Pチャンに構ってもらいたいシリーズ   作:篠崎レニア

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技工シンデレラ 原田美世

「……これをこうしてこうやって……」

 

「……うん!出来たっ♪プロデューサーさ〜んっ♪車の整備、終わったよ〜っ♪」

 

「おっ、そうか。ありがとうな、美世」

 

「ううん、気にしないでっ♪車のメンテナンスは得意分野だからねっ♪」

 

「そ・れ・に・っ♪車いじりはあたしのライフワークだもん♪調子が悪いと、少しエンジンの音が違うんだ♪」

 

「ははっ。流石は美世だな。よし、車を直してくれたお礼に、何かさせてくれ」

 

「ええっ!?そ、そんなの大丈夫だよっ!ちょっと直しただけだし……」

 

「いやいや。わざわざ、美世の家のガレージにまで来て、直してもらったんだ。何か俺にもさせてくれ」

 

「本当、いいのに……じ、じゃあさ……その……今度は、プロデューサーさんに……」

 

「……あ、あたしの、ボディのメンテナンスを……して欲しいなっ……なんて……//」

 

「えっ……美世の?俺、車の整備の知識はあまりないぞ?」

 

「あうっ……そうじゃなくてぇ……や、やっぱり、今言ったことは忘れてっ!//」

 

「そうか……?ならいいんだが……」

 

「……ちなみにさ……プロデューサーさんは、あたしのことを……どう思ってる……?」

 

「ん?どうおもってるって……?」

 

「ほら……車やバイクいじりって、どちらかと言えば男っぽい趣味でしょ……?」

 

「……だから……やっぱりあたしって……女の子らしくないよね……」

 

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「……そんなことはないぞ。じゃあ、少し失礼するぞ」

 

「えっ……?……ふぇっ……!?」

 

「よし、取れた。整備をしてくれたのは嬉しいけど、美世の「かわいい」顔に埃がついてたぞ」

 

「……あっ……ありがとうっ……//」

 

「美世はかわいい女の子だよ。スカウトした以上は、美世の魅力を俺が一番知ってるつもりだ」

 

「例えばその、くりくりっとした宝石のような瞳、リスのような愛らしいキュートなほっぺ」

 

「アイドルに相応しいスタイルの良さ、そして何より、女の子らしさを気にする健気な乙女さ……他にも……」

 

「わっ、わわっ……!も、もういいからあっ!……んもう……プロデューサーさんってば……」

 

「いつも……そういうことを平気で……本当、アイドルのことになると止まらないんだからっ……」

 

「……だけど……あたしのガレージに男の人を招いたのも……プロデューサーさんが「初めて」だよ……?//」

 

「えっ……?」

 

「……って……あ”〜っ!もうこんな時間だよっ!?そろそろ、出勤の時間だったよね!?」

 

「……うわっ、やばっ!悪いな美世!お礼の話は、仕事が終わってからでいいか!?」

 

「うんっ!じゃあ、初めて出会ったあの時みたいに、あたしが運転して事務所まで送ってあげるっ!」

 

「えっ……?いや……そんな、悪いって……」

 

「ほら!時間がないよっ!乗った乗った!「あたしの」プロデューサーさんなんだし、しっかりしてよね!」

 

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カチャッ

 

「……ん?あっ!プロデューサーと美世ちゃんだ!おっはよ〜!」

 

「お二人とも、おはようございます♪」

 

「おっ、友紀と茄子も来てたのか。おはよう」

 

「ところで……アラアラ♪朝からアイドルと「同伴出勤」ですかぁ〜?イケませんなぁ〜♪ねぇ、茄子ちゃん♪」

 

「そうですねぇ〜♪ここまでお二人が仲良しさんだっただなんて私、知りませんでした〜♪」

 

「ふぇっ……!?ちょっ……そ、そんなんじゃないよっ!//」

 

「そうだ。事務所に来る前に少し、美世の家のガレージで、俺の営業車の整備をしてもらってたんだよ」

 

「ほぉ……つまり美世ちゃんは、プロデューサーに満塁ホームランを決めちゃったってことなんだねぇ〜♪」

 

「だ、だ〜か〜ら〜!そんなんじゃないんだって〜!からかわないでよぉ〜!//」

 

「ふ〜ん……ま、いいですけどぉ♪だって、茄子はぁ……プロデューサーとおっ……」

 

「……新年に……「初めて」を一緒に迎えた仲ですもの……♪ねぇ〜♪」

 

ムニュッ♪

 

「えっ……新年……?」

 

「ちょっとちょっと〜♪あたしだって、負けてないよぉ♪だってぇ……あたしぃ……」

 

「……この前、プロデューサーに……部屋に「お持ち帰り」されたことがあるもん……♪//」

 

ムニッ♪

 

「お持ち帰り……えっ、ええ〜っ!?」

 

「うあっ……!?ちょっ……お前ら、急に何だよっ!二人して密着してくるなっ!//」

 

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「んふふ〜♪美世ちゃんという大切な女の子がいるのに……本当に、イケないお兄さんだねぇ〜♪」

 

「変な風に言うな!茄子とは初詣に行っただけで、友紀は居酒屋で酔い潰れたから、家に送っただけだろ!」

 

「あれ〜?そうでしたっけぇ〜?でもぉ……密着されて、お顔を真っ赤にしてるのは「本当」ですよねぇ〜?」

 

「いや……それはっ……//」

 

「……むっ……あ、あたしだって!プロデューサーさんと二人だけの、大切な思い出があるもんっ!!」

 

「へぇ〜?それは初耳ですねぇ〜。例えば、どんなことですかぁ〜?」

 

「そ、それは……ふ、二人っきりでドライブをしたり、遊んだり、手を繋いだり、そして……」

 

「「そしてぇ〜?」」

 

「……あうぅ〜……と、とにかく!!ねっ!?あたしだって、こんなに素敵な思い出があるんだからっ!//」

 

「……ほぉ……二人っきりで、ドライブに……そして……最後は……なるほど、いいことを聞いちゃった♪」

 

「……ですねぇ♪さて……プロデューサーを「ダシ」にして、重要な情報が聞けたところで……せ〜のっ……」

 

「「作戦、大成功〜♪イェ〜イ〜♪」」

 

パチンッ♪

 

「ええっ……!?さ、作戦……!?ダシ……!?まさか……あたしを騙してたのっ!?」

 

「さぁ〜ねぇ〜♪さて、ホームラン級の大スクープも聞けたことだし、そろそろ「お邪魔虫」は退散しよっ♪」

 

「ですね♪二人っきりだからって……「ヘンなこと」はしちゃダメですよ♪では、私たちはこれで失礼します♪」

 

「ちょっ……ふ、二人とも酷いよっ!それに……今のは……そのっ……!//」

 

「おい!何だよそれ!ちょっと待て!……行っちまった……。全く……何なんだよ……あいつら……//」

 

「……本当にもう……二人は、イヂワルなんだからっ……」

 

「「……」」

 

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「……ところで……あの……美世さん?俺たちっていつ、一緒にドライブをしたことがありましたっけ?」

 

「あっ……そっ、それは……したことあるもん…………今……」

 

「おい!何だよそれ!俺の記憶を勝手に捏造するなっ!」

 

「ふ〜んだ……プロデューサーさんはどうせ、あたしより友紀ちゃんや茄子ちゃんの方がいいんでしょ〜……」

 

「えっ……?いやいや……そんなことはないぞ?みんな同じぐらい、俺の大切なアイドルだよ」

 

「じゃあ……もう一回聞くね?あたしのどこが……女の子らしい……?」

 

「いや……突然、どこがって言われても……今朝言った通りで……」

 

「……」

 

……タプンッ♪

 

「……車の整備が大好きなところとか……?//」

 

「あ”〜っ”!今、少し考えたでしょっ!やっぱり、あたしのことを女の子と思ってくれてないんだ!!」

 

「いやいや!本当に美世のことを、女の子らしいって思ってるって!嘘じゃないぞっ!」

 

「……むぅっ、お世辞はいいよっ……」

 

「お世辞なんかじゃないって。でなきゃ、俺の目の前にいる「輝いてるアイドル」は一体誰なんだ?」

 

「それは…………じゃあさ……プロデューサーさんも、あたしのハンドルをずっと……握っててくれる……?」

 

「えっ?……ハンドル?」

 

「あぅ……つ、つまり……あたしの体調が悪くなったら、代わりに運転して欲しいってことなの!うんっ!//」

 

「あぁ……それはもちろん……そうさせてもらうけど……」

 

「そ、そんなことよりさっ!何か、あたしに手伝えることはない!?せっかくだし、お仕事を手伝うよっ!」

 

「そ、そうか……?じゃあ、少し頼むよ。よろしく美世」

 

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「はいっ♪プロデューサーさんっ♪書類を、バインダーにまとめておいたよ♪」

 

「おぉ、ありがとうな。じゃあ、そろそろ日も暮れてきたし帰ろうか」

 

「うんっ、そうだねっ♪行こ〜うっ♪」

 

「それにしても悪いな、美世。車の整備をしてもらった上に、仕事の手伝いもしてもらって」

 

「ううん、気にしないで♪今日は、あたしもちょうどオフだったし♪」

 

「美世のおかげで助かったよ、今日はありがとう。……あっ、そうだ。ちなみに、あの時の約束は何がいい?」

 

「あの時……?」

 

「あぁ。今朝、約束しただろ?「何かをさせてくれ」って。仕事のお礼も兼ねて、何かお礼をさせてくれよ」

 

「ええっ!?だから大丈夫だよっ!別に、あたしは本当に暇だから手伝っただけだし……」

 

「遠慮せずに言ってみなって、今日以外にも、美世には日頃からお世話になってるしな」

 

「……そ、そう……?じゃあさ……あたしと今度……「本当に」二人っきりで……そのっ……」

 

「……あ〜っ♪プロデューサーさ〜んっ♪美世さ〜んっ♪」

 

「ん……?おっ、卯月じゃないか、お疲れ様。こんなところで偶然だな」

 

「あっ……卯月ちゃん……」

 

「はいっ♪お仕事を終えて、これから帰宅するところなんです♪」

 

「そうか、いつも仕事を頑張ってくれてありがとうな。ところで、卯月のそれ、とても似合ってるじゃないか」

 

「あっ……ありがとうございますっ♪私、このアクセサリーをとても気に入ってるんですっ♪」

 

「……何せ……「プロデューサーさんが」プレゼントしてくれた……大切なアクセサリーですので……♪」

 

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「……っ!」

 

「気に入ってくれてよかった。卯月はかわいい女の子だから、きっと似合うと思ったんだ」

 

ナデナデ

 

「……あっ……頭をっ……は、恥ずかしいですよっ……♡//」

 

「……むっ」

 

「でも……プロデューサーさんも、そのネクタイ、とても似合っていますよ♪」

 

「そうか、ありがとう。何せ「卯月が」プレゼントしてくれた、大切なネクタイだからな」

 

「えへへ……ぷ、プロデューサーさんも、その……とても素敵なお兄さんなので、似合うと思ったんです♪」

 

「「うふふ♪・あはは♪」」

 

「……」

 

「……あっ、そうだ♪美世さんっ♪この前、私の作ったクッキーは美味しかったですか?」

 

「ええっ……!?あっ、そ、そうだねっ!卯月ちゃんのクッキー……とっても美味しかったよ」

 

「俺ももらったけど、卯月って本当にお菓子作りが上手いよな。香ばしくて、甘さもちょうどいいし」

 

「喜んでもらえて何よりです♪……たくさん……愛情を込めた甲斐がありましたっ……♪」チラッ

 

「ははっ、料理は愛情って言うしな。卯月の愛情を、しっかりと味わらさせてもらったよ」

 

「ふふっ……♪あっ、もうこんな時間……では、そろそろ失礼させてもらいます♪また、お会いしましょうね♪」

 

「うん、またね。卯月ちゃん」

 

「またな、卯月。……ふぅ。それにしても、帰り際に偶然卯月と会えるなんてな。なあ、美世」

 

「……」

 

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「……美世……?」

 

「……む〜〜〜っ」

 

「ん?おい、どうしたんだよ。そんな風船みたいに頬を膨らませて」

 

「んもう……何さ……目の前でナチュラルに、卯月ちゃんとイチャイチャしちゃってさっ……」

 

「……あたしなんか……プレゼントどころか……手も握ったことすらないのに……」

 

「?」

 

「ふ〜んだ……卯月ちゃんって、女子力が高くて……と〜ってもかわいくて「女の子らしい」よねぇ〜……?」

 

「えっ……?まあ確かに、卯月はキュートなアイドルだけど……でも、卯月は卯月、美世は美世だと思うぞ?」

 

「それは……そうだけど…………じゃあさ……今朝の約束……今、使っていい?」

 

「約束……あぁ、あれか。どうした?」

 

「……今度……あたしと一緒に……ドライブに行ってくれる……?」

 

「ドライブ?俺は別に、大丈夫だけど……でも、ご褒美とかじゃなくていいのか?」

 

「う、うん!最近、お互いに忙しくてあまりプロデューサーさんと会えてなかったでしょ?」

 

「……だから……「二人っきり」で、思いっきり楽しもうよっ♪どう?女の子らしいでしょっ♪」

 

「そういえば……そうだったな。うん。じゃあさっそく、二人でドライブの計画を立てようか」

 

「本当!?わ〜いっ♪やったぁ〜〜〜♪絶対に、約束だからね〜〜〜♪」

 

ムニュッ♪

 

「うわっ!?ちょっ……おいっ!そんなに密着してくるなって!//」

 

「あっ……ご、ごめんねっ……!つい…………えへへっ……♪//」

 

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「……」

 

「……よしっ!メンテナンス完了♪これで、明日のデー……じゃなくて!ドライブは完璧だねっ!!//」

 

「二人でドライブをして……たくさん遊んで……手を繋いで……そ、そしてっ……最後は……」

 

「……だ、だから!それ以上はダメ〜っ!……うぅ……このままずっと、シャシーの下に潜っていたい……//」

 

「あっ……そうだ。顔にオイルがついちゃってたね。ちゃんと落として、きちんとお化粧をしないと」

 

「えっと……前に、美嘉ちゃんに教えてもらったはずなんだけど……まずは、どうすればいいんだっけ?」

 

「下地を作るのに……ち、ちーくだっけ?それとも、ふぁんでーしょん?りっぷ……?」

 

「……あっ!そうだっ!クレンジングオイルだっ!……って!ちが〜う!それは、お化粧を落とすやつ!」

 

「うぅ……オイルって言葉に、つい反応しちゃって……やっぱり、女の子らしくないなあ……あたしっ……」

 

「アイドルになる前は、お化粧はあまりしたことがなかったし、車とかバイクばかりいじってたからなあ……」

 

「でも……アイドルになったからには、みんなからかわいいって言われたいよねっ……」

 

「……特に……プロデューサーさんには……って!あああっ!もうっ!頭の中がエンストを起こしそうっ!//」

 

「……本当、変わっちゃったな……あたし……。アイドルになる前とは、まるで別人みたいに……」

 

「寝ても覚めても……車やバイクのことばかりだったのに……今はもう……プロ……じゃなくてぇ!!」

 

「あぁ……もう……落ち着け……落ち着かないと……あたしっ……//」

 

「……ううっ……今夜は……眠れそうにないなあ……」

 

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チュンチュン……。

 

「……髪の毛は……よし。身だしなみも……よし。ふぅ、まあこんなもんだろ」

 

「それにしても……まさか、美世から直々にドライブのお誘いがあるとは」

 

「つい、早くに目が覚めてしまったが……何でこんなに、胸が高ぶってるんだろ……」

 

……「二人っきり」で、思いっきり楽しもうよっ♪どう?女の子らしいでしょっ♪

 

「……そうだな。最近、お互いに仕事が忙しくて、水入らずの時間を作れなかったもんな」

 

「俺と美世の二人で……よしっ!今日は、思いっきり楽しむか!せっかくの機会だしな!」

 

「さて……約束の時間まで、まだ結構あるし……持ち物のチェックでも……」

 

フォンッ♪

 

「ん……?おっ、美世からメッセージだ。なになに……[おはよう♪今日はよろしくね♪]か……」

 

「[そうだな。今日は一日、よろしく。楽しい時間にしようぜ]っと……」

 

「……よし、こんな感じだな。さて……じゃあ、さっそく持ち物の確認を……」

 

フォンッ♪

 

「……ん?あっ、美世からだ……って!返事早っ!?……えっと……なになに……」

 

[その……あのね、実を言うと……もう……「目の前に」いるんだ……♪]

 

「えっ……「目の前」……?」

 

ピンポーン♪

 

「はーい。……誰だろ?こんなに朝早くから……」

 

カチャッ

 

「……えへへ……お、おはようっ♪…………来ちゃった……♡//」

 

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ブーーーン……

 

「どう?あたしの車の乗り心地はっ♪」

 

「あぁ、とても快適だよ。エンジン音も静かだし、流石は美世の車だな」

 

「えへへ〜♪よかった〜♪……それより……ごめんね?こんな朝早くに、唐突に来ちゃって……」

 

「いや、気にしないでくれ。だけど……美世がまさか俺の家まで直接、車でお出迎えしてくれるとは……」

 

「あ、あのね……昨日の夜からその……ずっと……楽しみすぎて、朝早くに目が覚めちゃったの……」

 

「……だから……「少しでも」早く……プロデューサーさんに会いたかったんだ……なんて……♪//」

 

「ははっ。どうやら、俺と同じことを考えてたみたいだな。にしても……悪いな。美世に運転してもらって」

 

「ううん♪気にしないでっ♪今日は、せっかくのデー……じゃなくて!ドライブだし、張り切っちゃうよ〜♪」

 

「……その代わり……あたしのことを、しっかりと……「お城」に連れて行ってね……♡」

 

「……っ!?」

 

「あ”〜っ”!?今、笑いを堪えたでしょっ!?プロデューサーさんってば、ひっど〜いっ!!」

 

「べ、別に堪えてなんかないって!なあ……美世……?突然、何を言いだすんだ……?」

 

「あたしだって、これでも女の子なんだよ!?こういう乙女な憧れだって持ってるんだからっ!」

 

「……つ、つまり……あたしをアイドルにした以上は……最後まで「責任」を取ってってことだよっ……//」

 

「アイドル……あ、あぁ……そういうことか……」

 

「んもう!さては、あたしの柄じゃないと思ったんでしょっ!プロデューサーさんのいぢわるっ!」

 

「ち、違うって!ただ、その……窓の外に……「お城」が見えてたから……」

 

「えっ、窓……?…………あっ……」

 

「「……//」」

 

「……ほら、前を見ないと……危ないぞ……//」

 

「……そ、そうだね……よそ見運転は……危ないもんね……//」

 

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「……何とか……目的地についたね……」

 

「……あぁ……そうだな……」

 

「「……//」」

 

「……あ、あのっ!さっきは別に、そういう意味で言ったわけじゃないからねっ!勘違いしないでよっ!//」

 

「なっ……!そ、そんなことわかってるわ!!全く……美世もアイドルなんだし、そういう発言はだな……//」

 

「あうっ……で、でもさっ……ああいう場所を見て、お顔を真っ赤にしてくれたってことは……」

 

「……あたしのことを……「一人の」女の子として……意識してくれたってことなのかな……?//」

 

「いや、それは……し、知るかっ!とりあえず!せっかく着いたんだし、どこかに行こうぜっ!!」

 

「うふふ……♪じゃあ……少し、行ってみたいお店があるのっ♪だから、そこに行ってみよっ♪」

 

「そうか。よし、さっそく行ってみようぜ」

 

「では、……え、え〜いっ♪」

 

ギュッ♪

 

「うわっ……!み、美世っ……!?」

 

「えへへ〜……♪プロデューサーさんの腕……とってもあったか〜いっ……♡」

 

「あの……美世さん……?何だか少し……近くないですかね……?」

 

「そんなことないよ〜♪だって、今のあたしは「普通の」女の子だもんっ♪じゃあ、れっつご〜♪」

 

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「どう?これ、あたしに似合う〜?」

 

「うん。似合ってるよ」

 

「……あっ♪こっちもいいかもっ♪ねぇ、これもどう?」

 

「あぁ、そっちも似合ってるよ。……というか、意外だよな」

 

「ん?どうしたの?」

 

「いや、美世がアクセサリーショップだなんて意外だなって思ってさ。向かいにカーショップがあっただろ?」

 

「んもう、前にも言ったでしょ?男っぽい趣味だって言うのは理解してるけど、こういうのも興味があるって」

 

「……それに……もっともっと、いろんなあたしを見てもらいたい人がいるしね……?」チラッ

 

「まあ、確かに、アイドルは色んな人に見られる仕事だしな。いい心がけじゃないか」

 

「それは、そうだけど……でも……そう意味じゃなくてっ……」

 

「……あの〜、すみません。もしかして、彼氏さんから彼女さんへのプレゼントをお探しとかですか?」

 

「……ふえっ……!?か、彼女っ……!?……だってさ……プロデューサーさんっ……♪」

 

「ははっ、いえいえ。僕はただ、この子の「付き添い」で来ただけです」

 

「……むっ」

 

「あら?そうでいらしたのですか?てっきり、お二人はカップルなのかと思ってました……」

 

「そうですか、それは嬉しいです。でも……俺たちは……」

 

「……も、もうっ!今日はあたしたち、「ペアルック」なアクセサリーを買いに来たんでしょっ♪」

 

「……は?……ペアルック……?」

 

「あらっ♪やっぱり♪でしたら、こちらの方にペアルックグッズのコーナーがありますよ♪ご案内しますね♪」

 

「わぁ〜♪楽しみだねっ♪ね〜♪だ〜り〜んっ♡じゃあ、さっそく行ってみよ〜うっ♡」

 

「いや……ちょっ、まっ……!」

 

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「ふぅ〜。結構、たくさん見ちゃったね〜♪」

 

「そ、そうだな……楽しかったな……」

 

「んん〜?どうしたの?プロデューサーさん。そんなに顔を真っ赤にして俯いちゃって」

 

「……実は少し……熱があるっぽいんだ……。顔が火照っていてな……」

 

「ええっ!?だ、大丈夫!?気分が悪いなら、今から病院で診てもらう?」

 

「いや……すぐに治せる方法が一つあるんだ……それは……」

 

ムニュッ♪

 

「……俺の腕に密着してる「当たってるもの」離れてくれれば……すぐに治ると思うんだ……うん……//」

 

「えっ……腕?……ひゃわっ!!あっ……ご、ごめんねっ……つい、夢中になっててっ……!」

 

「「……//」」

 

「……あのっ……そ、それよりさっ!キーホルダーどうっ!?気に入ってくれたっ!?//」

 

「キーホルダー……あ、あぁ、これか。うん、結構気に入ったよ」

 

「えへへ〜♪どう?かわいいでしょっ♪車の鍵型の「ペアルック」にしちゃった……♪」

 

「ペアルックねぇ……確かに、いい思い出にはなるけど……これじゃあ、まるで……」

 

「……まるで……?」

 

「……兄妹みたいだよな。二人揃ってこういうのを持つって」

 

「むっ……はいはい、わかってましたよ〜だ。プロデューサーさんはやっぱり、プロデューサーさんだなあっ」

 

「どうしたんだよ?そんなにむくれて」

 

「何でもないよっ。大切にしてよね〜?おにいちゃ〜ん?…………もうっ……おバカ……」

 

「……あ〜っ♪お〜〜〜いっ♪プロデューサー♪美世ちゃ〜んっ♪」

 

「……ん?この声は……」

 

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「よぉ、プロデューサーと美世じゃねえか。こんなところで偶然だな」

 

「おっ、里奈と拓海じゃないか。こんにちは」

 

「ちょり〜っす♪アラアラ♪もしかしてぇ……アタシたち……お邪魔しちゃったかにゃ〜?」

 

「いやいや、別にそんなことはないよ。ただ、俺たちはドライブを満喫してただけだ。なあ、美世」

 

「うえっ……!?う、うんっ……そうだねぇっ……//」

 

「はぁん……ドライブねぇ〜、随分とお熱いこって。まあ、ある意味でアタシたちも似たようなもんだけどな」

 

「だねぇ♪アタシも、たくみんと一緒に「ラブラブ」しながらバイクで、ツーリングをしてたんだよねぇ〜♪」

 

「あっ、そうだったんだ♪あたしもその気持ちわかるな〜♪グリップを握りしめて走ってると、爽快だよね〜♪」

 

「……なあ、ところで美世。本当に悪いんだが……少し、里奈の頼みを聞いてやってくれないか……?」

 

「うん……?どうしたの?拓海ちゃん」

 

「あ、あのね、その……もし、よかったらなんだけど……少し、アタシのバイクを見てくれないかな……?」

 

「バイク……どこかおかしいの?」

 

「何だか、マフラーから異音がしてね。たくみんと二人で見てみたんだけど、原因がわからなかったんだ」

 

「アタシもバイクに詳しい方ではあるけど、力になれなくてな……。頼む、美世の力を貸して欲しいんだ」

 

「そうなんだ……じゃあ、今から見てみるね。プロデューサさん。少し、待っててもらってもいいかな?」

 

「あぁ、もちろんだ。里奈のバイクをしっかりと見てやってくれ」

 

「悪い、恩に着るよ。じゃあ、アンタとアタシはあっちで待機しようぜ。二人の作業の邪魔をしちゃ悪いしな」

 

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「ふぅ。にしても……偶然だよな。拓海たちはツーリング、俺たちはドライブでちょうど出会うとは」

 

「だな。まさか、駐車場で「ラブラブ」ドライブに巡り会えるとはな。今日はツイてるぜ」

 

「ラブラブって……あのなあ……もう少し、言い方があるんじゃないか?」

 

「へへっ、うっせ。今の二人にぴったしの言葉じゃねえか……ん?おい、何だよそれ」

 

「ん?何って……?」

 

「それだよそれ。その、スマホについてるキーホルダーだよ」

 

「あぁ、これか。美世と二人で、あそこのショップで「ペアルック」のアクセサリーを買ったんだよ」

 

「っ……ペアルック…………なぁ、アンタはよ……美世のことを、一体……どう思ってるんだ……?」

 

「えっ?どう思ってるって、何がだよ?」

 

「そのままの意味だよ。いいから言ってみやがれ」

 

「いや、まあ……強いて言うなら…………アイドル?」

 

「そうか……ということはつまり…………本当……てめェってヤツは……」

 

「?」

 

「……とにかく……美世を大切にしてやってくれよ。何せ、アタシの大切なマブダチだからな」

 

「だけど……あ、アタシだってその……アンタにスカウトされて、アイドルになったんだからよ……」

 

「……たまには……美世だけじゃなくて…………も見ろよ……//」

 

「えっ?」

 

「……たぁ〜くみ〜んっ!美世ちゃんが無事に、バイクを直してくれたよ〜っ!」

 

「……んあ……?おぉ、そうか〜!!……どうやら、美世が無事に里奈のバイクを直してくれたみたいだな」

 

「おっ、もう直ったのか。流石は美世だな」

 

「よし、じゃあそろそろ、里奈たちのところに戻ろうぜ。その前に、ほら、これをやるよ」

 

「おぉ、さんきゅ……って!あっつっ!?」

 

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「じゃあ、また会おうね〜♪美世ちゃ〜ん♪アタシのバイクを直してくれてありがと〜うっ♪」

 

「邪魔をして悪かったな、美世。今度、何か奢らせてくれ」

 

「いいよ♪いいよ♪あたしたち、同じバイク仲間なんだから気にしないで♪」

 

「それじゃあまた今度、改めてお礼をさせてもらうね〜♪では♪ちゃお〜♪」

 

「だな。「お邪魔虫」はとっとと退散させてもらうぜ。じゃっ、あとは二人で楽しみな。じゃあな」

 

ブロロロロロ……。

 

「……ふぅ、直ってよかった♪ごめんね、プロデューサーさん。待たせちゃって」

 

「いや、気にするな。あんなに早く直せるなんて、流石、美世の技術はすごいな」

 

「そんなことはないよっ♪ちょちょっといじっただけだから♪里奈ちゃんに喜んでもらえてよかったよ♪」

 

「さて……無事に事なきを得たところで……あ、そうだ。これ、拓海からもらったんだ。飲むか?」

 

「えっ……?あっ、プロデューサーさんも、拓海ちゃんからもらったんだ」

 

「俺もって……もしかして、美世もコーヒーを拓海からもらったのか?」

 

「うんっ♪さっきのお礼にってね♪じゃあ、せっかくもらったんだから、ドライブの再開前に乾杯しようよ♪」

 

「そうだな。よし、タブを空けて……と……じゃあ……行くぞ、せ〜のっ」

 

「「乾杯〜っ!」」

 

「……んく……んく……ん〜♪一仕事を終えたあとのコーヒーは、やっぱり美味しいね〜♪」

 

「……んく……そ、そうだな……少し……熱いけどな……」

 

「えっ?熱いって……もしかして、プロデューサーさんのコーヒーってホットなの?」

 

「あぁ。差し入れは嬉しいけど……何でわざわざ、この時期にホットをくれたんだろうな……」

 

「そう、なんだ……拓海ちゃんも……やっぱり……」

 

「ん?美世……?どうした?」

 

「あっ……な、何でもないよっ!それより、飲みながら次の計画を立てようよっ!//」

 

「そうだな……。ま、いいか。じゃあ、どうするか決めようぜ」

 

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「……はぁ〜♪今日は、楽しかったね〜♪」

 

「あぁ。ドライブで、色々なところを巡れて今日は楽しかったよ」

 

「えへへ〜……♪やっぱり、ドライブの醍醐味はこれだよね〜♪昼間はたくさん、色んなところを巡ってさ」

 

「……そして……こんな風に日が暮れてきたら、こういう人気がなくて、空気の綺麗なところに車を走らせて」

 

「それで、こうして背もたれを倒して、時間を忘れてゆっくりと車内から絶景を眺める……最高の贅沢だよ♪」

 

「だな。落ちていく夕日がとても綺麗だ。それにしても、美世の車の中は本当に快適だな」

 

「ふふ〜ん♪でしょでしょ〜♪あたしの車って、色々といじってあるんだ〜♪もちろん、車検が通る程度にね♪」

 

「全体的に微調整をしつつ、ショックアブソーバーも高いのに交換して、スプリングの振動を抑え、乗り心地を向上!背もたれも、低反発のクッションを搭載して腰や体への負担を軽減!ステアリングホイールも変えて操作性も抜群!機能性を重視してるけど、アイドルらしく少しオシャレなのにしちゃった♪あ、ちなみにね、ステアリングホイールって言うのはハンドルのことで……」

 

「……」

 

「……あっ……ご、ごめんね……車のことになるとつい……熱中しちゃって……」

 

「なに、気にするな。むしろ、すごいかわいかったよ」

 

「……やっぱり……あたしは、女の子らしくなくて……って、ふぇっ……!?かっ……かわいいっ!?」

 

「あぁ。車のことを熱弁してた今の美世、とても目が輝いてたぞ。実に女の子らしいじゃないか」

 

「う、うぅ……さ、さ〜てと!次は、プロデューサーさんの好きなものの話をして欲しいなっ!うんっ!!」

 

「そうか?じゃあ、次は俺の番だな。俺の好きな「美世」について、たっぷり語らせてもらおうじゃないか」

 

「へぇ〜。プロデューサーさんは、美世が好きなんだ……って!えええっ!?あ、あたしっ!?」

 

「アイドルのことを語り出したら止まらないぞ?特に、目の前の「輝いてるアイドル」のことはな」

 

「も、もうっ!そう思ってくれてるのは嬉しいけど、恥ずかしいからこれ以上はダメ!禁止っ!!//」

 

「ははっ、そうか。それは残念だ。じゃ、アイドルの話はこれぐらいにして、夜空をゆっくり眺めようぜ」

 

「……むぅ〜//」

 

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「「……」」

 

「……何だか……とってもいい雰囲気だね……」

 

「あぁ。つい、時間を忘れてしまうぐらい綺麗で幻想的な夜景だな」

 

「うんっ……♪それに……今はプロデューサーさんと、車内で二人っきり……だもんね……♪」

 

コトンッ♪

 

「ん?どうしたんだ?急に、俺の肩に頭を預けて」

 

「えへへ〜……何となくしてみたくなっちゃったのっ♪……ダメかな……?」

 

「いや……俺は別に、いいけど……」

 

「やったぁ♪じゃあ、プロデューサーさんも………あたしを……抱き寄せて……♪なんてっ……♪//」

 

「そうか……?じゃあ……って!出来るか!そんなことっ!!//」

 

「あんっ、もう……ま、いっか☆今回は、これで許してあげるっ♪」

 

「全く……!//」

 

「……ねぇ……プロデューサーさんは……その……あたしのこと……「好き」……?」

 

「……えっ……?」

 

「あたしはね……プロデューサーさんのことが「大好き」だよ……?だから……えっとね……」

 

「…………ほんの少し……他の子より「勇気」をだしちゃうね……えっ……えいっ!」

 

「一体、何を……んっ……!?」

 

チュッ……

 

「「……」」

 

「……ぷあっ……み、美世……っ……!?」

 

「……えへへ……しちゃったね……♡どう……?あたしの気持ち……受け取ってくれた……?//」

 

------------------------------------------------

 

「気持ちって……な、何なんだよ急にっ!!//」

 

「あたしね……ずっと、悩んでたんだ……他のアイドルの子より、女の子らしくないなって……」

 

「茄子ちゃんや友紀ちゃん……卯月ちゃん……そして里奈ちゃん、拓海ちゃん……」

 

「みんな、とても……女の子らしくて、いいなあ……羨ましいなあって……ね……」

 

「いや……前にも言っただろ?美世はかわいい女の子だって。そんなことはないと思うぞ」

 

「……本当?」

 

「あぁ。俺の目の前にいるアイドルは、とっても輝いてるよ」

 

「……本当に本当?」

 

「何度でも言ってやるよ。美世はかわいくて輝いてる、俺の自慢のアイドルだ」

 

「……そう……じ、じゃあさ…………証明……してっ……♡」

 

シュルッ♪

 

「ちょっ……な、何で、服を脱いでるんだよっ!?」

 

「うふふ……♪実を言うとね、あたし……「スタイル」には……少し、自信があるんだっ……♡//」

 

「くっ……美世っ……俺だって一応、健全な男子なんだし……これ以上は、本当にヤバいってっ……!//」

 

「正直、顔から火が出るくらい恥ずかしいけど……他のみんなには負けたくないの……」

 

「……だから……今夜は車内で、お互いに……「男の子と女の子」になろうよ……♪…………ねっ……♡//」

 

ムニュッ♡

 

「……っ……!み、美世っ!!」

 

「きゃっ……!」

 

「……俺っ……もう……我慢出来ないっ……!」

 

「……そっか……わかった……じゃあ、このまま…………来てっ……♡」

 

------------------------------------------------

 

「……世……」

 

「ふふっ……もうっ……そんなにっ……♡」

 

「……美……世……」

 

「……えへへっ……大好き……だよっ……♡」

 

「……お〜い、美世〜?起きてくれ〜!」

 

「……んっ……ふあっ……?プロデューサーさぁん……?」

 

「ふぅ……やっと起きてくれたか。おはよう、美世」

 

「おはよ……って……あれ……?ここは……?」

 

「全く……寝ぼけてるのか……?ここは「美世の」車の中だよ」

 

「えっ……あたしの……?でも……何だかとても……眩しいような……」

 

「……完全に寝ぼけてるな……いいか?俺たちはドライブで、ここの奥地まで来たんだ」

 

「それで、美世と車内で喋ってたら返事が聞こえなくなって、様子を見たら美世が寝ちゃってたんだよ」

 

「そして、俺もこのまま寝て、一緒に朝を迎えたってわけだ。どうだ?状況整理が出来たか?」

 

「あっ……そ、そうだったんだ……ごめんね……あたしから提案したドライブだったのに……」

 

「まあ、気にするな。……それより……今は、他のことを気にして欲しいんだが……?」

 

「うん……?他のこと……?」

 

「……まずはその……はだけた服装を直してくれ……色々と誤解を生むから……//」

 

「……ひゃわっ!?あ、あわわ……ご、ごめんなさ〜いっ!!//」

 

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チュンチュン

 

「朝焼けが、とても綺麗だね……」

 

「そうだな。空気が綺麗だから、とても輝いてるな」

 

「綺麗な朝焼けを、プロデューサーさんと、こうして肩を並べて見てるなんて……夢の続きみたい……」

 

「夢の続きって……さっき、美世が見てた「楽しい夢」の続きか?」

 

「……夢……?」

 

「あぁ。「勇気」だとか、あとは「男の子と女の子」とか寝言を言ってて、何だかとても楽しそうで……」

 

「……わっ!わ〜〜〜っ!!これ以上は言わないでっ!う、うぅ〜……恥ずかしいっ……!」

 

「……「あの時」のあたし……あんなに大胆で、そして……ううっ……//」

 

「ははっ。まあ、俺は「かわいい」美世の寝顔を堪能させてもらったから、ある意味で役得だったけどな」

 

「役得って……え、ええ〜っ!?まさか、ずっとあたしの寝顔を見てたの〜!?」

 

「俺の方が先に起きてたしな。楽しそうな夢を見てたから、少し様子見をしてたんだ」

 

「むぅ〜……プロデューサーさんのいぢわる〜……。こんなに無防備な、あたしの寝顔を見たんだから……」

 

「……し、しっかりと……「責任」を……とってもらうんだからねっ……//」

 

「わかってるよ。美世をしっかりと、シンデレラのお城に送るのは俺の役目だからな。これからもよろしく」

 

「……いつかは……夢じゃなくて、現実で……プロデューサーさんに……」

 

「?」

 

「……何でもないよっ♪ほらっ♪新鮮な空気を吸ってリフレッシュしたことだし、さっそく事務所に帰ろうよ♪」

 

「もちろん、あたしの運転でねっ♪これからも、あたしの助手席にずっといてもらうんだからっ♪」

 

「その代わり……あたしの「人生の」運転は任せたよっ♪プロデューサーさんっ♡」


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