「よし!レッスンは終わりだ!しっかり休むんだぞ!」
「ア〜……やっと終わった……」
「結構、ハードだったね……」
「はぁ……はぁ……きっつぅ〜……」
カチャッ
「みんな、レッスンお疲れ様。喉が渇いただろ?差し入れを持ってきたぞ」
「あっ、プロデューサー♪来てくれたんだ♪差し入れ、ありがとう♪」
「お疲れ様。いつもありがとうな。プロデューサー」
「ちょうど、喉が渇いてたんだ。ありがとう」
「気にするな。で?どうだ?レッスンの方は」
「うん、順調だよ。だいぶ息も合ってくるようになったし。ねっ、加蓮、奈緒」
「そうだね。きついけど、体が少しづつ慣れてきたって感じかな〜」
「あぁ。あと、もう一歩ってところだ。あたしたちを待ってくれてるファンのためにも、頑張らないとな」
「あれぇ〜?待ってるのって、ファンじゃなくてむしろ、奈緒の方なんじゃないの〜?」
「ん?どういうことだよ……?」
「レッスン中に、しょっちゅうドアの方を見てて、トレーナーさんに注意をされてたよね〜?」
「……もしかして……奈緒は、レッスンのことよりプロ……」
「あっ……ああ……あ〜!あ〜!ち、ちげえよ!た……たまたま、ドアが視界に入っただけだって!」
「たまたまにしては……ねぇ〜?」
「うるさいうるさい!と・に・か・く!あとは、ライブに向けてひたすら頑張るだけだ!」
「ふふっ♪奈緒は、かわいいんだから……ケホッ」
「ちょっ……大丈夫か!?加蓮!?」
「……ちょっと……ドリンクが、気管支に入っただけだよ。プロデューサーってば、心配しすぎだって」
「なら、いいんだが……万が一ってことも、あるんだからな?」
「あ〜、はいはい。この話題は終わり終わり。私は大丈夫だからさ」
「……まあ……何事も無かったなら、いいんだけど……でも、気をつけてくれよ?」
「わかってるって、それじゃあ凛、奈緒。着替えに行こうよ」
「あっ……うん……」
「あ、あぁ……そうだな……じゃあ、行ってくるよ……」
------------------------------------------------
「わぁ〜……美味しそう……♪」
「日頃、レッスンを頑張ってもらってるからな。そのお礼だよ」
「嬉しいんだけど……いいのか?」
「何が?」
「いや……本当にいいのかなって……何だか、悪いっていうか……」
「気にするなって。奈緒たちには、将来で返してもらうからさ」
「な、なななっ……!し、将来……!?//」
「あぁ。トライアドプリムスが将来、トップアイドルユニットになったら、返してもらおうって思ってさ」
「……あ……あぁ、そうか!そういうことか……//」
「一体、何だと思ったんだ?」
「な、何でもねえよ!とにかく、いただくよ!ありがとうな!プロデューサーっ!//」
「ふふっ、奈緒ってば……♪それにしても……う〜ん!このパフェ、おいし〜い!」
「本当……美味しいね……」
「よかった、気に入ってくれて、何よりだ」
「う、美味い!美味いよ!でも……高かったんじゃないか?」
「奈緒。さっき、気にするなって言っただろ?それに、他にもっと、気にするところがあるんじゃないか?」
フキッ
「なっ……!?あ、あわわわっ……//」
「「……」」
「全く……ほっぺにクリームをつけるだなんて、奈緒もまだまだ、子供だな〜」
「……わ、悪かったなっ……//」
「じゃあ、俺もそろそろいただこうかなっと……うん、結構いけるな」
------------------------------------------------
「……ねぇ、プロデューサー。このパフェ、美味しいね。つい夢中になっちゃうよ」
「うん、美味しいな……って、おい。凛も、ほっぺにクリームがついてるぞ。ほら」
「あ、ついてた……?……ありがとう……//」
「全く……お前たちはアイドルなんだぞ。それに、一人の女の子でもあるんだから……気をつけろよ?」
「……そうだね……気をつけるよ……♪ふふっ……♪//」
「……ねぇ〜。プロデューサーのパフェって、私のパフェとフレーバーが違うよね?」
「うん……?あぁ、そうだな。加蓮のがスイートポテト風味で、俺のがチョコ風味のフレーバーだな」
「……えいっ!」
パクッ♪
「「「!?」」」
「ちょっ……か、加蓮……!?」
「……う〜ん……プロデューサーのパフェも、美味しいねぇ〜……♪」
「か、かかか加蓮!は、はしたないぞ!?//」
「え?奈緒?何が、はしたないの?」
「な、何って……今……ぷ、プロデューサーの、スプーンに乗ってるのを、食べただろっ!//」
「……だって……美味しそうだったんだもん……許してよっ……ねっ?//」
「お前な〜……ふぅ、全く……食べたいなら食べたいって言ってくれよ……びっくりするだろ……」
「次から気をつけま〜すっ♪……えへへ、美味しかった……♪//」
「まあ、加蓮が前から行きたがってた店だし、気持ちはわからなくもないけどさ」
「えっ……加蓮が……?」
「あぁ。前、ロケの帰りに、加蓮と一緒に、ここの通りを通ったんだよな」
「そうだね。それで私がプロデューサーと、ここの店おしゃれだね〜、いいな〜、って話してたんだ」
「せっかくのサプライズなら、喜んでくれる場所がいいと思ったんだが……何か、安直すぎだったか?」
「ううん……覚えててくれただけでも……嬉しいよ……ありがとう……♪//」
「そうか、喜んでもらえてよかった。じゃあ、ほら、奈緒も凛も遠慮せずに、食べてくれ」
「えっ……あ、そ、そうだな……もらうよ……」
「うん……ありがとう、プロデューサー。私ももらうね」
「……うふふっ……♪」
------------------------------------------------
「ふぅ、美味しかったな」
「美味しかったぁ〜♪素敵なサプライズを、ありがとうねっ♪」
「すごいよかったよ。ありがとうな、プロデューサー」
「美味しかったよ、ありがとう」
「三人とも、喜んでくれてよかった。連れてきた甲斐があったよ」
「それにしても……すっごい、幻想的で綺麗だよね〜♪」
「あぁ。街路樹がこうして、イルミネーションで光ってくると、もう冬の季節が来たんだって、実感するよな」
「うん、すごい綺麗。まるでもう、クリスマスみたい」
「……ふふ〜ん……♪周りを見ると結構、男女のカップルが歩いてるよねぇ♪ね〜、奈緒♪」
「……っ!?な、何で急に、あたしに振るんだよ!//」
「だってぇ、奈緒もお年頃の女の子なんだしさ〜、ああやって、腕を組みたい人とかいるんじゃないのぉ?」
「な、なな……い、いねえよ!いいか!あたしたちは、アイドルなんだぞ!?」
「アイドルじゃなかったら……いるの?」
「り、り〜ん!話をややこしくするな!絶・対に、いねえから!」
「……まぁ……お年頃なのはわかるけど……程々にな……?」
「だ〜か〜ら〜ぁ!いねぇっつうの!プロデューサーも、あたしをそんな目で見るなっ!//」
「ふふっ……♪奈緒ってば、ムキになっちゃって……クチュン」
「おい、加蓮……大丈夫か……?」
「も〜、だから大丈夫だって。少し、くしゃみをしただけだよ〜」
「一応、カイロとかあるぞ?それとも温かいものでも飲むか?」
「う〜ん……それじゃあ……えいっ♪……人肌カイロをもらっちゃおうかな……なんちゃって……♪//」
「加蓮……!?な、何だよ、急にっ……!//」
「何って……ちょっと冷えるから……ねっ……?//」
------------------------------------------------
「ほ、ほら……こっちに、カイロがあるぞ?これを使えよ……なっ?」
「……ヤダ。だって……人肌カイロが、一番温かいもんっ……//」
「……そ、そうか……でも、俺の方はなぜか、顔が真っ赤になりそうなぐらい熱いんですけどねぇ……//」
「何さ、プロデューサーは、私にこういうことをされるのイヤなの?」
「イヤとか、そういう問題じゃなくてだな……」
「それに……私って昔から冷え性なんだよね……すぐに全身が冷えて……」
ヒュウゥゥ-…
「……うぅ……寒いっ……」
「……しょうがないな……ほら、俺でよければどーぞ。ただし、事務所までだからな」
「いいのぉ!?やったぁ〜♪プロデューサってば、やっさし〜♪じゃあ、凛や奈緒もこっちに来なよ♪」
「はぁっ!?あ、あたしは別にいいよっ……!//」
「……私も……少し、寒くなってきちゃったかな……」ギュッ
「ふふっ……♪いらっしゃい、凛♪」
「何だ……?凛も寒かったのか?」
「うん、少しね。ふふっ……プロデューサーって暖かいね……♪流石は、大人のお兄さんだよ……♪」
「……」チラッチラッ
「……奈緒も、どう?」
「なっ……!だ、だからっ!あたしはいいって〜の!ふんっ……!」
「もうっ……素直になればいいのに……しょうがないなあ、奈緒は……♪」
「……なあ……二人とも、寒いのはわかったけどさ……少し、近くないか……?」
「気のせいだよ。ねっ、加蓮♪」
「うんうん♪気のせい気のせい♪ほらっ、事務所に向かおうよ♪うりうり〜♪」
……ムニュッ♪
「ぐあっ……!//」
「ん……?どうしたの?顔が、真っ赤だよ?」
「な、何でもない!ほらっ!さっさと、事務所に帰るぞっ!//」
「……ふふっ……変なプロデューサー……♪」
------------------------------------------------
「おっ。相変わらず、レッスンを頑張ってるな」
「あっ、プロデューサー。また来てくれたんだ」
「お疲れ〜、プロデューサーっ♪」
「あぁ、お疲れ……って、加蓮。その腕、どうしたんだ?」
「腕……?あぁ、これね。少し、擦りむいちゃっただけだよ」
「おいおい……どれ、少し腕を貸してみろ」
「ふぇっ!?えっ……ど、どうしたの……急に……//」
「こら、絆創膏貼ってやるから、おとなしくしてろ」
「……い、いいって!ちょっと擦りむいただけだし、すぐ治るよっ!//」
「ダメだ。この傷から菌が入って、感染症になったらどうするんだ。だから、大人しくしてろ」
「も、もうっ……心配しすぎだよ……えへへ……♪//」
「……」
「ねぇ、プロデューサー……ちょっと……」
「……クチュンッ」
「加蓮!寒いのか!?ほら、温かいカフェオレを淹れてきてやるから、俺のコートを着て待ってろ!」
「だから大丈夫だって〜、プロデューサーは大袈裟なんだから〜」
「大袈裟でも何でもいいからほらっ!これを着とけ!」
「エェ〜。コートじゃ少し寒いから、もっと暖かくなるものが欲しいなあ〜」
「えっ……?」
「……例えば……「プロデューサー」カイロとかさぁ……温かそうだよね〜……?」チラッ
「なっ……!ば、ばかなことを言ってないで、これを着て待ってろ!……全く……!//」
「あんっ、プロデューサーのいぢわる〜」
「……」
------------------------------------------------
「ねぇ……プロデューサー……」
「おい、加蓮!また、そんなものばかり……!」
「私ぃ、このハンバーガーとポテト、好きなんだ〜♪プロデューサーも、少し食べる〜?」
「あのなぁ……最近、お昼はそればかりじゃないか……少しは、健康に気を使うとかだな……」
「ちょっとぐらい、いいじゃ〜ん♪それとも、プロデューサーが私に、ご飯を作ってくれるの……?」
「……しょうがないなあ……ほら、ちょっと来い。今日は俺が、栄養のあるものを食わせてやるよ」
「わ〜いっ♪やったぁ♪」
「……」
「ねぇ……プロ……」
「ダ〜メ!却下!!」
「エ〜!何でよぉ!別にいいじゃん!」
「お前なあ……わかってるのか……?」
「わかってるよ?だってぇ、私は現役の、キラキラしてるアイドルだも〜んっ♪」
「わ、わかってるなら何だ!その。露出が多すぎる服は!」
「セクシーでいいじゃん!何がダメなのさ!」
「ダメに決まってるだろ!加蓮はアイドルな以前に、女の子なんだぞ!?」
「むぅ……じゃあ、具体的にどこが悪いのか言ってよ!」
「具体的にって……その……む、胸が……あと、もう少しで……//」
「へ〜。プロデューサーってば、私のことをそんな目で見てたんだぁ〜……えっち……♪//」
「うるせえ!いいから、ダメだものはダメだ!そんな服で外を出歩くだなんて、絶対に許さないぞ!」
「……まぁ、いいけど。プロデューサーの前以外で、こんなに大胆な服を着るわけがないし」
「……ん?」
「それよりさ。これから私と、ショッピング付き合ってよ。いいでしょ?」
「はぁっ!?何で急に、そうなるんだよ!?」
「だって、この服で出歩くのは許さないんでしょ?それに、ちょうど新しい服が欲しかったところなんだよね」
「確かに言ったけどさ……」
「それならはい、決まり!今日は私のショッピングに一日中、付き合ってもらうからね♪」
「お、おいそんな引っ張るなって!わかった!わかったから!」
「……っ!」
------------------------------------------------
「うん、これも……あれも……あっ!あっちのも、オシャレでいいなあ〜♪」
「おいおい加蓮。はしゃぎたい気持ちもわかるけど、少し落ち着けって」
「エ〜。だってぇ〜……あ〜!あそこにも、新しい店が入ってる〜♪ねぇねぇ、早く行こうよっ♪」
「はいはい、お店は逃げないから、慌てなくても大丈夫だと思うぞ」
「ダ〜メ♪早くしないと足が生えて、お店が逃げちゃうよ♪」
「動く城かよ!全く……いくらアパレルショップが密集してるとはいえ、たっぷり時間はあるだろうに……」
「ううん♪まだまだたくさん、やることがあるから急がないとっ♪」
「服を買って……プリも撮って……美味しいものを食べて……そのあとも色々と……えへへ……♪//」
「……あの……加蓮さん……?俺たち、服を買うために「ショッピング」をしに来たんですよね……?」
「ん?何を言ってるの?私たち、デートしに来たんでしょ?」
「……は?……デート……?」
「そうだよ♪今のプロデューサーは、私の彼氏なのっ♪何か問題でもある?」
「いや、その……大ありだと思うんですけど……色々と……」
「何さ。元はと言えば、プロデューサーが悪いんじゃ〜ん」
「何でだよ!別に、俺は何もしてねえだろ!」
「へ〜、そういうことを言っちゃうんだ〜……じゃあ……」
ムニッ♪
「……っ!?」
「……さっきは、な〜んで……あの服で……外出させてくれなかったのカナ〜?」
「いや……だからそれは……ていうか、急にくっついてくるな!」
「あ、そうだった〜♪「コレ」のせいだったっけ〜♪……プロデューサーの、えっち……♪//」
「えっちって……あのなあ……俺はただ、加蓮のことが心配でだな……//」
「はいはい♪お気遣いど〜も♪私のことをそんなに意識しちゃって……かわいいんだからっ♪」
「し、知るかっ!ほら!服を買いに行くんだろっ!バカなことをしてないで、とっとと行くぞ!//」
「んもうしょうがないなあ〜。じゃあ次は、あのお店に行こっ♪」
------------------------------------------------
「ほら。揚げたてらしいから気をつけろ」
「うむ、ご苦労♪私これ、大好きなんだよねぇ〜♪」
「トルネードポテトって言うんだっけ?本当に加蓮は、ポテトが好きだよな」
「前に、凛と一緒に食べた時に気にいっちゃってね♪また、食べたかったんだ♪」
「楽しむのはいいけど、ジャンクフードは程々にしておけよ?栄養バランスは、しっかりと考えないとな」
「わかってるってぇ〜♪あむっ……ん〜♪ホクホクのサクサクで、美味し〜い♪」
「本当にわかってるのかよ……ま、いいか。それじゃあ俺も、食べてみるかな」
「あつつ……うん、結構いけるじゃないか。揚げたてだから、香ばしくて美味しいよ」
「でしょでしょ?これでプロデューサーも、ポテト仲間だね♪今度、凛や奈緒も誘って、また一緒に来ようよ♪」
「ははっ、そうだな。ところでどうだ?気に入った服は見つかったか?」
「うんっ♪おかげで、たくさんいい服が買えちゃった♪今日はありがとうね♪」
「よかったよかった。加蓮が満足してくれたなら、俺は嬉しいぞ」
「プリを撮って、プロデューサーと一緒にお店を周って、美味しいもの食べて、遊べて……大満足だよっ♪」
「……なあ……やっぱりさぁ、プリは無しにしないか……?」
「ん?何のこと?私、プリはどこにも貼ってないよ?」
「でも、スマホには保存しただろ?」
「うんっ♪今の時代は、スマホに保存できるからね〜♪だから、実質「無い」ようなもんじゃんっ♪」
「屁理屈を言いやがって……おい加蓮。お前は、アイドルなんだぞ?わかってるのか?」
「そうだよ♪私は立派なアイドルだもんっ♪それじゃあ、こうしようよ♪」
「このプリは、私たち二人だけの「大切な思い出」だよ♪ねっ?これなら全然、やましくないでしょ?」
「だ、だけどな〜……」
「うふふ……♪あの子が見たらきっと、羨ましがるだろうなあ〜♪」
「あの子……?何の話だ?」
------------------------------------------------
「ほら、私って、入院生活が長かったでしょ?アイドルになったのも、ほぼ、退院から間もなかったし」
「だからね……つい最近まで、こういう普通の女の子の遊びって、あまりしたことがなかったんだ」
「……っ」
「それで、ふと、入院してた頃の私が、今の私を見たらすごく羨ましがるだろうな〜って、思っちゃってさ♪」
「……」
「……わかったよ。このプリは、俺と加蓮の大事な思い出だ。大切にしろよ」
「やった〜♪プロデューサーってば、やっさし〜♪じゃあしっかりと、保存しておこっと♪」
「ただし、他のみんなには内緒だからな?……ふぅ……本当に、困ったアイドルだな……加蓮は……」
「えへへ……♪だから、これからも私を見守ってね♪プロデューサー♪」
「あぁ。それじゃあ、そろそろ暗くなってきたし、帰ろうぜ」
「うん、行こう行こう♪」
ギュッ♪
「ちょっ……!だから、さっきから距離が近すぎだって!//」
「エ〜。だって、今のプロデューサーは、私の彼氏だから問題ないじゃん♪」
「だ・か・ら!大ありだっつ〜の!全く……ついでに家まで送ってやるから、それまでだからなっ……//」
「ついで?これから何かあるの?」
「あぁ、ちょっとやり残したことがあるから、事務所に行くんだよ」
「ふ〜ん?大変だね。私も一緒に、手伝おうか?」
「それはありがたいけど、気持ちだけ受け取るよ。女の子に、夜道を歩かせるわけにはいかないからな」
「ざ〜んねん。でも、しょうがないか。事務所で二人っきりになったら、何をされるかわからないしね♪」
「おい!どういうことだよそれ!」
「さぁね〜♪あ、でも……プロデューサーのことだから、帰ってる途中に私のことを……いや〜ん♪こわ〜い♪」
「お前……!……あぁもう!とっとと、加蓮の家に向かうぞ!」
「はいはい♪頼りにしてるぞ♪お・お・か・みくんっ♪ふふっ……♪」
「くっ……バカにしやがって……!」
------------------------------------------------
カタカタ……
「……はぁ〜……終わった、終わった」
「資料も作り終えて、スケジュール調整も終わったし……そろそろ帰るか」
「……」
ほら、私って入院生活が長かったでしょ?アイドルになったのも、ほぼ、退院から間もなかったし
それで、ふと、入院してた頃の私が、今の私を見たら、すごく羨ましがるだろうな〜って思っちゃってさ♪
「……加蓮……」
コンコン
「ん?こんな時間に、ノック……?え〜っと、どちら様でしょうか……?」
「……入るよ」
「って……凛……!?どうしたんだ……?」
「ちょっと、用があって来たんだ」
「何だ?忘れ物とかか……って……ちょっ……!?り、凛っ!?」
「……ずるい……加蓮ばっかり……ずるいよっ……!」
「えっ……ずるいって……何がだ……?」
「最近、加蓮加蓮加蓮って……私のことを、全然構ってくれないじゃん……!」
「そんなことはないと思うぞ?ほら、この前、俺を含めて四人で食べに行っただろ?」
「うん、それはすごい嬉しかったよ。でも、あそこも加蓮が選んだ場所だよね?」
「絆創膏を貼ってもらえたり、料理を作ってもらえたり、ショッピングに一緒にいったり……他にもっ……!」
「……凛……とりあえず、そこに座って落ち着こうぜ。な?」
「っ……うん……わかった……」
「まぁ、確かに俺も、多少過保護すぎるかなって、思うときはあるんだぞ?」
「でも、万が一、加蓮に何かあったらって考えるとさ、やっぱり目が離せないんだ」
「そんなのわかってる……わかってるんだよ!でもっ……!」
「凛の言いたいこともわかる。色々と、相談したいことがあったんだよな?察してやれなくてごめんよ」
「……本当に反省してる?」
「あぁ、そのつもりだ」
「……じゃあさ……いいよね……」
「……凛?って、なっ……!?」
------------------------------------------------
「少し……こうさせて欲しいかな……」
「あ、あの……凛さん……?少し、近すぎじゃないですかね……?何も、そんな隣にこなくても……」
「……何さ。私をずっと、放置してたんだからこれくらい、いいじゃん」
「だけどさ……」
「あのね、私は加蓮のことはよく知ってるよ。過去にとらわれずに、今を生きようと頑張ってるのもね」
「それに答えようと、プロデューサーも一生懸命なのはわかってるんだよ?……でも……」
「……最近は、少し寂しかった……だから、本当に反省してるなら……私のことも…….もっと見てよ……//」
「……わかった、頑張ってみるよ。凛もまだまだ、目が離せないからな」
「本当……?……約束だからね……?」
「うん、約束だ。よし!トライアドプリムスがもっと輝けるように俺も頑張らないとな!……ところで、凛?」
「何?」
「夜も遅いし、そろそろ帰らないと、親御さんが心配すると思うんだけど……」
「大丈夫、一言言ってきたから。それにお母さんは、プロデューサーを信頼してるから安心だよ」
「でもですね……俺がそろそろ恥ずかしくなってきたっていうか……//」
「ヤダ、離さない。今まで私を、寂しがらせた罰だよ」
「……あぁ、もう……わかったよ……煮るなり焼くなり、好きにしてくれ……」
「……そうする……//」
「だけどな、凛。いくら親御さんの了承を得ても、女の子が夜遅くに、一人で歩くのはあまり関心しないぞ?」
「大丈夫だよ。だって……今はプロデューサーと二人きりだし、私を守ってくれるじゃん……♪//」
「あのなぁ……まあいいか。気が済んだら家まで送ってやるよ」
「うん……ありがとう……♪ふふっ……♪//」
------------------------------------------------
カチャッ
「よぉ、加蓮」
「あっ、プロデューサー♪お見舞いに来てくれたんだ♪」
「大丈夫か?ほら、色々と買ってきたぞ」
「野菜ジュースに、ヨーグルトに、お水……ありがとう♪嬉しいなぁ♪」
「全く……レッスン中に急に倒れるから、心臓が止まりそうになったぞ」
「……ごめん……急に、頭がフラついちゃって……」
「ま、元気ならいいけどさ。ライブまでまだ、時間があるからゆっくり療養しとけよ」
「うん……そうさせてもらうよ……ねぇ、プロデューサー……やっぱり、こういう運命なのかな……?」
「ん?運命……?」
「ほら、私って、生まれつきこういう体でしょ?だからまた、入院生活に逆戻りしちゃうのかなって……」
「加蓮……」
「凛や奈緒、プロデューサー。そして、事務所のみんなとたくさん……友達になれたのに……」
「また……一日中……ベットから、木を眺めるだけの生活に……戻っちゃうのかなぁ……クスン……」
「……」
ギュッ
「あっ……」
「……なあ、加蓮。お前は考えすぎなんだよ。確かに、加蓮の生い立ちと境遇は色々と聞いている」
「だけど、それはもう過去の話だろ?今の加蓮は輝いてるアイドル。それは、揺るぎない事実だ」
「……」
「それに、お医者さんに完治したから大丈夫だって言われたんだろ?なら、心配する必要ないじゃないか」
「……確かに……今の私は、テレビの向こうにいた、あの憧れていたアイドル…なんだよね……」
------------------------------------------------
「その通りだ。だからもう、変なことは考えるな。アイドルになった以上は、もっと輝きたいだろ?」
「……うん、輝きたい……」
「な?だから、今はただ前だけを見ろ。辛い時は、俺が支えてやるからさ」
「そうだね……後ろばかり見てても……何も、始まらないもんね……」
「よし、その意気だ。ほら、とりあえず、このハンカチで涙を拭きな」
「……ありがとう……ねぇ、私ね……プロデューサーと出会って正直……すごい後悔してるんだ……」
「えっ……後悔……?」
「だって……ここまでトントン拍子で、夢が叶っちゃったらさ……もう……後戻り出来ないじゃん……♪」
「……そうだな。今の加蓮は、輝くアイドルだ。もう、あの頃の加蓮じゃない」
「それにやらない後悔より、やる後悔だろ?これからも、一緒に頑張っていこうぜ」
「うん……これからもよろしくね……プロデューサー……//」
コンコン
「加蓮、いる……?」
「おっ、凛と奈緒も、お見舞いに来てくれたみたいだ。じゃあ、俺はそろそろ退散しようかな」
「えっ……もう帰っちゃうの……?」
「凛と奈緒は学校があったからな。夕暮れ時だし、ちょうど時間的に、入れ違いになると思ってたんだ」
「だから、野郎の俺はとっとと退散するよ。女の子同士で、喋りたいこともあるだろうしさ」
「……そうだね。お見舞いに来てくれて、ありがとう……♪」
「気にしないでくれ。じゃあ、元気でな。ライブを楽しみにしてるぞ」
「うん、頑張るよ。あっ……最後に、ちょっといいかな……?」
「ん?どうした?」
「……励ましてくれた……お礼だよっ……♪//」
チュッ♪
「なっ……!?ちょっ……か、加蓮……!?」
「うふふ……してみちゃった……♪……もしかして……「お口」の方が、よかった……?//」
「してみちゃったって……し、知るか!とりあえず、俺はもう帰るぞっ!じゃあなっ!//」
「また、今度ね♪もうっ、あんなに照れちゃって……プロデューサーはやっぱり、かわいいなあ♪」
「……でも……あんなに力強く、私を抱きしめてくれて……結構、ドキドキしちゃったな……えへへ……♪//」
------------------------------------------------
「加蓮、お邪魔するよ」
「うん、入って。凛も奈緒も、お見舞いに来てくれたんだね。嬉しいよ♪」
「当たり前だろ?あたしたちは友達なんだからさ。ところで加蓮、具合はどうだ?大丈夫か?」
「うん。だいぶ、よくなったかな。あともう少ししたら、レッスンに復帰出来そうだよ」
「よかった……ところでさっき、プロデューサーが顔を真っ赤にして、出て行ったけど……何かあったの?」
「えっ、そんなに顔を真っ赤にしてたの?さっきまで、普通だったのに……どうしちゃったんだろうね?」
「まっ、ほっとこうぜ。それより加蓮、本当に大丈夫なんだろうな?」
「だから、大丈夫だって〜♪奈緒は心配性だなぁ〜♪」
「全く……レッスン中に急に倒れるから、心臓が止まりそうになったぞ」
「……ぷっ……奈緒ってば、プロデューサーと全く同じことを言ってるっ……あははっ♪」
「ええっ!?ぷ、プロデューサーが……!?じゃなくて!本当に心配したんだからな!あの時はっ!//」
「あははっ、ごめんごめん♪これからは気をつけるよっ♪」
「全くっ……!//」
「ふ〜ん。塩対応の割にはしっかりと、プロデューサーのことがわかってるじゃん♪」
「う、うるさいっ!と・に・か・くほら!お見舞いの品だっ!//」
「ん……?これは……写真?」
「あぁ。トライアドプリムス結成時に撮った、あの時の記念写真だ」
「お見舞いついでに持って行けって、プロデューサーがね。丁寧に三人分、写真立てに入れてくれてるし」
「いつの間にか、出来てたんだ……大事に飾らせてもらうね♪ありがとう♪」
「本当……変なところで気を利かすんだからなぁ、プロデューサーは」
「ふふっ。それが、プロデューサーのいいところなのかもね」
「……」
「……ねぇ……二人ってさ……プロデューサーのことを……どう思ってるの?」
------------------------------------------------
「えっ……?」
「どっ、どうって……急に、何だよ……?」
「ほら、色々とあるじゃん。頼り甲斐がある〜とか、お兄ちゃんみたい〜とかさ」
「……ま、強いて言うなら、超お人好しかな。うんざりするぐらいに」
「確かに……お節介ではあるよな……色々と、鈍いところもあるけど……」
「なるほどね……そういう風に思ってるんだ」
「加蓮は、どうなの……?」
「私は……「好き」……かな」
「「!!」」
「あのね。スカウトされた時は、何もかもいい加減だったんだ。私」
「努力なんて柄じゃないと思ったし。無愛想で、やる気がなくて。正直、すぐに見捨てられると思ってた」
「でも……プロデューサーは、そんな私を見捨てずに、ここまで育ててくれた。それで、変化していったんだ」
「一緒に過ごしてるうちに「期待に応えたい」って思いが、いつしか「好き」って感情にね……」
「……ふふっ♪入院してる時の私に見られたら、きっと笑われちゃうかもね。超乙女〜♪って」
「加蓮……じゃあ言うよ……私も……好きだよ」
「正直、鈍くて鈍感で、誰にでもいい顔をしたり、お人好しすぎるところは、嫌い。大嫌い」
「……でも……いざという時は、凛々しかったり……優しく包み込んでくれる……そんなところが……好き」
「……そっか……奈緒は、どうなの……?」
「あ、あたしは……」
「……奈緒?」
「……」
------------------------------------------------
「……あーそうだよ!あたしも、プロデューサーのことが好きだよ!お節介なところも、バカ正直なところも、全部ひっくるめて大好きだよ!!」
「うふふっ♪そうなんだ……♪」
「なな、何だよっ!何か、文句あるのかぁ!?//」
「いや、やっぱりねって感じ」
「うんうん♪奈緒はわかりやすいからな〜♪前から、そんな気はしてたんだよね〜♪」
「ふ……ふんっ……!//」
「さてと……これで、みんなの気持ちがわかったね」
「そうだね……でも……今はまだ、アイドルに集中したいかな。もっと、アイドルとして高みを目指したいし」
「凛……うん、そうね。プロデューサーも、それを望んでるだろうしね」
「……そうだな。あたしたちは縁があって、こうしてユニットを組んでるんだもんな」
「それに……最終的に決めるのは、私たちじゃないしね。本当に困った人だよ……憎らしいぐらいに」
「だな。でも、誰にでも優しいし、誰にでもいい顔するからなぁ。どうなるんだか」
「……ねぇ……凛、奈緒……これからも……私と、仲良くしてくれる……?」
「もちろんだよ、加蓮。でも、同時に、私たちはライバルでもあるからね。譲れないところは、譲らないよ」
「……確かに……あたしたちは戦友でもあり、同時に、戦わなきゃいけない運命でもあるんだよな……」
「あははっ♪何さ、戦わなきゃいけない運命って。奈緒ってば、中二病っぽい〜♪」
「う、うるさいっ!同じアイドルなんだから、しょうがねえだろ!//」
「……だけど……あたしはあたしなりに、二人に応えていきたいんだ。時には、対立することがあっても……」
「それに、どんなことがあっても、あたしたちはトライアドプリムスだ。それは変わらないよ。絶対に」
「うふふ……♪これからもよろしくねっ♪凛、奈緒♪」
「うん。悔いのないように、三人で全力で頑張ろうよ」
「だな。じゃあ今は、目の前のライブに向けて頑張るか!記念すべき、デビューライブだしな!」
「そうだね……二人とも、今日はお見舞いに来てくれてありがとう♪」
「いいってことよ。いつでも待ってるからな」
「元気で戻ってきてね。加蓮」
「うん……必ず戻るよ♪私たちの初ライブ、成功させようよ♪……絶対にねっ♪」
------------------------------------------------
「三人とも、どうだ?調子の方は」
「うん、万全だよ」
「私も完璧♪バッチリ、決めちゃうんだから♪」
「……」
「……奈緒?どうしたんだ?」
「……ど……どうしよう……緊張しすぎて、足の震えが止まらないんだ……」
「まあ落ち着け。この会場に来てくれてるファンの人たちは、きっと暖かく迎えてくれるさ。ほら、見てみろ」
「……うわぁ〜……めっちゃ、人いるじゃん……」
「すごい人数だね……私たちのために、こんなに来てくれたんだ……」
「「トライアドプリムス」の初お披露目ライブだからな。みんな、楽しみにしてくれてるはずだ」
「人人人……あ、やばい……ますます、緊張してきちゃった……」
「それじゃあさ、奈緒。プロデューサーに、ギュッとしてもらえば?」
「ギュッ……?何だよ、それ?」
「プロデューサーに思いっきり、抱きしめてもらえばいいってことだよ。奈緒も、思いっきり抱きついてさ」
「「なっ……!そ、そんなこと、出来るかっ!!」」
「……あ、あははっ♪奈緒とプロデューサーってば、息ぴったりじゃんっ♪ウケる〜♪」
「ふふ……やっぱり、二人はお似合いだね。色々な意味で♪」
「全く……ライブ直前に、アイドルが何てことを言いやがるんだ……//」
「そ、そうだぞ!あたしたちはアイドルなんだぞっ!?しかも、これから歌いに行くんだからなぁ!?」
「はいはい、わかってますよぉ♪あ〜♪なんだか二人を見てたら、すっかり緊張がほぐれちゃった♪」
「そうだね、なんだか胸の内が、すっきりしたような気がするよ」
「くっそ〜っ…!こんな時まで、あたしをおもちゃにしやがってぇっ…!」
「さっ、夫婦漫才を楽しんだところで……はいっ♪プロデューサー♪」
「ん……?何だよ加蓮。急に、両手を広げて」
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「私を思いっきり、ギュッとしてよ♪ねっ……♪」
「おいおい……また、俺をからかう気だな?もう騙されないぞ」
「……今度は……本気だよ。私ね、本当はとても不安で、緊張してるの……だから、お願い……」
「えっ……加蓮?」
「……私も、して欲しい……何でかは……言わなくてもわかるよね?」
「何だよ……結局、二人とも緊張してるんじゃないかよ……まっ、あたしは元から緊張してたんだけどな……」
「……だ、だからさ……プロデューサーとして、やるべきことは、やってくれてもいいんじゃないか……?」
「……凛……奈緒……わかったよ……ほら、いくぞ」
ギュッ……
「「「あっ……//」」」
「頑張ってくれ……これはファンのみんな、そして、三人の大切な、デビューライブでもあるんだ」
「だから無事、成功させようぜ。俺の大切な、アイドルたち……」
「「「……//」」」
「……どうだ?落ち着いたか……?」
「ま、まあ、落ち着けたかな……!ちょっとだけなっ……!//」
「……何さ……今日は……男らしいじゃん……//」
「今日は余計だ。それじゃあ、そろそろ開演の時間だ。行ってこい」
「……ねえ、プロデューサー。私たちを、ここまで連れて来てくれてありがとう♪これからも、よろしくね♪」
「うん、よろしく。今の加蓮はもう、立派な輝いてるアイドルだ」
「ふふっ……♪私をアイドルにした以上は「最後まで」責任を……取ってもらうからねっ……♪//」
「わかってるさ。責任を取って無事、シンデレラのお城にまでお連れしますよ。お姫様」
「……約束したからね♪それじゃあ、奈緒、凛、行こうか♪」
「あぁ。もちろん三人で手を繋いでな」
「私たちなら、これからどんなことがあっても、乗り越えていけるよね」
「当たり前じゃない♪だって「最高の三和音」なんだしねっ♪」
「だから……もっと輝くために……じゃなくて……響かせていこうよ。私たちの「トライアドプリムス」を」
「うん。あるのは、目の前のただ一本の道。それだけだもんね」
「だな。あたし達は、ただひたすら、前を向いて進むだけだ。それじゃあ行くぞ!」
「「「せーの!!」」」
「「「輝きの向こう側に!!」」」