「ありがとうございました。では、またよろしくお願いします」
カチャッ
「……ふぅ……何とか、終わったな……」
「にゃはは♪終わった終わった〜♪」
「おい……その前に、何か言うことが……あるんじゃないか……?」
「えっ……?……ん〜と……あっ♪そうだっ♪」
「……ずっと握っててくれた、キミの手……すごく……大きくて、温かかったよ♪やだ……恥ずかしい……//」
「そうか、それはよかった」
「えへへ……♪……ふにゃあっ!?」
「で……?収録直前まで、そこら辺をほっつき歩いてた悪い猫は、どこのどいつだっけなあ……?」
「た、ただ、お散歩をしてただけよっ!別に、メンドくさくなったから、失踪しようだなんて……あっ……」
「……し〜き〜?」
「冗談だよっ!でも、ほら!ちゃんと、お仕事はしたでしょっ!?一回も、リテイクを出さなかったしっ♪」
「それは……確かに、そうだったな……何の滞りもなく、順調に収録が、進んでたっけ……」
「でしょでしょ〜?志希ちゃんは、やればちゃんと出来る子なんです♪だからほらっ♪褒めてよ〜♪」
「あぁ……ありがと……って!それとこれとは別だ!いつも失踪するお前を、探す俺の身にもなってみろっ!」
「それだけ、キミを信用してるってことだよ♪……だって、すぐに……あたしを見つけ出してくれるもんっ♪」
「「見つけ出さざるを得ない」ってことを、忘れるなっつ〜の……ったく……うわっ!?」
「ニ〜ハオ♪ズゥドラ〜ストヴィチェ♪グ〜テンタ〜ク♪」
------------------------------------------------
「グッドアフタヌ〜ン♪Bonjour♪こんにちは♪プロデューサ〜♪さあ〜♪この謎の手の正体は、誰でしょうか〜♪」
「ちょっ……わ、わからねえよ!一体、誰なんだよっ!」
「……しょうがないなあ〜……は〜い♪キュートなパリジェンヌの、宮本フレデリカちゃんだよぅ〜♪」
「あっ……何だ……フレデリカだったのか……」
「もうっ。プロデューサーってば、酷いなあ〜。ボンジュールの発音で、わかってくれると思ったのに〜……」
「確かに、ボンジュールだけネイティブで……って!あんなに、マシンガンみたいに言われたら、わかるか!」
「むぅ〜……ま、いいか♪フレちゃんは心が広いから、許してあげるっ♪シキちゃんもこんちゃ〜♪」
「こんちゃ♪フレちゃんはここで、何をしてたの〜?」
「えっとね〜。ちょうど、上の階でお仕事をしてたの♪それで、終わって降りたら、二人がいたってわけ♪」
「あぁ……そういえば、フレデリカにはファッション誌の撮影に、行ってもらってたんだっけ……」
「えっ……まさか、忘れてたの……?……ひどいよっ……クスン……」
「ちょっ……ふ、フレデリカ!?何で、急に泣いてるんだよっ!?」
「……ア〜ア〜。プロデューサーってば、女の子を泣かせたぁ〜。い〜けないんだ、いけないんだ〜」
「おま……誰のせいだと思って……!……と、とにかく!一旦、泣き止んでくれ!頼むよ!なっ……!?」
「スンッ……じゃあ……アタシのことを……たくさん、褒めてくれる……?」
「あ、あぁ!いつも仕事を頑張ってくれてありがとうなフレデリカ!フレデリカは俺の自慢のアイドルだっ!」
「……「お嫁さん」に、したいぐらいに……?」
「えっ……そ、そうだな!フレデリカがお嫁さんになったら、毎日が幸せだろうしなっ!あはは……」
「……そっか……め〜るしぃ〜♪じゃあ、みんなで、カフェに行こうよぉ♪どうだった?アタシのエ・ン・ギ♪」
「は?演技……?……ハァ〜……何だよ……びっくりさせないでくれよ……」
「ふふっ…♪でも、そっかぁ……お嫁さんにしたいぐらいの、自慢のアイドル……えへへっ……♪」
「むぅ〜……もうっ!プロデューサー!フレちゃんだけズルイ!あたしも、もっと褒めてよ〜!」ギュッ
「わぁお♪二人とも、仲良しさんだねぇ♪……えいっ♪アタシも、プロデューサーを確保ぉ〜♪」
「くっ……ふ、二人して、何だよ!周りに、変な目で見られるから、くっついてくるな!!//」
「えぇ〜?だってぇ、あたしたちは「クレイジークレイジー」だし、問題ないも〜ん♪ね〜♪シキちゃ〜ん♪」
「フレちゃん上手〜♪そうだねぇ♪だから、変な子って思われても、けっこ〜、こけこっこ〜だも〜ん♪」
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「「「いただきま〜す!」」」
「あむ……にゃは〜♪美味しい〜♪」
「確かに、ハムの塩味と卵サラダが効いてて、結構美味しいな。よく来るのか?」
「うんっ♪アタシの、お気に入りのお店なんだ♪お仕事が終わった時とかに、よく来てるんだよ〜♪」
「なるほどな。これだけ美味しかったら、俺も、ここの店のファンになってしまいそうだ」
「……でも……プロデューサーは「さっきの」サンドイッチの方も、お気に入りなんじゃないの〜?」
「そうだねぇ♪バンズが、アタシと志希ちゃんでぇ、具材がプロデューサーの……」
「「「シキフレサンド」をねっ♪」」
「シキフレ……んぷっ……!」
「あんっ、プロデューサーってば、お行儀悪い〜」
「わ、悪い……だけど……何が、シキフレサンドだよ……変なことをしやがって……//」
「やんっ♪そんなに、お顔を真っ赤にしちゃってぇ〜♪やっぱり、お気に入りになっちゃったのかなぁ〜?」
「しょうがないよ〜♪だって、プロデューサーは「女の子」が、だ〜い好きだもんねぇ〜♪」
「誤解を生むような、言い方をするな!……二人とも、アイドルなんだし……色々と、気をつけてくれよ?」
「じゃあ……そんな「クレイジーな」あたしたちを……しっかりと、見守ってねっ……♪」
「うんうん♪プロデューサーは、大人のお兄さんだもん♪だから……頼りにしてるぞ〜っ♪」
「ふぅ……頼りにされてるんだか、バカにされてるんだか……」
「……あっ……そうだ!ところでさ♪明日、二人とも暇〜?ちょっと、試してもらいたい試薬があるんだっ♪」
「また変なものを……勘弁してくれ。それに、明日はフレデリカと用事があるんだ」
「えっ……フレちゃんと……?」
「ごめんねぇ、シキちゃん。明日は、プロデューサーとお仕事について、色々と打ち合わせがあるんだ〜」
「……ふ〜ん……そうなんだ〜。でも、フレちゃん。気をつけてね〜?プロデューサーは「オオカミ」だし♪」
「えぇっ……!?もしかして、アタシと打ち合わせって、そういう……や〜んっ♪こっわ〜い♪」
「お前ら……!……ったく……ほら、バカなことを言ってないで、さっさとサンドイッチを食べるぞ!」
「「ふふっ……は〜い♪」」
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「それじゃあ、待ったね〜♪お〜ゔぉあ〜♪」
「あぁ。今日はお疲れ様。ゆっくりと、休んでくれ」
「シ〜ユ〜♪フレちゃ〜ん♪また今度ね〜♪」
「……さて……今日も、一日無事に終わったな。まさか、仕事先でフレデリカに会えるとは」
「うんっ♪ラッキーだったよね♪でもぉ……あたしはちょ〜っと、感心しなかったかな〜」
「は……?感心って……何の話だ……?」
「……女の子を悲しませちゃだめだと……志希ちゃんは、思うにゃ〜……♪」
「……そうだな。すっかり、騙されてたわけだし。俺は悲しいぞ〜」
「あれぇ〜!?プロデューサーって、女の子だったんだぁ♪どおりで、中性的なイケメ……ふ”に”ゃ”っ”……!」
「どこかの落ち着きがなくて、やかましい猫のことで俺は、頭がいっぱいいっぱいだったんだけどな〜?」
「……あんっ……そんなあ……いっぱいいっぱいだなんて……志希ちゃん、照れちゃう……♪//」
「ふぅ……本当……俺はいつまで、このやかましい猫娘に、振り回されなきゃいけないんだろう……」
「にゃはは♪やっぱり、キミって飽きないなあ〜♪一緒にいて、ちょ〜楽しいもんっ♪」
「……はいはい。俺に飽きてもいいけど、アイドルに飽きないでくれりゃ、それでいいよ」
「ふふ……さぁ〜、どうだろうねぇ〜♪それよりさ、明日はフレちゃんと、どういう打ち合わせをするの〜?」
「いや、実を言うと、打ち合わせって言っても、フレデリカから提案してきてな。俺も、よく知らないんだよ」
「ま、前々から、お互いに都合が合う明日に決めてたんだけどさ。仕事のことも、色々と話したかったしな」
「そっか……なるほどねぇ〜……じゃあさ!今から、あたしとお茶をしに行こう〜♪ハイけって〜い♪」
「は?お茶……?急に、どうしたんだよ……?」
「ん〜……何となく、キミと二人っきりで、お茶をしたくなったの♪ねぇ〜、いいでしょ〜?」
「まあ……まだ時間もあるし、俺は別に、構わないけど……でもさっき、三人でお茶をしたばかりじゃないか」
「細かいことは、気にしない♪気にしない♪……でも……本当に、仕事のことなんだよね……?」
「それしかないだろ。ったく……お前も、もう少しフレデリカみたいに、仕事に真剣に向き合うとかだな……」
「はいはい♪それじゃあ、今日は最後まで、あたしに付き合ってもらうのだ〜♪……信じてるからね……♪」
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チュンチュン……
「ふぅ……着いた……」
「フレデリカは……まだ、来てないみたいだな。俺が一番乗りってわけか」
「それにしても……昨日、あれだけ打ち合わせがあるって言ったのに、全然、返してくれなかったし……」
「本当に、マイペースで自分本位なヤツだな……志希は……結果的に、間に合ったからいいけどさ」
「それにしても……この公園で、待ち合わせだとしか書いてなかったし……一体、どういうつもりなんだ……」
「……ま、いいか。フレデリカも、マイペースなのはいつものことだし。考えてもしょうがないな」
「さてと、スマホでも見て、時間を潰して……」
「……あの〜、すいません。ちょっといいですか?」
「ん……?あ、はい。何でしょう?」
「あなたと私、どこかで出会ったことがない?」
「えっ、君と……?いや〜、多分……人間違えだと思うんだけど……」
(随分と、綺麗な女の子だな……何だか全体的に、透明感があって……この近くの子なのかな……?)
「そう?それじゃあ、一緒に思い出してみようよ。頭に両手を当てて、こんな感じで」
「えっと……こ、こうかい……?」
「いいね、グー」
「じゃあ、やってみよう。目を閉じて、瞑想をするように、心を集中させて……」
「「……」」
「……どう?思い出せた……?」
「……う〜ん……ちょっと今は、思い出せそうにないかも……ごめんね。気を悪くしないで欲しいな」
------------------------------------------------
「そっか。それじゃあ、仕方がないね。ごめんなさい。変なことを聞いて」
「……あ〜っ!こ、こんなところにっ!」
「ん……?あっ、ふふっ。どうやら、お迎えが来たみたい」
「も、もうっ!何をしてるのっ!?早くしないと、時間に間に合わなくなっちゃうよっ!」
「……なんか……君のことを、探してたみたいだよ……?」
「そうみたいだね。それじゃあ、私は行くよ。でも……」
「……あなたを初めてみた時にさ、すごく……既視感を感じたんだけどな」
「えっ……既視感……?」
「こっちの話。もしかしたら、またどこかで出会えるかもしれないね。じゃ」
「あ、あぁ……またね……何だったんだ、あの子……随分と、不思議な子だったな……」
「なんか、既視感とか言ってたよな……?もしかしたら、あの子と俺って、過去に……うわっ!?」
「……さぁ〜♪誰か、当ててみたまえ♪もちろん「最愛」の女の子だからぁ、わかるよね〜♪」
「最愛って……ふ、フレデリカか……?」
「あったりぃ♪やっほ〜♪正真正銘、濃度100%のフレデリカちゃんだよ〜♪ジュースじゃないけどね〜♪」
「全く……また目隠しかよ……相変わらずだな、お前は……」
「めんご♪めんご♪それより、さっき、プロデューサーとお話ししてた女の子って、誰だったのかなっ♪」
「さっき……?あぁ、何だよ。見てたのか」
「何だか、すごい仲良さそうにしてたから、お知り合いだったのかなって、思ってさ♪」
「いや……フレデリカを待ってたら急に、声をかけられたんだよ。一応、初対面のつもりなんだが……」
「ふ〜ん……んも〜♪いくら、女の子がかわいかったからって、こんなところで、ナンパはダメだぞ〜♪」ギュッ
「はあっ!?ナンパなんかしてねえよ!むしろ、あの子から……ていうか!何、くっついてきてるんだよ!//」
「全くぅ、プロデューサーは目を離すと、す〜ぐこれなんだからぁ♪フレちゃん、困っちゃう♪」
「いいから離れろっ!恥ずかしいからっ!!//」
「イ〜ヤ〜♪それじゃあ、アタシとプロデューサーの、ラブラブでワクワクなデートにぃ……れっつらご〜♪」
「デート……?……って、そんなに引っ張るなって!わかった!わかったからっ!!」
------------------------------------------------
「ねぇ〜、プロデューサー♪これどう〜?」
「あぁ、似合ってるぞ」
「じゃあ、こっちはどう〜?」
「うん、それも似合ってるぞ」
「んもう〜、プロデューサー?さっきから、同じ返事ばかりぃ〜。本当に見てくれてるの〜?」
「も、もちろんさ……フレデリカは元がいいから、何でも似合うしな……あ、あはは……」
「……ふ〜ん。じゃあ、今度はアタシが、服を選んであげるっ♪例えば……これなんかどう?」
「おぉ、流石はフレデリカだな。これなら、俺にも……って!これ、女性服だろ!俺にそんな趣味はねえよ!」
「へぇ〜、そうだったんだぁ。だって、プロデューサーも「何でも似合っちゃう」から、つい〜」
「お前の中で、俺は一体……どういうイメージなんだよ……」
「じゃあ、一つ聞きたいんだけどさぁ〜。プロデューサーにとって、あたしは何なの〜?」
「は?何って……そりゃ、アイドルだろ?」
「でしょ?アタシは「プロデューサー」のアイドルなの。だからもっと、アタシに興味を持って欲しいなぁ」
「いや……別に、興味を持ってないとかじゃなくて……俺には少し、ハードルが高いと思ってな……」
「ハードル……?」
「あぁ。フレデリカだって、センスがない俺より、アイドルたちが選んでくれた方が、嬉しいだろ?」
「確かに、他の子とのショッピングは楽しいよ?でも、あくまで「エンジョイ」な意味なんだっ♪」
「それに「何でも」ってことは、別にアタシじゃなくても、似合うってことだよね?」
「だから、本当に興味を持ってくれてるなら、真剣にプロデューサーが、アタシの服を選んでくれるよね〜♪」
------------------------------------------------
「うぐっ……そ、それは……!」
「……♪」ニコッ
「……そうだな……確かに、フレデリカの言う通りだ。自慢のアイドルに、何でも似合うはないよな……悪い」
「えぇ、私もそう思います♪彼氏さんってば、彼女さんのことをよく見てらっしゃるんですね〜♪」
「えっ……?いや、その……別に、俺たちはカップルではなくて……プロ……」
「……はぁ〜い♪アタシたち、カップルで買い物に来たんですっ♪」
「ちょっ……!?」
「やっぱり!服を選んでる彼氏さんの、彼女さんに対しての熱い想いが、ひしひしと伝わってきましたもの♪」
「や〜ん♪そんなぁ〜♪恥ずかしいですぅ〜♪」チラッ
「……えっと……そのっ……//」
「アタシって結構、悩んじゃうタイプなんですけど、ちゃんと最後まで、付き合ってくれるんですよぉ〜♪」
「……むしろ……アタシのために、一緒に真剣に悩んで、選んでくれたりするんです……えへへ……♪」
「わぁ〜♪素敵な彼氏さんですね♪では、何かご用がありましたら、遠慮なくお声がけくださいね〜♪」
「……//」
「……ふうっ……演技しゅうりょ〜う♪お〜い、プロデューサー?大丈夫〜?」
「……くっ……何が、演技だよ……唐突すぎて、顔から火が出るほど、恥ずかしかったんだからな……//」
「んもう、ダメだぞ〜?店員さんにわざわざ、アタシたちの関係を、説明しようとするなんてぇ〜」
「いや……カップルって、お前……意味をわかってるのか?」
「えぇ〜?「プロデューサーとアイドル」で買い物をしてた方が、よっぽど、誤解を生むんじゃないかな〜?」
「そ、それは……確かに……一理あるな……」
「……それとも……いっそのことさぁ……こんな感じになっちゃう……?」
------------------------------------------------
「こんな感じ……って……ウェディングドレス!?」
「ヨメデリカちゃんの誕生〜♪ってね〜♪もちろん、相手はぁ……身近な人だけどね〜♪」チラッ
「また、お前は……いいか!フレデリカは人気アイドルなんだぞ!?そんなことは、まだ早すぎるぞっ!」
「や〜ん♪プロデューサーってば、パパみたいなことを言うんだからぁ♪でも……アタシも、女の子だしぃ……」
「……真面目な顔で「結婚しよ」って言われたら……真面目に、お返事してあげるよ……?//」
「くそっ……また、からかいやがって……!と・に・か・く!お前には、そういうことはまだ早い!」
「ぶぅ〜……「ママデリカ」はまだ、早かったかぁ。じゃあ、今はカップルでいいや♪ねぇ〜、ダ〜リン♪」
「うわっ……!だ、だから今、話したことを聞いてたのか!?」
「ふふ〜ん♪だって、アタシは今を輝く、パリジェンヌのJDだよ〜?たくさん、青春を謳歌しなくちゃ♪」
「だから一緒に、いっぱい、楽しい思い出を作ろうよ♪人生って、楽しいことが多い方がいいでしょ?」
「いや……まあ、そりゃ確かに、そうだけど……でも……それとこれとはまた、違う気がするんだが……」
「ノンノン♪アイドル界の「自由の女神」である、このフレちゃんが言うんだから、間違いないもんっ♪」
「そ・れ・にっ♪変な距離感を作るより、カップルな方が、不自然じゃないと思うけどなあ〜♪」
「……わかったよ。衣装選びも、立派な打ち合わせだしな。お手柔らかに頼むぞ」
「わかればよろしい♪今日は、一日中アタシに、付き合ってもらうんだからね〜♪それじゃあ、れっつらご〜♪」
「ちょっ……だ、だから、そんなに引っ張るなって!そんなに焦らなくても、時間はたっぷりあるから!」
キャッキャッ♪
「……」
「ん……?あれは……プロデューサーとフレちゃん……?何で、ここに……」
「……にゃはは♪あっ、そっかぁ……なるほどね〜♪」
------------------------------------------------
カタカタ……
「今日の予定はこうで……ここの予定は、こうして……ふぅ……作業、終わりっと……」
「さて……一休憩するか。ジュースジュース……んぐ……ん?」
ザァ~……
「うわっ、雨が降ってきたな……」
「う〜ん。そうだねぇ〜」
「予報では、曇りって言ってたんだけど……強くならないといいが……」
「ん〜。強くならないといいねぇ〜」
「……ところで……志希、どうしたんだ?」
「どうしたって、何が〜?」
「今日はオフだろ?どうして、事務所にいるんだよ」
「どうって……ま〜、暇だからかにゃ〜。家よりここの方が、何となく落ち着くし〜」
「……お前なあ……前にも言っただろ?事務所は、憩いの場じゃないんだからな?」
「ま〜、細かいことは言わない言わない♪少しくらい、い〜じゃ〜ん〜♪」
「それにぃ、ね〜こは事務所で丸くなる〜って、言うもんね〜」
「ふぅ……とんだ猫が、住み着いちゃったな……でも、こういう時こそ、やることがあるんじゃないか?」
「やることって……?」
「志希の大好きな、実験だよ。仕事がない時にこそ、思う存分、好きなだけ家で……ぐっ……!?」
「確かに……そうだねぇ……♪で?どう……?飲み物……美味しかった〜?」
------------------------------------------------
「か、体がっ……!志希……お前……何をしたっ……!」
「にゃはは♪飲み物に少し、お薬を混ぜちゃった♪さて、志希ちゃんの、マジカルショーの始まり始まり〜♪」
「薬……だと……くそっ……いつの間にっ……!か、体が痺れて……動かねえっ……!」
「ねぇ……このままさぁ……あたしと「イイこと」を……しようよ……♪」
「……い、いいことって……なんだよっ……!」
「わかってるクセに……♪……もし、イヤだって言うなら……この写真をみんなに……バラしちゃおっかな〜♪」
「……っ……!?な、何で、それを……!?」
「あたしを差し置いて、二人っきりでデートだなんて……いいなあ〜♪ずるいなあ〜♪」
「いや……あれはあくまで、打ち合わせであって……デートとか、そんなんじゃ……」
「ふ〜ん……まだシラを切るんだ〜。しょうがないなあ〜♪……じゃあ……」
……タプンッ♪
「……キミには、少し……「正直」になってもらおうか……♪」
「ちょっ……な、何だよ、急に……それに、その……あ、当たってるし……近いって……!//」
「この、あたしの特製のお薬はぁ……「気持ちよ〜く」なっちゃう成分も、配合したの♪」
「だから、抵抗しちゃイヤだよ?あ、そっか♪痺れちゃってるからどのみち、動けないんだったね♪にゃはは♪」
「……お、お前は……アイドル……なんだぞっ……」
「ねぇ……このまま、あたしと気持ちよく……「トリップ」しよ……?もう、戻れなくなるぐらいに……♪」
「や、やめ……!//」
カチャッ
------------------------------------------------
「……」
「えっ……ふ、フレデリカ……!?」
「……やっほ〜♪フレちゃん……♪」
「……これは……どういうことなのかな……?」
「これから、あたしたち……「愛し合おう」としてたんだ♪……プロデューサーとねっ……♪」
「ちょっ……ま、待て!志希が勝手に俺に……むぐっ……!」
「んもう、恥ずかしがっちゃってぇ……「友達ごっこ」はもう……終わりだよ……♪//」
「……っ!」ダッ
「むぐ……ぷあっ……ふ、フレデリカ!だから、これは誤解なんだって!!」
「あんっ、誤解かどうかは、キミの体にぃ……直接、聞いてみよ……♪……まずは、キミのお口をいただ……」
「くそっ……離れろっ!!……フレデリカ!待ってくれ!!」
「きゃっ……あっ……行っちゃった……あ〜あ、せっかくのチャンスだったのに〜……」
「……やっぱり……少量じゃ、だめか〜。プラシーボ効果で、イケると思ったんだけどなあ〜」
「まあ……「シゲキ」的な成分は効果てきめんだったし、いいか♪あんなに、顔を真っ赤にしてたしっ♪」
「だけど、惜しかったな〜。あともう少しで、プロデューサーと、クレイジーで濃密な……」
「……あっ……いっけな〜い♪志希ちゃんはお年頃の女の子で、アイドルだったもんね〜♪って、何を今更〜♪」
「本当……どうしちゃったんだろうね。他人に興味がなかったのに、ここまで「独占」したくなるなんて……」
「でも……まあそれは、フレちゃんも同じか。普段から、キミを見る目に「艶」があったしね」
「……にゃはは♪もう、戻れないなあ♪……清浄な世界に……♪」
------------------------------------------------
「お〜い!フレデリカ〜!どこにいるんだ〜!!」
「ったく……傘もささずに、どこに行っちまったんだよ……あいつは……!」
「このままだと、風邪をひいて……って……そういえば、俺も傘をさしてきてなかったな……」
「それにしても……アイツ……何で、急にあんなのことを……普段から、変な薬の実験台にしてくるけど……」
「あそこまで、変なのは初めてだったし、何だか、志希がいつもより女らしく見えてきて……艶かしくて……」
「……って!ダメだダメだっ!……とりあえず、まずはフレデリカを見つけないと……//」
「ほらっ。傘をささないと風邪、ひいちゃうよ」
「えっ……?あっ……き、君は……」
「ふふっ、また会ったね。こんにちは」
「あ、あぁ……こんにちは……でも、何で君がここに…?」
「ん〜……どうしてだっけ。あ、もしかして、運命の出会いってやつかも。うん、そうに違いない」
「う、運命の出会い……?」
「何だかそっちの方が、ロマンティックでいいじゃん。それよりこれ、よかったら使ってよ」
「……いいのかい……?俺たちまだ、会って間もないのに……」
「いいよ。それに、傘もささないで、雨の中を走り回ってるのって……女の子のためでしょ……?」
「……っ……それは……」
「ふふっ、やっぱり。あなたって、顔に出ちゃうタイプでしょ。それに、とても心配性で、優しくて……」
「……本当……「あの人」そっくり」
「えっ、あの人……?」
「ううん、こっちの話。じゃあ、早く行ってあげて。傘はまた、今度会った時に返してくれればいいから」
「……悪いな……じゃあ、借りさせてもらうよ!ありがとう!絶対に、返しに行くからね!」
「頑張ってね。じゃあ、私も……あ……やべ……これから、小糸ちゃんの家に、傘を返しに行くんだった……」
「……ま、いいか。私の傘は貸しちゃったけど、小糸ちゃんの傘はここにあるし……少し、借りちゃおっと」
------------------------------------------------
「……フレデリカ!」
「ふふ……やっほ〜。プロデューサー」
「やっほ〜って、お前……心配したんだぞ!?」
「あはは♪心配して、来てくれたんだ♪でも……アタシがここにいるっていうのが……よくわかったね……?」
「……フレデリカのことを考えたら……何となく、この公園にいると思ったんだ……」
「ふふっ……そうなんだ……♪何だか、超ロマンティックだね♪まるで、おとぎ話みたいっ……♪」
「とりあえず……俺と一緒に来いよ。こんな所にいると、風邪を引いちゃうぞ……?」
「……ううん、気にしないで。アタシは、このままでいたいの」
「このままって……傘もささずにいるから……ずぶ濡れじゃないか……」
「いいの。この雨がね、アタシの気持ちを洗い流してくれるんだ。色々な気持ちもね……」
「それにしても……ごめんね?アタシ、とてもお邪魔虫だったよね。志希ちゃんに、悪いことしちゃったなあ」
「志希……って!だから!あれは、誤解なんだって!」
「ううん、誤解じゃないよ。志希ちゃんの気持ちは「本当」だよ。もちろん、アタシも……」
「……いつからかな?こんなにも、胸が苦しくなってきちゃったのは……みんな、お友達なはずなのに……」
「その他にも、考えれば考えるほど……ってあれ……?何で……こんなに、目が熱いんだろ……」
「……おかしい……おかしいよ……何で……アタシってば、こんなに……クスン……」
「……っ!フレデリカ!!」ギュッ
「あっ……イヤ……!……離してっ……!」
「バカ!フレデリカは、俺の大切なアイドルなんだ!こんな状態のお前を、放っておけるか!」
「……っ……そんなにギュッとすると……プロデューサーの服も、濡れちゃうよ……?」
「構うものか。お前を連れて帰るまで、俺は一歩も、この公園から出ないからな」
「……本当に、優しいね……プロデューサーは……アタシ……おかしくなっちゃいそうだよ……」
「それじゃあ。おかしくなるまえに、連れて帰らないとな。ほら。まずは、温まる場所に行こうぜ」
「……うん……ありがとう……//」
------------------------------------------------
チャプン……
「ふぅ……いい湯だ……」
「体の芯から、温まって……心も体もぽかぽかで、気持ちいいぜ……」
「……それにしても……近くに、いいホテルがあって……よかったな……」
「あのままだと、お互いに風邪を引いてしまいそうだったし……グッドタイミングだ……」
「プロデューサー。どう?湯加減の方は」
「あぁ、いい湯加減だ。フレデリカも、ちゃんと温まれたか?」
「うんっ♪おかげさまで、全身ぽかぽかだよ♪しるぷぷれ〜♪」
「なら、よかった。雨で体が冷えて、寒かっただろうしな」
「でもぉ……確かに、ぽかぽかだけど……また少し、冷えてきちゃったかも……」
「ん?そうなのか?じゃあ、少し待っててくれ。すぐに上がるからさ」
「ううん、気にしないで。それじゃあさ、せっかくなんだし……」
ガラッ
「……二人で「一緒に」……温まろうよ……ねっ……♪//」
「ちょっ……ふ、フレデリカ!?な、何で、入ってきてるんだよっ!?//」
「だって……ここって少し「大胆な」ホテルでしょ……?だから……」
「……もしかしたら……こういうことを、ちょっぴり……期待してたのかな〜って、思ってさ……なんて♪」
「ばっ、バカ!俺はただ、お前のことが本気で心配でだな……//」
「うふふ……そっか……♪なら、ご一緒してもいいよね?……失礼しま〜す♪」
------------------------------------------------
「「……//」」
「……ねぇ……プロデューサー……?」
「何だ……?」
「プロデューサーって、やっぱり……男の人なんだね……体が大きくて、とても逞しいしっ……♪」
「そうか……?なら、フレデリカは……」
「アタシは……?」
「……って……あ、アイドルに、そんなことを言えるか!ましてや、女の子にっ!//」
「ふふっ……アタシのことを……そんなに、意識しちゃってるんだ……♪……でもね?実は……」
ムニュッ……♪
「……アタシも……こんなに……ドキドキしちゃってるんだよ……?」
「……っ…!?ふ、フレデリカ……!?」
「どう……?アタシの鼓動……聞こえる……?//」
「……さ、さ〜てと!俺は、もう十分温まったし、そろそろ上がるか!」
「やんっ、ダ〜メ♪「フレちゃん」と一緒に、肩まで浸かって、100数えるまで離さないからねぇ〜♪」
「くっ……!//」
「まあ、それは冗談としておいてぇ♪……でも……」
「……シキちゃんに妬いちゃったのは、本当……だから……フレデリカ「猫」……やめるよ……」
「えっ、志希……猫……?一体、何を言って……んぐっ……!?」
チュッ……♪
「……//」
「……ぷあっ……ちょっ……ふ、フレデリカ……//」
------------------------------------------------
「アタシね……み〜んなが楽しくなれる「ウソ」の方が、ハッピーハッピーだと思ってたんだ」
「……でも……本当は、プロデューサーやみんなに「本当のアタシ」を知られるのが、怖かっただけなの……」
「知られたら……今までや、これからの全てが、変わっちゃうような気がして……とっても怖かったんだ……」
「……」
「でも……アタシはもう「ウソ」はつかないよ。本当の気持ちに、ウソはつけないってわかったから」
「……シキちゃんのおかげで……ね……」
「いや……だからあれは、志希が勝手に……」
「ううん。これ以上は、言わなくていいよ。プロデューサーは、と〜っても優しいお兄さんだもん」
「でも……今は、優しさはいらない……だから……「本当のプロデューサー」を、教えて……?」
「ほ、本当のって……」
「……プロデューサーからも……アタシにして……欲しいな……?」ウルッ
「フレデリカ……あぁ、もう!と、とりあえず、俺はもう上がるぞっ!」
「えぇ〜!?んもう!プロデューサーってば、雰囲気台無し〜!KYだよ!K・Yっ!!」
「う、うるさい!俺は本当に、お前を心配して来ただけだ!あとは一人で、しっかり温まれよ!いいな!!//」
「あんっ……行っちゃった……むぅ〜……イヂワル〜……」
「……でも……アタシ……しちゃったんだ……♪「初めて」を……プロデューサーと……」
「本当に、ずるいよ……普段は優しいのに、さっきみたいに、急にカッコよくなったりするんだから……」
「アタシを思いっきり、抱きしめてくれて……やだ……思い出したらまた……赤くなってきちゃった……//」
「体にも……そして、お口にもまだ……温もりが残って……えへへ……♪//」
「……大好きっ♪」
------------------------------------------------
「おぉ。すっかり、晴れてるな」
「わぁお♪雲の隙間から日差しがさしてて、とてもきれ〜い♪」
「いいタイミングで、晴れてよかったな。さて、事務所に戻ろうぜ」
「……ああっ!プロデューサー!フレちゃ〜ん!!」
「ん……?おっ、志希じゃないか。どうしたんだよ?」
「もうっ、どうしたじゃないよ〜。二人とも雨が降ってる中、出て行っちゃうし、心配してたんだよ〜?」
「あぁ……そうだったのか……悪い……って!お前が、全ての原因だろうがっ!」
「えぇ〜?そうだっけ〜?♪それより、はいっ♪二人の傘を、持ってきてあげたよっ♪」
「ったく……まあ、ありがとうな、志希。でも、もう晴れたから傘は……ああっ……!」
「んにゃ?プロデューサー、どったの?」
「やっべ……傘を置いてきちまった……悪い!少し、待っててくれ!」
「んもう、プロデューサーってば、おドジなんだから〜♪いってら〜♪」
「「……」」
「……ねぇ、シキちゃん。聞きたいことがあるんだけど……いい……?」
「ん?どうしたの?」
「さっき、言ってた……「友達ごっこ」って言うのは……どういう意味だったのかな……?」
「エ〜。あたしぃ、そんなこと言ったっけ?……ん〜……忘れちゃった☆」
「……そっか……」
「でも、フレちゃんとは「友達」だよっ♪それは、間違いないよっ♪」
「……うんっ♪アタシも、シキちゃんとはお友達だと思ってるよ♪だって……アタシたちは……」
「……清浄な世界から、離れた……「おかしくてクレイジーな」二人組だもん……♪」
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「にゃはは♪そうだね♪それに、決めるのは「おかしな」プロデューサーだしねっ♪」
「……悪い悪い。待たせたな」
「おっかえり〜♪忘れ物、あったの〜?」
「あぁ、なんとかな。じゃあ、行こうか」
(この傘……あの子のだったよな……果たしてまた、会えるのだろうか……)
(……うん……きっと、また会えるよな。今度会ったら、改めてちゃんと、お礼を言わないといけないしな)
「……もうっ!プロデューサーってばぁっ!」
「うわっ……!?」
「んもう〜。プロデューサーってば、ま〜た他の女の子のことを、考えてたでしょ〜?ダメだよぉ〜?」
「うんうん♪今、ものすご〜く、ふやけた顔をしてたもんね〜♪本当、フレちゃん困っちゃうなあ〜♪」
「そ、そんなことねえよ!ていうか、二人してベタベタしてくるな!周りから、変な風に見られるからっ!//」
「別にいいも〜ん♪だって、あたしたちは「レイジー・レイジー・レイジー」だもんっ♪ね〜♪フレちゃ〜ん♪」
「そうだねぇ♪アタシたちは、変な子と変な子が合わさった、エレガントなハイブリッドユニットなのだ〜♪」
「……なんか……一つ、多くないか?」
「そんなことないよぉ♪じゃあ、いっくよ〜♪レイジーな「クレイジー」担当の、一ノ瀬志希ちゃんで〜す♪」
「レイジーな「イジーレ」担当の、宮本フレデリカちゃんで〜す♪いじいじ、いじいじ♪そしてぇ……」
ギュ−ッ♪
「「……三人目は……女の子たちを惑わす、イケないレイジーな「ラブ」担当の、プロデューサーで〜す♪」」
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「あっ……」
「ん?透ちゃん、どうしたの?」
「いや、雲の間から、日がさしてきたなあって、思ってさ」
「えっ……うわぁ〜♪きれ〜い……♪」
「……あ。と思ったら、また隠れちゃった」
「あぅ……残念……じ、じゃなくて!今日も、レッスンがあるんだから、早くしないと遅刻しちゃうよ!」
「えー」
「いいじゃん。もう少し見てようよ」
「もっ……も〜!だめだよっ!ほらっ!透ちゃん!行こうよっ!」
「わかったよ、小糸ちゃん。じゃあ、コンビニ行こうか。飴買ったげる」
「えっ……飴!?い、いいの……!?じゃあ……お言葉に甘えて……」
「……って!だから、ダメだよっ!も、もう行くよ!透ちゃんっ!」
「わかったわかった。行くよ……あっ、また隙間から、日がさしてきた」
「……ふふっ「おかしな」天気。あの人も、どこかで見てたりして」
「あの人って……誰のこと?」
「う〜ん、そうだね。小糸ちゃんが今、想ってる人のことかな」
「えっ、それって……プロ……って……ぴゃ……!?と、透ちゃん!一体、何を言ってるのっ!!//」
「冗談冗談。でも、きっとまた、会えるよね。だって……「てっぺん」で、出会ったことがある仲だし……ね」