだけだ。玄の親を流して最悪の状態は逃れたが、ここで和了られたら親かぶり被害に遭う。それは避けたい。

 千里は早速、

「ポン!」

 オリビアに{南}を鳴かせた。

 さらに、

「チー!」

 オリビアの欲しいところを捨てて鳴かせ、

「ロン!」

 最後には差し込んだ。

「白ドラ1。2000。」

 これで自分の親番を敢えて流した。

 

 

 東三局、オリビアの親。

「(ホント、きっついわぁ。)」

 千里は、そう心の中で呟きながら、この局の進め方を考えていた。

 大抵、玄の連槓は、玄が三元牌を11枚揃えたところで始まる。そして、嶺上牌から三元牌が1枚引かれて玄の手の中で12枚全てが揃う。

 今回も、山を見る限り、そのパターンになっている。

 また、前局、前々局と見る限り、玄は配牌から5枚の三元牌がきている。これはコンディションによっても変わるようで、以前、映像で見た時は3枚しか持っていないこともあった。

 ただ、今日の玄のコンディションだと、最速で六巡で連槓が始まることになる。

 これは結構厄介だ。

 

 今回も、先に槓ができそうに無い。なので、

「チー!」

 千里は、

「ポン!」

 安くて良いから鳴いて手を進め、

「ツモ。500、1000。」

 何とか玄の連槓が始まる前に、この局を流した。

 

 

 東四局、芽衣の親。

 玄としては、連続で三元牌支配が流されて少々焦っていた。

「(このままではマズイのです。オモチベーションの強化が必要なのです!)」

 要は、エネルギー補給が必要と言うことだが…。

 

 対する千里も十分焦っていた。

「(間に合うかな、これ?)」

 一先ず、オリビアが捨てた{西}を、

「ポン!」

 千里は早々に鳴いた。一鳴きだ。

 そして、次巡、千里は{西}をツモり、

「カン!」

 加槓した。嶺上牌は{1}。これで手牌の中で{1}が暗刻になった。

 その直後、今度は芽衣が{1}を捨ててきた。これを千里は、

「カン!」

 大明槓した。これで、少なくともこの局の三元牌支配を潰すことに成功した。あとは、この手を和了り形に持って行くだけ。

 幸運なことに、{西}は自風だ。一応、役がある。

 ただ、槓を二つしたのに槓ドラは一枚も乗っていない。元ドラも無い。あるのは赤牌一枚のみ。

 ここから千里は手を進め、

「ツモ。西ドラ1。60符2翻は1000、2000。」

 東四局を流した。

 

 

 南入した。

 そして、南一局は玄の親番。

 ここで大三元を和了らせてはならない。

 千里はいきなり、

「ポン!」

 {四}を鳴いた。これで誰も鳴かなければ、次巡に{四}をツモれる。

 オリビアも芽衣も鳴かずに場が進み、千里は予定通り{四}をツモった。これを、

「カン!」

 千里は加槓した。嶺上牌は{②}。

 これは、オリビアが暗刻で持っている牌。鳴いてくれるだろうか?

 大明槓してくれることを願い、千里は{②}をツモ切りした。しかし、オリビアは、これをスルー。

 本当に状況を理解しているのだろうか?

 一瞬、千里は、

「(バカかこいつ!)」

 と思ったのは言うまでも無い。

 しかし、順当に行けば、次に{北}をツモる。{北}は芽衣の自風で、しかも芽衣がこの巡目で暗刻になるはず。

「(よし! 今、暗刻になった!)」

 これで準備OK。

 当然、千里は、次巡に{北}を切った。すると、

「カン!」

 芽衣が大明槓してくれた。さすが、空気が読める人だ。

 これで玄の三元牌支配は次局持越しが決まった。

 千里としては、あとは自分か芽衣のどちらかが和了れれば良い。正直、オリビアには和了らせたくないと思った。

 

 この鳴き合戦、

「チー!」

 結局、牌が全て透けて見える千里のほうが有利にことを進め、

「ツモ。タンヤオドラ2。1000、2000。」

 軍配は千里に上がった。

 両面待ちのため、符はギリギリで30符。まあ、これは仕方が無い。大三元被害を最小限に留めるのが最優先だ。

 

 

 南二局、千里の親。

 正直、千里が、親番を全然嬉しくないと思うのは珍しい。

 牌が全て透けて見える人間にとって、点数が1.5倍になるのはボーナスステージのようなものだ。しかも連荘する限り、ボーナスステージは続く。

 

 しかし、現状は違う。

 玄の三元牌支配は、今のところ何とか先送りしているが、それもどこかでできない局が出てくるだろう。

 その時は、100%大三元を和了られる。

 脅威と言うか、恐怖でしかない。

 ここはとにかく、芽衣が欲しがっている{南}を捨てて、

「ポン!」

 そのまま差し込む。

「ロン。南ドラ2。3900。」

 これで自分の親が流れたが、千里にとっては役満親かぶりの恐怖から脱却できたのだ。これは精神的に大きいと言える。

 

 

 南三局、オリビアの親。

 今回は、

「カン!」

 千里は、早々に芽衣に大明槓させた。しかし、一向にオリビアは大明槓に乗ってこない。もはや、こいつは人間性に問題があるのではなかろうか?

 仕方が無い。

 千里は、

「カン!」

 ここでも何とか芽衣の捨て牌を大明槓して三元牌支配を先送りにした。

 そして、

「ツモ。タンヤオドラ1。500、1000。」

 この局も千里が安手で流した。

 

 現在の順位と点数は、

 1位:千里(ドイツ) 108100

 2位:芽衣(中国) 99400

 3位:オリビア(アメリカ) 97500

 4位:玄(日本) 95000

 25000点持ちでも問題なく回せるレベルの点数変動しかないが、その裏には千里の膨大なる苦労があることは言うまでも無い。

 ただ、玄の大三元を見たい視聴者からは不満がブーブー出ていたようだ。

 

 

 オーラス、芽衣の親。

 どうやら千里も芽衣も、この局では槓ができそうにない。

 唯一、大明槓で三元牌支配を邪魔できそうなのはオリビアのみだが、多分、オリビアは千里の捨て牌を大明槓してくれないだろう。

 ならば、のみ手で良いので急いで和了るのみ。

「ポン!」

 千里は、芽衣が捨てた{西}を鳴き、

「チー!」

 とにかく形振り構わず鳴いて手を進め、

「ツモ。西ドラ1。500、1000。」

 安手で流して前半戦を終了した。

 

 これで前半戦の順位と点数は、

 1位:千里(ドイツ) 110100

 2位:芽衣(中国) 98400

 3位:オリビア(アメリカ) 97000

 4位:玄(日本) 94500

 千里の一人浮きとなった。

 しかし、この程度のリードは大三元が一回出たら逆転される。

 到底、千里にとって安心できる状態ではなかった。

 

 

 休憩に入った。

 玄は、一旦控室に戻ることにした。

「(私だけヤキトリなのです…。)」

 いくら大きい手を和了れるようになっても、一回も和了れなければ無意味である。

 しかも、今回の敵は、非常に立ち回りが巧い。芽衣との連携とは言え、槓で三元牌支配を破る相手だ。

 槓ができない時は、恭子や憧のようなスピードでさっさと場を流してしまう。

 こんな打ち方をされるとは………。玄は、悔しくて涙が出そうだったが、それをぐっと堪えていた。

 

 玄が控室の扉を開けると、そこには何故か霞の姿があった。

 表玄関からは関係者以外は入れない。しかし、霧島神境の者達はテレポーテーションが使える。

 それで、誰にも何も言われずに控室に来れたのだ。相変わらず便利な力だ。

 玄は、

「どうして霞さんがここへ?」

 目を大きく見開いて驚いていた。

「ええと、咲ちゃんから玄ちゃんのために来て欲しいって小蒔ちゃんが言われたって聞いて、それで。」

 つまり、オモチベーション強化のためである。

 既に状況は咲から説明済みであった。

 

 玄は、

「では、失礼します…なのです!」

 と言うと霞の背後に回って抱き付き、胸を掴んだ。

 やっていることは、ただのセクハラなのだが…。ただ、この時、霞は玄から咲や小蒔(神バージョン)のような強大な何かを感じ取っていた。

 間違いなく魔物の雰囲気だ。

 そして、それがまさに臨界点を越えた直後、

「オモチオモチオモチ…。」

 玄は霞の胸を揉み出した。ここからは完全なるセクハラである。

 恭子はハリセンで玄の頭を叩き、

「セクハラやめい!」

 オモチベーション強化を終了させた。




おまけ

憧 -Ako- 100式 流れ二十七本場 全てのダッチ〇イフをメンテする者


流れ二十六本場の続きです。
今回、勘違いトークはありません。
勘違いトークが好きな方にはつまらないかもしれません。


翌々日、台風一過の後。
憧108式ver.姫子は、久HT-01に阿笠博士の近況を探ることを依頼した。
その時に、憧108式ver.姫子は憧100式のスマートフォンの番号を教えた。久HT-01が、憧100式と直接連絡を取れるようにするためだ。

現段階では、憧108式ver.姫子も、全面的に久HT-01を信用しているわけではない。
少なくとも久HT-01は、黒の組織で造られたダッチ〇イフだ。当然、搭載されているAIには悪の学習が施されているに違いない。
それで、自分達の中でもっとも頭が回る憧100式を連絡係に立てたのだ。

その数日後のことだった。


久(電話)「もしもし?」

憧(電話)「久さんですね。憧です。」

久「阿笠博士のことだけどね。」

憧「は…はい…。」

久「貴女達のことを心配してたわよ。AI搭載の自律型ダッチ〇イフの捜索を警察に頼むわけにも行かないし、誰かに頼むわけにも行かないし。」

憧「まあ、恥ずかしいですもんね。」

久「そうね。でも、もし機能停止して誰かに発見されればニュースになるでしょうし、今まで何も報道されていないところを見ると、無事なのかなとは思っていたらしいわよ。」

憧「そ…そうですか。でも、私達を使いたいって気持ちはあるのでしょうか?(そこんとこ大事よね。)」

久「それは無い無い。」

憧「えっ?(本当かな?)」

久「セ〇レができたってこともあるけど、もしセ〇レと別れたとしても、博士の相手をするために未来からダッチ〇イフが二台も来ているからね。」

憧「へっ?(なにそれ?)」


さすがに、憧100式も驚いた。
まさか、69年後の未来から憧125式ver.ヤエが、105年後の未来から憧127式ver.琉音が博士を性的に満足させることを目的に送り込まれて来ていたとは、夢にも思っていなかったからだ。
まあ、普通、そんなことは想像できない。


久「それとね。メンテナンスのために一回来て欲しいって言ってたわよ。」

憧「はぁ…。(怪しく無いか見定めが必要ね)」

久「特に110式にって。」

憧「まさか、ロリ…。」

久「そう言う訳じゃないと思うけどね。そもそも、今まで無事と言うことは、既に全員がオーナーを見つけている可能性が高いと考えていたようだし…。」

憧「そうですか。(まあ、たしかに言われてみればそうよね)」

久「じゃあ、今度の土曜日に、代表で貴女と105式…。」

憧「淡ですね。」

久「そう。その二人で来て欲しいって言ってたわよ。」

憧「(うーん…たしかに実際に行ってみないと判断できないわね…)分かりました。わざわざありがとうございます。」

久「お礼はイイわ。私も、これに乗じてメンテナンスを受けさせてもらうことにしたから。やっぱり、私も心配だからね。せっかくなら長生きしたいし。」

憧「そ…そうですか。」

久「じゃあ、また土曜日。」

憧「はい、では、失礼します。」


憧100式は電話を切ると、隣にいる憧105式ver.淡に状況を説明した。

久HT-01の言葉を信じるならば、博士の家に行っても問題は無いだろう。
それに、万が一、博士が自分達を使おうとしても、既にオーナーがいる以上、博士が感電するだけだ。下手をすれば感電死することも有り得る。
当然、博士もそのことを分かっている。ならば、下手に手は出してこないだろう。

憧100式達は、博士の家を訪問する決意をした。

そして、土曜日………朝美が博士の家に来ない日。
憧100式と憧105式ver.淡は、久HT-01と共に阿笠邸を訪れた。
そこには、憧125式ver.ヤエと憧127式ver.琉音の姿もあった。この二人とは、憧100式も憧105式ver.淡も初対面であった。


博士「久し振りじゃな、憧、淡。」

憧「はい。博士もお元気そうで。」

博士「まあ、何もしないから気を楽にしてくれ。久君から聞いていると思うが、ワシには今、セ〇レがおるでのう。もうAI搭載の自律型ダッチ〇イフの研究はやめたんじゃ。」

憧「そ…そうですか。」

博士「それと、今から10年後に今のセ〇レと別れるらしいんじゃが、その後、ワシの相手をしてくれると言うダッチ〇イフが未来から二体来ておる。」

憧「(その意味が分からないんだけど?)」

博士「それが、このヤエ君と琉音君じゃ。」

ヤエ「私は博士を性的に満足させることを目的に69年後の世界から送り込まれた憧125式ver.ヤエだ。よろしく。」

憧・淡「「よ…よろしく…。」」

琉音「私は憧127式ver.琉音。105年後に憧シリーズを元に作り出されたダッチ〇イフで、博士に危ない発明をさせないため、博士を性的に満足させることを目的に送り込まれてきたんだ。よろしく。」

憧・淡「「こ…こちらこそ。」」

淡「(もしかして、これって未来から博士とHするためにダッチ〇イフが送り込まれた設定で遊んでいるのかな?)」←そう思ってもおかしくないでしょうね

博士「それで、二人はオーナーを見つけたんじゃろ?」

憧「はい。二人とも…と言いますか五体ともオーナーを見つけています。」

博士「やはりのぉ。ちょっと悔しいが、まあ、君達に逃げられたのは、ワシのAI学習が下手だったと言うことじゃ。君達を責めてもしょうがない。」

憧・淡「「…。」」

博士「事実、ヤエ君や琉音君は、理由はともあれワシを求めるよう学習できておる。ワシにそれができなかったのが問題なんじゃろうな。」

博士「ただ、君達はワシが発明したワシの娘みたいなもんじゃ。なので、メンテナンスはキチンとさせてもらいたい。」

博士「百人乗っても大丈夫なように造ったつもりじゃがの。年一回で良い。別にイタズラはせんから安心してくれ。」

博士「もし疑わしいと思うんじゃったら、君達のオーナーにも同席いただいて構わんし、絹恵に見張りをさせても良い。絹恵じゃったら、ワシを一撃で気絶させることができるからの、あのキック力で。」

憧「分かりました。」

博士「それと、マホだけは、成長機能つきのため他の機種よりも構造が複雑でのう。完全体になるまでは三ヶ月に一度のメンテナンスが必要なんじゃ。その辺も理解してくれ。」


その後、憧100式達は、阿笠邸の地下室に通された。
そこには巨大なスーパーコンピューターが設置されていた。
また、部屋中央には手術台のようなものと、その上には10本くらいのマジックハンドが設置されていた。今後、これで憧100式達のメンテナンスがオートでできるようにしてゆく予定らしい。

また、スーパーコンピューターには二台の作業用ロボットが繋がれていた。これは、スーパーコンピューターをメンテナンスするためのモノである。
また、二台あるのは、それらロボットが互いをメンテナンスできるようにするためだ。抜け目が無い。
これは、博士が死んでからも憧達のメンテナンスができるようにするための配慮だ。

憧100式達は、博士が本気で自分達のことを心配してくれていると実感した。

ただ、久HT-01は、このスーパーコンピューターと密かに通信し、実質乗っ取っていた。このことは、博士も知らない。
実は、このスーパーコンピューターと久HT-01が、後に世界と征服するHT-01完全体へと成長して行く。
それこそ既に、各国の主要コンピューターをハッキングしており、米国やロシアの核ミサイルのスイッチを勝手に押せるくらいの状態になっていた。

また、博士のコンピューターの通信記録は、博士のコンピューターのほうには残らないようにしていたし、ハッキングする際は、何重ものサーバーを経由して足がつかないようにしていた。

憧100式達が再び応接室に戻ってきた。
すると、そこにはコナンと哀の姿があった。


コナン「君達は、博士が発明したダッチ〇イフだよね?」

憧「ええ。私と淡の二人がそうよ。」

コナン「それでさ、ちょっとお願いがあるんだけど。」

憧「何?」

コナン「新一に一発ヤラせてやってくんねえかな。彼女がいるんだけど全然ヤラせてもらえてなくて、もう発狂しそうなんだ。」

哀「私からもお願いするわ。」

憧「でも、私も淡もオーナーがいるし…。」

久「じゃあ、私が相手してあげようか?」

コナン「本当か!?」

久「私だったらインプリンティング機能も無いし、元々ハニートラップ要員として造られたから貞操観念も無いし。」

コナン「(おいおい…。)」

久「でも、条件があるけどね。」

コナン「料金が発生するとかか?」

久「違う違う。あなたとそこのお嬢ちゃん(哀のこと)に、私達の団体、オモチクラブの特別会員になってもらいたいのよ。」


オモチクラブとは、玄の組織のことである。
憧125式ver.ヤエの目的が、『玄の組織からの資金援助でハヤリ20-7が製作されるのを阻止すること』と知り、久HT-01は、慌てて玄の組織の名称を一旦オモチクラブに変更したのだ。
ちなみに、オモチクラブの名称は、憧125式ver.ヤエのAIが記憶を無くした後に、再び玄の組織に戻されることになる。


コナン「なんだ、そのオモチクラブってのは?」

久「オモチのオモチによるオモチのための政治をモットーとしているの。」

コナン・哀「「(なんだそれ?)」」

久「基本、大人の女性しか入会できないんだけどね。でも、オモチクラブのほうから直々にお願いした場合に限り、大人の女性以外でも特別入会ができるの。既に博士には特別会員として入会してもらっているわよ。」

博士「そうなんじゃ。(まあ、オモチクラブから発明資金を横流ししてもらっていることは内緒にしておこう)」

久「(この二人が玄の組織の敵に回ると厄介だからね。今のうちに取り込んでおいた方が安全よね。)」

コナン「まあ、博士が入っているならイイぜ。な、哀。」

哀「そうね。でも、私と彼は、保健体育の実習で忙しいから、滅多に外には出てこないけど、それでもイイの?」

久「別に構わないわ。じゃあ、後で入会証を持ってくるわね。」


その数日後、新一は久HT-01に相手をしてもらった。
ただ、その日以来、新一の頭の中は久HT-01一色になってしまった。もう、蘭のことなど頭に無い。

さすがハニートラップ要員として造り出されただけのことはある。完全に新一のハートを奪い取ってしまったようだ。




続くと思う
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