Pチャンに構ってもらいたいシリーズ   作:篠崎レニア

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兎民シンデレラ 安部菜々

「……」

 

ピッ

 

ミンミンミン ミンミンミン ウ〜サミン!

 

「……」

 

ウサウサウ〜サ ウ〜サミンッ!

 

プルルルル……

 

「……はい、もしもし……あ、お母さん……?」

 

「えっ?選挙のはがきがきてる……?あぁ、わかってるてば……」

 

「わかった……行く……来週に行くから……うん、うん……」

 

「大丈夫だって、しっかりとしてるから……ご飯もちゃんと、食べてるし……」

 

「あっ、それともう、落花生は送らなくていいからね!じゃあ、そろそろ仕事だから一旦切るよ!またね!」

 

「……ふぅ。もうっ……心配症なんだから……そんなに心配しなくても、私はもう、立派なオト……」

 

「……ではなくっ!立派な17歳なんだから、心配をしなくていいのに!本当に困っちゃうんだからっ!」

 

「でも、選挙かぁ……行ったら少しは、税金の負担が減って……はっ……!」

 

「ま、全く……最近は、ウサミン星に納めなきゃいけないニンジンの量が増えて、困ってしまいますね!」

 

「こういう時こそ「アベナミクス」を打ち出して、解決しないとねっ♪きゃはっ♪」

 

「さて!ニンジンを収穫しに行きましょう!まずは、三本のニンジンのうちの一本を、実行しないとっ!」

 

「テレビを消して、火の元を確認して、戸締りはしっかりとしてと……よしっ♪」

 

「あとは……うん!今日も、びっしり決まってますね♪鏡の向こうに、しっかりと「ウサミン星人」がいます♪」

 

「では!総武……じゃなくて!ニンジンの馬車に乗り、今日も一日頑張りましょう!えい、えい、お〜!」

 

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「二人とも、おはようございます♪今日は一日、よろしくお願いします♪」

 

「おはようございま〜す☆菜々パイセン☆」

 

「おっ、菜々、おはよう。よろしくな。それで、調子とかどうだ?具合が悪いとかないか?」

 

「はいっ♪ナナはとっても元気ですよ♪今日のお仕事を、とても楽しみにしていましたので♪」

 

「それはよかった。なんせ、今日の仕事は菜々にとって、とても大切な仕事だもんな」

 

「大切……?どういうこと?」

 

「あぁ。これから二人には、秋葉原で撮影があるって話をしただろ?」

 

「うん「しゅがしゅが☆み〜ん」の二人で、メイドカフェで写真撮影があるって、言ってたよね」

 

「ふっふっふっ……実はですねぇ……その撮影場所のメイドカフェは、ナナの元勤務先なんですよ♪」

 

「勤務先……えぇ〜!?菜々パイセンのぉ!?」

 

「この、撮影の仕事をもらった時に、菜々がメイドの仕事をしてたってことを、思い出してな」

 

「それで、せっかくならと、菜々が勤務してたメイドカフェを、撮影場所に選ばせてもらったんだよ」

 

「えへへ……♪ちょっと、恥ずかしいですけど……思い出の場所で、お仕事出来るなんて嬉しいです♪」

 

「……ふ〜ん……プロデューサーにしては、粋なことするじゃん☆でもぉ……はぁと、すこ〜し残念だなあ〜」

 

「ん?残念……?」

 

「てっきりぃ、はぁとのメイド姿を独り占めしたいと思って、お仕事を取ってきたと思ったのにぃ〜☆」

 

「……そうだな〜。さて、そろそろ現場に向かうか。行こうぜ、菜々」

 

「えっ……?あ、は、はい……行きましょう……?」

 

「おい☆ナチュラルに、スルーすんなよ☆」

 

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「あっ、ナナ先輩じゃないですか〜♪お久しぶりですっ♪」

 

「みんな、お久しぶり♪元気そうでなによりです♪」

 

「初めましてぇ〜☆佐藤心ことぉ、しゅがーはぁとって言います☆今日は、よろしくお願いしますねっ☆」

 

「うわぁ〜!本物のしゅがはさんだぁ〜♪前に、ナナ先輩と一緒に秋葉原で、ライブをしてましたよね!?」

 

「あっ☆見に来てくれたんだ☆ありがとうね☆どう?はぁとたちの「凸凹スピードスター」を聞いてくれた?」

 

「はいっ♪お二人とも、息がぴったりでしたよ♪思わず私たちも、一緒に踊りたくなってしまいました♪」

 

「あ〜、あのダンスねぇ〜。あれって結構、腰に……じゃなくてぇ☆楽しんでもらえてよかった☆」

 

「そうですね♪喜んでもらえるように、鞭を打って……ではなくっ!頑張った甲斐がありましたっ♪」

 

「とても元気をもらえましたよ♪流石は、あのお兄さんが太鼓判を押していただけはありますね♪」

 

「お兄さん……?」

 

「ほら。今、打ち合わせをしてる、あのスーツのお兄さんって、プロデューサーさんなんですよね?」

 

「うん、そうだけど……何で知ってるんですか?」

 

「前にも、うちに来てくれたんです。その時に、ナナ先輩の担当だって、自己紹介をしてくれたんですよ」

 

「そうなんですか……何だか、恥ずかしいな……//」

 

「でも、あのお兄さんって、なかなか素敵ですよね。ナナ先輩は、どう思ってるんですか?」

 

「えっ……!?どど、どうって……あの人はただ、ナナのプロデューサーさんとだけしかっ……//」

 

「も〜、だめだよ〜。ナナ先輩は、アイドルなんだから〜」

 

「あっ、すみません!私ってば、変なことを言って……アイドルに恋愛は、ご法度ですよね!」

 

「……そ、そうですね……ナナはまだ、17歳でアイドルですし、そういうのはまだ早いかな……//」

 

「でも「ナナ先輩の」プロデューサーさんなのに、しゅがはさんとも仲がいいですよね」

 

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「ん?はぁとちゃんが……?」

 

「ほらぁ……どうだよぉ☆プロデューサー☆はぁとのぉ、メ・イ・ド姿は☆」

 

「あぁ、似合ってるぞ」

 

「エ〜。それだけぇ〜?もっと、あるだろぉ〜?例えば「俺のメイドにしたい」とかあるじゃんか☆」

 

「何だよ……俺のって……」

 

「……はぁとの、この姿……かわいくなぁい?」

 

「……似合わないと思ったら、わざわざ、オファーをすると思うか……?」

 

「知ってる……♪や〜ん♪やっぱりぃ、プロデューサーは、はぁとの魅力にメロメロなんだねぇっ☆」

 

「あ〜、やっぱり、前言撤回。お前はあくまで、菜々の「ついで」に呼んだだけだ。変な勘違いをするな」

 

「はぁ〜っ!?上げてから落とすの、早くない!?もっと褒めてくれてもいいぢゃん!いぢわるっ!!」

 

「はいはい。心はすぐに、変な勘違いをするから、しっかりと見守ってやらないとな。ほら、頑張って来いよ」

 

「何だか、長年連れ添ってるカップル感があるよね〜。息がぴったりと言うか」

 

「……早くしないと……心さんに、プロデューサーさんを取られちゃいますよ♪ナナ先輩♪」

 

「ええっ……!?だ、だから、ナナは別にっ……!//」

 

「あ〜あ〜。ナナ先輩も寿退社かぁ〜。寂しくなりますねぇ」

 

「えっ……ナナ「も」……?」

 

「はい♪ナナ先輩がアイドルになってから、何人か寿退社をしたんです♪子供が生まれた子もいるんですよ♪」

 

「そういえば……少し、人がいなくなってるような気がするね……そうなんだ……結婚かぁ……」

 

「ふふっ♪だから、ナナ先輩も今から、プロデューサーさんにっ……」

 

「よぉ、菜々。そろそろ、撮影が始まるから準備をしてくれ」

 

「あっ……噂をすれば……うふふ……♪「これからも」ナナ先輩をよろしくお願いしますねっ♪お兄さんっ♪」

 

「ん……?えぇ、任せてください。菜々を立派なアイドルにしてみせますよ。なあ、菜々」

 

「……そ、そうですねっ……!では、お嫁……じゃなくて!お仕事に行ってきま〜すっ!//」

 

「ふふっ……♪ナナ先輩って……本当に、かわいいっ♪」

 

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「せ〜のっ……」

 

「「「かんぱーい♪」」」

 

「んぐ……美味し〜い☆はぁとの五臓六腑に、染みわたるぅ〜☆」

 

「そうですねっ♪働いた後の一杯は、たまらないですっ♪」

 

「あぁ。仕事終わりに飲むと、いつもよりか美味しく感じるよな」

 

「でもぉ、おでんってトコが、ちょ〜っとスウィーティーじゃないけどねぇ〜☆」

 

「何でだよ。秋葉原と言ったらおでん缶だろ?まさに、この上なく相応しいご馳走じゃないか」

 

「えぇ♪ナナにとってはまるで、故郷の……だ、第二の故郷の味みたいなものですしねっ♪きゃはっ♪」

 

「二人とも、今日はお疲れ様。頑張ってくれて、ありがとうな」

 

「いえいえ♪とても楽しかったですし、何より馴染みのメイド喫茶で、お仕事が出来てよかったですっ♪」

 

「や〜ん☆これでまた、はぁとたちの魅力の虜になったファンが、増えちゃうんだねぇ〜☆困っちゃう〜☆」

 

「いいことじゃないか。二人とも脂が乗ってきているし、この調子でじゃんじゃんファンを増やしていこうぜ」

 

「そうですねっ♪そ、それに……プロデューサーさんも一緒に、虜に出来ちゃったかな……なんて……♪//」

 

「ははっ。俺はある意味で、菜々たちの一番のファンみたいなものだからな。しっかりと、見せてもらったよ」

 

「……えへへ……♪嬉しい反面、何だか照れてしまいますねぇ……//」

 

「本当にねぇ〜。プロデューサーってば、はぁとたちのことをやんらし〜目で、ず〜っと見てたもんネ〜♪」

 

「はぁっ!?何だよやらしいって!そんな風に見てた覚えはねえよっ!!」

 

「どうだか……さっきのメイド服だって、胸が強調されるような、ちょっとえっちな感じだったしぃ〜」

 

「い、いや……あれは前に、夏樹に着てもらったメイド服を、参考にしただけで……」

 

「フ〜ン……夏樹ちゃんまで……本当にプロデューサーは、見境がないオオカミさんなんだから〜☆」

 

「……ほぉら……言ってみなってぇ……♪撮影中さぁ……はぁとたちの「ナニ」を、見てたんだよっ♪」

 

「なっ……!だっ、だから、何も見てねえって!菜々からも何か、心に言ってやってくれっ!」

 

「……」

 

「おい……菜々……?」

 

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「……むうっ……はぁとちゃんや、夏樹ちゃんばかりに、デレデレしちゃって……ずるいですっ……」ギュッ

 

「ちょっ……菜々までっ……!べ、別に……俺は、デレデレだなんて……!」

 

「そうだそうだ〜☆他の子だけじゃなくて、はぁとたちのことも、少しは見・ろ・よ☆」

 

「お前まで、くっついてくるなっ!あぁ、もうっ……!何なんだよ……一体……//」

 

「んもう〜、しょうがねぇなあ〜☆んじゃあ……はぁとたちと……イこうよ……♪」

 

「行く……?どこにだよ?」

 

「そんなの決まってるじゃねぇかよぉ♪いろんな女の子に色目を使ってる、イケナイプロデューサーはぁ……」

 

タプンッ♪

 

「……はぁとたちが、美味しくいただいちゃうんだからっ♪ね〜☆菜々パイセンっ☆」

 

「……そうですねぇ……もう少し、オトナの……ではなく。ナナたちのことを、わかってもらわないと……」

 

「ちょっ……二人とも、近すぎ……!そ、それに、その……当たってるって……!//」

 

「エ〜?はぁとぉ、お年頃の女の子だから、よくわからな〜い☆」

 

「……ナナもまだ、17歳なので……何を言ってるのか、よくわかりません……」

 

「くうっ……二人して、何だよ……さっきからっ……!//」

 

「ヘェ〜……オオカミのくせに、ま〜だそんなことを言って、しらばっくれるんだ〜……ま、いっか☆」

 

「じゃあ〜、はぁとたちから喰らいついてやるよ☆どう猛な肉食獣みたいにな☆」

 

「ふふっ……♪がお〜ですっ♪なんて……♪」

 

「なっ……ま、待てっ……!俺には、心の準備が……!//」

 

「ダ〜メ☆さてっ☆とっとと、いただきますかねぇ☆逞しくて肉肉しい、プロデューサーのぉ……」

 

「……ちょっ……まっ……!//」

 

「……お・に・く・を・な☆」

 

「は……?……肉?」

 

------------------------------------------------

 

「ね〜ね〜、肉食い行こ☆肉☆はぁと、近くにいい店を知ってるんだ☆」

 

「えっ……?あっ……そ、そうだな……ちょうど、夕飯時だし……行くか?」

 

「わ〜いっ♪ナナも実を言うと、さっきからお腹がペコペコだったんですっ♪」

 

「……何だ……奇遇じゃないか。実は、俺もなんだ……あはは……」

 

「ん〜?どうしたの?そんな、呆気にとられて……」

 

「な、何でもないぞ……あ〜、仕事が終わったあとはやっぱり、がっつり肉を食べたいよなあ〜!」

 

「んふふ……そうなんだ……「がっつり」食べたいんだぁ……えっち……☆//」

 

「はあっ!?何でそうなるんだよっ!?そんなことなんか、考えてねえよっ!//」

 

「んじゃあ〜。さっきからな〜んで、そんなに顔が真っ赤なのかなぁ〜?ん〜?」

 

「ばかっ!そりゃ、お前たちがこんなに、密着してくるからだろうがっ!//」

 

「……ということは……ナナたちのことを「女の子」として、意識してくれてるってことですよね……//」

 

「い、いや……それは……」

 

「きゃ〜ん☆プロデューサーってばぁ、やっぱり、はぁとたちを食べようとしてたんだ〜☆こわ〜いっ☆」

 

「……意識なんかしてねえよ!ったく……ほら、心。いい店を知ってるんだろ?とりあえず、一旦、離れ……」

 

「両手に花でよかったですねっ♪きゃはっ♪」

 

「は……?いや……だから、離れ……」

 

「両手に花で、嬉しそうじゃねぇかよっ☆このっ☆」

 

「……だから……」

 

「嬉 し い よ な ? ☆」

 

「……はい……では、三人で仲良く、焼肉を食べに行きましょう……」

 

「や〜んっ♪もう、プロデューサーてば、素直なんだからぁ〜♪それじゃあ、行きましょう☆菜々パイセンっ☆」

 

「そうですねっ♪はぁとちゃん♪せ〜のっ♪」

 

「「ハイタ〜ッチ♪」」パチンッ♪

 

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「たっだいま〜♪……あ〜♪今日は、楽しかったなぁ〜♪」

 

「メイド時代の仲間にも会えて、しゅがはちゃんと楽しくお仕事をして、三人で美味しいお肉も食べれたし♪」

 

「ナナは、大満足です♪……でも……楽しかったは、楽しかったけど……うぅ……少し、飲み過ぎ……」

 

「……はっ……!つ、つい、お肉を食べすぎてしまいましたねっ!いけませんいけません!」

 

「まだ、17歳の女の子なんだし、気をつけないと……♪ねぇ、そう思いますよねぇ?プロデューサーさ……」

 

「……そうでした……ナナは……一人でしたね……」

 

「……」

 

「……でも、そうかぁ……あの子たち……」

 

ナナ先輩がアイドルになってから、何人か寿退社をしたんです♪子供が生まれた子もいるんですよ♪

 

「……結婚して……子供も出来たんだ……そうだよね……それって、とても幸せなことだよね……」

 

「ナナは、みんなのアイドル……でも、ナナは一人……これからも……その先も、ずっと……」

 

「……」

 

「……このままで……いいのかな……?それとも……ナナは……」

 

「……そうだ、スマホは……あ、あった……少し、時間が遅いけど……よしっ……」

 

プルルルル……

 

「……あ、もしもし?ごめんね。夜分遅くに……」

 

「あの……急に、申し訳ないんですけど……明日って、時間があるかな…_?」

 

「うん……あっ、いい……?……ありがとう……」

 

「えっと……少し……話したいことがあるんだ……直接、会った時でいいかな?電話じゃ、話ずらくて……」

 

「悪いね……うん、うん……それでは明日、よろしくお願いしますね」

 

「うん……おやすみ。急に、電話をかけてごめんね……」

 

「……」

 

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「……こんにちは。待ってたわよ♪さあ、上がって♪」

 

「こ、こんにちは……来ちゃいました……瞳子さん……」

 

「……もう、水臭いわね……私たち、今は二人っきりよ?「菜々ちゃん」♪」

 

「……そうでしたね……お邪魔するね。瞳子ちゃん」

 

「ふふっ……どうぞ……♪今日は、楽しみましょう……♪」

 

「あと……ほんのお気持ちですが、よかったら使ってね。瞳子ちゃんって、入浴剤が好きだったよね?」

 

「あら……そんな、いいのに……うふふ♪ありがとう……♪大切に、使わせてもらうわね……♪」

 

「さあ、立ち話もなんだし、座ってちょうだい。それで……どうしたの?随分と、急だったようだけど……」

 

「うん、ありがとう。そうですね……その……瞳子ちゃんに一つ、聞きたいことがあったんだ……」

 

「聞きたいこと……?」

 

「えっと……あのね……ものすごく、聞きにくいんですけど……」

 

「……昔に一度、引退をした時……どう思いましたか……?」

 

「……あら。また、どうして、そんなことを聞くのかしら……?」

 

「いえ……その……ごめんなさい。急に、こんなことを聞かれても、困ってしまいますよね……」

 

「……菜々ちゃんになら……話してもいいわね。初めて出会った時から、シンパシーを感じてたもの……」

 

「えっ……いいの……?」

 

「えぇ、大丈夫よ。そうね……一言で言うなら「呪った」わ。ごめんなさいね。急に、物騒なことを言って」

 

「……」

 

「自惚れるつもりはないけど、努力はしたつもりなの。自分なりに試行錯誤をし、報われるように頑張ったわ」

 

「だけど……あるものの前では、無力だと言うことに気づいて、あの頃の私は絶望したの。とてもね」

 

「あるもの……ですか……?」

 

「そう、才能よ。ダイヤモンドの原石は、磨けば磨くほど輝きを増すけど、石ころは磨いたところで、ずっとただの石ころ」

 

「そして、その石ころが私だって、気づいてしまったの。それで引退を決意したわ。まだ、私が十代の頃にね」

 

「で、その事実から逃げるように、お世話になってたカフェの店員に戻ったの。まあ、そんなところかしら」

 

「……そうですか……そんなことが、あったんだね……」

 

「でも、結果的によかったと思ってた。夢は儚いから夢であり、短い時間でも、夢を見れてたのは事実だしね」

 

「それに、カフェの店員は私にとって、天職だったの。おかげで毎日が充実して、日々を楽しく過ごせてたわ」

 

「……あの人と、出会うまでは……ね……」

 

------------------------------------------------

 

「あの人……」

 

「うふふ……♪菜々ちゃんの想像してる人……つまり……プロデューサーさんよ……」

 

「本当に、突然だったわ。最初は何回か、カフェにお客さんとして来てもらってて、急に、スカウトされたの」

 

「「もう一度ステージに立ちませんか」ってね。もちろん、私はすぐに断ったわ」

 

「でも……あの人も物好きよね。それから、断っても毎日来るのよ。こんな私のためにね」

 

「……プロデューサーさんは、アイドルのことになると、止まりませんからね……」

 

「その通りね。そして、その熱意に押され、首を縦に振ってしまったの。根負けをしたってところかしら」

 

「だって、一度は挫折をした私に、何回も「自信があります」って言うのよ?なんて、酷い人だと思ったわ」

 

「だけど……彼は決して、私の目を捉えて離さなかった。そして、目を見据えながらこう呟いたのよ」

 

「「俺の人生も、一緒に捧げます」ってね……本当に……ずるい人よ……」

 

「……プロデューサーさん……そんなことを……」

 

「もちろん、わかってるつもりよ。そういう意味じゃなくて、私を鼓舞するために言ってくれたんだって」

 

「でも……諦めた私を呼び戻して、再び、アイドルとしてスポットライトを浴びて欲しいって言う以上は……」

 

「……「色んな」責任を、取ってもらわなきゃいけないわね……なんて……//」

 

「……」

 

「まあ、そんな感じで、今に至るわけ。どう?だいたい、わかってくれたかしら?」

 

「はい……色々と、苦労があったんだね……瞳子ちゃん……」

 

「うふふ……でも、ある意味では、菜々ちゃんと私って、似た者同士じゃないかしら?ねっ……♪」

 

「……そうかもしれませんね……」

 

「綺麗な姿を見てもらおうと、この水槽に飛び込んで、一度は沈んだ私たちだけど……」

 

「今度の水槽は「熱帯魚」にとっては、申し分のない世界よね。他の、泳ぐ仲間たちを見てわかるもの」

 

「だから……改めて、これからも一緒に頑張っていきましょう♪菜々ちゃん……♪」

 

「瞳子ちゃん……はいっ♪これからも、よろしくお願いしますっ♪」

 

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「ところで……少し、話がそれちゃったけど……菜々ちゃんはどうして、この話を私に聞きにきたのかしら?」

 

「あっ、もう大丈夫ですっ♪瞳子ちゃんのおかげで無事、解決出来ましたので♪」

 

「……ふうん……それはよかったわ。でも……何だか少し、笑顔がぎこちないような気がするわよ……?」

 

「……ううっ……やっぱり、瞳子ちゃんには嘘をつけませんね……」

 

「言ったでしょ。菜々ちゃんには、シンパシーを感じてるって。この場では、お互いに隠し事はなしよ」

 

「そうだね……実を言うと、少し……悩んでることがあるんだ……」

 

「確かに、ナナには瞳子ちゃんやはぁとちゃん、アイドルのみんな、そして……プロデューサーさんもいます」

 

「アイドルになるって夢も叶って、毎日が本当に楽しいんだ。でも……ある時に、ふと思ったんです……」

 

「アイドルとしての幸せ、ナナとしての幸せ……どっちが「幸せ」なんだろうって……どう思います……?」

 

「そんなの、決まってるじゃない……と、言いたいところだけど、現実はそうはいかないわよね」

 

「だけど、これは私じゃなくて、菜々ちゃん自身が決めないと。自分の人生は、自分で決めるべきだと思うわ」

 

「……やっぱり……そうですよね……」

 

「でも、例え、菜々ちゃんがどんな決断をしようとも、私たちは何も変わらないわ。決して」

 

「だって、私の中で菜々ちゃんは、ただ一人しかいないもの」

 

「……ありがとう。やっぱり……瞳子ちゃんは、強くて優しいね……とても……」

 

「ふふっ……もしかしたら、取り繕ってるだけかもしれないわよ?私、嘘が下手だって、よく言われるの」

 

「えっ……そうなの……?」

 

「……特に……プロデューサーさんにはね……本当に不思議な人よ……あの人は……」

 

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「いくら隠し事をしてても、すぐに見透かされちゃうの。どんなことでもね」

 

「確かに……プロデューサーさんには、不思議な魅力がありますね……」

 

「ふ〜ん……菜々ちゃんは「魅力」なんだ……♪例えば、どんなところがかしら?」

 

「にへへぇ……そんなことを言い出したら、きりがないですよぉ……♪まずはですねぇ〜……」

 

「……って……ナ、ナナは別に、プロデューサーさんのことが、好きなわけじゃないですっ!//」

 

「あら?私は「魅力」を聞いただけで「好き」かどうかだなんて、聞いた覚えはないんだけど……?」

 

「あっ……と、という演技をしてみました!アイドルは、演技も出来て当然ですからねっ!」

 

「……うふっ♪」

 

チュッ♪

 

「ちょっ……!?と、瞳子ちゃんっ……!?//」

 

「……この味は、嘘をついてる味ね……♪どう?前に、菜々ちゃんから借りた漫画を、参考にしてみたわ……♪」

 

「えっ……ええっ……!?//」

 

「それとも……「女の子」には、大人のジョークはまだ早かったかしら……なんて……♪」

 

「……と、瞳子ちゃんは、アイドルなんですよ!?やっていいことと、悪いことがあるんだからねっ!?//」

 

「うふふ……プロデューサーさんみたいなことを言うのね……♪やっぱり、菜々ちゃんは……」

 

「あ〜!あ〜!知らな〜いっ!!ナナはアイドルなんですから、そういうことはご法度ですっ!ノウッ!!」

 

「……じゃあ……プロデューサーさんと、私……どっちが好きなのかしら……?」

 

「知〜り〜ま〜せ〜ん〜っ!瞳子ちゃんのいぢわるっ!//」

 

「んもう、菜々ちゃんってば、かわいいんだから……♪まあ、それはさておき……」

 

「まだ、時間はたくさんあるわ……♪私たち二人で、女子会を楽しみましょうよ♪ねっ……♪」

 

「……むぅ〜っ……//」

 

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「それでは、お邪魔をしました♪今日はありがとうねっ♪瞳子ちゃんっ♪」

 

「どういたしまして。今日は、菜々ちゃんとたくさん「恋バナ」が出来て、よかったわ……♪」

 

「えぇ♪たくさん、恋バナが出来て……じゃなくて!恋バナじゃなくて、女子会でしょぉ!?//」

 

「あら?そうだったかしら?でも、楽しかったのは事実でしょ……?」

 

「それは……そうだけど……」

 

「なら、細かいことはいいじゃない……♪……それで……どうするか、決めたの……?」

 

「……うん。ナナは決めました……もう、迷いはないです」

 

「そう……頑張ってね。陰ながら、応援をさせてもらうわ……あること以外はね……」

 

「えっ?あること……?」

 

「……私たちは色んな意味で、これからもライバルじゃない……♪特に「女の子」な部分ではねっ♪」

 

「なっ……!で、で〜す〜か〜ら〜!ナナは何も、関係ないってばっ!//」

 

「……じゃあ……私がいただいちゃっても、いいってことかしら……?」

 

「それは……す、好きにすればいいじゃない!ナナはもう行きますからねっ!じゃあ、また今度ね!!」

 

「ふふっ……また会いましょうね……♪……行っちゃった……もう、本当にかわいいんだから……♪」

 

「……でも……気持ちはわかるわ……私も、一緒にいるとつい……心が、暖かくなってしまうもの……//」

 

「本当に、酷い人……色々と考えなきゃいけない年齢になったのに、もう一度夢を見てって言うんだから……」

 

「……これで、また沈むことがあったら私は、もはや熱帯魚……いえ、魚ですらなかったということ……」

 

「だけど、もう今の私は、傷つきたくなくて言い訳ばかりしてた、悲劇のヒロインじゃないわ」

 

「それに、今は貴方がいるもの。再び、水槽に戻ってきた以上はきっと、期待に答えてみせるわ。必ずね」

 

「……でも……夢だけじゃなくて、いつかは「正夢」にしてくれるわよね?……プロデューサーさん……♪//」

 

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「ふんふ〜ん♪うさみん♪うさみん♪ぐるこさみ〜んっ♪」

 

「うさみんぱわ〜で、めるへんちぇ〜んじ♪……あっ、プロデューサーさん。これは、どこに置きますか?」

 

「ん?あぁ、そこに置いてくれ。ありがとうな」

 

「いえいえ♪それじゃあ、こっちに置きますね♪」

 

「にしても、悪いな。わざわざオフなのに、事務所の掃除をしてもらって」

 

「気にしないでください♪あっ、それとコーヒーも、あともう少しでお持ちしますね♪」

 

「おぉ……コーヒーまで……ていうか、菜々ってすごい手際がいいよな。俺も、見習いたいぐらいだ……」

 

「ふふん♪これも、年の功……じゃなくて!ご主人様への、奉仕の精神を忘れてないだけですっ♪」

 

「はは……ご主人様か……何だか、照れ臭いな……」

 

「むしろ、専属メイドなんてどうでしょうか♪もっとたくさん、ご奉仕をしてあげれますよ♪きゃはっ♪」

 

「……そ、そうか……それは、助かるな……色々と……//」

 

「ん?何だか、顔が赤く……あ”〜っ!さては今、変なことを考えてませんでしたか!?めっ、ですよっ!」

 

「はぁっ!?な、何を言ってるんだよっ!変なことなんか、考えてねえって!//」

 

「全くもう……でも……もしかしたらナナたちって、その……ご主人様とメイドじゃなくて……」

 

「……仲のいい夫婦に、みえちゃってるのかな〜……なんて……♪ //」

 

「えっ……夫婦……?」

 

「はっ……!じ、冗談ですよっ!それより、プロデューサーさんっ!このあと、お時間とかありますか……?」

 

「このあと……うん。特に、用事はないよ。どうした?」

 

「もし、よかったらその……ナナと一緒に、ついてきて欲しい場所があるんですけど……どうですか……?」

 

「あぁ。別に、大丈夫だよ。じゃあ、残ってる仕事を片付けちゃうから、少し、待っててな」

 

「ありがとうございます♪では、ナナも一緒に、お手伝いをしますね♪」

 

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「おぉ……ここは……」

 

「うふふ……♪どうですか?菜々の、お気に入りの場所なんですよ♪」

 

「夕日が綺麗だ……こんなに眺めのいい河川敷なんて、あったんだな」

 

「お仕事の帰りとかよく、ここに来るんです♪前にも、アイドルの子と一緒に来たんですよっ♪」

 

「おっ、誰と来たんだ?」

 

「んふふ……誰とでしょうか……♪そこの、地面に書いた落書きを見て、当ててみてくださいっ♪」

 

「ん……?なんか、書いてあるな。え〜っと……「Rock&Cat+ウサミン」……?」

 

「う〜む……ウサミンは菜々として……もしかして「アスタリスク」の二人と、夏樹の四人で来たのか?」

 

「流石は、プロデューサーさんですね♪大正解ですっ♪でも、よく夏樹ちゃんも来たって、わかりましたね?」

 

「ロックなアイドルと言えば、夏樹だしな。それに、李衣菜はロック系と言うには……なあ……?」

 

「そんなことはないですよ。李衣菜ちゃんも、プロデューサーさんのために、必死に頑張ってるんですから」

 

「……も、もちろん……ナナもですけど……えへへ……//」

 

「頑張ってくれるのは嬉しいけど……でも、そうだな。この際、別の方向性を見出すのもいいかもしれないな」

 

「別の方向、ですか……?」

 

「あぁ。あいつらって、何だかんだで仲がいいし、巷じゃ「解散芸」なんて呼ばれてるそうじゃないか」

 

「だから、お笑い路線もよさそうだと思ってさ。菜々も、一緒にどうだ?」

 

「確かに、二人は微笑ましい……って!ナナは「カ・ワ・イ・イ」17歳のアイドルなんですよっ!?」

 

「ははっ、冗談だって。菜々は、微笑ましいアイドルだよな」

 

「もうっ!ぷんぷんですっ!あまりからかうと、アニメみたいにウサミンパンチをお見舞いしちゃいますよ!」

 

「何だ、アニメにそういうシーンがあるのか?」

 

「えぇ♪夕日の河川敷で、熱い男同士が拳で語り合い、最後は男の友情を語り合う……」

 

「……って言うのが、昔のアニメの定番だったそうなんです!ナナは17歳だから、わかりませんけどっ!!」

 

「ほぉ……流石は菜々だ。アニメに詳しいな」

 

「ふふん♪アニメは大好きですから♪でも……好きなんです……この、夕焼けの景色が……」

 

「……懐かしいなあ……小さい頃はよく……ここで……」

 

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……クスン……なにさ……みんなの、わからずやっ……

 

ないないって、ばかにして……あるもん……ウサミン星……ここに、あるもんっ……

 

そんで、なるも〜ん!!ナナっ、絶対に、ウサミン星のプリンセスになるも〜んっ!!

 

「……色々とあったなあ……ふふっ……♪」

 

「なるほど、つまりこの場所は、菜々の思い出の場所でもあるんだな。俺もすっかり、気に入っちゃったよ」

 

「気に入ってもらえてよかった♪でも、今は……ナナとプロデューサーさんの、二人っきり……ですよ……//」

 

「あぁ、そうだな。俺と菜々の、二人っきりだ」

 

「……あの……プロデューサーさん……少し、お話があるのですが……いいですか……?」

 

「ん……?どうした?」

 

「そのっ……えっと……すごく……伝えにくいのですが……」

 

「……ナナ……いえ、私……引退をしようと思うんです……」

 

「……は……?」

 

「実を言うとですね……少し前から、考え始めてたんです。そろそろ頃合いかな〜って」

 

「ちょっ……引退……?頃合い……?……ど、どうしたんだ、急に……」

 

「もちろん、アイドルは楽しいんです。長年の夢でしたから。でも……だからこそ「幸せすぎて」怖いんです」

 

「幸せが……怖い……?」

 

「はい。アイドルとしての幸せ、私としての幸せ。どっちが「本当の」幸せなのかなって、考えてたんです」

 

「それで、そろそろ、自分を見つめ直すいい時期なのかなって思い、ここに呼ばさせてもらいました」

 

「待ってくれ……急すぎて、頭が追いついていないんだが……何かあったなら、俺に言ってくれないか……?」

 

「……もう決めたことなんです……すみません。急に、勝手なことを言ってしまって……」

 

「……そうか……そうだよな……菜々には菜々の、人生があるわけだしな……」

 

「……うん、わかった。菜々が、悩みに悩んで決断したことだ。名残惜しいけど、受け入れることにするよ」

 

「ありがとうございますっ……♪では、今までお世話になりました……」

 

「あぁ、元気でな。これからも、俺は俺なりに、菜々を陰ながら応援させてもらうよ」

 

「嬉しいです……♪では、お別れの挨拶はこれくらいにして……そろそろ帰りましょうか……♪」

 

「そうだな。よし、事務所に帰ろうぜ」

 

「はいっ♪それじゃあ……「ウサミン星」に行きましょう♪……ナナとプロデューサーさんの、二人でっ♪」

 

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「……えっ?」

 

「……♪」

 

テッテレ〜!

 

「わあっ!?な、何だぁっ!?」

 

「うふふっ♪ドッキリ大成功ですっ♪あっ!センスが古いとか思っちゃ、ヤですからねっ!」

 

「……ドッキリ……?」

 

「んもう。ナナがアイドルを、やめるわけないじゃないですかぁ♪こんなに、楽しい世界に来れたんですから♪」

 

「そ・れ・にっ♪こうして、プロデューサーさんとも、縁があって出会えたわけですしねっ♪きゃはっ♪」

 

「……何だ……冗談だったのかよ……そういう冗談は、マジで笑えないからやめてくれって……」

 

「ふふっ……♪菜々のことを……心配してくれましたかっ……?//」

 

「あぁ。急にあんなこと言われて、驚かない人なんていないと思うぞ?ましてや、大切なアイドルからだとな」

 

「そうですか……♪えへへ……やっぱり、プロデューサーさんは優しいですねぇ……♪//」

 

「……でも……長かったなあ……何度も何度もつまずいて、悩んで、挫折をして……」

 

「だけど……必死に夢にしがみついて、藁にもすがる思いで、ずっと前を向き、歩いてきて……」

 

「……ここまで来れたのも……プロデューサーさんが、いつもナナのことを、優しく見守ってくれて……クスン」

 

「ん……?おい、菜々……?」

 

「グスッ……ヒグッ……」

 

「ちょっ……ど、どうしたんだよっ!?急に、泣くなって!」

 

「……す”……す”み”ま”せ”ん”……つい……感極まってしまってっ……」

 

「感極まったって……あぁ、もう……何だかよくわからないけど、少し落ち着こうぜ。なっ?」

 

「……は"い"……クスンッ……」

 

「全く……ドッキリって言い始めたかと思ったら、急に泣き出すし……忙しいヤツだな……」

 

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「……スンッ……」

 

「どうだ?落ち着いたか?」

 

「……えぇ……なんとか……」

 

「ふぅ……まさかこれも、ドッキリだとか言わないよな?」

 

「はい……この涙は……本物なんですっ……嬉しくて、つい……」

 

「そうか。まあ、とりあえずよかった。もうあんな冗談は、やめてくれよ?ほれ、ハンカチ」

 

「……ありがとうございますっ……」

 

「さてと……じゃあ、引退は嘘で、アイドルも続けてくれるってことで、いいんだな?」

 

「えぇ……そうですね……やっと、掴んだ夢ですから……それに……」

 

「……これからも、ずっと……プロデューサーさんとナナの、二人三脚で一緒に、歩んでいきたいので……//」

 

「そうだな。俺も菜々には、いつまでも輝いてもらいたいしな。これからも、よろしく頼むぞ」

 

「はいっ……♪と、ところで……一つ聞きたいことがあるんですけど……いいですか……?」

 

「何だ?」

 

「えっと……ナナは、小さい時から憧れていたプリンセスになれました。ですけど……」

 

「……ファンだけではなく……プロデューサーさんのプリンセスにも、なれましたか……?……なんて……♪」

 

「ははっ。俺の中で菜々は、いつもプリンセスだよ。それに、輝いてるのは、菜々の努力の成果だと思うぞ?」

 

「い、いえ……そんな……それに、そういう意味で言ったのではなくて……えっと……何と言うか……」

 

「?」

 

「……き、きゃはっ♪そうですよね♪ナナはウサミン星のプリンセスなんですから、皆さんに夢をお届けしなきゃですね♪」

 

「うん……?まあ、その調子で頼むぞ。よし、そろそろ日も沈んで来たし、改めて事務所に帰ろうぜ」

 

「そうですねっ♪では、帰りましょう♪手を繋いでっ♪」

 

キュッ♪

 

「うわっ……!菜々っ……!?」

 

「事務所に着くまで、絶対に離しませんからねっ♪だから、その……」

 

「……プロデューサーさんも……「ずっと」菜々の手を離さないって……約束を、してくれますか……?」

 

「えっ?……そ、そうだな……約束するよ……?」

 

「うふふっ♪約束ですよ……♪では、これからもよろしくお願いしますね♪「プリンスとプリンセス」としてっ♪」

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