Pチャンに構ってもらいたいシリーズ   作:篠崎レニア

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恋猫シンデレラ 前川みく

「失礼しま〜す」

 

「おっ……よぉ、みく。来てくれたんだな」

 

「ううん、別にいいよ。それでPチャン、どうしたの?急にみくを事務所に呼び出して」

 

「そうだったな。じゃあ、さっそく本題に入ろう」

 

「その……言いにくいんだが……みくには「移籍」をしてもらおうと思うんだ」

 

「……は……?移籍……?」

 

「あぁ。唐突で申し訳ないんだが……もう決まったことなんだ」

 

「でも安心してくれ。もう移籍先の事務所とは話をしてあるから。きっと、よくしてくれるはずだ」

 

「ちょっ……ま、待ってよ!そんな、嫌だよ!みくはまだ何も聞いてないよ!?」

 

「ごめんな、みく……悪く思わないでくれ……。これも事務所のため、ひいてはお前のためでもあるんだ」

 

「正直、もううちの事務所は「猫チャンアイドル」は飽和状態なんだ……だからこそ、苦渋の決断をしたんだ」

 

「よその事務所でならきっと、みくはオンリーワンの猫チャンアイドルになれるはずさ。俺はそう信じてるよ」

 

「ちょっ……ちょっと待ってよ!こんなの……あんまりだよっ……!!」

 

「……ダンボールに入れた猫を置いていく心境って……こんな感じなのかもな……まあ、そういうことだ」

 

「これ以上顔を見ると辛くなるから話は以上だ。それじゃあ、みく。他の事務所でも元気でやれよ、じゃあな」

 

「いや……そんなに突然……イヤだよ!!Pチャ〜〜〜〜ン!!」

 

「……にゃあっ……!?…………あれ……?ここは……みくの部屋……?」

 

「もしかして……さっきのは夢……?それとも…………」

 

「…………」

 

「……に”ゃ”っ”……つねったら普通に痛い……ということは、さっきのは夢……だったんだ……」

 

「何なんだろう……あんな夢、初めてみた…………Pチャン……移籍……アイドル……」

 

「…………あれ……?みくって……猫チャンアイドル……だよね……?」

 

「だけど……猫チャンはたくさんいる……そうなると……みくは一体、何なんだろう……?」

 

「…………」

 

ジリリリリリリ!

 

「……って……あ”〜っ”!もうこんな時間にゃ!はよ、支度をせえへんとっ!!」

 

 

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カチャッ

 

「……Pチャン……おはよ〜」

 

「おっ、みく、おはよう」

 

「……」

 

「……ん?どうしたんだよ。そんなに眠そうに、俺の顔をジッと見て」

 

「……ん〜ん、何でもにゃ〜い……」

 

「何だよ、おかしなヤツだな……はは〜ん、さては……夜更かしをしてたな〜……?」

 

「は、はぁ〜っ!?ちょっと!ナニソレ!ちゃんと毎日、早寝早起きしてるもん!」

 

「はいはい。夜更かしは楽しいのはわかるけど、程々にしてくれよな。みくはアイドルなんだからな」

 

「……むむっ……一体、誰のせいでこうなったと思って……」

 

カチャッ

 

「たっだいま〜♡」

 

「おっ、志希じゃないか。お疲れ様」

 

「あっ♪みくちゃんもいたんだ♪こんちゃ〜っす♪」

 

「っ……志希チャン、お疲れ様。お仕事に行ってきたの?」

 

「うん♪ちょっとね〜♪今日はちゃんと、真面目に行ってきてあげたよ〜♪」

 

「ふぅ……。俺的には毎日、真面目になって欲しいんだけどな……」

 

「……ふ〜ん……?まあ、それはぁ〜……キミ次第だよっ……え〜いっ♡」

 

「に”ゃ”っ”……!?」

 

「うわっ……し、志希っ……!?」

 

「う〜ん……相変わらず、キミの膝の上は落ち着くねェ〜♡さぁっ、存分に志希にゃんのことを愛でたまえ〜♡」

 

「……ふぅ……はいはい。こうなったら志希は意地でも聞かないからな。ほら、これでいいのか」

 

ナデナデ

 

「にゃは〜♡うんうん♡いいカンジ〜いいカンジ〜♡」

 

「全く……気まぐれな性格といい自由奔放な感じといい、お前は本当に「猫みたいな」ヤツだな……」

 

「……っ!」

 

「えへへ〜♡だって、あたしは気まぐれでエキゾチックな志希にゃんだも〜ん♡」

 

「……そ・れ・に・ぃ〜、この事務所で「唯一の」ねこチャンアイドルだもんね〜♪……チラッ」

 

「むっ……!ちょっと志希チャン!何、勝手なことを言ってるにゃ!猫チャンアイドルはみくだけなの!」

 

「えぇ〜、そう〜?ねぇ、キミはどう思う〜?」

 

「は……?いや、どう思うって言われても……」

 

「んふっ……キミはもちろん、セクシーでオトナなネコチャンが好きだよねっ……♡」

 

ムニュッ……♡

 

「うあっ……!?」

 

「ねぇ〜……あたし、頑張ったんだからぁ〜……あま〜いご褒美を……ちょ〜だいっ♡……ねっ……♡」

 

「ちょっ……し、志希……顔が近いってっ……!//」

 

「っ〜……!も、もう!志希チャンもPチャンも、みくの目の前で一体何をやっとんね〜〜〜んっ!!」

 

「きゃあ〜♪みくにゃんがキレた〜♪こっわ〜いっ♪まあ、プロデューサー分もたくさん補給したことだし、そろそろ退散するね〜♡」

 

「そ・の・ま・え・に!さっきの言葉を撤回するにゃっ!!」

 

「は〜いっ♪すみませんでした〜♪さっきの言葉は前言撤回……しませ〜んっ♪んじゃね〜♪しぃ〜ゆう〜♪」

 

「あっ……おい!……行っちゃった…………一体、何だったんだ……?」

 

「……ふしゃ〜……!」

 

「おいおい、みく。何でそんなにムキになってるんだよ?いつもの志希じゃないか」

 

「むぅ〜……!だいたい、こんなことになったのも全部Pチャンが悪いんだからね!!」

 

「はあっ!?何でそうなるんだよ!?悪いのは変なことを勝手にしてきた志希だろ!?」

 

「うるさい!ほら!今日はお仕事に行くんでしょ!さっさと行くにゃ!!」

 

「っ……もうこんな時間か……。何だか腑に落ちないが……んまあ、準備をしてくれ。みく」

 

「ふんっ!本当に、Pチャンはみくがついていないとダメダメなんだからっ!しっかりしてよね!!」

 

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「……にゃ〜ん♡」

 

「おっ、ねこみみ、似合ってるじゃないか。流石は猫チャンアイドルだな」

 

「えへへ〜♡当然にゃっ♪だって、猫チャンはみくのアイデンティティーだもんね〜♡」

 

「でもぉ、今日はお仲間がいて嬉しいにゃ♪ね〜、二人とも〜♪」

 

「「……」」

 

「……あれ〜?どうしたの?飛鳥にゃん♪美優にゃん♪」

 

「別にどういうことはないさ、みく。これもアイドルの仕事、ひいては貴重な人生の軌跡となるのだろうからね」

 

「……だが……まさか、このボクが猫耳をつける日が来ようとはね。正直、羞恥心があるのは否めないよ」

 

「あっ、あの……プロデューサーさん……?えっと……やっぱり、こういう猫耳は若い子だけの方がいいのでは……?」

 

「いえいえ、そんな。この前、猫耳が見たいアイドルランキングで、見事に飛鳥と一緒に上位に輝いていたじゃないですか」

 

「うぅ……それは……そうですけど……」

 

「特に、美優さんの色気……じゃなくて!魅力と相まってとても似合ってますよ。だから、安心して撮影に臨んでください」

 

「……フ〜ン、本当にランキングを見て決めたの〜?みく、この前に心チャンから聞いちゃったんだけど〜?」

 

「心から……?何をだよ」

 

「Pチャンって「コスプレに悶えるオトナのお姉さんやアイドル」に興奮する趣味があるんだってサ〜。コッワ〜イ」

 

「……は……?」

 

「……なるほど……。つまり、この格好をさせたのは仕事とは建前で、キミの性的趣向と言うわけか……解せないね……」

 

「プッ……プロデューサーさんっ……」

 

「ちょっ……ち、違いますよ!?ていうか!これはあくまで仕事でなんだぞ!?誤解を生むようなことを言うな!」

 

「へ〜。じゃあ、似合わないと思ってるんだぁ〜?」

 

「いや……まあ……似合わないって言ったらそりゃ……嘘になるけど……//」

 

「ふふ……そうか。それは随分と嬉しいことを言ってくれるじゃないか。じゃあ……少し失礼するよ」

 

「えっ……あ、飛鳥……?」

 

「にゃっ……!ちょっと飛鳥チャン!?一体、何をしてるのっ!?」

 

「らしくないと思ったかい?まあ正直、仮初の姿に偽ることにボクは感心はない。だが、これはアイドルとしては大切な仕事だからね」

 

「……だからこうして、猫の生態を模写してなりきってみせたまでさ。さあ、存分にボクを愛でるといい」

 

「いや……プロ意識を持ってくれるのは嬉しいけど……何か少し、違うような気がするんだが……」

 

「気のせいだと思うよ。ほら、みくや美優さんもこっちにきて、ボクと一緒に猫の気持ちになりきってみようよ」

 

「……ふ、ふんっ!みくはいいもん!Pチャンなんかにゴロゴロしたら、おバカが移っちゃうにゃ!!」

 

「……お前なあ……」

 

「……えっ、えっと……私は……その…………え、えいっ……!」

 

「ちょっ……!?み、美優さん……!?」

 

「あっ、あの……私も飛鳥ちゃんと一緒に……愛でて欲しいですっ……なんて……♡//」

 

(くっ……!プロ意識を持ってくれてるのは嬉しいけど、何だよこの危ない絵面はっ……!//)

 

(二人の人気アイドルが俺の膝に……飛鳥がこんな甘えてくるのなんて珍しいし……特に……美優さんなんか……)

 

ムチッ……♡

 

(……む、胸が……チラチラ見えて、刺激が強すぎるんですけどっ!?色々な意味でっ……!//)

 

(……む〜っ……Pチャンってば、あんなに鼻の下を伸ばして〜……やっぱり二人でヘンなことを……は”ぁ”〜あ”……本当、しょうがないんだからっ……)

 

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「「「いただきますっ♪」」」

 

「う〜ん♪ハンバーグ、おいし〜いにゃあ〜♡」

 

「……うん、このドリアも中々いいね。とても芸術的な味がするよ」

 

「うふふ……♪それにしても、ありがとうございます……プロデューサーさん……♪」

 

「いえいえ、遠慮しないでください。たまにはこうして、仕事終わりにファミレスでみんなで食事でもと思ったんです」

 

「ふふ……感謝をするよ、プロデューサー。ボクとみくと美優さんとで、今日は貴重な体験が出来たよ」

 

「そうね……飛鳥ちゃん……♪少し、恥ずかしかったけど……みんなと大切な思い出が作れて……よかったわ……♪」

 

「にゃふふ〜♡二人とも、と〜っても猫耳が似合ってたにゃ〜♡」

 

「ははっ、三人を推してよかったよ。ファンへのアンケートでも、三人は上位だったしな」

 

「それは嬉しいにゃ〜。Pチャンだって、二人の美女猫チャンに囲まれて幸せそうだったもんね〜♪」

 

「あぁ、そうだな。俺も二人に囲まれて役得で…………は……?」

 

「「「……」」」ジー

 

「だってサ♪Pチャンってば、二人を堪能出来て、とっても幸せなんだって〜♡」

 

「おい!みく!勝手に俺の発言を捏造するな!……ったく……お前の中で、俺は一体どういう人物像なんだよ……」

 

「ええ〜?PちゃんはPちゃんだにゃっ♪ね〜♪飛鳥チャン♪美優さんっ♪」

 

「ふふっ、そうだね。同じ空の下で共に礎を築いてきた同志の思惑なんて、手に取るようにボクにだってわかるさ」

 

「ううっ……そ、そうね……。プロデューサーさんに……その……じ、女性として見られてるのなら……嬉しい……のかな……?//」

 

「あの……御三方……?何やら、話がどんどんそれているような……むぐっ……!?」

 

「んもう、Pチャンは本当にしょうがないにゃあ〜♪ほら、特別にみくがあーんしてあげるにゃっ♪」

 

「……んぐ……ぷはっ……おいみく!お前今、あーんどころか俺の口に突っ込まなかったか!?」」

 

「気にしにゃい気にしにゃい♪だって、こうでもしないと恥ずかしがって絶対にしてくれないと思ったんだもん♪ほら、二人が早く待ってるよ♪」

 

「「……♪」」

 

(っ……な、何なんだろう……この、断っちゃいけないような二人の謎の圧はっ……)

 

「みく、中々やるじゃないか。では、僭越ながらボクも参戦させてもらうよ。ほらプロデューサー、みくの次はボクのもいただきたまえ」

 

「……えっと……じゃあ、私も……飛鳥ちゃんが終わったら……プロデューサーさんに食べてもらいたいです……なんて……♡」

 

「あっ、はい……では…………いただきます……」

 

「にゃふふ♪やっぱり、みんなで食べると美味しいね♪Pチャンっ♪」

 

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「ふぅ、美味しかったな」

 

「そうだね。美味しいひと時を過ごさせてもらったよ」

 

「えぇ……そうね……♪ご飯はみんなで食べると……とっても美味しいわね……♪」

 

「ご馳走様♪Pチャン♪ハンバーグ、とっても美味しかったにゃ♪」

 

「喜んでくれたのならよかった。このメンバーで食べるのは久々だったもんな」

 

「うふっ……そうですね……♪ところで……飛鳥ちゃん、大丈夫なの……?」

 

「ん?何がだい、美優さん」

 

「えっと……私と一緒にコーヒーを淹れに行った時は……ブラックみたいだったけど……」

 

「あぁ、もちろんさ。ありのままの素が一番美しい。森羅万象、全てにおける普遍の真理だとボクは思うね。ズズ……」

 

「……が、時に現世の文明社会では、己を偽りで内包しなければならない時もある……本当、複雑で残酷な世の中さ」

 

「……飛鳥チャン……一瞬、眉毛がピクってなってなかった……?」

 

「気のせいさ、みく。本当はブラックでもいいんだが、今回ばかりは気分があまり向かないみたいだ。だから砂糖を入れさせてもらうよ」

 

「あまり……無理しなくていいのよ……?……あっ……プロデューサーさん……少し、失礼しますね……」

 

「……はいっ♪少し……ネクタイがずれていましたよ……♪」

 

「えっ……?あっ、ありがとうございざます。では、俺も少し失礼しますね……はいっ、美優さんの頭に埃がついていましたよ」

 

「あっ……あうっ……私ったら……すみませんっ……//」

 

「「……ジー」」

 

「……ん?何だよ二人とも。俺たちをそんなに見つめて」

 

「べっつにぃ〜?ただぁ〜「アツアツ」カップルだな〜って思っただけにゃ〜。ねぇ〜」

 

「そうだね。幾多の試練や死線を共に乗り越えたかのような、熱くて強固な深い愛情がひしひしと伝わってくるよ」

 

「はあっ……!?何だよアツアツって!ていうか、カップルってどういうことだよ!誤解を生むようなことを言うな!//」

 

「そっ、そうですよっ……アツアツカップルだなんて……♡//」

 

「……ちょっ……み、美優さん!?それ……俺のコーヒーカップです……」

 

「ふぇっ……!?あっ……す、すみませんっ……私ってば……//」

 

「「……//」」

 

「……ねぇねぇ、飛鳥チャン……」

 

「皆まで言わなくてもわかるよ、みく。ふぅ……やっぱり、また気が変わったよ。今日は美味しいブラックコーヒーが飲めそうだ」

 

「……「目の前」の、全ての甘味をも凌駕する甘さが吹き飛ぶような……砂糖なしのとびっきり濃いのをね……」

 

「……同感。それじゃあ飛鳥チャン、みくと一緒にコーヒーを淹れに行こうにゃ。んじゃ、お二人でゆっくりしててね〜」

 

「あっ……おいっ……!」

 

(……くっ……みくが変なことを言うから、余計に意識しちゃったじゃないかっ……!//)

 

(あうっ〜……わ、私ってば……なんてはしたないことをっ……!プロデューサーさんのコーヒーカップに口をつけようとしてっ……//)

 

「……ほ〜んと、油断するとす〜ぐアレなんだから…………おバカ……」

 

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「じゃあな。今日も仕事を頑張ってくれてありがとう、二人とも。ゆっくりと女子寮で体を休めてくれ」

 

「あぁ、そうさせてもらうよ。今日はありがとうね、プロデューサー」

 

「お疲れ様、Pチャン♪ご飯、ご馳走様♪またよろしくお願いにゃ♪」

 

「うん、お疲れ様。今度もよろしく頼むぞ」

 

「……おっと……その前に一つ、言い忘れてたことがあった」

 

「うん?どうしたんだ?飛鳥」

 

「ボクはさっき、素の自分を偽りで内包しなければいけないと言ったよね……?」

 

「偽りで内包……あっ、あぁ……さっき、そんなようなことを言ってたな……」

 

「確かに、内包しなければいけない時もある。ボクたちは夢を与えるアイドルだからね」

 

「だが……いくら包み隠そうとも「真実」は永遠に輝き続けるのさ……心の中でずっと、ね」

 

「?」

 

「おっと、話しすぎたね。では、ボクはこれで失礼するよ。またよろしく頼むよ、おやすみ」

 

「あ、あぁ……おやすみ……?飛鳥のヤツ……一体なんだったんだ……?」

 

「……Pチャン。みくも最後に一ついいかな?」

 

「ん?どうしたんだ、みくも何かあるのか?」

 

「Pチャンはさ……今日のお仕事で、誰が一番猫っぽいって思ってくれた……?」

 

「えっ?いや……そんなことを当然言われても……」

 

「…………」

 

……プロデューサーさん……あの……わっ、私とっ……二人っきりで、そのっ……「ごろにゃん」しませんか……?……にゃんて……♡//

 

「……//」

 

「あ”〜っ”!Pチャンってば「美優にゃん」でヘンなことを考えてる〜!えっち!ヘンタイ!!」

 

「はあっ!?ちょっ……!おい!だから、俺の思考を勝手に決めつけるな!何で美優さんが出てくるんだよ!?//」

 

「ふんっ。Pチャンってば、ゴマかすの下手すぎ。本当にもうわかりやすいんだから……全てお見通しにゃ」

 

「うぐっ……!」

 

「はぁ〜……まあ、Pチャンもオトナのお兄さんだからね。多少、そういうことを考えちゃうのは仕方がないけど〜」

 

「……ダメだよ……?Pチャンの猫チャンはみくなんだから……他の猫チャンばかり構っちゃ……」

 

「ん……?いや、まあ……うちの事務所の猫アイドル=みくだって言うのは過言じゃないと思うぞ……?」

 

「ふふ〜ん……当然にゃ♪猫チャンはみくのアイデンティティーだからねっ♪んまあ、おやすみPチャン♪今日はありがとね〜♪」

 

「あぁ……おやすみ……ふぅ……みくと飛鳥も一体、何が言いたかったんだ……?ま、いいか」

 

「……さて、みくと飛鳥は寮に送って、美優さんも自宅へ送ったことだし、残りの仕事をさっさと済ませちゃうか……」

 

「……」

 

「……美優にゃん……オトナのイケナイネコチャン……って!お、俺は一体ナニを考えてるんだっ!」

 

「やばいやばい…………早く終わらせて、俺も今日は早めに寝よっと……」

 

「…………むぅっ〜」

 

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チュンチュン……。

 

カチャッ

 

「……あら……みくちゃん……?」

 

「あっ、ちひろさん。おはようございまぁ〜す」

 

「おはようございます。どうしたんです?こんなところに一人で机にうずくまって」

 

「……は”ぁ”〜……そうだね〜……。みく、最近Pチャンのことで悩んでることがあるんだ〜。ちひろさん、聞いてくれる〜?」

 

「プロデューサーさんの……?えっ、えぇ……私でよければ……どうしたんですか?」

 

「ありがとう。でね?Pチャンってばおバカなクセに最近、みくにはとってもうるさいんだ〜」

 

「だらしがないし、おっちょこちょいだし、それなのにみくにはいつもガミガミうるさいし」

 

「他にもすぐに女の子にデレデレしちゃうヘンタイだし、少しネクタイが曲がってダラしない時があるし」

 

「あっ!後、この前も少し髪の毛に寝癖があったりもしたにゃ!本当、Pチャンってば、みくがいないとダメダメすぎて困っちゃってるんだよ〜」

 

「……なるほど……♪うふふ♡その悩みってもしかして「恋煩い」なんじゃないですか?」

 

「……にゃっ……恋……?」

 

「えぇ♪ほら、よく言うじゃないですか♪「嫌よ嫌よも好きのうち」って♪みくちゃんは随分と慧眼なんですね♪」

 

「ちょっ……ち、違うよ!?別にみくは、Pチャンがあまりにもおバカだから目が離せないだけで……!」

 

「あれ〜?そうだったんですかぁ〜?でも、本当に嫌いならそんな細かいところまで気づけないと思うんですけどね〜♪」

 

「ううっ……そ、それはっ……!」

 

「ふふっ……♪でも、確かにプロデューサーさんは目が離せない時がありますよね♪私もその気持ちわかりますっ♪」

 

「……にゃうう〜……あ”っ”!そうだった!もうこんな時間にゃ!ではちひろさん!ちょっとPチャンのところにいってきま〜すっ!」

 

「うふふ……そうですか♪では、いってらっしゃい♪……あらあら♪相変わらず「女の子」なんだから♪みくちゃんは♪」

 

「……ダメですよ、プロデューサーさん。しっかり見守ってあげないと。猫は移り気で繊細なんですからっ♪」

 

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「……全くもう……ちひろさんってば……突然、何を言ってるにゃ……//」

 

「別に、Pチャンなんかどうでも……むしろ、うんざりしてるのに……」

 

「ドジでワガママでえっちで……す〜ぐ、他の女の子ばかり見て……変に優しくて……お節介で……」

 

「は”ぁ”〜……ダメだなぁ……。どうでもいいはずなのに、何でPチャンのことばかり考えちゃってるんだろ……」

 

「…………」

 

「……うん!そうだね!Pチャンは、みくがついていてあげないとね!」

 

「ホント、Pチャンはみくがいないとダメダメなんだから〜♪しょうがないにゃあ〜♪んじゃあ、さっそく……」

 

カチャッ

 

「……おはよ〜。Pチャ〜ン、いる〜?…………に”ゃ”っ”……!?」

 

「ん……?おっ、よおみく」

 

「Добрый день、みく、こんにちは」

 

「あっ……こ、こんにちは……あーにゃん……って……ふ、二人とも、何をしてるにゃっ!?」

 

「何って……少し、ひと休憩をしてたんだけど……」

 

「ひと休憩って……何で、あーにゃんを膝枕して頭を撫でとんね〜んっ!!」

 

「いや……まあ…………気分……?」

 

「うふふ……♪プロデューサーは、とても暖かくて気持ちいいですよっ♡」

 

「あはは……そう思ってくれるのは嬉しいけど……アーニャはアイドルなんだから、そういう発言はほどほどにしてくれよ〜……」

 

「むぅ〜……Pチャン……。何でそんなに嬉しそうなのさ〜……」

 

「は……?いや……そ、そんなことはないぞ!?ただ、愛おしいとは思ってるけどな!まるで「猫」みたいだしっ!」

 

「っ……「猫」……」

 

「猫……うふふ……♪では、Кот……今から、プロデューサーの猫になります……にゃんっ……♡」

 

「ちょっ……!?あ、アーニャ……!?」

 

「……プロデューサーのほっぺ、とても柔らかいですっ♪すりすりしちゃいますねっ♡」

 

「ええっと……アーニャ……?流石にそれは、少し大胆すぎると思うんですが……」

 

「猫は甘えたがりさんだとみくから聞きました♪……それとも……イヤ、でしたか……?」

 

「別に、嫌だとかではないんだけど……アーニャも女の子だし……なっ……?//」

 

「むむっ……んもう!Pチャンのアホ〜!!何、デレデレしてるにゃっ!!」

 

「はぁっ!?き、急に何だよ!?」

 

「ふんっ!!そんなにあーにゃんが好きなら結婚しちゃえばいいにゃっ!!おバカ!!えっち!!もう知らにゃいっ!!」

 

「結婚って……おい、みく!どういうことだよ…………行っちゃった……」

 

「……プロデューサー……?みく、どうしちゃったんですか?」

 

「……ま、気にするな。いつものことだし。放っておけばすぐに機嫌がよくなるだろ、あいつはいつもああだしな」

 

「そうですか……それならいいんですけど……」

 

「……ん?おっ。じゃあ、そろそろお仕事に行ってみるか。時間も時間だしな」

 

「あっ……そうですね……。では……Сделаю все отлично、今日も私、たくさん頑張りますっ♪」

 

(ふぅ……まあ……アーニャも女の子なんだし、確かにもう少しは危機感というものを持って欲しいけど……純粋で素直な良い子ではあるんだが……)

 

「……♡」

 

(……純粋……だよな……?)

 

「?どうしましたか?プロデューサー?」

 

「いや、何でもないよ。それじゃあ行こうか、アーニャ」

 

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「今日もありがとうございました♪では、до свидания、さようならです」

 

「あぁ。今日もしっかりとお仕事を頑張ってくれてありがとうな、アーニャ。寮でゆっくりと休んでくれ」

 

「はいっ♪……あっ……そうでした♪プロデューサー、最後に一ついいですか?」

 

「ん?どうしたんだ?」

 

「……Ты тот, кого я люблю……えいっ……♡」

 

チュッ……♡

 

「なっ……!?」

 

「ふふっ……では、またよろしくお願いしますっ♪オツカレサマですっ♪//」

 

「あっ、おい!アーニャ……行っちゃった……急に、どうしたんだ……?」

 

「……俺の頬に突然……あんなことを……。ふぅ〜……前から思っていたが、アーニャってちょっと距離感が近すぎるよな……」

 

「別に悪いってわけじゃないんだが……ま、いいか。役得……じゃなくて!文化圏の違いだよな、うん。そうに違いない!」

 

「ふぅ……やれやれ……本当、うちの事務所は自由気ままな猫だらけだな……」

 

「目が離せなくて……危なっかしい……アイドルの猫たちが……」

 

「…………」

 

んふっ……キミはもちろん、セクシーでオトナなネコチャンが好きだよねっ……♡

 

ふふっ、キミの膝は気持ちいいね。どうだい……?キミも……ボクで気持ちよくなってくれたかい……?♡

 

あっ、あの……プロデューサーさん……美優猫のことも……もっと構って欲しいです……にゃんっ……♡

 

プロデューサー……Очень тепло……とても、暖かいです……♡もっと甘えさせてください……にゃん……♡

 

「……はっ……!って、俺は一体ナニを考えてたんだ!?いけないいけない!俺としたことがっ……!」

 

「ふぅ……俺はプロデューサー……俺はプロデューサー……よし!事務所に戻って仕事をするか!」

 

「……ったく……もう少しは猫らしく、俺を警戒してくれよ……色々と無防備すぎなんだよ……」

 

「俺だって、これでも男なんだぞ……?もう少し、アイドルとしての自覚を持つとかだな……」

 

フォンッ♪

 

「……ん?メッセージ?えっと……誰からだろ…………えっ……」

 

------------------------------------------------

 

キィイイイイ……。

 

「……よぉ、みく」

 

「あっ……Pチャン……来てくれたんだ……」

 

「あぁ。で、どうしたんだよ?俺を突然屋上に呼んで。しかもこんな夕方に」

 

「えっとね……そのっ……相談したいことがあって、ずっと待ってたんだ……」

 

「相談……?まさか、昼からずっと事務所で俺の仕事が終わるのを待ってたのか?」

 

「……うん……。とても大事なことだから……」

 

「そうか……それは随分と待たせちゃったな。よし、さっそく聞かさせてもらおうか」

 

「ありがとう。じゃあ、さっそく相談させてもらうね。ねぇ……Pチャンってさ……」

 

「…………好きな人とか……いる……?」

 

「えっ……好きな人……?」

 

「うん……あのね……Pチャンの周りにはいつも色んな「猫チャン」がいるでしょ……?」

 

「……だから……好きな猫チャンがいるのかな〜って思ったんだ……」

 

「いや……そんなことをいきなり言われてもなあ……。でもまあ……猫は愛でるものなんじゃないか?それに、みんなはアイドルだし」

 

「ということは、つまり……今は特に誰もいないってことだよね……?」

 

「あぁ。俺たちはあくまで、アイドルとプロデューサーだしな。そういうことはまだ縁がないよ」

 

「そうなんだ…………でもね、みく……ううん、私はPチャンのことが大好きだよ。前からずっと」

 

「プロデューサーとしてじゃなくて、一人の大人のお兄さんとして好きなの……だから……えっと……」

 

「…………私の「専属の」Pチャンになってもらえませんか……?」

 

「っ……みく…………そうか。みくがそう思ってくれて俺は嬉しいよ。まあ、何と言うか……」

 

「……その気持ちをありがたく受け止めさせてもらうよ。ありがとうな、みく」

 

「えっ……ということはその……OKってことなのかな……?」

 

「あぁ。これからも、俺なりにみくと一緒に歩ませてくれ。アイドルとプロデューサーとしてな」

 

「Pチャン…………うんっ♪これからもよろしくねっ♪頼りにしてるにゃっ♪」

 

「よしっ、みくからの気持ちを受け取ったところで、今度は俺からお礼をさせてくれよ。これから暇か?」

 

「にゃっ……?お礼……?うん……この後は特に何もないけど……」

 

「よかった。それじゃあ、今から車を出すから待っててくれ。いい所に連れてってやるよ」

 

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「お待たせしました」

 

「ありがとうございます。よし、二人分来たな」

 

「……にゃあ〜……♪」

 

「じゃあさっそく食べようぜ。ほら、ナイフとフォークだ」

 

「うんっ♪ありがとっ♪でも……ここって……」

 

「あぁ。みくが来たがってたハンバーグの専門店だ。前に、俺におねだりをしてきただろ?」

 

「えっ……?まあ、それはそうだけど……でも、どうしてまた突然……?」

 

「みくから「大切な気持ち」をもらえたしな。日頃の感謝も含めて、俺からのささやかなお礼だよ」

 

「……それに……実は、俺のことよりもハンバーグのことで頭がいっぱいだったんじゃないか?」

 

「Pチャン……ううっ……流石は、みくのPチャ…………って〜……ちが〜うっ!!」

 

「ははっ、違ったのか?でも、食べたがってたのは事実だろ?」

 

「いや……そ、それは……まあ……そうだけど…………でも、みくはそんなに食い意地を張ってないもん……」

 

「冗談だ。みくには普段から頑張ってもらってるからな。とりあえず、遠慮せずに食べな」

 

「っ……うん、ありがとう……。ねぇ……ところで、Pチャン……?その……確認したいんだけどさ……」

 

「……みくたち……お付き合いしてるってことで……いいんだよね……?//」

 

「ん?何のことだ?俺たちは前からずっと一緒にいるじゃないか」

 

「にゃっ……?えっと……Pチャン……?みくのことを、どう思ってくれてるんだっけ……?」

 

「そんなの言うまでもないだろ。みくは俺の大切なアイドルさ。キュートな猫っぷりが売りのな」

 

「……で、でも……さっき、言ってくれたにゃ……みくと「付き合ってくれる」って……」

 

「あぁ。だから言っただろ?「アイドルとプロデューサー」だって。いつも常に一緒じゃないか」

 

「だから、気持ちだけ受け取っておくよ。そういうことはみくにはまだ早いと思うし」

 

「……むうっ……みくは本気で言ったのに……。子供だと思って……」

 

「事実、子供なんだからまだそういうことは考えなくていいんだ。今はアイドルに集中してくれよ、頼むぞ」

 

「……何だかイマイチ納得できないけど……わかったにゃ……。だけどその分「一生」みくに付き合ってもらうんだからね!覚悟するにゃ!」

 

「はいはい。これからも一緒に頑張っていこうぜ、みく。んじゃ、これからのみくと成功と繁栄を祈って、改めて……せ〜のっ」

 

「「……いただきますっ♪」」

 

------------------------------------------------

 

「はぁ〜♪美味しかったぁ〜♪今日はありがとう♪Pチャンっ♪」

 

「あぁ。どうだ、満足できたか?」

 

「うんっ♪突然のことだったから少しびっくりしたけど、とっても美味しかったにゃっ♪」

 

「よかったよかった。まっ、さっきも言ったけど、みくには普段から頑張ってくれてるからな。ささやかなご褒美だよ」

 

「……それに……俺だって、伊達にみくと一緒にずっといるわけじゃないからな。何でもお見通しさ」

 

「っ……そっか……確かに……ずっと一緒にいるもんね……アイドルデビューした時から……ずっと……」

 

「「……」」

 

「……ふふっ……それにしても、とても夜景が綺麗だにゃ♪」

 

「あぁ。都会のビル群が煌びやかに輝いてるな、海の波の音もとても気持ちいいな」

 

「そうだね♪みくも悩んだらよく、この海浜公園にきて景色をしばらく眺めてるんだ」

 

「……それに……ちょっと前にも……ここに来たことがあるしね……」

 

「ん……?どうしたんだ……?何か、悩み事でもあるのか……?」

 

「……うん。実を言うとね、さっきの屋上にいた時にもう一つ相談したいことがあったんだ……聞いてくれる……?」

 

「あ、あぁ……俺でよければ……どうした?」

 

「みくね……実はこの前、とっても怖い夢を見たの。その夢にPチャンが出てきたんだ」

 

「突然、事務所に呼び出されて、その時にPチャンにこう言われたの」

 

「……「猫キャラのアイドルはもう飽和状態だから、移籍してもらう」ってね……」

 

「っ……」

 

「うちの事務所にはたくさん「猫チャン」がいるでしょ?飛鳥にゃん、美優にゃん、志希にゃん、あーにゃん、そしてその他にも……」

 

「……だからね……いつか、みくはPチャンに飽きられて、捨て猫みたいに捨てられちゃうのかなって思っちゃったんだ……」

 

「みく…………」

 

「…………」

 

……ピンッ。

 

「い”だ”っ”……!?ち、ちょっとPちゃん!突然、みくのおでこに何をするにゃっ!?」

 

「……はぁ〜……何かと思ったら……そんなくだらないことで悩んでたのかよ……」

 

「っ……く、くだらなくないもん!みくは真剣に悩んでたんだよっ!?」

 

「そうか。でも正直、俺はみくのねこキャラはどうでもいいんだけどな」

 

「えっ……?」

 

「まあ、どうでもいいっていうのは語弊があったな。だけど別に、俺はお前をねこキャラだからスカウトをしたわけじゃない」

 

「「前川みく」だからスカウトをしたんだ。お前は世界で一人しかいないだろ?」

 

「だから、そんなことを気にするな。みくがアイドルを続けたいと思う限り、俺なりにみくに尽くさせてもらうよ」

 

「Pチャン……」

 

「…………」

 

「…………にゃっ!」

 

カプッ!

 

「うわっ……!?み、みくっ……!?」

 

------------------------------------------------

 

「……全く……何を寝ぼけたことを言ってるのさ!そんなの当たり前にゃ!」

 

「みくをスカウトした以上は、一生セキニンをとってもらうんだから!覚悟してよねっ!!」

 

「あ、あぁ……って!おい!突然何だよ!俺の首を甘噛みするな!お前は本物の猫か!!」

 

「ふ〜んだっ♪みくは自分を曲げないよっ♪だって、猫チャンなのはみくのアイデンティティーだもんねぇ〜♪」

 

「……それに……「女の子」としても……絶対に負けないんだからっ……♡」

 

「えっ…………んんっ……!?」

 

チュッ……♡

 

「……♡」

 

「「……」」

 

「……っあ……なっ……み、みくっ……!?//」

 

「……えへへ〜♡オクチにも「アマガミ」をしちゃったにゃ〜……♡」

 

「アマガミって……お前、今……//」

 

「……にゃふふ……♡言ったでしょ?みくは自分を曲げないって♡どう?みくの想いを受け取ってくれたかにゃ?」

 

「…………」

 

「んもう……Pチャンってば、みくのことを子供扱いばかりして〜。どうせ、さっきも子供の言うことだって思ってたんでしょ〜?」

 

「真剣に想いを告白をしたのに……簡単に受け流しちゃってさ〜。本当にPチャンってイヂワルだよね〜」

 

「いつも周りには女の子がいて……奥手で鈍感で……だけど、すごい優しくて暖かくて……」

 

「…………わかってもらうにはここまでするしかないでしょ……?Pチャンのおバカ……♡//」

 

「……みく……」

 

「「初めて」をあげちゃったんだから……セキニンをとってもらうにゃっ♡もちろん、アイドルとしてもねっ♡」

 

「……それとも……そんなにみくのことを、セクシーな猫チャンだと思ってくれた……?♡」

 

ムニュッ……♡

 

「っ……!?おい!何してるんだよっ!?」

 

「……みくね……少し恥ずかしいけど……いいよ……?このまま「シンデレラのお城」に連れて行ってくれても……♡」

 

「もうお外も暗くなってきたし……Pチャンだって、お年頃のお兄さんなんだし……ねっ……♡//」

 

「くっ……ば、バカなことを言ってないで、ほらっ!さっさと車に戻るぞっ!!」

 

「ええ〜……?んもう、しょうがないにゃぁ〜……ま、今回はそういうことにしておいてあげるにゃっ♡それじゃあ、右腕も〜らいっ♡」

 

「ったく……何なんだよ……いきなり訳のわからんことばかりしやがって……//」

 

「にゃふふ……でも……これでわかってくれたよね?みくは本気なんだってっ♡」

 

「アイドルとしても女の子としても……一度進んだ以上は絶対に負けたくないし……トップを取りたいにゃ……」

 

「だから……ずっと……ううん、一生をかけてPチャンにはみくをプロデュースしてもらうんだから……覚悟するにゃっ……♡」


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