「これを保存して……バックアップを取って……」
「それで、このスケジュール表をこうやってっと……あ〜!終わったぁ〜!」
「いや〜……久しぶりの徹夜は、堪えるな〜。仕事の量が多かったとはいえ、まさか徹夜になるとは……」
チュンチュン……
「……うへぇ……もう、朝か……くっ……日差しが体に、染みるっ……!」
「しょうがない……あまりよくないけど、景気付けにスタドリでも飲みましょうかね……」
「……って……あれ?スタドリがもうない……」
「まさか……俺……ちひろさんからもらった、スタドリ1ダースを全部、飲み干しちまったのか……!?」
「いくら、徹夜で意気込んでたとはいえ、これだけの量を一夜で……しかも、かなり散らかってるし……」
「……いかんいかん……飲み干したドリンクに囲まれてる姿なんて、アイドルの教育によくないしな……」
「瓶は瓶の箱に、片づけてっと……よし、これでOKだ。にしても、すごい数のスタドリだな……」
「……さて、まずは、軽く体操をしてスッキリするか……」
「1234……1234……ふぅ〜……これで、少しは体が軽くなったぜ……」
「……適度に心地よい日差し……眠気を促すような、早朝の小鳥のさえずり……」
「そして……目の前には……気持ちよさそうな、ふかふかのソファー……」
「……捉えたら離さな〜い……夢の世界へと〜……さ〜れ〜る〜が〜ま〜ま〜、Welcome to my sofa……」
「……さて……少し、疲れてるようだな俺……早く……仮眠室に行こっと……」
「うっ……ひと段落したら、急に凄まじい眠気が……!」
「だ、ダメだっ……!ちゃんと、仮眠室で寝ないと……」
「……ね……ない……と……」
「………」
「……zzz」
------------------------------------------------
ユサユサ
「……ろでゅーさー……」
「……zzz」
「ぷろでゅーさー……おきてー……」
「……んっ……」
「おーきーてー……おきろー……」
「……ちひろ……さん?……すみません……いますぐ……」
「……あっ……ぷろでゅーさー……おきたー……」
「って……えっ……こ、こずえ!?」
「ぷろでゅーさー……おねんねはまだ……はやいよー……」
「ど、どうしたんだ、俺の上に乗って……まさか……起こしてくれたのか?」
「そうだよー……いまはもう……おねんねのじかんじゃないからー……」
「あ、あぁ……そうだな……ありがとう。こずえ」
「だいじょうぶー……ねー……こずえとあそぼー……」
「何だ?遊んで欲しいのか?」
「うん……ぷろでゅーさーは、いま……おひまー?」
「そうだな……うん。せっかく、こずえが起こしてくれたんだし、遊び相手になるよ。何して遊ぼうか」
「わーい……やったー……」
ガチャッ
------------------------------------------------
「おはようございま〜す♪」
「おっ、美波。おはよう」
「みなみー……おはよー……」
「こずえちゃんも、おはよ……って!こずえちゃん!?何をしてるんですか!?」
「あぁ。俺がソファーで寝てたから、こずえが起こしてくれたんだよ」
「えっ……あ……そ、そうだったんですね……//」
「……どうしたのー……?」
「なな、何でもないですっ……でも、だめよ?こずえちゃん。プロデューサーさんは、疲れてるんだから……」
「ははっ。こずえだって、俺のことを気遣って、起こしてくれたんだよな?優しいなぁ、こずえは」ナデナデ
「あっ……なでなで……すきー……//」
「もうっ、プロデューサーさんってば……」
「あっ、そうだ。せっかくだし、事務所の近くのカフェに、何か食べに行くか?ご馳走をするよ」
「えっ、いいんですか?」
「あぁ。こずえもどうだ?」
「うん……こずえもいくー……」
「えっと……は、はい。では……ご馳走になります……ありがとうございます」
「よし、決まりだな。じゃあさっそく、行こうぜ」
------------------------------------------------
「……」カタカタ
「プロデューサーさん。何か手伝えることとか、ありますか?」
「ん?あぁ、大丈夫だよ、ありがとうな。それより、ライブの方はどうだ?順調か?」
「はい♪おかげさまで、順調にレッスンが進んでいます♪」
「よかった。少し、心配してたんだよ。悪いな……俺の勝手な思いつきに、付き合わせてしまって」
「気にしないでください♪むしろ、感謝していますよ?蘭子ちゃんたちも、喜んでいましたし……」
「思ったんだ。美波の代理で、蘭子にアーニャと組んでもらった時に、三人で組んだらよさそうだなって」
「……あの時は、すみません。私が、しっかりとしていなかったから……あんなことに……」
「心配するな。あの時は、しょうがなかったんだから。また、心を入れ変えて、頑張ればいいじゃないか」
「俺もアーニャも蘭子も、事務所のみんなも、みんな美波の仲間だ。何も、気にする必要はないよ」
「プロデューサーさん……は、はい……ありがとうございます……//」
「よしっ。それじゃあ俺も、新ユニットのために、頑張んなきゃな!」
「……あ、あの……プロデューサーさん……もし、よかったらその……今度、私と一緒に……」
バンッ!
「やっほ〜♪Pくんいる〜!?」
「莉嘉……?おいおい。ドアは静かに開けろって、言わなかったか?」
「ごめんごめん♪ねねっ、Pくん♪何をしてるの〜?」
「何って、見りゃわかるだろ。仕事だ」
「エ〜!つ〜ま〜ん〜な〜い〜!Pくん!アタシとあ〜そ〜ぼ〜♪」
「ダ〜メ。俺は今、忙しいの。また今度な」
「ふ〜ん、わかったよ。それじゃあアタシは、あっちで遊んでるね〜」
「あぁ、そうしてくれ」
「……と見せかけて……ていっ!」
「なっ……!」
------------------------------------------------
「えへへ〜♪Pくんのスマホ、いただきぃ〜♪」
「お、おいっ!返せ!」
「や〜だ〜よ〜!Pくんが鬼ね〜♪返して欲しかったら、アタシをつかまえてみなさ〜いっ♪」
「冗談はよせ!こら、おい!」
「きゃあ〜♪アタシぃ、Pくんにおそわれちゃ〜う♪」
「ばか!変なことを大声で言うな!ていうか、俺のスマホを返せ!!」
「い〜や〜♪ほらほらぁ♪鬼さん、こちらっ〜♪」
「このっ……!……くっ……!すばしっこい、ちびギャルめ……!」
「ほらほら〜♪こっち、こっちぃ〜♪……あっ……」
「こらっ、莉嘉ちゃん。プロデューサーさんは、お仕事で忙しいの。だから邪魔しちゃダメ。いい?」
「み、美波ちゃん……はぁ〜い……わかったよ……」
「うん。莉嘉ちゃんは、おりこうさんだね。はい、プロデューサーさん」
「おぉ……ありがとう、美波。全く……お前ってヤツは……」
「てへへ……ごめんなさぁい♪でも、Pくんてば、アタシの画像を今も、待ち受け画面にしててくれたんだね♪」
「っ……!?ば、ばかっ……お前っ……いつの間に……!」
「……えっ」
「や〜んっ♪アタシってばもしかしてぇ、Pくんのと・く・べ・つ?きゃ〜♪はずかちぃ〜♪//」
「……プロデューサーさん……?」
「ち、違うんだ美波……これはだな……!」
「夜の屋上で撮った、アタシとPくんの大切な……や〜んっ♪これだから、Pくん大好き〜♪」ギューッ
「おい莉嘉!ややこしくなるから、これ以上喋るな!……ったく……待ち受けを勝手に見やがって……//」
「……」
------------------------------------------------
「わぁ〜♪とてもステキ、ですね♪」
「ふふふ……ヴァルハラをも凌駕する、広大なる我が野望を語るのに、相応しい場所ね……!」
「とても、おしゃれですね♪よく来たりするんですか?」
「あぁ、ここの喫茶店、気に入ってるんだ。打ち合わせにはもってこいだろ?」
「ククク……我が同胞たちを享楽へ誘う祝祭について、思う存分語り会おうではないか!」
「じゃあほら、メニュー表。好きなものを頼んでいいぞ」
「スパスィーバー♪ありがとう、です♪」
「感謝するぞ、我が友よ」
「すみません……いつも、奢ってもらってしまって……」
「いいんだよ。三人ともいつも、頑張ってもらってるからな。むしろ、俺が感謝してるぐらいだよ」
「それに、特に美波は、いつもみんなのお姉さんとして、頑張ってもらってるからな」
「ダー。ミナミはとても優しくて、頼りになります♪」
「うむ……迷える子羊を導く、後光の差す女神よ!」
「……みんなの……お姉さん……」
「美波?どうかしたか?」
「えっ……い、いえ……何でもないです……」
「そうか……?なら、いいんだが……何か悩みとかあったら、いつでも相談してくれよ?」
「はい。ありがとうございます……」
「……」
「で?どうだ?みんな、注文決まったか?」
「では、私は、この鳥のミルクでお願いします」
------------------------------------------------
「鳥のミルク!?なんかすごい名前だな……ミルクを出す、鳥がいるのか?」
「ニェット。この名前の理由は、おとぎ話から来ているんです」
「好きと言ってくる男性を、お姫様がどれだけ、お姫様のことを好きかギモン?に思ったそうです」
「そこで、本当に好きなら、探して取って来なさいっていったのが、この「鳥のミルク」だそうなんです」
「ロシアではフクースナ。たくさんの人が美味しいって言って、食べてるんですよ♪」
「そうなのか……蘭子も、こういう童話とか好きそうだよな。アーニャと一緒に、この鳥のミルクにするか?」
「否……我は、この供物を所望する」
「ん?……」ニヤッ
「……ん〜……指を指されても、どのメニューかわからないなあ〜」
「なっ……!だ、だから……我は、この供物をっ……!」
「ちゃ〜んと言ってくれないと、俺、わかんないなあ〜」
「……ぷ、ぷりん……」
「え〜、何だって〜?」
「ぷ……プリン!プリンアラモードっ!!//」
「はい、よく出来ました。かわいいなあ、蘭子は」
「……いぢわる……」
「美波はどうする?」
「え、えっと……それでは、私はパンケーキでお願いします」
「よし、みんな決まったな。すみませ〜ん!注文をお願いしま〜す!」
------------------------------------------------
「それで、ライブのPRイベントのことなんだが、アーニャがこの位置から登場して」
「ダー」
「蘭子がここの位置から。そして美波が、こっちの位置から登場してもらう」
「うむ」
「で、ドライアイスの霧が吹き出て、ユニットカラーのライトが、三人を照らすんだ」
「そのあとに、天井に備え付けられたスノーマシンが、雪を降らすから……そして……」
「……//」
「シトースヴァーミ?どうしました?プロデューサー」
「どうした、我が友よ」
「な、なぁ……さっきから、思ってたんだが……二人とも……少し、近くないか……?」
「そうですか?フツウ……だと思いますよ?」ギュッ
「ふふ……共に、悠久の時を経てきた我が友との、善悪の境界線はしかと心得てるつもりだ……」ギュッ
「にしてはだな……俺の両腕が異様に、暖かい気がするんですけどねぇ……」
「そ、そうよ……?プロデューサーさんに悪いから、離れないと……」
「イヤ……ですか……?」ウルッ
「……イヤ?」ウルッ
「……まあ……悪い気は、しないけどさ……//」
「ypa……!嬉しい、です……プロデューサー……♪私のも、食べてください♪」
「い、いいよ、悪いって……ムグッ」
「……我の……わ、私のプリンも……//」
「……ぷあっ……!わ、わかった!二人の気持ちはよ〜く、わかったから!だから、少し落ち着けって!//」
「うふっ……慌ててるプロデューサー……とてもかわいいです♪」
「ふっふっふ……フェニックスが生み出しし、甘美なる誘惑……親愛なる我が友に、存分に授けようぞ……♪」
「……あっ!そ、そうだっ!美波もせっかくだし、もらったらどうだ?」
「えっ……」
「ダー♪ミナミも、どうぞ♪楽しい気持ちはみんなで、分け合いっこです♪」
「同じ志を、持つ者同志……血湧き肉躍る狂宴に、打ち興じようではないか!」
「あっ、ありがとう……じゃあ、もらうね。私のも食べていいよ」
「相変わらず、三人は仲良しで羨ましいなあ!やっぱり食事は、みんなで楽しまないとな!あ、あはは……」
------------------------------------------------
「ごちそうさまでした♪プロデューサー♪」
「実に、有意義な饗宴であったぞ。親愛なる我が友よ」
「今日は、ありがとうございました。すみません……ご馳走になったうえに、女子寮にも送ってもらって……」
「いやいや、気にしないでくれ。この調子で無事、ライブを成功させよう。三人の結束を深めるためにもな」
「……三人……違います」
「えっ……?」
「三人だけではなく、プロデューサーも、一緒です♪そうですよね?ミナミ、ランコ♪」
「えぇ♪そうですね♪プロデューサーさんも、一緒ですよっ♪」
「我らの、強固たる結束……例え、強靭なデュランダルであろうとも、到底切れぬわ!ハーッハッハッハ!」
「……そうだったな……俺も三人と「共に」無事、ライブを成功させたい。頑張っていこうな」
「ダー♪それではダスビダーニャ♪また明日、です♪」
「我が……いえ、プロデューサーさん。今日は、ありがとうございました♪それでは、また明日会いましょう♪」
「あぁ、明日もよろしく頼む。さて、俺もそろそろ行くか……」
「……あ、あのっ!」
「ん?美波……?どうした?」
「プロデューサーさんは……私のことを、どう思っていますか……?」
「どう思うって……どういうことだ?」
「えっと、そのっ……アイドル以外では、どういう風に……私のことを見てくれてるのかなと思いまして……」
「?」
「……すみません……やっぱり、何でもないです……では、また明日、よろしくお願いしますね」
「あ、あぁ……よろしくな……何だったんだ……?」
「……」
------------------------------------------------
「よいしょっと……三人とも悪いな。手伝ってもらって」
「クックック……軍神マルスも慄く、魔王の魔力…とくと思い知るがいい!」
「気にしないでください♪それより、プロデューサーさん。この荷物は、どこに置いたらいいですか?」
「あ、その荷物は俺が持つよ。結構、重いからさ」
「大丈夫です♪これでも、ラクロスでかなり鍛えてますので♪」
「そうか……?それじゃあ、お願いするよ。悪いな美波」
「いえいえ♪昨日は、ご馳走になりましたので♪」
「……ん〜……」
「……おい、アーニャ?大丈夫か……?」
「ごめんなさい……この荷物……少し、重くて……」
「じゃあ、この荷物を持ってくれないか?俺が、アーニャの荷物を持つからさ」
「あ、ありがとうございます……♪プロデューサーはやっぱり、男の人ですね……とても、力持ちです……//」
「手伝ってくれるのは嬉しいけど、無理しちゃだめだぞ?アーニャは、女の子なんだしさ」
「……っ……女の子……」
「ふふっ……♪プロデューサーはとても優しくて、頼りになります♪」
「大切なアイドルに、無理させたくないからな。遠慮せずにどんどん、俺を頼ってくれよ」
「……わ、私もその……プロデューサーは、大切なアイドル……ですっ……♪//」
「おいおい。アーニャの中では、俺はアイドルなのか?面白いことを言うな」
「「あはは♪・うふふ♪」」
「……我が友よ……憎き超重ギガンティス……我が魔力をしても、到底及ばぬ……」
「えっ……?」
「……これ……重くて、持てない……」
「ははっ、それ、ポスターが数個しか入ってないダンボールだぞ?魔王の魔力とやらで、なんとかしてくれよ」
「やっ!持てないのっ!」
「やれやれ。かわいい魔王だなぁ、蘭子は。しょうがない、俺の魔力を使ってやるよ……」
「だ……だめよ!蘭子ちゃんっ!プロデューサーさんに、ワガママばっかり言って、困らせちゃ!」バンッ!
「!?」
「ひっ……!」
「み、ミナミ……?どうしたのですか……?」
「……っ!ごめんなさい……私ってば……す、すみません……失礼しますっ!」
「あっ、ミナミ……行ってしまいました…」
「女神……じゃなくて、私……美波さんに何か、してしまったのでしょうか……?」
「……ちょっと、美波のところに行ってくるわ。二人とも、その荷物を片付け終えたら、終わりにしてくれ」
「えっ……?でも……プロデューサー?ミナミ……どこに行ったか、わからないですよ……?」
「大丈夫、俺に心当たりがあるんだ。それじゃあ、手伝ってくれてありがとうな。アーニャ、蘭子」
「我が友……ううん……プロデューサーさん……」
------------------------------------------------
コンコン
「美波、いるか〜?」
「……プロデューサーさん……」
「おっ。やっぱり、ここにいたか。今、大丈夫か?」
「……どうして……ここにいることが、わかったんですか……?」
「当たり前だろ?俺は、アイドルたちのことを、よく知ってるつもりだ。特に、美波のことはな」
「……っ!」
「なあ……もしよかったら、俺に、何があったのかを聞かせてくれないか……?無理にとは言わないからさ」
「……ここでは、何ですので……中に入ってもらっても、いいですか……?」
「ありがとう。少し、お邪魔させてもらうよ」
「それでは……どうぞ。私の、学習机の椅子にかけてください」
「あぁ、悪いな……で?さっきは、どうしたんだ?」
「……先程は、すみません……急に、取り乱してしまって……」
「気にしないでくれ。それより、美波があんなに怒るなんて珍しいよな。蘭子と、何かあったのか……?」
「いえっ……決して、蘭子ちゃんが嫌いだとか、何かあったとか、そういうことではないんです……ただ……」
「……二人が、羨ましかっただけなんです。すみません。こんなに、身勝手な理由で……」
「羨ましい……?どういうことだ?」
「……プロデューサーさんは私のことを、みんなのお姉さんって、言ってくれましたよね……?」
「あぁ、確かに言ったな」
「それは嬉しいんです。でも、私からすれば、プロデューサーさんはお兄さんなんですよ……?」
「ですので……プロデューサーさんに、もっと私も「一人の女の子」として、見てもらいたいんです……」
「……そうだな……美波に頼るんじゃなくて、俺がもっと、しっかりしなきゃいけないよな……ごめんよ……」
「……本当に反省してるのなら……美波のお願い事を一つ、聞いてくれますか……?」
「お願い事……?まあ、俺に出来る範囲でなら……どうした?」
「ありがとうございます♪あっ……でも、まずは……片付けの続きと、二人に、謝りに行かないと……」
「片付けはもう終わったから大丈夫だよ。それに、あの二人には終わったら、解散って伝えてあるんだ」
「だから、謝るのはまた今度にしようぜ。少しお互いに、時間を置いた方が、落ち着いて話せると思うしさ」
「……そうですね……ごめんなさい……私のワガママで、こんなことになってしまって……」
「大丈夫だって。きちんと話せば、わかってくれるさ。ところで……さっきのお願いって、何だったんだ?」
「あっ……そうでした。えっと……このあと、お時間とか大丈夫ですか……?」
------------------------------------------------
「……ふぅ、着いた……」
「……」
バッ
「……だ〜れだっ♪」
「……うわっ!?……こ、この声は……美波……?」
「うふふ……正解です♪」
「いきなり……視界を遮られたから、びっくりしたぞ……」
「えへへ♪ごめんなさいっ♪プロデューサーさんを驚かせたくて、つい……♪」
「しかし……美波、よかったのか?」
「はい?」
「確かに、何でも聞くとは言ったぞ?でも、そのお願い事が、俺なんかと遊園地で遊ぶことだなんて……」
「……違いますよ……遊ぶのではなく……「デート」ですっ♪」ギューッ
「ちょっ……み、美波!?」
「それに、私とプロデューサーさんの二人っきりで、デートが出来る……それだけで、幸せなんです……♪//」
「そうなのか?まあ、美波が喜んでくれるならいいんだけどさ……でも、事務所のみんなには、内緒な?」
「はいっ♪二人だけの秘密ですっ♪」
「……ところで……美波さん?少しだけ……離れた方が、いいんじゃないんですかね……?」
「えっ、どうしてです?」
「いや〜……何ていうか……やっぱり、美波はアイドルだし……なぁ……?//」
「むぅ……アーニャちゃんや蘭子ちゃんはよくて、私はダメなんですか?」
「そ、そうじゃないけどさ……」
「じゃあ、決まりですっ♪ほらっ、早速、入り口に向かいましょう♪「お兄ちゃん」♪」
「お兄ちゃん……?って……おい!そんなに引っ張るなって!」
------------------------------------------------
「ううっ……成り行きで、美波と遊園地に遊びに来ちゃったけど……すごい、恥ずかしいような気が……!//」
「これじゃあ、俺たちはまるで……だ、ダメだっ!美波をそういう風に、見るだなんて……!」
「……でも……何で、美波は俺と……」
「お兄ちゃ〜ん♪こっちですよぉ〜♪」
「おぉ〜、美波〜……って!だから!その呼び方は、恥ずかしいって!//」
「聞こえませ〜んっ♪それより、私のことを綺麗に、撮ってくださ〜いっ♪」
「全く……ほらっ、撮るからな。行くぞ〜」
「えへへ……ぶいっ♪」
パシャッ!
「どれどれ……うん。よく撮れてるな」
(やっぱり……美波って、どの写りも絵になるよなぁ……)
(メリーゴーランドとはいえ、さながら、本物のお姫様が乗ってるみたいだ……)
(……いつか、美波にも……白馬の王子様が……)
「次はぁ、私と一緒に乗ろうね〜♪お兄ちゃ〜んっ♪」
「ちょっ……!み、美波っ!?何を言ってるんだ!?」
「で〜す〜か〜ら〜、次は、私とお兄ちゃんで「腕組み」をしながら、乗りましょうね〜♪」
「なんか、余計に恥ずかしいことになってるぞ!?ていうか、声が大きいって……!//」
「……」ジー
「ねぇ、ママ〜。あのお姉ちゃんが言ってる、うでくみってなんなの〜?」
「ふふっ♪今に、わかるわよ♪あの「お兄さんとお姉さん」を見てればね♪」
「……青春しとるなあ……まるで、わしたちの若い頃を思いだすよ。なあ、婆さんや」
「えぇ。あの時の青春が、蘇ってきますねぇ……微笑ましいので、あともう少し……見ていましょうか……♪」
「……ちっ!あんな、美人なお姉ちゃんと、白昼堂々とイチャつきやがって!爆発しやがれっ……!」
(くっ……しかも、何だか周りに……超、見られてるような気がするしっ……!//)
「……うふふっ♪」
------------------------------------------------
「……ふぅ、何とか……腕組みは免れたな……」
「むぅ……お兄ちゃんは、いぢわるですっ……」
「あのなあ……美波はアイドルなんだぞ……?それに、俺はいつ、美波の兄になったんだ?」
「え〜、お兄ちゃんはお兄ちゃんですよ?今の美波は、プロデューサーさんの妹なんですっ♪」
「……むしろ……俺が、弟みたいなものじゃないか……?美波には結構、頼っちゃってるし……」
「また……そういうことを言うんですから……じゃあ、いいですっ。次は、プロデューサーさんは私の……」
ヒュ~ドロドロ……
「……きゃあっ♪お兄ちゃん、こわ〜い♪」ギュッ
「うわっ……!……さ、最近のって……すごいリアルで、精巧なんだな……」
「うふふ……守ってくれますよねっ……♪//」
「礼さんが見たら、さぞ驚くだろうな……出来がよすぎて……」
「……礼さんが、どうかしたんですか……?」
「ああ見えて、礼さんって結構怖がりなんだよ。前に、礼さんと一緒に、小梅の怪談を聞いたことがあってな」
「聞いてる間、ず〜っと俺に密着してくるんだよ。怖いのはわかるけどさ。な?意外な一面だろ?」
「……」
「あっ。このことは、他のみんなには内緒にしておいてくれないか。礼さんのためにもな」
「……あ〜!お化けがこっちに、近づいて来ます〜!こわぁ〜いっ♪」
「は……?ど、どこにお化けが……って、美波!お前まで、密着するなっ!//」
(くっ……!さっきまで……お化け屋敷の雰囲気に飲まれてて、意識してなかったけど……)
ムニュッ♪
「……美波って、結構……じゃなくて!だ、大丈夫だって!だから、少し落ち着けっ!//」
「やぁ〜で〜すっ♪お化けが怖いから、落ち着けませ〜んっ♪」
「……」ベー
(くそっ……あの提灯め……!舌を出して、俺をバカにしてるような目つきで、こっちを見やがって……!)
(……くっ……むしろ、俺が落ち着かないとな……色々な意味で、真っ暗でよかった……//)
「……ふ〜んだ……プロデューサーさんの、おばか……」
------------------------------------------------
「うぅ……すごく、怖かったです……」
「そ、そうだな。怖かったな……うん……//」
「ん……?すごい顔が真っ赤ですよ?一体、どうしたんですか……?」
「えっ……?なな、何でもないぞ!心配しないでくれっ!//」
「……ふふっ……♪変なお兄ちゃんっ♪」
「ぴにゃっ」
「うん?何だ?この、緑の物体は……」
「ぴにゃあ〜」
「わぁ〜♪お兄ちゃんっ!ぴにゃこら太ですよっ!ぴにゃこら太!とてもかわいいですねっ♪」
「ぴにゃこら太って、あの緑色の猫のマスコットか!結構、大きいな!」
「ぴにゃあっ、ぴにゃっ!」
「ん……?何か伝えようとしてるのかな……?」
「ぴにゃっ!」ビシッ
「あっちを見ろ……?……なんか……コスプレした、ぴにゃこら太の銅像が見えるな……どういうことだ?」
「あの銅像は、ウェディングぴにゃですよ♪」
「うわっ!?こ、今度は誰だ…!」
「ぴにゃの国からやってきた、ぴにゃ子で〜す♪ぴにゃこら太のことなら、何でも任せてね♪」
「そ、そうか……ところで、ぴにゃこら太は何て言ってるんだ?」
「「お二人があまりにも、素敵なカップルだったんで、あそこで一緒に写真を撮りたい」って言ってます♪」
「か、カップル……!?いや……俺は、その……ただの付き添いで……」
「はぁい♪私たち、カップルなんです♪」ギュッ
「なっ……!?」
「やっぱり♪あそこのウェディングぴにゃ像の前で、カップルで写真を撮ると、さらに愛が深まるんですよ♪」
「もちろん真ん中に、ぴにゃこら太を添えてね♪」
「……み、美波……お前は、アイドルなんだぞ……?」
「ん〜?聞こえないですねぇ♪ぴにゃ子さんっ、このスマホにお願いします♪」
「はぁ〜い♪それじゃあ、銅像の前に来てくださ〜い♪はい、ポーズっ♪」
「ぴにゃあっ♪」
パシャッ!
------------------------------------------------
「うふっ♪よく撮れていますねっ♪」
「ぴにゃこら太って結構、力があるんだな……全然、動けなかったぞ……」
「んもう。私に全然、近づいてくれないから、ぴにゃちゃんは愛のキューピットに、なってくれたんですよ?」
「キューピットって……あのなぁ……」
「それよりっ♪ほら、お兄ちゃん♪あ〜んですっ♪」
「えっ……いや、悪いからいいって……」
「むぅ……アーニャちゃんや蘭子ちゃんのは、喜んでもらってたクセに……」
「はぁ!?い、いや、あれはほぼ、あいつらが無理矢理、俺に……」
「……そうですよね……アーニャちゃんや蘭子ちゃんからもらった方が……嬉しいですもんね……」
「私からもらっても……嬉しくないですよねっ……」
「えっ……み、美波さん……?」
「ごめんなさい……私、すごいワガママで……クスン」
「ちょっ……!?……あ〜!やっぱり俺、欲しくなっちゃったなあ〜!ほら、もらうぞっ!」
「……うふっ♪美味しいですかっ♪」
「えっ……?」
「ふふっ……♪アイドルたるもの、演技の勉強も、欠かしてないんですよっ♪」
「なっ……だ、騙されたっ……!//」
「ほらっ、今度は、お兄ちゃんのが欲しいですっ♪美波にもください♪」
「……わかったよ……俺のもやるよ。ほら……」
「あむっ……ん〜♪美味しいです♪楽しい時間ですねっ♪お兄ちゃんっ♪」
「そ、そうだな……楽しいな……あはは……//」
------------------------------------------------
「わぁ〜……すごい、綺麗……」
「やっぱり夕暮れ時に、観覧車に乗るのはいいよな。夕日がとても綺麗だ」
「えぇ……あの……プロデューサーさん……今日は、色々と……ありがとうございました……」
「ん?あぁ、気にするな。美波が喜んでくれたのなら、俺はそれだけで満足だよ……ただ、な……」
「?」
「……今日の美波は、いつもと違っていたような気がするんだ。何かに必死になってる、そんな感じがしてな」
「……」
「確かに、遊園地でテンションが上がるのはわかるんだぞ?事実、俺も今日は、すごい楽しかった」
「だけど……そういうことは将来、本当に美波のことを、大切に思ってくれる人と、した方がいいと思うぞ?」
「大切に……思ってくれる人……」
「俺も、一応男だし、美波みたいな綺麗な女の子とそういう風に、一緒に過ごしてると……その……」
「……色々と……勘違いしそうになっちゃうからさ……なっ?」
「……やっぱり……優しいですね♪プロデューサーさんは……♪……隣、失礼しますね……」
「えっ……美波……?今、言っただろ?そんなに、距離感が近いと、俺は……」
「プロデューサーさん、前の打ち合わせの時に言ってくれましたよね?「みんなのお姉さん」って」
「確かに、頼ってくれたり、信頼されてるのは嬉しいんですよ?でも……ですね……」
ギューッ
「私だって……一人の女の子なんです。頼られたり信頼されるだけじゃなくて、思いっきり……」
「……頼ったり、甘えたり、構ってもらいたり……したいんですよ……?」
「美波……」
「あの時、こずえちゃんや莉嘉ちゃんに注意したり、蘭子ちゃんに怒ってしまったのも……」
「本当は、ただ……羨ましかっただけなんです……」
「行為に対して注意したんじゃなくて、ただの醜い嫉妬を、ぶつけてただけだったのかもしれませんね……」
「……ふふっ……私ってば、お姉さん失格ですね……♪こんなに子供っぽくて、ワガママなんですから……」
「……ごめんな……美波を頼りすぎて、知らず知らずのうちに、プレッシャーを与えてしまってたんだな……」
「……反省してますか……?それでは……遊園地を出るまでずっと……甘えちゃっていいですか……?//」
「こんな俺でよければ……どうぞ……//」
「ありがとうございますっ♪では……隣で、ずっと……甘えさせてください……♪//」
------------------------------------------------
「ほら、美波。大丈夫か」
「とと……ありがとうございます♪観覧車、とても眺めがよかったですね♪」
「……あ、あぁ……そうだな……」
「……プロデューサーさん?どうしたんですか?」
「……何でもないぞ……気にしないでくれ……」
「え〜?本当に、大丈夫なんですかぁ〜?」
「うわっ!?き、急に、ほっぺを触るなっ!//」
「うわぁ〜!すごい熱いですよ!?それに、タコさんみたいに、顔が真っ赤です……」
「……どこかの甘えんぼなおねーさんが、ずっと……俺に、密着してきたからな……//」
「……えへへ……♪そんなに私で、ドキドキしてくれたんですね……♪嬉しいです……♪//」
「と、とにかくほらっ!そろそろ閉園時間だから、門に向かうぞっ……!//」
「そうですね♪それでは……はいっ♪」
「ん……?どうしたんだ?急に、手を差し出して」
「んもう、いじわるなんですから……」
キュッ
「……入口まで……私を、エスコートしてくださいっ♪プロデューサーさんっ♪」
「えっ……い、いや……それは流石に……」
「……手……冷たいな〜……?」ウルッ
「……わかったよ。ほらっ」
「あっ……うふふっ♪プロデューサーさんの手って、やっぱり大きいですね♪流石は、男の人です……♪//」
「さぁ、行きますよ。お姫様」
「……はいっ……♪よろしくお願いしますっ……♪」
------------------------------------------------
「やっぱり、閉園時間って一気に、雰囲気が変わるよなあ。朝とは大違いだ」
「えぇ。夜はとても……静寂な雰囲気ですね……」
「……今日は、楽しんでくれたか……?」
「はいっ♪美波は、大満足ですっ♪とても楽しい時間を、過ごさせてもらいました……♪」
「ならよかった。それじゃあ、ライブに向けて、お互いに頑張ろうぜ」
「……俺も……美波の負担にならないように、努力するからさ……」
「ふふっ……はいっ♪ありがとうございます♪……では……プロデューサーさんっ……♪」
「ん?」
「……うふふ……♪」
チュッ♪
「!?」
「……ちょっぴり……大人になってみました……♪//」
「ちょっ……み、美波……!?//」
「ふふっ……♪……ていっ♪」
「……あぁっ!俺のスマホがっ!」
「ほぉら、行きますよぉ〜♪プロデューサーさんが、鬼で〜す♪」
「お前は莉嘉か!っておいっ!スマホを返せ〜!」
「いや〜で〜す♪ほら、こっちですよぉ〜♪……さて、スマホの待ち受けをこっそり、変えちゃおっと♪」
「二人だけで撮った、大切な……うふふっ……♪これで「お揃い」ですね……♪」
「私……やっぱり、お姉さん失格です……こんなにも、子供っぽくて「独占欲」が強かっただなんて……」
「でも……いいよね……こんな姿を見せるのは、あなたの前だけですし……」
「……いつかは……プロデューサーさん「だけ」の……お姫様になりたいな……なんて♪」
「……これからも、ずっとずっと、隣にいさせてくださいね……♪……約束ですよっ……♪」
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カチャッ
「あっ……みんな……おはようございます……」
「おお、美波。おはよう」
「ドブライェウートラ。おはようございます、ミナミ」
「女神……み、美波さん……おはようございます……」
「……蘭子ちゃん……アーニャちゃん……ごめんなさいっ!」
「えっ……」
「あの時は……急に怒って、ごめんね。ワガママなのは蘭子ちゃんじゃなくて、私だったの……」
「ミナミ……」
「美波さん……」
「自分勝手だっていうのはわかってます。だけど……こうして二人に、改めて謝りたかったんだ……」
「本当に……あの時は、ごめんなさい……」
「……いえ、気にしないでください……もしかしたら、その……」
チラッ
「……クックック……光の女神と、闇の魔王……対になりし意思も、あの時ばかりは、しかと共鳴せり!」
「?」
「つまり……美波さんと私……あの時は「同じことを」考えてたのかもしれないって、ことですっ……♪」
「えっ……それって、つまり……」
「うふふっ……♪そういうことかもしれませんねっ……♪」
「おっ、どうやら、仲直りが出来たようだな。よかったよかった」
「やっぱり、みんな仲良くが一番、ですねっ♪私たちはアイドルであり、ドゥルーク、お友達なんですからっ♪」
「うん……そうだね。ねぇ、蘭子ちゃん、アーニャちゃん。これからも、私と一緒に、活動してくれる……?」
「ダー♪当然ですっ♪これからもずっと、よろしくお願いしますねっ♪ミナミ♪ランコ♪」
「はいっ♪私も、アーニャさんや美波さんと一緒に、もっと、アイドル活動をして行きたいです♪」
「……ありがとう♪では、みんなで頑張っていきましょうね♪ずっと、一緒に♪」
「ははっ、相変わらず、三人は仲がいいな。強い絆で結ばれてるって感じがするよ」
「はいっ♪でもですね……」
キュッ♪
「ん……?美波……?」
「あの時……言いましたよね?三人ではなく「四人」で頑張ろうって♪」
「そうですね♪プロデューサーも、一緒です♪」
「そなたの魂……我らのグリモワールに、永遠に刻印されたわ!これからも、共に歩もうぞ!親愛なる我が友よ!」
「……ありがとう、みんな……それじゃあ、一緒に頑張っていこうな!これからも、よろしく頼むぞ!」
「「「はいっ♪よろしくお願いします♪」」」